JP2007266149A - 超電導線材の接続方法及び超電導線材 - Google Patents

超電導線材の接続方法及び超電導線材 Download PDF

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Abstract

【課題】超電導線材の超電導層と同様に、超電導層と金属基材についても電気的に接続し、より低コストでコンパクトに所定の安定性を有する超電導線材の接続方法及びそれを用いた超電導線材を提供する。
【解決手段】金属基材の片面に中間層を介して超電導層及び導電性金属層を順に積層形成してなる超電導線材の接続方法であって、接続すべき前記超電導線材の各接続端部を前記導電性金属層を対向させて配置する配置工程と、前記接続端部を覆うように前記超電導線材の一方の板状基材から他方の導電性金属層にかけて、導電性金属からなる接続板を前記超電導線材と密接させて積重する積重工程と、各超電導線材同士及び前記各超電導線材と前記接続板とを接続する接続工程とを含むことを特徴とする超電導線材の接続方法を使用する。
【選択図】図1

Description

本発明は超電導線材の接続方法及びその接続方法を用いた超電導線材に関する。
超電導コイルは、例えば磁気共鳴画像診断装置(MRI)や、超電導磁気エネルギー貯蔵装置(SMES)などの種々の用途に用いることができる。大型の超電導コイルを作製する場合には、数km〜数10kmの長さの超電導電導線材が必要になる場合がある。しかしながら、接続のない1本の単長の超電導線材でこのような長さを確保することは、超電導線材の製造の観点から難しい場合が多い。特に、高温超電導線材においては、例えば現状使用されているBi2223銀シース線材では1km程度の単長の線材が最長であり、次世代の線材であるY系線材では、まだ1km長の線材の製造には至っていない。
したがって、超電導コイルを製作する上では、超電導線材同士を接続することが必要であり、そのための技術は重要である。ここで、高温超電導線材、特に基板(基材)上に高温超電導層が形成された薄膜線材の場合、基板が高抵抗母材であり、かつ基板と高温超電導層との間に中間層と呼ばれるYSZ(イットリウム安定化ジルコニア)やCeOに代表される酸化物層が形成されているため、高温超電導線材同士の接続の際には、必ず基板側ではなく高温超電導層側同士を接続する必要がある。このような超電導接続技術の一部は、特許文献1にすでに示されている。
また、超電導線材同士を極力低抵抗に接続するために、超電導線材同士の接続部に新たな超電導層を形成するという超電導接続技術については、特許文献2に記載されている。
特開2000−133067号公報 特開2005−63695号公報
特許文献1には、超電導層と基板との間に、高抵抗材又は絶縁体である中間層の存在が示されており、接続部では、それぞれの基板は電気的に接続されていない状態である。この場合、例えば超電導線材で巻線されてなるコイルにおいて、例えばクエンチや熱暴走が発生したときに、基板側に電流を分流させることができない。そのため、特に臨界電流密度が高い高温超電導線材の場合は、コイルの安定性を維持するために高温超電導層側にさらに厚い安定化金属を配置するなどの処置をしなければならないことがある。高温超電導線材の元々の構成材を利用せずに新たに別の安定化金属を配置することは、コスト面、コイルサイズ面などで不利である。
また、特許文献2に記載の発明は、発明の本来の目的が低抵抗接続の方法であるため、接続プロセスが半田付けなどの接続方法と比較すると格段にコストと時間がかかるという問題がある。さらに、特許文献2の発明は基板を接続することを積極的な目的としていないため、100μm程度の基板の断面部分で電気的な接触を持たせているにすぎず、電流を分流させるために十分な接続面積が確保されていないという問題がある。
本発明はかかる従来の問題点を解決すべくなされたもので、超電導線材同士の接続において、超電導線材の超電導層と同様に、超電導層と基材についても電気的に接続し、クエンチや熱暴走が発生したときに、基材側に電流を分流させることができ、より低コストでコンパクトに所定の安定性を有する超電導線材の接続方法、その接続方法を用いた超電導線材及び超電導コイル装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態である超電導線材の接続方法は、金属基材の片面に中間層を介して超電導層及び導電性金属層を順に積層形成してなる超電導線材の接続方法であって、接続すべき前記超電導線材の各接続端部を前記導電性金属層を対向させて配置する配置工程と、前記接続端部を覆うように前記超電導線材の一方の金属基材から他方の導電性金属層にかけて、導電性金属からなる接続板を前記超電導線材と密接させて積重する積重工程と、各超電導線材同士及び前記各超電導線材と前記接続板とを接続する接続工程とを含むことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の他の実施形態である超電導線材の接続方法は、金属基材の片面に中間層を介して超電導層及び導電性金属層を順に積層形成してなる超電導線材の接続方法であって、接続すべき前記超電導線材の接続端部の端面同士を突き合わせる配置工程と、前記接続端部を覆うように、各超電導線材の導電性金属層上に、前記各超電導線材とは別の超電導線材を、それぞれの導電性金属層の面が対向するように積重する第1の積重工程と、前記各超電導線材の前記基材上に、第1の導電性金属からなる接続板が対向するように積重する第2の積重工程と、前記接続すべき超電導線材の端部又は長手方向の少なくとも1箇所において前記超電導層と前記基材とを第2の導電性金属からなる接続板により接触させる接触工程と、前記各超電導線材と前記別の超電導線材、前記各超電導線材と前記第1の接続板、及び前記第2の接続板による前記超電導線材の前記超電導層と前記基材の接続を、それぞれ接続する接続工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、超電導層と基材についても電気的に接続したので、クエンチや熱暴走が発生したときに、基材側に電流を分流させることができ、所定の安定性を有する超電導線材の接続を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る超電導線材の接続構造を示す断面図である。
超電導線材1は、金属基材2の片面に中間層3を介して超電導層4及び導電性金属層5が順次積層して形成されている。
金属基材2は、使用する超電導線材1の種類、材質、厚さなどによって適宜決めることができる。具体的には、銀、白金、ステンレス鋼、銅、Ni−W合金、Ni−Fe合金、例えばハステロイなどのニッケル基合金などの各種金属材料を用いることができるが、ニッケル基合金が好ましい。金属基材2は通常、板状の形状であり、その厚さは用途に応じて決めることができるが、通常50〜100μm程度である。また、金属基材2は通常高抵抗層である。
金属基材2は、超電導層4の異常時、例えば何らかの擾乱による温度上昇によるクエンチ現象や熱暴走などの超電導層4の異常発生時において超電導層4に流れている電流が、例えば導電性金属からなる接続板6を介して分流されて、超電導層4のジュール熱による焼けなどによる損傷などを防止できる。
中間層3を構成する材料は、例えば熱膨張係数が金属基材2よりも超電導層3の熱膨張係数に近い、YSZ(イットリウム安定化ジルコニア)、SrTiO、MgO、Al、LaAlO、LaGaO、YAlO、ZrOなどのセラミックス結晶体からなる中間層を用いることができる。これらの中でもできる限り結晶配向性の整ったものを用いることが好ましい。中間層3は、通常金属基材2と超電導層4とを絶縁するものである。中間層3の厚さは用途に応じて適宜決めることができるが、通常10〜800nm程度である。
超電導層4を構成する超電導体は、金属基材2上に中間層3を介して積層される超電導層4を形成できる超電導体である。これらの超電導体としては、高温超電導体が挙げられる。高温超電導体としては、イットリウム系高温超電導体、例えばYBCO系の酸化物超電導体、ホルミウム系高温超電導体、例えばHoBCO系の酸化物超電導体、RE123(Y、Nd、Sm等の希土類元素)系超電導体、A−B−Cu−O系(ただし、AはLa、Ce、Y、Sc、Ybなどの周期律表IIIa族元素の1種以上を示し、BはSr、Baなどの周期律表IIa族元素の1種以上を示す)の酸化物超電導体などが挙げられる。
超電導層4は、金属基材2上に中間層3を介して、例えば化学気相蒸着法(CVD法)等によって、YBCOなどの超電導体の薄膜を形成して製造することができる。このような超電導層4の厚さは用途に応じて適宜決めることができるが、通常1μ程度の厚さである。
導電性金属層5の材質は、銀、ステンレス、銅、SUS(例えば、SUS304)などが挙げられる。導電性金属層5の厚さは、用途に応じて適宜決めることができるが、通常10〜100μm程度であり、例えば50μmである。
導電性金属層5と超電導層4との間には、例えば、銀の蒸着層が形成されていてもよい。この場合銀の蒸着層の厚さは適宜決めることができ、例えば10μm程度とすることができる。
一方の超電導線材1aと他方の超電導線材1bの接続部(接続端部)の重複部の長さ、いわゆるラップ長(W)は、用途に応じて適宜決めることができる。ラップ長(W)は、必要とされる接続部の強度によっても異なるが、通常5cm以上、例えば5〜10cm程度あればよい。
次に、導電性金属からなる接続板6について説明する。導電性金属からなる接続板6は、銀、銅などの導電性の材質の金属からなる。導電性金属からなる接続板6は、絶縁性の中間層3を介して存在する金属基材2と超電導層4とを電気的に接続する。したがって、例えばクエンチや熱暴走が発生したときに、超電導層4から金属基材2に電流を分流することができる。また、導電性金属からなる接続板6は、各超電導線材1a、1bの接続の界面部分(接続端部)の強度を向上させることができる。
導電性金属からなる接続板6の長さ、厚さ及び形状などは、用途に応じて適宜決めることができる。例えばその長さは、ラップ長(W)の半分以上の長さとすることができる。
次に、複数の(ここでは2本の)超電導線材1a、1bの接続方法について説明する。まず、接続すべき超電導線材1a、1bの各接続端部を導電性金属層5をそれぞれ対向させて配置する。次に、このように重ねて配置された接続端部を覆うように超電導線材の一方の金属基材2から他方の導電性金属層5にかけて、導電性金属からなる接続板6を各超電導線材1a、1bと密接させて積重する。そして、各超電導線材同士及び各超電導線材と接続板とを接続する。
各超電導線材同士及び各超電導線材と導電性金属からなる接続板とを接続する方法としては、これらを電気的に接続できる方法であればいずれの方法を使用することができる。例えば、半田付け、拡散接合などを用いて接続することができる。
例えば、半田付けを用いて接続する場合には、一方の超電導線材1aの導電性金属層5の接続される接続端部に半田を配置し、他方の超電導線材1bの導電性金属層5の接続される接続端部を、この半田上に対向して重ね合わせて配置し、加熱又は場合により加圧下で加熱することにより半田を溶融させて接続する。
使用する半田は、超電導線材1の種類、導電性金属層5の種類などに応じて適宜決めることができる。半田としては、例えば、銀、銅、インジウム、すず−銀系半田、すず−銅系半田、すず−鉛半田、インジウム−銀系半田、すず−インジウム系半田、すず−ビスマス系、すず−ビスマス−インジウム系半田などの半田を使用することができる。また、半田付けの条件は、使用する半田の種類などに応じて適宜決めることができる。
また、例えば拡散接合を用いて接合する場合には、一方の超電導線材1aの導電性金属層5の接続される接続端部と、他方の超電導線材1bの導電性金属層5の接続される接続端部を対向して重ね合わせて配置し、加熱又は場合により加圧下で加熱することにより接続する。拡散接合の条件は、使用する超電導線材1の種類、導電性金属層5の種類などに応じて適宜決めることができる。
このように、超電導層と金属基材とを確実に電気的に接続することにより、クエンチや熱暴走などが発生したときに、超電導層から金属基材に電流を分流することができ、より低コストでコンパクトに所定の安定性を有する超電導線材の接続構造を提供することができる。また、各超電導線材の接続の界面部分の強度を向上させることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図2は、本発明の第2の実施形態に係る超電導線材の接続構造を示す断面図である。
この実施形態に係る超電導線材の接続構造は、超電導線材1において、各超電導線材の金属基材2の、中間層3が形成されている面とは反対側に安定化金属層7が形成されている。安定化金属層7は、例えば銅、銀などの材質からなる。安定化金属層7の厚さは、用途に応じて適宜きめることができる。例えば、50〜100μm程度とすることができる。安定化金属層7は、例えば半田付け、拡散接合などの方法により接続される。
この実施形態によれば、安定化金属層7は、金属基材2に面して存在しているので、例えば、超電導層4にクエンチや熱暴走が発生したときに、金属基材2の他に、安定化金属層7にも電流を分流することができるので、より安定性を有する超電導線材の接続構造を提供することができる。
次に、本発明の第3の実施形態における図3乃至図5に基づいて説明する。図3は、この実施形態における各超電導線材の接続構造を示す断面図、図4は、この実施形態における超電導線材の端部における接続構造を示す断面図、図5は、この実施形態における超電導線材の長手方向における少なくとも1箇所での接続構造を示す断面図である。
まず、この実施形態において図3に示される複数の(ここでは2本の)超電導線材1a、1bの接続について説明する。この実施形態における別の超電導線材11は、金属基材12、中間層13、超電導層14、導電性金属層15が順次積層されて形成される。この実施形態において、別の超電導線材11は、超電導線材1と異なるものであっても、同種のものであってもよいが、製造が容易であるため同種のものが好ましい。別の超電導線材11の長さは、用途に応じて適宜決めることができるが、通常5cm〜10cm程度である。
まず、接続すべき超電導線材1a、1bの接続端部の端面同士を突き合わせて配置する。次に、この接続端部を覆うように、各超電導線材1a、1bの導電性金属層5上に、各超電導線材1a、1bとは別の超電導線材11を、それぞれの導電性金属層5及び15の面が対向するように積重する。さらに、この接続端部を覆うように、各超電導線材1a、1bの金属基材2上に、導電性金属からなる接続板8を積重する。そして、各超電導線材1a、1bと別の超電導線材11、及び各超電導線材1a、1bと導電性金属からなる接続板8とをそれぞれ接続する。ここで、接続する方法としては、本発明の第1の実施形態と同様に、半田付け、拡散接合を用いて電気的に接続を行うことができる。また、突き合わされて配置された各超電導線材1a、1bは、別の超電導線材11を介して電流が流れるので、各超電導線材1a、1bの端面同士は接触していても又は接触していなくてもよい。また、各超電導線材1a、1bの端面同士は電気的に接続、例えば半田付け若しくは拡散接合されていても又はされていなくてもよい。
このように各超電導線材1a、1b同士を突き合わせ、別の超電導線材11を介して電気的に接続することにより、接続による超電導線材の長手方向での面の反転がないので、超電導線材の製造性が向上する。
次に、この実施形態において図4で示される超電導線材の接続について説明する。まず、図4(a)に示すように、金属基材2、中間層3、超電導層4及び導電性金属層5が順次積層して形成される超電導線材1は、その端部において、導電性金属層5を介して金属端子21と電気的に接続されている。金属端子21は、導電性金属、例えば銀、銅で構成される。金属端子21から、導電性金属層5を介して超電導層4に電流が流れる。
超電導線材1の端部、すなわち金属端子21の少なくとも一方において、超電導線材1の金属基材2と金属端子21が、導電性金属からなる接続板22を介して電気的に接続される。導電性金属からなる接続板22は、その材質及び接続方法などは、本発明の第1の実施形態における導電性金属からなる接続板6と同様である。接続する方法としては、例えば半田付け、拡散接合などが挙げられる。
図4(b)は、超電導線材1が、その端部において、金属基材2を介して金属端子21と接続されている。図4(b)では、超電導線材1の端部、すなわち金属端子21の両方において、超電導線材1の導電性金属層5と金属端子21が、導電性金属からなる接続板22を介して電気的に接続される。これは、金属端子21から超電導層4へ電流が流れるために、超電導線材1の端部の両方において、導電性金属からなる接続板22で接続する必要があるからである。図4(a)及び図4(b)において、超電導線材1の端部とは、超電導線材1が接続された線材である場合には、その線材の末端部を意味する。
図4(a)の接続構造と図4(b)の接続構造のうち、図4(a)の接続構造の方が製造が容易なため、また、超電導線材1の端部における金属端子21と導電性金属からなる接続板22との接続が少なくとも一方でよいため好ましい。
このように超電導線材1の端部において、金属端子21と導電性金属からなる接続板22とが電気的に接続されることにより、超電導層4と金属基材2とが電気的に接続される。
次に、この実施形態において図5に示される超電導線材の接続について説明する。図5は、超電導線材1の長手方向における所定の箇所において導電性金属からなる接続板23で超電導線材1の超電導層4と金属基材2とを接続する構造の断面図である。金属基材2、中間層3、超電導層4、及び導電性金属層5が順次積層して形成される超電導線材1のうち、絶縁性の中間層3を介して存在する導電性金属からなる基材2と超電導層4とを、超電導線材1の長手方向の所定の箇所において、導電性金属からなる接続板23によって接触させ、電気的に接続する。
導電性金属からなる接続板23の材質としては、本発明の第1の実施態様における導電性金属からなる接続板6と同様であり、銀、銅などが挙げられる。また、導電性金属からなる接続板(接続部)23は、超電導線材1の超電導層4と金属基材2とを接続できる形状であればいずれの形状も使用することができる。例えば、図5に示されるような断面形状がコの字型の形状のものや、内部が空洞である長方形形状のものなどを使用できる。
この導電性金属からなる接続板23による電気的な接続は、金属基材2と超電導層4とを電気的に接続できる方法を用いることができる。例えば、半田付け、拡散接合などを用いることができる。
この導電性金属からなる接続板23による電気的な接続の箇所は、超電導線材1の長手方向において1箇所以上であればよいが、複数個所において接続することにより、例えばクエンチの発生時に、より迅速に電流を超電導層4から金属基材2に流すことができる。なお、この実施形態における超電導層4から金属基材2に流すための超電導線材の接続は、図4の超電導線材1の端部(金属端子21)における接続及び図5の超電導線材1の長手方向における所定の箇所の接続のうちの少なくともいずれか一方の接続があればよいが、これらの両方の接続を有することもできる。この場合、例えばクエンチの発生時に、さらにより迅速に電流を超電導層4から金属基材2に流すことができるため好ましい。
この実施形態における超電導線材の接続は、図3に示すように各超電導線材1a、1bを接続し、かつ、図4及び/又は図5に示されるように超電導線材1の端部及び/又は超電導線材1の長手方向の少なくとも1箇所で導電性金属からなる接続板22及び/又は23を介して超電導線材1の超電導層4と金属基材2とが接続される構成を有する。図3に示すような超電導線材1a、1bの接続により、超電導線材の接続により長手方向における超電導線材の面の反転がないので、超電導線材の製造性が向上し、図4及び/又は図5に示すような超電導線材1の超電導層4と金属基材2との接続により、例えばクエンチの発生時に、電流を超電導層4から金属基材2に電流を分流することができ、より低コストでコンパクトに所定の安定性を有する超電導線材の接続構造を提供することができる。
次に、本発明の第4の実施形態について図6に基づいて説明する。図6は、この実施形態における超電導線材の接続構造を示す断面図である。この実施形態は、本発明の第3の実施形態における図3に示す超電導線材の接続構造に対応する接続構造である。
この実施形態では、図3に示すような超電導線材1a、1bの接続構造に、さらに導電性金属からなる接続板6で接続する接続構造を有する。図6に示すように、別の超電導線材11の両側の接続端部を覆うように別の超電導線材11の金属基材12から各超電導線材1a、1bの導電性金属層5にかけて、導電性金属からなる接続板6が密接されて積重される。導電性金属からなる接続板6は、図6に示されるように2つの導電性金属からなる接続板6からなるものであってもよく、一体となった1つの導電性金属からなる接続板6であってもよい。
このようにこの実施形態においては、導電性金属からなる接続板が接続されることにより、超電導線材の接続がより確実になり、超電導線材の接続の界面部分の強度がさらに増大する。
次に、本発明の第5の実施形態について図7に基づいて説明する。図7は、この実施形態における超電導線材の接続構造を示す断面図である。この実施形態は、本発明の第3の実施形態における図3に示す各超電導線材の接続構造に対応する接続構造である。
この実施の形態では、図7に示すように、複数本(図面では2本)の超電導線材1a、1bの導電性金属層5が同じ向きになるような方向で突き合わせ、超電導線材1a、1bの導電性金属層5の接続端部と重なるように、導電性金属板、すなわち安定化金属層24を配置する。各超電導線材1a、1bの金属基材2は、導電性金属からなる接続板8を配置して電気的に接続する。安定化金属層24と超電導線材1の導電性金属層5との接続は、これらを電気的に接続できる方法、例えば半田付け、拡散接合などを使用することができる。
安定化金属層24は、導電性の材料から形成され、各超電導線材1a、1bの超電導層4の電気的な接続を行なえる材質のものであればよい。これらのうち、抵抗率の少ない金属、例えば銅、銀が好ましい。安定化金属層24の厚さ及び長さは使用される超電導線材の種類などに応じて適宜決めることができる。
この実施の形態によればより低コストで超電導線材の接続構造を提供することができる。
次に、本発明の内容を実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
2本の超電導線材を用意した。超電導線材は、ハステロイテープ上にイオンビームアシストスパッタリング法によりYSZ(イットリウム安定化ジルコニア)面配向中間層(厚さ200nm)を形成したテープ状部材(幅2cm×長さ10m×厚さ100μm)上に、厚さ1μmのY−Ba−Cu−O系の超電導層を形成し、さらにその上に厚さ10μmの銀の蒸着層を介して厚さ50μmの銅層が形成されたものを用いた。
次いで、一方の超電導線材の銅層の表面の接続端部にスズ−銀系半田を配置し、この半田が配置された接続端部上に他方の超電導線材の銅層の表面の接続端部を重ね合わせた。
さらに、この接続端部を覆うように超電導線材の一方のハステロイから他方の銅層にかけて、銅製の接続板を、半田を用いて各超電導線材と密接させて積重した。
250℃の加熱による半田付けにより電気的に接続して、図1に示すような超電導線材の接続構造を得た。ここで一方の超電導線材と他方の超電導線材の接続端部のラップ長(W)は5cmであった。また、接続端部の半田の厚みは、10μmであった。
この結果、一方の超電導線材の超電導層と他方の超電導線材のハステロイ(基材)との良好な接続が得られた。また、超電導線材の接続端部の接合強度が向上した。
(比較例1)
銅製の接続板を使用しない以外は、実施例1と同様にして超電導線材の接続構造を得た。
この結果、一方の超電導線材の超電導層と他方の超電導線材の基材層の間の良好な接続構造を得ることができなかった。
(実施例2)
実施例1と同様の2本の超電導線材を用意した。これらの2本の超電導線材の接続端部の端面同士を突き合わせ、接続端部を覆うように、各超電導線材の銅層上に、この超電導線材と同種の超電導線材(長さ:5cm)を、スズ−銀系半田を介して、それぞれの銅層の面が対向するように、積重した。次に、各超電導線材のハステロイ(基材)上に、銅製の接続板(長さ:5cm)が対向するように積重した。
さらに、超電導線材の中央近部において、超電導層とハステロイ(基材)とを、スズ−銀系半田を介して、断面形状がコの字型の銅製の接続板を接触させた。250℃の加熱による半田付けにより電気的に接続して、図3及び図5に示すような超電導線材の接続構造を得た。
この結果、超電導線材の接続による長手方向における超電導線材の面の反転がないので、超電導線材の製造性が向上し、超電導線材の超電導層とハステロイ(基材)との良好な接続が得られた。
本発明の第1の実施形態に係る超電導線材の接続構造を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る超電導線材の接続構造を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態における超電導線材の接続構造を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態における超電導線材の端部における接続構造を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態における超電導線材の長手方向の所定の箇所における接続構造を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る超電導線材の接続構造を示す断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る超電導線材の接続構造を示す断面図である。
符号の説明
1,1a,1b…超電導線材、2…金属基材、3…中間層、4…超電導層、5…導電性金属層、6…導電性金属からなる接続板、7…安定化金属層、8…導電性金属からなる接続板、11…別の超電導線材、12…金属基材、13…中間層、14…超電導層、15…導電性金属層、21…金属端子、22…導電性金属からなる接続板、23…導電性金属からなる接続板、24…安定化金属層

Claims (4)

  1. 金属基材の片面に中間層を介して超電導層及び導電性金属層を順に積層形成してなる超電導線材の接続方法であって、
    接続すべき前記超電導線材の各接続端部を前記導電性金属層を対向させて配置する配置工程と、
    前記接続端部を覆うように前記超電導線材の一方の金属基材から他方の導電性金属層にかけて、導電性金属からなる接続板を前記超電導線材と密接させて積重する積重工程と、
    各超電導線材同士及び前記各超電導線材と前記接続板とを接続する接続工程と
    を含むことを特徴とする超電導線材の接続方法。
  2. 金属基材の片面に中間層を介して超電導層及び導電性金属層を順に積層形成してなる超電導線材の接続方法であって、
    接続すべき前記超電導線材の接続端部の端面同士を突き合わせる配置工程と、
    前記接続端部を覆うように、各超電導線材の導電性金属層上に、前記各超電導線材とは別の超電導線材を、それぞれの導電性金属層の面が対向するように積重する第1の積重工程と、
    前記各超電導線材の前記基材上に、第1の導電性金属からなる接続板が対向するように積重する第2の積重工程と、
    前記接続すべき超電導線材の端部又は長手方向の少なくとも1箇所において前記超電導層と前記基材とを第2の導電性金属からなる接続板により接触させる接触工程と、
    前記各超電導線材と前記別の超電導線材、前記各超電導線材と前記第1の接続板、及び前記第2の接続板による前記超電導線材の前記超電導層と前記基材の接続を、それぞれ接続する接続工程と
    を含むことを特徴とする超電導線材の接続方法。
  3. 前記第1の積重工程が、前記別の超電導線材とは異種の導電性金属板を、各超電導線材の導電性金属層上に、対向するように積重する
    ことを特徴とする請求項2に記載の超電導線材の接続方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の接続方法の少なくとも1つを用いて接続された接続部を有することを特徴とする超電導線材。
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