JP2012256488A - フラットケーブル用積層ポリエステルフィルムおよびそれからなるフラットケーブル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】共重合成分を全繰り返し単位を基準として12mol以上25mol%以下含有し、固有粘度が0.45dl/g以上0.70dl/g以下である共重合ポリエステルを含有するヒートシール層と、ポリエステルを含有する基材層とを含む積層ポリエステルフィルムであって、該フィルムは難燃成分を含有しないフラットケーブル用積層ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
Description
さらに、上記のフラットケーブル用積層ポリエステルフィルムのA層同士が対向するように配置され、対向するA層の間に導電体が挟み込まれており、A層同士が熱融着されてなるフラットケーブルも提供され、その好ましい態様として、導電体の厚みに対する層Aの厚みの比(層Aの厚み/導電体の厚み)が0.1以上1.0以下であるものが包含される。
<積層ポリエステルフィルム>
本発明の積層ポリエステルフィルムは、共重合ポリエステルを含有するヒートシール層(層A)およびポリエステルを含有する基材層(層B)を含む積層構成を有し、該層Aを構成する共重合ポリエステルは、共重合量が層Aのポリエステルの全繰り返し単位を基準として12mol以上25mol%以下、固有粘度が0.45dl/g以上0.70dl/g以下であり、かつフィルムは難燃成分を含まないことを要する。
本発明のヒートシール層(層A)に含有される共重合ポリエステルは、その主たる成分が芳香族二塩基酸とジオールとからなる線状飽和ポリエステルである。かかる成分から形成される繰り返し単位の具体例としては、エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、エチレンナフタレンジカルボキシレートを例示することができ、これらの中でもエチレンテレフタレート、エチレンナフタレンジカルボキシレートが好ましく、エチレンナフタレンジカルボキシレートはさらにエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートであることが好ましい。
なお、共重合ポリエステルはフィルム製膜条件によりある程度の固有粘度低下が起こるため、フィルム製膜前の共重合ポリエステルの固有粘度は0.48dl/g以上0.80dl/g以下の範囲が適当である。かかる範囲のものを用いることにより、層Aの共重合ポリエステルの固有粘度が本発明の範囲内にあるものが容易に得られる。
発明の積層ポリエステルフィルムに含まれる基材層(層B)は、層Aの片面に積層されている。層Bに含有されるポリエステルは、層Aに含有される共重合ポリエステルと同様の線状飽和ポリエステルであり、好ましい繰り返し単位としてエチレンテレフタレート、エチレンナフタレンジカルボキシレートを挙げることができ、エチレンナフタレンジカルボキシレートはさらにエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートであることが好ましい。かかるポリエステルはホモポリエステルであることが好ましいが、ポリエステルの全繰り返し単位を基準として10mol%以下、好ましくは5mol%以下の共重合成分を含有していてもよい。共重合成分を含有している場合には、その共重合量は層Aに含まれる共重合ポリエステルの共重合量より3mol%以上少ないことが好ましい。また層Bに含まれるポリエステルの主成分の種類は、層Aに含まれる共重合ポリエステルの主成分と同じ種類であることが好ましい。かかる場合、層Aと層Bとの界面接着性がより高まる。
本発明の積層ポリステルフィルムには、難燃成分が含まれていないことを要するが、例えばフィルムの取扱い性を向上させるため、発明の効果を損なわない範囲で不活性粒子が添加されていてもよく、層A、層Bのいずれの層に配合されていてもよい。不活性粒子としては、例えば、周期律表第IIA、第IIB、第IVA、第IVBの元素を含有する無機粒子(例えばカオリン、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素など)、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン、架橋アクリル樹脂粒子等の耐熱性の高いポリマーよりなる粒子が挙げられる。中でも滑り性および白色性を同時に高めることができるため酸化チタンが好ましい。
本発明の積層ポリステルフィルムには、さらに必要に応じて熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。これらの添加剤も、いずれの層に配合されても構わない。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、フィルム厚みが5〜250μmであることが好ましく、より好ましくは8〜150μm、特に好ましくは10〜100μmである。
層A厚みは、フラットケーブル作成のために使用される導電体の厚みにもよって適宜設定すればよいが、薄すぎると熱融着性が不十分となったり、過大電流通電により層Aの流動性が高まっても導電体が移動し難くなるので接触し難くなる。一方厚すぎると、過大電流通電により層Aの流動性が高まっても導電体が厚み方向にも移動しやすくなるため、導電体間の接触が起こり難くなる。したがって、層Aの厚みは用いられる導電体の厚みの0.1〜1.0倍、特に0.2〜0.9倍の範囲が適当である。
また、フィルム全層に対する層Aの厚み割合は、大きくなりすぎると機械特性が低下する場合があるので、好ましくは60%以下、さらに好ましくは50%以下、特に好ましくは45%以下である。
本発明の積層ポリエステルフィルムの層構造は、ヒートシール層である層Aが表層になっていれば層(A)/層(B)の2層構造であっても、層(A)/層(B)/層(A)の3層構造であってもよく、また層(A)/層(B)/層(C)のように他の層を含むものであってもよい。さらには、層(B)/層(C)が繰り返し積層された多層積層の表層に層(A)が積層された構造であってもよい。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、150℃、30分熱処理したときのフィルムの少なくとも一方向の熱収縮率が2.5%以下であることが好ましい。かかる熱収縮率はさらに好ましくは2.0%以下、特に好ましくは1.5%以下である。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、本発明の目的を阻害しない範囲で、各種機能を付与するために、少なくとも一方の面に従来公知の塗膜層を形成してもよい。塗膜層はいずれの面に形成してもよいが、熱融着性を有しない面に形成するのが好ましい。
本発明の積層ポリエステルフィルムの製造方法は特に限定されず、従来公知の製膜方法により先ず未延伸積層シートを作成し、次いで少なくとも一方向、好ましくは二方向に延伸すればよい。
例えば層A用に調整した共重合ポリエステルを十分に乾燥させた後、融点〜(融点+70)℃の温度で押出機内で溶融する。同時に層B用に調整したポリエステルを十分に乾燥させた後、他の押出機に供給し、融点〜(融点+70)℃の温度で溶融する。続いて、両方の溶融樹脂をダイ内部で積層する方法、例えばマルチマニホールドダイを用いた同時積層押出法により、積層された未延伸フィルムが製造される。かかる同時積層押出法によると、一つの層を形成する樹脂の溶融物と別の層を形成する樹脂の溶融物はダイ内部で積層され、積層形態を維持した状態でダイよりシート状に成形される。
熱固定は、130〜260℃、より好ましくは150〜240℃の温度で緊張下または制限収縮下で熱固定するのが好ましく、熱固定時間は1〜1000秒が好ましい。また同時二軸延伸の場合、上記の延伸温度、延伸倍率、熱固定温度等を適用することができる。また、熱固定後に弛緩処理を行ってもよい。
以上に説明した本発明の積層ポリエステルフィルムから、例えば以下の方法により、導電体が電気絶縁性のフィルム状被覆材でサンドイッチ状に被覆されたフレキシブルなフラットケーブルを作成することができる。
すなわち、本発明の積層ポリエステルフィルムを2枚用い、層A同士を対向させ、その間に複数本の導電体を並列配置して挟みこみ、その後層Aの融点以上、層Bの融点以下の温度範囲で、層Aを溶融させた状態でプレスして熱融着させることにより、フラットケーブルを作成することができる。
導電体としては、フラットケーブルに使用される通常の導電体を使用でき、例えば銅、メッキされた銅、銀などが挙げられる。導電体は箔状や平角状であり、所定の間隔をもって並列に配置される。
各層のポリエステルチップおよび積層ポリエステルフィルムから削りとった層Aのサンプルを用い、35℃のo−クロロフェノール溶液で固有粘度([η]dl/g)を測定した。
なお、層B用のポリエステルチップの固有粘度において、o−クロロフェノールに不溶の場合は、重量比が6:4のフェノール:テトラクロロエタン混合溶媒に溶解後、35℃の温度で測定して求めることができる。
フィルムサンプルの各層について、1H−NMR測定よりポリエステルの各成分および共重合成分量を求めた。
積層フィルムの各層厚みは、フィルムの小片をエポキシ樹脂(リファインテック(株)製の商品名「エポマウント」)中に包埋し、Reichert−Jung社製Microtome2050を用いて包埋樹脂ごと50nm厚さにスライスし、透過型電子顕微鏡(LEM−2000)により加速電圧100KVで測定して求めた。
フィルムサンプルに30cm間隔で標点をつけ、荷重をかけずに150℃のオーブンで30分間熱処理を実施し、熱処理後の標点間隔を測定して下記式にて熱収縮率を算出し、最大熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)=((熱処理前標点間距離−熱処理後標点間距離)/熱処理前標点間距離)×100
室温23℃の恒温室において実施例および比較例で製造したフラットケーブルに10Aの電流を印加したときのフラットケーブル表面の温度上昇を、熱電対を用いて測定し、以下の基準で評価した。
A: フラットケーブル表面温度が250℃未満
B: フラットケーブル表面温度が250℃以上300℃未満
C: フラットケーブル表面温度が300℃以上350℃未満
層A用に、イソフタル酸を18mol%共重合した固有粘度0.60dl/gの共重合ポリエチレンテレフタレートを170℃ドライヤーで3時間乾燥後、押出機に投入し、溶融温度270℃で溶融した。
層B用に、滑剤として平均粒径0.5μmの炭酸カルシウム粒子を0.4重量%含有する固有粘度0.65dl/gのポリエチレンテレフタレートを170℃ドライヤーで3時間乾燥後、他方の押出機に投入し、270℃で溶融した。
それぞれ溶融した状態で2層に積層し(厚み比率 層A:層B=1:4)、かかる積層構造を維持した状態でダイスリットより押出した後、表面温度25℃に設定したキャスティングドラム上で冷却固化させて2つの層からなる未延伸フィルムを作成した。
この未延伸フィルムを100℃に加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向)に3.5倍で延伸し、25℃のロール群で冷却した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き、120℃に加熱された雰囲気中で長手方向に垂直な方向(横方向)に3.8倍で延伸した。その後テンタ−内で230℃の熱固定を行い、180℃で幅方向に2%の弛緩後、均一に除冷して室温まで冷やし、50μm厚み(層A:10μm,層B:40μm)の二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。また、得られた積層フィルム2枚を層Aが対向するように配置し、厚み35μm、幅1mmの銅箔を1mm間隔となるよう3本並べ、挟んで作製したフラットケーブルの表面温度評価結果を表1に合わせて示す。電流を流したときに短時間で導電体同士が接触し、フラットケーブル表面温度が高くならなかった。
層Aの共重合量を25mol%に変更した以外は実施例1と同様に製膜を行い、厚み50μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。また、実施例1と同様にしてフラットケーブルの表面温度評価結果を表1にあわせて示す。電流を流したときに短時間で導電体同士が接触し、フラットケーブル表面温度が高くならなかった。
層Aと層Bの厚み比率を層A:層B=2:3に変更した以外は実施例1と同様に製膜を行い、厚み50μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。また、実施例1と同様にしてフラットケーブルの表面温度評価結果を表1にあわせて示す。電流を流したときに短時間で導電体同士が接触し、フラットケーブル表面温度が高くならなかった。
層A用の共重合ポリエステルの固有粘度を0.53dl/gに変更した以外は実施例1と同様に製膜を行い、厚み50μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。また、実施例1と同様にしてフラットケーブルの表面温度評価結果を表1にあわせて示す。電流を流したときに短時間で導電体同士が接触し、フラットケーブル表面温度が高くならなかった。
層A用の共重合ポリエステルの固有粘度を0.64dl/gに変更した以外は実施例1と同様に製膜を行い、厚み50μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。また、実施例1と同様にしてフラットケーブルの表面温度評価結果を表1にあわせて示す。電流を流したときに短時間で導電体同士が接触し、フラットケーブル表面温度が高くならなかった。
層A用に、共重合成分としてイソフタル酸を層Aのポリエステルの全繰り返単位を基準として18mol%共重合した固有粘度0.55dl/gの共重合ポリエチレンナフタレートを180℃ドライヤーで4時間乾燥後、押出機に投入し、溶融温度290℃で溶融した。
一方、層B用に、滑剤として平均粒径0.5μmの炭酸カルシウム粒子を0.25重量%含有する、固有粘度0.60dl/gのポリエチレンナフタレートを180℃ドライヤーで5時間乾燥後、他方の押出機に投入し、300℃で溶融した。
それぞれ溶融した状態で2層に積層し(厚み比率 層A:層B=1:4)、かかる積層構造を維持した状態でダイスリットより押出した後、表面温度55℃に設定したキャスティングドラム上で冷却固化させて2つの層からなる未延伸フィルムを作成した。
この未延伸フィルムを140℃にて長手方向(縦方向)に3.5倍で延伸し、55℃のロール群で冷却した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き、135℃に加熱された雰囲気中で長手方向に垂直な方向(横方向)に3.8倍で延伸した。その後テンタ−内で230℃の熱固定を行い、180℃で幅方向に2%の弛緩後、均一に除冷して室温まで冷やし、50μm厚み(層A:10μm,層B:40μm)の二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。また、実施例1と同様にして作成したフラットケーブルの表面温度評価結果を表1にあわせて示す。電流を流したときに短時間で導電体同士が接触し、フラットケーブル表面温度が高くならなかった。
層Aの厚みを30μmに変更した以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、厚み70μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1の通りである。本実施例のフィルムは、フィルムに銅箔を挟んで作製したフラットケーブルに電流を流した際、導電体同士が接触するまでの時間は実施例1より長くなったが、フラットケーブル表面温度はユニットの燃焼を引き起こすほど高くならなかった。
層Aの厚みを6μmに変更した以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、厚み46μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1の通りである。本実施例のフィルムは、導電体同士が接触するまでの時間は実施例1より長くなったが、フラットケーブル表面温度はユニットの燃焼を引き起こすほど高くならなかった。
層Aの共重合量を10mol%に変更した以外は実施例1と同様に製膜を行い、厚み50μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。また、実施例1と同様にしてフラットケーブルの表面温度評価結果を表1にあわせて示す。電流を流したときに導電体同士が接触するまでの時間が長く、フラットケーブル表面温度が高かった。
層A用の共重合ポリエステルの固有粘度を0.75dl/gに変更した以外は実施例1と同様に製膜を行い、厚み50μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。また、実施例1と同様にして作成したフラットケーブルの表面温度評価結果を表1にあわせて示す。電流を流したときに導電体同士が接触するまでの時間が長く、フラットケーブル表面温度が高かった。
層Aを積層せず、層Bだけの単層ポリエステルフィルムとした以外は実施例1と同様の操作を行い、厚み40μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムに熱硬化性接着剤(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製、製品名「アラルダイト スタンダード」)を10μm厚みとなるよう塗布後、接着剤層同士が対向するように配置し、その間に厚み35μm、幅1mmの銅箔を1mm間隔となるよう3本並べ、挟んで作製したフラットケーブルを60℃、45分加熱して熱硬化させてフラットケーブルを作成した。フラットケーブルの表面温度評価結果を表1に示す。
Claims (4)
- 共重合ポリエステルを含有するヒートシール層(層A)およびポリエステルを含有する基材層(層B)を含む積層ポリエステルフィルムであって、該層Aを構成する共重合ポリエステルは、共重合量が層Aのポリエステルの全繰り返し単位を基準として12mol以上25mol%以下、固有粘度が0.45dl/g以上0.70dl/g以下であり、かつフィルムは難燃成分を含有しないフラットケーブル用積層ポリエステルフィルム。
- 層Aおよび層Bを構成するポリエステルの主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートまたはエチレンナフタレンジカルボキシレートである請求項1に記載のフラットケーブル用積層ポリエステルフィルム。
- 請求項1または2に記載のフラットケーブル用積層ポリエステルフィルムのA層同士が対向するように配置され、かかる対向するA層の間に導電体が挟み込まれており、A層同士が熱融着されてなるフラットケーブル。
- 導電体の厚みに対する層Aの厚みの比(層Aの厚み/導電体の厚み)が0.1以上1.0以下である、請求項3に記載のフラットケーブル。
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