JP2016152809A - 飲料及びその製造方法 - Google Patents
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(1)アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物を0.8mg/100mlを超えて150mg/100ml以下含有し、かつ、シスタチン及び/又はシスタチン分解物をアンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対して質量比が0.006〜1.7の範囲で含有する飲料。
(2)(1)記載の飲料を200ml/日以上摂取する骨疾患の予防方法。
(3)アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物とシスタチン及び/又はシスタチン分解物を飲料原料に添加し、殺菌する工程を含む上記(1)記載の飲料の製造方法。
(4)殺菌した飲料原料にアンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物とシスタチン及び/又はシスタチン分解物を添加する工程を含む上記(1)記載の飲料の製造方法。
一般に牛乳中には、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物は0.2〜0.8mg/100ml程度、シスタチン及び/又はシスタチン分解物は0.4〜1mg/100ml程度含まれている。
これに対し、本発明の飲料は、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物とシスタチン及び/又はシスタチン分解物を添加して、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物を0.8mg/100mlを超えて150mg/100ml以下含有し、かつ、シスタチン及び/又はシスタチン分解物をアンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対する質量比が0.006〜1.7の範囲で含有するものである。
また、上述のアンジオジェニンを含む画分、アンジオジェニンの試薬やシスタチンを含む画分、シスタチンの試薬等をそれぞれ1種類以上のタンパク質分解酵素で分解したアンジオジェニン分解物やシスタチン分解物を含有させることも可能である。
後の試験例で示すが、上述のようにアンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物、シスタチン及び/又はシスタチン分解物を含有させることにより、各々の成分を単独で摂取するよりも効果的に骨強化作用を得ることができる。
なお、本発明の飲料には、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物やシスタチン及び/又はシスタチン分解物以外に、上述した飲料原料のほか、糖類や脂質、タンパク質、ビタミン類、ミネラル類、フレーバー等、飲食品に通常使用する原材料等も配合することが可能であり、他の骨強化作用を示す成分、例えばカルシウムやビタミンD、ビタミンK、イソフラボン等を配合することも可能である。
(アンジオジェニン画分の調製1)
陽イオン交換樹脂であるスルホン化キトパール(富士紡績社製)30kgを充填したカラムを脱イオン水で十分に洗浄した後、このカラムに未殺菌脱脂乳1,000L(pH6.7)を通液した。次に、このカラムを脱イオン水で十分洗浄した後、0.1〜2.0Mの塩化ナトリウムの直線濃度勾配で溶出した。そして、アンジオジェニンを含有する溶出画分をS−Sepharose陽イオン交換クロマトグラフィー(アマシャムバイオサイエンス社製)で分画し、得られたアンジオジェニン含有画分を90℃で10分間加熱処理し、遠心分離することにより沈澱を除去した。さらに、このアンジオジェニン含有画分をSuperose12ゲル濾過クロマトグラフィーで処理した。この溶出液を逆浸透膜により脱塩した後、凍結乾燥してアンジオジェニンの純度が90%のアンジオジェニン画分16.5gを得た。これら一連の処理を30回繰り返した。
(アンジオジェニン画分の調製2)
ヘパリンアフィニティセファロース(GEヘルスケア社製)10kgを充填したカラムを脱イオン水で十分に洗浄した後、このカラムに未殺菌脱脂乳500L(pH6.7)を通液した。次に、このカラムを0.5Mの塩化ナトリウム溶液で十分洗浄した後、1.5Mの塩化ナトリウム溶液で溶出した。そして、この溶出液を逆浸透膜により脱塩した後、凍結乾燥してアンジオジェニンの純度が5%のアンジオジェニン画分18gを得た。これら一連の処理を50回繰り返した。
(シスタチン画分の調製)
5%乳清タンパク質溶液100,000Lを90℃で10分間加熱処理し、遠心分離することにより沈澱を除去した。さらに、カルボキシメチル化パパインをトレシルトヨパール(Tresyl−Toyopearl、東ソー社製)に結合させた担体をカラムに充填後、0.5Mの塩化ナトリウム溶液で平衡化し、先の乳清タンパク質溶液を通液した。通液後、0.5Mの塩化ナトリウム溶液と0.1%のTween20を含む0.5Mの塩化ナトリウム溶液で順次カラムを洗浄した。次いで、20mM酢酸−0.5M塩化ナトリウム溶液でシスタチン含有画分を溶出させた。この溶出画分を直ちに1Mの水酸化ナトリウム溶液で中和した。この溶出液を逆浸透膜により脱塩した後、凍結乾燥してシスタチンの純度が90%のシスタチン画分9.6gを得た。これら一連の処理を20回繰り返した。
飲料に含まれるアンジオジェニンやアンジオジェニン分解物ならびにシスタチンやシスタチン分解物の測定は、特開2008−164511号公報の方法を改変して実施した。即ち、超純水5mlに飲料106μlを加え、これに1/1,000量のギ酸を添加し、試料溶液とした。この溶液10μlをドライアップした後、8M尿素および1mMトリス(カルボキシエチル)フォスフィン(TCEP)を含む0.1M重炭酸アンモニウム20μlに溶解し、56℃で30分間加温した。室温に戻した後、100mMヨードアセトアミド溶液5μlを添加して、遮光下で30分反応させた。これに、54μlの超純水を添加後、0.1μg/mlトリプシン10μlおよび0.1μg/mlリシルエンドペプチダーゼ10μlを添加して、37℃で16時間反応させた。その後、3μlのギ酸を添加して、反応を停止し、測定試料用ペプチド溶液とした。各試料溶液を10fmol/μlの内部標準ペプチド溶液(含0.1%ギ酸、0.02%トリフルオロ酢酸(TFA)、2%アセトニトリル)で6倍に希釈し、希釈した溶液2.5μlをLC/MS/MSにて分析を行った。
シスタチンの測定対象イオンは、ペアレントイオンがNH2−QVVSGMNYFLDVELGR−COOHでm/z 914.4、MS/MSターゲットイオンがNH2−FLDVELGR−COOHでm/z 948.7、アンジオジェニンの測定対象イオンは、ペアレントイオンがNH2−YIHFLTQHYDAK−COOHでm/z 768.8、MS/MSターゲットイオンがNH2−FLTQHYDAK−COOHでm/z 1122.8で測定した。内部標準ペプチドは、ペアレントイオンがNH2−ETTVFENLPEK−COOH(但し、Pの炭素はC13、窒素はN15で標識)でm/z 656.9であり、MS/MSのターゲットイオンは、NH2−FENLPEK−COOH(但し、Pの炭素はC13、窒素はN15で標識)でm/z 882.4で行った。
MSにはLCQ Advantageを用いた。得られたクロマトグラムから各タンパク質のピーク面積を求め、内部標準ペプチドとの比から濃度を求めた。
[実施例1]
[実施例2]
[実施例3]
牛乳200mlに調製例2のアンジオジェニン画分22mgと調製例3のシスタチン画分4mgを混合し、130℃で2秒間、加熱殺菌した後、10℃まで冷却し、飲料(比較例品1)を得た。得られた飲料には、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物が0.75mg/100ml含まれており、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対するシスタチン及び/又はシスタチン分解物の質量比は3.0であった。
牛乳200mlに調製例1のアンジオジェニン画分330mgと調製例3のシスタチン画分0.25mgを混合し、130℃で2秒間、加熱殺菌した後、10℃まで冷却し、飲料(比較例品2)を得た。得られた飲料には、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物が150mg/100ml含まれており、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対するシスタチン及び/又はシスタチン分解物の質量比は0.004であった。
実施例品1〜3および比較例品1、2の骨強化作用を動物実験により調べた。実験には5週齢のC3H/HeJ系雄マウスを用いた。1週間の予備飼育の後、マウスを10匹ずつ6群に分け、実施例品1〜3と比較例品1、2をマウス体重1kgあたり、それぞれ1日当り200mlになるよう1日2回ゾンデで経口投与して2週間飼育した。また、実施例品1〜3および比較例品1、2を投与しないものを対照群とした。投与終了後(2週目)に、マウスの右脛骨の骨密度をマイクロCT((株)リガク製)により測定した。これらの結果を表1に示した。表1に示したように、実施例品1〜3を2週間経口投与した群では、対照群または比較例品1、2を投与した群に比較して、骨密度が有意に上昇した。
陽イオン交換樹脂のスルホン化キトパール(富士紡績社製)400gを充填したカラム(直径4cm×高さ30cm)を脱イオン水で十分洗浄した後、このカラムに未殺菌脱脂乳(pH6.7) 40Lを流速25ml/minで通液した。通液後、このカラムを脱イオン水で十分洗浄し、0.78Mの塩化ナトリウムを含む0.02M炭酸緩衝液(pH7.0)で樹脂に吸着したタンパク質を溶出した。そして、この溶出液を逆浸透膜により脱塩した後、凍結乾燥して粉末状のタンパク質素材18gを得た(調製例品4)。
調製例品4のタンパク質素材4gを水800mlに溶解し、最終濃度が0.03重量%となるようタンパク質分解酵素であるトリプシン(シグマ社製)を加え、37℃で8時間酵素処理した。そして、90℃で5分間加熱処理して酵素を失活させた後、凍結乾燥して粉末状のタンパク質素材3.0gを得た(調製例品5)。
[実施例4]
[実施例5]
殺菌した牛乳200mlに調製例品4を30mgと調製例3のシスタチン画分10mgを混合して飲料(比較例品3)を得た。得られた飲料には、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物が0.95mg/100ml含まれており、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対するシスタチン及び/又はシスタチン分解物の質量比は5.2であった。
実施例品4、5および比較例品3の骨強化作用について動物実験により調べた。実験には51週齢のSD系雄ラット40匹を用いた。ラットを8匹ずつ5群に分け、4群は卵巣摘出手術を施し、残りの1群は疑似手術を施した。4週間の回復期間を設け、卵巣摘出手術を施したラットに実施例品4、5および比較例品3をラット体重1kgあたり、それぞれ1日当り200mlになるよう1日6回ゾンデで経口投与して16週間飼育した。実施例品4、5および比較例品3を投与しないものを対照群とした。また、4週間の回復期間の後、疑似手術を施したラットも対照群と同様に16週間飼育した。投与終了後(16週目)に、ラットの右大腿骨の骨密度をマイクロCT((株)リガク製)により測定した。
その結果を表2に示す。表2に示したように、実施例品4、5を16週間経口投与した群では、対照群または比較例品3を投与した群に比べ、骨密度が有意に上昇し、その値は疑似手術群に近いレベルであった。
Claims (4)
- アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物を0.8mg/100mlを超えて150mg/100ml以下含有し、かつ、シスタチン及び/又はシスタチン分解物をアンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対して質量比が0.006〜1.7の範囲で含有する飲料。
- 請求項1記載の飲料を200ml/日以上摂取する骨疾患の予防方法。
- アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物とシスタチン及び/又はシスタチン分解物を飲料原料に添加し、殺菌する工程を含む請求項1記載の飲料の製造方法。
- 殺菌した飲料原料にアンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物とシスタチン及び/又はシスタチン分解物を添加する工程を含む請求項1記載の飲料の製造方法。
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