JP2009504384A - 成形触媒を調製する方法、前記触媒、および前記触媒の使用 - Google Patents
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Abstract
支持体材料またはこの前駆体、および銀成分を含むドウを成形粒子に成形すること、およびこの成形粒子を乾燥することを含む成形触媒を調製する方法;前記成形触媒、および前記成形触媒の使用。
Description
本発明は、成形触媒を調製する方法、およびこの方法によって得られる成形触媒に関する。また、本発明は、オレフィンをエポキシ化する方法に関し、この方法は、オレフィンおよび酸素を含む供給材料と、この成形触媒とを接触させることを含む。また、本発明は、そのように製造された酸化オレフィンを1,2−ジオール、1,2−ジオールエーテルまたはアルカノールアミンを作製するために使用する方法に関する。
オレフィンエポキシ化は、オレフィンを、銀ベースの触媒の存在下で酸素と反応させて、オレフィンエポキシドを形成する。酸化オレフィンは、水、アルコールまたはアミンと反応させて、1,2−ジオール、1,2−ジオールエーテルまたはアルカノールアミンを形成することができる。したがって、1,2−ジオール、1,2−ジオールエーテルおよびアルカノールアミンは、オレフィンエポキシ化を含み、この形成された酸化オレフィンを水、アルコールまたはアミンにより変換する多段ステッププロセスにおいて製造することができる。
従来の銀ベースの触媒は、評判の良くないほどに低い選択性において酸化オレフィンを供給してきた。例えば、従来の触媒を使用した場合、変換されたエチレンの割合として表した酸化エチレンに対する選択性は、6/7または85.7モル%限界を超えた値には到達しない。したがって、この限界は、次の反応式の化学量論に基づいて、この反応の理論的に最大の選択性であると長い間考えられてきた。
7C2H4+6O2=>6C2H4O+2CO2+2H2O、
参照:Kirk−Othmer’s Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第9巻、1980年、445頁。
7C2H4+6O2=>6C2H4O+2CO2+2H2O、
参照:Kirk−Othmer’s Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第9巻、1980年、445頁。
この触媒は、また通常の操作の間にエージング関連の性能低下を受け易い。エージングは、触媒活性の低下により明らかになる。通常、触媒の活性の低下が明らかである場合には、活性の低下を補償するために反応温度を上昇させる。反応温度は、望ましくないほど高くなるまで上昇させられる場合があり、この時点で触媒は、この寿命の終わりであるとみなされ、交換する必要とされる。
一般に、商業的に使用されているオレフィンエポキシ化触媒は、支持体上に付着させた銀を含む成形された触媒である。これらは、成形された支持体を、銀成分を含む溶液により浸漬または被覆する方法によって調製される。この支持体は、支持体材料またはこの前駆体を含むドウを成形粒子に成形し、この粒子を、例えば少なくとも1000℃の高温において乾燥することによって通常調製される。多数の特許文献が、このような触媒調製の例を開示している。
長年にわたり、多くの努力が、オレフィンエポキシ化触媒を、これらの性能において、例えばこれらの初期活性および選択性に関して、およびこれらの安定性性能、すなわちエージング関連の性能低下に対するこれらの抵抗性に関して、改良するためになされてきた。解決策が、触媒の改良された組成物において見出され、および、他の例においては解決策が、触媒を調製する改良されたプロセスにおいて見出されてきた。
最近の銀ベースの触媒は、酸化オレフィン製造に対してより選択的である。エチレンのエポキシ化において最近の触媒を使用する場合、酸化エチレンに対する選択性は、先に本明細書において述べた6/7または85.7モル%限界を超えた値に到達し得る。このような高選択性触媒は、これらの活性成分として銀、および1つ以上の、レニウム、タングステン、クロムまたはモリブデンを含む成分などの高選択性ドーパントを含むことができる。高選択性触媒は、例えばUS−A−4761394およびUS−A−4766105に開示されている。
触媒を調製する改良された方法に関して、例えばUS−B−6153556は、α−アルミナ粒子と、シリコン化合物、有機バインダ、および元素周期率表のIb族およびIIb族から選択された金属または化合物とを混合することによって調製された支持体を利用することが、改良された初期性能特性を有する触媒をもたらすことを示している。
WO2004/030813は、アルカリ土類金属炭酸塩支持体材料および銀結合添加剤を含むペーストから成形粒子を形成することが、得られる支持体の機械的特性を改良することを示している。
いくつかの例において、エポキシ化触媒は、支持体材料に加えて銀を含むドウから形成される。特に、このようなエポキシ化触媒に関して、触媒の摩損抵抗を改良することが望ましい場合がある。商業的プロセス内で、摩擦または擦れが、触媒自体の間で、または触媒と装置表面との間で生じる。この摩擦または擦れは、触媒製造、触媒出荷、エポキシ化反応器装填、または他の反応プロセスの間に生じることがある。これらの力は、触媒を微粒子と呼ばれる小さい粒子に破壊することがある。触媒のこの物理的破壊は、摩損として知られている。
エポキシ化反応器中への触媒の装填の間に生じる摩損は、貴重な触媒の損失をもたらすダスティング問題を生じることがある。エポキシ化プロセスに対して、摩損に伴う困難は、微粒子が反応ゾーンから外に出ることがあり、1)酸化プロセス内の分離器または他の場所において反応の過度の進展をもたらすこと、および2)回収システムにおいて問題を生じることである。触媒の損失は、触媒床の生産性を低下させ、全体のプロセス効率に影響し、運転費を増加させる。
したがって、触媒の摩損抵抗を改良することは、非常に望ましいことである。
また、多くの改良が既に見られたにも拘わらず、支持体材料に加えて銀を含むドウから形成されたオレフィンエポキシ化触媒の活性、選択性および安定性の1つ以上に関して、性能を改良することが依然として非常に望ましいことは言うまでもない。
本発明は、成形触媒を調製する方法を提供し、この方法は、ドウを成形粒子に成形すること、およびこの成形粒子を乾燥することを含み、ここでドウは支持体材料またはこの前駆体および銀成分を含み、この支持体材料またはこの前駆体は最大12.5μmのd90を有し、支持体材料またはこの前駆体の少なくとも10.5体積%および最大80体積%が粒径2μm未満を有する。
また、本発明は、本発明による方法によって得られる成形触媒を提供する。
また、本発明は、オレフィンをエポキシ化する方法を提供し、この方法は、オレフィンおよび酸素を含む供給材料と、本発明による方法によって得られる成形触媒とを接触させることを含む。
また、本発明は、酸化オレフィンを1,2−ジオール、1,2−ジオールエーテルまたはアルカノールアミンに変換することを含む1,2−ジオール、1,2−ジオールエーテルまたはアルカノールアミンを作製するために酸化オレフィンを使用する方法を提供し、ここで、この酸化オレフィンは、本発明によるオレフィンをエポキシ化する方法によって得られたものである。
本発明により調製される触媒は、オレフィンエポキシ化において、予想外にも、改良された摩損抵抗および性能を示すことができる。
本発明により調製される触媒の改良された性能は、改良された初期活性、改良された初期選択性、改良された活性安定性および改良された選択性安定性の1つ以上から明らかである。初期選択性とは、選択性が最大選択性に近づくまで、触媒がゆっくりではあるが着実に増大する選択性を示す、触媒の使用の初期段階において達成される、最大選択性であることを意味し、これを初期選択性と呼ぶ。初期選択性は、通常、触媒床上の累積酸化オレフィン製造が、例えば0.2キロトン/触媒床m3または0.15キロトン/触媒床m3、特に0.1キロトン/触媒床m3に達する前に到達される。本発明は、微粒子支持体材料を最初に成形し、この成形支持体粒子が触媒的に活性な材料とともに供給される場合よりも、微粒子支持体材料から出発して成形触媒を調製することにおいてプロセスステップが少ないという利点をもたらす。
本発明において使用する支持体材料は、天然または人工の無機微粒子材料であってよく、これらには、耐火性材料、炭化シリコン、クレー、ゼオライト、木炭およびアルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウムが含まれ得る。アルミナ、マグネシア、ジルコニアおよびシリカなどの耐火性材料が、好ましい。最も好ましい材料は、α−アルミナである。一般に、支持体材料は、少なくとも85重量%、さらに一般に90重量%、特に95重量%のα−アルミナまたはこの前駆体、しばしば99.9重量%までの、または100重量%までのα−アルミナまたはこの前駆体を含む。このα−アルミナは、適切にはホウ素または好ましくはフッ化物鉱化作用による、α−アルミナの鉱化作用によって得ることができる。フッ化物鉱化されたα−アルミナは、小板構造を有することができる。好ましいα−アルミナは、このような小板構造を有する。US−A−3950507、US−A−4379134およびUS−A−4994589が参照され、これらを参照により本明細書に組み込む。
支持体材料の前駆体は、広い範囲から選択することができる。例えば、α−アルミナ前駆体には、ベーマイト、擬似ベーマイト、およびギブサイトなどの水和アルミナ、ならびにχ、κ、γ、δ、θ、およびηアルミナなどの遷移アルミナが含まれる。
支持体材料またはこの前駆体の粒径分布は、単モード、または多モード、例えば二モードまたは三モードであってよい。支持体材料またはこの前駆体は、単一微粒子材料または2つ以上の微粒子材料の混合物から形成することができ、これは、支持体材料に対する全体の粒径分布を与える。微粒子材料は、種々の粒径を有する複数の微粒子を含む。一般に、支持体材料またはこの前駆体は、少なくとも0.2μm、さらに一般に少なくとも0.5μm、特に少なくとも1μm、さらに特に少なくとも2μmのd50を有する。一般に、支持体材料またはこの前駆体は、最大6.5μm、さらに一般に最大6μm、最も一般に最大5.5μm、特に最大5μm、さらに特に最大4μm、最も特に最大3.5μmのd50を有する。
一般に、支持体材料またはこの前駆体は、少なくとも6μm、さらに一般に少なくとも9μm、特に少なくとも10μm、さらに特に少なくとも11μmのd90を有する。一般に、支持体材料またはこの前駆体は、最大14.5μm、さらに一般に最大14μm、特に最大13μm、さらに特に最大12.5μm、最も特に最大12μmのd90を有する。
一般に、支持体材料またはこの前駆体は、少なくとも0.1μm、さらに一般に少なくとも0.2μm、特に少なくとも0.5μm、さらに特に少なくとも1μmのd10を有する。一般に、支持体材料またはこの前駆体は、最大3.5μm、さらに一般に最大3μm、特に最大2.5μm、さらに特に最大2μmのd10を有する。
一般に、支持体材料またはこの前駆体の70〜100体積%、特に80〜100体積%は、粒径分布のd50 値の10〜1000%の範囲内の粒径を有する。さらに一般に、支持体材料またはこの前駆体の60〜100体積%、特に80〜100体積%は、粒径分布のd50 値の20〜600%の範囲内の粒径を有する。
1つの実施形態において、粒径分布曲線のスパン(以後本明細書において「PSDC」)は、以下の式によって特徴づけられ得る:
PSDC=(d90−d10)/d50
用語「粒径」は、本明細書では、Micromeritics Saturn DigiSizer 5200レーザー回折粒径分析器によって検出されたのと等価な粒子の直径である。等価な直径は、知られた特性を有し、この検知する機器において測定される粒子と、同等の応答を生じる対照球体の直径である。用語「粒径分布」は、本明細書では、Micromeritics Saturn DigiSizer 5200レーザー回折粒径分析器によって検出された所与の粒径に対する粒子の体積分画に関する。粒径を測定する方法は、超音波破砕処理によって粒子を分散すること、したがって、2次粒子を1次粒子に分割することを含む。この音波破砕処理は、d50値にさらなる変化が見られなくなるまで継続され、これは、一般にMicromeritics Saturn DigiSizer 5200レーザー回折粒径分析器を使用した場合、100ワットおよび0.1%メタリン酸ナトリウムにおいて、1分間の音波破砕を必要とする。
PSDC=(d90−d10)/d50
用語「粒径」は、本明細書では、Micromeritics Saturn DigiSizer 5200レーザー回折粒径分析器によって検出されたのと等価な粒子の直径である。等価な直径は、知られた特性を有し、この検知する機器において測定される粒子と、同等の応答を生じる対照球体の直径である。用語「粒径分布」は、本明細書では、Micromeritics Saturn DigiSizer 5200レーザー回折粒径分析器によって検出された所与の粒径に対する粒子の体積分画に関する。粒径を測定する方法は、超音波破砕処理によって粒子を分散すること、したがって、2次粒子を1次粒子に分割することを含む。この音波破砕処理は、d50値にさらなる変化が見られなくなるまで継続され、これは、一般にMicromeritics Saturn DigiSizer 5200レーザー回折粒径分析器を使用した場合、100ワットおよび0.1%メタリン酸ナトリウムにおいて、1分間の音波破砕を必要とする。
用語「d50」は、本明細書では、指定された中央値粒径よりも、大きい粒子および小さい粒子の同じ球体状の等価な体積が存在するところの粒子直径を表す。
用語「d90」は、本明細書では、粒子の90体積パーセントが、d90に対して指定された値よりも、小さいところの粒子直径を表す。
用語「d10」は、本明細書では、粒子の10体積パーセントが、d10に対して指定された値よりも、小さいところの粒子直径を表す。
一般に、粒径分布曲線のスパンに対する値は、0.1〜10、さらに一般に0.2〜8、特に0.4〜6、さらに特に0.5〜2.5の範囲にある。
1つの実施形態において、支持体材料またはこの前駆体は、支持体材料またはこの前駆体の少なくとも0.1体積%、一般に少なくとも0.5体積%、さらに一般に少なくとも1体積%、特に少なくとも5体積%、さらに特に少なくとも10体積%、および最も特に少なくとも15体積%が1μm未満の粒径を有するような粒径分布を有する。一般に粒径分布は、支持体材料またはこの前駆体の最大75体積%、一般に最大55体積%、特に最大45体積%が1μm未満の粒径を有するようなものである。
一般に、支持体材料またはこの前駆体の少なくとも10.5体積%、さらに一般に少なくとも11体積%、最も一般に少なくとも12体積%、特に少なくとも15体積%、さらに、特に少なくとも20体積%、および最も特に少なくとも25体積%は、2μm未満の粒径を有する。一般に、粒径分布は、支持体材料またはこの前駆体の最大80体積%、一般に最大60体積%、特に最大50体積%が、2μm未満の粒径を有するようなものである。
一般に、支持体材料またはこの前駆体の少なくとも15体積%、さらに一般に少なくとも20体積%、特に少なくとも25体積%、さらに特に少なくとも30体積%が、3μm未満の粒径を有する。一般に、粒径分布は、支持体材料またはこの前駆体の最大80体積%、一般に最大70体積%、特に最大60体積%が、3μm未満の粒径を有するようなものである。
一般に、粒径分布は、支持体材料またはこの前駆体の少なくとも50体積%、一般に少なくとも53体積%、さらに一般に少なくとも55体積%、特に少なくとも60体積%が、5μm未満の粒径を有するようなものである。一般に、粒径分布は、支持体材料またはこの前駆体の最大95体積%、一般に最大90体積%、さらに一般に最大85体積%、特に最大80体積%が、5μm未満の粒径を有するようなものである。
一般に、粒径分布は、支持体材料またはこの前駆体の75体積%を超える、一般に少なくとも80体積%、さらに一般に少なくとも85体積%、特に少なくとも90体積%が、10μm未満の粒径を有するようなものである。一般に、粒径分布は、支持体材料またはこの前駆体の最大99体積%、一般に最大95体積%、さらに一般に最大93体積%、最も一般に最大92体積%、特に最大91体積%、さらに特に最大90体積%が、10μm未満の粒径を有するようなものである。
一般に、粒径分布は、支持体材料またはこの前駆体の100体積%が、100μm未満、さらに一般に90μm未満、特に80μm未満、さらに特に75μm未満、最も特に50μm未満の粒径を有するようなものである。
1つの実施形態において、支持体材料またはこの前駆体の25体積%を超える、一般に少なくとも30体積%、特に少なくとも35体積%が、2〜5μmの範囲の粒径を有する。
1つの実施形態において、支持体材料またはこの前駆体の少なくとも3体積%、一般に少なくとも4体積%、さらに一般に少なくとも6体積%、特に少なくとも8体積%、およびさらに特に少なくとも10体積%が、10〜20μmの範囲の粒径を有する。
1つの実施形態において、支持体材料またはこの前駆体は、異なる粒径の微粒子材料の混合物であってよい。特に、支持体材料は、(1)支持体材料またはこの前駆体の総重量に対して、少なくとも1重量%、一般に少なくとも5重量%、およびさらに一般に10〜30重量%の範囲の量において、最大3μm、一般に最大1μmのd50を有する微粒子を含む1つ以上のより微細な微粒子材料;および(2)支持体材料またはこの前駆体の総重量に対して、最大99重量%、一般に最大95重量%、およびさらに一般に70〜90重量%の範囲の量において、3μmを超える、一般に少なくとも5μmのd50を有する微粒子を含む1つ以上のより粗い微粒子材料を含む混合物であってよい。
支持体材料において上述のような粒径を有することの効果は、摩損抵抗および成形触媒の活性における改良である。この効果は、この成形粒子が、1000℃未満の温度で、または1000℃以上で乾燥するかどうかには独立に達成され得る。
支持体材料またはこの前駆体は、一般に、0.1〜5m2/g、さらに一般に0.2〜2m2/g、特に0.5〜1.5m2/gの範囲の表面積を有することができる。「表面積」は、本明細書ではJournal of the American Chemical Society 60(1938年)309〜316頁に記載されているBET(Brunauer、EmmettおよびTeller)法によって測定された表面積のことをいうと理解される。
結合材料は、ドウに組み込まれても、組み込まれなくともよい。結合材料は、支持体材料またはこの前駆体の粒子を一緒に結合することを容易にする材料である。また、結合材料は、支持体表面の少なくとも一部分の上に被覆を形成することができ、これは、支持体表面をより受容性のあるものにする。
特に、支持体材料がα−アルミナである場合、結合材料は、一般にシリカ含有組成物、例えば、シリカゾル、沈降シリカ、無晶質シリカ、または無晶質アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類金属ケイ酸塩、またはアルミノケイ酸塩をベースとすることができる。一般に、結合材料として使用するシリカ含有組成物は、また炭酸塩、重炭酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、硝酸塩、または硫酸塩などの水和アルミナおよび/またはアルカリ金属塩を含むことができる。一般に、アルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、またはカリウム、またはこれらの組合せである。
有利な実施形態において、支持体材料またはこの前駆体は、特にナトリウムイオンを放出するための能力を低下させるために、すなわちこのナトリウム可溶化速度を低下させるため、または水溶性ケイ酸塩の含量を減少させるために処理することができる。適切な処理は、水による洗浄を含む。例えば、支持体材料またはこの前駆体を、例えば流出液の導電率がさらに減少しなくなるまで、または流出液においてナトリウムまたはケイ酸塩の含量が非常に低くなるまで、熱脱イオン水により連続またはバッチ方法において洗浄することができる。脱イオン水の適切な温度は、80〜100℃の範囲、例えば90℃または95℃である。あるいは、支持体材料またはこの前駆体を、塩基で、次いで水で洗浄することができる。洗浄後に、支持体材料またはこの前駆体は、一般に乾燥することができる。US−B−6368998を参照することができ、これを参照により本明細書に組み込む。そのように処理された支持体材料またはこの前駆体材料を使用することによって調製された触媒は、改良された初期活性、初期活性および/または選択性安定性の点において改良された性能を有する。
ドウは、銀成分を含む。銀成分は、分散された金属銀であってよく、あるいは銀成分は、カチオン性銀の化合物を含むことができる。カチオン性銀は、触媒調製の任意の段階において、例えば成形粒子の乾燥の間、または引き続くステップにおいて金属銀に還元することができる。還元剤は、ドウ中に含有させてよく、これが成形粒子の乾燥の間にカチオン性銀の還元を生じる。乾燥のステップの間、または引き続くステップの間の還元は、有利には気体還元剤を使用して生じさせることができる。気体還元剤は、例えば水素またはエチレンもしくはプロピレンなどのオレフィンであってよい。還元は、成形触媒を、オレフィンを含む供給材料と接触させる場合、オレフィンエポキシ化プロセスの初期段階の間に実施することができる。
適切なカチオン性銀化合物は、例えばそれ自体またはアミン錯体としての、カチオン性銀の硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、酪酸塩である。アミンの適切な錯体は、モノアミンをベースとするものであってよいが、好ましくはこれらは、ジアミン、特にビシナルジアミンをベースとするものである。モノアミンの例は、2−エタノールアミンおよび2−プロパノールアミンである。ジアミンの例は、1,2−エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、2,3−ブチレンジアミンである。好ましいカチオン性銀化合物は、銀/1,2−エチレンジアミンシュウ酸塩錯体である。この状況において挙げた酢酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、およびシュウ酸塩は、成形粒子の乾燥の間にカチオン性銀の少なくとも一部分を還元させることを可能にする。このような錯体および金属銀への変換は、US−A−4761394およびUS−A−4766105から知られており、これらを参照により本明細書に組み込む。
ドウは、追加の成分として、少なくとも1つのさらなる元素またはこの化合物を含むことができ、これは、成形触媒をエポキシ化触媒として使用する場合、促進剤として作用する。さらに望ましい元素は、窒素、硫黄、リン、ホウ素、フッ素、IA族金属、IIA族金属、レニウム、モリブデン、タングステン、クロム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、バナジウム、タリウム、トリウム、タンタル、ニオビウム、ガリウムおよびゲルマニウムおよびこれらの混合物の群から選択することができる。好ましくはIA族金属は、リチウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムから選択される。最も好ましくはIA族金属は、リチウム、カリウムおよび/またはセシウムである。好ましくはIIA族金属は、カルシウムおよびバリウムから選択される。可能な場合、さらなる元素を、オキシアニオンとして、例えば硫酸塩、ホウ酸塩、過レニウム塩、モリブデン酸塩または硝酸塩として、塩または酸形態において適切に供給することができる。
好ましくは、さらなる元素は、レニウム、モリブデン、タングステン、およびIA族金属から選択され、これらは、成形触媒の元素(レニウム、モリブデン、タングステン、またはIA族金属)として計算して、それぞれ0.01〜500ミリモル/kgの量において存在することができる。さらに好ましくは、さらなる元素は、特にタングステン、モリブデン、クロム、硫黄、リンおよびホウ素の1つ以上と一緒に、および特にIA族金属と一緒にレニウムである。窒素の化合物は、硝酸塩または亜硝酸塩形成化合物であってよく、これは、成形触媒の窒素として計算して、0.01〜500ミリモル/kgの量において存在することができる。硝酸塩または亜硝酸塩形成化合物および特定の硝酸塩または亜硝酸塩形成化合物の選択は、以下本明細書において定義する通りである。硝酸塩または亜硝酸塩形成化合物は、特にIA族金属硝酸塩またはIA族金属亜硝酸塩である。また一方では、レニウム、モリブデン、タングステンまたは硝酸塩または亜硝酸塩形成化合物を、オキシアニオンとして、例えば過レニウム塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩または硝酸塩として、塩または酸形態において適切に供給することができる。
ドウの触媒成分の好ましい量は、成形触媒の重量に対して元素として計算した場合:
10〜500g/kg、さらに好ましくは50〜500g/kg、最も好ましくは50〜400g/kg、特に50〜250g/kgの銀、
存在する場合、0.01〜50ミリモル/kgのレニウム、
存在する場合、それぞれ0.1〜30ミリモル/kgのレニウム共促進剤(これは、前に本明細書において挙げたようにタングステン、モリブデン、クロム、硫黄、リン、ホウ素を含む促進剤である。)、および
存在する場合、それぞれ0.1〜500ミリモル/kgのIA族金属。
10〜500g/kg、さらに好ましくは50〜500g/kg、最も好ましくは50〜400g/kg、特に50〜250g/kgの銀、
存在する場合、0.01〜50ミリモル/kgのレニウム、
存在する場合、それぞれ0.1〜30ミリモル/kgのレニウム共促進剤(これは、前に本明細書において挙げたようにタングステン、モリブデン、クロム、硫黄、リン、ホウ素を含む促進剤である。)、および
存在する場合、それぞれ0.1〜500ミリモル/kgのIA族金属。
本明細書では、触媒中に存在するIA族金属の量は、100℃で脱イオン水により成形触媒から抽出できる限りの量であるとみなされる。この抽出方法は、成形触媒の10グラム試料を、100℃で5分間、脱イオン水の20ml部中でこれを加熱することによって3回抽出し、合わせた抽出物において知られている方法、例えば原子吸光分光分析法を使用して関連する金属を測定するものである。
ドウは、液体を含むことができ、この液体は、選択された成形技法を使用する場合、ドウを所望の形状に成形するのに適する粘稠度をドウに与える。選択された成形技法に依存して、液体の量は、ドウの総重量に対して、例えば1〜70重量%の範囲で、および一般に5〜60重量%の範囲であってよい。さらに一般に、液体の量は、ドウの総重量に対して、7〜40重量%、特に10〜35重量%の範囲であってよい。適切な液体は、水性液体、および非水性液体である。水性液体は、適切には水、または水と、例えばメタノール、エタノール、アセトン、アミン、ホルムアルデヒド、または炭水化物などの有機化合物との混合物である。
有利な実施形態において、ドウは、その分子構造中に少なくとも2個の炭素原子、および最大8個の炭素原子、特に最大6個の炭素原子、さらに特に最大4個の炭素原子を一般に有するカルボン酸を含むことができる。このカルボン酸は、カルボン酸塩の形態にあるイオン化された形態において、ドウ中に部分的または全体に、存在しても、しなくてもよい。このカルボン酸は、この分子構造中に単一のカルボキル基以上のカルボキル基を含んでよく、またはこのカルボン酸は、1つ以上のカルボキル基に加えてヒドロキシ基、一般に1個、2個または3個のヒドロキシ基を含むことができる。特に、このカルボン酸は、この分子構造中に2個のカルボキシル基を含んでよい。適切なカルボン酸の例は、酢酸、酪酸、アジピン酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸およびコハク酸である。好ましいカルボン酸は、シュウ酸である。ドウ中のこのようなカルボン酸の存在は、これが特に押出しによるドウの成形粒子への成形を改良することにおいて有利である。このようなカルボン酸の存在は、また触媒の性能、特に触媒を、例えば7000Nl/(l.h)より低い、後に本明細書において定義するような比較的低いガス毎時空間速度(GHSV)の条件で操作する場合に、一般に初期選択性を改良する傾向がある。ドウ中に存在するカルボン酸の量は、支持体材料またはこの前駆体の重量に対して、1重量%より多く、例えば5重量%より多く、一般に少なくとも8重量%、好ましくは少なくとも10重量%であってよい。ドウ中に存在するカルボン酸の量は、支持体材料またはこの前駆体の重量に対して、最大25重量%、一般に最大20重量%、好ましくは最大15重量%であってよい。
1つの実施形態において、とりわけ、銀ジアミン錯体および還元酸を含む溶液は、例えばUS−4766105において教示されているように調製することができ、もしあるとすれば追加の促進剤成分、およびもしあるとすればさらなる銀成分をこの溶液に添加することができ、そうして得られた混合物は、支持体材料またはこの前駆体と混合されて、ドウを形成する。その他の実施形態において、ドウの固体成分の乾燥混合物、この中で支持体材料またはこの前駆体を触媒成分の溶液と混合してドウを形成することができる。好ましい実施形態において、とりわけ、銀成分、およびもしあるならば促進剤成分を液体の少なくとも一部分と溶解、さもなければ混合し、次いで支持体材料またはこの前駆体と一緒にして、ドウを形成することができる。この好ましい実施形態において、特に触媒を、後に本明細書において定義するような比較的低いGHSVの条件で操作する場合に、一般に初期選択性の点で改良された性能をもたらす触媒を調製することができる。
成形粒子は、篩掛け、噴霧、または噴霧乾燥などの任意の便利な成形プロセスによってドウから形成することができるが、好ましくはこれらは、押出し、凝集またはプレスによって成形される。使用できる方法に対して、例えばUS−A−5145824、US−A−5512530、US−A−5384302、US−A−5100859およびUS−A−5733842を参照することができ、これらを参照により本明細書に組み込む。
凝集の例には、限定はしないが、タブレット化、ブリケット化、ペレット化、ローリング、およびタンブリングが含まれる。プレスの方法には、一方向作動プレス、二方向作動プレス、ロールプレス、多重プレス、均衡プレス、熱プレス、ならびに当分野の技術者に知られている他のプレス方法が含まれる。Wolfgang Pietsch(John Wiley and Sons、1991年)によるSize Enlargement by Agglomeration、12〜18頁および118頁を参照することができる。
このような成形プロセス、特に押出しを容易にするために、ドウは、ドウの重量に基づいて、押出し助剤を約30重量%まで、および好ましくは2〜25重量%適切に含むことができる。適切な押出し助剤は、例えば石油ゼリー、水素化油、合成アルコール、合成エステル、グリコール、酸化ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、または8個を超える炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸であってよい。
成形粒子は、1400℃未満の温度において、好ましくは高くとも1000℃、さらに好ましくは高くとも600℃、特に高くとも550℃、さらに特に高くとも500℃の温度において乾燥することができる。一般に、乾燥は、少なくとも50℃、さらに一般に少なくとも250℃、特に少なくとも300℃の温度において生じ得る。一般に乾燥は、100時間までの間に、および好ましくは5分間〜50時間で実施される。乾燥は、空気、窒素、またはヘリウム、またはこれらの混合物中などのいずれの雰囲気中においても実施することができる。乾燥は、また還元雰囲気中で実施することができ、先に本明細書において述べたように、カチオン性銀の還元を可能にする。好ましくは、特に成形粒子が有機材料を含む場合、乾燥は、少なくとも部分においてまたは全体的に、例えば空気中またはその他の酸素含有雰囲気中などの酸化雰囲気中で実施される。
特に乾燥を、少なくとも50℃、さらに一般に少なくとも250℃、特に少なくとも300℃の温度において、および高くとも600℃、さらに一般に高くとも550℃、特に高くとも500℃の温度において実施する場合、摩損および/または破砕強度試験によって見出すことができる通り、機械的に強い成形触媒が得られる。また、エポキシ化プロセスにおいてそのように得られた触媒を使用する場合、エポキシ化プロセスのさらに迅速な立ち上がりを達成することができ、これは、初期選択性をより低い累積酸化オレフィン製造において達成することができ、実質上他の性能特性、例えば初期活性、初期選択性、活性安定性および選択性安定性に不利とならないことを意味する。
本明細書においていう摩損試験は、ASTM D4058−96によるものであり、ここでは、試験試料は、この調製後にそれ自体で試験され、これは、試験試料を乾燥するステップを表す前記方法のステップ6.4を除いたものである。本発明による成形触媒に対して測定された摩損は、一般に最大50重量%、好ましくは最大40重量%、特に最大30重量%、さらに特に最大25重量%である。しばしば、摩損は、少なくとも10重量%、特に少なくとも15重量%である。
本明細書においていう破砕強度は、ASTM D6175−98により測定されるものであり、ここでは、試験試料は、この調製後にそれ自体で試験され、それは、試験試料を乾燥するステップを表す前記方法のステップ7.2を除いたものである。本発明による成形触媒の破砕強度は、特に8.8mm外径および3.5mm内径を有する中空円筒粒子の破砕強度として測定した場合、一般に少なくとも2N/mm、好ましくは少なくとも4N/mm、特に少なくとも6N/mm、およびさらに特に8N/mmである。破砕強度は、特に8.8mm外径および3.5mm内径を有する中空円筒粒子の破砕強度として測定した場合、しばしば高くとも25N/mm、特に高くとも20N/mm、およびさらに特に高くとも15N/mmである。成形触媒が、定義したような特定の中空円筒ではなく、ある種の形状の成形粒子として存在する場合、ある種の形状の成形粒子に成形する代わりに、ドウを特定の中空円筒である成形粒子に成形するという違いのある触媒の調製を再度行うことによって、特定の中空円筒として存在するこの成形触媒の破砕強度が測定され、得られたこの中空円筒の破砕強度が測定される。特定の中空円筒の形状を有する触媒粒子は、内径によって定義される円筒穴を有し、この円筒穴は、外部円筒と同軸である。このような触媒粒子は、これらが約8mmの長さを有する場合、しばしば「公称8mm円筒」、または「標準8mm円筒」と呼ばれる。
成形粒子の形状および大きさは、一般にエポキシ化プロセスのニーズ、およびこれらが置かれるエポキシ化反応器の大きさによって決定される。一般に成形粒子を、例えば台形ボディ、円筒、サドル、球体、タブレット、ブリケット、ドーナツの形態において使用することが非常に便利であることが分かる。成形粒子は、一般に3〜15mm、好ましくは5〜10mmの範囲の最大外径を有することができる。成形粒子は、中実または中空であってよく、すなわち穴を有することができる。円筒は、中実または中空であってよく、これらは、一般に3〜15mm、さらに一般に5〜10mmの長さを有することができ、これらは、一般に3〜15mm、さらに一般に5〜10mmの断面外径を有することができる。円筒の断面直径に対する長さの比は、一般に0.5〜2、さらに一般に0.8〜1.25の範囲であってよい。成形粒子、特に円筒は、一般に0.1〜5mm、好ましくは0.2〜2mmの範囲の直径を有する穴を有する中空であってよい。成形粒子中の比較的小さい穴の存在は、粒子が比較的大きい穴を有する場合に比べて、成形粒子の破砕強度および達成可能なパッキング密度を増大する。成形粒子中の比較的小さい穴の存在は、粒子が中実粒子、すなわち穴を有しない場合と比較して、成形触媒の乾燥において有利である。
所望の場合には、例えば含浸によってまたは被覆によって成形触媒上にさらなる材料を付着させて、その性能をさらに向上させることができる。しかし、これは、成形触媒の調製をより複雑にするので通常好ましい実施形態ではない。全てのこのようなさらなる材料をドウに組み込んでから、ドウを成形粒子に成形することが好ましい。
エポキシ化プロセスは、多くの方法において実施することができるが、これを気相プロセス、すなわち供給材料が、一般に充填床において中実材料として存在する成形触媒と、気相において接触するプロセスとして実施することが好ましい。一般に、このプロセスは、連続プロセスとして実施される。
本エポキシ化プロセスにおいて使用されるオレフィンは、芳香族オレフィン、例えばスチレン、またはジオレフィン、共役していてもいなくても、例えば1,9−デカジエンまたは1,3−ブタジエンなどの任意のオレフィンであってよい。オレフィンの混合物を使用することができる。一般に、オレフィンは、モノオレフィン、例えば2−ブテンまたはイソブテンである。好ましくはオレフィンは、モノ−α−オレフィン、例えば1−ブテンまたはプロピレンである。最も好ましいオレフィンは、エチレンである。
供給材料中のオレフィンは、広範囲内で選択され得る。一般に、供給材料中のオレフィン濃度は、総供給材料に対して、最大80モル%である。好ましくは、それは、同じ基準で0.5〜70モル%、特に1〜60モル%の範囲である。本明細書では、供給材料は、成形触媒と接触される組成物であると考えられる。
エポキシ化プロセスは、空気系または酸素系であってよく、「Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology」、第3版、第9巻、1980年、445〜447頁を参照のこと。空気系プロセスにおいて、空気または酸素富化空気が、酸化剤の供給源として使用されるが、酸素系プロセスにおいては、高純度(少なくとも95モル%)酸素が、酸化剤の供給源として使用される。現在殆んどのエポキシ化プラントは、酸素をベースとし、これは、本発明の好ましい実施形態である。
供給材料中の酸素濃度は、広範囲内で選択することができる。しかし、実際には、酸素は一般に可燃性の状況を避ける濃度で使用される。一般に、使用される酸素の濃度は、総供給材料の1〜15モル%、さらに一般に2〜12モル%の範囲内である。
可燃性の状況の外に留まるためには、供給材料中の酸素濃度を、オレフィンの濃度が増大するに従い低くするのがよい。実際の安全操作範囲は、供給材料組成と共に、また反応温度および圧力などの反応条件に依存する。
反応改質剤は、選択性を増大させ、オレフィンまたは酸化オレフィンの望ましくない二酸化炭素と水への酸化を抑えるために、酸化オレフィンの所望の形成に対して供給材料中に存在させることができる。多くの有機化合物、とりわけ有機ハライドおよび有機窒素化合物を反応改質剤として使用することができる。酸化窒素、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたはアンモニアも同等に使用することができる。オレフィンエポキシ化の操作条件下で、窒素含有反応改質剤が、硝酸塩または亜硝酸塩の前駆体(すなわちこれらは、いわゆる硝酸塩または亜硝酸塩形成化合物である。)であることがしばしば考慮される(参照:例えばEP−A−3642およびUS−A−4822900、これらを参照により本明細書に組み込む。)。
有機ハライド、特に有機臭化物、およびさらに特に有機塩化物は好ましい反応改質剤である。好ましい有機ハライドは、クロロ炭化水素またはブロモ炭化水素である。さらに好ましくは、これらは、塩化メチル、塩化エチル、二塩化エチレン、二臭化エチレン、塩化ビニルまたはこれらの混合物の群から選択される。最も好ましい反応改質剤は、塩化エチルおよび二塩化エチレンである。
適切な酸化窒素は、一般式NOxのものであり、ここでxは1〜2の範囲であり、例えばNO、N2O3およびN2O4を含む。適切な有機窒素化合物は、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、アミン、硝酸塩および亜硝酸塩、例えばニトロメタン、1−ニトロプロパンまたは2−ニトロプロパンである。好ましい実施形態において、硝酸塩または亜硝酸塩形成化合物、例えば酸化窒素および/または有機窒素化合物が、有機ハライド、特に有機塩化物と一緒に使用される。
反応改質剤は、供給材料中に低濃度、総供給材料に対して、例えば0.1モル%まで、例えば0.01×10−4〜0.01モル%において使用される場合に、一般に効果的である。特にオレフィンがエチレンである場合、反応改質剤は、総供給材料に対して、0.1×10−4〜50×10−4モル%、特に0.3×10−4〜30×10−4モル%の濃度において供給材料中に存在することが好ましい。
オレフィン、酸素および反応改質剤に加えて、供給材料は、二酸化炭素、不活性ガスおよび飽和炭化水素などの1つ以上の任意の成分を含むことができる。二酸化炭素は、エポキシ化プロセスにおいて副生物である。しかし、二酸化炭素は、一般に触媒活性に不利な効果を有する。一般に、総供給材料に対して、25モル%を超える、好ましくは10モル%を超える供給材料中の二酸化炭素の濃度は回避される。総供給材料に対して、1モル%以下程度に低い、二酸化炭素の濃度が使用される場合がある。不活性ガス、例えば窒素またはアルゴンは30〜90モル%、一般に40〜80モル%の濃度において、供給材料中に存在することができる。適切な飽和炭化水素は、メタンおよびエタンである。飽和炭化水素が存在する場合、これらは、総供給材料に対して、80モル%まで、特に75モル%までの量において存在することができる。しばしばこれらは、少なくとも30モル%、さらにしばしば少なくとも40モル%の量において存在する。飽和炭化水素を、酸素可燃性限界を増大するために供給材料に添加することができる。
エポキシ化プロセスは、広範囲から選択された反応温度を使用して実施することができる。好ましくは反応温度は、150〜325℃、さらに好ましくは180〜300℃の範囲である。
エポキシ化プロセスは、1000〜3500kPaの範囲の反応器の入口圧力において、好ましくは実施される。ガス毎時空間速度(「GHSV」)は、充填された触媒の1単位体積上を1時間当り通過する、標準の温度および圧力(0℃、1気圧すなわち101.3kPa)におけるガスの単位体積である。好ましくは、エポキシ化プロセスが、成形触媒粒子の充填床を含む気相プロセスのようなものである場合、GHSVは、1200〜12000Nl/(l.h)、の範囲であってよく、およびさらに好ましくは、GSHVは、1500〜10000Nl/(l.h)未満の範囲である。好ましくは、このプロセスは、1時間当り、触媒の1m3当り製造される酸化オレフィン0.5〜10キロモル、特に1時間当り、触媒の1m3当り製造される酸化オレフィン0.7〜8キロモルの範囲における作業速度で実施される。本明細書では、作業速度は、1時間当り、成形触媒粒子の充填床の単位体積当り製造される酸化オレフィンの量であり、選択性は、変換された酸化オレフィンのモル量に対して形成された酸化オレフィンのモル量である。
製造された酸化オレフィンは、当分野で知られている方法を使用することによって、例えば酸化オレフィンを反応器出口流から水中に吸収させて、場合によりこの酸化オレフィンを蒸留によって水溶液から回収することによって反応混合物から回収することができる。少なくとも酸化オレフィンを含む水溶液の一部分を、酸化オレフィンを1,2−ジオールまたは1,2−ジオールエーテルに変換するために、引き続くプロセスにおいて使用することができる。
エポキシ化プロセスにおいて製造された酸化オレフィンは、1,2−ジオール、1,2−ジオールエーテル、またはアルカノールアミンに変換することができる。本発明は、酸化オレフィンの製造に対してより魅力的なプロセスをもたらすので、これは、同時に本発明による酸化オレフィンを製造すること、および1,2−ジオール、1,2−ジオールエーテル、および/またはアルカノールアミンの製造において、この得られた酸化オレフィンを引き続いて使用することを含むより魅力的なプロセスをもたらす。
1,2−ジオールまたは1,2−ジオールエーテルへの変換は、例えば、適切には酸性または塩基性触媒を使用して、酸化オレフィンを水と反応させることを含むことができる。例えば、主に1,2−ジオールおよびより少ない1,2−ジオールエーテルを作製するためには、酸化オレフィンを、総反応混合物に対して、酸触媒、例えば硫酸0.5〜1.0重量%の存在において液相反応で、1絶対バールで50〜70℃において、または、130〜240℃および20〜40絶対バールで気相反応において、好ましくは触媒の存在しない状態で水の10倍モル過剰と反応させることができる。水の割合が低い場合、反応混合物中の1,2−ジオールエーテルの割合が増加する。このように製造された1,2−ジオールエーテルは、ジ−エーテル、トリ−エーテル、テトラ−エーテルまたはこれに続くエーテルであってよい。別の1,2−ジオールエーテルは、アルコール、特にメタノールまたはエタノールなどの第一アルコールにより、水の少なくとも一部分をアルコールによって置換することにより酸化オレフィンを変換することによって調製することができる。
アルカノールアミンへの変換は、例えば酸化オレフィンをアンモニアと反応させることを含むことができる。無水または水性アンモニアを使用することができるが、無水アンモニアがモノアルカノールアミンの製造を有利にするために一般に使用される。アルカノールアミンへの酸化オレフィンの変換において使用できる方法に対して、例えばUS−A−4845296を参照することができ、これを参照により本明細書に組み込む。
1,2−ジオールおよび1,2−ジオールエーテルは、多種の工業的用途において例えば食品、飲料、タバコ、化粧品、熱可塑性ポリマー、硬化性樹脂システム、洗剤、伝熱システムなどにおいて使用することができる。アルカノールアミンは、例えば、天然ガスの処理(「スイートニング」)において使用することができる。
特に指定のない限り、本明細書に述べる低分子量有機化合物、例えばオレフィン、1,2−ジオール、1,2−ジオールエーテル、アルカノールアミンおよび反応改質剤は、一般に最大40個の炭素原子、さらに一般に最大20個の炭素原子、特に最大10個の炭素原子、さらに特に最大6個の炭素原子を有する。本明細書において定義されている通り、炭素原子の数の範囲(すなわち炭素数)は、範囲の限界に対して指定された数である。
本発明を一般的に記載してきたが、以下の実施例を参照することによってさらなる理解を得ることができ、これらは例示だけの目的で提供され、特に指定のない限り、限定することを意図するものではない。
触媒の重量に対して、銀17.8重量%、レニウム3.25ミリモル/kg、タングステン2ミリモル/kg、リチウム20ミリモル/kgおよびセシウム780ミリモル/kgを含む成形触媒Aを以下のように調製した。
酸化銀(120g)を1,2−エチレンジアミン/水混合物(1/1重量)85gと混合した。引き続いて、シュウ酸12gおよびクエン酸45gを酸化銀混合物に添加した。この後に、水11ml中のアンモニウム過レニウム酸塩、アンモニウムメタタングステン酸塩および水酸化リチウムの溶液を添加し、次いで水酸化セシウム水溶液を添加した。そうして得られたスラリーをα−アルミナ粉末Aの500gに添加し(詳細な記載は表Aを参照のこと。)、および混和機中で60分間混合して、ドウを得た。α−アルミナ粉末Bの14.5gを(詳細な記載は表Aを参照のこと。)、添加して、押出しに適するドウの粘稠度を得た。ドウを6mm中実円筒に押し出し、次いで終夜50℃において乾燥し、引き続いて、温度を120、250および400℃に上昇させた。温度を400℃でさらに1時間維持して、本発明による触媒Aを得た。酸化銀、アンモニウム過レニウム酸塩、アンモニウムメタタングステン酸塩、水酸化セシウム、および水酸化リチウムの量は、成形触媒が上に指定したような組成物を有するようなものであった。中実円筒は、以下のような寸法を有した:6mm外径および6mm高さ。得られた成形触媒は、35重量%の摩損を有した。
比較のために、触媒の重量に対して、銀20重量%、レニウム3.25ミリモル/kg、タングステン2ミリモル/kg、リチウム20ミリモル/kgおよびセシウム780ミリモル/kgを含む成形触媒Bを以下のように調製した。
酸化銀(133g)を1,2−エチレンジアミン/水混合物(1/1重量)82gと混合した。引き続いて、シュウ酸15gおよびクエン酸50gを酸化銀混合物に添加した。この後に、水13ml中のアンモニウム過レニウム酸塩、アンモニウムメタタングステン酸塩および水酸化リチウムの溶液を添加し、次いで水酸化セシウム水溶液を添加した。そうして得られたスラリをα−アルミナ粉末Aの500gに添加し(詳細な記載は表Aを参照のこと。)および混和機中で60分間混合して、ドウを得た。ドウを6mm中実円筒に押し出し、次いで終夜50℃において乾燥し、引き続いて、温度を120、250および400℃に上昇させた。温度を400℃でさらに1時間維持して、本発明によらない触媒Bを供給した。酸化銀、アンモニウム過レニウム酸塩、アンモニウムメタタングステン酸塩、水酸化セシウムおよび水酸化リチウムの量は、成形触媒が上に指定したような組成物を有するようなものであった。中実円筒は、以下のような寸法を有した:6mm外径および6mm高さ。得られた成形触媒は、46重量%の摩損を有した。
本発明の利点は、本発明により作製された触媒は、本発明により作製されなかった触媒に比較して増大した摩損抵抗を示すことである。
触媒は、次いでエチレンおよび酸素から酸化エチレンを製造するために使用することができる。これを行うために、触媒AおよびB(14〜20メッシュ、または0.84〜1.4mm)の破砕された試料4gを、別の4.57mm内径ステンレス鋼U字管中にそれぞれ充填する。この管を溶融金属浴(熱媒体)に浸漬し、末端をガス流系に接続する。入口ガス流速は、0.28Nl/分である。入口ガス圧力は、1450kPaである。
ガス混合物は、始動を含む全試験運転の間、触媒床を「1回通過」操作で通過させ、エチレン30体積%、酸素8体積%、二酸化炭素5体積%、窒素57体積%および塩化エチル2.0〜6.0ppmvからなる。
初期反応器温度は、180℃であり、これを1時間当り10℃の速度で225℃に次第に上げ、次いで出口ガス流中において3.1体積%の一定の酸化エチレン含量を達成するように調整し、一方、塩化エチル濃度を酸化エチレンの形成の最適選択性をもたらし、維持するように適宜調整する。この変換レベルにおける性能データは、触媒が少なくとも全体で1〜2日間流中にある場合に通常得られる。試験は、必要に応じて温度を調整しながら、出口ガス流中において3.1体積%の一定の酸化エチレン含量を維持するように継続される。
本発明により作製された成形触媒は、初期活性、初期選択性、活性安定性および選択性安定性に関して優れた性能を有することができる。
Claims (25)
- 成形触媒の調製方法であり、
ドウを成形粒子に成形すること、および前記成形粒子を乾燥することを含み、ここで前記ドウが支持体材料またはこの前駆体および銀成分を含み、ならびに前記支持体材料またはこの前駆体が最大12.5μmのd90を有し、および前記支持体材料またはこの前駆体の少なくとも10.5体積%および最大80体積%が粒径2μm未満を有する、方法。 - 支持体材料またはこの前駆体の、少なくとも11体積%、特に少なくとも12体積%、さらに特に少なくとも15体積%、および最も特に少なくとも20体積%が、粒径2μm未満を有する、請求項1に記載の方法。
- 支持体材料またはこの前駆体の、最大60体積%、特に最大50体積%が、粒径2μm未満を有する、請求項1または2に記載の方法。
- 支持体材料またはこの前駆体の、少なくとも50体積%および最大95体積%が、粒径5μm未満を有する、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
- 支持体材料またはこの前駆体の、少なくとも55体積%、特に少なくとも60体積%が、粒径5μm未満を有する、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
- 支持体材料またはこの前駆体の、25体積%を超える、特に少なくとも30体積%、およびさらに特に少なくとも35体積%が、2から5μmの範囲における粒径を有する、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
- 支持体材料またはこの前駆体が、最大6.5μmのd50を有する、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
- 支持体材料またはこの前駆体が、最大6μm、特に最大5.5μm、およびさらに特に最大4μmのd50を有する、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
- 支持体材料またはこの前駆体が、最大12μmのd90を有する、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
- 支持体材料またはこの前駆体が、
前記支持体材料またはこの前駆体の重量に対して、少なくとも1重量%、特に少なくとも5重量%、およびさらに特に10から30重量%の範囲の量において最大3μm、特に最大1μmのd50を有する、1つ以上の微粒子材料;ならびに
前記支持体材料またはこの前駆体の重量に対して、最大99重量%、特に最大95重量%、およびさらに特に70から90重量%の範囲の量において3μmを超える、特に少なくとも5μmのd50を有する、1つ以上の微粒子材料
を含む微粒子材料の混合物である、請求項1から9のいずれかに記載の方法。 - 成形粒子の少なくとも一部分の乾燥が、1000℃未満の温度において実施される、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
- 成形粒子の少なくとも一部分の乾燥が、250から550℃、特に300から500℃の範囲の温度において実施される、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
- ドウが、支持体材料またはこの前駆体の重量に対して、分子構造中に少なくとも2個の炭素原子を有するカルボン酸を1重量%を超えてさらに含む、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
- 少なくとも2個の炭素原子を有するカルボン酸が、分子構造中に複数のカルボキシル基、または1つ以上のカルボキシル基に加えて、1つ以上のヒドロキシル基を含む、請求項13に記載の方法。
- ドウが、前記支持体材料またはこの前駆体の重量に対して、8から20重量%の範囲の量においてカルボン酸を含む、請求項13または14に記載の方法。
- 支持体材料またはこの前駆体を処理して、このナトリウム可溶化度を低下させること、またはこの水溶性ケイ酸塩の含量を減少させることをさらに含む、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
- 支持体材料またはこの前駆体を洗浄することをさらに含む、請求項1から16のいずれかに記載の方法。
- 銀成分を含む液体を支持体材料またはこの前駆体と合わせてドウを形成する、請求項1から17のいずれかに記載の方法。
- 支持体材料が、α−アルミナまたはこの前駆体である、請求項1から18のいずれかに記載の方法。
- α−アルミナが、小板構造を有する、請求項19に記載の方法。
- ドウが、窒素、硫黄、リン、ホウ素、フッ素、IA族金属、IIA族金属、レニウム、モリブデン、タングステン、クロム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、バナジウム、タリウム、トリウム、タンタル、ニオブ、ガリウム、ゲルマニウムおよびこれらの混合物の群から選択される少なくとも1つのさらなる元素をさらに含む、請求項1から20のいずれかに記載の方法。
- さらなる元素またはこの化合物が、レニウム、モリブデン、タングステン、IA族金属、硝酸塩または亜硝酸塩形成化合物、およびこれらの混合物の群から選択される、請求項21に記載の方法。
- ドウを成形粒子に成形すること、および、前記成形粒子を乾燥することを含む方法によって得られる成形触媒であり、ここで前記ドウが支持体材料またはこの前駆体および銀成分を含み、ならびに前記支持体材料またはこの前駆体が最大12.5μmのd90を有し、および前記支持体材料またはこの前駆体の少なくとも10.5体積%および最大80体積%が粒径2μm未満を有する、触媒。
- オレフィンのエポキシ化方法であり、オレフィンおよび酸素を含む供給材料と、ドウを成形粒子に成形すること、および前記成形粒子を乾燥することを含む方法によって得られる成形触媒とを接触させることを含み、ここで前記ドウが支持体材料またはこの前駆体および銀成分を含み、ならびに前記支持体材料またはこの前駆体が最大12.5μmのd90を有し、および前記支持体材料またはこの前駆体の少なくとも10.5体積%および最大80体積%が粒径2μm未満を有する、方法。
- 酸化オレフィンを、1,2−ジオール、1,2−ジオールエーテル、またはアルカノールアミンに変換することを含む、1,2−ジオール、1,2−ジオールエーテル、またはアルカノールアミンを作製するために酸化エチレンを使用する方法であり、前記酸化オレフィンが請求項24に記載のオレフィンのエポキシ化方法によって得られたものである。
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