JP2009242558A - シロキサンプレポリマー、シリコーン樹脂及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シロキサンプレポリマー製造の工程を簡略化でき、重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルコキシジアルキルシラン類の導入効率の高いシロキサンプレポリマーの製造方法、該製造方法で得られるシロキサンプレポリマー、及びそれを用いてなる光学特性に優れた光学材料用シリコーン樹脂を提供する。
【解決手段】 プレポリマー化触媒をアミン系触媒として縮合反応すると、中和工程が不要で、透明性と屈折率の光学特性を阻害することなく品質の高いシロキサンプレポリマーが得られ、重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルキルシロキサン基の導入を高めることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、重合性エチレン系不飽和結合を分子内に有するシロキサンプレポリマーとその製造方法及びそれを用いた重合性エチレン系不飽和結合を分子内に有するシリコーン樹脂に関する。より詳しくは重合性エチレン系不飽和結合基の導入効率が高められ、該プレポリマーの分離精製の工程が簡略化された重合性エチレン系不飽和結合を分子内に有するシロキサンプレポリマー、その製造方法、及び該プレポリマーを縮合反応した際に調光材料としての光学特性を有する重合性エチレン系不飽和結合を分子内に有するシリコーン樹脂に関する。
シリコーン樹脂は柔軟で電気絶縁性に富むだけでなく、光透過性に優れ光学材料としての特性を有する樹脂である。このようなシリコーン樹脂はシランモノマーを直接重合したり、シランモノマーを一旦両末端シラノール基ジアルキル(ジアリール)シロキサン類もしくはプレポリマーとしたのち、シリコーン樹脂を製造することができる。
シロキサンプレポリマーは、シリコーン樹脂を製造する上で、成分の混合性や分散性を制御できるため、光学素子やフィルターへの加工にあたって特に有利である。
シロキサンプレポリマーとしては、例えば、直鎖状あるいは分岐鎖状構造を有する低分子量オルガノポリシロキサンが挙げられ、このようなシロキサンプレポリマーは、使用する単量体(モノマー)、比較的分子量の小さい多量体、触媒、合成条件の選定によって例えばSiOの繰り返し単位を主鎖とし、Siに結合する置換基を側鎖とした場合、繰り返し単位や置換基の種類及び置換数によって多種多様な構造と機能を有するシロキサンプレポリマーを得ることができ、これを用いてさらに多様なシリコーン樹脂やシロキサン基を有する高分子化合物を得ることができる。
しかしその一方で、使用する単量体(モノマー)、触媒、ないしは合成条件の選定によっては反応率の低下に伴い官能基の導入率が低下したり、不純物が混入したりすることで、そのままでは、或いはさらに精製を行っても調光材料用途では使用できない場合がある。
本技術分野においては、シロキサンプレポリマーの中でも、有機基と反応する反応性官能基を有するシロキサンプレポリマーは、熱、光等によりラジカル、カチオンを生成する化合物を用いることで架橋、三次元的網目構造へと導くことが可能であり、なかでも有機基と反応する反応性官能基を有するシロキサンプレポリマーは、縮合反応させることで有機基と反応する反応性官能基を有するシリコーン樹脂を製造することができる点で好適である。
この有機基と反応する反応性官能基を有するシリコーン樹脂は、シリコーン樹脂同士のみならず、シリコーン樹脂以外の各種樹脂形成性材料とも反応して変性されたシリコーン樹脂を得ることができ、製造上の利便性に優れる。この変性されたシリコーン樹脂は、多様な形状をとるが、光学素子やフィルターに加工する場合、反応性官能基を反応させて硬化させたシリコーン樹脂硬化物を得ることができ、光学材料用途の硬化物の光学特性の制御や、加工容易性など優れた特徴を発揮する。
このような反応性官能基としてはアミノ基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基、クロロ基等が挙げられるが、本発明における光学特性に優れたシリコーン樹脂を得る目的においてはビニル基が好ましく、特に重合性エチレン系不飽和二重結合が好適である。
従来の光学特性を有する重合性エチレン系不飽和結合を分子内に有するシリコーン樹脂の製造方法としては、次の様な方法が知られている。
1種以上の直鎖状の両末端シラノール基ジアルキル(ジアリール)シロキサン類と重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルコキシジアルキルシラン類(A)とを2−エチルヘキサン酸スズ(II)のような重合触媒(ポリマー化触媒)を用いて、炭化水素系溶媒中で共沸により脱水縮合反応して所定の重合度まで縮合し、末端封止剤を添加して末端を封止してシリコーン樹脂を得る方法が開示されている(特許文献1)。
特許文献1の方法により得られたシリコーン樹脂は、シロキサン主鎖に対する側鎖のアルキル基とアリール基の相対的な導入比率によって屈折率を調整することで、光学材料とできることが記載されている。
しかし、特許文献1の方法では重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルコキシジアルキルシラン類の反応性が低いために導入効率が悪いため、該重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルコキシジアルキルシラン類の導入比率を自由に調整することは困難であった。またアルキル基とアリール基の比率についても、原料の両末端シラノール基ジアルキル(ジアリール)シロキサン類自体のアルキル基とアリール基の比率を予め好適な範囲となるよう分離精製しておく必要があり、シリコーン樹脂製造時に自由に調整することは困難であった。同様に、原料の両末端シラノール基ジアルキル(ジアリール)シロキサン類には通常約30%の割合で、縮合反応することのない環状不純物が混入しているため、前処理として予め減圧にてこれを分離精製しなければならなかった。さらに特許文献1の方法では縮合反応時の反応制御が難しく、突然重合性エチレン系不飽和二重結合が重合し始め、ゲル化を引き起こすことがあるという欠点があった。
これに対し本出願人は、あらかじめ両末端シラノール基ジアルキル(ジアリール)シロキサン類とせず、重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルコキシジアルキルシラン類と、ジアルコキシジアルキルシラン類と、ジアリールシランジオール類とを出発物質とし、水酸化カリウムのような無機塩基をプレポリマー化触媒として反応を促進して、一度にシロキサンプレポリマーを製造し、酸性の中和剤によって中和しさらに分液分離してシロキサンプレポリマーを精製したのち、2−エチルヘキサン酸スズ(II)のような縮合用の触媒(ポリマー化触媒)を用いて、炭化水素系溶媒中で共沸により脱水縮合反応して所定の重合度まで縮合し、末端封止剤を添加して末端を封止してシリコーン樹脂を得る方法を開示している(特許文献2)。
特許文献2の方法によって、一度に重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルコキシジアルキルシラン類とそれ以外のシラン類とを縮合反応してプレポリマー化できるため、特許文献1のように両末端シラノール基ジアルキル(ジアリール)シロキサン類の事前調製時に環状不純物を分離精製する工程が不要で、短い時間で製造でき、アルキル基とアリール基の比率をシロキサンプレポリマー合成時に自由に調整することができる一方で、プレポリマー化触媒として無機塩基を用いるために、シロキサンプレポリマー合成後、該無機塩基を除去するための中和や分離精製の工程を要する。さらに分離精製時、除去するべき該無機塩基の中和物を含有する水層に水溶性低分子量シラン化合物が混入し、製品の得量を下げるばかりか、該水層の廃液処理時においても、燃焼時不燃性の二酸化ケイ素が生成する不具合があった。また重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルコキシジアルキルシラン類の導入効率も十分ではなかった。
米国特許第6,416,827号(Example.7) 特開2004−162060(第4頁、第9〜10頁)
本発明は、シロキサンプレポリマー製造の工程を簡略化でき、重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルコキシジアルキルシラン類の導入効率の高いシロキサンプレポリマーの製造方法と、該製造方法で得られるシロキサンプレポリマーと、それを用いてなる光学特性に優れた光学材料用シリコーン樹脂を提供することにある。
発明者らは、前記実情に鑑みて鋭意検討した結果、プレポリマー化触媒をアミン系触媒とすると、中和工程が不要で、透明性と屈折率の光学特性を阻害することなく品質の高いシロキサンプレポリマーが得られ、重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルキルシロキサン基の導入を高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルコキシジアルキルシラン類(A)と、ジアルコキシジアルキルシラン類(B)と、ジアルキルシランジオール類(C)とを出発物質として合成されたプレポリマーとその製造方法、及びそれを用いた重合性エチレン系不飽和二重結合を有するシリコーン樹脂に関する。
本発明のシロキサンプレポリマーの製造方法によれば、シロキサンプレポリマー製造工程における、触媒とプレポリマーとの分離工程を簡略化でき、且つ重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するジアルコキシジアルキルシラン類を高い効率で導入することができ、該シロキサンプレポリマーを用いて、硬化性や平滑性に優れた硬化物形成能を有する重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシリコーン樹脂を得ることができるという格別の効果を奏する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のシロキサンプレポリマーは、重合性エチレン系不飽和二重結合を保持したまま、縮合反応により重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシリコーン樹脂を形成するもので、該シリコーン樹脂が有する重合性エチレン系不飽和二重結合を利用してシリコーン樹脂を紫外線もしくは電子線で硬化して硬化物とすることができる。
本発明のシロキサンプレポリマーは、ジアルコキシ基を有するシラン類から選ばれる1以上のシラン類と、ジシラノール基を有するシラン類から選ばれる1以上のシラン類を出発物質として縮合反応して得られるシロキサンプレポリマーを言い、本発明のシロキサンプレポリマーは、これらのシラン類同士の縮合反応によって得ることができる。
本発明のシロキサンプレポリマーには、ジアルコキシ基を有するシラン類のうち、少なくとも1種以上の反応性基を分子内に有するジアルコキシ基を有するシラン類を用いる。少なくとも1つの有機基と反応する官能基を有するシラン類を用いることで、シロキサンプレポリマーの縮合反応によって得られた少なくとも1つの有機基と反応する官能基を有するシリコーン樹脂を紫外線もしくは電子線によって硬化する際、側鎖反応基により三次元架橋が形成でき、光学特性を調整されたシリコーン樹脂を再現性良く製造することができる。
このような反応性官能基としてはアミノ基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基、クロロ基等が挙げられるが、なかでも本発明における光学特性に優れたシリコーン樹脂を得る目的においては重合性エチレン系不飽和二重結合であるビニル基を有する反応性官能基が好適である。重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルコキシジアルキルシラン類の重合性エチレン系不飽和二重結合を有するアルキル基としては、例えばビニル、スチリル、アクリロキシ、メタクリロキシ基が挙げられる。
このような重合性エチレン系不飽和二重結合を有するアルキル基は、ジアルコキシジアルキルシラン類(A)において、該重合性エチレン系不飽和二重結合を有するアルキル基はシロキサンプレポリマーから得られた重合性エチレン系不飽和二重結合を有するシリコーン樹脂を三次元架橋反応によって硬化物とする際に必要であり、該アルキル基としては、アクリロキシ基を有する炭素数1〜4のアルキル基と炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基からなり、アルコキシ基としては同じでも異なっても良い炭素数1〜4のアルコキシ基からなり、ジアルコキシシラン基を構成単位とするアクリロキシアルキルジアルコキシシラン類の少なくとも1種以上から選ばれる。
アクリロキシ基を結合してなるアルキル基の炭素原子数の多少により、硬化物とする際の架橋距離が制御できる。本発明におけるアクリロキシ基を結合してなるアルキル基の炭素原子数はシリコーン樹脂とする際の反応性や、得られたシリコーン樹脂の硬度や屈折率のような光学特性の点から、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基が好ましく、このような重合性エチレン系二重結合を有するアルキル基としては、例えばアクリロキシメチル基、アクリロキシプロピル基、(メタ)アクリロキシプロピル基等が挙げられる。
なかでも、重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルコキシジアルキルシラン類は、化合物(I)で表される化合物である場合、反応性と紫外線硬化性の点から特に好ましい。
一般式(I)
Figure 2009242558
式(I)中Rは低級のアルキル基であり、Rは水素もしくはメチル基であり、またR基は低級アルキル基であり特に立体障害の少ないメチル基が用いられる。
式中Rが特にメチル、エチル基であると反応性が高くなり好適である。また式中Rが特に特に水素の場合、紫外線硬化能が高く好ましい。さらにR基がメチル基の場合は、立体障害が少なく特に好ましい。
本発明において、ジアルコキシジアルキルシラン類(B)は、下記式(II)で表わされる化合物である。
一般式(II)
Figure 2009242558
式(II)中Rは低級のアルキル基、アリル基またはアリール基であるジアルキル基であり、Rは低級のアルキル基である。
式(II)中Rがメチル、エチル基であれば反応性の高さから好適に使用される。Rは低級のアルキル基であり、Rはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基が該当し、これらはアルコキシ基の加水分解反応が良好であり好ましい。中でもRがメチル基であると、加水分解性が特に高くなることから、特に好ましい。
本発明において、ジシラノール基を有するシラン類(C)は、下記式(III)で表わされる化合物である。
一般式(III)
Figure 2009242558
式(III)中Rは低級のアルキル基またはアリール基である。
式(III)中Rはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基の低級のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等の芳香環基が該当する。Rが芳香環であれば反応の制御の観点から好適に使用できる。
本発明において、Rが芳香環であるジアリールシランジオール類は、一般式(IV)で表わされる。
一般式(IV)
Figure 2009242558
式(IV)中Rとして低級のアルキル基を有していてもよい。
本発明のシロキサンプレポリマーは、例えば(A)、(B)、及び(C)のそれぞれについて1種の側鎖を有するシラン類を選択した場合、重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルコキシジアルキルシラン類(A)としてアクリロキシプロピルメチルジメトキシシランと、ジアルコキシジアルキルシラン類(B)としてジメチルジメトキシシランと、ジシラノール基を有するシラン類(C)として、ジフェニルシランジオールを用いても製造しても良いし、(A)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシランと、(B)ジフェニルジメトキシシランと、(C)ジメチルシランジオールを用いても良いが、前者が後者に比べ(B)と(C)の反応性が同程度で、反応生成物の収率も高く好適である。
本発明のシロキサンプレポリマーにおいて、重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルキル基(Branch(1))、ジメチル基(Branch(2))及びジフェニル基(Branch(3))の比率は仕込み量によって自由に変更することができる。それぞれモル換算で、(1):(2):(3)=0〜50:50〜100:0〜40となるよう重合されたプレポリマーは無色透明とできるため好ましい。さらに(1):(2):(3)=1〜35:75〜90:10〜25となるよう製造されたプレポリマーは縮合反応によってシリコーン樹脂とした際に好適な屈折率を有し、特に好ましい。換言すれば、重合性エチレン系不飽和二重結合を有するシラン類(A)を出発物質全体の0.1〜30モル%まで導入することができるもので、0.5〜30モル%導入すると紫外線もしくは電子線により硬化させた硬化物の硬度や平滑性に優れより好ましい。特に10モル%〜30モル%まで導入して光学特性に優れる硬化物を得ることができるのは従来にはない顕著な効果である。
また、本発明で得られたシロキサンプレポリマーはアクリロキシアルキルジアルコキシシラン類(A)がシロキサンプレポリマー中にランダムに導入されるため、該シロキサンプレポリマーを用いたシリコーン樹脂をさらに硬化物とする際、その架橋点が分散して、硬化物としたときの硬化性が高まり、かつ光学的な制御が行いやすくなっている。
本発明のシロキサンプレポリマーに用いられるジアルコキシ基を有するシラン類(B)とジシラノール基を有するシラン類(C)としては、3官能シラン化合物を用いると、プレポリマー化時に三次元架橋反応を起こすためゲル化しやすく、好ましくないが、どちらも2官能シラン化合物であるシラン類を用いると、このゲル化を起こさず透明で良好なシロキサンプレポリマーが得られるので好ましい。
本発明のシロキサンプレポリマーは、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以下としたシロキサンプレポリマーとすることによって反応生成物の収率が高く、縮合反応によってシリコーン樹脂とする際の分子サイズのばらつきが抑制できる、好適なシロキサンプレポリマーが得られるので好ましい。
また本発明のシロキサンプレポリマーは、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以下の範囲で、かつさらに縮合反応してシリコーン樹脂とするために、末端がシラノール基であることが好ましい。
本発明において、重量平均分子量は標準ポリスチレン(MW104〜3,840,000)を用いてサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)の測定値にて求めることができる。
本発明において、シロキサンプレポリマーにおける重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルコキシジアルキルシラン類導入率は、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)にて定義できる。
本発明のシロキサンプレポリマーは、シラン類を有機アミン触媒で重合するプレポリマー化工程と、低沸点のジアルコキシジアルキルシラン類、反応副生物、有機アミン触媒を除去する触媒除去工程とを順次行うことによって得ることができる。さらに、得られたシロキサンプレポリマーを触媒存在下で重合する縮合反応工程によってシリコーン樹脂を得ることができる。
本発明でのプレポリマー化工程は、より詳しくは重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルコキシジアルキルシラン類(A)と、ジアルコキシジアルキルシラン類(B)と、ジアリールシランジオール類(C)に、有機アミン触媒と水を加え加熱攪拌することによりプレポリマーを得る工程である。
本発明における触媒の有機アミンは、プレポリマー製造後に加温して系内の溶媒と共に留去することが出来るので、触媒の無機塩基を用いた場合に必要な中和や分液による無機塩基の除去といった分離除去工程が不要となるため工程が簡略化でき、洗浄の溶媒使用量を低減することができ好適である。さらに、プレポリマーには揮発性がないため、留去により得られた水層の廃液処理時においても、燃焼時不燃性の二酸化ケイ素が生成を低く抑えることが可能である。
またシロキサンの重合反応に用いられる触媒としては、他に酸性触媒も知られているが、酸性触媒を用いるとジアリールシランジオール類の反応性が低くなるため好ましくない。特にジフェニル基を有するシラノールの場合反応性の低下が顕著となる。
本発明における触媒の有機アミンは、さらに沸点が60℃以上であれば、プレポリマー製造中の揮発を抑制でき添加量が少ない場合でも優れた触媒能を発揮して、低分子量不純物の生成量もより低減できるためより好ましい。常圧における沸点が60〜120℃であれば、水溶液の一般的な蒸留方法によって有機アミンを完全に除去することができるため特に好ましい。すなわち、特に好ましい触媒は、常圧における沸点が60〜120℃の脂肪族または芳香族アミンである。
沸点が60〜120℃の有機アミンとしては、例えばトリエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N−メチルピロリジン、ブチルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、イソペンチルアミン、ペンチルアミン、ジプロピルアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロール、ピリジンが挙げられるが、これらの有機アミンを単独で用いても二種以上混合して用いてもよい。
有機アミンの濃度は、(A)、(B)及び(C)に有機アミンと水を加えた状態を質量基準で100%としたとき、0.03〜0.5質量%(0.1〜0.4質量%であることが好ましく、使用に当たっては0.1〜1質量%の水溶液を用いることが取扱上好ましい)であることが好ましい。該濃度範囲であれば、触媒が十分に除去でき、縮合反応後の調光材料として透明なシリコーン樹脂が得られ、光学特性上十分に使用できる。該濃度範囲より濃い場合、沸点が60〜120℃の範囲に入る有機アミンでも触媒除去工程で除去しきれず、縮合反応後の調光材料としてのシリコーン樹脂が白濁してしまい、光学特性上使用することができなくなる。また該濃度範囲では反応の進行が円滑で、製造所要時間を短縮することができるため好ましい。
本工程において、反応温度が40℃よりも高いと反応の進行を速くでき、製造に要する時間を短くすることができるため好ましい。また反応温度が120℃よりも低ければ、重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルコキシジアルキルシラン類(A)に含まれるエステル結合が加水分解を受けにくくなり、反応性基である重合性エチレン系不飽和二重結合を有するシリコーン樹脂の反応収率を高めることができるため好ましい。反応温度は60〜90℃においては製造時間中の温度の制御が容易で、反応が速やかに、前記エステル結合の加水分解を受けずに進行することができるため、特に好ましい。
本発明における触媒除去工程は、プレポリマー化に引き続き有機アミン触媒、水ならびにアルコキシシラン類の加水分解に伴い発生したアルコールを除去する目的で実施される。具体的な方法としては、プレポリマー化後の混合液を5hPa以下の減圧度にて、エバポレーター等の装置を用いて行っても良いし、またヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン等の炭化水素系溶剤を追加して常圧にて共沸除去しても良い。反応のスケールに応じて適切に選択することが可能である。プレポリマー化工程において反応が充分進行している場合は、低沸点のジアルコキシジアルキルシラン類の残存量を少なくでき、また廃液中のケイ素分も少なくできるため、廃棄物処理に際し環境への負荷が軽減できるという優れた特徴を有する。
このようにして、従来は無機塩基を触媒としていたために予めシロキサンプレポリマーを含有する層と水層を分液してから、水ならびにアルコールを除去する工程が必要であったがこの工程自体が不要となり、シロキサンプレポリマーの製造工程が簡略化される。
本発明における縮合反応工程は、触媒除去工程を終えたプレポリマーに、ヘプタンや、2,2,4−トリメチルペンタン等の炭化水素系溶剤を添加し、2−エチルヘキサン酸錫(II)のような縮合用の触媒(ポリマー化触媒)の存在下、共沸脱水することによりシリコーン樹脂を得る工程である。
本発明の縮合反応工程における脱水は、ディーンスタークトラップに代表される装置を取り付けることによっても、またモレキュラーシーブ等の脱水剤を充填した充填塔によってもよく、反応のスケールに応じて適切に選択することが可能である。
得られたシリコーン樹脂の分子量は10,000〜100,000であると、これを硬化物とする際に光学材料として好適な硬度が得られるため好ましい。さらに50,000〜100,000であると加工性、成形し易さ、寸法安定性等の点から光学材料として優れた硬化物が得られ特に好ましい。
所定の重合度への到達度は、縮合反応時の脱水によって生成した水の量、あるいは近赤外分光光度計を用いた反応液中のシラノール基の倍音振動のピーク面積の減少から知ることが可能である。
本発明のシリコーン樹脂は、重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシロキサンプレポリマーの重合性エチレン系不飽和二重結合を保持したまま、縮合反応により得られる重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシリコーン樹脂である。
本発明で得られるシリコーン樹脂としては、分子内有機残基とケイ素とのモル比によって性質が変化し、モル比が大きいほど柔軟となり弾性に富む。また、モル比が同じもの同士の対比では分子内有機残基の炭素原子数が多いほど柔軟なシリコーン樹脂となる。なかでも、分子内有機残基がメチル基、或いはメチル基以外のアルキル基および/またはアリール基で置換したものが耐熱性、耐湿性があり良好で、電気的性能、光学的性能に優れる。
本発明のシリコーン樹脂は、シロキサンプレポリマーが有する官能基の特性によって、光学的性能を制御することができ、光弁(ライトバルブ)のような懸濁粒子デバイスにおいて懸濁粒子を支持する高分子媒体としてフィルム等の形態にして好適に用いることができる。本出願人がした特開2005−300962の発明に記載のように、シリコーン樹脂と懸濁粒子中の媒体における屈折率との屈折率差を、+0.0021から+0.0080の範囲となるようにシリコーン樹脂の屈折率を制御することで光学材料として好適なシリコーン樹脂を得ることができる。
本発明の縮合反応工程によって得られたシリコーン樹脂は、さらに紫外線もしくは電子線により重合性エチレン系不飽和二重結合の反応によって、架橋され硬化物を得ることができるものである。
本発明の縮合反応工程によって得られたシリコーン樹脂の末端シラノール基は、さらにアルキル基や1官能シラン化合物によって封止してもよいが、分子量が50,000〜100,000の範囲内にあれば末端シラノール基同士の反応頻度が低く、保存中に分子量が増加してしまう現象は見られないため、必ずしも封止しなくてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。
なお本実施例において、屈折率アッベ屈折率計にて、粘度はR型粘度計にて、ケイ素量はICP分析にて測定している。
還流冷却機、温度センサーを取り付けた500mL 4口フラスコに3-アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン(信越化学株式会社製KBM−5102)3.8g、ジメトキシジメチルシラン(信越化学株式会社製LS−520)44.9g、ジフェニルシランジオール(信越化学株式会社製LS−4320)21.1g、有機アミン触媒としてトリエチルアミン(和光純薬製試薬一級、沸点88.8℃)0.2g、蒸留水49.8gを加え、81〜83℃にて6時間加熱攪拌した。前記フラスコにディーンスタークトラップを装着後、ヘプタン(国産化学製試薬一級)を200mL投入し、2時間加熱還流した。このとき内温は75℃から102℃へと上昇した。これによってメタノールを含有する水層が62.3g留出してきた。ICP分析により留出水層中のケイ素分を分析すると0.4%であった。
(比較例1)
攪拌装置及び下部に抜き出しコックのついた5Lの4口フラスコに3−アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン(信越化学株式会社製KBM−5102)96g、ジメトキシジメチルシラン1228g、ジフェニルシランジオール352g、0.1質量%水酸化カリウム水溶液480gを加え室温下で5時間攪拌を行った。10質量%酢酸水溶液10mLとヘプタン1500mLを加えた後、5分間攪拌を行ってから静置した。この時点で液は二層に分離した。下部コックより下層を取り出した後、フラスコ内に残ったヘプタン層を500mLの水で3回洗浄を行った。得られた全ての水層をICP分析によりケイ素分を分析すると3.0%であった。
攪拌装置、冷却管のついた300mLフラスコに3−アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン(シラン類(A)信越化学株式会社製KBM−5102)3.8g、ジメトキシジメチルシラン(シラン類(B)信越化学株式会社製LS−520)44.9g、ジフェニルシランジオール(シラン類(C)信越化学株式会社製LS−4320)21.1g、有機アミン触媒としてトリエチルアミン(沸点88.8℃、和光純薬製試薬一級)を0.2g、水49.8gを、81〜83℃にて6時間加熱攪拌した。得られた反応物を60℃、2hPaにてエバポレートすると、無色透明のプレポリマーが49.8g得られた。
攪拌装置、温度センサー、ディーンスタークトラップのついた500mL4口フラスコに、得られたプレポリマー44.0g、ヘプタン190mL(国産化学製試薬一級)を加え、1時間加熱還流した。このとき微量の水が流出した。ついで2−エチルヘキサン酸スズ(II)約40mgを約1mLのヘプタンに溶解した溶液を投入し、縮合反応を開始した。還流温度で110分反応させたところ、およそ1.9〜2.4mLの縮合反応水が留出した。反応液に200mLのエタノールと200mLのメタノールを加え分液操作を行った後、一晩放置した。二層に分離した液の下層を60℃、2hPaでエバポレートしたところ、無色透明油状の重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシリコーン樹脂35.3g得られた。また上層を60℃、2hPaにてエバポレートしたところ、低分子量不純物を含有する無色液体が8.1g得られた。
有機アミン触媒としてN−メチルピロリジン(沸点80〜81℃、和光純薬製試薬一級)を用いた以外は、実施例2と同様にしたところ、無色透明のプレポリマーが50.0g得られ、この44.0gを実施例1と同様に縮合反応させたところ、シリコーン樹脂が33.4g得られた。低分子量不純物を有する無色液体は8.8gであった。
有機アミン触媒としてジイソプロピルアミン(沸点84℃、和光純薬製試薬一級)を用いた以外は、実施例2と同様にしたところ、無色透明のプレポリマーが49.7g得られ、この44.0gを実施例1と同様に縮合反応させたところ、シリコーン樹脂が35.2g得られた。低分子量不純物を有する無色液体は7.8gであった。
有機アミン触媒として2−ジメチルアミノエタノール(沸点134〜136℃、和光純薬製試薬一級)を用いた以外は、実施例2と同様にしたところ、無色透明のプレポリマーが49.4g得られ、この44.0gを実施例1と同様に縮合反応させたところ、シリコーン樹脂が28.4g得られた。低分子量不純物を有する無色液体は14.3gであった。
有機アミン触媒としてトリエタノールアミン(7hPaにおける沸点が190〜193℃、和光純薬製試薬一級)を用いた以外は、実施例2と同様にしたところ、無色透明のプレポリマーが49.1g得られ、この44.0gを実施例1と同様に縮合反応させたところ、シリコーン樹脂が24.7g得られた。低分子量不純物を有する無色液体は17.3gであった。
各シリコーン樹脂の流動性評価については、下記の要領で評価した。
ガラス上に0.02g滴下し、90度に立てて静置し1分後の液ダレの長さで評価した。
◎ 液ダレが1cm未満
○ 液ダレが1cm〜3cm
△ 液ダレが3cm〜5cm
× 液ダレが5cm超。
シロキサンプレポリマー製造時における仕込みのモル比、ならびに得られたシリコーン樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量、屈折率、粘度の分析結果を次表に示す。
表1 各シラン類の仕込みモル比と、得られたシリコーン樹脂の測定結果
Figure 2009242558
攪拌装置、冷却管のついた300mLフラスコにジメトキシジメチルシラン(シラン類(B))44.9g、ジフェニルシランジオール(シラン類(C))21.1g、3−アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン(シラン類(A))3.8g、有機アミン触媒としてトリエチルアミン0.2g、水49.8gを、81〜83℃にて6時間加熱攪拌した。得られた反応物を60℃、2hPaにてエバポレートすると、無色透明のプレポリマーが49.8g得られた。次に、攪拌装置、温度センサー、ディーンスタークトラップのついた500mL4口フラスコに、得られたプレポリマー44.0g、ヘプタン190mLを加え、1時間加熱還流した。このとき微量の水が流出した。ついで2−エチルヘキサン酸スズ(II)約40mgを約1mLのヘプタンに溶解した溶液を投入し、縮合反応を開始した。還流温度で110分反応させたところ、およそ1.9〜2.4mLの縮合反応水が留出した。反応液に200mLのエタノールと200mLのメタノールを加え分液操作を行った後、一晩放置した。二層に分離した液の下層を60℃、2hPaでエバポレートしたところ、無色透明油状の重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシリコーン樹脂35.3g得られた。また上層を60℃、2hPaにてエバポレートしたところ、低分子量不純物を含有する無色液体が8.1g得られた。また、仕込み量ならびに重量平均分子量、屈折率、粘度の分析結果を次表に示す。
(比較例2)
還流冷却機、温度センサー、ディーンスタークトラップ、攪拌機を取り付けた1000mL4口フラスコに予め薄膜蒸留装置で低沸点不純物を除去した両末端シラノール(82〜86mol%)ジメチル(14〜18mol%)ジフェニルシロキサンコポリマー(UCT社製PS−084)精製品90.0g、3-アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン(シラン類(A)信越化学株式会社製KBM−5102)10.0g、ヘプタン400mLを仕込み、攪拌下101℃にて30分還流した。微量の水が留出した。2-エチルヘキサン酸スズ(II)33mgを約1mLのヘプタンに溶解した溶液を投入し、縮合反応を開始した。101℃にて75分加熱還流させたところ、0.7gの水が留出した。引き続きトリメチルメトキシシラン60mLを、冷却管上部からゆっくりと加え、91〜92℃にて加熱還流を150分継続した。ディーンスタークトラップには、さらに0.2mLの水が流出した。冷却後、ヘプタンを50mL、エタノールを450mL、メタノールを450mL加え分液操作を行った後、一晩放置した。二層に分離した下層を60℃、2hPaでエバポレートしたところ、無色透明油状の重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシリコーン樹脂が77.5g得られた。重量平均分子量Mwは66600であった。また上層を60℃、2hPaでエバポレートしたところ、無色液体が24.6g得られた。
表2
Figure 2009242558
アクリル基を有するシラン類(A)のモル比は、「シラン類(B)+シラン類(C)=100モル」としたときの、アクリル基を有するシラン類(A)のモルを表わす。
また重合性エチレン系不飽和二重結合導入率(%)は、数式Iに定義される、仕込みのアクリル基を有するシラン類(A)のモル比に対して得られたシリコーン樹脂におけるアクリル基を有するシラン類(A)由来のシロキサン単位のモル比を表わす。
数式I
Figure 2009242558
一方、原料のPS−084と得られたシリコーン樹脂を1H−NMR測定することにより、仕込みのモル比とシリコーン樹脂のモル比を算出した。次表に示す。
表3 仕込みのモル比と1H−NMRによるシリコーン樹脂のモル比
Figure 2009242558
攪拌装置、冷却管のついた300mLフラスコにジメトキシジメチルシラン(シラン類(B))44.9g、ジフェニルシランジオール(シラン類(C))21.1g、3−アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン(シラン類(A))3.8g、有機アミン触媒としてトリエチルアミン0.2g、水49.8gを、81〜83℃にて6時間過熱攪拌した。得られた反応物を60℃、2hPaにてエバポレートすると、無色透明のプレポリマーが49.8g得られた。次に、攪拌装置、温度センサー、ディーンスタークトラップのついた500mL4口フラスコに、得られたプレポリマー44.0g、ヘプタン190mLを加え、1時間加熱還流した。このとき微量の水が流出した。ついで2−エチルヘキサン酸スズ(II)約40mgを約1mLのヘプタンに溶解した溶液を投入し、縮合反応を開始した。還流温度で110分反応させたところ、およそ1.9〜2.4mLの縮合反応水が留出した。反応液に200mLのエタノールと200mLのメタノールを加え分液操作を行った後、一晩放置した。二層に分離した液の下層を60℃、2hPaでエバポレートしたところ、無色透明油状の重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシリコーン樹脂35.3g得られた。また上層を60℃、2hPaにてエバポレートしたところ、低分子量不純物を含有する無色液体が8.1g得られた。また、仕込み量ならびに重量平均分子量、屈折率、粘度の分析結果を次表に示す。
フラスコにジメトキシジメチルシラン(シラン類(B))44.9g、ジフェニルシランジオール(シラン類(C))21.1g、3−アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン(シラン類(A))11.4gとした以外は実施例8と同様にして、無色透明のプレポリマーが56.3g得られた。
得られたプレポリマー44.0gを用いて実施例8と同様にして、無色透明油状の重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシリコーン樹脂25.0gを得た。
フラスコにジメトキシジメチルシラン(シラン類(B))44.9g、ジフェニルシランジオール(シラン類(C))21.1g、3−アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン(シラン類(A))34.3gとした以外は実施例8と同様にして、無色透明のプレポリマーが74.9g得られた。
得られたプレポリマー44.0gを用いて縮合反応し、実施例8と同様にして、無色透明油状の重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシリコーン樹脂22.9gを得た。
フラスコにジメトキシジメチルシラン(シラン類(B))41.6g、ジフェニルシランジオール(シラン類(C))23.9g、3−アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン(シラン類(A))3.6gとした以外は実施例8と同様にして、無色透明のプレポリマーが50.1g得られた。 得られたプレポリマー44.0gを用いて縮合反応し、実施例8と同様にして、無色透明油状の重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシリコーン樹脂33.4gを得た。
フラスコにジメトキシジメチルシラン(シラン類(B))51.3g、ジフェニルシランジオール(シラン類(C))14.7g、3−アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン(シラン類(A))4.0gとした以外は実施例8と同様にして、無色透明のプレポリマーが48.2g得られた。得られたプレポリマー44.0gを用いて縮合反応し、実施例38と同様にして、無色透明油状の重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシリコーン樹脂35.8gを得た。
フラスコにジメトキシジメチルシラン(シラン類(B))51.3g、ジフェニルシランジオール(シラン類(C))14.7g、3−アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン(シラン類(A))12.0gとした以外は実施例8と同様にして、無色透明のプレポリマーが54.7g得られた。得られたプレポリマー44.0gを用いて縮合反応し、実施例8と同様にして、無色透明油状の重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシリコーン樹脂26.7gを得た。
各シリコーン樹脂をバーコーターによって、5cm×5cmのガラス上に塗布し、フュージョンUVシステムズジャパン製の装置で、紫外線の光源としてF300S−12(Hプラスバルブ)のUVを照射して硬化させた。本方法により成形した硬化物の硬度は、下記の観点で評価した。
◎ 硬化物には弾力も強度もある。
○ 硬化物には弾力性はあるが強度に乏しい。
× 硬化物は弾力性にも強度にも乏しい。
表4
Figure 2009242558
表5
Figure 2009242558
実施例1と比較例1の対比から、本発明で得られるプレポリマー合成において除去するべき水層中の水溶性低分子量シラン化合物量が低減でき、製品の得量を上げることができる。これによって該水層廃液処理時の不燃性二酸化ケイ素生成も抑制することができる。
また従来法である比較例2では、重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルコキシジアルキルシラン類(A)が、仕込み量に対して50%程度しか導入されないのに対し、65〜90%と導入率が向上している。特に実施例5〜7では80%を超えて83〜87%まで高い確率で導入されており、効率良く製造できる点で顕著に優れる。これは、プレポリマー化工程において、重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルコキシジアルキルシラン類(A)のアルコキシ基が加水分解を受け、効率よくプレポリマーに組み込まれたことによる効果であると推測する。
すなわち、プレポリマー化触媒をアミン系触媒とする本発明のシロキサンプレポリマーの製造方法では、透明性と屈折率の光学特性を阻害することなく品質の高いシロキサンプレポリマーが得られ、重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルキルシロキサン基の導入を高めることができる。これを用いたシリコーン樹脂が光学特性にも優れる。
さらにその製造方法においては、中和工程が不要で加水分解に用いた水や、前記ジアルコキシジアルキルシラン類(A)ないし(B)が加水分解を受けて生成したアルコール類だけでなく、アミン系触媒も一度に留去できるのであるから、工程簡略化ができ、さらにケイ素分の排水への排出を低減できる点で優れている。
重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシロキサンプレポリマーは、これを架橋重合させてシリコーン樹脂とした際に、窓ガラス、各種平面表示素子、各種液晶表示素子の代替品、光シャッター、光スイッチ、広告及び案内表示板、メガネ、サングラス等調光材料に好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するジアルコキシジアルキルシラン類(A)と、ジアルコキシジアルキルシラン類(B)と、ジアリールシランジオール類(C)とを出発物質とし、有機アミンを触媒として縮合反応し、触媒及び/または副生した水を留去することを特徴とする、置換基として重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシロキサンプレポリマーの製造方法。
  2. 有機アミンが、沸点が60〜120℃である脂肪族アミンまたは芳香族アミンである請求項1記載の重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシロキサンプレポリマーの製造方法。
  3. 重合性エチレン系不飽和二重結合を有するジアルコキシジアルキルシラン類(A)を出発物質として導入されるシロキサン単位が、シロキサンプレポリマー1分子中の全単位に対して0.5〜30%の割合で含有することを特徴とする重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシロキサンプレポリマー。
  4. 重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するジアルコキシジアルキルシラン類(A)を出発物質として導入されるシロキサン単位が、シロキサンプレポリマー1分子中の全単位に対して10〜30%の割合で含有することを特徴とする重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシロキサンプレポリマー。
  5. ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以下であることを特徴とする請求項3または4に記載の重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシロキサンプレポリマー。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシロキサンプレポリマーを用いて得られる重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシリコーン樹脂。
  7. ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が10,000〜100,000であることを特徴とする請求項6に記載の重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシリコーン樹脂。
  8. ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が50,000〜100,000であることを特徴とする請求項6に記載の重合性エチレン系不飽和二重結合を分子内に有するシリコーン樹脂。
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