JP2012154854A - 液体漏洩検出方法及び液体漏洩検出装置 - Google Patents

液体漏洩検出方法及び液体漏洩検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽光の影響を受けることなく、昼間でも簡単に液体の漏洩検査を可能にする。
【解決手段】絶縁油が封入された油分封入設備2の表面に、液体漏洩検出装置1から中間赤外域の波長のレーザ光を、その波長を絶縁油の光吸収波長帯を含んで掃引しながら照射走査し、絶縁油の光吸収による反射光の受光強度の落込みを検出することにより、絶縁油の漏洩を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体漏洩の検査領域にレーザ光を照射して液体の漏洩を検出する液体漏洩検出方法及び液体漏洩検出装置に関し、特に、中間赤外域のレーザ光に対する液体の赤外吸収原理を利用して液体の漏洩を検出する液体漏洩検出方法及び液体漏洩検出装置に関する。
液体の漏洩が問題となる例としては、例えば、発電所や変電所におけるトランス(変圧器)等の絶縁油封入設備からの絶縁油の漏洩がある。このような絶縁油封入設備は漏油がない設計を基本としているが、長期間にわたる使用、地震等の災害等により絶縁油が漏洩することがある。最近ではPCBを使用しない絶縁油が用いられているが、古い設備・器具においてはPCBを含む絶縁油が使われていたり、PCBが混入した再生油が使われていたりすることがあり、漏油による影響は、設備・器具の本来機能の不具合や故障の原因となるばかりではなく、環境に対しても悪影響を及ぼす場合がある。このため、電力会社においては定期巡視を行い、漏油が発見された場合には漏油箇所の補修、設備の交換、土壌の入換えや監督官庁への報告が義務付けられている。
ところで、従来、レーザ光を利用して油を検出する漏油検出装置として、例えば特許文献1に記載されたものがある。この装置は、油運搬船等からの大量の油の海上流出を未然に防止することを目的とし、レーザ光を海面や海水中に照射し、レーザ光の照射による漏油からの蛍光、散乱光を検出することで、海面や海水中に浮遊する漏油を検出している。
特開2000−275135号公報
しかしながら、特許文献1に記載された漏油検出装置は、海面に浮遊する油分を検出対象とするもので、漏油検出に蛍光、散乱光を利用しており、蛍光の発生効率及び水中透過性を考慮して照射するレーザ光の波長を220〜550nm、受光波長を350〜570nmとしている。この場合、太陽光の日射スペクトルの最大値が550nm付近であることを考えると、昼間の太陽光の下では漏油の検出が難しく、昼間の漏油検査には使用できないという問題がある。電力会社において、現状の定期巡視では、漏油の検査を巡視員の目視で行っており、漏油の有無が巡視員の主観的な判断で行われており、極めて微量な漏油については発見が極めて難しいと言う問題がある。このため、漏洩検査の信頼度向上や安全対策等の観点から、漏油の有無を客観的に判断でき、極めて微量な漏油でも検出できる漏油検出装置が望まれている。
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、昼夜を問わずに油等の液体の漏洩を客観的に検出できる液体漏洩検出方法及び液体漏洩検出装置を提供することを目的とする。
このため、本発明の液体漏洩検出方法は、液体漏洩の検査領域にレーザ光を照射してその反射光を受光し、受光強度に基づいて検査領域における液体の漏洩を検出する液体漏洩検出方法であって、前記検査領域に中間赤外域の波長のレーザ光を照射すると共に、照射するレーザ光の波長を検査対象の液体の光吸収波長帯を含んで掃引し、前記液体の光吸収による反射光の受光強度の落込みを検出して液体の漏洩を検出することを特徴とする。
かかる構成では、中間赤外域の波長のレーザ光を検査領域に照射し、照射するレーザ光の波長を液体の光吸収波長帯を含んで掃引する。検査対象の液体の光吸収波長帯に相当する波長のレーザ光が漏洩した液体に当たると、液体の光吸収によりレーザの反射光の受光強度に落込みが生じる。この受光強度の落込みを検出することにより液体の漏洩が検出できる。
本発明の液体漏洩検出装置は、液体漏洩の検査領域にレーザ光を照射してその反射光を受光し、受光強度に基づいて検査領域における液体の漏洩を検出する液体漏洩検出装置であって、前記検査領域に照射する中間赤外域の波長のレーザ光を発生するレーザ発光手段と、該レーザ発光手段から発生するレーザ光の波長を検査対象の液体の光吸収波長帯を含んで掃引制御する波長掃引制御手段と、前記検査領域からのレーザ光の反射光を受光して受光強度に応じた出力を発生する受光手段と、該受光手段の前記出力の落込みを検出して液体の漏洩を検出する漏洩検出手段と、を備えて構成したことを特徴とする。
かかる構成では、レーザ発光手段から中間赤外域の波長のレーザ光を発生し、波長掃引制御手段でレーザ光の波長を検査対象の液体の光吸収波長帯を含んで掃引制御して検査領域に照射する。受光手段は、検査領域からのレーザ光の反射光を受光して受光強度に応じた出力を発生し、漏洩検出手段は受光手段の出力の落込みを検出する。受光手段の出力に落込みがあれば液体による光吸収ありと判断することにより、液体の漏洩を検出するようになる。
本発明の液体漏洩検出方法及び液体漏洩検出装置によれば、太陽光の影響を受けない中間赤外域の波長のレーザ光を用いたので、昼夜を問わずに液体の漏洩検査を行うことができる。また、微量な液体の漏洩も確実に検出でき、液体の漏洩検査の信頼度を高めることできる。また、漏洩の発生した液体封入設備を早期に客観的に発見できるので、液体封入設備の補修、交換等の安全対策を遅滞なく行える。
本発明の液体漏洩検出方法の漏洩検出の一例を示す説明図である。 レーザ光を掃引した時の漏洩の有無による受光強度の相違を示す図である。 絶縁油の透過スペクトルを示す図である。 太陽光及び大気の放射スペクトルを示す図である。 水及び水蒸気の透過スペクトルを示す図である。 本発明の液体漏洩検出方法で漏洩検出が可能な液体(油分及び油分以外の液体)を例示した表を示す図である。 本発明の液体漏洩検出装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。 同上実施形態で適用する同軸光学系の構成例を示す図である。 同軸光学系と二軸光学系の相違を説明する図である。 本実施形態の液体漏洩検出装置の動作を説明するフローチャートである。 図10の漏油検出動作の具体的な動作を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の液体漏洩検出方法は、液体の漏洩を検査する検査領域に中間赤外域(2〜25μm)の波長のレーザ光を照射し、レーザ光の波長を検査対象の液体の光吸収波長帯を含んで掃引して検査領域からの反射光を受光し、液体の赤外吸収による反射光の受光強度の落込みを検出することにより、液体の漏洩を検出することを特徴とするものである。
本発明の液体漏洩検出方法について、検査対象の液体として例えばトランス(変圧器)に封入されている絶縁油を例として、その漏洩を検出する場合の一例を、図1を参照しながら説明する。
図1において、液体漏洩検出装置1から中間赤外域の波長のレーザ光を、検査対象の液体である絶縁油が封入されているトランス等の油分封入設備2の表面の検査領域に対して走査しながら照射する。この際、レーザ光の波長を絶縁油の光吸収波長帯を含んで掃引し、波長の掃引を繰り返しながら検査領域をレーザ光で走査する。液体漏洩検出装置1は、その反射光を受光し、掃引毎の受光強度を計測し、レーザ光の波長を掃引した時の受光強度の落込みの有無を検出して漏油の有無を検出する。
液体漏洩検出装置1における受光強度Iは、レーザ光の波長λに応じた出射強度I0、液体漏洩検出装置1から油分封入設備2表面までのレーザ光照射空間における減衰の往復分ρ2、油分封入設備2表面の塗膜反射率R、漏油透過率の往復分T2及び液体漏洩検出装置既知1内の効率fの積により下記の(1)式のように定義される。尚、I、I0、ρ2、R、T2及びfは、レーザ光の波長に依存することから下記の(1)式は波長の関数として表記してある。
I(λ)=I0(λ)・ρ(λ)2・T(λ)2・R(λ)・f(λ) ・・・(1)
ここで、レーザ光の出射強度I0は液体漏洩検出装置1内の発振モニタでリアルタイムに計測することで既知となり、レーザ光照射空間における減衰ρはレーザ光をビーム広がりがない平行光とすることにより無視(ρ≒1)することができ、塗膜反射率Rは油分封入設備2表面の顕著な汚れを無視すれば検査場所によらず一定値とみなすことができ、液体漏洩検出装置1内の効率fは設計値及び液体漏洩検出装置1の検査時に計測することで定数にできるので、漏油検査における変数は漏油透過率Tのみとなる。そして、漏油がないときはT=1となるが、漏油があるときは検査対象の油の光吸収特性や漏油の膜厚に依存してその油の光吸収特性に基づいた特定波長帯でT<1となり、受光強度Iが低下するため、受光強度Iを計測することにより、漏油の有無が検出できる。
具体的には、レーザ発振器への印加電流を掃引することにより、図2の点線で示すように出射強度I0とレーザ光の波長を同時に掃引する。受光強度Iは、漏油なしのときには図2の実線で示すように出射強度I0に応じた値で計測されるが、漏油ありのときには、絶縁油の光吸収波長帯で透過率Tに応じた光吸収が生じ、受光強度Iが低下し波長掃引中において図2の一点鎖線で示すように落込みが生じる。従って、レーザ光の波長を絶縁油の光吸収波長帯を含んで掃引することで、絶縁油の光吸収波長帯において生じる受光強度Iの落込みを検出することにより、漏油の有無を検出できる。尚、図2は、波長掃引時の漏油の有無による出射強度I0と受光強度Iの様子を模式的に示したものである。ここで、落込みとは、図2で示すような所定の波長領域での強い光吸収部分のことである。
絶縁油の場合、図3に示す透過スペクトルから3.4〜3.7μmの光波長帯で光吸収を示すので、出射したレーザ光の波長が3.4〜3.7μmの範囲で受光強度Iに落込みが生じることになる。
また、太陽光(短波放射)の放射スペクトルは、図4に示すように、紫外線域(波長280〜380nm)、可視光域(波長380〜750nm)、近赤外域(波長700〜2500nm)の波長領域で、強い分光放射照度を示し、特に可視光域においては強度が強い。このため、従来のように紫外線域(波長280〜380nm)、可視光域(波長380〜750nm)、近赤外域(波長700〜2500nm)の光を用いた液体漏洩検出装置では、太陽光の影響を受けて昼間の漏油検査が難しかった。
これに対して、本発明では、太陽光(短波放射)の分光放射照度がほとんどない中間赤外域(2〜25μm)の波長のレーザ光を使用する(絶縁油の場合は3.6μmを中心波長とする波長帯のレーザ光を使用する)ので、夜間は勿論、太陽光が存在する昼間でも太陽光(短波放射)の影響を受けることがなく漏油検査が可能である。また、図4に示すように3.6μmの波長帯では地表物質や雲からの大気放射(長波放射)の分光放射照度も、晴天時の1.2W/m2・nm-1に比べて0.001W/m2・nm-1と1/1000以下であるので、本発明による絶縁油の漏油検査のように、3.6μmを中心波長とする波長帯のレーザ光を使用すれば、その影響も受けづらい。
地上に設置されている油分封入設備は雨滴に濡れることも多く、また、大気中の水蒸気による漏油検査への影響を考慮すると、液体状態又は気体状態(水蒸気)の水分の影響が少ない波長域のレーザ光、即ち、水分の透過率が高い波長域のレーザ光を使用することが、計測時のS/N比を向上させることになる。水(液体)及び水蒸気の透過スペクトルは図5に示すように、3.6μmの波長域においては、水蒸気の光透過率は略100%で光の吸収がなく、本発明のように絶縁油の漏油検査において3.6μmの波長帯のレーザ光を使用すれば、大気中の水蒸気による漏油検査への影響はない。また、水(液体)の影響については、3.6μmの波長域ではその透過率の変化がなだらかであるため、波長の掃引範囲内においては水(液体)による受光強度Iの変化と絶縁油の光吸収波長において鋭く変化する絶縁油による受光強度Iの変化とは識別が可能であり、水(液体)が存在しても漏油検査には影響はない。
また、本発明方法では、前述した(1)式から受光強度Iを計測することにより、油分の透過率Tを計測することができる。ここで、ランバート・ベールの法則により、透過率Tは、下記の(2)式のように表せる。
T=exp(−acL) ・・・(2)
ただし、aは油分のモル吸光係数、cは油分のモル濃度、Lは光が通過する油分のパス長である。ここで、検査対象が液体であり油分封入設備1の表面に付着することから、漏油の濃度は均一とみなせる。従って、検査対象となる油分のモル吸光係数a及び大気圧、常温環境下におけるモル濃度cが既知であるならば、パス長Lは、下記の(3)式から求めることができる。
L=−ln(T)/ac ・・・(3)
ここで、パス長Lは光が通過した漏油の長さであることから、求めたパス長Lから漏油の膜厚を求めることができる。パス長Lは光が漏油内を往復した長さであるから、パス長Lの半分(L/2)が漏油の膜厚として得られる。検査対象の液体が例えば粘性等が大きく流れ難い液体等であれば、漏油が多い場合に膜厚が厚くなると考えられるので、膜厚から大凡の漏油の程度を把握することが可能である。
以上のように本発明の液体漏洩検出方法によれば、従来、巡視員の目視では見落とす虞れがあった微量の漏油でも確実に検出できるようになる。また、漏油が検出された場合の油分封入設備の補修、交換、土壌の入換え処理、監督官庁への報告までの移行がより短期的に行うことができ、油分封入設備の機能の異常を遅滞なくいち早く発見して対処できる。従って、安全対策上きわめて有効である。また、中間赤外域の波長のレーザ光を用いることで、太陽光の影響を受けやすかった従来装置に比べて太陽光がある昼間でも漏油検査を実施することができる利点がある。
以上、絶縁油の漏洩検査を例に本発明の液体漏洩検出方法について説明したが、本発明の液体漏洩検出方法は、図6に示すようにその他の各種油分及び油分以外の液体の漏洩検査にも適用できるものである。
次に、上述の本発明の液体漏洩検出方法の検出原理を適用した本発明の液体漏洩検出装置について説明する。
図7は、本発明の液体漏洩検出装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
図7において、本実施形態の液体漏洩検出装置10は、レーザ発振器11と、同軸光学系12と、スキャンミラー13と、受光部14と、発振モニタ15と、撮像装置16と、制御部17と、表示部18と、記録部19と、GPS受信機20と、外部インターフェイス21と、計測スイッチ22と、バッテリ23と、警告装置24と、指示用レーザ25と、を備える。
レーザ発光手段であるレーザ発振器11は、計測スイッチ22のオン操作で制御部17により駆動されて中間赤外域のレーザ光を出射するもので、例えば非線形光学効果を利用した差周波発振原理による波長変換レーザ発振器である。尚、レーザ発振器11は、中間赤外域のレーザ光を出射できるものであればよく、例えば、同じく非線形光学効果を利用した和周波発振、倍波発振、パラメトリック発振等の原理による波長変換レーザ発振器や量子カスケードレーザ発振器等を用いてもよい。
同軸光学系12は、レーザ発振器11から出射したレーザ光をスキャンミラー13へ導くと共に、出射したレーザ光と同軸でスキャンミラー13に入射する反射光を受光手段である受光部14へ導く。例えば、図8(A)に示すようなビームスプリッタ31としてハーフミラーを用いた構成や、同図(B)のような穴あきミラー32を用いた構成を採用することができる。
光学系に出射光と反射光の光軸が異なる二軸光学系を採用してもよいが、二軸光学系の場合、図9に示すように、液体漏洩検出装置10からの出射光が受光部の視野(図中、斜線部分)内に到達するまでの近距離領域では反射光がほとんど受光できず、計測不能領域が存在する。このため、二軸光学系を採用した場合、漏洩検査の対象設備があまり近すぎると、検査対象設備表面からの反射光が受光できずに漏洩検査ができない虞れがある。一方、同軸光学系の場合は、図9から明らかなように二軸光学系のような計測不能領域は存在せず、また、二軸光学系に比べて同軸光学系は相対的にコンパクトな構成にできる利点がある。従って、同軸光学系を採用することが望ましい。
スキャンミラー13は、レーザ発振器11からのレーザ光を2次元的に走査して装置10外部に投光すると共に、油分封入設備2表面からの反射光を同軸光学系12を介して受光部14に導く光走査手段に相当するもので、光を2次元走査する例えば特許第2722314号に記載された半導体製造技術を利用した電磁駆動方式の2次元プレーナ型ガルバノミラーで構成される。電磁駆動方式の2次元プレーナ型ガルバノミラーの詳細は、特許第2722314号に記載されており、簡単に説明すると、軸方向が互いに直交する2対のトーションバーと、それぞれのトーションバーによって揺動可能に軸支された内側及び外側可動部を半導体基板で一体形成し、それぞれの可動部に駆動コイルを設けると共に駆動コイルに静磁界を作用する静磁界発生手段を設け、内側可動部にはミラーを設けて構成される。そして、駆動コイルに例えば駆動電流として交流電流を供給することにより発生する磁界と静磁界との相互作用により電磁駆動力が発生して可動部を揺動させる。駆動交流電流の周波数をガルバノミラーの共振周波数に設定すれば、効率よく可動部を揺動駆動することができる。
受光部14は、スキャンミラー13から同軸光学系12を介して受光した反射光の受光強度Iに応じた出力を制御部17に送る。
発振モニタ15は、レーザ発振器11から出射されるレーザ光の出射強度I0をリアルタイムで計測して制御部17に送信する。
撮像装置16は、レーザ光を照射する検査領域の画像を撮像するもので、例えばレーザ光で検査領域全域を1回走査する毎に検査領域の静止画像を撮像してその画像データを制御部17に送信する。
制御部17は、計測スイッチ22のオン操作でレーザ発振器11への印可電流を掃引して出射レーザ光の波長を掃引制御する。また、前述の本発明の液体漏洩方法で説明したように、受光部14からの受光出力の落込みの有無を検出し液体の漏洩の有無を判定する。また、液体の漏洩を検出したときに、漏洩箇所にレーザ光が照射されたときのスキャンミラー13からの位置情報(内側及び外側の各可動部の揺動角度情報)に基づいて撮像装置16で撮像した静止画像上の対応箇所に着色指示やハイライト指示等の情報や位置情報取得手段であるGPS受信機20で取得した液体漏洩検査場所の位置情報等を付加した画像データを作成してデータ記録手段である記録部19に記録する。ここで、制御部17は、波長掃引制御手段、漏洩検出手段及び画像処理手段の機能を備える。
表示手段である表示部18は、記録部19から記録した静止画像データを読出して表示する。
外部インターフェイス21は、外部機器との間で記録部19に記録したデータ等を交信するものである。
バッテリ23は、液体漏洩検出装置10の駆動用電源であり、図示しない電源スイッチのオン操作によって液体漏洩検出装置10内各部に電源を供給する。このように、バッテリで駆動可能な構成とすれば、携帯でき電源がない場所でも使用できるようになる。
警告装置24は、液体の漏洩が検出されたことを液体漏洩検出装置10の操作者に警告する警告手段に相当するもので、制御部17が液体の漏洩有りと判定したときに、制御部17からの出力で駆動する。警告装置24としては、音声で警告するものでもよく、ランプ等の光を利用したり、振動を利用して警告するようにしてもよい。
指示用レーザ25は、液体漏洩部分や検査領域の輪郭を直接指示するための可視光レーザを出射するもので、液体の漏洩が検出されたときに制御部17により駆動されてその漏洩部分に同軸光学系からスキャンミラー13を介して可視光レーザを照射する。また、スキャンミラー13からの位置情報(内側及び外側の各可動部の揺動角度情報)に基づいてスキャンミラー13が検査領域の輪郭位置(内側及び外側の各可動部の最大揺動角度位置)に向いたときに制御部17により駆動されて可視光レーザを照射する。
次に、本実施形態の液体漏洩検出装置による絶縁油の漏洩検査動作について、図10及び図11のフローチャートを参照して説明する。
図10は、装置電源をONしたときの動作を示すフローチャートであり、図11は図10のフローチャートにおける漏油検出動作を示すフローチャートである。
図10において、図示しない電源スイッチをONして電源が投入されるとバッテリ23から各部に電源供給が行われ、制御部17、撮像装置16、表示部18及びGPS受信機20が動作を開始し、液体漏洩検出装置10による漏油検査が可能な状態となる。
これにより、ステップ1(図中、S1で示し以下同様とする)で、表示部18に撮像装置16で撮像される検査領域の画面が待機画面として表示される。この待機画面には、例えばGPS受信機20で取得した液体漏洩検出装置10(検査場所)の位置情報等が同時に表示される。
ステップ2で、計測スイッチ22がONされたか否かを判定し、判定がYES(計測スイッチ22ON)の場合は、ステップ3に進む。
ステップ3では、計測スイッチ22のON操作によって、レーザ発振器11、スキャンミラー14及び発振モニタ15が動作を開始し、図11のフローチャートに示す絶縁油の漏油検出動作を開始する。
図11において、ステップ11では、レーザ発振器11が駆動して中間赤外域の波長(絶縁油の漏油検査では、例えば3.6μmを中心波長とする波長帯)のレーザ光を出射すると共に、制御部17によりレーザ発振器11への印加電流を制御して出射するレーザ光の波長を、図2に示すように検査対象の絶縁油の光吸収波長を含んで掃引制御し、レーザ光を外部の油分封入設備2の表面(検査領域)に照射する。これと同時にスキャンミラー15を駆動して油分封入設備2の表面(検査領域)をレーザ光で走査する。この際に、スキャンミラー13からの位置情報に基づいてスキャンミラー13の内側及び外側の各可動部が最大揺動角度位置に向いたときに、制御部17により指示用レーザを駆動して可視光レーザを出射する。これにより、検査領域の輪郭部分に可視光レーザが照射されるので、操作者は検査領域を把握しながら漏油検査を行うことができるようになる。
ステップ12では、レーザ光の波長の一掃引したときの受光強度を検出し、例えば、受光強度の傾きの変化状態等から絶縁油の光吸収に基づく受光強度の落込みの有無を検出する。
ステップ13では、受光強度の落込みが閾値以上か否かを判定する。例えば波長を掃引したときの最大受光強度と落込み量との比率を判定値として前記比率が予め設定した閾値以上か否かを判定する。前記比率が閾値以上で判定がYESとなったときは、漏油有りと判定してステップ14に進む。受光強度の落込みを検出しなかった場合や受光強度の落込みは検出したが前記比率が閾値未満で判定がNOの場合は、漏油なしと判定してステップ14を飛越してステップ15に進む。尚、波長を掃引したときの最大受光強度と受光強度の落込みが発生した波長における受光強度そのものとの比率を判定値としてその比率が閾値以下か否かを判定するようにしてもよく、この場合は予め設定した閾値以下のときに漏油有りと判定することになる。
ステップ14では、警告装置24を駆動して液体漏洩検出装置10を所持する操作者に漏油を検出したことを知らせる。尚、警告装置24の動作停止は、例えば予め警告装置24の駆動時間を設定して設定時間経過後に自動で停止するようにしてもよく、手動の警告装置停止スイッチを設けて、操作者が手動で停止させるようにしてもよい。また、指示用レーザを駆動して検出した漏洩部分に可視光レーザを照射する。これにより、操作者は漏洩部分を直接視認することができる。
ステップ15では、スキャンミラー13の揺動角度情報に基づいてスキャンミラー13の一走査が終了したか否かを判定し、判定がYESであればステップ16に進み、判定がNOであればステップ11〜15の動作を繰返す。例えば、ステップ11〜15の動作を、撮像装置16で撮像する静止画像の1ピクセルをスキャンミラー13が走査する毎に行うようにする。こうすることにより、スキャンミラー13の一走査周期毎に得られる静止画像中のピクセル毎に着色指示やハイライト指示等の情報を作成できる。
ステップ16では、レーザ光により走査された静止画像データを記録部19に記録する。この画像データには、GPS受信機20による検査場所の位置情報等の待機画面で表示される基本的な情報に加えて、画像中の漏油が検出された箇所に相当するピクセル位置に着色指示やハイライト指示等の情報が付加されている。
ステップ17では、記録部19からステップ16で記録した画像データを表示部18で読出して表示する。これにより、表示部19の画像から検査領域のどの箇所に漏油が生じているかを客観的に知ることができる。
図11に示す漏油検出動作は、計測スイッチ22のOFF操作により終了する。
かかる構成の本実施形態の液体漏洩検出装置によれば、従来、巡視員の目視では見落とす虞れがあった微量の絶縁油の漏洩でも確実に検出できる。また、漏油が検出された場合の油分封入設備の補修、交換、土壌の入換え処理、監督官庁への報告までの移行がより短期的に行うことができ、油分封入設備の機能の異常を遅滞なく発見して対処できる。従って、電力会社等における安全対策上きわめて有効である。また、中間赤外域の波長のレーザ光を用いることで、太陽光がある昼間でも漏油検査を実施することができる。更に、小型で持運びが自由にできるので、場所を選ばずにどのような場所でも絶縁油等の漏油検査が極めて容易かつ効率的にできるようになる。
尚、必ずしもレーザ光を走査する必要はなく、レーザ光を単に外部に出射する構成でもよいが、上記実施形態のように、レーザ光を走査する構成とすれば、検査する油分封入設備2の表面を2次元的に検査できるので、スキャンミラーを設けることが望ましい。また、撮像装置16についても必ずしも設ける必要はないが、中間赤外域のような不可視レーザ光を利用する漏油検査の場合、漏油を検出しても正確に特定できないが、撮像装置16を設けて漏油検出箇所を画像で表示すれば、漏油箇所の特定も容易にできるようになる。
10 液体漏洩検出装置
11 レーザ発振器
12 同軸光学系
13 スキャンミラー
14 受光部
16 撮像装置
17 制御部
18 表示部
19 記録部
20 GPS受信機
24 警告装置

Claims (15)

  1. 液体漏洩の検査領域にレーザ光を照射してその反射光を受光し、受光強度に基づいて検査領域における液体の漏洩を検出する液体漏洩検出方法であって、
    前記検査領域に中間赤外域の波長のレーザ光を照射すると共に、照射するレーザ光の波長を検査対象の液体の光吸収波長帯を含んで掃引し、前記液体の光吸収による反射光の受光強度の落込みを検出して液体の漏洩を検出することを特徴とする液体漏洩検出方法。
  2. 前記反射光の受光強度に基づいて漏洩液体の液厚を計測する請求項1に記載の液体漏洩検出方法。
  3. 前記中間赤外域の波長のレーザ光は、2〜25μmの波長のレーザ光を使用する請求項1又は2に記載の液体漏洩検出方法。
  4. 前記検査対象の液体は、絶縁油である請求項1〜3のいずれか1つに記載の液体漏洩検出方法。
  5. 前記レーザ光の波長は、3.6μm帯の波長を含んで掃引する請求項4に記載の液体漏洩検出方法。
  6. 液体漏洩の検査領域にレーザ光を照射してその反射光を受光し、受光強度に基づいて検査領域における液体の漏洩を検出する液体漏洩検出装置であって、
    前記検査領域に照射する中間赤外域の波長のレーザ光を発生するレーザ発光手段と、
    該レーザ発光手段から発生するレーザ光の波長を検査対象の液体の光吸収波長帯を含んで掃引制御する波長掃引制御手段と、
    前記検査領域からのレーザ光の反射光を受光して受光強度に応じた出力を発生する受光手段と、
    該受光手段の前記出力の落込みを検出して液体の漏洩を検出する漏洩検出手段と、
    を備えて構成したことを特徴とする液体漏洩検出装置。
  7. 前記レーザ発光手段は、非線形光学効果を利用して中間赤外域の波長のレーザ光を発生する波長変換レーザ発光手段である請求項6に記載の液体漏洩検出装置。
  8. 前記レーザ発光手段から装置外部に投光するレーザ光の光軸と前記検査領域からの反射光の光軸とが同軸となる同軸光学系を備える請求項6又は7に記載の液体漏洩検出装置。
  9. 検査領域を撮像した画像上に前記漏洩検出手段の検出した液体漏洩箇所を記録処理する画像処理手段と、該画像処理手段で得られた液体漏洩箇所の印した検査領域画像を表示する表示手段と、該表示手段の表示画像データを記録するデータ記録手段と、を備える請求項6〜8のいずれか1つに記載の液体漏洩検出装置。
  10. 液体漏洩検査場所の位置情報を取得する位置情報取得手段を備える請求項6〜9のいずれか1つに記載の液体漏洩検出装置。
  11. 液体の漏洩を警告する警告手段を備える請求項6〜10のいずれか1つに記載の液体漏洩検出装置。
  12. 前記中間赤外域の波長のレーザ光は、2〜25μmの波長のレーザ光を使用する請求項6〜11のいずれか1つに記載の液体漏洩検出装置。
  13. 前記検査対象の液体が、絶縁油である請求項6〜12のいずれか1つに記載の液体漏洩検出装置。
  14. 前記レーザ光の波長は、3.6μm帯の波長を含んで掃引する請求項13に記載の液体漏洩検出装置。
  15. 前記漏洩検出手段の検出した液体漏洩部分や前記検査領域の輪郭を直接指示するための可視光レーザを出射する指示用レーザを備えた請求項6〜14のいずれか1つに記載の液体漏洩検出装置。
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