JP2012502245A - 蒸発器への冷媒の流れを制御する方法 - Google Patents

蒸発器への冷媒の流れを制御する方法 Download PDF

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Abstract

冷却システム内に配置される蒸発器(1)への冷媒の流れを制御するための方法が示されている。冷却システムは、膨張弁(12)及び圧縮器を含み、該膨張弁(12)、蒸発器(1)、及び圧縮器は、冷媒流を有する冷媒通路内に配置される。該方法は、膨張弁(12)の開度を増加させて、これにより蒸発器(1)の乾燥領域(3)を実質的に排除するように蒸発器(1)への冷媒の流れを十分に増加させ、時間が経過した後、膨張弁(12)の開度を減少させ、更に膨張弁(12)の開度を増加及び減少させる段階を繰り返す段階を含む。このようにして、膨張弁(12)の開度は、「パルス状」となる。これは、蒸発器(1)を出る冷媒の過熱度値を、ゼロレベルと、低いが、正のレベルとの間で「切り換る」ことを可能とする。これにより、蒸発器(1)を出る冷媒の平均過熱度値は減少され、蒸発器(1)の冷媒能力は、一層効率的に利用される。同時に、蒸発器(1)を通過することが可能な液相冷媒の量は、圧縮器への損傷を防ぐのに十分低い量を維持することが確実なものとなる。

Description

本発明は、冷却システム内に配置された蒸発器への冷媒の流れを制御するための方法に関する。本発明の方法は、蒸発器の冷却能力を、従来の技術方法を使用する場合より効率的に利用することを確実にするような方法で、冷却システムを制御することができる。
冷却システムは、多くの場合、膨張弁の開度を調整し、及び/又は膨張弁を開閉して蒸発器に供給される液相冷媒の量を制御することにより、作動する。蒸発器に供給される液相冷媒のすべてが蒸発器を出る前に蒸発するように、かつ、混合相の冷媒が蒸発器の出口に存在するか又は出口の直前に存在するように、膨張弁を制御することが望ましい。液相冷媒が蒸発器を出ることができるようにされている場合には、この液相冷媒が圧縮器に到達する危険性があり、これは、場合によっては圧縮器を損傷することになる。一方、液相冷媒が、蒸発器の最初の部分を通過する間に蒸発するような場合には、蒸発器の冷却能力が十分に利用されない。
冷媒の過熱度は、上記した状況が得られているか、いないかという情報を提供する。過熱度は、通常は、流体の実際の温度と、流体の沸点との差と定義される。したがって、過熱度は、流体の温度並びに圧力に依存する。このように、過熱度は、膨張弁の開度を制御するために適切なパラメータである。冷媒は、低いが、正の過熱度を有することが、通常は望ましい。この場合には、上記した状況、すなわち蒸発器の冷却能力が最大限まで可能な範囲で利用され、蒸発器を通過する液相冷媒によって圧縮器へ損傷を与える危険性が最小となる状況が得られる。
このように、蒸発器を出る冷媒の過熱度値は、理想的にはゼロとするべきである。しかしながら、過熱度値がゼロの場合に、蒸発器が最適な方法で作動しているか、すなわち液相冷媒が、蒸発器内で正確に蒸発しているか、或いは大量の液相冷媒が蒸発器内を通過しているかどうかを知ることが不可能である。したがって、従来の冷却システムのほとんどの場合において、膨張弁の開度が、正の過熱度、例えば凡そ5−10Kに維持されるような方法で制御されている。これにより、確実に液相冷媒が蒸発器内を通過できないようにする。しかしながら、これは、蒸発器の冷却能力が十分に利用されていない結果をもたらす。
A.TambovtsevとH.Quackによる「COP Improvements by Transfer of the Superheating into the Internal Heat Exchanger」ICR07−B2−1406には、冷却システム及び冷却システムの制御方法が記載されている。冷却システムには、蒸発器を通過することができる液相冷媒が、圧縮器に到達する前に蒸発することを確実にする付加的内部熱交換器が設けられている。これにより、わずかに湿潤した出口流が得られ、蒸発器の熱転移領域全体を、冷媒蒸発のために使用できるようになり、蒸発器の効率が改善される。しかしながら、この文献に提案されている解決策は、付加的な熱交換器が必要であることが欠点であり、それは、冷却システムを製造する費用が増加し、かつシステムが複雑になるという理由からである。
A.Tambovtsev、H.Quack著、ICR07−B2−1406
蒸発器の冷却能力が、従来技術の制御方法の場合よりも大きい範囲で利用されることを可能にする、蒸発器への冷媒の流れを制御する方法を提供することが、本発明の目的である。
圧縮器を損傷させる危険性を無くして、蒸発器の冷却能力の利用を増加させる、蒸発器への冷媒の流れを制御する方法を提供することが、本発明の目的である。
冷却システムの部品数及び複雑さを減少することができる、蒸発器への冷媒の流れを制御する方法を提供することが、本発明の目的である。
本発明によると、上記及び他の目的は、膨張弁及び圧縮器を含み、該膨張弁、蒸発器、及び圧縮器が、冷媒流を有する冷媒流路内に配置された構成の冷却システム内に配置された蒸発器への冷媒の流れを制御するための方法であって、
膨張弁の開度を増加させ、これにより蒸発器の乾燥領域を実質的に十分に排除するように、蒸発器への冷媒の流れを増加させ、
ある時間が経過した後に、膨張弁の開度を減少させ、
膨張弁の開度を増加させる段階及び減少させる段階を繰り返す、
段階を含む方法を提供することにより実現される。
冷媒は、例えば次のような冷媒のグループ:HFC、HCFC、CFC又はHCの1つから選択された、適当な種類の冷媒のいずれかとすることができる。別の適当な冷媒は、CO2である。
本発明の方法によると、膨張弁の開度は、最初は増加させられる。膨張弁の開度が増加すると、蒸発器に供給される冷媒の流れが増加する。開度は、蒸発器への冷媒の流れが、蒸発器の乾燥領域を実質的に十分に排除するまで増加することを十分に確実なものとする量だけ及び時間間隔だけ、増加させられる。これは、液相/混合相冷媒と気相冷媒との間の境界が、蒸発器の出口まで移動するか、又は出口を越えた位置にある状態、すなわち蒸発器内の冷媒が、液相状態であるか又は液相と気相の混合相冷媒であるという意味に解釈すべきである。これにより、蒸発器を出る冷媒の過熱度値はゼロになり、液相冷媒が蒸発器を通過することが、最も起こり得る状態になる。
ある程度の時間が経過した後、膨張弁の開度は、膨張弁の開度を増加させる段階を遂行する前の膨張弁の開度に対応する開度にまで減少させることが好ましい。それによって、膨張弁の開度は短期間増加し、次に冷却システムを制御するために使用される制御計画によって指示されるレベルに戻される。これは、蒸発器への冷媒の流れを、十分に蒸発器の乾燥領域を確立するように減少させること、すなわち液相冷媒に蒸発器内を通過させないことによる結果である。これにより、蒸発器を出る冷媒の過熱度値は、低いが、正の値にまで増加する。
開度を増加及び減少させる段階は、複数回繰り返されることが好ましい。これにより膨張弁の開度は、「パルス状」となる。膨張弁の「パルス状」開度は、蒸発器を出る冷媒の過熱度値を、ゼロと、低いが正の値との間で「切り換る」ことを可能にする。過熱度値は、周期的にゼロレベルにまで減少されるので、過熱度値が一定で、低い、正のレベルを維持するような状況と比較して、蒸発器を出る冷媒の平均値は減少する。これにより、蒸発器の冷却能力は一層効率的に利用され、すなわち、冷却システムは、より効率的方法で作動されることとなる。同時に、膨張弁の開度が再び減少する前の短い間に、過熱度値をゼロレベルで維持させることができるので、少量の液相冷媒だけが蒸発器を通過できるようになり、これにより過熱度値を正の値に増加させることを確実なものとする。したがって、液相冷媒が蒸発器内を通過することによる圧縮器への損傷を引き起こす危険性は排除されるか、又は少なくとも大幅に減少される。
冷媒の流れが、膨張弁の開度が増加する前の冷媒の流れより5%−15%、例えば7%−12%、例えばおよそ10%増加するような形態で、膨張弁の開度を増加させることができる。
膨張弁の開度を増加及び減少させる段階は、実質的に規則的間隔で繰り返すことができる。本実施形態によると、膨張弁の開度、及び結果的に蒸発器を出る冷媒の過熱度値は、実質的に一定周期の「パルス状になる」。代替的なものとしては、この期間は、例えば、冷却システムの様々な作動条件に応じて変化するようにすることができる。
代替的に、又は追加的に、膨張弁の開度が減少する前の経過時間は、実質的に一定の長さを有するものとすることができる。本実施形態によると、膨張弁の開度を増加させた状態に維持できる時間間隔は、実質的に一定であり、したがって限られた時間である。その結果、蒸発器を出る冷媒の過熱度値は、限られた時間だけゼロレベルであり、蒸発器を通過することが可能な液相冷媒の総量は、圧縮器を損傷させない程度の量に制限される。膨張弁の開度を増加させる段階が繰り返される前の経過時間は、実質的に一定の長さを有するものとすることができ、この場合には、開度を増加及び減少させる段階は、上記したように、実質的に一定の間隔で繰り返される。しかしながら、膨張弁の開度を増加させる段階の前の経過時間は、代替的に、長さを変化させることができる。
代替的なものとして、膨張弁の開度が減少する前の経過時間は、長さを変化させることができ、この変化する長さは、冷媒の過熱度値の測定値を基に定められる。本実施形態によると、蒸発器を出る冷媒の過熱度値は、モニターされることが好ましい。上記したように、膨張弁の開度が増加した後、蒸発器を出る冷媒の過熱度値はゼロレベルにまで減少する。これが、過熱度値をモニターするために使用されるセンサーにより検知されると、冷媒をしばらくの間ゼロレベルに維持させるために、場合によっては一定の時間間隔を経過させた後、膨張弁の開度を前の開度にまで減少させる。膨張弁の開度を増加させる段階が繰り返される前に経過する時間は、上記したように、一定にするか、又は変化させることができる。この時間が変化するようにする場合には、その時間は、同様に、冷媒の過熱度値の測定値を基本にして定めることができる。この場合には、過熱度値が正の値にまで増加したことが検知された時、膨張弁の開度が増加する、という利点を得ることができる。これにより、過熱度値は、ほとんどの時間でゼロレベルを維持することが確実にされ、一方で、限定された量の液相冷媒だけが、蒸発器を通過できるようにすることが確実になる。
この方法は、冷媒の過熱度値をモニターする段階を更に含むことができる。これは、蒸発器の出口に、又は出口の近くに過熱度センサーを配置することにより行うことができる。過熱度センサーは、蒸発器を出る冷媒の温度及び圧力を別個に測定する形式のものとするか、或いは過熱度を直接測定する形式のものとすることができる。
この場合において、この方法は、冷媒の過熱度値をモニターする段階で、開度が減少した後に過熱度値がゼロレベルに留まっていることが示された場合に、膨張弁の開度を増加させる段階の開始を遅らせる段階を更に含むことができる。本実施形態によると、増加及び減少する段階の繰り返しの「パルス状」期間、及び/又は増加する段階を繰り返す段階の前の経過時間は、通常の状態では実質的に一定にすることが有利である。しかしながら、過熱度値が、膨張弁の開度の減少に対応して正の値にまで増加しないことを過熱度値の測定値が示す場合には、このことは、平均過熱度値が低過ぎ、したがって過度の量の液相冷媒が蒸発器を通過できるようになるという危険性があることを示している。これを防ぐために、膨張弁の開度は、長い間、例えば増加/減少サイクルの付加的期間の間、低い値に維持されるようにする。過熱度値が、依然としてゼロレベルを維持する場合には、膨張弁の開度を増加する段階の開始を更に遅らせるか、又は膨張弁の開度を減少させることができる。
このように、この方法は、冷媒の過熱度値をモニターする段階で、開度を減少させた後も過熱度値がゼロレベルを維持していることが示される場合には、開度を付加的な量だけ減少させる段階を更に含むことができる。
蒸発器を出る冷媒の過熱度値がモニターされる場合には、この方法は、次のような意味での「追跡機能」を含むものとすることができる。過熱度値は、最初は比較的高い値であって、膨張弁の開度を少量だけ増加させることは、過熱度値がゼロレベルに到達できるようにするのには十分ではない。したがって、時間か経過した後に、開度を減少させる代りに、開度を少量だけ再び増加させる。モニターされた過熱度値が、蒸発器を出る冷媒の過熱度値がゼロレベルに到達したことを示すまで、これが繰り返される。次にこの方法は、上記したように、すなわち、膨張弁の開度が「パルス状となる」ように遂行される。膨張弁の開度を減少させた後、蒸発器を出る冷媒の過熱度値がゼロレベルで維持されていることが検知されるまで、これは続けられる。次に、膨張弁の開度を増加させる段階の開始を遅くするか、又は上記したように、膨張弁の開度を増加させる。
代替的に又は追加的に、この方法は、蒸発器を出る冷媒の過熱度値をモニターし、過熱度値が増加しているか又は減少しているかを判断するようにすることができる。モニターした過熱度値により、過熱度値が「非常に高い」こと、すなわち膨張弁の開度を増加したがゼロレベルにまだ到達していないが、過熱度値は減少しつつあることが示される場合には、現在のレベルに膨張弁の開度を維持すること、又は上記したように、膨張弁の開度を減少させて「パルス状にする」ことを決定することができる。これは、過熱度値の減少によって、過熱度値が「右側軌道上にある」ことが示されるからである。このシステムは、開度の増加が、幾分かの遅れを伴って過熱度値の減少に反映されるという意味で、ある程度の「慣性」を含むものである。したがって、上記した方法は、過剰な量の液相冷媒が蒸発器を通過できるようにする程度まで過熱度値が減少することを妨げる。
膨張弁の開度を増加及び減少させる段階は、ヒステリシス制御計画における重畳として遂行することができる。本実施形態によると、膨張弁の「基本」の開度は、通常のヒステリシス制御計画によって制御される。開度を増加させる段階が遂行されると、開度は、通常のヒステリシス制御計画により示される開度より高いレベルにまで増加される。膨張弁の開度を減少させる段階が遂行されると、開度は、ヒステリシス制御計画により示される開度にまで戻される。
本発明は、添付した図面を参照して、更に詳細に述べられるであろう。
通常の作動中に、蒸発器内の位置の関数として、蒸発器と冷媒の過熱度値を示したものである。 従来技術の制御計画を使用して、膨張弁の開度を制御する場合の時間の関数として過熱度値を示している。 本発明の実施形態による方法を使用して、膨張弁の開度を制御する場合の時間の関数として過熱度値を示している。 本発明の2つの異なる実施形態に対して、時間の関数として膨張弁の開度を示している。 本発明の別の実施形態に対して、時間の関数として膨張弁の過熱度値及び開度を示している。 本発明の実施形態による蒸発器への冷媒の流れを制御するためのコントロールシステムの概略図である。
図1は、冷却システムの作動中における蒸発器1を示している。蒸発器1は、第一領域2及び第二領域3を有する。第一領域2は、液相/混合相の状態にある冷媒を含み、すなわち蒸発器1の第一領域2内の冷媒は、液相又は液相と気相冷媒の混合相のいずれかである。第二領域3は、純粋な気相の冷媒を含む。したがって、冷媒の蒸発は、蒸発器1の第二領域3においてではなく蒸発器1の第一領域2で行われ、すなわち第一領域2に対応する蒸発器1の部分だけが、実際には利用される。
蒸発器1の下に示されたグラフは、蒸発器1内の位置の関数として、冷媒の過熱度値を示している。過熱度値は蒸発器1の第一領域2において、ゼロであることがわかる。第一領域2と第二領域3との間の境界に到達するとすぐに、蒸発器1の出口開口部4に到達するまで、過熱度値3は増加する。その結果、蒸発器1を出る冷媒の過熱度値は、図1に示した状況において、比較的高いものとなる。
第一領域2と第二領域3との間の境界が蒸発器の出口開口部4に向かって移動することにより、すなわち、第一領域2の長さを増加させ、一方で第二領域3の長さを減少させることにより、蒸発器1を出る冷媒の過熱度値を減少させることができる。理想的には、第二領域3は完全に排除されるべきであり、すなわち、第一領域2が、実質的に蒸発器1全体にわたって延びるようにすべきである。しかしながら、上記したように、大量の液相冷媒が蒸発器1を通過しないように注意しなければならない。
図2は、蒸発器を含む冷却システムが従来技術の制御計画を使用して作動する場合の、蒸発器を出る冷媒の過熱度値を時間の関数として示すグラフである。過熱度値は、最初は比較的高いが、次第に、実質的に一定で、低いが、正のレベルにまで減少することがわかる。
図3は、蒸発器を出る冷媒の過熱度値を、時間の関数として示すグラフである。図3に示される状況においては、蒸発器への冷媒の流れは、本発明の実施形態による方法にしたがって制御される。過熱度値は、最初は比較的高いレベルであり、図2に示される状況と類似して、低いが、正のレベルにまで減少する。過熱度値が低いが、正のレベルに到達すると、本発明による方法の段階が開始される。すなわち、膨張弁の開度は、例えば凡そ10%増加する。これにより、蒸発器への液相冷媒の供給が増加され、その結果蒸発器の第一領域と第二領域との間の境界が、蒸発器の出口開口部の方に移動する。これは、5で示しているように過熱度値を減少させ、過熱度値は、最終的に6のゼロレベルに到達する。この時点で、第一領域は、蒸発器の長さ全体にわたって延び、すなわち液相/混合相冷媒が、蒸発器全体に存在し、蒸発器の乾燥領域は排除される。
時間が経過した後、膨張弁の開度は、増加段階を開始する前の膨張弁の開度にまで減少させることが好ましい。これにより蒸発器への液相冷媒の供給は減少し、第一領域と第二領域との間の境界は、再び出口開口部と反対方向へ移動して、すなわち乾燥領域が蒸発器内に再形成される。これは、過熱度値が8の低いが、正のレベルに到達するまで、7で示しているように、蒸発器を出る冷媒の過熱度値を増加させる。
膨張弁の開度を増加及び減少させる段階が繰り返される。これは、過熱度値がゼロレベルと、低いが、正のレベルとの間で「切り換る」ようにするものであることが、図3のグラフから明らかである。これにより、過熱度値の平均値は、前述の低いが、正のレベルより低いレベルとなり、蒸発器の冷却能力は、一層効率的に利用される。しかしながら、蒸発器を通過することが可能な液相冷媒の量は、圧縮器に損傷を与えない程度に十分に小さいものとすることが確実にされる。
図4は、本発明の2つの異なる実施形態に対して、膨張弁の開度を時間の関数として示すグラフである。第一の実施形態9によると、開度は、比較的大きい量だけ増加し、その直後に開度は減少する。第二の実施形態10によると、開度は、幾分小さい量、すなわち第一の実施形態9のおよそ半分の量だけ増加する。第二の実施形態10によると、開度が減少する前に、比較的長い時間、すなわち第一の実施形態9による経過時間のおよそ二倍が経過する。蒸発器に供給される液相冷媒における総増加量は、2つの実施形態9、10とほぼ同じである。これは、斜線部分の面積により示される。
図5は、本発明の別の実施形態について、膨張弁の過熱度及び開度を時間の関数として示している。最初に、蒸発器を出る冷媒の過熱度値は比較的高く、蒸発器の比較的長い部分が、完全な気相冷媒を含むことを示している。過熱度を減少させるために、膨張弁の開度を増加させる。開度が増加すると過熱度に望ましい効果を与え、すなわち過熱度値が減少するが、十分にはゼロ値に到達しないことがわかる。したがって、膨張弁の開度は再び増加し、一層過熱度値を減少させるが、まだゼロレベルに到達するには十分ではない。次いで、膨張弁の開度は、過熱度値が実質的に11のゼロレベルに到達するまで、繰り返して増加される。膨張弁の開度が最後に増加した後、ある程度時間が経過すると、開度は、本発明の方法によって減少される。膨張弁の開度は、上記したように「パルス状」となり、これにより過熱度値を、ゼロレベルと、低いが、正のレベルとの間で「切り換る」ようにすることが可能となる。
図6は、冷却システムに配置された蒸発器1を示している。膨張弁12は、蒸発器1に供給される液相冷媒の流れを制御する。膨張弁12の開度は、出口4を介して蒸発器1を出る冷媒の過熱度値の測定値を基に制御される。過熱度値は、過熱度センサー13によって計測される。過熱度センサー13は、オフセット・コントローラ14に信号を与え、該オフセット・コントローラ14は、冷却システムの負荷に応じたオフセット・コントロール信号を発生する。過熱度センサー13は、更にパルス・コントローラ15に信号を与え、該パルス・コントローラ15は、膨張弁12の開度の増加/減少のパルス部分の望ましい周波数並びに望ましい振幅に関する情報を含むパルスコントロール信号を発生する。オフセット・コントロール信号及びパルス・コントロール信号は、計算ユニット16において加算される。計算ユニット16は、膨張弁12に、オフセット部分並びにパルス部分を含むコントロール信号を与える。膨張弁12の開度は、コントロール信号によって制御される。
図6においては、第一領域2と第二領域3との間の境界が、コントロール信号のパルス部分の結果として、2つの端部位置の間を移動することが示されている。2つの端部位置の1つにおいては、境界は蒸発器1の出口4の位置に移動しており、すなわち蒸発器1を出る冷媒の過熱度値は、上記したようにゼロとなる。他方の端部位置においては、第二領域3が、蒸発器1の長さの凡そ半分を占めており、すなわち蒸発器1を出る冷媒の過熱度値は、比較的高いものとなる。
1 蒸発器; 2 第一領域; 3 第二領域; 4 出口開口部; 12 膨張弁;
13 過熱度センサー; 14 オフセット・コントローラ;
15 パルス・コントローラ。

Claims (8)

  1. 膨張弁(12)と、圧縮器とを含み、前記膨張弁(12)と前記圧縮器と蒸発器とが冷媒流を有する冷媒通路内に配置された構成の冷却システム内に配置された蒸発器(1)への冷媒の流れを制御する方法であって、
    前記膨張弁(12)の開度を増加させて、これにより前記蒸発器(1)の乾燥領域(3)を実質的に十分に排除するように前記蒸発器(1)への冷媒の流れを増加させ、
    時間が経過した後、前記膨張弁(12)の前記開度を減少させる、
    段階と、
    前記膨張弁(12)の前記開度を増加及び減少させる前記段階を繰り返す、
    段階とから成ることを特徴とする方法。
  2. 前記膨張弁(12)の前記開度を増加及び減少させる前記段階は、実質的に規則的な間隔で繰り返されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記膨張弁(12)の前記開度が減少する前に経過する前記時間は、実質的に一定の長さを有することを特徴とする請求項1又2に記載の方法。
  4. 前記膨張弁(12)の前記開度が減少する前に経過する前記時間は、前記冷媒の前記過熱度値の測定値を基にして定められる、変化可能な長さを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記冷媒の前記過熱度値をモニターする段階を更に含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記冷媒の前記過熱度値をモニターする前記段階が、前記開度が減少した後に前記過熱度値がゼロレベルのままであることを示す場合には、前記膨張弁の前記開度を増加させる前記段階の開始を遅らせる段階を更に含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記冷媒の前記過熱度値をモニターする前記段階が、前記開度が減少した後に前記過熱度値がゼロレベルのままであることを示す場合には、前記開度をある量だけ減少させる段階を更に含むことを特徴とする請求項5又6に記載の方法。
  8. 前記膨張弁(12)の前記開度を増加及び減少させる前記段階は、ヒステリシス制御計画に対する重畳として遂行されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
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