特定の定義
以下の記載において、組換えDNA及び免疫学で用いる多数の用語が広範に利用される。そのような用語が与えられる範囲を含めた、明細書及び特許請求の範囲のより明瞭かつ一貫性のある理解を提供するために、以下の定義が提供される。
成人:本明細書中で用いられるように、用語「成人」は、18歳またはそれ以上の年齢のヒトのことを言う。成人間の体重は、通常、90ポンド〜250ポンドの範囲で大きく変化し得る。
親和性:当該技術分野で知られているように、「親和性」は、特定のリガンド(例えば、抗体)がそのパートナー(例えば、エピトープ)に結合する強度の尺度のことである。親和性は、様々な方法で測定することができる。
アミノ酸:本明細書中で用いられるように、用語「アミノ酸」は、その広い意味において、ポリペプチド鎖内に組み込まれ得る任意の化合物及び/または物質のことを言う。いくつかの実施形態において、アミノ酸は一般構造H2N−C(H)(R)−COOHを有する。いくつかの実施形態において、アミノ酸は天然に存在するアミノ酸である。いくつかの実施形態において、アミノ酸は合成アミノ酸である;いくつかの実施形態において、アミノ酸はd−アミノ酸である;いくつかの実施形態において、アミノ酸はl−アミノ酸である。「標準アミノ酸」は、天然に存在するペプチドに一般に見られる20種類の標準的なl−アミノ酸のうちのいずれかのことを言う。「非標準アミノ酸」は、合成により作製されたものであろうと、または天然供給源から得られたものであろうと関係なく、標準アミノ酸以外の任意のアミノ酸のことを言う。本明細書中で用いられるように、「合成アミノ酸」は、化学的に改変されたアミノ酸であって、限定されるものではないが、塩、アミノ酸誘導体(アミドなど)、及び/または置換体を包含する。アミノ酸、例えば、ペプチド内のカルボキシ−及び/またはアミノ−末端のアミノ酸は、メチル化、アミド化、アセチル化、保護基、及び/または該アミノ酸の活性に有害な影響を及ぼすこと無くペプチドの循環半減期を変更させ得る他の化学基による置換によって修飾され得る。アミノ酸は、ジスルフィド結合に関与するものであってもよい。アミノ酸は、1つまたは複数の化学的実体(例えば、メチル基、アセテート基、アセチル基、ホスフェート基、ホルミル部分、イソプレノイド基、サルフェート基、ポリエチレングリコール部分、脂質部分、炭水化物部分、ビオチン部分など)との会合のような1つまたは翻訳後修飾を含み得る。用語「アミノ酸」は、「アミノ酸残基」と互換的に使用され、遊離アミノ酸及び/またはペプチドのアミノ酸残基を指し得る。該用語が遊離アミノ酸を指すのか、ペプチドの残基を指すのかは、それが使用されている文脈から明らかであろう。
動物:本明細書中で用いられるように、用語「動物」は動物界の任意のメンバーのことを言う。いくつかの実施形態において、「動物」はいずれかの性の任意の発生段階のヒトのことを言う。いくつかの実施形態において、「動物」は任意の発生段階の非ヒト動物のことを言う。ある実施形態において、非ヒト動物は哺乳動物(例えば、齧歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類及び/またはブタ)である。いくつかの実施形態において、動物としては、限定されるものではないが、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫及び/または蠕虫が挙げられる。ある実施形態において、動物は、DVによって感染しやすい。いくつかの実施形態において、動物は、トランスジェニック動物、遺伝子操作された動物、及び/またはクローンであり得る。
抗体:用語「抗体」は、当該技術分野で認識された用語であり、公知の抗原に結合する分子または分子の活性断片を含むものとする。公知の抗原に結合する分子の活性断片の例は、Fab及びF(ab’)2断片を含む。これらの活性断片は、多数の技術による本発明の抗体に由来してもよい。例えば、精製されたモノクローナル抗体は、ペプシン等の酵素で開裂させて、HPLCゲルろ過に付すことができる。Fab断片を含む適切な画分はその後、メンブレンろ過法等により集めて濃縮することができる。抗体の活性断片を単離する一般的な技術のさらなる記載については、例えば、Khaw,B.A.et al.J.Nucl.Med.23:1011−1019(1982)を参照されたい。用語「抗体」は、二重特異性抗体、キメラ抗体、及び他の利用可能な形式も含む。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された抗体は、全長免疫グロブリン分子(例えば、IgG抗体)もしくは免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な(すなわち、特異的結合)部分、例えば、抗体断片であるかまたはこれを含む。
抗体断片は、F(ab’)2、F(ab)2、Fab’、Fab、Fv、sFv等のような抗体の部分である。構造にかかわらず、抗体断片は、無傷抗体によって認識される同一の抗原と結合する。例えば、3F8モノクローナル抗体断片は、3F8によって認識されたエピトープに結合する。用語「抗体断片」は、特異的抗原に結合して、複合体を形成することによって、抗原結合構造を含み、かつ、抗体のように作用するいずれの合成または遺伝子操作されたタンパク質も含む。例えば、抗体断片は、重鎖または軽鎖の可変領域から成る「Fv」断片のような、可変領域から成る単離された断片、軽鎖及び重鎖可変領域がペプチドリンカーによって連結された組換え一本鎖ポリペプチド分子(「scFvタンパク質」)、及び超可変領域であるかまたは超可変領域を模倣するアミノ酸残基から成る最小認識単位を含む。
例えば、いくつかの実施形態において、抗体断片は、いくつかの実施形態のいずれかにおいて、親抗体の重鎖または軽鎖で見出される相補性決定領域(CDR)の1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態において、抗体断片は、CDRに隣接する配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体断片は、親無傷抗体の部分に同一な配列を含み;いくつかの実施形態において、部分は、1つ、2つ、または3つのCDRを含み;いくつかの実施形態において、部分は、全長鎖に対応する。いくつかの実施形態において、部分は、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、50、またはそれ以上のアミノ酸の長さである。
文言「モノクローナル抗体」は、当該技術分野で認識された用語である。モノクローナル抗体は、全てがユニークな親細胞クローンである免疫細胞の1つのタイプによって作製されるため、同一の単一特異性抗体である。
種々の方法が、モノクローナル抗体の生産のために当該技術分野で存在する。例えば、モノクローナル抗体は、米国特許第4,816,567号に記載されたもののような組換えDNA方法によって作製されてもよい。この関係で、用語「モノクローナル抗体」は、単一の真核生物、ファージ、または原核生物クローンに由来する抗体のことを言う。本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは、(例えば、ネズミ抗体の重鎖及び軽鎖、またはヒト、ヒト化、または他の源からのそのような鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを用いることによって)慣用的な手法を用いて容易に単離し、及び配列決定することができる。一旦単離されたならば、DNAを発現ベクターに入れてよく、次いで、これは、そうでなければ免疫グロブリンタンパク質を生産しないNS0細胞、シミアンCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、酵母細胞、海藻細胞、卵、または骨髄腫細胞のような宿主細胞に形質転換されて、組換え宿主細胞においてモノクローナル抗体の合成を得る。DNAは、例えば、均一ヒト配列の代わりに所望の種のヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインについてのコーディング配列で置き換えることによって(米国特許第4,816,567号;Morrison et al,上記)、または非免疫グロブリンポリペプチドについてのコーディング配列の全てまたは一部を免疫グロブリンコーディング配列に共有結合により接合させることによって修飾することもできる。そのような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常ドメインに代えて置換することができるか、または本発明の抗体の1つの抗原組み合わせ部位の可変ドメインに代えて置換して、キメラ二価抗体を作り出すことができる。
いくつかの実施形態において、「抗体剤」は、抗体またはその断片、もしくはそのような抗体またはその断片を含むかまたはからなる作用物質であるかまたはこれを含む。
同等:用語「同等」は、得られた結果または観察された現象を比較できるほど十分に互いに類似している2つ(またはそれ以上)の条件または環境のセットを説明するのに本明細書において使用される。いくつかの実施形態において、条件または環境の同等なセットは、複数の実質的に同一の特性及び1つまたは少数の異なる特性により特徴付けられる。当業者であれば、条件または環境の異なるセットの下で得られた結果または観察された現象の違いは、変化するそれらの特性の変動によって引き起こされるか、または前記変動を示すものであるという合理的な結論を支持するのに十分な数及び種類の実質的に同一の特性により特徴付けられる場合に、条件のセットが互いに同等であることを認識するであろう。
に対応する:本明細書中で用いられるように、「に対応する」という用語は、多くの場合、注目するポリペプチドにおけるアミノ酸残基の位置/同一性を示すために使用される。当業者であれば、分かりやすくするために、ポリペプチドの残基は、参照関連ポリペプチドに基づいた標準的な番号付けシステムを用いて指定することが多いことが、理解できるであろう。そのため、例えば、190位の残基「に対応する」アミノ酸は、実際に特定のアミノ酸鎖の190番目のアミノ酸である必要は無く、参照ポリペプチドの190位に見出される残基に対応することが理解されよう;当業者には、「対応する」アミノ酸をどのように同定するかは容易に理解されるであろう。
剤形:本明細書中で用いられるように、用語「剤形」及び「単位剤形」は、治療されるべき患者のための治療用タンパク質(例えば、抗体)の物理的に離散した単位のことを言う。各単位は、所望の治療効果を生じるよう算定された予定量の活性物質を含有する。しかしながら、組成物の総投与量は、信頼できる医学的判断の範囲内で、担当医により決定されると理解されるであろう。
投与レジメン:本明細書において使用される用語「投与レジメン」(または「治療レジメン」)は、典型的には、一定期間を空けて対象に個別に投与される一連の単位用量(典型的には、2つ以上)のことである。いくつかの実施形態において、所与の治療剤は、1つまたは複数の投与を含み得る推奨投与レジメンを有する。いくつかの実施形態において、投与レジメンは、それぞれが同じ長さの一定期間で互いに分けられている複数の投与を含む;いくつかの実施形態において、投与レジメンは、複数の投与と、個々の投与を分けている少なくとも2つの異なる期間とを含む。いくつかの実施形態において、投与レジメン内の全ての投与は、同じ単位投与量によるものである。いくつかの実施形態において、投与レジメン内の異なる投与は、異なる量によるものである。いくつかの実施形態において、投与レジメンは、第1の投与量での第1の投与、続いて第1の投与量とは異なる第2の投与量での1つまたは複数の追加の投与を含む。いくつかの実施形態において、投与レジメンは、第1の投与量での第1の投与、続いて第1の投与量と同じ第2の投与量での1つまたは複数の追加の投与を含む。
エピトープ:用語「エピトープ」は当該分野で認識されている。一般に、抗体と相互作用する抗原または複数抗原の領域のことを言うのは当業者に理解される。ペプチドまたはタンパク質または糖抗原のエピトープは線状または立体配座とすることができるか、または抗原の連続的なまたは非連続的なアミノ酸及び/または糖配列によって形成することができる。GD2分子は、多くの炭水化物のように、多くのエピトープを含有する。当業者であれば、いくつかの実施形態において、提供される抗体剤が、例えば、1つまたは複数のアミノ酸もしくは糖残基の置換、修飾、付加、欠失、または化学的ミメティックスを含有し得るそれらの標的エピトープの変異体と結合し得る(例えば、架橋し得る)ことが理解されるであろう。本発明の抗体によって認識されるエピトープまたは糖、及び抗体、GD2抗原の化学的ミメティックスのペプチド及び抗イディオタイプ抗体によって依然として認識されるこれらの糖の保存的置換は、本発明の実施形態である。そのような変異体エピトープ、及び提供される抗体剤に従ったそれらの使用は、本発明の範囲内である。抗イディオタイプ抗体は、本発明の実施形態である。いくつかの実施形態において、アミノ酸または糖エピトープ、またはミメティックスのペプチド/化学物質、または抗イディオタイプ抗体は、免疫親和性カラム上でGD2をMoAbに、またはGD2からMoAbを溶出させるための慣用的な方法を提供する。これらのエピトープのさらなる切形も可能である。
同一性:本明細書中で用いられるように、用語「同一性」は、ポリマー分子間、例えば、核酸分子(例えば、DNA分子及び/またはRNA分子)間、及び/またはポリペプチド分子間の全長における関係性のことを言う。2つの核酸配列の同一性パーセントの計算は、例えば、2つの配列を、最適な比較目的のためアラインメントすることにより行われ得る(例えば、最適なアラインメントのために、第1と第2の核酸配列の一方または両方にギャップが導入され得、比較目的のため同一でない配列は無視され得る)。ある実施形態において、比較目的のためにアラインメントされる配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または実質的に100%である。次いで、対応するヌクレオチド位置のヌクレオチドを比較する。第1の配列内のある位置が第2の配列内の対応する位置と同じヌクレオチドで占められているならば、両分子は、その位置において同一である。2つの配列間の同一性パーセントは、ギャップの数及び各ギャップの長さ(これは、2つの配列の最適なアラインメントのために導入する必要がある)を考慮し、両配列が共有する同一の位置の数の関数である。配列の比較及び2つの配列間の同一性パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを用いて行われ得る。例えば、2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、Meyers及びMiller(CABIOS,1989,4:11−17)のアルゴリズムを用いて決定され得る。このアルゴリズムは、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれており、PAM120重量残基表、ギャップ長さペナルティ12及びギャップペナルティ4を使用する。あるいは、2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、NWSgapdna.CMPマトリックスを使用するGCGソフトウェアパッケージ内のGAPプログラムを用いて決定され得る。
単離された:本明細書中で用いられるように、用語「単離された」は、(1)それが最初に生産された(自然状態であろうが実験的環境であろうが)際に付随していた成分の少なくとも一部から分離されたか、または(2)人間の手によって生産された、調製された、及び/または製造された物質及び/または実体のことを言う。単離された物質及び/または実体は、それらが最初に付随していた他の成分の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99%以上から分離することができる。いくつかの実施形態において、単離された作用物質は、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または99%以上純粋である。本明細書中で用いられるように、物質は、他の成分を実質的に含まない場合に「純粋」である。本明細書中で用いられるように、単離された物質及び/または実体の純度パーセントの算出には、賦形剤(例えば、緩衝剤、溶媒、水など)を含むべきではない。
裸:いくつかの実施形態において、抗体剤は、ペイロード(例えば、診断剤または治療剤)にコンジュゲートされていない場合、「裸」と呼ばれる。そのような裸の抗体剤は、抗体分子のFc部分が、補体結合及びADCC(抗体依存性細胞の細胞毒性)のようなエフェクター機能を提供し、細胞溶解をもたらし得る作用にメカニズムを設定するため、様々な状況で有用である。裸の抗体は、ポリクローナル及びモノクローナル抗体、ならびにキメラ、ヒト化またはヒト抗体のようなある種の組換え抗体の双方を含む。しかしながら、Fc部分は治療的機能に要求されず、むしろ、抗体は細胞周期の休止及びアポトーシスの誘導のような他のメカニズムを介してその治療効果を発揮するのが可能である。この場合において、裸の抗体は、先に定義されたコンジュゲートされていない抗体断片も含む。
キメラ:「キメラ」抗体は、1つの種、好ましくは齧歯類に由来する抗体の相補性決定領域(CDR)を含めた可変ドメインを含有する組換えタンパク質であり、他方、抗体分子の定常ドメインはヒト抗体のそれに由来する。動物適用では、キメラ抗体の定常ドメインは、ネコまたはイヌのような他の種のそれに由来してもよい。
ヒト化:「ヒト化」抗体は、1つの種からの抗体;例えば、齧歯類抗体からのCDRが齧歯類抗体の重鎖及び軽鎖可変鎖からヒト重鎖及び軽鎖可変ドメインに移される組換えタンパク質である。抗体分子の定常ドメインは、ヒト抗体のそれに由来する。
ヒト:用語「ヒト」は、抗原攻撃に応答して、特異的なヒト抗体を生産させるように「操作された」トランスジェニックマウスから得られた抗体のことを言うために使用されることが多い。この技術において、ヒト重鎖及び軽鎖遺伝子座の要素は、内因性重鎖及び軽鎖遺伝子座の標的化された崩壊を含有する胚幹細胞株に由来するマウスの株に導入される。トランスジェニックマウスはヒト抗原に特異的なヒト抗体を合成することができ、マウスを用いてヒト抗体分泌ハイブリドーマを生産することができる。トランスジェニックマウスからのヒト抗体を得るための方法は、Green et al.,Nature Genet.7:13(1994)、Lonberg et al.,Nature 368:856(1994)、及びTaylor et al.,Int.Immun.6:579(1994)によって記載されている。十分にヒト型の抗体は、その全てが当該技術分野で知られている、遺伝子または染色体トランスフェクション方法、ならびにファージ提示技術によって構築することもできる。例えば、免疫化されていないドナーからの免疫グロブリン可変ドメイン遺伝子レパートリーからの、in vitroでのヒト抗体及びその断片の生産については、McCafferty et al.,Nature 348:552−553(1990)を参照されたい。この技術において、抗体可変ドメイン遺伝子は、フィラメント状バクテリオファージの主たるまたは従たる外皮タンパク質遺伝子いずれかにインフレームにてクローン化させ、及びファージ粒子の表面に機能的抗体断片として提示される。フィラメント状粒子はファージゲノムの一本鎖DNAコピーを含有する故に、抗体の機能的性質に基づく選択の結果、それらの性質を呈する抗体をコードする遺伝子が選択される。このようにして、ファージはB細胞の性質のいくつかを模倣する。ファージ提示は、種々の形式で行うことができ、それらのレビューについては、例えば、Johnson and Chiswell,Current Opinion in Structural Biology 3:5564−571(1993)を参照されたい。
ヒト抗体は、in vitro活性化B細胞によって生じさせることもできる。この参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,567,610号及び第5,229,275号を参照されたい。
治療剤:治療剤は、特定のレジメンに従って投与された際に、所望の治療利益を得やすい実体のことである。いくつかの実施形態において、治療剤は、抗体部位とは別々に、同時に、または順次に投与され、または抗体部位、すなわち、抗体または抗体断片、またはサブ断片にコンジュゲートされており、病気の治療で有用である。治療剤の例としては、抗体、抗体断片、薬物、毒素、ヌクレアーゼ、ホルモン、免疫モジュレーター、キレート剤、ホウ素化合物、光活性剤、または色素及び放射性同位体が挙げられる。
診断剤:診断剤は、投与した際に検出可能な実体のことである。いくつかの実施形態において、診断剤は、抗体部位、すなわち、抗体または抗体断片またはサブ断片にコンジュゲートされて投与され、抗原を含有する細胞を突き止めることによって病気を診断し、または検出するのに有用である。有用な診断剤としては、限定されるものではないが、放射性同位体、(ビオチン−ストレプトアビジン複合体を持つような)色素、造影剤、蛍光化合物、または分子、及び磁気共鳴イメージング(MRI)のための増強剤(例えば、常磁性イオン)が挙げられる。米国特許第6,331,175号は、MRI技術、及びMRI増強剤にコンジュゲートされた抗体製剤を記載し、参照によりその全体が組み込まれる。好ましくは、診断剤は、放射性同位体、磁気共鳴イメージングで用いられる増強剤、及び蛍光化合物から成る群から選択される。いくつかの実施形態において、診断剤は、放射活性または非放射活性標識、(磁気共鳴イメージングについては、計算されたトモグラフィー、または超音波のような)造影剤を含むことができ、及び放射活性標識はガンマ−、ベータ−、アルファ−、オージェ電子−、または陽電子放出同位体であり得る。放射活性金属または常磁性イオンを持つ抗体成分を負荷するために、イオンを結合させるための多様なキレート化基が結合される長いテイルを有する試薬とそれを反応させる必要があろう。そのようなテイルは、ポリリシン、多糖、または例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、ポルフィリン、ポリアミン、クラウンエーテル、ビス−チオセミカルバゾン、ポリオキシム、及びこの目的で有用であることが知られている同様な基のようなキレート化基を結合させることができるペンダント基を有する他の誘導体化されて、または誘導体化可能な鎖のようなポリマーであり得る。キレートは、標準的な化学を用いて抗体に連結させる。該キレートは、通常、免疫反応性の最小の喪失及び最小の凝集でもって分子への結合の形成を可能とする基によって抗体に連結されており、及び/または内部架橋の他のより通常でない方法、及びキレートを抗体にコンジュゲートさせるための試薬は、この参照によりその全体が本明細書ら組み込まれる、「Antibody Conjugates」と題された、1989年4月25日に発行されたHawthorneに対する米国特許第4,824,659号に開示されている。特に有用な金属−キレート組み合わせは、放射性イメージング用の診断同位体と共に用いられる、2−ベンジル−DTPA及びそのモノメチル及びシクロヘキシルアナログを含む。同一のキレートは、マンガン、鉄、及びガドリニウムのような非放射性金属と複合体化された場合、本発明の抗体と共に用いる場合に、MRIで有用である。NOTA、DOTA、及びTETAのような大環キレートは、種々の金属及び放射性金属と、最も好ましくは、各々、ガリウム、イットリウム、及び銅の放射性核種と共に使用されるものである。そのような金属−キレート複合体は、環のサイズを注目する金属に対して仕立てることによって、非常に安定とすることができる。RAITについての223Raのような、安定に結合する核種のための注目する大環状ポリエーテルのような他の環タイプのキレートは本発明によって含まれる。
免疫コンジュゲート:「免疫コンジュゲート」は、抗体成分とペイロード(例えば、治療剤または診断剤)とのコンジュゲート(すなわち、共有結合)である。
免疫モジュレーター:「免疫モジュレーター」は、存在する場合、典型的には免疫細胞を増殖させるか、またはマクロファージ、B細胞、及び/またはT細胞のような免疫応答カスケードにおいて活性化されるように刺激する薬剤である。本明細書中に記載された免疫モジュレーターの例は、サイトカインである。当業者が理解するように、ある種のインターロイキン及びインターフェロンはT細胞または他の免疫細胞の増殖を刺激するサイトカインの例である。
発現ベクター:「発現ベクター」は、宿主細胞において発現される遺伝子を含むDNA分子である。典型的には、遺伝子の発現は、構成的または誘導性プロモーター、組織特異的調節要素、及びエンハンサーを含めた、ある種の調節要素の制御下に置かれる。そのような遺伝子は、調節要素に「操作可能に連結している」と言われる。
宿主細胞:組換え「宿主細胞」は、クローニングベクターまたは発現ベクターいずれかを含有するいずれの原核生物または真核生物細胞であってもよい。この用語は、原核生物または真核生物細胞のみならず、宿主細胞の染色体またはゲノム、または宿主細胞の細胞においてクローン化遺伝子(類)を含むように遺伝子操作されたトランスジェニック動物も含む。
突然変異体:本明細書中で用いられるように、用語「突然変異体」は、参照実体と顕著な構造同一性を示すが、参照実体と比較して1つまたは複数の化学的部分の存在またはレベルで参照実体と構造的に異なる実体のことを言う。多くの実施形態において、突然変異体は、その参照実体と機能的にも異なる。一般に、特定の実体が参照実体の「突然変異体」であると適切に考えられるかは、参照実体との構造同一性の度合に基づいている。当業者によって認識されているように、任意の生物学的または化学的な参照実体は、ある種の特徴的な構造的要素を有する。定義によれば、突然変異体は、1つまたは複数のこのような特徴的な構造的要素を共有する異なる化学的実体である。少数だが例を挙げれば、小分子は、小分子の突然変異体が、コア構造的要素及び特徴的なペンダント部分を共有するが、他のペンダント部分の点で及び/またはコア内に存在する結合の種類(例えば、単一対二重、E対Zなど)の点で異なるものであるように、特徴的なコア構造的要素(例えば、大環状のコア)及び/または1つもしくは複数の特徴的なペンダント部分を有してもよく、ポリペプチドは、線形空間または三次元空間で互いに関連した指定位置を有し、及び/または特定の生物学的機能に寄与する複数のアミノ酸から成る特徴的な配列要素を有してもよく、核酸は、線形空間または三次元空間で互いに関連した指定位置を有する複数のヌクレオチド残基から成る特徴的な配列要素を有してもよい。例えば、突然変異ポリペプチドは、アミノ酸配列の1つまたは複数の違い、及び/またはポリペプチド骨格に共有結合している化学的部分(例えば、炭水化物、脂質など)の1つまたは複数の違いの結果として参照ポリペプチドと異なってもよい。いくつかの実施形態において、突然変異ポリペプチドは、参照ポリペプチドと少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%または99%の全体的な配列同一性を示す。あるいはもしくはさらに、いくつかの実施形態において、突然変異ポリペプチドは、少なくとも1つの特徴的な配列要素を参照ポリペプチドと共有しない。いくつかの実施形態において、参照ポリペプチドは、1つまたは複数の生物学的活性を有する。いくつかの実施形態において、突然変異ポリペプチドは、参照ポリペプチドの生物学的活性の1つまたは複数を共有する。いくつかの実施形態において、突然変異ポリペプチドは、参照ポリペプチドの生物学的活性の1つまたは複数を欠く。いくつかの実施形態において、突然変異ポリペプチドは、参照ポリペプチドと比較して減少したレベルの1つまたは複数の生物学的活性を示す。
多重特異的:「多重特異的」抗体は、異なる構造のものである少なくとも2つの標的、例えば、2つの異なる抗原、同一抗原上の2つの異なるエピトープ、またはハプテン及び抗原またはエピトープに対して同時に結合することができる抗体である。1つの特異性は、例えば、B細胞、T細胞、骨髄−、血漿−、または肥満細胞抗原またはエピトープに対するものであろう。もう1つの特異性は、B細胞上の、CD20、CD19、CD21、CD23、CD46、CD80、HLA−DR、CD74、またはCD22のような同一の細胞型上での異なる抗原に対することができよう。多重特異的な多価抗体は、2つ以上の結合部位を有する構築体であって、及び結合部位は異なる特異性のものである。例えば、1つの結合部位が1つの抗原と反応し、及び他の結合部位がもう1つの抗原と反応する二重特異性ダイアボディー。
二重特異性:「二重特異性」抗体は、異なる構造のものである2つの標的に同時に結合することができる抗体である。二重特異性抗体(bsAb)及び二重特異性抗体断片(bsFab)は、例えば、GD2に特異的に結合する少なくとも1つのアーム、及び治療剤または診断剤を担持する標的化可能なコンジュゲートに特異的に結合する少なくとも1つの他のアームを有する。種々の二重特異性融合タンパク質は、分子工学を用いて生産することができる。1つの形態において、二重特異性融合タンパク質は二価であり、例えば、1つの抗原のための単一の結合部位を持つscFv、及び第2の抗原のための単一の結合部位を持つFab断片から成る。もう1つの形態において、二重特異性融合タンパク質は四価であり、例えば、1つの抗原のための2つの結合部位を持つIgG、及び第2の抗原のための2つの同一のscFvから成る。
二重特異性MoAbを生産するための最近の方法は、それらがより通常の免疫グロブリンアイソタイプよりも強く架橋するように、さらなるシステイン残基を有する操作された組換えMoAbを含む。例えば、FitzGerald et al.,Protein Eng.10(10):1221−1225、1997を参照されたい。もう1つのアプローチは、2つ以上の異なる一本鎖抗体、または必要な二重特異性を持つ抗体断片セグメントを連結させる組換え融合タンパク質を操作することである。例えば、Coloma et al.,Nature Biotech.15:159−163,1997を参照されたい。種々の二重特異性融合タンパク質は分子工学を用いて生産することができる。
2つ以上の異なる一本鎖抗体または抗体断片を連結する二重特異性融合タンパク質は、同様な手法で生産される。組換え方法を用いて、種々の融合タンパク質を生産することができる。いくつかの実施形態において、柔軟なリンカーはscFvを、3F8抗体の重鎖の定常領域に連結させる。あるいは、scFvはもう1つのヒト化抗体の軽鎖の定常領域に連結させることができる。重鎖FdのscFvへのインフレーム連結に必要な適切なリンカー配列は、PCR反応を通じてVL及びVカッパドメインに導入される。次いで、scFvをコードするDNA断片を、CH1ドメインをコードするDNA配列を含有するステージングベクターに連結される。得られたscFv−CH1構築体を切り出し、hu3F8抗体のVH領域をコードするDNA配列を含有するベクターに連結させる。得られたベクターを用いて、二重特異性融合タンパク質の発現のために、哺乳動物細胞のような適切な宿主細胞を形質導入することができる。
いくつかの実施形態において、本発明のhu3F8抗体及びその断片を用いて、ダイアボディーとも呼ばれる機能的二重特異性一本鎖抗体(bscAb)を調製することもでき、組換え方法を用いて哺乳動物細胞において生産することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Mack et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,92:7021−7025、1995を参照されたい。例えば、bscAbは、2つの一本鎖Fv断片を、組換え方法を用いてグリシン−セリンリンカーを介して接合させることによって生産される。注目する2つの抗体のV軽鎖及びV重鎖ドメインは、当該技術分野で知られた標準的なPCR方法を用いて単離される。二重特異性一本鎖抗体及び二重特異性融合タンパク質は、本発明の範囲内に含まれる。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された二重特異性ダイアボディーの最終の使用は、診断/検出または治療剤の引き続いての特異的送達用のGD2陽性細胞を予め標的化するためである。これらのダイアボディーは標的化された抗原に必要に応じて結合し、増大した親和性及び所望の位置におけるより長い滞留時間を可能とする。さらに、非抗原結合ダイアボディーは素早く身体から除去され、正常組織の暴露は最小化される。ある特定の実施形態において、本明細書で使用されるダイアボディーは、診断/検出及び治療剤、例えば、同位体、薬物、毒素、サイトカイン、ホルモン、成長因子、コンジュゲート、放射性核種、及び金属の1つ以上を含むかまたはそれにコンジュゲートされていてもよい。例えば、ガドリニウム金属は、磁気共鳴イメージング(MRI)のために用いられる。放射性核種は、診断剤及び治療剤(ダイアボディーの有無を問わず)、特に、60〜4,000keVのエネルギー範囲のそれとしても入手可能である。
標的化可能な構築体は、多様な構造のものとすることができるが、免疫応答の惹起を回避するのみならず、bsAb標的化方法内で用いる場合に迅速なin vivoクリアランスのために選択される。疎水性剤は強力な免疫応答を惹起するにおいて最良であり、他方、親水性剤は迅速なin vivoクリアランスで好ましく;従って、疎水性と親水性間のバランスが確立される必要がある。これは、部分的には、多くの有機部分の固有の疎水性を相殺するために親水性キレート剤の使用に依拠することによって達成される。また、標的化可能な構築体のサブユニットを選択することができ、それは反対の溶液性質を有する。例えば、そのいくつかが疎水性であるアミノ酸、及びそのいくつかが親水性であるアミノ酸を含有するペプチド。ペプチドとは別に、炭水化物を使用することもできる。
ペプチド:2つ程度と少数のアミノ酸残基を有するペプチドを使用してもよく、いくつかの実施形態において、キレート剤のような他の部分にもカップリングされるならば、好ましくは2〜10の残基を用いてよい。
ポリペプチド:用語「ポリペプチド」は、本明細書中においては、天然タンパク質、断片、またはポリペプチド配列のアナログのことを言うように総称として用いられる。よって、天然タンパク質、断片、及びアナログは、ポリペプチド属の種である。本発明によるポリペプチドは、配列番号:4、5、10で表わされた重鎖免疫グロブリン分子、配列番号:1、2、3、6、7、8、9で表わされた軽鎖免疫グロブリン分子、ならびにカッパ軽鎖免疫グロブリン分子のような軽鎖免疫グロブリン分子と共に重鎖免疫グロブリン分子、及びその逆、ならびにその断片及びアナログを含む組み合わせによって形成された抗体分子を含む。
リンカー:いくつかの実施形態において、コンジュゲートに利用される「リンカー」は、キレート中に金属イオンを含む、好ましくは、50,000ダルトン未満の分子量、有利には約20,000ダルトン、10,000ダルトン、または5,000ダルトン未満の分子量を有するコンジュゲートと比較して低分子量とすべきである。いくつかの実施形態において、リンカー部分上の親水性キレート部分の存在は、迅速なin vivoクリアランスを確実とするのを助ける。親水性に加えて、キレート剤は、それらの金属結合性質について選択され、及び任意に変化させる。というのは、少なくとも、そのbsAbエピトープがペプチドの一部であるか、または非キレート化学的ハプテンであるリンカーについて、金属−キレート複合体の認識はもはや論点ではないからである。
突然変異体:本明細書中で用いられるように、用語「突然変異体」は、参照実体と顕著な構造同一性を示すが、参照実体と比較して1つまたは複数の化学的部分の存在またはレベルで参照実体と構造的に異なる実体のことを言う。多くの実施形態において、突然変異体は、その参照実体と機能的にも異なる。一般に、特定の実体が参照実体の「突然変異体」であると適切に考えられるかは、参照実体との構造同一性の度合に基づいている。当業者によって認識されているように、任意の生物学的または化学的な参照実体は、ある種の特徴的な構造的要素を有する。定義によれば、突然変異体は、1つまたは複数のこのような特徴的な構造的要素を共有する異なる化学的実体である。少数だが例を挙げれば、小分子は、小分子の突然変異体が、コア構造的要素及び特徴的なペンダント部分を共有するが、他のペンダント部分の点で及び/またはコア内に存在する結合の種類(例えば、単一対二重、E対Zなど)の点で異なるものであるように、特徴的なコア構造的要素(例えば、大環状のコア)及び/または1つもしくは複数の特徴的なペンダント部分を有してもよく、ポリペプチドは、線形空間または三次元空間で互いに関連した指定位置を有し、及び/または特定の生物学的機能に寄与する複数のアミノ酸から成る特徴的な配列要素を有してもよく、核酸は、線形空間または三次元空間で互いに関連した指定位置を有する複数のヌクレオチド残基から成る特徴的な配列要素を有してもよい。例えば、突然変異ポリペプチドは、アミノ酸配列の1つまたは複数の違い、及び/またはポリペプチド骨格に共有結合している化学的部分(例えば、炭水化物、脂質など)の1つまたは複数の違いの結果として参照ポリペプチドと異なってもよい。いくつかの実施形態において、突然変異ポリペプチドは、参照ポリペプチドと少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%または99%の全体的な配列同一性を示す。あるいはもしくはさらに、いくつかの実施形態において、突然変異ポリペプチドは、少なくとも1つの特徴的な配列要素を参照ポリペプチドと共有しない。いくつかの実施形態において、参照ポリペプチドは、1つまたは複数の生物学的活性を有する。いくつかの実施形態において、突然変異ポリペプチドは、参照ポリペプチドの生物学的活性の1つまたは複数を共有する。いくつかの実施形態において、突然変異ポリペプチドは、参照ポリペプチドの生物学的活性の1つまたは複数を欠く。いくつかの実施形態において、突然変異ポリペプチドは、参照ポリペプチドと比較して減少したレベルの1つまたは複数の生物学的活性を示す。
キレート剤:DTPA、DOTA、TETA、またはNOTAなどのキレート剤は、コンジュゲート中を含む種々の状況のいずれかで利用することができる。同一のキレート剤は、Mn、Fe及びGdなどの非放射性金属と複合体化させた場合、本発明のbsAbと共に用いると、MRIで用いることができる。NOTA(1,4,7−トリアザ−シクロノナン−N,N’,N’’−トリ酢酸)、DOTA、及びTETA(p−ブロモアセタミド−ベンジル−テトラエチルアミンテトラ酢酸)のような大環キレート剤は、種々の金属及び放射性金属と共に、最も好ましくは、各々、Ga、Y、及びCuの放射性核種と共に用いられるものである。
コンジュゲート:いくつかの実施形態において、コンジュゲート中で利用される抗体剤を提供する。いくつかの特定の実施形態において、蛍光分子のような検出可能な標識、または重金属または放射性核種のような細胞毒性剤をコンジュゲートさせることができる、DTPA、DOTA、TETA、またはNOTAまたは適当なペプチドのようなキレート剤。例えば、治療的に有用な免疫コンジュゲートは、光活性剤または色素を抗体融合タンパク質にコンジュゲートさせることによって得ることができる。蛍光色素のような蛍光組成物、及び可視光に対して感受性があるポルフィリンのような他の色原体または色素が、適当な光を病巣に向けることによって病巣を検出し、治療するのに用いられてきた。療法において、これは光照射、光療法、または光力学的療法と言われてきた(Jori et al.(eds.),PHOTODYNAMIC THERAPY OF TUMORS AND OTHER DISEASES(Libreria Progetto 1985);van den Bergh,Chem.Britain 22:430(1986))。さらに、モノクローナル抗体は、光療法を達成するために光活性化色素とカップリングされてきた。Mew et al.,J.Immunol.130:1473(1983);idem.,Cancer Res.45:4380(1985);Oseroff et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:8744(1986);idem.,Photochem.Photobiol.46:83(1987);Hasan et al.,Prog.Clin.Biol.Res.288:471(1989);Tatsuta et al.,Lasers Surg.Med.9:422(1989);Pelegrin et al.,Cancer 67:2529(1991)。しかしながら、これらのより早い研究は、特に、抗体断片またはサブ断片を使用した、内視鏡療法適用の使用を含まなかった。従って、本発明では、光活性剤または色素を含む免疫コンジュゲートの治療的使用が考えられる。
予防する:本明細書中で用いられるように、用語「予防する」、「予防している」及び「予防」は、予防剤または治療剤の投与から得られる、対象における障害の1つまたは複数の症状の再発または発症の予防のことを言う。
組み合わせ:本明細書中で用いられるように、用語「組み合わせて」は、2つ以上の予防剤及び/または治療剤の使用のことを言う。用語「組み合わせて」の使用は、予防剤及び/または治療剤を、障害のある対象に投与する順序を制限するものではない。第1の予防剤または治療剤は、障害のある対象に第2の予防剤または治療剤を投与する前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週、2週、3週、4週、5週、6週、8週、または12週前)に、または第2の予防剤または治療剤を投与すると同時に、または第2の予防剤または治療剤を投与した後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週、2週、3週、4週、5週、6週、8週、または12週後)に、投与することができる。
エフェクター機能:本明細書において用いられる「エフェクター機能」は、抗体のFc領域と、Fc受容体またはリガンドとの相互作用によりもたらされる生化学的事象を意味する。エフェクター機能としては、抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)、抗体依存性細胞媒介性食作用(ADCP)、及び補体媒介細胞毒性(CMC)があるが、これに限定されるものではない。エフェクター機能は、抗原結合後に作用するエフェクター機能と、抗原結合とは無関係に作用するエフェクター機能の両方を含む。
エフェクター細胞:本明細書において用いられる「エフェクター細胞」は、1つまたは複数のFc受容体を発現し、1つまたは複数のエフェクター機能を媒介する、免疫系の細胞を意味する。エフェクター細胞としては、単球、マクロファージ、好中球、樹状細胞、好酸球、肥満細胞、血小板、大型顆粒リンパ球、ランゲルハンス細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、Tリンパ球、Bリンパ球があるが、これに限定されるものではなく、またエフェクター細胞は任意の生物、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ及びサルに由来し得るが、これに限定されるものではない。
Fcリガンド:本明細書において用いられる「Fcリガンド」は、任意の生物に由来する、抗体のFc領域に結合してFc−リガンド複合体を形成する分子、好ましくはポリペプチドを意味する。Fcリガンドとしては、限定されるものではないがFcγRIIA(CD32A)、FcγRIIB(CD32B)、FcγRIIIA(CD16A)、FcγRIIIB(CD16B)、FcγRI(CD64)、FcεRII(CD23)、FcRn、C1q、C3、ブドウ球菌タンパク質A、レンサ球菌タンパク質G、及びウイルスFcγRがあるが、これに限定されるものではない。Fcリガンドは、Fcに結合する未知の分子を含み得る。
誘導体:本明細書中で用いられるように、ポリペプチドまたはタンパク質との関係での用語「誘導体」とは、アミノ酸残基の置換、欠失、または付加の導入によって改変されたアミノ酸配列を含むポリペプチドまたはタンパク質のことを言う。用語「誘導体」とは、本明細書中で用いられるように、すなわち、いずれかのタイプの分子のポリペプチドまたはタンパク質への共有結合によって修飾されているポリペプチドまたはタンパク質のことも言う。例えば、これに限定されるものではないが、抗体は、公知の保護/ブロック基、タンパク質分解開裂、細胞リガンドまたは他のタンパク質への連結等により、例えば、グリコシル化、アセチル化、peg化、ホスホリル化、アミド化、誘導体化によって修飾されてもよい。誘導体ポリペプチドまたはタンパク質は、これに限定されるものではないが、特異的な化学的開裂、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成等を含めた、当業者に知られた技術を用いて化学的修飾によって生産されてもよい。さらに、誘導体ポリペプチドまたはタンパク質誘導体は、それが由来するポリペプチドまたはタンパク質としての同様なまたは同一の機能を保持する。
断片:本明細書中で用いられるように、用語「断片」は、別のポリペプチドのアミノ酸配列の少なくとも5の連続するアミノ酸残基、少なくとも10の連続するアミノ酸残基、少なくとも15の連続するアミノ酸残基、少なくとも20の連続するアミノ酸残基、少なくとも25の連続するアミノ酸残基、少なくとも40の連続するアミノ酸残基、少なくとも50の連続するアミノ酸残基、少なくとも60の連続するアミノ酸残基、少なくとも70の連続するアミノ酸残基、少なくとも80の連続するアミノ酸残基、少なくとも90の連続するアミノ酸残基、少なくとも100の連続するアミノ酸残基、少なくとも125の連続するアミノ酸残基、少なくとも150の連続するアミノ酸残基、少なくとも175の連続するアミノ酸残基、少なくとも200の連続するアミノ酸残基、または少なくとも250の連続するアミノ酸残基のアミノ酸配列を含むペプチドまたはポリペプチドのことを言う。特定の実施形態において、ポリペプチドの断片は、そのポリペプチドの少なくとも1つの機能を保持する。
有効量:本明細書中で用いられるように、用語「有効量」とは、所望の生物学的効果を実現するのに必要なまたは十分な所与の化合物、コンジュゲートまたは組成物の量のことを言う。本発明の方法による所与の化合物、コンジュゲートまたは組成物の有効量は、この選択された結果を達成する量であり、そのような量は、当該技術分野で知られた、及び/または本明細書中に記載されたアッセイを用い、過度な実験の必要性無くして、当業者によってルーチンの事項として決定することができる。例えば、癌の転移を治療または予防するための有効量は、in vivoでの基底膜を横切っての、または内皮層を横切っての腫瘍細胞の移動及び侵入を予防するのに必要な量であり得るであろう。該用語は「十分な量」とも同義である。いずれかの特定の適用のための有効量は、処置される病気、障害または疾患、投与すべき特定の組成物、投与経路、対象のサイズ、及び/または病気または疾患の重症度のような因子に依存して変化し得る。当業者であれば、過度の実験を必要とすること無く、本明細書中で提供されたガイダンスに従って、本発明の特定の化合物、コンジュゲートまたは組成物の有効量を経験的に決定することができる。
約:測定された量との関係で本明細書中で用いられるように、用語「約」とは、測定を行い、測定の対象と同様なケアのレベル、及び用いる測定機器の精度を行使する当業者によって予測されるであろう測定された量における通常の変動のことを言う。そうでないことが示されているのでなければ、「約」とは、提供された値の+/−10%の変動のことを言う。
単離された:「単離された」ポリペプチドまたはその断片、変異体、または誘導体とは、その天然の環境には無いポリペプチドを意図する。精製の特別なレベルは要求されない。例えば、単離されたポリペプチドは、その生来のまたは天然の環境から除去することができる。宿主細胞で発現された組換えにより生産されたポリペプチド及びタンパク質は、いずれかの適当な技術によって分離され、分画され、または部分的にまたは実質的に精製された天然または組換えポリペプチドがそうであるように、本発明の目的では単離されていると考えられる。
小分子:一般に、「小分子」は、サイズが約5キロダルトン(kD)未満の分子である。いくつかの実施形態において、小分子は、約4kD、3kD、約2kD、または約1kD未満である。いくつかの実施形態において、小分子は、約800ダルトン(D)、約600D、約500D、約400D、約300D、約200D、または約100D未満である。いくつかの実施形態において、小分子は、約2000g/mol未満、約1500g/mol未満、約1000g/mol未満、約800g/mol未満、または約500g/mol未満である。いくつかの実施形態において、小分子は、ポリマーではない。いくつかの実施形態において、本発明によれば、小分子は、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、ペプチド、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、多糖、糖タンパク質、プロテオグリカンなどではない。
実質的に:本明細書中で用いられるように、用語「実質的に」は、注目する特徴または特性の完全なまたは完全に近い程度あるいは度合を示す定性的条件のことを言う。生物学的技術分野の当業者は、生物学的及び化学的現象が完了し、及び/または完結まで進行し、または絶対的な結果を達成もしくは回避することは極めてまれであることを理解するであろう。従って、用語「実質的に」は、多くの生物学的及び化学的現象において固有の完全さの潜在的欠如を捉えるために本明細書において使用される。
治療有効量:本明細書中で用いられるように、用語「治療有効量」は、いずれの医療処置にも適用可能な妥当な便益/リスク比で、治療対象に治療効果をもたらす治療用タンパク質の量のことを言う。治療効果は、客観的(すなわち、いくつかの試験またはマーカーによって測定可能である)でもよいし、主観的(すなわち、対象が効果を示すか、または効果を感知する)でもよい。特に、「治療有効量」とは、所望の病気または疾患を治療する、改善する、または予防するのに効果的な、あるいは、病気に関連する症状を改善する、病気の発症を予防するかまたは遅らせる、及び/または病気の症状の重症度もしくは頻度を低下させることによって検出可能な治療効果もしくは予防効果を示すのに効果的な治療用タンパク質または組成物の量のことを言う。治療有効量は、一般的には、複数の単位用量を含んでもよい投与レジメンで投与される。任意の特定の治療用タンパク質について、治療有効量(及び/または有効な投与レジメン内の適切な単位用量)は、例えば、投与経路、他の薬剤との組み合わせに応じて変化し得る。また、任意の特定の患者のための具体的な治療有効量(及び/または単位用量)は、処置される障害及び障害の重症度;用いられる具体的な薬剤の活性;用いられる具体的な組成物;患者の年齢、体重、全体的な健康、性別及び食事;投与時間、投与経路、及び/または用いられる具体的な融合タンパク質の排出もしくは代謝の速度;治療の継続期間;ならびに医療分野において周知であるような要因を含む種々の要因に依存し得る。
治療:本明細書中で用いられるように、用語「治療」、「治療する」、「治療された」、または「治療している」とは、特に、対象が多発性硬化症の進行のような望まれない生理学的変化または障害を予防し、または遅らせる(少なくする)ことにある予防及び/または治療のことを言う。有益なまたは所望の臨床的結果は、これに限定されるものではないが、症状の軽減、病気の程度の低下、病気の安定化された(すなわち、悪化しない)状態、病気の進行の遅延または遅れ、病気状態の緩和または寛解、及び(部分的または全体的を問わず)緩解を、検出可能であるかまたは検出できないかを問わず、含む。「治療」は、治療を受けるのでなければ、予測された生存と比較して延長される生存を意味することもできる。治療を必要とする者は、疾患または障害を既に持つ者、ならびに疾患または障害を有する傾向がある者、または疾患または障害が予防されるべき者を含む。「対象」または「個体」または「動物」または「患者」または「哺乳動物」とは、診断、予後、または治療が望まれるいずれかの対象、特に哺乳動物対象を意味する。哺乳動物対象は、イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマ、畜牛、ウシ等のような、ヒト及び他の霊長類、家畜動物、農場動物、及び動物園、スポーツ、またはペット動物を含む。
単位用量:本明細書において用いられる「単位用量」という表現は、単回投与として、及び/または物理的に離散した単位で投与される医薬組成物の量のことを言う。多くの実施形態において、単位用量は、所定分量の活性剤を含有する。いくつかの実施形態において、単位用量は、単回投与全体の剤を含有する。いくつかの実施形態において、全ての単回投与を達成するために、2つ以上の単位用量が投与される。いくつかの実施形態において、目的の効果を達成するために、複数の単位用量の投与が必要であるか、または前記投与が必要であると予想される。単位用量は、例えば、所定分量の1つまたは複数の治療剤を含有する液体(例えば、許容される担体)、所定量の1つまたは複数の固体形態の治療剤、所定量の1つまたは複数の治療剤を含有する持続放出製剤または薬物送達装置などの容量でもよい。単位用量は、治療剤に加えて種々の成分のいずれかを含む製剤中に存在してもよいと理解されるであろう。例えば、許容される担体(例えば、医薬的に許容し得る担体)、希釈剤、安定剤、緩衝剤、保存剤などが、下記のように含まれていてもよい。当業者であれば、多くの実施形態において、特定の治療剤の適切な1日総投与量は単位用量の一部または大部分を含んでもよく、例えば、正当な医学的判断の範囲内において主治医によって決定されてもよいことが理解されるであろう。いくつかの実施形態において、任意の特定の対象または生物のための具体的な有効用量レベルは、処置される障害及び障害の重症度;用いられる具体的な活性化合物の活性;用いられる具体的な組成物;対象の年齢、体重、全体的な健康、性別及び食事;投与時間、及び用いられる具体的な活性化合物の排出速度;治療の継続期間;用いられる具体的な化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物及び/またはさらなる治療薬、ならびに医療分野において周知であるような要因を含む種々の要因に依存し得る。
神経芽細胞腫
神経芽細胞腫(NB)は子供時代の最も普通の頭蓋外固形腫瘍である。症例の〜50%においては、治癒的戦略は骨髄(BM)における柔軟な組織の質量及び転移の双方に取り組まなければならない。用量集中的化学療法は腫瘍の切除可能性を改善し、及び外科的処置後照射は原発部位における再発の危険性を<10%まで低下させる(Kushner et al.,2001,J Clin Oncol 19,2821−8)。しかしながら、BM病は、組織学またはメタヨードベンジルグアニジン(MIBG)スキャンによって証明されるように、しばしば持続し、致死的な結果を予知する(Matthay et al.,2003,J Clin Oncol 21,2486−91;Schmidt et al.,2008,Eur J Cancer 44,1552−8)。加えて、誘導療法後におけるほとんど完全な緩解の達成にかかわらず、骨延髄再発は共通している。治療強化における試みは急性及び長期の副作用双方に遭遇しており、双方は若い患者について重大な関心事である。有望な新しい薬剤の不足があり、今日、いずれかの標的/経路特異的小分子がNBを持つ患者において主な臨床的利益を示したならば少数であるが、多くの有望な先例は継続して蓄積されている。>18月齢において診断されたステージ4の患者の中の毒性制限における<30%の治癒率にて、改良の実質的な予知がある(Pearson et al.,2008,Lancet Oncol 9,247−56)。
本発明は、いくつかの因子が、NBを、MoAb標的化免疫療法によく適したものとする認識を包含する。まず、MoAbは、ヒト白血球の存在下においてNBの高度に効果的な抗体依存性細胞傷害(ADCC)を媒介する。第二に、MoAbは、減衰加速因子CD55(Cheung et al.,1988,J Clin Invest 81,1122−8)及び相同制限因子CD59(Chen et al.,2000,Cancer Res 60,3013−8)を欠如する、NB細胞の補体媒介細胞毒性(CMC)を誘導する。NB細胞上への補体沈積は、コロニー刺激因子が与えられれば(Mackall,CL,2000,Stem Cells 18,10−8)、用量集中的または骨髄破壊的化学療法+幹細胞移植の後においてさえ利用可能な、好中球に対するiC3B受容体の活性化を通じてADCCを増強させる(Kushner and Cheung,1992,Blood 79,1484−90,Metelitsa et al.,2002,Blood 99,4166−73)。第三に、臨床的緩和を達成するための集中的化学療法(NBについての看護の標準)の使用は、患者がネズミ、キメラ、またはヒト化MoAb(Kushner et al.,2007,Pediatr Blood Cancer 48,430−4)をあまり拒絶しないようであるように、延長されたリンパ球減少症及び免疫抑制(Mackall et al.,2000,Blood 96,754−762)を引き起こす。
参照抗GD2抗体
GD2は、正常組織においてはかなり制限された発現を持つ神経芽細胞腫及び黒色腫を含めた、神経外胚葉性起源の腫瘍について豊富なジシアロガングリオシドである。少なくとも2つの抗GD2抗体ファミリーが、NBの治療用に臨床的に試験されている。すなわち、3F8(Cheung et al.,1985,Cancer Res 45,2642−9)及び14.18(Mujoo et al.,1989,Cancer Res 49,2857−61)。
キメラch14.18は、ネズミMoAb 14.18の可変領域、及びヒトIgG1−Kの定常領域(Gillies et al.,1989,J Immunol Methos 125,191−202)からなる。それは、in vivoでのNB及び黒色腫細胞のADCC及びCMCを示している(Barker et al.,1991,Cancer Res 51,144−9;Barker及びReisfeld,1993,Cancer Res.52,362−7;Mueller et al.,1990,PNAS USA 87,5702−05)。フェーズI研究における臨床的応答の促進に基づき、ch14.18はステージ4のNBについての地固め療法として大きなフェーズII研究で試験された(German NB90及びNB97研究)。診断における>12ヶ月の166人の患者では、イベントフリー生存(EFS)は、維持化学療法に対する患者と比較した場合にch14.18を受ける患者において同様であるが、全生存(OS)は改善され、BM再発率はch14.18で治療された患者において低下した(Simon et al.,2004,J Clin Oncol 22,3549−57)。
2001年において、子供の腫瘍学グループ(COG)は、無作為化されたフェーズIII試験を開始して、自己幹細胞移植(ASCT)後の完全緩解(CR)における患者でのNB再発を予防するにおけるch14.18とGMCSF及びIL−2の組み合わせの効力を実験し(ClinicalTrials.govNCT00026312)(Gilman et al.,J Clin Oncol 27:85−91,2009)、ここに、2年における進行フリー生存(PFS)及びOSの有意な改良が見出された(Yu et al.,N Engl J Med 363:1324−1334,2010)。
GD2に対して特異的なネズミIgG3 MoAbである3F8は細胞の死滅を誘導し、in vitroにてNBに対する有効なADCC及びCMCを媒介する(Cheung et al.,2007,上記)。用量集中誘導+攻撃的サルベージレジメンにかかわらず化学療法抵抗性骨髄病を持つ患者の中で、80%は、5日抗体+GM−CSF療法の1〜2サイクル後に通常BM緩解を達成した(Kushner et al.,2007,Proc Amer Soc Clin Oncol 25,526s)。化学療法抵抗性骨髄病に対するm3F8の活性を考えれば、m3F8の使用は、有望な結果を伴うそれらの最初の緩解において患者に拡大した。子供におけるこれらの好都合な臨床的結果は、再発危険性が最も高い最初の3〜5年にわたっての維持療法としてm3F8が与えられるならば、改良をすることができよう。しかしながら、ヒト抗マウス抗体応答(HAMA)が、化学療法が終了したときに免疫系が回復される場合の制限因子である。HAMAを低下させる1つの戦略は、3F8をキメラ化し、またはヒト化することである。
本発明者らは、ヒト化3F8(hu3F8−IgG1 H1L1、以下では、hu3F8V1)の工学及び単離について前述した(WO2011/160119及びCheung et al.,2012,Oncoimmunology1:477−486に記載、その両方が参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる)。これらの抗体は、標準的な組換え方法を用いて作製され、無血清培地中でのCHO−DG44細胞株による高い発現について選択された。Biacore系、ヒト化3F8によって用いられた表面プラズモン共鳴を用いての測定は、m3F8のそれと同様なKDを維持した。他の抗GD2抗体とは対照的に、hu3F8V1は、in vitroにてより遅い洗浄除去に移される、実質的により低いkoffを有した。m3F8と同様に、ヒト化3F8は、in vitroにて細胞増殖を阻害し、他の抗GD2抗体については典型的でない。hu3F8V1の血液単核細胞(PBMC)−ADCC及び好中球(PMN)−ADCCの双方はm3F8のそれよりも優れており(10〜>1000倍)、他方、CMCは劣っていた。この優秀性は、ドナーにかかわらず、またはヒトCD16またはCD32で形質導入されたNK92をキラーとして用いれば、ADCCアッセイにおいて一貫して観察された。Hu3F8V1は、m3F8と比較した場合に、NB異種移植に対する優れた抗腫瘍効果を示した。
提供される抗体剤
本発明は、治療効果を増強させるために、増強させた親和性を持つ抗体の新規のヒト化形態が必要であるという認識を包含する。本発明は、3F8及び/またはhu3F8V1の変異体である抗体(または他の抗体剤)を開発することが望ましいという認識を包含する。本発明は、特に、そのような抗体及び抗体剤を提供する。すなわち、本発明は、3F8及び/またはhu3F8V1で観察されるものと比較して、3F8及び/またはhu3F8V1と著しい構造同一性を示し、さらに、改善された機能的特徴(例えば、安定性及び/または親和性もしくは特異性)を示す種々の抗体剤を提供する。好ましい特定の実施形態において、本発明は、変異Fc領域を含む分子を包含し、該変異Fc領域は、該分子がFcγRに対する改変された親和性を有するように、野生型Fc領域に対して少なくとも1つのアミノ酸修飾を含み、但し、該変異Fc領域は、Sondermann et al.,2000(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Nature,406:267−273)によって開示されたもののようなFc−FcγR相互作用の結晶学的及び構造解析に基づいてFcγRとの直接的接触をなす位置に置換を有しない。FcγRとの直接的接触を行うFc領域内の位置の例は、アミノ酸234〜239(ヒンジ領域)、アミノ酸265〜269(B/Cループ)、アミノ酸297〜299(C’/Eループ)、及びアミノ酸327〜332(F/G)ループである。いくつかの実施形態において、変異Fc領域を含む本発明の分子は、構造的及び結晶学的分析に基づいて、FcγRとの直接的接触をなす少なくとも1つの残基の修飾を含む。
本発明の1つの態様は、1つまたは複数のアミノ酸修飾を持つ変異Fc領域を有する、活性化及び/または阻害性受容体に対する改変された親和性を持つhu3F8抗体を含み、該1つまたは複数のアミノ酸修飾は、位置239におけるアスパラギン酸での、位置330におけるロイシンでの、及び位置332におけるグルタミン酸での置換である。
本発明は、例えば、エフェクター機能を改変するか、または提供されるFcのFcRへの親和性を増強させるかもしくは減少させるために、参照抗体(例えば、参照3F8抗体)Fc領域に対する本発明の抗体のFc領域における1つまたは複数のアミノ酸に対する付加、欠失、及び/または置換を持つ変異Fc領域を含む分子を包含する。そのような変異Fc領域を調製し使用することは、本明細書中で提供されたガイダンスがあれば、当業者の技量内のものである。従って、本発明は、1つまたは複数のFcγRに対するより大きな親和性でもって結合する変異Fc領域を含む分子を包含する。そのような分子は、好ましくは、後記で議論されたエフェクター機能をより効果的に媒介する。
いくつかの実施形態において、本発明は、参照抗体(例えば、参照3F8抗体)Fc領域よりも1つまたは複数のFcγRに対する親和性がより弱く結合する変異Fc領域を含む分子を包含する。エフェクター機能の低下または排除は、ある場合には、例えば、その作用メカニズムがブロッキングまたは拮抗作用を伴うが、標的抗原を担持する細胞の殺傷は伴わない抗体の場合に望ましい。エフェクター機能の低下または排除は、エフェクター細胞においてFcγR活性化受容体をブロックしようとする自己免疫疾患の場合において望ましいであろう(このタイプの機能は宿主細胞に存在するであろう)。一般に、増大したエフェクター機能は、腫瘍及び異質細胞に向けられるであろう。
ある実施形態において、本発明のFc変異体は、これに限定されるものではないが、エフェクター機能を改変する修飾を含めた、他のFc修飾と組み合わせてもよい。本発明は、本発明のFc変異体を他のFc修飾と組み合わせて、抗体またはFc融合において付加的、相乗的、または新規な性質を提供することを包含する。好ましくは、本発明のFc変異体は、それらが組み合わされる修飾の表現型を増強させる。例えば、本発明のFc変異体が、野生型Fc領域を含む匹敵する分子よりも高い親和性でもってFcγRIIIAに結合することが知られた突然変異体と組み合わせるならば、本発明の突然変異体との組み合わせの結果、FcγRIIIA親和性におけるより大きな倍増強がもたらされる。
いくつかの実施形態において、本発明のFc変異体は、1つまたは複数の操作された糖型、すなわち、Fc領域を含む分子に共有結合している炭水化物組成物を含む抗体剤(例えば、抗体またはFc融合)に組み込まれ、炭水化物組成物は、Fc領域を含む親分子のそれとは化学的に異なる。
本発明は、好ましくは、抗体の機能性、例えば、結合活性GD2を改変すること無く、改変されたグリコシル化部位を持つ抗体を包含する。本明細書中で用いられるように、「グリコシル化部位」は、それにオリゴ糖(すなわち、一緒に連結した2つ以上の単純な糖を含有する炭水化物)が特異的かつ共有結合的に付着した抗体におけるいずれの特異的アミノ酸配列を含む。オリゴ糖側鎖は、典型的には、N−またはO−連結いずれかを介して抗体の骨格に連結されている。N−連結グリコシル化とは、アスパラギン残基の側鎖へのオリゴ糖部分の付着のことを言う。O−連結グリコシル化とは、オリゴ糖部分のヒドロキシアミノ酸、例えば、セリン、スレオニンへの付着のことを言う。フコース及び末端N−アセチルグルコサミンを含めたある種のオリゴ糖を欠如するFc糖型、hu3F8−H1L1−IgGlnは、特殊なCHO細胞において生産され、増強されたADCCエフェクター機能を示した。
いくつかの実施形態において、本発明は、グリコシル化部位を付加または欠失することによって、本発明の抗体の炭水化物含有量を改変する方法を包含する。抗体の炭水化物含有量を改変する方法は、当該技術分野でよく知られており、本発明内に含まれる。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,218,149号;欧州特許第0359096号B1;米国特許出願公開番号US2002/0028486;WO03/035835;米国特許出願公開番号2003/0115614;米国特許第6,218,149号;米国特許第6,472,511号を参照されたい。他の実施形態において、本発明は、抗体の1つまたは複数の内因性炭水化物部分を欠失することによって、本発明の抗体の炭水化物含有量を改変する方法を包含する。特定の実施形態において、本発明は、位置297をアスパラギンからアラニンに修飾することによって、抗体のFc領域のグリコシル化部位を欠失することを包含する。
操作された糖型は、これに限定されるものではないが、エフェクター機能の増強または低下を含めた、種々の目的で有用であろう。操作された糖型は、当業者に知られた任意の方法によって、例えば、操作されたまたは変異発現株によって、1つまたは複数の酵素、例えば、DI N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnTI11)での共発現によって、種々の生物におけるFc領域を含む分子、または種々の生物からの細胞株を発現することによって、またはFc領域を含む分子が発現された後に炭水化物を改変することによって生成させることができる。操作された糖型を生成させるための方法は、当該技術分野で知られており、これに限定されるものではないが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Umana et al,1999,Nat.Biotechnol 17:176−180;Davies et al.,20017 Biotechnol Bioeng 74:288−294;Shields et al,2002,J Biol Chem 277:26733−26740;Shinkawa et al.,2003,J Biol Chem 278:3466−3473)米国特許第6,602,684号;米国特許出願第10/277,370号;米国特許出願第10/113,929号;PCT WO00/61739A1;PCT WO01/292246A1;PCT WO02/311140A1;PCT WO02/30954A1;Potillegent(商標)テクノロジー(Biowa,Inc.Princeton,N.J.);GLYCOMAB(商標)グリコシル化エンジニアリングテクノロジー(GLYCART biotechnology AG,Zurich,Switerland)に記載されたものを含む。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、WO00061739;EA01229125;US20030115614;Okazaki et al.,2004,JMB,336:1239−49を参照されたい。
また、本発明のポリペプチドとして含まれるのは、上述したポリペプチドの断片、誘導体、アナログ、または変異体、及びその任意の組み合わせである。抗GD2抗体または抗体ポリペプチドのことを言う場合の用語「断片」、「変異体」、「誘導体」、及び「アナログ」は、対応する天然の抗体またはポリペプチド、すなわち、GD2上の1つまたは複数のエピトープに結合する能力を保持するポリペプチドの抗原結合性質の少なくともいくつかを保持するいずれかのポリペプチドを含む。
本発明のポリペプチドの断片は、本明細書中の他の個所で議論された特異的抗体断片に加えて、タンパク質分解断片、ならびに欠失断片を含む。
本発明による有用な抗GD2抗体及び抗体ポリペプチドの変異体は、上記のような断片、及びアミノ酸の置換、欠失、または挿入のため改変されたアミノ酸配列を持つポリペプチドも含む。変異体は、天然に存在し得るか、または非天然に存在し得る。非天然に存在する変異体は、当該技術分野で知られた突然変異誘発技術または非天然アミノ酸を用いて生産することができる。突然変異ポリペプチドは、保存的または非保存的アミノ酸置換、欠失、または付加を含んでもよい。
本発明による有用な抗GD2抗体及び抗体ポリペプチドの誘導体は、天然ポリペプチドで見出されないさらなる特徴を呈するように改変されたポリペプチドである。例としては、融合タンパク質が挙げられる。突然変異ポリペプチドは、本明細書中においては、「ポリペプチドアナログ」とも言われる。本明細書中で用いられるように、抗GD2抗体または抗体ポリペプチドの「誘導体」とは、機能的側基の反応によって化学的に誘導体化された1つまたは複数の残基を有する主題のポリペプチドのことを言う。また、「誘導体」として含まれるのは、20個の標準アミノ酸の1つまたは複数の天然に存在するアミノ酸誘導体を含有するペプチドである。例えば、4−ヒドロキシプロリンはプロリンに代えて置換してもよく;5−ヒドロキシリシンはリシンに代えて置換してもよく;3−メチルヒスチジンはヒスチジンに代えて置換してよく;ホモセリンはセリンに代えて置換してよく;及びオルニチンはリシンに代えて置換してよい。
いくつかの実施形態において、提供される抗体剤は、本明細書の実施例に記載される機能的性質を示す。例えば、いくつかの実施形態において、提供される作用物質には、親3F8抗体及び/またはそのヒト化バージョン(例えば、hu3F8V1)に対して改善された結合を示す。典型的なヒト化バージョンは、本明細書中に記載された1つまたは複数の構造特性を有するものが含まれる。いくつかの特定の実施形態において、構造特性には、免疫グロブリン可変領域配列のヒトフレームワーク領域に現れる配列に対応する1つまたは複数のアミノ酸置換が含まれる。いくつかの特定の実施形態において、構造特性には、免疫グロブリン可変領域配列のヒトCDR領域に現れる配列に対応する1つまたは複数のアミノ酸置換が含まれる。いくつかの特定の実施形態において、構造特性には、親抗体に対して提供される作用物質の免疫原性を減少させる1つまたは複数のアミノ酸置換が含まれる。いくつかの特定の実施形態において、構造特性には、親抗体に対して提供される作用物質のT細胞エピトープを減少させる、改善させるかまたは排除する1つまたは複数のアミノ酸置換が含まれる。いくつかの実施形態において、提供される作用物質は、表2に示すものを含む構造特性を有する。
いくつかの実施形態において、提供される抗体剤は、GD2に結合する異なる抗体の親和性よりも少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%またはそれ以上の親和性でGD2に結合する。いくつかの実施形態において、提供される抗体剤は、GD2に結合する異なる抗体の親和性よりも少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも11倍、少なくとも12倍、少なくとも13倍、少なくとも14倍、少なくとも15倍、少なくとも16倍、少なくとも17倍、少なくとも18倍、少なくとも19倍、または少なくとも20倍の親和性でGD2に結合する。いくつかの実施形態において、提供される抗体剤は、GD2に結合する異なる抗体の親和性よりも20倍以上、30倍以上、40倍以上、50倍以上、60倍以上、70倍以上、80倍以上、90倍以上、または100倍以上の親和性でGD2に結合する。いくつかの実施形態において、提供される抗体剤は、例えば、GD1bなどの異なるガングリオシドに対して、互いに2倍以内、3倍以内、4倍以内、5倍以内、6倍以内、7倍以内、8倍以内、9倍以内、または10倍以内の結合親和性を示す。
いくつかの実施形態において、提供される抗体剤は、本明細書中に記載及び/または例示されるような範囲内で、ADCCまたはCMCアッセイにおいて相対的効力(例えば、3F8 EC50/抗体EC50またはhu3F8V1 EC50/抗体EC50の比率)を示す。いくつかの実施形態において、提供される抗体剤は、GD2に結合する親抗体と比較して少なくとも1.0、少なくとも1.5、少なくとも2.0、少なくとも2.5、少なくとも3.0、少なくとも3.5、少なくとも4.0、少なくとも4.5、少なくとも5.0、少なくとも5.5、少なくとも6.0、少なくとも6.5、少なくとも7.0、少なくとも7.5、少なくとも8.0、少なくとも8.5、少なくとも9.0、少なくとも9.5、少なくとも10.0、少なくとも10.5、少なくとも11.0、少なくとも11.5、少なくとも12.0、少なくとも12.5、少なくとも13.0、少なくとも13.5、少なくとも14.0、少なくとも14.5、少なくとも15.0、少なくとも15.5、少なくとも16.0、少なくとも16.5、少なくとも17.0、少なくとも17.5、少なくとも18.0、少なくとも18.5、少なくとも19.0、少なくとも19.5、少なくとも20.0、少なくとも20.5、少なくとも21.0、少なくとも21.5、少なくとも22.0、少なくとも22.5、少なくとも23.0、少なくとも23.5、少なくとも24.0、少なくとも24.5、少なくとも25.0、少なくとも25.5、少なくとも26.0、少なくとも26.5、少なくとも27.0、少なくとも27.5、少なくとも28.0、少なくとも28.5、少なくとも29.0、少なくとも29.5、または少なくとも30.0の相対的効力を示す。
いくつかの実施形態において、提供される抗体剤は、100nM未満、90nM未満、80M未満、70nM未満、60nM未満、50nM未満、40nM未満、30nM未満、20nM未満、または10nM未満のKD(nM)でGD2への結合を示す。いくつかの特定の実施形態において、提供される抗体剤は、9nM未満、8nM未満、7nM未満、6nM未満、5nM未満、4nM未満、3nM未満、2nM未満、または1nM未満のKD(nM)でGD2への結合を示す。いくつかの特定の実施形態において、提供される抗体剤は、約0.2nM、約0.3nM、約0.4nM、約0.5nM、約0.6nM、約0.7nM、約0.8nM、約0.9nM、約1.0nM、約1.1nM、約1.2nM、約1.3nM、約1.4nM、約1.5nM、約1.6nM、約1.7nM、約1.8nM、約1.9nM、約2.0nM、約2.1nM、約2.2nM、約2.3nM、約2.4nM、約2.5nM、約2.6nM、約2.7nM、約2.8nM、約2.9nM、または約3.0nMのKD(nM)でGD2への結合を示す。いくつかの特定の実施形態において、提供される抗体剤は、約1nM、約2nM、約3nM、約4nM、約5nM、約6nM、約7nM、約8nM、または約9nMのKD(nM)でGD2への結合を示す。
いくつかの実施形態において、提供される抗体剤は、下限が約2.0x10−4s−1で、上限が約20.0x10−4s−1であるKoff(s−1)でGD2への結合を示す。いくつかの実施形態において、提供される抗体剤は、下限が2x10−4s−1、3x10−4s−1、4x10−4s−1、5x10−4s−1、6x10−4s−1、7x10−4s−1、8x10−4s−1、9x10−4s−1、またはそれ以上から成る群から選択され、上限が下限よりも高く、かつ、10x10−4s−1、11x10−4s−1、12x10−4s−1、13x10−4s−1、14x10−4s−1、15x10−4s−1、16x10−4s−1、17x10−4s−1、18x10−4s−1、19x10−4s−1、20x10−4s−1、またはそれ以上から成る群から選択されるKoff(s−1)でGD2への結合を示す。いくつかの特定の実施形態において、提供される抗体剤は、約2.9x10−4s−1、5.1x10−4s−1、6.9x10−4s−1、8.8x10−4s−1、または18.5x10−4s−1のKoff(s−1)でGD2への結合を示す。
ヒト化抗体剤
1つの実施形態において、本発明によって提供される抗体は、好ましい実施形態においては、他の種に由来する同種抗GD2抗体ヒト化バージョンであるモノクローナル抗体である。ヒト化抗体は、組換えDNA技術によって生産された抗体であり、そこでは、抗原結合で必要とされないヒト免疫グロブリン軽鎖または重鎖(例えば、定常領域及び可変ドメインのフレームワーク領域)のアミノ酸のいくつかまたは全てを用いて、同種の非ヒト抗体の軽鎖または重鎖からの対応するアミノ酸に代えて置換する。その例として、所与の抗原に対するネズミ抗体ヒト化バージョンは、その重鎖及び軽鎖の双方の上に、(1)ヒト抗体の定常領域;(2)ヒト抗体の可変ドメインからのフレームワーク領域;及び(3)ネズミ抗体からのCDRを有する。必要であれば、ヒトフレームワーク領域における1つまたは複数の残基を、ネズミ抗体における対応する位置での残基に変化させて、抗原に対するヒト化抗体の結合親和性を保持することができる。この変化は、時々、「復帰突然変異」と呼ばれる。同様に、正突然変異を行って、所望の理由、例えば、抗原に対する安定性または親和性のためにネズミ配列に戻してもよい。例えば、hu3F8−H1L1(またはhu3F8V1)復帰突然変異が重鎖配列における19位置、及び軽鎖における17位置において、結合のin vitro親和性を維持するために必要であった。ヒト化抗体は、一般に、キメラヒト抗体と比較して、ヒトにおいて免疫応答をあまり惹起しない。なぜならば、前者はかなり少数の非ヒト成分を含有するからである。
本発明のヒト化抗体を作製するための適当な方法は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Winter EP0239400;Jones et al.,Nature 321:522−525(1986);Riechmann et al.,Nature 332:323−327(1988);Verhoeyen et al.,Science 239:1534−1536(1988);Queen et al.,Proc.Nat.Acad.ScL USA86:10029(1989);米国特許第6,180,370号;及びOrlandi et al.,Proc.Natl.Acad.Sd.USA 86:3833(1989)に記載されている。一般に、ヒト抗体へのネズミ(または他の非ヒト)CDRの移植は以下のように達成される。重鎖及び軽鎖可変ドメインをコードするcDNAをハイブリドーマから単離する。CDRを含めた可変ドメインのDNA配列は配列決定によって決定される。CDRをコードするDNAは、所望のイソタイプ(例えば、CHに代えてγ1及びCLに代えてκ)のヒト定常領域遺伝子セグメントに付着された、ヒト抗体重鎖または軽鎖可変ドメインコーディング配列の対応する領域に挿入され、遺伝子合成される。ヒト化重鎖及び軽鎖遺伝子は、哺乳動物宿主細胞(例えば、CHOまたはNSO細胞)において共発現されて、可溶性ヒト化抗体を生産する。抗体の大規模な生産を促進するためには、しばしば、生産株においてDHFR遺伝子またはGS遺伝子を用いて高エクスプレッサーについて選択するのが望ましい。これらの生産細胞株は、バイオリアクター、または中空線維培養システム、またはWAVE技術において培養して、可溶性抗体のバルク培養を生産させ、または乳中で抗体を発現するトランスジェニック哺乳動物(例えば、ヤギ、ウシ、またはヒツジ)を生産させる(例えば、米国特許第5,827,690号を参照されたい)。
上述したアプローチを用い、3F8抗体ヒト化及びキメラバージョンを生成させた。軽鎖及び重鎖のネズミ3F8可変領域をコードするcDNAを用いて、上述したように、ネズミ3F8可変領域が(重鎖では)ヒトIgG1及び(軽鎖では)ヒトカッパー定常領域に連結したネズミ−ヒトキメラの発現用のベクターを構築した。加えて、Fc受容体への結合を増強させ、抗原親和性を増強させるために、変異体グリコシル化を持つhu3F8の新規な形態を作り出した。
ヒト化3F8抗体を生産するために、ヒトアクセプターフレームワークドメインを、ヒト生殖細胞株配列への相同性マッチングによって選択した。これらの選択されたヒトアクセプターフレームワークを用い、軽鎖及び重鎖可変ドメインを設計し、実施例にて後述するように、各々の多数の変異体/バージョンを生成し、発現させた。
完全ヒト抗体は、ヒト患者の治療的処置で特に望ましい。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体ライブラリーを用いて上述したファージ提示方法を含めた、当該技術分野で知られた種々の方法によって作製することができる。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第4,444,887号及び第4,716,111号;ならびにPCT国際公開WO98/46645、WO98/60433、WO98/24893、WO98/16664、WO96/34096、WO96/33735、及びWO91/10741も参照されたい。Cole et al.及びBoerder et al.の技術もまた、ヒトモノクローナル抗体の調製でやはり入手可能である(Cole et al.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Riss,(1985);及びBoerner et al.,J.Immunol.,147(1):86−95、(1991))。
他の技術を用いて生産されるが、本発明の抗GD2抗体の可変領域を保持するヒト抗体は本発明の一部である。ヒト抗体は、機能的内因性マウス免疫グロブリンを発現できないが、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現することができるトランスジェニックマウスを用いて生産することもできる。例えば、ヒト重鎖及び軽鎖免疫グロブリン遺伝子複合体は、ランダムに、または相同組換えによってマウス胚幹細胞に導入してもよい。あるいは、ヒト可変領域、定常領域、及び多様性領域は、ヒト重鎖及び軽鎖遺伝子に加えて、マウス胚幹細胞に導入してもよい。マウス重鎖及び軽鎖免疫グロブリン遺伝子は、別々に、または相同組換えによるヒト免疫グロブリン遺伝子座の導入と同時に非機能的とすることができる。特に、JH領域のホモ接合性欠失は、内因性抗体の生産を妨げる。改変された胚幹細胞は拡大され、胚盤胞に微量注入して、キメラマウスを生産する。次いで、キメラマウスを育種して、ヒト抗体を発現するホモ接合性子孫を生産させる。トランスジェニックマウスを、選択された抗原、例えば、本発明のポリペプチドの全部または部分で通常の形式で免疫化する。抗原に対して向けられたモノクローナル抗体は、従来のハイブリドーマ技術を用いて免疫化したトランスジェニックマウスから得ることができる。トランスジェニックマウスによって保有されたヒト免疫グロブリン導入遺伝子は、B細胞の分化の間に再編成され、引き続いて、クラススイッチング及び体細胞突然変異を受ける。従って、そのような技術を用い、治療的に有用なIgG、IgA、IgM、及びIgE抗体を生産させることが可能である。ヒト抗体を生産させるためのこの技術の概観については、Lonberg and Huszar,Int.Rev.Immunol.13:65−93(1995)を参照されたい。ヒト抗体及びヒト型モノクローナル抗体を生産するためのこの技術、及びそのような抗体を生産するためのプロトコルの詳細な議論については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、例えば、PCT国際公開WO98/24893;WO92/01047;WO96/34096;WO96/33735;欧州特許第0598877号;米国特許第5,413,923号;第5,625,126号;第5,633,425号;第5,569,825号;第5,661,016号;第5,545,806号;第5,814,318号;第5,886,793号;第5,916,771号;及び第5,939,598号を参照されたい。加えて、Abgenix,Inc.(Freemont,Calif.)、Genpharm(San Jose,Calif.)、及びMedarex,Inc.(Princeton,N.J.)のような会社は、上述したのと同様な技術を用いて選択された抗原に対して向けられたヒト抗体を提供するのに従事できる。
また、ヒトMoAbは、ヒト末梢血液白血球、脾臓細胞、または骨髄を移植したマウスを免疫化することによって作製できよう(例えば、XTLのTrioma技術)。選択されたエピトープを認識する完全ヒト抗体は、「ガイドされた選択」という技術を用いて生成させることができる。このアプローチにおいて、選択された非ヒトモノクローナル抗体、例えば、マウス抗体を用いて、同一のエピトープを認識する完全ヒト抗体の選択をガイドする(Jespers et al.,Bio/technology 12:899−903(1988))。
本明細書中で用いられるように、「抗GD2抗体」、「抗GD2抗体部分」、または「抗GD2抗体断片」及び/または「抗GD2抗体変異体」等は、本発明の抗体に組み込むことができる、非ネズミ起源の、好ましくはヒト起源の、重鎖または軽鎖可変領域、重鎖または軽鎖定常領域、フレームワーク領域、またはそのいずれかの部分と組み合わせた、本明細書中に記載されたモノクローナル抗体のいずれかに由来する重鎖または軽鎖またはそのリガンド結合部分の少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含有する、免疫グロブリン分子の少なくとも部分を含む分子を含有するいずれのタンパク質またはペプチドを含む。あるいは、用語「抗GD2抗体」は、集合的に、または個々に、単一突然変異を有するhu3F8V1 IgG、例えば、hu3F8V1−E1K、hu3F8V1−D32H、及びhu3F8V1−G54I;二重突然変異を有するhu3F8V1 IgG、例えば、hu3F8V1−E1KD32H、hu3F8V1−E1KG54I、及びhu3F8V1−D32HG54I;三重突然変異を有するhu3F8V1 IgG、例えば、hu3F8V1−E1KD32HG54I;hu3F8V5 IgG;単一突然変異を有するhu3F8V5 IgG、例えば、hu3F8V5−E1K、hu3F8V5−D32H、hu3F8V5−G54I;二重突然変異を有するhu3F8V5 IgG、例えば、hu3F8V5−E1KD32H、hu3F8V5−E1KG54I、及びhu3F8V5−D32HG54I;三重突然変異を有するhu3F8V5 IgG、例えば、hu3F8V5−E1KD32HG54I抗体、及びその組み合わせ、ならびにその断片及び領域、例えば、hu3F8V1−E1K scFv、hu3F8V1−D32H scFv、hu3F8V1−G54I scFvを含む本発明の一本鎖可変断片;二重突然変異を有するhu3F8V1 scFv、例えば、hu3F8V1−E1KD32H scFv、hu3F8V1−E1KG54I scFv、及びhu3F8V1−D32HG54I scFv;三重突然変異を有するhu3F8V1 scFv、例えば、hu3F8V1−E1KD32HG54I scFv;hu3F8V5 scFv;単一突然変異を有するhu3F8V5 scFv、例えば、hu3F8V5−E1K scFv、hu3F8V5−D32H scFv、hu3F8V5−G54I scFv;二重突然変異を有するhu3F8V5 scFv、例えば、hu3F8V5−E1KD32H scFv、hu3F8V5−E1KG54I scFv、及びhu3F8V5−D32HG54I scFv;三重突然変異を有するhu3F8V5 scFv、例えば、hu3F8V5−E1KD32HG54I scFv、及びその組み合わせを言うべきである。そのような抗体は、in vitro、in situ、及び/またはin vivoにて、少なくとも1つの細胞機能を変調し、減少させ、拮抗し、軽減し、緩和し、ブロックし、阻害し、無くする、及び/または干渉することができ、該細胞はGD2を発現する。非限定例として、本発明の適当な抗GD2抗体、特定の部分または変異体は、ヒトGD2のエピトープに高い親和性を持って結合することができる。
用語「抗体」は、さらに、抗体ミメティックスを含めた、または各々が抗GD2抗体に由来する少なくとも1つのCDRを含有する、一本鎖抗体及びその断片を含めた、抗体またはその特定の断片または部分の構造及び/または機能を模倣する抗体の部分を含む、抗体、消化断片、その特定の部分及び変異体を包含することを意図する。機能的な断片は、哺乳動物GD2に結合する抗原結合断片を含む。例えば、これに限定されるものではないが、(例えば、パパイン消化による)Fab、(例えば、ペプシン消化及び部分的還元による)Fab’、及び(例えば、ペプシン消化による)F(ab’)2、(例えば、プラスミン消化による)facb、(例えば、ペプシンまたはプラスミン消化による)pFc’、(例えば、ペプシン消化、部分的還元及び再凝集による)Fd、(例えば、分子生物学技術による)FvまたはscFv断片を含む、GD2に結合することができる抗体断片またはその部分は、本発明によって含まれる(例えば、Colligan,Immunologyを参照されたい,上記)。
抗体断片は、当該技術分野で知られているように、及び/または本明細書中に記載されているように、酵素開裂、合成、または組換え技術によって生産することができる。抗体は、1つまたは複数の停止コドンが天然の停止部位の上流に導入されている抗体遺伝子を用いて種々の切形形態で生産することもできる。例えば、F(ab’)2重鎖部分をコードする組み合わせ遺伝子を設計して、重鎖のCH1ドメイン及び/またはヒンジ領域をコードするDNA配列を含ませることができる。抗体の種々の部分を、従来の技術によって化学的に一緒に連結することができるか、または遺伝子工学技術を用いて連続したタンパク質として調製することができる。
本明細書中で用いられるように、「キメラ」抗体または「ヒト化」抗体または「CDRグラフト化」は、本明細書中に記載された抗GD2 Ab、または非ネズミ、好ましくはヒト抗体に由来する1つまたは複数のタンパク質またはペプチドと組み合わせたそれから由来するいずれかのCDRの任意の組み合わせを含む。本発明によれば、キメラまたはヒト化抗体は、CDRが本明細書中に記載された抗GD2 Abの1つ以上から由来するものを含み、及び抗体の少なくとも一部または残りは、1つまたは複数のヒト抗体に由来する。従って、抗体のヒト部分は、ヒトにおいて実質的に非免疫原性であるフレームワーク、CL、CHドメイン(例えば、CH1、CH2、CH3)、ヒンジ、(VL、VH)領域を含むことができる。ヒト抗体に由来する抗体の領域は、ヒト抗体に対して100%同一性を有する必要が無い。好ましい実施形態において、できる限り多くのヒトアミノ酸残基が、免疫原性が無視できるように保持されるが、ヒト残基を必要に応じて修飾して、同時に抗体ヒト化を最大化しつつ、CDRによって形成される抗原結合部位を支持することができる。そのような変化または変動は、必要に応じてかつ好ましくは、非修飾抗体に対してヒトまたは他の種における免疫原性を保持するかまたは低下させてよい。ヒト化抗体は、機能的に再編成されたヒト免疫グロブリン(例えば、重鎖及び/または軽鎖)遺伝子を発現することができる非ヒト動物または原核生物または真核生物細胞によって生産することができることを指摘する。さらに、抗体が一本鎖抗体である場合、それは、天然ヒト抗体で見出されないリンカーペプチドを含むことができる。例えば、Fvは、重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域を連結させる、2〜約20のグリシンまたは他のアミノ酸残基、好ましくは8〜15のグリシンまたは他のアミノ酸残基のようなリンカーペプチドを含むことができる。そのようなリンカーペプチドは、ヒト起源のものであると考えられる。
抗体ヒト化は、例えば、個々のヒトフレームワークのプールにインフレームにて融合させた非ヒト標的モノクローナル抗体の6つのCDRを含むコンビナトリアルライブラリーを合成することによって行うことができる。全ての公知の重鎖及び軽鎖のヒト生殖系列遺伝子の遺伝子代表を含有するヒトフレームワークライブラリーを利用することができる。次いで、注目する抗原への結合について、得られたコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることができる。このアプローチにより、親抗体への結合活性を維持する関係で完全にヒトフレームワークの最も好都合な組み合わせの選択を可能とすることができる。次いで、ヒト化抗体は、さらに、種々の技術によって最適化することができる。
抗体ヒト化を用いて、マウスまたは他の非ヒト抗体を「完全ヒト」抗体に発展させることができる。得られた抗体は、出発抗体として同様な結合親和性及び特異性を維持しつつ、ヒト配列のみを含有し、マウスまたは非ヒト抗体配列は含有しない。
全長抗体分子では、免疫グロブリン遺伝子は、ハイブリドーマ細胞株のゲノムDNAまたはmRNAから得ることができる。抗体の重鎖及び軽鎖を哺乳動物ベクター系にクローン化する。アセンブリは、二本鎖配列分析で実証されている。抗体構築体は、他のヒトまたは哺乳動物宿主細胞株において発現させることができる。次いで、該構築体は、注目する発現された抗体の一過性トランスフェクションアッセイ及びウエスタンブロット分析によって確証することができる。最高の生産性を持つ安定な細胞株は、迅速なアッセイ方法を用いて単離し、スクリーニングすることができる。
本発明の少なくとも1つの抗GD2抗体は、必要に応じて、当該技術分野でよく知られているように、細胞株、混合細胞株、不滅化細胞または不滅化細胞のクローン集団によって生産することができる。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Ausubel,et al.,ed.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.,NY,N.Y.(1987−2001);Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2.sup.nd Edition,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989);Harlow and Lane,antibodies,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989)。Colligan,et al.,eds.,Current Protocols in Immunology,John Wiley & Sons,Inc.,NY(1994−2001);Colligan et al.,Current Protocols in Protein Science,John Wiley & Sons,NY,N.Y.,(1997−2001)を参照されたい。
1つのアプローチにおいて、ハイブリドーマは、適当な不滅細胞株(例えば、これに限定されるものではないが、Sp2/0、Sp2/0−AG14、NSO、NS1、NS2、AE−1、L.5、>243、P3X63Ag8.653、Sp2SA3、Sp2 MAI、Sp2 SS1、Sp2 SA5、U937、MLA 144、ACT IV、MOLT4、DA−1、JURKAT、WEHI、K−562、COS、RAJI、NIH 3T3、HL−60、MLA 144、NAMAIWA、NEURO 2Aのような骨髄腫細胞株)等、またはヘテロ骨髄腫、その融合生成物、またはそれから由来するいずれかの細胞または融合細胞、または当該技術分野で知られたいずれかの他の適当な細胞株(例えば、www.atcc.org,www.lifetech.com.等を参照されたい)を、これに限定されるものではないが、単離されたかまたはクローン化された脾臓、末梢血液、リンパ、扁桃、または他の免疫またはB細胞含有細胞などの抗体生産細胞と、または内因性または異種核酸いずれかとしての、組換えまたは内因性としての、ウイルス、細菌、海藻、原核生物、両生類、昆虫、爬虫類、魚類、哺乳動物、齧歯類、ウマ、めん羊、ヤギ、ヒツジ、霊長類、真核生物、ゲノムDNA、cDNA、rDNA、ミトコンドリアDNAまたはRNA、葉緑体DNAまたはRNA、hnRNA、mRNA、tRNA、一本鎖、二本鎖または三本鎖のハイブリダイズされた、またはその任意の組み合わせのような、重鎖または軽鎖定常または可変またはフレームワークまたはCDR配列を発現するいずれかの他の細胞と融合させることによって生産される。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Ausubel,上記,及びColligan,Immunology,上記,Chapter 2を参照されたい。
いずれかの他の適当な宿主細胞は、本発明の抗体、特定の断片またはその変異体をコードする異種または内因性核酸を発現するために用いることもできる。融合された細胞(ハイブリドーマ)または組換え細胞は、選択的培養条件または他の適当な公知の方法を用いて単離し、限界希釈法または細胞分類、または他の公知の方法によってクローン化することができる。所望の特異性を持つ抗体を生産する細胞は、適当なアッセイ(例えば、ELISA)によって選択することができる。
本発明の抗体は、少なくとも1つの抗GD2抗体をコードする核酸を用いて調製して、それらの乳中にそのような抗体を生産する、トランスジェニック動物、またはヤギ、ウシ、ウマ、ヒツジ等のような哺乳動物を提供することもできる。そのような動物は、公知の方法を用いて提供することができる。例えば、これに限定されるものではないが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,827,690号;第5,849,992号;第4,873,316号;第5,849,992号;第5,994,616号、第5,565,362号;第5,304,489号を参照されたい。
本発明の抗体は、さらに、そのような抗体、特定の部分または変異体を植物の部分またはそれから培養する細胞において生産するトランスジェニック植物及び培養植物細胞(例えば、これに限定されるものではないが、タバコ及びトウモロコシ)を提供するように少なくとも1つの抗GD2抗体をコードする核酸を用いて調製することができる。非限定例として、組換えタンパク質を発現するトランスジェニックタバコ葉は、例えば、誘導性プロモーターを用いて、大量の組換えタンパク質を提供するために成功裡に用いられている。例えば、Cramer et al.,Curr.Top.Microbol.Immunol.240:95−118(1999)及びその中に引用される参考文献を参照されたい。また、トランスジェニックトウモロコシは、他の組換え系において生産されるかもしくは天然源から精製されるものと同等の生物学的活性を有して、商業生産レベルで哺乳動物タンパク質を発現するために用いられている。例えば、Hood et al.,Adv.Exp.Med.Biol.464:127−147(1999)及びその中に引用される参考文献を参照されたい。抗体はまた、タバコ種子及びジャガイモ塊茎を含む、一本鎖抗体(scFv’s)のような抗体断片を含むトランスジェニック植物種子から大量に生産されている。例えば、Conrad et al.,Plant Mol.Biol.38:101−109(1998)及びその中に引用される参考文献を参照されたい。従って、本発明の抗体は、公知の方法に従って、トランスジェニック植物を用いて生産することもできる。例えば、Fischer et al.,Biotechnol.Appl.Biochem.30:99−108(Oct.,1999),Ma et al.,Trends Biotechnol.13:522−7(1995);Ma et al.,Plant Physiol.109:341−6(1995);Whitelam et al.,Biochem.Soc.Trans.22:940−944(1994);及びその中に引用される参考文献も参照されたい。上記の参考文献の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
抗GD2抗体は、これに限定されるものではないが、タンパク質A精製、タンパク質G精製、硫酸アンモニウムもしくはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンもしくは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー及びレクチンクロマトグラフィーを含む周知の方法によって組換え細胞培養物から回収し、精製することができる。高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)も精製に用いることができる。例えば、各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Colligan,Current Protocols in Immunology、またはCurrent Protocols in Protein Science,John Wiley & Sons,NY,N.Y.,(1997−2001)、例えば、1、4、6、8、9及び10章を参照されたい。
本発明の抗体には、天然で精製される生成物、化学合成法の生成物、ならびに例えば、酵母、高等植物、昆虫及び哺乳動物細胞を含む真核生物宿主から組換え技術により生産される生成物が含まれる。組換え生産手順に用いられる宿主に応じて、本発明の抗体は、グリコシル化されていてもよくまたはグリコシル化されていなくてもよいが、グリコシル化されているのが好ましい。そのような方法は、全て参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Sambrook,上記、17.37−17.42節;Ausubel,上記、10、12、13、16、18及び20章、Colligan,Protein Science,上記、12−14章のような、多数の標準的な実験室マニュアルに記述されている。
精製抗体は、ELISA、ELISPOT、フローサイトメトリー、免疫細胞学、BIACORE(商標)分析、SAPIDYNE KINEXA(商標)反応速度排除分析、SDS−PAGE及びウエスタンブロット法によって、またはHPLC分析ならびに本明細書で開示する多くの他の機能的アッセイによって特徴付けることができる。
典型的な哺乳動物発現ベクターは、mRNAの転写の開始を媒介する少なくとも1つのプロモーター要素、抗体コーディング配列、ならびに転写の終結及び転写生成物のポリアデニル化に必要なシグナルを含有する。追加の要素には、エンハンサー、Kozak配列ならびにRNAスプライシングの供与及び受容部位が隣接する介在配列が含まれる。非常に効率のよい転写は、SV40からの初期及び後期プロモーター、レトロウイルス、例えば、RSV、HTLVI、HIVIからの長い末端反復(LTRS)ならびにサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモーターで得ることができる。しかしながら、細胞要素を用いることもできる(例えば、ヒトアクチンプロモーター)。本発明を実施するために使用する適当な発現ベクターには、例えば、pIRES1neo、pRetro−Off、pRetro−On、PLXSN、またはpLNCX(Clontech Labs,Palo Alto,Calif.)、pcDNA3.1(+/−)、pcDNA/Zeo(+/−)もしくはpcDNA3.1/Hygro(+/−)(Invitrogen)、PSVL及びPMSG(Pharmacia,Uppsala,Sweden)、pRSVcat(ATCC 37152)、pSV2dhfr(ATCC 37146)及びpBC12MI(ATCC 67109)のようなベクターが挙げられる。用いることができる哺乳動物宿主細胞には、ヒトHela 293、H9及びJurkat細胞、マウスNIH3T3及びC127細胞、Cos1、Cos7及びCV1、ウズラQC1−3細胞、マウスL細胞ならびにチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が挙げられる。
あるいは、遺伝子は、染色体に組み込まれた遺伝子を含有する安定な細胞株において発現することができる。DHFR、GPT、ネオマイシン、またはハイグロマイシンのような選択可能なマーカーとの共トランスフェクションは、形質導入した細胞の同定及び単離を可能にする。
形質導入した遺伝子は、大量のコードされた抗体を発現するために増幅することもできる。DHFR(ジヒドロ葉酸還元酵素)マーカーは、数百もしくは数千コピーさえの注目する遺伝子を運ぶ細胞株を開発するのに有用である。別の有用な選択マーカーは、酵素グルタミン合成酵素(GS)(Murphy,et al.,Biochem.J.227:277−279(1991);Bebbington,et al.,Bio/Technology 10:169−175(1992))である。これらのマーカーを用いて、哺乳動物細胞を選択培地において増殖させ、最も高い耐性を有する細胞を選択する。これらの細胞株は、染色体に組み込まれた増幅遺伝子(1つもしくは複数)を含有する。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)及びNSO細胞は、抗体の生産に使用されることが多い。
本発明によれば、抗GD2抗体は、該抗体がGD2に結合する能力を維持する限りは、天然の突然変異もしくはヒト操作のいずれかからの置換、挿入及び欠失を含むありとあらゆる改変が意図されるが、hu3F8V1−E1K、hu3F8V1−D32H、hu3F8V1−G54I;二重突然変異を有するhu3F8V1、例えば、hu3F8V1−E1KD32H、hu3F8V1−E1KG54I、及びhu3F8V1−D32HG54I;三重突然変異を有するhu3F8V1、例えば、hu3F8V1−E1KD32HG54I;hu3F8V5 IgG;単一突然変異を有するhu3F8V5、例えば、hu3F8V5−E1K、hu3F8V5−D32H、hu3F8V5−G54I;二重突然変異を有するhu3F8V5、例えば、hu3F8V5−E1KD32H、hu3F8V5−E1KG54I、及びhu3F8V5−D32HG54I;及び三重突然変異を有するhu3F8V5 IgG、例えば、hu3F8V5−E1KD32HG54I抗体、または、可変領域またはCDRが、hu3F8V1−E1K、hu3F8V1−D32H、hu3F8V1−G54Iのいずれか1つに由来する抗体;二重突然変異を有するhu3F8V1、例えば、hu3F8V1−E1KD32H、hu3F8V1−E1KG54I、及びhu3F8V1−D32HG54I;三重突然変異を有するhu3F8V1、例えば、hu3F8V1−E1KD32HG54I;hu3F8V5 IgG;単一突然変異を有するhu3F8V5、例えば、hu3F8V5−E1K、hu3F8V5−D32H、hu3F8V5−G54I;二重突然変異を有するhu3F8V5、例えば、hu3F8V5−E1KD32H、hu3F8V5−E1KG54I、及びhu3F8V5−D32HG54I;ならびに三重突然変異を有するhu3F8V5、例えば、hu3F8V5−E1KD32HG54I抗体のいずれか1つを含み、該抗体のフレームワーク及び定常領域は、1つまたは複数のヒト抗体から得られる。抗体から得られる可変領域またはCDRは、好ましくは、hu3F8V1−E1K、hu3F8V1−D32H、hu3F8V1−G54I;二重突然変異を有するhu3F8V1、例えば、hu3F8V1−E1KD32H、hu3F8V1−E1KG54I、及びhu3F8V1−D32HG54I;三重突然変異を有するhu3F8V1、例えば、hu3F8V1−E1KD32HG54I;hu3F8V5;単一突然変異を有するhu3F8V5、例えば、hu3F8V5−E1K、hu3F8V5−D32H、hu3F8V5−G54I;二重突然変異を有するhu3F8V5、例えば、hu3F8V5−E1KD32H、hu3F8V5−E1KG54I、及びhu3F8V5−D32HG54I;ならびに三重突然変異を有するhu3F8V5、例えば、hu3F8V5−E1KD32HG54Iのいずれか1つの可変領域またはCDRと約90%〜約100%の同一性を有する。ヒト抗体から得られるキメラ、ヒト化またはCDRグラフト化抗体の領域は、ヒト抗体と100%の同一性を有する必要は無い。好ましい実施形態において、免疫原性が無視し得る程度であるようにできるだけ多くのヒトアミノ酸残基が保持されるが、ヒト残基、特にフレームワーク領域の残基は、必要に応じて、かつ、本発明に従って以下に教示するように置換される。本明細書に開示されているそのような改変は、同時に抗体のヒト化を最大にしながらCDRにより形成される抗原結合部位をサポートするのに必要である。
本明細書中に記載された配列と実質的に同じであるアミノ酸配列には、保存的アミノ酸置換、ならびにアミノ酸欠失及び/または挿入を含む配列が含まれる。保存的アミノ酸置換とは、第1のアミノ酸のものと同様である化学的及び/または物理的性質(例えば、電荷、構造、極性、疎水性/親水性)を有する第2のアミノ酸による第1のアミノ酸の置換のことを言う。保存的置換には、あるアミノ酸の以下の群内の別のものによる置換が含まれる:リシン(K)、アルギニン(R)及びヒスチジン(H);アスパルテート(D)及びグルタメート(E);アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、チロシン(Y)、K、R、H、D及びE;アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、システイン(C)及びグリシン(G);F、W及びY;C、S及びT。
もちろん、当業者が行うアミノ酸置換の数は、上記のものを含む多数の因子によって決まる。一般的に言えば、任意の所与の抗GD2抗体断片または変異体のアミノ酸置換、挿入または欠失の数は、本明細書において特定するように、1〜30またはその中の任意の範囲もしくは値のような、40、30、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1より多くない。
機能にとって必須である本発明の抗GD2抗体におけるアミノ酸は、部位特異的突然変異誘発もしくはアラニンスキャニング突然変異誘発(例えば、Ausubel,上記,8,15章;Cunningham and Wells,Science 244:1081−1085(1989))のような、当該技術分野で知られた方法により同定することができる。後者の手順は、分子におけるあらゆる残基で単一のアラニン突然変異を導入する。次いで、得られた突然変異体分子を、これに限定されるものではないが、少なくともGD2に結合するような生物学的活性について試験する。抗体結合にとって重要である部位は、結晶化、核磁気共鳴もしくは光親和性ラベリングのような構造解析により同定することもできる(Smith,et al.,J.Mol.Biol.224:899−904(1992)及びde Vos,et al.,Science 255:306−312(1992))。
抗GD2抗体は、さらに、必要に応じて、本明細書中に記載された配列番号の少なくとも1つに由来するCDRの連続するアミノ酸の70〜100%の少なくとも1つのポリペプチドを含むことができる。
1つの実施形態において、免疫グロブリン鎖またはその一部(例えば、可変領域、CDR)のアミノ酸配列は、表1〜4における配列の少なくとも1つのアミノ酸配列に対して約70〜100%の同一性(例えば、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100またはその中の任意の範囲もしくは値)を有する。
典型的な重鎖及び軽鎖可変領域配列を本明細書中で提供する。本発明の抗体、またはその特定の変異体は、本発明の抗体からの任意の数の連続するアミノ酸残基を含むことができ、この数は、抗GD2抗体における連続する残基の数の10〜100%から成る整数の群から選択される。必要に応じて、連続するアミノ酸のこのサブ配列は、長さが少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250もしくはそれ以上のアミノ酸、またはその中の任意の範囲もしくは値である。さらに、そのようなサブ配列の数は、少なくとも2、3、4、または5のような、1〜20から成る群から選択される任意の整数であってもよい。
本発明によれば、核酸配列は、配列番号32〜45に記載され、抗GD2抗体の推定アミノ酸配列は、配列番号1〜31に記載される。重鎖及び軽鎖可変領域の各々は、結合して抗原結合部位を形成する3つのCDRを含有する。3つのCDRは、CDRをサポートするために主に機能する4つのフレームワーク領域により囲まれている。重鎖及び軽鎖の可変領域の配列内のCDRの配列は、Sequence of Proteins of Immunological Interest,4th ed.,United States Department of Health and Human Services,U.S.Government Printing Office,Washington,D.C.におけるKabat et al.(1987)によるコンピューターを使ったアラインメントにより、または、例えば、Levitt(1983)J.Mol.Biol.168:595により記載されているようなENCADプログラムを利用する、可変領域の分子モデリングによって同定することができる。
本発明のヒト化抗体、断片及び領域の定常(C)領域をコードするヒト遺伝子は、公知の方法により、ヒト胎児肝臓ライブラリーから得ることができる。ヒトC領域遺伝子は、ヒト免疫グロブリンを発現し生産するものを含む任意のヒト細胞から得ることができる。ヒトCH領域は、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、イプシロン、及びG1、G2、G3及びG4のような、そのサブタイプを含む、ヒトH鎖の公知のクラスもしくはアイソタイプのいずれかから得ることができる。H鎖アイソタイプは、抗体の種々のエフェクター機能をもたらすので、CH領域の選択は、補体結合、または抗体依存性細胞傷害(ADCC)における活性のような、所望のエフェクター機能により導かれる。好ましくは、CH領域はガンマ1(IgG1)またはガンマ4(IgG4)から得られる。
ヒトCL領域は、ヒトL鎖アイソタイプ、カッパまたはラムダのいずれか、好ましくはカッパから得ることができる。
ヒト免疫グロブリンC領域をコードする遺伝子は、標準的なクローニング技術(Sambrook,et al.(Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989)及びAusubel et al,eds.Current Protocols in Molecular Biology(1987−1993))によりヒト細胞から得られる。ヒトC領域遺伝子は、L鎖の2つのクラス、H鎖の5つのクラス及びそのサブクラスに相当する遺伝子を含有する公知のクローンから容易に入手可能である。
抗体の可変領域の配列は、キメラ抗体がヒトGD2に結合する能力を維持する範囲で挿入、置換及び欠失により改変することができる。当業者は、以下に説明する機能的アッセイを行うことによって、この活性の維持を確かめることができる。可変領域は、例えば、以下で同定された可変領域に約50%〜約100%の相同性を有することができる。抗体の可変領域は、以下で同定された可変領域に約80%〜約100%の相同性を有する。より好ましい実施形態において、可変領域は、以下で同定された可変領域に約90%〜約100%の相同性を有する。
1つの特定の態様において、本開示の好ましい抗GD2 Mabは、本明細書で同定された配列に95%、96%、97%、98%または99%のアミノ酸配列相同性を有する可変軽鎖領域を含み、本明細書で同定された配列に95%、96%、97%、98%または99%のアミノ酸配列相同性を有する可変重鎖領域をさらに含む。
好ましくは、本発明の抗体、または抗体の抗原結合断片、またはその特定の部分もしくは変異体は、ヒトGD2に結合するため、1つのGD2タンパク質または断片を部分的にまたは実質的に中和し、GD2を介して媒介される活性を阻害する。本明細書中で用いられるように、用語「中和抗体」とは、GD2依存性活性をアッセイに応じて約20〜120%、好ましくは、少なくとも約10、20、30、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%またはそれ以上阻害することができる抗体のことを言う。GD2依存性活性を阻害する抗GD2抗体の能力は、好ましくは、本明細書中に記載されているように、及び/または当該技術分野で知られているように、少なくとも1つの適当なアッセイにより評価する。
記述するように、本発明は、本明細書中に記載されたアミノ酸配列と実質的に同じである配列中のアミノ酸を含む抗体、抗原結合断片、免疫グロブリン鎖及びCDRにも関する。そのような抗GD2抗体は、本明細書において特定するように、天然の突然変異またはヒト操作のいずれかから、1つまたは複数のアミノ酸置換、欠失もしくは付加を含むことができる。好ましくは、そのような抗体または抗原結合断片及びそのような鎖もしくはCDRを含む抗体は、高い親和性でヒトGD2に結合することができる。
当業者であれば、本発明には、本発明の少なくとも1つの生物学的に活性な抗体が含まれることが理解されるであろう。生物学的に活性な抗体は、天然の(非合成の)、内因性または関連している公知の抗体のものの少なくとも20%、30%、または40%、好ましくは、少なくとも50%、60%、または70%、最も好ましくは、少なくとも80%、90%、または95%〜100%の比活性を有する。酵素活性及び基質特異性の指標をアッセイ及び定量する方法は、当業者に周知である。
別の態様において、本発明は、有機部分の共有結合により改変される、本明細書中に記載されたようなヒト抗体及び抗原結合断片に関する。そのような改変は、改善された薬物動態性質(例えば、増大したin vivo血清半減期)を有する抗体または抗原結合断片を生産することができる。有機部分は、線状または分枝状の親水性ポリマー基、脂肪酸基、または脂肪酸エステル基であってもよい。特定の実施形態において、親水性ポリマー基は、約800〜約120,000ダルトンの分子量を有することができ、ポリアルカングリコール(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG))、炭水化物ポリマー、アミノ酸ポリマーまたはポリビニルピロリドンであってもよく、脂肪酸または脂肪酸エステル基は、約8〜約40個の炭素原子を含んでいてもよい。
本発明の修飾抗体及び抗原結合断片は、抗体に直接的もしくは間接的に共有結合している1つまたは複数の有機部分を含むことができる。本発明の抗体または抗原結合断片に結合している各有機部分は、独立して、親水性ポリマー基、脂肪酸基または脂肪酸エステル基であってもよい。本明細書中で用いられるように、用語「脂肪酸」とは、モノカルボン酸及びジカルボン酸を包含する。「親水性ポリマー基」は、該用語を本明細書において用いる場合、オクタンよりも水に可溶性である有機ポリマー、例えば、ポリリシンのことを言う。従って、ポリリシンの共有結合により改変された抗体は、本発明に包含される。本発明の抗体を改変するのに適当な親水性ポリマーは、線状もしくは分枝状であってもよく、例えば、ポリアルカングリコール(例えば、PEG、モノメトキシ−ポリエチレングリコール(mPEG)、PPG等)、炭水化物(例えば、デキストラン、セルロース、オリゴ糖、多糖など)、親水性アミノ酸のポリマー(例えば、ポリリシン、ポリアルギニン、ポリアスパルテートなど)、ポリアルカンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなど)及びポリビニルピロリドンが挙げられる。好ましくは、本発明の抗体を改変する親水性ポリマーは、別個の分子実体として約800〜約150,000ダルトンの分子量を有する。例えば、PEG5000及びPEG20,000(下付き文字は、ダルトン単位のポリマーの平均分子量である)を用いることができる。親水性ポリマー基は、1〜約6個のアルキル、脂肪酸または脂肪酸エステル基で置換することができる。脂肪酸または脂肪酸エステル基で置換される親水性ポリマーは、適当な方法を用いることにより調製することができる。例えば、アミン基を含むポリマーは、脂肪酸または脂肪酸エステルのカルボキシレートに連結させることができ、脂肪酸または脂肪酸エステル上の活性化カルボキシレート(例えば、N,N−カルボニルジイミダゾールで活性化する)は、ポリマー上のヒドロキシル基に連結させることができる。
本発明の抗体を改変するのに適当な脂肪酸及び脂肪酸エステルは、飽和していてもよく、または1つまたは複数の単位の不飽和を含有していてもよい。本発明の抗体を改変するのに適当な脂肪酸としては、例えば、n−ドデカノエート、n−テトラデカノエート、n−オクタデカノエート、n−エイコサノエート、n−ドコサノエート、n−トリアコンタノエート、n−テトラコンタノエート、シス−Δ9−オクタデカノエート、全てのシス−Δ5,8,11,14−エイコサテトラエノエート、オクタン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、ドコサン二酸などが挙げられる。適当な脂肪酸エステルには、線状または分枝状の低級アルキル基を含むジカルボン酸のモノエステルが含まれる。低級アルキル基は、1〜約12個、好ましくは、1〜約6個の炭素原子を含むことができる。
改変されたヒト抗体及び抗原結合断片は、1つまたは複数の改変剤との反応によるなど、適当な方法を用いて製造することができる。「改変剤」は、該用語を本明細書において用いる場合、活性化基を含む適当な有機基(例えば、親水性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)のことを言う。「活性化基」は、適切な条件下で、第2の化学基と反応し、それにより改変剤と第2の化学基との間で共有結合を形成することができる化学的部分もしくは官能基である。例えば、アミン反応性活性化基としては、トシレート、メシレート、ハロ(クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード)、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(NHS)などのような求電子基が挙げられる。チオールと反応することができる活性化基には、例えば、マレイミド、ヨードアセチル、アクリロリル、ピリジルジスルフィド、5−チオール−2−ニトロ安息香酸チオール(TNB−チオール)などが挙げられる。アルデヒド官能基は、アミンもしくはヒドラジドを含有する分子に連結することができ、アジド基は3価のリン基と反応してホスホルアミデートもしくはホスホルイミド結合を形成することができる。分子に活性化基を導入する適当な方法は、当該技術分野で知られている(例えば、Hernanson,G.T.,Bioconjugate Techniques,Academic Press:San Diego,CA(1996)を参照されたい)。活性化基は、有機基(例えば、親水性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)に直接、もしくはリンカー部分、例えば2価のC1〜C12基(ここで、1つまたは複数の炭素原子は、酸素、窒素もしくは硫黄のようなヘテロ原子で置換することができる)を介して結合することができる。適当なリンカー部分には、数例を挙げると、例えば、テトラエチレングリコール、−(CH2)3−、−NH−が含まれる。リンカー部分を含む改変剤は、例えば、モノ−Boc−アルキルジアミン(例えば、モノ−Boc−エチレンジアミン、モノ−Boc−ジアミノヘキサン)を1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)の存在下で脂肪酸と反応させて遊離アミンと脂肪酸カルボキシレートとの間でアミド結合を生成させることにより調製することができる。Boc保護基をトリフルオロ酢酸(TFA)で処理することで生成物から除去して第1級アミンを露出することができ、それを記述されているように別のカルボキシレートに連結することができ、もしくは無水マレイン酸と反応させて得られた生成物を環化して脂肪酸の活性化マレイミド誘導体を生成することができる(例えば、Thompson,et al.,WO92/16221を参照されたい、この全教示は、引用することにより本明細書に組み込まれる)。
本発明の改変された抗体は、ヒト抗体もしくは抗原結合断片を改変剤と反応させることにより調製することができる。例えば、有機部分は、アミン反応性改変剤、例えば、PEGのNHSエステルを用いることにより非部位特異的に抗体に結合することができる。改変されたヒト抗体もしくは抗原結合断片は、抗体もしくは抗原結合断片のジスルフィド結合(例えば、鎖内ジスルフィド結合)を還元することにより調製することもできる。次いで、還元した抗体もしくは抗原結合断片は、チオール反応性改変剤と反応させて本発明の改変された抗体を生産することができる。本発明の抗体の特定の部位に結合している有機部分を含む改変されたヒト抗体及び抗原結合断片は、逆タンパク質分解(Fisch et al.,Bioconjugate Chem.,3:147−153(1992);Werlen et al.,Bioconjugate Chem.,5:411−417(1994);Kumaran et al.,Protein Sci.6(10):2233−2241(1997);Itoh et al.,Bioorg.Chem.,24(1):59−68(1996);Capellas et al.,Biotechnol.Bioeng.,56(4):456−463(1997))、及びHermanson,G.T.,Bioconjugate Techniques,Academic Press:San Diego,CA(1996)に記述されている方法のような適当な方法を用いて製造することができる。
本発明の抗体は、以下に示すように、広範囲の親和性(KD)でヒトGD2に結合することができる。
抗原に対する抗体の親和性もしくはアビディティーは、任意の適当な方法を用いて実験的に決定することができる。(例えば、Berzofsky,et al.,“Antibody−Antigen Interactions,”In Fundamental Immunology,Paul,W.E.,Ed.,Raven Press:New York,NY(1984);Kuby,Janis Immunology,W.H.Freeman and Company:New York,NY(1992);及び本明細書中に記載された方法を参照されたい。)特定の抗体−抗原相互作用の測定される親和性は、異なる条件下(例えば、塩濃度、pH)で測定する場合に異なり得る。従って、親和性及び他の抗原結合パラメータの測定は、好ましくは、抗体及び抗原の標準化溶液、ならびに本明細書中に記載された緩衝剤のような標準化緩衝剤で行う。
本発明の方法及び組成物において有用な抗GD2抗体は、GD2への結合、及び好ましくは、低い毒性を有することにより特徴付けられる。特に、可変領域、定常領域及びフレームワークのような個々の成分が、個々に及び/または集合的に、必要に応じて、好ましくは低い免疫原性を有する、本発明の抗体、特定の断片もしくは変異体は、本発明において有用である。本発明に用いることができる抗体は、必要に応じて、症状の測定可能な軽減及び低い及び/または許容し得る毒性で長期間にわたって患者を治療する能力により特徴付けられる。低いもしくは許容し得る免疫原性及び/または高い親和性、ならびに他の適当な性質は、得られる治療結果に寄与することができる。「低い免疫原性」は、処置する患者の約75%未満、もしくは好ましくは、約50%未満において有意なHAHA、HACAもしくはHAMA応答を引き起こすこと、及び/または処置する患者において低い力価をもたらすこと(Elliott et al.,Lancet 344:1125−1127(1994)、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)と本明細書において定義する。
少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有するモノクローナル、ヒト化、抗体である二重特異性、ヘテロ特異性、ヘテロコンジュゲートもしくは同様の抗体もまた用いることができる。本発明の場合、結合特異性の一方は、少なくとも1つのGD2タンパク質に対してであり、もう一方は、任意の他の抗原に対してである。二重特異性抗体を製造する方法は、当該技術分野で知られている。従来、二重特異性抗体の組換え生産は、2本の重鎖が異なる特異性を有する、2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の共発現に基づいている(Milstein and Cuello,Nature 305:537(1983))。免疫グロブリン重鎖及び軽鎖の任意の組み合わせのために、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は、10種の異なる抗体分子の潜在的混合物を生成し、これらのうち1種のみが、正しい二重特異性構造を有する。通常は親和性クロマトグラフィー工程によって行われる、正しい分子の精製は、かなり面倒であり、生成物収量は低い。同様の方法は、例えば、各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、WO93/08829、米国特許第6,210,668号、第6,193,967号、第6,132,992号、第6,106,833号、第6,060,285号、第6,037,453号、第6,010,902号、第5,989,530号、第5,959,084号、第5,959,083号、第5,932,448号、第5,833,985号、第5,821,333号、第5,807,706号、第5,643,759号、第5,601,819号、第5,582,996号、第5,496,549号、第4,676,980号、WO91/00360、WO92/00373、EP03089、Traunecker et al.,EMBO J.10:3655(1991)、Suresh et al.,Methods in Enzymology 121:210(1986);Chan and Carter,2010,Nature Rev.10,301−316;Weiner et al.,2010,Nature Rev.10,317−327に開示されている。
ある実施形態において、GD2に結合する抗体は、コンジュゲートされていない形態で用いることができる。GD2に結合する抗体は、例えば、検出可能な標識、ドラッグ、プロドラッグもしくはアイソトープにコンジュゲートしていてもよい。
以下により詳細に説明する本発明の特定の方法、例えば、腫瘍細胞の転移能の尺度として、もしくは組織中のin situ癌腫(例えば、DCISまたはLCIS)を同定する手段として細胞または組織中のGD2発現を検出する方法において、抗GD2抗体を1つまたは複数の検出可能な標識にコンジュゲートする。そのような使用において、抗体は、発色性、酵素、放射性同位体、同位体、蛍光、毒素、化学発光、核磁気共鳴造影剤または他の標識の共有結合または非共有結合で検出可能に標識してよい。
適当な発色標識の例としては、ジアミノベンジジン及び4−ヒドロキシアゾ−ベンゼン−2−カルボン酸が挙げられる。
適当な酵素標識の例としては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、Δ−5−ステロイドイソメラーゼ、酵母−アルコールデヒドロゲナーゼ、α−グリセロールリン酸デヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼ、及びアセチルコリンエステラーゼが挙げられる。
適当な放射性同位体標識の例としては、3H、111In、1251、1311、32P、35S、14C、51Cr、57To、58Co、59Fe、75Se、152Eu、90Y、67Cu、217Ci、211At、212Pb、47Sc、109Pdなどが挙げられる。111Inは、125Iまたは131Iで標識したGD2−結合抗体の肝臓による脱ハロゲン化を回避するので、in vivoでの画像化を使用する場合に好ましいアイソトープである。加えて、この放射性ヌクレオチドは、画像化のためにより好ましいガンマ放出エネルギーを有する(Perkins et al.,Eur.J.Nucl.Med.70:296−301,1985)、Carasquillo et al.,J.Nucl.Med.28:281−287,1987)。例えば、1−(P−イソチオシアネートベンジル)−DPTAを用いてモノクローナル抗体に連結した111Inは、非腫瘍性組織、特に肝臓における取り込みをほとんど示さず、従って、腫瘍局在化の特異性を増強させる(Esteban et al.,J.Nucl.Med.28:861−870,1987))。
適当な非放射性同位体標識の例としては、157Gd、55Mn、162Dy、52Tr、及び56Feが挙げられる。
適当な蛍光標識の例としては、152Eu標識、フルオレセイン標識、イソチオシアネート標識、ローダミン標識、フィコエリトリン標識、フィコシアニン標識、アロフィコシアニン標識、緑色蛍光タンパク質(GFP)標識、o−フタルアルデヒド標識、及びフルオレサミン標識が挙げられる。
適当な毒素標識の例としては、ジフテリア毒素、リシン、及びコレラ毒素が挙げられる。
化学発光標識の例としては、ルミノール標識、イソルミノール標識、芳香族アクリジニウムエステル標識、イミダゾール標識、アクリジニウム塩標識、シュウ酸エステル標識、ルシフェリン標識、ルシフェラーゼ標識、及びエクオリン標識が挙げられる。
核磁気共鳴造影剤の例としては、Gd、Mn、及びFeなどの重金属核が挙げられる。
上述の標識を抗体に結合するための典型的な技術は、Kennedy et al.,Clin.CMm.Acta 70:1−31,1976,及びSchurs et al.,Clin.CMm.Acta 81:1−40,1977により提供される。後者において言及される連結技術は、グルタルアルデヒド法、過ヨウ素酸法、ジマレイミド法、m−マレイミドベンジル−N−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル法である。それらの方法は全て、参照により本明細書に組み込まれる。
手術後の残存腫瘍細胞の焼灼、または転移の防止のような本発明の特定の治療アプローチにおいて使用するために、抗GD2抗体は、1つまたは複数の薬物、プロドラッグまたは同位体にコンジュゲートすることができる。好ましいそのようなコンジュゲートは、1つまたは複数の細胞毒性剤にコンジュゲートした、GD2に結合する1つまたは複数のリガンド、例えば、1つまたは複数の抗体または断片、誘導体または変異体を含み;そのようなコンジュゲートは、本発明によって提供される腫瘍の転移の治療及び防止の方法において有用である。本発明の特定のそのような実施形態によれば、抗GD2抗体は、細胞毒性剤にコンジュゲートされる。抗GD2抗体−細胞毒性剤コンジュゲートの生成において有用な細胞毒性剤、例えば、化学療法剤は、当該技術分野でよく知られており、限定されるものではないが、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、パクリタキセル、メルファラン、ドキソルビシン、メトトレキサート、5−フルオロウラシル、エトポシド、メクロレタミン、シクロホスファミド、ブレオマイシン、微小管毒物、及びアノナセオスアセトゲニンが挙げられる。本発明のこの態様による使用に適当な他の化学療法剤は、周知であり、当業者の知る通りである。
1つまたは複数の抗GD2抗体と、カリケアマイシン、メイタンシン(米国特許第5,208,020号)、トリコテン及びCC1065などの1つまたは複数の低分子毒素のコンジュゲートの使用も本明細書において意図される。本発明の1つの実施形態において、抗GD2抗体は、1つまたは複数のメイタンシン分子にコンジュゲートしている(例えば、抗GD2抗体当たり約1〜約10メイタンシン分子)。メイタンシンは、例えば、メイタンシノイド−抗GD2抗体コンジュゲートを生成するために、May−SH3に還元されて改変された抗GD2抗体(Chari et al.Cancer Research 52:127−131(1992))と反応し得る、May−SS−Meに変換され得る。
あるいは、抗GD2抗体は、1つまたは複数のカリケアマイシン分子にコンジュゲートしていてもよい。抗生物質のカリケアマイシンファミリーは、ピコモル濃度未満の濃度において二本鎖DNA開裂を生じることができる。使用され得るカリケアマイシンの構造的類似体は、(Hinman et al.Cancer Research 53:3336−3342(1993)、及びLode et al.Cancer Research 58:2925−2928(1998))。
1つまたは複数の抗GD2抗体とのコンジュゲートを生成するのに使用され得る酵素的に活性な毒素及びその断片には、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、外毒素A鎖(緑膿菌由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ−サルシン、シナアブラギリタンパク質、ジアンチンタンパク質、フィトラカ・アメリカナタンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP−S)、ゴーヤー阻害剤、クルシン、クロチン、サボンソウ阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン及びトリコテセンが含まれる。例えば、1993年10月28日に英語で公開されたWO93/21232を参照されたい。本開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。メイタンシノイドは、1つまたは複数の抗GD2抗体にコンジュゲートしていてもよい。
本発明は、さらに、核酸分解活性を有する化合物{例えば、リボヌクレアーゼまたはデオキシリボヌクレアーゼ;DNaseなどのDNAエンドヌクレアーゼ)でコンジュゲートされた抗GD2抗体についても意図する。
例示代替形式
いくつか特定の実施形態において、本発明の抗GD2抗体剤、またはその配列は、多重特異性(例えば、二重特異性)形式で利用される。いくつかの実施形態において、二重特異性MoAbは、二重可変ドメインから成り、一方のドメインは、抗3F8可変ドメインを有し、他方のドメインは、腫瘍細胞傷害性のT細胞を再標的化する抗OKT3、またはDOTA−金属、多段階プレ標的化用C8.2.5、またはアゴニストとして抗41BB−scFvまたはCD137を持つADCCのクローン35、CD137、またはアゴニストとして41BBLを持つADCの41BBLから成る群から選択される。CH2ドメインにおけるN297A突然変異は、非グリコシル化をもたらし、FcRまたはC1q非結合につながる。リンカー及びスペーサーを持つ(hu3F8V1−scFv)−(huOKT3−scFv)のアミノ酸配列は、配列番号29に示し、スペーサーを持たない(hu3F8V1−scFv)−(huOKT3−scFv)のアミノ酸配列は、配列番号30に示す。(Orcutt et al.,2010,Protein Eng Design and Selection 23,221に基づく)(hu3F8V1 scFv)−(C8.2.5−scFv)のアミノ酸配列は、配列番号31に示す。
二重特異性抗体(抗GD2及び抗DOTA)は、多段階プレ標的化の第1段階で使用することができ、除去剤としてDOTA(金属)−デキストランを用いた血液クリアランスの後、第3段階で、DOTA(金属)−放射活性金属、DOTA(金属)−ナノ粒子、DOTA(金属)−リポソーム、DOTA(金属)−薬物、DOTA(金属)−DNA、DOTA(金属)−RNA、及びDOTA(金属)−毒素などのDOTA(金属)−コンジュゲート治療を導入する。
C8.2.5は、各タイプのDOTA−金属複合体に対して異なる親和性を持つため、除去剤用にプレ標的化されたC8.2.5とDOTA−リガンドとの親和性は正確に制御することができる。
本明細書に示されるhu3F8のアミノ酸配列及びその変異体は、他の抗GD2抗体に対して先に示したように、キメラ抗原受容体(CAR)の構築に用いることができる(Krause et al.,1998,J Exp Med 188,619−626)。免疫エフェクター細胞を再標的化するCAR戦略は、MHC−ペプチド−TCR相互作用と無関係であるため、多種多様の細胞表面抗原に対して細胞を反応させることができる(Davies and Maher,2010,Achivum immunologiae et therapiae experimentalis 58,165−178)。CARの設計にはいくつかの方法が用いられており、そのほとんどが、抗原認識用の一本鎖可変断片(scFv)の形態でモノクローナル抗体の抗原結合ドメインを用いる。初期T細胞活性化受容体は、研究から生じたため、研究者らは、CD3ζ鎖の役割を解明することができた(Irving and Weiss,1991,Cell 64,891−901;Romeo et al.,1992,Cell 68,889−897)。その後の研究で、注目するscFvをCD3ζ鎖(Eshhar et al.,1993,PNAS USA 90,720−724)またはFcεRIγ(Weijtens et al.,1996,J Immunol 157,836−843)に融合させ、両方ともT細胞活性化に十分であることが分かった。これは、CAR構築物の青写真であったが、第1世代CARが、2〜3回の細胞分裂でT細胞増殖を誘導した後、迅速な細胞の死滅をもたらすことが可能だと分かった後、共刺激分子の取り込みが起こった(Gong et al.,1999,Neoplasia 1,123−127)。標的腫瘍細胞上にCD80を発現させることで、研究者らは、CAR発現細胞を再刺激してT細胞数をさらに増加させることができることを示した。CD3ζ鎖と平行してCD28共刺激分子を取り込んだ最初のCARは、CD3ζ鎖のみを発現したものよりも大幅な改善を示した(Krause et al.,1998,上記;Haynes et al.,2002,Blood 100,3155−3163;Maher et al.,2002,Nature Biotech 20,70−75);これは、T細胞数の絶対的増加ならびにIL−2産生の増加を含んだ。次いで、いくつかの他の群が、CD3ζのみと組み合わせかもしくはCD3ζ及びCD28両方との組み合わせのいずれかで他の共刺激分子を使用し始めた。これらの追加のシグナル伝達分子には、4−1BB(Wang et al. ,2007,Human Gene Ther 18,712−725;Brentjens et al.,2007、Clin Cncer Res 13,5426−5432;Imai et al.,2004,Leukemia 18,676−684;Finney et al.,2004,J Immunol 172,104−113)、DAP10(Brentjens et al.,2007,上記)、OX40(Brentjens et al.,2007,上記;Finney et al.,2004,上記;Wilkie et al.,2008、J Immunol 180,4901−4909;Nguyen and Geiger,2003,Gene Therapy 10,594−604;Pule et al.,2005,Mol Ther 12,933−941)及びICOS(Finney et al.,2004,上記)、ならびにT細胞及びNK細胞との関係での適用されたもの(Daldrup−Link et al.,2005,Eropean radiology 15,4−13;Imai and Campana,2004,J Biol Reg Homeostatic Ag 18,62−71;Roberts et al.,1998,J Immunol 375−384;Kruschinski et al.,2008,PNAS USA 105,17481−17486;Pegram et al.,2008,J Immunol 181,3449−3455)が含まれる。第1世代CARが、現時点で臨床試験されている唯一のものであるが、in vitro比較及びin vivo比較により、第2及び第3世代CARよりも明確な優秀性が実証されている(Haynes et al.,2002,上記;Brentjens et al.,2007,上記;Teng et al.,2004,Human Gene Ther 15,699−708;Haynes et al.,2002,J Immunol 169,5780−5786;Kowolik et al.,2006,Cancer Res 66,10995−11004;Loskog et al.,2006,Leukemia 20,1819−1928;Moeller et al.,2004、Cancer Gene Therapy 11,371−379;Vera et al.,2006,Blood 108,3890−3897)。
現在、ほとんどの研究者らは、バルクヒト末梢T細胞を用いるが、他の研究者らは、近年、EBV特異的T細胞(Rossig et al.,2002,Blood 99,2009−2016)、リンパ前駆細胞(Zakrzewski et al.,2006,Nature Med 12,1039−1047;Zakrzewski et al.,2008,Nature Biotech 26,453−461)、及び非分画骨髄細胞(Papapetrou et al.,2009,J clin Invest 119,157−168;Wang et al.,1998,Nature Med 4,168−172)を使用し始めている。細胞溶解性でありかつ培養しやすいキラー白血病細胞株(例えば、NK92、NK92MI、KHYG−1)により、CAR発現エフェクター細胞を臨床前試験及び臨床試験用に継続的に供給することもできる。NK92MIは、非ホジキンリンパ腫由来かつヒトIL−2 cDNAで形質導入したヒトNK細胞株であり;マウスモデルにおける強力な細胞毒性能力が先の研究により実証されている(Tam et al.,1999,J Hematol 8,281−290;Korbelik and Sun,2001,Inter J Cancer 93,269−274)。加えて、NK92細胞は、臨床設定においても使用されており、多数のフェーズI研究により腎細胞癌腫及び黒色腫を有する患者にとって安全だと証明されている(Arai et al.,2008,Cytotherapy 10,625−632)。in vitroでのメンテナンスがしやすいことや倍増時間が比較的短いため、これらの細胞は、種々の標的アプローチを試験するための種々の細胞毒性アッセイの理想的なエフェクターである。起源IL−2依存性NK92細胞株を用いた研究では、マウス及びヒトの双方において最小の毒性を示したが、IL−2形質導入NK92MI細胞は、白血病誘発の可能性が高い場合がある。研究者らがNK92細胞を用いてSCIDマウスにおける白血病誘発を回避しようとしている1つの方法は、接種前にエフェクターに3000cGyを照射することである。フェーズI臨床試験では、これは、免疫不全の患者内でNK92MI細胞が無制限に増殖することを防止するのに十分である。別の安全なメカニズムは、自殺遺伝子の使用を伴うものである。1つの一般的な例は、ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子を使用することであり、アシクロビルまたはガンシクロビルの投与により該遺伝子を発現する細胞を殺傷することによって作用する(Helene et al.,1997,J Immunol 5079−5082)。
核酸
本発明のMoAbの重鎖及び軽鎖可変領域のヌクレオチド及びアミノ酸配列について本出願に記載する。本発明は、さらに、本発明の抗体及びその断片をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供する。本発明は、ストリンジェント条件下または低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下で、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドも包含する。
ポリヌクレオチドは、当該技術分野で知られている任意の方法で得ることができる。例えば、抗体のヌクレオチド配列は公知であるため、抗体をコードするポリヌクレオチドは、化学的に合成されたオリゴヌクレオチドから(例えば、Kutmeier et al.,BioTechniques 17:242(1994)に記載されるように)組み立てることができ、それは、簡潔に言えば、抗体をコードする配列の部分を含むオーバーラップオリゴヌクレオチドの合成、該オリゴヌクレオチドのアニーリング及び連結、及び連結されたオリゴヌクレオチドのPCRによる増幅を伴う。
あるいは、抗体をコードするポリヌクレオチドを、適当な供給源由来の核酸から作製することができる。特定の抗体をコードする核酸を含むクローンが入手できないが、抗体分子の配列が公知である場合、免疫グロブリンをコードする核酸は、化学的に合成してもよいし、あるいは適当な供給源(例えば、抗体cDNAライブラリー、または抗体を発現する任意の組織または細胞、例えば、本発明の抗体を発現するように選択されるハイブリドーマ細胞から作製されたcDNAライブラリー、またはそれらから単離された核酸、好ましくは、ポリA+RNA)から、配列の3’及び5’末端にハイブリダイズ可能な合成プライマーを使用するPCR増幅によって、または、例えば、抗体をコードするcDNAライブラリーからcDNAクローンを同定するための特定の遺伝子配列に対して特異的なオリゴヌクレオチドプローブを使用するクローニングによって得てもよい。PCRによって作製された増幅核酸は、当技術分野で周知の任意の方法を使用して複製可能なクローニングベクターにクローニングすることができる。
抗体のヌクレオチド配列及び対応するアミノ酸配列が決定されるため、ヌクレオチド配列の操作のための当該技術分野で周知の方法、例えば、組換えDNA技術、部位特異的突然変異誘発、PCRなど(例えば、Sambrook et al.,1990,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2d Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.及びAusubel et al.,eds.,1998,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,N.Y.(該文献はともに参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載の技術を参照されたい)を使用して抗体のヌクレオチド配列を操作して、異なるアミノ酸配列を有する抗体を作製し、例えば、アミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を創出してもよい。
本発明の核酸分子は、mRNA、hnRNA、tRNAもしくは任意の他の形態のようなRNAの形態、または、これに限定されるものではないが、クローニングにより得られるかもしくは合成的に製造されるcDNA及びゲノムDNAを含むDNAの形態、またはその任意の組み合わせであってもよい。DNAは、3本鎖、2本鎖もしくは一本鎖、またはその任意の組み合わせであってもよい。DNAもしくはRNAの少なくとも1つの鎖の任意の部分は、センス鎖としても知られているコーディング鎖であってもよく、またはそれはアンチセンス鎖とも呼ばれる非コーディング鎖であってもよい。
本発明の単離された核酸分子には、必要に応じて、1つまたは複数のイントロンを有する、オープンリーディングフレーム(ORF)、例えば、これに限定されるものではないが、少なくとも1つの重鎖または軽鎖のCDR1、CDR2及び/またはCDR3のような少なくとも1つのCDRの少なくとも1つの特定の部分を含む核酸分子;抗GD2抗体または可変領域のコーディング配列を含む核酸分子;及び上記したものと実質的に異なるが、本明細書中に記載されているように、及び/または当該技術分野で知られているように、遺伝暗号の縮退により、少なくとも抗GD2抗体をなおコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含み得る。
本発明は、本明細書で開示するポリヌクレオチドに選択的ハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする単離された核酸を提供する。従って、本実施形態のポリヌクレオチドは、そのようなポリヌクレオチドを含む核酸を単離、検出、及び/または定量するのに用いることができる。例えば、本発明のポリヌクレオチドは、寄託ライブラリーにおける部分もしくは全長クローンを同定、単離、もしくは増幅するのに用いることができる。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、単離された、またはそうでなければヒトもしくは哺乳動物核酸ライブラリーからのcDNAに相補的なゲノムもしくはcDNA配列である。
核酸は、本発明のポリヌクレオチドに加えて配列を都合よく含むことができる。例えば、ポリヌクレオチドの単離に役立つように、1つまたは複数のエンドヌクレアーゼ制限部位を含むマルチクローニング部位を核酸に挿入することができる。また、本発明の翻訳されたポリヌクレオチドの単離に役立つように、翻訳可能な配列を挿入してもよい。例えば、ヘキサ−ヒスチジンマーカー配列は、本発明のタンパク質を精製するために都合の良い手段を提供する。コーディング配列を除く本発明の核酸は、必要に応じて、本発明のポリヌクレオチドのクローニング及び/または発現用のベクター、アダプター、もしくはリンカーである。
追加の配列をそのようなクローニング及び/または発現配列に加えて、クローニング及び/または発現におけるそれらの機能を最適化する、ポリヌクレオチドの単離に役立たせる、または細胞へのポリヌクレオチドの導入を高めることができる。クローニングベクター、発現ベクター、アダプター、及びリンカーの使用は、当該技術分野でよく知られている(例えば、Ausubel,上記;もしくはSambrook,上記を参照されたい)。
本発明は、さらに、上記の単離されたまたは精製された核酸分子のいずれかを含むベクターを提供する。上記の核酸分子またはその断片のいずれかを任意の適当なベクターにクローン化することができ、かつ、それを使用して、任意の適当な宿主を形質転換または形質導入することができる。ベクターの選択及びそれらを構築するための方法は、一般に、当業者に知られており、一般的な技術文献に記載されている(一般的には、「Recombinant DNA Part D」,Methods in Enzymology,Vol.153,Wu and Grossman,eds.,Academic Press(1987)を参照されたい)。望ましくは、ベクターは、適切にかつベクターがDNAまたはRNAであるか否かを考慮して、該ベクターが導入される宿主(例えば、細菌、真菌、または植物)のタイプに対して特異的な転写及び翻訳開始及び終了コドンのような制御配列を含む。好ましくは、該ベクターは、宿主の属に対して特異的な制御配列を含む。最も好ましくは、該ベクターは、宿主の種に対して特異的な制御配列を含む。
複製システム及び挿入された核酸に加えて、構築体は、形質転換されたまたは形質導入された宿主の選択を可能にする1つまたは複数のマーカー遺伝子を含み得る。マーカー遺伝子は、例えば、抗生物質、重金属などへの抵抗性といった殺生剤抵抗性、栄養要求性宿主における相補性を含んで、原栄養体などを提供する。
適当なベクターは、増殖及び拡張または発現あるいは両方に設計されたものを含む。例えば、クローニングベクターは、pUCシリーズ、pBluescriptシリーズ(Stratagene,LaJolla,Calif)、pETシリーズ(Novagen,Madison,Wis)、pGEXシリーズ(Pharmacia Biotech,Uppsala,Sweden)、及びpEXシリーズ(Clonetech,Palo Alto,CA)から成る群から選択される。λGT10、λGT11、λZapII(Stratagene)、λEMBL4、及びλNM1149のようなバクテリオファージベクターを使用することもできる。植物発現ベクターの例としては、pBI101、pBI101.2、pBI101.3、pBI121、及びpBIN19(Clonetech)が挙げられる。動物発現ベクターの例としては、pEUK−C1、pMAM、及びpMAMneo(Clontech)が挙げられる。TOPOクローニングシステム(Invitrogen,Carlsbad,CA)を、製造者の推奨に従って用いることもできる。
発現ベクターは、上記のような単離されたまたは精製された核酸分子に操作可能に連結している天然または非天然のプロモーターを含み得る。プロモーター(例えば、強い、弱い、誘導性、組織特異的及び発生特異的)の選択は、当業者の技術範囲内である。同様に、上記のような核酸分子またはその断片とプロモーターとの組み合わせもまた、当業者の技術範囲内である。
適当なウイルスベクターとしては、例えば、レトロウイルスベクター、パルボウイルスベースベクター、例えば、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベースベクター、AAV−アデノウイルスキメラベクター、及びアデノウイルスベースベクター、ならびにレンチウイルスベクター、例えば、単純ヘルペス(HSV)ベースベクターが挙げられる。これらのウイルスベクターは、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning,a Laboratory Manual,2d edition,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989);及びAusubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates and John Wiley & Sons,New York,N.Y.(1994)に記載の標準的な組換えDNA技術を用いて調製することができる。
レトロウイルスベクターは、レトロウイルス由来である。レトロウイルスは、多種多様の宿主細胞に感染することが可能なRNAウイルスである。感染する際、レトロウイルスゲノムは、その宿主細胞のゲノムに組み込まれ、宿主細胞DNAに沿って複製されるため、ウイルスRNAと、レトロウイルスゲノムに組み込まれた任意の核酸配列とが持続的に生産される。そのようなものとして、レトロウイルスを用いた際に、治療因子(複数)の長期発現が達成可能である。遺伝子治療での使用が考えられるレトロウイルスは、病原性レトロウイルスが存在しているが、比較的非病原性である。病原性レトロウイルス、例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)またはヒトT細胞リンパ向性ウイルス(HTLV)を用いる場合、ウイルスゲノムが改変されて、宿主に対する毒性を排除することに注意を注がなければならない。レトロウイルスベクターをさらに操作して、ウイルスを複製欠損にさせることができる。そのようなものとして、レトロウイルスベクターは、安定的なin vivo遺伝子導入に特に有用であると考えられる。HIVベースベクターなどのレンチウイルスベクターは、遺伝子送達に用いられる典型的なレトロウイルスベクターである。他のレトロウイルスとは異なり、HIVベースベクターは、それらのパッセンジャー遺伝子を非分裂細胞に組み込むことが知られており、従って、病気の執拗な形態を治療するにおいて用いることができる。
必要に応じて、単離されたまたは精製された核酸分子、またはその断片は、もう1つの核酸分子との連結に際して、融合タンパク質をコードすることができる。融合タンパク質の生成は、当該技術分野における通常の技量内のものであり、制限酵素または組換えクローニング技術の使用を含むことができる(例えば、Gateway.TM.(Invitrogen)を参照されたい)。また、米国特許第5,314,995号を参照されたい。
これまでを考慮すると、本発明は、必要に応じて、ベクターの形態で上述された単離されたまたは精製された核酸分子を含む組成物も提供する。組成物は、本明細書中でさらに記載されるような他の成分を含むことができる。
本発明の治療方法における使用のための放射コンジュゲートされた抗GD2抗体の製造のために同位体も使用される。例としては、211At、131I、125I、90Y、186Re、188Re、153Sm、212Bi、32P、及びLuの放射性同位体が挙げられる。
抗GD2抗体と細胞毒性剤のコンジュゲートは、種々の2官能性タンパク質カップリング剤、例えば、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオネート(SPDP)、スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、イミノチオラン(IT)、イミドエステル(例えば、アジピミド酸ジメチルHCI)の2官能性誘導体、活性エステル(例えば、ジスクシンイミジルスベレート)、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド)、ヒス−アジド化合物(例えば、ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス−ジアゾニウム誘導体(例えば、ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えば、トリエン2,6−ジイソシアネート)、及びビス活性フッ素化合物(例えば、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン)を用いて製造してもよい。例えば、リシン免疫毒素は、Vitetta et al.,Science 238:1098(1987)に記載されるように調製することができる。14炭素標識1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミンペンタ酢酸(MX−DTPA)は、抗GD2抗体への放射性ヌクレオチドのコンジュゲーションのための典型的なキレート剤である。WO94/11026を参照されたい。リンカーは、細胞内の細胞毒性剤の放出を促進する「切断可能なリンカー」であってもよい。例えば、酸不安定性のリンカー、ペプチダーゼ感受性のリンカー、ジメチルリンカーまたはジスルフィド含有リンカー(Chari et al.Cancer Research 52:127−131(1992))を使用してもよい。
あるいは、抗GD2抗体リガンド及び細胞毒性剤を含む融合タンパク質を、例えば、組換え技術またはペプチド合成により製造してもよい。
組成物
本発明の抗GD2抗体組成物は、そのような調節、処置もしくは治療を必要とする細胞、組織、臓器、動物もしくは患者に提供される抗体剤の送達に用いるための、少なくとも1つの抗GD2抗体剤を含む任意の適当かつ有効量の組成物もしくは医薬組成物を含む。
本発明は、天然に存在しない組成物、混合物もしくは形態で提供される本明細書中に記載されたような、及び/または当該技術分野で知られているような少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つもしくはそれ以上の抗GD2抗体を含む少なくとも1つの抗GD2抗体組成物も提供する。そのような組成物は、本明細書中に記載された抗体、またはその特定の断片、ドメインもしくは変異体のCDR領域の連続するアミノ酸の70〜100%から成る群から選択される抗GD2抗体アミノ酸配列の少なくとも1つもしくは2つの完全長、C末端及び/またはN末端欠失変異体、ドメイン、断片、または特定の変異体、を含む天然に存在しない組成物を含む。好ましい抗GD2抗体組成物は、本明細書中に記載された抗GD2抗体配列の少なくとも1つのCDRまたはLBR含有部分として少なくとも1もしくは2つの完全長、断片、ドメインもしくは変異体を含む。さらに好ましい組成物は、本明細書中に記載された抗GD2 AbのCDR領域の70〜100%の少なくとも1つの40〜99%を含む。そのような組成物のパーセントは、当該技術分野で知られているように、または本明細書中に記載されているように液体もしくは乾燥溶液、混合物、懸濁剤、乳剤もしくはコロイド剤として重量、容量、濃度、容積モル濃度もしくは重量モル濃度である。
本発明の抗GD2抗体化合物、組成物もしくは組み合わせは、さらに、これに限定されるものではないが、希釈剤、結合剤、安定剤、緩衝剤、塩、脂肪親和性溶媒、保存剤、アジュバントなどのような任意の適当な助剤の少なくとも1つを含むことができる。医薬的に許容し得る助剤が好ましい。そのような滅菌溶液を調製する非限定例及び方法は、これに限定されるものではないが、Gennaro,Ed.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,Mack Publishing Co.(Easton,PA)1990のような、当該技術分野でよく知られている。当該技術分野でよく知られているように、または本明細書中に記載されているように、抗GD2抗体、断片もしくは変異体組成物の投与の形態、可溶性及び/または安定性に適当な医薬的に許容し得る担体を日常的に選択することができる。
本発明の組成物において有用な医薬賦形剤及び添加剤には、限定されるものではないが、単独でまたは1〜99.99重量もしくは容量%での組み合わせを含む、単独でもしくは組み合わせで存在することができる、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質、及び炭水化物(例えば、単糖、二糖、三糖、四糖及びオリゴ糖;アルジトール、アルドン酸、エステル化糖などのような誘導化糖;ならびに多糖もしくは糖ポリマーを含む糖)が含まれる。典型的なタンパク質賦形剤には、ヒト血清アルブミン(HSA)、組換えヒトアルブミン(rHA)のような血清アルブミン、ゼラチン、カゼインなどが含まれる。緩衝能力においても機能することができる代表的なアミノ酸/抗体成分には、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテームなどが含まれる。1つの好ましいアミノ酸は、グリシンである。
本発明における使用に適当な炭水化物賦形剤としては、例えば、フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D−マンノース、ソルボースなどのような単糖;ラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオースなどのような二糖;ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、澱粉などのような多糖;及びマンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、ソルビトール(グルシトール)、ミオイノシトールなどのようなアルジトールが挙げられる。本発明における使用に好ましい炭水化物賦形剤は、マンニトール、トレハロース、及びラフィノースである。
抗GD2抗体組成物は、緩衝剤もしくはpH調整剤を含むこともでき;典型的には、緩衝剤は、有機酸もしくは塩基から調製される塩である。代表的な緩衝剤には、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、もしくはフタル酸の塩のような有機酸塩;トリス、トロメタミン塩酸塩、もしくはリン酸緩衝剤が含まれる。本発明の組成物における使用に好ましい緩衝剤は、クエン酸塩のような有機酸塩である。
さらに、本発明の抗GD2抗体組成物は、ポリビニルピロリドン、フィコール(ポリマー糖)、デキストレート(例えば、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンのようなシクロデキストリン)、ポリエチレングリコール、着香料、抗菌剤、甘味料、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤(例えば、「TWEEN 20」及び「TWEEN 80」のようなポリソルベート)、脂質(例えば、リン脂質、脂肪酸)、ステロイド(例えば、コレステロール)、及びキレート剤(例えば、EDTA)のようなポリマー賦形剤/添加剤を含むことができる。
本発明の抗GD2抗体、部分もしくは変異体組成物における使用に適当なこれら追加かつ公知の医薬賦形剤及び/または添加剤は、例えば、“Remington:The Science & Practice of Pharmacy”,19th ed.,Williams & Williams,(1995)及び“Physician’s Desk Reference”,52nd ed.,Medical Economics,Montvale,NJ(1998)(本開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているように、当該技術分野で知られている。好ましい担体もしくは賦形剤材料は、炭水化物(例えば、糖類及びアルジトール)及び緩衝剤(例えば、クエン酸塩)もしくはポリマー剤である。
上記のように、本発明は、医薬的に許容し得る製剤において少なくとも1つの抗GD2抗体を含む、好ましくは、食塩水もしくは選択された塩を有するリン酸緩衝剤である安定製剤、ならびに保存剤を含有する保存溶液及び製剤ならびに医薬的もしくは獣医学的用途に適当な複用保存製剤を提供する。保存製剤は、水性希釈剤中に少なくとも1つの公知のもしくは必要に応じて少なくとも1つのフェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、亜硝酸フェニル水銀、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド、クロロブタノール、塩化マグネシウム(例えば、6水和物)、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム及びチメロサール、もしくはその混合物から成る群から選択される保存剤を含有する。0.001〜5%、または、これに限定されるものではないが、0.001、0.003、0.005、0.009、0.01、0.02、0.03、0.05、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8,0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6,1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.3、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9のようなその中の任意の範囲もしくは値、またはその中の任意の範囲もしくは値のような、任意の適当な濃度もしくは混合物を当該技術分野で知られているように用いることができる。非限定例としては、保存剤なし、0.1〜2%のm−クレゾール(例えば、0.2、0.3、0.4、0.5、0.9、1.0%)、0.1〜3%のベンジルアルコール(例えば、0.5、0.9、1.1、1.5、1.9、2.0、2.5%)、0.001〜0.5%のチメロサール(例えば、0.005、0.01)、0.001〜2.0%のフェノール(例えば、0.05、0.25、0.28、0.5、0.9、1.0%)、0.0005〜1.0%のアルキルパラベン(1つもしくは複数)(例えば、0.00075、0.0009、0.001、0.002、0.005、0.0075、0.009、0.01、0.02、0.05、0.075、0.09、0.1、0.2、0.3、0.5、0.75、0.9、1.0%)などが挙げられる。
上記のように、本発明は、包装材料ならびに必要に応じて水性希釈剤中に、所定の緩衝剤及び/または保存剤を有する少なくとも1つの抗GD2抗体の溶液を含む少なくとも1つのバイアルを含む製品を提供し、該包装材料は、そのような溶液を1、2、3、4、5、6、9、12、18、20、24、30、36、40、48、54、60、66、72時間もしくはそれ以上の期間にわたって保持できることを示すラベルを含む。本発明は、さらに、包装材料、凍結乾燥した少なくとも1つの抗GD2抗体を含む第1のバイアル、及び所定の緩衝剤もしくは保存剤の水性希釈剤を含む第2のバイアルを含む製品を含み、該包装材料は、24時間もしくはそれ以上の期間にわたって保持することができる溶液を形成するために水性希釈剤において少なくとも1つの抗GD2抗体を再構成するように患者に指示するラベルを含む。
本発明の製品における少なくとも1つの抗GD2抗体の範囲は、より低い及びより高い濃度が実施可能であるが、再構成の際に、湿潤/乾燥系における場合、約1.0μg/ml〜約1000mg/mlの濃度をもたらす量を含み、意図する送達媒体に依存し、例えば、溶液製剤は、経皮パッチ、肺、経粘膜、または浸透もしくはマイクロポンプ法と異なる。
好ましくは、水性希釈剤は、必要に応じて、医薬的に許容し得る保存剤をさらに含む。好ましい保存剤には、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム及びチメロサール、もしくはその混合物から成る群から選択されるものが含まれる。製剤に用いる保存剤の濃度は、抗菌効果をもたらすのに十分な濃度である。そのような濃度は、選択する保存剤に依存しており、当業者により容易に決定される。
他の賦形剤、例えば、等張剤、緩衝剤、酸化防止剤、保存剤エンハンサーを必要に応じてかつ好ましくは希釈剤に加えることができる。グリセリンのような等張剤は、公知の濃度で一般的に用いられる。好ましくは、生理的に許容し得る緩衝剤を、より一層のpH制御を与えるために加える。製剤は、約pH4〜約pH10のような広範囲のpH、約pH5〜約pH9の好ましい範囲、及び約6.0〜約8.0の最も好ましい範囲に及ぶことができる。好ましくは、本発明の製剤は、約6.8〜約7.8の間のpHを有する。好ましい緩衝剤には、リン酸緩衝剤、最も好ましくはリン酸ナトリウム、特に、リン酸緩衝食塩水(PBS)が含まれる。
必要に応じて、Tween 20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、Tween 40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート)、Tween 80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、Pluronic F68(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー)、及びPEG(ポリエチレングリコール)あるいはポリソルベート20もしくは80またはポロキサマー184もしくは188、PLURONIC(登録商標)ポリル、他のブロックコポリマーのような非イオン性界面活性剤のような医薬的に許容し得る可溶化剤、ならびにEDTA及びEGTAのようなキレート剤のような他の添加剤を、凝集を減らすために製剤もしくは組成物に加えることができる。これらの添加剤は、製剤を投与するためにポンプもしくはプラスチック容器を用いる場合に特に有用である。医薬的に許容し得る界面活性剤の存在は、タンパク質が凝集する傾向を軽減する。
本発明の製剤は、少なくとも1つの抗GD2抗体及びフェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム及びチメロサールもしくはその混合物から成る群から選択される保存剤を水性希釈剤において混合することを含む方法により調製することができる。水性希釈剤において少なくとも1つの抗GD2抗体及び保存剤を混合することは、従来の溶解及び混合方法を用いて実施する。適当な製剤を製造するために、例えば、緩衝溶液中の少なくとも1つの抗GD2抗体の測定量を、所望の濃度のタンパク質及び保存剤を与えるのに十分な量で緩衝溶液中の所望の保存剤と組み合わせる。この方法の変形は、当業者により認識される。例えば、成分を加える順序、追加の添加剤を用いるかどうか、製剤を調製する温度及びpHは全て、使用する投与の濃度及び手段に対して最適化することができる因子である。
請求する製剤は、清澄溶液として、もしくは水性希釈剤中に、水、保存剤及び/または賦形剤、好ましくは、リン酸緩衝剤及び/または食塩水及び選択された塩を含有する第2のバイアルで再構成する凍結乾燥された少なくとも1つの抗GD2抗体のバイアルを含む二重バイアルとして患者に提供することができる。単一溶液バイアルもしくは再構成を必要とする二重バイアルのいずれも複数回再使用することができ、単一もしくは複数サイクルの患者処置に十分であることができるため、現在利用できるよりもさらに便利な治療レジメンを提供することができる。
本発明のこの特許請求する製品は、即時〜24時間もしくはそれ以上の期間にわたる投与に有用である。従って、現在この特許請求する製品は、患者に有意な利点を与える。本発明の製剤は、必要に応じて、約2℃〜約40℃の温度で安全に保存し、長期間にわたってタンパク質の生物学的活性を保持することができ、従って、溶液を6、12、18、24、36、48、72、もしくは96時間またはそれ以上の期間にわたって保持し及び/または使用できることを示す包装ラベルを可能にする。保存希釈剤を用いる場合、そのようなラベルは、1〜12ヶ月、半年、1年半、及び/または2年までの使用を含むことができる。
本発明における少なくとも1つの抗GD2抗体の溶液は、少なくとも1つの抗体を水性希釈剤において混合することを含む方法により調製することができる。混合は、従来の溶解及び混合方法を用いて実施する。適当な希釈液を調製するために、例えば、水もしくは緩衝剤中の少なくとも1つの抗体の測定量を、所望の濃度のタンパク質、必要に応じて、保存剤もしくは緩衝剤を与えるのに十分な量で組み合わせる。この方法の変形は、当業者により認識される。例えば、成分を加える順序、追加の添加剤を使用するかどうか、製剤を調製する温度及びpHは、用いる投与の濃度及び手段に対して全て最適化することができる因子である。
この特許請求する製品は、清澄溶液として、もしくは水性希釈剤を含有する第2のバイアルで再構成する凍結乾燥した少なくとも1つの抗GD2抗体のバイアルを含む二重バイアルとして患者に提供することができる。単一溶液バイアルもしくは再構成を必要とする二重バイアルのいずれも複数回再使用することができ、単一もしくは複数サイクルの患者処置に十分であることができるため、現在利用できるよりもさらに便利な治療レジメンを提供する。
この特許請求する製品は、清澄溶液もしくは水性希釈剤を含有する第2のバイアルで再構成する凍結乾燥した少なくとも1つの抗GD2抗体のバイアルを含む二重バイアルを薬局、診療所、もしくは他のそのような機関及び設備に提供することにより患者に間接的に提供することができる。この場合の清澄溶液は、1リットルまでもしくはさらに大きいサイズであってもよく、大きい容器を提供してもよく、それから少なくとも1つの抗体溶液のより少ない量をより小さいバイアルに移すために1回もしくは複数回取り出し、薬局もしくは診療所によってそれらの顧客及び/または患者に提供することができる。
これらの単一バイアルシステムを含む承認された装置には、例えば、Becton Dickensen(Franklin Lakes,NJ)、Disetronic(Burgdorf,Switzerland,;Bioject,Portland,Oregon;National Medical Products,Weston Medical(Peterborough,UK),Medi−Ject Corp(Minneapolis,Minn)により製造もしくは開発されるような、BD Pens,BD AUTOJECTOR(登録商標),HUMAJECT(登録商標)のような溶液の送達用のペンインジェクター装置が含まれる。二重バイアルシステムを含む承認された装置は、再構成された溶液を送達するためのカートリッジ中で凍結乾燥薬を再構成するためのペン−インジェクターシステム、例えば、HUMATROPEN(登録商標)を含む。
現在この特許請求する製品には、包装材料が含まれる。包装材料は、規制当局により要求される情報に加えて、製品が使用できる条件を提供する。本発明の包装材料は、2バイアルの湿潤/乾燥製品では少なくとも1つの抗GD2抗体を水性希釈剤において再構成して溶液を形成し、該溶液を2〜24時間もしくはそれ以上の期間にわたって使用する使用説明書を患者に提供する。単一バイアルの溶液製品では、ラベルはそのような溶液を2〜24時間もしくはそれ以上の期間にわたって使用できることを示す。現在この特許請求する製品は、ヒト医薬的製品用途に有用である。
本発明の製剤は、少なくとも1つの抗GD2抗体及び選択された緩衝剤、好ましくは食塩水もしくは選択された塩を含有するリン酸緩衝剤を混合することを含む方法により調製することができる。少なくとも1つの抗体及び緩衝剤を水性希釈剤において混合することは、従来の溶解及び混合方法を用いて実施する。適当な製剤を調製するために、例えば、水もしくは緩衝剤中の少なくとも1つの抗体の測定量を、所望の濃度のタンパク質及び緩衝剤を与えるのに十分な量で水中の所望の緩衝剤と組み合わせる。この方法の変形は、当業者により認識される。例えば、成分を加える順序、追加の添加剤を使用するかどうか、製剤を調製する温度及びpHは、用いる投与の濃度及び手段に対して全て最適化することができる因子である。
請求する安定もしくは保存された製剤は、清澄溶液として、もしくは水性希釈剤中に保存剤もしくは緩衝剤及び賦形剤を含有する第2のバイアルで再構成する凍結乾燥した少なくとも1つの抗GD2抗体のバイアルを含む二重バイアルとして患者に提供することができる。単一溶液バイアルもしくは再構成を必要とする二重バイアルのいずれも複数回再使用することができ、単一もしくは複数サイクルの患者処置に十分であることができるため、現在利用できるよりもさらに便利な治療レジメンを提供する。
本明細書中に記載された安定もしくは保存された製剤または溶液のいずれかにおける少なくとも1つの抗GD2抗体は、当該技術分野において周知であるように、SCもしくはIM注射;経皮、肺、経粘膜、埋め込み、浸透ポンプ、カートリッジ、マイクロポンプ、もしくは当業者により認識される他の手段を含む種々の送達方法を介して本発明に従って患者に投与することができる。
本発明の1つの実施形態において、本開示の抗GD2抗体を含む医薬組成物により、生物、好ましくは、動物、好ましくは、哺乳動物へのヒト化抗体の投与が容易になる。特定の哺乳動物としては、ウシ、イヌ、ウマ、ネコ、ヒツジ、ブタ動物、非ヒト霊長類、及びヒトが含まれる。ヒトが特に好ましい。
内部投与に適当な剤形(組成物)は、一般に、ユニットもしくは容器当たり約0.1ミリグラム〜約500ミリグラムの有効成分を含有する。これらの医薬組成物において、有効成分は、通常、組成物の総重量に基づいて約0.5〜99.999重量%の量で存在する。
非経口投与には、抗体は、医薬的に許容し得る非経口賦形剤と会合した、もしくは別個に提供する液剤、懸濁剤、乳剤もしくは凍結乾燥した散剤として調合することができる。そのような賦形剤の例として、水、食塩水、リンガー溶液、デキストロース溶液、及び1〜10%のヒト血清アルブミンである。リポソーム及び不揮発性油のような非水性の賦形剤もまた用いることができる。賦形剤もしくは凍結乾燥した散剤は、等張性(例えば、塩化ナトリウム、マンニトール)及び化学的安定性(例えば、緩衝剤及び保存剤)を維持する添加剤を含有することができる。製剤は、公知のもしくは適当な技術により滅菌する。
適当な医薬担体は、この分野の標準的な参考テキストであるRemington’s Pharmaceutical Sciences,A.Osolの最新版に記述されている。
非経口投与用の製剤は、一般的な賦形剤として滅菌水もしくは食塩水、ポリエチレングリコールのようなポリアルキレングリコール、植物由来の油、水素化ナフタレンなどを含有することができる。注入用の水性もしくは油性懸濁剤は、公知の方法に従って、適切な乳化剤もしくは加湿剤及び懸濁化剤を用いることにより調製することができる。注入剤は、水溶液または溶媒中の滅菌した注入可能な溶液もしくは懸濁液のような無毒の非経口的に投与可能な希釈剤であることができる。使用可能な賦形剤もしくは溶媒として、水、リンガー溶液、等張食塩水などが認められ;通常の溶媒、もしくは懸濁溶媒として、滅菌した不揮発性油を用いることができる。これらの目的のために、天然もしくは合成もしくは半合成の脂肪油もしくは脂肪酸;天然もしくは合成もしくは半合成のモノ−もしくはジ−もしくはトリグリセリドを含む、任意の種類の不揮発性油及び脂肪酸を用いることができる。非経口投与は、当該技術分野において知られており、これに限定されるものではないが、通常の注入手段、米国特許第5,851,198号に記述されているようなガス加圧無針注入装置、及び参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,839,446号に記述されているようなレーザー穿孔器装置が含まれる。
併用療法
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのTNF拮抗剤(例えば、これに限定されるものではないが、TNF抗体もしくは断片、可溶性TNF受容体もしくは断片、その融合タンパク質、または小分子TNF拮抗剤)、抗リウマチ剤(例えば、メトトレキセート、オーラノフィン、金チオグルコース、アザチオプリン、エタネルセプト、金チオリンゴ酸ナトリウム、硫酸ヒドロキシクロロキン、レフルノミド、スルファサルジン)、筋肉弛緩剤、麻酔薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、鎮痛剤、麻酔剤、鎮静剤、局所麻酔剤、神経筋遮断薬、抗菌剤(例えば、アミノグリコシド、抗真菌剤、抗寄生虫剤、抗ウイルス剤、カルバペネム、セファロスポリン、フルオロキノロン、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、別の抗菌剤)、乾癬治療剤、コルチコステロイド、タンパク同化ステロイド、糖尿病関連薬、ミネラル、栄養剤、甲状腺薬、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、止痢薬、鎮咳薬、制吐薬、抗潰瘍薬、下剤、抗凝血剤、エリスロポエチン(例えば、エポエチンアルファ)、フィルグラスチム(例えば、G−CSF,Neupogen)、サルグラモスチム(GM−CSF,Leukine)、免疫化薬、免疫グロブリン、免疫抑制剤(例えば、バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、成長ホルモン、ホルモン補充薬、エストロゲン受容体モジュレーター、散瞳薬、毛様筋調節薬、アルキル化剤、代謝拮抗剤、分裂抑制剤、放射性医薬品、抗鬱剤、抗躁病薬、抗精神病剤、精神安定剤、睡眠薬、交感神経様作用薬、興奮剤、ドネペジル、タクリン、喘息投薬、ベータアゴニスト、吸入用ステロイド、ロイコトリエン阻害剤、メチルキサンチン、クロモリン、エピネフリンもしくはアナログ、ドルナーゼアルファ(Pulmozyme)、サイトカインまたはサイトカイン拮抗剤、及び細胞療法から選択される少なくとも1つをさらに含む本発明の抗GD2抗体は、さらに、必要に応じて、投与する。そのようなサイトカインの非限定例としては、限定されるものではないが、IL−1〜IL−34のいずれかが含まれる。適当な投与量は、当該技術分野でよく知られている。例えば、Wells et al.,eds.,Pharmacotherapy Handbook,2nd Edition,Appleton and Lange,Stamford,CT(2000);PDR Pharmacopoeia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2000,Deluxe Edition,Tarascon Publishing,Loma Linda,CA(2000)を参照、これらの参考文献の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
そのような抗癌もしくは抗感染薬はまた、本発明の少なくとも1つの抗体と会合、結合、共調合もしくは共投与する毒素分子を含むこともできる。毒素は、必要に応じて、病的細胞もしくは組織を選択的に殺すように作用することができる。病的細胞は、癌もしくは他の細胞であってもよい。そのような毒素は、限定されるものではないが、例えば、リシン、ジフテリア毒素、毒液毒素、もしくは細菌毒素の少なくとも1つから選択される、毒素の少なくとも1つの機能性細胞毒性ドメインを含む精製されたもしくは組換えの毒素もしくは毒素断片であってもよい。毒素という用語にはまた、死をもたらすことができる、毒素ショックを含む、ヒト及び他の哺乳動物における任意の病的症状を引き起こすことができる任意の天然に存在するか、突然変異体もしくは組換えの細菌もしくはウイルスにより生産される内毒素及び外毒素の両方も含まれる。そのような毒素には、限定されるものではないが、腸管毒素原性大腸菌易熱性エンテロトキシン(LT)、耐熱性エンテロトキシン(ST)、シゲラ細胞毒素、アエロモナスエンテロトキシン、毒素性ショック症候群毒素−1(TSST−1)、スタヒロコッカスエンテロトキシンA(SEA)、B(SEB)、もしくはC(SEC)、ストレプトコッカスエンテロトキシンなどが含まれる。そのような細菌には、限定されるものではないが、腸管毒素原性大腸菌(ETEC)、腸管出血性大腸菌の種の株(例えば、血清型O157:H7の株)、スタヒロコッカス種(例えば、スタヒロコッカス・アウレウス、スタヒロコッカス・ピオゲネス)、シゲラ種(例えば、シゲラ・ディセンテリエ、シゲラ・フレックスネリ、シゲラ・ボイディ、及びシゲラ・ソンネイ)、サルモネラ種(例えば、サルモネラ・チフィ、サルモネラ・コレラスイス、サルモネラ・エンテリティディス)、クロストリジウム種(例えば、クロストリジウム・パーフリンジェンス、クロストリジウム・ジフィシール、クロストリジウム・ボツリヌム)、カンピロバクター種(例えば、カンピロバクター・ジェジュニ、カンピロバクター・フィタス)、ヘリコバクター種(例えば、ヘリコバクター・ピロリ)、アエロモナス種(例えば、アエロモナス・ソブリア、アエロモナス・ヒドロフィラ、アエロモナス・キャビエ)、プレイソモナス・シゲロイデス、エルジニア・エンテロコリチカ、ビブリオ種(例えば、ビブリオ・コレラ、ビブリオ・パラヘモリチカス、クレブシエラ種、シュードモナス・アエルギノーザ、及びストレプトコッカスが含まれる。例えば、Stein,ed.,INTERNAL MEDICINE,3rd ed.,pp1−13,Little,Brown and Co.,Boston,(1990);Evans et al.,eds.,Bacterial Infections of Humans:Epidemiology and Control,2d.Ed.,pp239−254,Plenum Medical Book Co.,New York(1991);Mandell et al,Principles and Practice of Infectious Diseases,3d.Ed.,Churchill Livingstone,N.Y.(1990);Berkow et al,eds.,The Merck Manual,16th edition,Merck and Co.,Rahway,N.J.,1992;Wood et al,FEMS Microbiology Immunology,76:121−134(1991);Marrack et al,Science,248:705−711(1990)を参照されたい、これらの参考文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
生産
本発明により使用される少なくとも1つの抗GD2抗体は、哺乳動物細胞からを含む組換え手段もしくはトランスジェニック調製によって生産することができ、あるいは本明細書中に記載されるように、または当該技術分野で知られているように、他の生物学的供給源から精製することができる。
そこで、本発明は、上述の単離されたまたは精製された核酸分子を、必要に応じて、ベクターの形態で含む宿主細胞も提供する。オリゴヌクレオチドまたはその断片が、細胞によって効率的に転写、翻訳されるように、本発明の細胞がベクターを発現するのが最も好ましい。細胞の例としては、限定されるものではないが、ヒト細胞、ヒト細胞株、大腸菌(例えば、大腸菌TB−1、TG−2、DH5α、XL−Blue MRF’(Stratagene)、SA2821及びY1090)、バシルス・スブチリス、シュードモナス・アエルギノーザ、サッカロマイセス・セレビシエ、ニューロスポラ・クラッサ、昆虫細胞(例えば、Sf9、Ea4)、及び以下の本明細書中に記載の他のものが挙げられる。宿主細胞は、宿主内に存在することができる。該宿主は、哺乳動物などの動物であり、特に、ヒトである。
特定の実施形態において、ルーチン組換えDNA技術を用いて、本明細書で同定されたCDRの1つまたは複数をフレームワーク領域内に挿入してもよい。フレームワーク領域は、天然に存在するかまたはコンセンサスフレームワーク領域でもよく、好ましくは、ヒトフレームワーク領域(例えば、ヒトフレームワーク領域のリストに関しては、Chothia et al.,J.Mol.Biol.278:457−479(1998)を参照されたい)である。フレームワーク領域とCDRとの組み合わせによって生成させるポリヌクレオチドは、GD2に特異的に結合する抗体をコードするのが好ましい。1つまたは複数のアミノ酸置換は、フレームワーク領域内で行ってもよく、アミノ酸置換により抗体の抗原への結合が改善されるのが好ましい。さらに、そのような方法を用いて、アミノ酸を置換させ、もしくは鎖内ジスルフィド結合に関与している1つまたは複数の可変領域システイン残基を欠失させて、1つまたは複数の鎖内ジスルフィド結合を欠いた抗体分子を生成してもよい。ポリヌクレオチドの他の改変は、本発明に包含され、かつ当業者の技術の範囲内である。
用途
高い親和性で、GD2への中和キメラ抗体またはヒト抗体を、GD2が発現される病気で用いるのが望ましい。例えば、GD2は、黒色腫の>50%(Zhang et al.,1997,Int.J.Cancer.73、42−49)、骨肉腫の88%(Heiner et al.,1987,Cancer Res.47,5377−5388)、及び脂肪肉腫、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、平滑筋肉腫、及び紡錘細胞肉腫(Chang et al.,1992,Cancer 70,633−638)、ならびに脳腫瘍(Longee et al.,1991,Acta Neuropathol.82,45−54)を含む柔軟組織の肉腫の93%において発現される。抗GD2抗体は、黒色腫(Saleh et al,1992,Hum.Antibidies Hybridomas 3,19−24;Cheung et al.,1987,J.Clin.Oncol.5,1430−1440;Choi et al.,2006,Cancer Immunol.Immunother.55,761−774)、肉腫(Choi et al.,2006,上記;Yeh et al.,1992,The fifth Asia and Oceania Congress of Nuclear Medicine and Biology Proceedings,p.104)、小細胞肺癌(Grant et al.,1996,Eur.J.Nucl.Med.23,145−149)、脳腫瘍(Arbit et al.,1995,Eur.J.Nucl.Med.22,419−426)を有する患者に、静脈注射ならびにOmmaya reservoirs(Kramer et al.,2007,J.Clin.Oncol.25,5465−5470)を用いたコンパートメント治療によって試験されている。GD2は、網膜芽腫(Chantada et al.,2006,J.Pediatr.Hematol.Oncol.28,369−373)及びHTLV−1感染T細胞白血病細胞(Furukawa et al.,1993,PNAS USA 90,1972−1976)の腫瘍標的でもある。1つの好ましい態様において、本開示の抗GD2抗体を用いて、神経芽細胞腫を治療することができる。抗GD2抗体もしくはその誘導体は、単剤として用いてもよいし、あるいは他の治療剤と組み合わせて用いてもよい。加えて、これらのMabを化学療法増強剤として用いてもよく、それらの使用により、細胞毒性剤の治療効果を増すことができる。これらの抗体を放射線増感剤として用いてもよく、それらの使用により放射効果を増すことができる。これらは、IL−2、IL−12及び/またはIFNアルファなどの他の腫瘍免疫抑制剤と組み合わせて用いてもよい。さらに、抗GD2抗体は、抗TNF−アルファ、IL−12/IL−23、IL−2、GpIIb/IIIa受容体、CD52、CD20、RSVタンパク質、HER2/neu受容体などの他のモノクローナル抗体;ならびにリツキサン、ハーセプチン、ミロターグ、カンパス、ゼバリン、ベクサール、エルビタックス、アバスチン及びベクチビックスを含む市販の認可された抗体と組み合わせて用いてもよい。
従って、本発明は、本発明の少なくとも1つの抗GD2抗体を用いて、当該技術分野で知られているように、または本明細書中に記載されているように、細胞、組織、臓器、動物もしくは患者における少なくとも1つのGD2関連疾患を調節もしくは処置する方法も提供する。
リンホカイン活性化キラー細胞(LAK)及び腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いて1986年に行われた養子免疫療法試験により、患者内に腫瘍応答が時折起こることが報告された。ドナーリンパ球注入は、同種幹細胞移植後の慢性骨髄性白血病を持つ患者もしくは移植後EBV関連リンパ増殖異常症(PTLD)を持つ患者においてもさらに成功を示している。固形腫瘍では、CTLは、高用量化学療法により作製したリンパ球減少フェーズ中に悪性黒色腫の治療に成功した。2つのハイブリドーマを融合することで二重特異性抗体を作製し、2つの結合部位を持つハイブリッド免疫グロブリン分子を作製した。抗体は、腫瘍をT細胞に「手錠を掛け」させるだけでなく;T細胞上でCD3と架橋し、活性化カスケードを開始させる。このように、MHC制限をバイパスすることで、TCRベース細胞毒性を所望の腫瘍標的に再度向ける。ポリクローナル的活性化されたT細胞(ATC)を抗CD3×抗TAA(BsAbまたはBiTE抗体)にアーム化させることにより、MoAb(例えば、TAAがGD2であるhu3F8)の標的特異性を、T細胞の細胞毒性を媒介したMHC非制限パーフォリン/グランザイムと組み合わせる。BsAbまたはBiTEは、患者に注入する前に、ex vivo拡大された活性化T細胞にアーム化することができる。この戦略により、全てのATCを特異的CTLに変換する(Thakur and Lum,2010,Curr Opin Mol Ther 12,340−349;Grabert et al.,2006,Clin Cancer Res 12,569−576)。
腫瘍は、MHC(例えば、NB内において)の低発現または無発現、T細胞シグナル伝達を脱線させる、MHC上の腫瘍ペプチドの提示を減少させる、共刺激分子の欠損、及びCTL及び体液性応答を阻害する制御性T細胞の誘導などの多数のメカニズムによってT細胞を回避する。ATCにアーム化したBsAbまたはBiTEにより行われる殺傷はMHC非制限であるため、この戦略は、これらの腫瘍回避メカニズムのいくつかを克服しなければならない。腫瘍は、TGF−βを分泌することで、Th2タイプへのT細胞免疫応答をシフトさせ、インターロイキン2(IL−2)及びIFN−γ分泌を下方制御しながら、IL−10及びIL−6を上方制御することで、免疫抑制を引き起こす。アーム化されたATCが、IL−2に独立した方法で腫瘍標的を溶解させるため、BsAbまたはBiTEによって再度向けられたT細胞は、制御性サイトカインのこれらの悪影響を迂回し得る。これらの腫瘍に向けられたT細胞にアーム化されたBsAbまたはBiTEで治療された患者は、TNF−α及びIFN−γのレベルが増大したため、T細胞をTh1応答にシフトさせなければならない。加えて、細胞毒性T細胞は、腫瘍細胞上のFas受容体(CD95)を係合するFasリガンド(FasL)を介して殺傷する。残念なことに、腫瘍細胞上のFasLは、T細胞のアポトーシスも誘導し得る。CD3カスケードを介したTCR刺激により、CD8+細胞をCD95媒介自殺から防御する。アーム化されたATCは、TCRをBsAbまたはBiTEに架橋させることでCD95−誘導細胞死滅に抵抗する。連続的に殺傷するT細胞、すなわち、処置中に増殖し、リンパ管及び柔軟な組織内に移動する腫瘍標的を連続的に殺傷するT細胞の能力により、NB細胞が骨髄腔外に転移し腫瘤を形成している間にNB細胞を捕捉する確率が増大した。ヒト癌を標的化するBsAbまたはBiTEを用いることは有望であることが、最近の研究により示されている。
特に、同種造血幹細胞移植を受けた患者の分析から、リンパ腫及び特定の種類の白血病を抑制もしくは根絶するT細胞の可能性を支持するという証拠が山のように存在する(O’reilly et al.,2010,Semin Immunol 22,162−172)。しかしながら、子供における固形腫瘍の制御においてT細胞の役割を支持するという確たるデータは存在しない。これは、これらの腫瘍のいくつかが、遺伝性クラスIまたはIIのHLA対立遺伝子(例えば、神経芽細胞腫)を発現しない(Raffaghello et al.,2005,Oncogene 24,4634−4644;Wolfl et al.,2005,Cancer Immunol Immunother 54,400−406)かもしくはクラスI対立遺伝子のみを低レベル(例えば、横紋筋肉腫)で発現する(Prados et al.,2006,Neoplasma 53,226−231)という事実と一致している。さらに、B7.1及びICAM−1などの重要な共刺激分子の発現は、低いかまたは検出不能であることが多い。その結果、これらの腫瘍がT細胞応答を惹起する能力は低く、HLA対立遺伝子によって提示される腫瘍抗原に結合することでT細胞受容体を介して腫瘍に係合するエフェクターT細胞の潜在力は限定される。さらに、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、ユーイング肉腫及び線維形成性小円形細胞腫瘍に対して現時点で利用可能な最も効果的な治療では、免疫抑制アルキル化剤、特に、シクロホスファミドを、重度のT−リンパ球減少症を誘発する用量で用いる。二官能性抗体により、T細胞の標的係合、及び抗原特異的HLA−制限TCRよりもHLA−非制限CD3媒介性の活性化を介したエフェクター機能を引き出すことが可能になる。CD3及び腫瘍抗原、例えば、CD−19、HER−2 NEU、またはCEAに対して特異的な特定の二官能性モノクローナル抗体の研究により、これらの抗体が、他の標的抗原を発現する腫瘍細胞に細胞毒性T細胞を連結させるという能力が実証されている(Bargou et al.,2008,Science 321,974−977;Topp et al.,2009,Blood(ASH Annual Meeting Abstracts)114,840;Kiewe et al.,2006,Clin Cancer Res 12,3085−3091;Lutterbuese et al.,2009,J Immnother 32,341−352)。両方の抗体受容体が係合すると、細胞毒性T細胞応答が、腫瘍細胞に対して開始される。T細胞応答は、T細胞受容体及び腫瘍細胞間の細胞毒性シナプスの形成、ならびに腫瘍細胞アポトーシスのパーフォリン及びグランザイム媒介誘導を伴う(Offner et al.,2006,Mol Immunol 43,763−771;Brischwein et al.,2006,Mol Immunol 43,1129−1143)。CD3の係合によりT細胞も活性化され、抗腫瘍効果を増強するエフェクターサイトカインの増殖及び生成を誘発する(Brischwein et al.,2006,上記;Brischwein et al.,2007,J Immunother 30,798−807)。驚くべきことに、活性化T細胞は、T細胞活性化中に生成されたTNF及びFasリガンドの細胞毒性効果から活性化T細胞を防御する抗アポトーシスタンパク質c−FLIPを上方制御する(Dreir et al.,2002,Int J Cancer 100,690−697)。その結果、T細胞応答は倍増される。しかして、ピコグラムレベルの二官能性抗体は、前臨床動物モデル、特に、B細胞リンパ腫及びALLの治療におけるCD3/CD19二重特異性の初期臨床試験の結果で示すように、in vitro(Lutterbuese et al.,2009,上記;Brandl et al.,2007,Cancer Immunol Immunother 56,1551−1563)及びin vivo(Topp et al.,2009,上記;Kiewe et al.,2006,上記)で著しい抗腫瘍効果を及ぼし得る。誘発されたT細胞応答により、未感作T細胞が形成され、腫瘍部位での腫瘍特異的T細胞の生成を刺激することができるとの仮説が立てられている(Koehne et al.,2002,Blood 99,1730−1740)。二重特異性抗体を用いて、Tリンパ球に加えて他のエフェクター細胞を再標的化することもできる。これらのエフェクター細胞には、NK細胞、Bリンパ球、樹状細胞、単球、マクロファージ、好中球、間葉幹細胞、神経幹細胞、及びGD2を発現する細胞、組織または臓器の他の幹細胞が含まれる。組織が腫瘍である場合、これらのエフェクター細胞を活用して、タンパク質(例えば、サイトカイン、抗体、酵素、または毒素)もしくは診断用または治療用の放射性同位体を殺傷もしくは沈着することができる。組織が正常臓器である場合、エフェクター細胞を同様に活用して、タンパク質もしくは診断用または治療用の同位体を送達することができる。
本発明は、これに限定されるものではないが、多発性骨髄腫、白血病、急性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、B細胞、T細胞もしくはFAB ALL、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、有毛細胞白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、リンパ腫、ホジキン病、悪性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、カポジ肉腫、結腸直腸癌、腎細胞癌、膵癌、前立腺細胞癌、鼻咽頭癌、悪性組織球増殖症、腫瘍随伴症候群/悪性高カルシウム血症、固形腫瘍、腺癌、肉腫、悪性黒色腫、血管腫、転移性疾患、癌関連骨吸収、癌関連骨痛;癌転移の抑制;癌悪液質の改善;及びメサンギウム増殖性糸球体腎炎などのような炎症性疾患の治療の少なくとも1つが含まれる、細胞、組織、臓器、動物もしくは患者における少なくとも1つの悪性疾患を調節もしくは処置する方法を提供する。そのような方法は、必要に応じて、そのようなGD2抗体の投与の前に、同時にもしくは後に投与することにより、放射線療法、抗血管新生剤、化学療法剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤などと組み合わせて用いることができる。
本発明は、これに限定されるものではないが、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、全身型若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、胃潰瘍、血清反応陰性関節症、変形性関節症、炎症性腸疾患、潰瘍性結腸炎、全身性エリテマトーデス、抗リン脂質症候群、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、特発性肺線維症、全身性脈管炎/ヴェーゲナー肉芽腫症、サルコイドーシス、精巣炎/精管切除術を戻す処置、アレルギー性/アトピー性疾患、喘息、アレルギー性鼻炎、湿疹、アレルギー性接触皮膚炎、アレルギー性結膜炎、過敏性肺炎、移植、臓器移植拒絶反応、移植片対宿主疾患、全身性炎症反応症候群、敗血症症候群、グラム陽性敗血症、グラム陰性敗血症、培養陰性敗血症、真菌敗血症、好中球減少熱、尿路性敗血症、髄膜炎菌血症、外傷/出血、熱傷、電離放射線の暴露、急性膵炎、成人呼吸窮迫症候群、関節リウマチ、アルコール性肝炎、慢性炎症性病状、サルコイドーシス、クローン病、鎌状赤血球貧血、糖尿病、ネフローゼ、アトピー性疾患、超過敏反応、アレルギー性鼻炎、花粉症、通年性鼻炎、結膜炎、子宮内膜症、喘息、蕁麻疹、全身アナフィラキシー、皮膚炎、悪性貧血、溶血性疾患、血小板減少症、任意の臓器もしくは組織の移植片拒絶反応、腎臓移植拒絶反応、心臓移植拒絶反応、肝臓移植拒絶反応、膵臓移植拒絶反応、肺移植拒絶反応、骨髄移植(BMT)拒絶反応、皮膚同種移植片拒絶反応、軟骨移植拒絶反応、骨移植片拒絶反応、小腸移植拒絶反応、胎児胸腺移植片拒絶反応、副甲状腺移植拒絶反応、任意の臓器もしくは組織の異種移植片拒絶反応、同種移植片拒絶反応、抗受容体超過敏反応、グレーブス病、レーノー病、B型インシュリン抵抗性糖尿病、喘息、重症筋無力症、抗体媒介性細胞傷害、III型超過敏反応、全身性エリテマトーデス、POEMS症候群(多発性神経障害、臓器肥大症、内分泌障害、単クローン性免疫グロブリン血症、及び皮膚変化症候群)、多発性神経障害、臓器肥大症、内分泌障害、単クローン性免疫グロブリン血症、皮膚変化症候群、抗リン脂質症候群、天疱瘡、強皮症、混合結合組織病、特発性アジソン病、糖尿病、慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、白斑、脈管炎、心筋梗塞心術後症候群、IV型過敏症、接触皮膚炎、過敏性肺炎、同種移植片拒絶反応、細胞内生物体による肉芽腫、薬物過敏、代謝性/特発性、ウィルソン病、ヘマクロマトーシス、アルファ−1−アンチトリプシン欠損症、糖尿病性網膜症、橋本甲状腺炎、骨粗しょう症、視床下部−下垂体−副腎軸評価、原発性胆汁性肝硬変、甲状腺炎、脳脊髄炎、悪液質、嚢胞性線維症、新生児慢性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、家族性血球貪食性リンパ組織球増多症、皮膚病変、乾癬、脱毛、ネフローゼ症候群、腎炎、糸球体腎炎、急性腎不全、血液透析、尿毒症、毒性、子癇前症、OKT3療法、抗CD3療法、サイトカイン療法、化学療法、放射線療法(例えば、限定されるものではないが、無力症、貧血、悪液質などが含まれる)、慢性サリチル酸中毒、睡眠時無呼吸、肥満症、心不全、副鼻腔炎、炎症性腸疾患などの少なくとも1つを含む、細胞、組織、臓器、動物、もしくは患者における少なくとも1つのGD2媒介免疫関連疾患を調節もしくは処置する方法も提供する。例えば、各々を参照することによりその全体が本明細書に組み込まれるMerck Manual,12th−17th Editions,Merck & Company,Rahway,NJ(1972,1977,1982,1987,1992,1999),Pharmacotherapy Handbook,Wells et al.,eds.,Second Edition,Appleton and Lange,Stamford,Conn.(1998,2000)を参照されたい。
本発明は、これに限定されるものではないが、急性もしくは慢性の細菌感染、細菌、ウイルス及び真菌感染を含む急性及び慢性の寄生性もしくは感染性プロセス、HIV感染/HIV神経障害、髄膜炎、肝炎(A、BもしくはCなど)、敗血症性関節炎、腹膜炎、肺炎、喉頭蓋炎、エシェリキア・コリO157:h7、溶血性尿毒症症候群/血栓溶解性血小板減少性紫斑症、マラリア、デング出血熱、リーシュマニア症、ハンセン病、毒素性ショック症候群、連鎖球菌性筋炎、ガス壊疽、マイコバクテリウム・ツベルクローシス、マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレ、ニューモシスティス・カリニ肺炎、骨盤内炎症性疾患、精巣炎/精巣上体炎、レジオネラ菌、ライム病、インフルエンザ、エプスタイン・バーウイルス、ウイルス関連血球貪食性症候群、ウイルス性脳炎/無菌性髄膜炎などの少なくとも1つを含む、細胞、組織、臓器、動物もしくは患者における少なくとも1つの感染症を調節もしくは処置する方法も提供する。
そのような方法のいずれも、必要に応じて、少なくとも1つの抗GD2抗体を含む少なくとも1つの組成物もしくは医薬組成物の有効量をそのような調節、処置もしくは治療を必要とする細胞、組織、臓器、動物もしくは患者に投与することを含むことができる。
本発明の任意の方法は、少なくとも1つの抗GD2抗体を含む組成物もしくは医薬組成物の有効量をそのような調節、処置もしくは治療を必要とする細胞、組織、臓器、動物もしくは患者に投与することを含むことができる。そのような方法は、必要に応じて、そのような免疫疾患もしくは悪性疾患を治療するための共投与もしくは併用療法をさらに含むことができ、前記少なくとも1つの抗GD2抗体、その特定の部分もしくは変異体の投与は、前に、同時に、及び/または後に、少なくとも1つのTNF拮抗剤(例えば、これに限定されるものではないが、TNF抗体もしくは断片、可溶性TNF受容体もしくは断片、その融合タンパク質、または小分子TNF拮抗剤)、IL−18抗体もしくは断片、小分子IL−18拮抗剤またはIL−18受容体結合タンパク質、IL−1抗体(IL−1アルファ及びIL−1ベータの両方を含む)もしくは断片、可溶性IL−1受容体拮抗剤、抗リウマチ剤(例えば、メトトレキセート、オーラノフィン、金チオグルコース、アザチオプリン、エタネルセプト、金チオリンゴ酸ナトリウム、硫酸ヒドロキシクロロキン、レフルノミド、スルファサラジン)、放射線療法、抗血管新生剤、化学療法剤、サリドマイド、筋肉弛緩剤、麻酔薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、鎮痛剤、麻酔剤、鎮静剤、局所麻酔剤、神経筋遮断薬、抗菌剤(例えば、アミノグリコシド、抗真菌剤、抗寄生虫剤、抗ウイルス薬、カルバペネム、セファロスポリン、フルオロキノロン、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、別の抗菌剤)、乾癬治療剤、コルチコステロイド、タンパク同化ステロイド、糖尿病関連薬、ミネラル、栄養、甲状腺薬、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、エリスロポエチン(例えば、エポエチンアルファ)、フィルグラスチム(例えば、G−CSF,Neupogen)、サルグラモスチム(GM−CSF,Leukine)、免疫化薬、免疫グロブリン、免疫抑制剤(例えば、バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、成長ホルモン、ホルモン補充薬、エストロゲン受容体モジュレーター、散瞳薬、毛様筋調節薬、アルキル化剤、代謝拮抗剤、分裂抑制剤、放射性医薬品、抗鬱剤、抗躁病薬、抗精神病剤、精神安定剤、睡眠薬、交感神経様作用薬、興奮剤、ドネペジル、タクリン、喘息投薬、ベータアゴニスト、吸入用ステロイド、ロイコトリエン阻害剤、メチルキサンチン、クロモリン、エピネフリンもしくはアナログ、ドルナーゼアルファ(Pulmozyme)、サイトカインまたはサイトカイン拮抗剤から選択される少なくとも1つを投与することをさらに含む。適当な投与量は、当該技術分野でよく知られている。例えば、Wells et al.,eds.,Pharmacotherapy Handbook,2nd Edition,Appleton and Lange,Stamford,CT(2000);PDR Pharmacopoeia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2000,Deluxe Edition,Tarascon Publishing,Loma Linda,CA(2000)を参照されたい、これらの参考文献の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
(本発明の少なくとも1つの抗体、その特定の部分及び変異体をさらに含む)本発明の組成物、併用療法、共投与、装置及び/または方法に適当なTNF拮抗剤には、限定されるものではないが、抗TNF抗体、その抗原結合断片、及びTNFに特異的に結合する受容体分子;サリドマイド、テニダップ、ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、ペントキシフィリン及びロリプラム)、A2bアデノシン受容体アゴニスト及びA2bアデノシン受容体エンハンサーのような、TNF合成、TNF放出もしくは標的細胞へのその作用を阻止及び/または阻害する化合物;マイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼ阻害剤のような、TNF受容体シグナル伝達を阻止及び/または阻害する化合物;メタロプロテイナーゼ阻害剤のような、膜TNF切断を阻止及び/または阻害する化合物;アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤(例えば、カプトプリル)のような、TNF活性を阻止及び/または阻害する化合物;ならびにMAPキナーゼ阻害剤のような、TNF生産及び/または合成を阻止及び/または阻害する化合物が含まれる。
本発明の任意の方法は、少なくとも1つの抗GD2抗体を含む組成物もしくは医薬組成物の有効量をそのような調節、処置もしくは治療を必要とする細胞、組織、臓器、動物もしくは患者に投与することを含む、GD2発現により特徴付けられるGD2媒介疾患もしくは障害を治療する方法を含むことができる。そのような方法は、必要に応じて、そのような免疫疾患を治療するための共投与もしくは併用療法をさらに含むことができ、前記少なくとも1つの抗GD2抗体、その特定の部分もしくは変異体の投与は、前に、同時に、及び/または後に、上記のような少なくとも1つの薬剤を投与することをさらに含む。
典型的には、病的症状の治療は、組成物に含まれるものの比活性により、平均して、用量につき患者のキログラム当たり少なくとも約0.01〜500ミリグラムの少なくとも1つの抗GD2抗体、好ましくは単回もしくは複数回投与につき患者のキログラム当たり少なくとも約0.1〜100ミリグラムの抗体の範囲に合計でなる少なくとも1つの抗GD2抗体組成物の有効量もしくは投与量を投与することによりもたらされる。あるいは、有効血清濃度は、単回もしくは複数回投与につき0.1〜5000μg/mlの血清濃度を含むことができる。適当な投与量は、医師に既知であり、もちろん特定の疾患状態、投与する組成物の比活性、及び治療を受けている特定の患者により決まる。いくつかの例として、所望の治療量を得るために、反復投与、すなわち、特定のモニター量もしくは定量の反復個別投与を与えることが必要である可能性があり、該個別投与は、所望の日量もしくは効果が得られるまで繰り返される。
好ましい用量には、必要に応じて、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99及び/または100〜500mg/kg/投与、またはその任意の範囲、値もしくは割合、あるいは単回もしくは複数回投与当たり0.1、0.5、0.9、1.0、1.1、1.2、1.5、1.9、2.0、2.5、2.9、3.0、3.5、3.9、4.0、4.5、4.9、5.0、5.5、5.9、6.0、6.5、6.9、7.0、7.5、7.9、8.0、8.5、8.9、9.0、9.5、9.9、10、10.5、10.9、11、11.5、11.9、12、12.5、12.9、13.0、13.5、13.9、14.0、14.5、14.9、15、15.5、15.9、16、16.5、16.9、17、17.5、17.9、18、18.5、18.9、19、19.5、19.9、20、20.5、20.9、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、96、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、及び/または5000μg/mlの血清濃度、またはその任意の範囲、値もしくは割合を得ることを含むことができる。
あるいは、投与する投与量は、特定の薬剤の薬力学的特性、ならびにその投与形態及び経路;レシピエントの年齢、健康、及び体重;症状の性質及び程度、併用療法の種類、治療の頻度、ならびに所望の効果のような公知の因子により異なることができる。通常、有効成分の投与量は、体重のキログラム当たり約0.1〜100ミリグラムであることができる。通常は、投与につきもしくは持続放出形態においてキログラム当たり0.1〜50、好ましくは0.1〜10ミリグラムが、所望の結果を得るために有効である。
非限定例として、ヒトもしくは動物の治療は、単回の、注入もしくは反復用量を用いて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、もしくは40日の少なくとも1つ、あるいはもしくはさらに、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、もしくは52週の少なくとも1つ、あるいはもしくはさらに、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20年の少なくとも1つ、またはその任意の組み合わせに、1日当たり、0.5、0.9、1.0、1.1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、45、50、60、70、80、90もしくは100mg/kgのような、0.1〜100mg/kgの本発明の少なくとも1つの抗体の1回限りのもしくは定期的投与量として提供することができる。
本発明は、さらに、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹部内、嚢内、軟骨内、腔内、腔内、小脳内、脳室内、髄腔内、オマヤ内、眼内、硝子体内、結腸内、頸部内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊髄内、滑液嚢内、胸腔内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣内、直腸、口腔、舌下、鼻腔内、もしくは経皮手段による少なくとも1つの抗GD2抗体の投与に関する。少なくとも1つの抗GD2抗体組成物は、特に液体溶液もしくは懸濁剤の形態で非経口(皮下、筋肉内もしくは静脈内)または任意の他の投与の使用のために;これに限定されるものではないが、クリーム及び座薬のような、特に半固体形態で膣内もしくは直腸投与における使用のために;これに限定されるものではないが、錠剤もしくはカプセル剤の形態のような口腔内、もしくは舌下投与のために;あるいはこれに限定されるものではないが、散剤、点鼻薬もしくはエアロゾルまたはある種の薬剤の形態のような鼻腔内に;あるいはこれに限定されるものではないが、皮膚構造を改変するためもしくは経皮パッチにおける薬剤濃度を上げるために(Junginger,et al.“Drug Permeation Enhancement”;Hsieh,D.S.,Eds.,pp.59−90(Marcel Dekker,Inc.New York 1994、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)ジメチルスルホキシドのような化学エンハンサーを有する、あるいは皮膚上へのタンパク質及びペプチドを含有する製剤の適用(WO98/53847)、または電気穿孔のような一時的輸送経路を作り出すためもしくはイオン導入のような皮膚を通した荷電薬剤の移動性を上げるための電場の適用、または超音波導入(米国特許第4,309,989号及び第4,767,402号)のような超音波の適用を可能にする酸化剤を有するゲル、軟膏、ローション、懸濁剤もしくはパッチ送達系のような経皮に調製することができる(上記の公開及び特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
肺投与には、好ましくは、少なくとも1つの抗GD2抗体組成物を肺もしくは洞の下気道に到達するのに有効な粒子サイズで送達する。本発明によれば、少なくとも1つの抗GD2抗体は、吸入による治療剤の投与用に当該技術分野で知られた種々の吸入もしくは点鼻装置のいずれかにより送達することができる。患者の洞腔もしくは肺胞にエアロゾル化した製剤を置くことができるこれらの装置には、定量吸入器、ネブライザー、ドライパウダー発生器、スプレーなどが含まれる。抗体の肺もしくは鼻腔投与を導くのに適当な他の装置も、当該技術分野において既知である。全てのそのような装置は、エアロゾルで抗体を施薬する投与に適当な製剤のものを用いることができる。そのようなエアロゾルは、溶液(水性及び非水性の両方)もしくは固体粒子のいずれかから成ることができる。Ventolin(登録商標)定量吸入器のような定量吸入器は、典型的には、噴射ガスを使用し、吸気中の作動を必要とする(例えば、WO94/16970、WO98/35888を参照されたい)。数例を挙げると、TURBUHALER(商標)(Astra)、ROTAHALER(登録商標)(Glaxo)、DISKUS(登録商標)(Glaxo)、Inhale Therapeuticsにより市販される装置のようなドライパウダー吸入器は、混合パウダーの呼吸作動を用いる(米国特許第4,668,218号 Astra,EP237507 Astra,WO97/25086 Glaxo,WO94/08552 Dura,米国特許第5,458,135号 Inhale,WO94/06498 Fisons、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。ULTRAVENT(登録商標)ネブライザー(Mallinckrodt)、及びACORN II(登録商標)ネブライザー(Marquest Medical Products)(米国特許第5,404,871号 Aradigm,WO97/22376)(上記の参考文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)のようなネブライザーは、溶液からエアロゾルを生成し、一方、定量吸入器、ドライパウダー吸入器などは、小粒子エアロゾルを生成する。市販されている吸入装置のこれらの特定の例は、本発明の実施に適当な特定の装置の代表であるものとし、本発明の範囲を限定するものではない。好ましくは、少なくとも1つの抗GD2抗体を含む組成物は、ドライパウダー吸入器もしくはスプレーにより送達する。本発明の少なくとも1つの抗体を投与するための吸入装置のいくつかの望ましい特徴がある。例えば、吸入装置による送達は、好都合なことに信頼性があり、再現可能であり、なおかつ正確である。吸入装置は、必要に応じて、十分に呼吸が可能であるように、例えば、約10μm未満、好ましくは約1〜5μmの小乾燥粒子を送達することができる。
GD2抗体組成物タンパク質を含むスプレーは、少なくとも1つの抗GD2抗体の懸濁液もしくは溶液を圧力下でノズルを通して押し出すことにより製造することができる。ノズルのサイズ及び構造、適用圧力、ならびに液体供給速度は、所望の出力及び粒子サイズを得るために選択することができる。例えば、毛細管もしくはノズル送りと接続した電場によりエレクトロスプレーを製造することができる。好都合なことに、スプレーにより送達する少なくとも1つの抗GD2抗体組成物タンパク質の粒子は、約10μm未満、好ましくは約1μm〜約5μmの範囲、そして最も好ましくは約2μm〜約3μmの粒子サイズを有する。
スプレーでの使用に適当な少なくとも1つの抗GD2抗体組成物タンパク質の製剤は、典型的には、約0.1mg〜約100mgの少なくとも1つの抗GD2抗体組成物タンパク質/ml溶液もしくはmg/gm、またはその中の任意の範囲もしくは値、例えば、これに限定されるものではないが、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、45、50、60、70、80、90もしくは100mg/mlもしくはmg/gmの濃度で水溶液中に抗体組成物タンパク質を含む。製剤は、賦形剤、緩衝剤、等張剤、保存剤、界面活性剤、好ましくは亜鉛のような作用物質を含むことができる。製剤は、緩衝剤、還元剤、バルクタンパク質、もしくは炭水化物のような、抗体組成物タンパク質の安定化のための賦形剤もしくは作用物質を含むこともできる。抗体組成物タンパク質を調合することにおいて有用なバルクタンパク質には、アルブミン、プロタミンなどが含まれる。抗体組成物タンパク質を調合することにおいて有用な典型的な炭水化物には、スクロース、マンニトール、ラクトース、トレハロース、グルコースなどが含まれる。抗体組成物タンパク質製剤は、界面活性剤を含むこともでき、これはエアロゾルを形成する際に溶液の噴霧化により引き起こされる抗体組成物タンパク質の表面誘起凝集を減らすかもしくは防ぐことができる。ポリオキシエチレン脂肪酸エステル及びアルコール、ならびにポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルのような種々の従来の界面活性剤を用いることができる。量は一般に、製剤の0.001〜14重量%の間である。本発明の目的のために特に好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート80、ポリソルベート20などである。GD2抗体、または特定の部分もしくは変異体のようなタンパク質の調合用に当該技術分野で知られた追加の作用物質も、製剤に含むことができる。
抗体組成物タンパク質は、ジェットネブライザーもしくは超音波ネブライザーのようなネブライザーにより投与することができる。典型的には、ジェットネブライザーでは、開口部を通して高速空気ジェットを作り出すために圧縮空気源を用いる。気体がノズルを越えて広がるにつれて、低圧領域が生み出され、それは液体リザーバに接続されている毛細管を通して抗体組成物タンパク質の溶液を引き出す。毛細管からの液体の流れは、それが管から抜け出るにつれて不安定なフィラメント及び小滴に剪断され、エアロゾルを生み出す。所与のジェットネブライザーから所望の性能特性を得るために、一連の構成、流速、及びバッフルタイプを用いることができる。超音波ネブライザーでは、典型的には圧電変換器を使用して、振動の、機械的エネルギーを生み出すために高周波電気エネルギーを用いる。このエネルギーは、直接もしくはカップリング流動体を通して抗体組成物タンパク質の製剤に伝達され、抗体組成物タンパク質を含むエアロゾルを生み出す。好都合なことに、ネブライザーにより送達する抗体組成物タンパク質の粒子は、約10μm未満、好ましくは約1μm〜約5μmの範囲、最も好ましくは約2μm〜約3μmの粒子サイズを有する。
ジェットもしくは超音波のいずれかのネブライザーでの使用に適当な少なくとも1つの抗GD2抗体の製剤は、典型的に、溶液のml当たり約0.1mg〜約100mgの少なくとも1つの抗GD2抗体タンパク質の濃度を含む。製剤は、賦形剤、緩衝剤、等張剤、保存剤、界面活性剤、及び好ましくは亜鉛のような作用物質を含むことができる。製剤は、緩衝剤、還元剤、バルクタンパク質、もしくは炭水化物のような、少なくとも1つの抗GD2抗体組成物タンパク質の安定化のための賦形剤もしくは作用物質を含むこともできる。少なくとも1つの抗GD2抗体組成物タンパク質を調合することにおいて有用なバルクタンパク質には、アルブミン、プロタミンなどが含まれる。少なくとも1つの抗GD2抗体を調合することにおいて有用な典型的な炭水化物には、スクロース、マンニトール、ラクトース、トレハロース、グルコースなどが含まれる。少なくとも1つの抗GD2抗体製剤は、界面活性剤を含むこともでき、これはエアロゾルを形成する際に溶液の噴霧化により引き起こされる少なくとも1つの抗GD2抗体の表面誘起凝集を減らすかもしくは防ぐことができる。ポリオキシエチレン脂肪酸エステル及びアルコール、ならびにポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルのような種々の従来の界面活性剤を用いることができる。量は、一般に、製剤の0.001〜4重量%の間である。本発明の目的のために特に好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート80、ポリソルベート20などである。抗体タンパク質のようなタンパク質の調合用に当該技術分野で知られた追加の作用物質も製剤に含むことができる。
定量吸入器(MDI)において、噴射剤、少なくとも1つの抗GD2抗体、及び任意の賦形剤もしくは他の添加剤を、液化圧縮ガスを含む混合物として容器に含有する。絞り弁の作動により、好ましくは、約10μm未満、好ましくは約1μm〜約5μm、最も好ましくは約2μm〜約3μmのサイズ範囲の粒子を含有する、エアロゾルとして混合物が放出される。所望のエアロゾル粒子サイズは、ジェット切削、噴霧乾燥、臨界点凝縮などを含む、当業者に知られた種々の方法により製造される抗体組成物タンパク質の製剤を用いることにより得ることができる。好ましい定量吸入器には、3MもしくはGlaxoにより製造され、ヒドロフルオロカーボン噴射剤を用いるものが含まれる。
定量吸入器装置での使用のための少なくとも1つの抗GD2抗体の製剤には、一般に、非水性媒質中の懸濁液として、例えば、界面活性剤を用いて噴射剤に懸濁した少なくとも1つの抗GD2抗体を含有する微粉化散剤が含まれる。噴射剤は、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタノール及び1,1,1,2−テトラフルオロエタン、HFA−134a(ヒドロフルオロアルカン−134a)、HFA−227(ヒドロフルオロアルカン−227)などを含む、クロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、もしくは炭水化物のような、この目的のために用いる任意の従来の物質であってもよい。好ましくは、噴射剤は、ヒドロフルオロカーボンである。界面活性剤は、噴射剤における懸濁液として少なくとも1つの抗GD2抗体を安定させるため、化学分解から有効成分を守るためなどに選択することができる。適当な界面活性剤には、ソルビタントリオレエート、ダイズレシチン、オレイン酸などが含まれる。場合によっては、エタノールのような溶媒を用いる溶液エアロゾルが好ましい。タンパク質の調合用に当該技術分野で知られた追加の作用物質も製剤に含むことができる。
当業者であれば、本発明の方法は、本明細書中に記載されていない装置を介して少なくとも1つの抗GD2抗体組成物の肺投与により達成できることが分かるであろう。
経口投与用の製剤は、腸壁の透過性を人工的に上げるためにアジュバント(例えば、レゾルシノールならびにポリオキシエチレンオレイルエーテル及びn−ヘキサデシルポリエチレンエーテルのような非イオン性界面活性剤)の共投与、ならびに酵素分解を阻止するために酵素阻害剤(例えば、膵臓トリプシン阻害剤、ジイソプロピルフルオロホスフェート(DFF)及びトラシロール)の共投与に依存する。経口投与用の固体タイプ剤形の有効成分化合物は、スクロース、ラクトース、セルロース、マンニトール、トレハロース、ラフィノース、マルチトール、デキストラン、澱粉、寒天、アルギネート、キチン、キトサン、ペクチン、トラガカントゴム、アラビアゴム、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、合成もしくは半合成のポリマー、及びグリセリドを含む、少なくとも1つの添加剤と混合することができる。これらの剤形は、他のタイプ(1つもしくは複数)の添加剤、例えば、不活性希釈剤、ステアリン酸マグネシウム、パラベンのような潤滑剤、ソルビン酸、アスコルビン酸、アルファ−トコフェロールのような保存剤、システインのような酸化防止剤、崩壊剤、結合剤、増粘剤、緩衝剤、甘味料、着香料、香料などを含有することもできる。
錠剤及び丸剤は、腸溶性製剤にさらに加工することができる。経口投与用の液体製剤には、医療用に許容される乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤及び液剤製剤が含まれる。これらの製剤は、該分野において通常用いられる不活性希釈剤、例えば水を含有することができる。リポソームもまた、インシュリン及びヘパリンの薬剤送達系として記述されている(米国特許第4,239,754号)。さらに最近では、混合アミノ酸の人工ポリマーの小球体(プロテイノイド)が医薬品を送達するために用いられている(米国特許第4,925,673号)。さらに、米国特許第5,879,681号及び米国特許第5,5,871,573号に記述されている担体化合物は、生物学的に活性な作用物質を経口的に送達するために用いられ、当該技術分野で知られている。
粘膜面を通した吸収には、少なくとも1つの抗GD2抗体を投与する組成物及び方法は、乳剤粒子の粘膜接着を成し遂げることにより粘膜面を通した吸収を促進する、複数のサブミクロン粒子、粘膜接着性高分子、生物活性ペプチド、及び水性連続相を含む乳剤を含む(米国特許第5,514,670号)。本発明の乳剤の使用に適当な粘膜面には、角膜、結膜、口腔内、舌下、鼻腔内、膣内、肺、胃、腸、及び直腸投与経路を含むことができる。膣内もしくは直腸投与用の製剤、例えば座薬は、賦形剤として例えばポリアルキレングリコール、ワセリン、ココアバターなどを含有することができる。鼻腔内投与用の製剤は固体であってもよく、賦形剤として例えばラクトースを含有してもよく、または点鼻薬の水性もしくは油性溶液であってもよい。口腔内投与では、賦形剤には、糖、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、糊化済澱粉などが含まれる(米国特許第5,849,695号)。
経皮投与には、少なくとも1つの抗GD2抗体をリポソームもしくはポリマーナノ粒子、微粒子、マイクロカプセル、または小球体(他に記載されない限り、まとめて微粒子と称する)に封入する。ポリ乳酸、ポリグリコール酸及びそのコポリマーのようなポリヒドロキシ酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物、及びポリホスファゼンのような合成ポリマー、ならびにコラーゲン、ポリアミノ酸、アルブミン及び他のタンパク質、アルギネート及び他の多糖のような天然ポリマー、ならびにその組み合わせでできている微粒子を含む、多数の適当な装置が公知である(米国特許第5,814,599号)。
本発明の化合物を対象に長期間にわたって、例えば、単回投与から1週〜1年以上の期間にわたって送達することが望ましいことがあり得る。種々の持続放出、持続性薬剤もしくは埋め込み剤形を利用することができる。例えば、剤形は、体液において低い程度の溶解性を有する化合物の医薬的に許容し得る無毒の塩、例えば、(a)リン酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、タンニン酸、パモン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンモノもしくはジスルホン酸、ポリガラクツロン酸などのような多塩基酸との酸付加塩;(b)亜鉛、カルシウム、ビスマス、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、コバルト、ニッケル、カドミウムなどのような多価金属陽イオン、または、例えば、N,N’−ジベンジル−エチレンジアミンもしくはエチレンジアミンから形成される有機陽イオンとの塩;あるいは(c)(a)及び(b)の組み合わせ、例えば、タンニン酸亜鉛塩を含有することができる。さらに、本発明の化合物もしくは好ましくは今記述したもののような比較的不溶性の塩は、ゲル、例えば、注入用に適当な、例えば、ゴマ油を有するモノステアリン酸アルミニウムゲルに調合することができる。特に好ましい塩は、亜鉛塩、タンニン酸亜鉛塩、パモン酸塩などである。注入用の持続放出持続性製剤の別のタイプは、例えば、米国特許第3,773,919号に記載されているようなポリ乳酸/ポリグリコール酸ポリマーのようなゆっくり分解する無毒の非抗原性ポリマーに分散もしくは封入した化合物もしくは塩を含有する。化合物、もしくは好ましくは、上述したものなどの比較的不溶性の塩は、特に動物における使用のために、コレステロールマトリックスシラスティックペレットに調合することもできる。追加の持続放出、持続性製剤もしくは埋め込み製剤、例えば、気体もしくは液体リポソームは、文献において既知である(米国特許第5,770,222号及び“Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems”,J.R.Robinson ed.,Marcel Dekker,Inc.,N.Y.,1978)。
本出願を通して引用された全ての引用参照文献(参照文献、発行特許、公開特許出願、同時係属特許出願を含む)の内容は、ここに参照によって明白に組み入れられる。
本発明の他の特徴は、本発明の例示について述べるものであり、かつ、本発明を限定するためではない以下の例示的な実施形態の記載により明らかになるだろう。
実施例
本発明について、以下の非限定的な実施例によりさらに説明する。これらの実施例は、本発明の理解のために記載されるが、本発明の範囲をいかなる意味でも限定することを意図せず、またそう解釈すべきではない。実施例には、当業者に周知の従来の方法(分子クローニング技術など)の詳細な説明は含まれない。別段の指示が無い限り、分率は重量分率であり、分子量は平均分子量であり、温度は摂氏の温度であり、かつ圧力は大気圧であるかまたはそれに近い。
ネズミ3F8の抗体精製及びFab断片製剤
前述のように、濃縮されたハイブリドーマ上清からネズミ抗GD2 MoAb 3F8(IgG3)を精製した(Cheung et al.,1985,Cancer Res 45,2642−2649)。標準的Fab製剤キットを用いて、パパイン消化によりm3F8のFab断片を生成した(Pierce Biotechnology,Rockford,IL)。
結晶化及びデータ収集
精製された3F8 Fab断片を20mM HEPES(pH6.5)中で12mg/mlに濃縮し、0.1M BIS−TRIS、pH6.5、25%PEG 3350を含有するHampton Index試薬D7を含有するリザーバに対して、16℃で蒸気拡散により懸滴で結晶化した(Hampton Research、カリフォルニア州アリソ・ビエホ)。1μlのタンパク質溶液と1μlのリザーバ溶液とを混合して液滴を形成した。25%グリセロール、0.1M BIS−TRIS、pH6.5、25%PEG 3350を含有する抗凍結剤により結晶を保護した。Argonne Advanced Photon Sourceビームライン24IDCでデータを収集した。結晶は、空間群C2に属し、1.65Åの分解能に回折した。
構造決定及び精製
フェーザー(CCP4スーツ)を用いて、検索モデルPDBエントリー2AJUを持つ分子置換によりFab構造を解決した(Mccoy,et al.,2007,j.Appl.Crystallogr 40,658−674)。Refmac5を用いて、最良の分子置換モデルを精製し(Murshudov et al.,1997,Acta Crystallogr D 53,240−255)、マニュアルフィッティングをOで行い(Bailey,S.,1994,Acta Crystallogr D 50,760−763)、Arp−Warpで溶媒付加した(Lamzin and Wildon,1993,Acta Crystallogr D 49,129−147)。最終モデルは、m3F8 Fab及び585溶媒分子の2つのポリペプチド鎖を含有していた。最終モデルは、タンパク質構造データバンク(アクセスコード3VFG)に寄託した。
分子ドッキングシミュレーション及びin silico突然変異誘発
Schrodinger Suite2009プラットフォーム(Schrodinger、ニューヨーク州ニューヨーク)を用いて、GLIDEドッキングを行った。OPLS力場を用いて、タンパク質及びリガンドをパラメータ化した。トップリガンドポーズを2.0Åの標準偏差内でクラスタ化し、GlideScoreで採点した。Discovery Studio 3.0(Accelrys、カリフォルニア州サンディエゴ)を用いて、CDOCKERドッキング及び相互作用エネルギー測定を行った。CHARMm力場を用いて、タンパク質及びリガンドをパラメータ化した。トップリガンドポーズを2.0Åの標準偏差内でクラスタ化し、CDOCKER Interaction Energyで採点した。GD2を伴う全てのドッキング研究では、セラミドテイルをメチル基で置換した(データ不図示)。剛直側鎖を持つタンパク質/抗体上にリガンド配座をドッキングする剛体条件下でドッキングシミュレーションを行った。Discovery Studio 3.0(Accelrys、カリフォルニア州サンディエゴ)のSmart Minimizerアルゴリズムを用いたCHARMmで、最終のドッキング複合体のエネルギーを最小限にした。ドッキング抗体の結合の自由エネルギーを算出することで、In silico突然変異誘発を行った:抗原モデルは、CHARMm力場及びDiscovery Studio 3.0(Accelrys、カリフォルニア州サンディエゴ)の「Calculate Mutation Energy」プロトコルを用いた。
画像レンダリング
ドッキング研究用のPymol(Schrodinger、ニューヨーク州ニューヨーク)もしくは静電ポテンシャル表面用のDiscovery Studio 3.0(Accelrys、カリフォルニア州サンディエゴ)で分子構造画像をレンダリングした。
露出した疎水性表面積のモデリング
Discovery Studio 3.0(Accelrys、カリフォルニア州サンディエゴ)でMoAb 3F8及びMoAb 3F8 Hの抗原結合部位:Gly54Ileをモデリングした。Chennamsetty et al.(Chennamsetty et al.,2009,Proc Natl Acad Sci USA 106,11937−99842)により開発されたSpatial Aggregation Propensityアルゴリズムを用いて、露出した疎水性表面をレンダリングした。ここで、タンパク質表面上の効果的かつ動的に露出した疎水性のパッチを定量化し、赤色に着色する。
細胞培養物
ヒト神経芽細胞腫細胞株LAN−1は、Dr.Robert Seeger(Children’s Hospital of Los Angeles)によって提供された。黒色腫細胞株M14及びOCM−1は、Dr.David Cobrinik(Children’s Hospital of Los Angeles)から入手した。全ての細胞株は、5%のCO2インキュベーター内37℃で、10%子牛血清(Hyclone、South Logan、UT)、2mMグルタミン、100U/mlペニシリン、及び100μg/mlストレプトマイシンを補充したF10 RPMI 1640培地で成長させた。
hu3F8及び変異体の構築
前述のように、CHO細胞(Blue Heron Biotechnology or Genscript)でヒト化3F8遺伝子を合成した(Cheung et al.,2012,Oncoimmunology 1,477−486)。ブルースクリプトベクター(Eureka、CA)を用いて、hu3F8のこれらの重鎖及び軽鎖遺伝子をDG44細胞に形質導入し、G418で選択した(InVitrogen、CA)。
抗体の精製
Hu3F8及びキメラ3F8生産株をOpticho無血清培地(InVitrogen)中で培養し、成熟上清を前述のように採取した(Cheung et al.,2012,上記)。0.15M NaCl、pH8.2を持つ25mMクエン酸ナトリウム緩衝剤でタンパク質A親和性カラムを前平衡化した。結合hu3F8を0.1Mクエン酸/クエン酸ナトリウム緩衝剤(pH3.9)で溶出させ、25mMクエン酸ナトリウム(pH8.5)中でアルカリ化した(1:10v/v比率)。Sartobind Q膜を通過させて、0.15M NaCl、pH8.2の25mMクエン酸ナトリウム中で5〜10mg/mlに濃縮した。
ELISAによるGD2結合の定量化及びフローサイトメトリー
前述のようにELISAを行った(Cheung et al.,2012,上記)。1ウエル当たり20ngのGD2でマイクロタイタープレートをコートした。1ウエル当たり、PBS(希釈剤)中0.5%BSA150μlを周囲温度で少なくとも30分間各プレートに加え、過剰な結合部位をブロックした。100μlの標準及び試料(2倍に希釈)を各ウエルに加え、37℃で2.5時間インキュベートした。プレートをPBSで洗浄後、希釈剤中で1:3500に希釈した100μLのヤギ抗ヒト−IgG(H+L)(Jackson Research Laboratory)を各ウエルに加え、4℃で1時間インキュベートした。基質過酸化水素と色原体OPD(Sigma)とのELISAにおける呈色反応を、周囲温度で暗闇にて30分間生じさせた。反応を5N H2SO4で停止し、光学濃度(OD)をELISAプレートリーダーMRX(Dynex)で490nmにて読んだ。
抗原含有細胞へのMoAbの結合保持を測定するため、抗体を黒色腫M14細胞でインキュベートし、連続的に洗い落した。最初に、丸底チューブ当たり1x106細胞で細胞を集め、遠心分離し、PBSで洗い流し、アッセイチューブ当たり100μLのPBS中で再懸濁した。細胞をMoAb hu3F8またはhu3F8−Ile((1μg MoAb/1x106細胞)で4℃にて30分間インキュベートした。次いで、3mM EDTA含有5ml PBSを用いて細胞を何回も連続的に洗浄した後、ペレット化し、上清を廃棄し、再懸濁させた。連続的な各洗浄で、試料をR−フィコエリトリン(R−PE)コンジュゲート抗ヒトIgG、Fcγ断片特異性二次抗体(Jackson ImmunoResearch)で暗闇で4℃にて30分間インキュベートし、洗浄した後、BD FACS Calibur機器を用いてフローサイトメトリーにより分析した。試料を3通りで調製した。
51クロム遊離による抗体依存性細胞媒介細胞毒性(ADCC)
前述のように、ヒトCD16 Fc受容体で安定的に形質導入されたNK−92MI細胞を用いて、ADCCアッセイを行った(Cheung et al.,2012,上記)。LAN1−1、M14、OCM−1、U2OS、CRL1427、NCI−H345標的細胞をCa2+Mg2+遊離PBS中の2mM EDTAで分離し、F10で洗浄し、ADCCアッセイのために51Crで放射性標識した。
統計分析
GraphPad Prism 5.0を用いて、カーブフィッティング及び統計分析を行った。有意の計算には、スチューデントt検定を用いた。
実施例1
3F8:GD2モデルのIn silicoスキャニング突然変異誘発
ドッキング3F8:GD2モデル(L:Tyr37、L:Lys55、L:Val99、L:Leu102、H:Gly40、H:Tyr31、H:Asn32、H:Asn34、H:Ser56、H:Ser58、H:Gly97、及びH:Met98)中のGD2と直接相互作用した12個の残基を取ってIn silicoスキャニング突然変異誘発を行い、各部位での全ての可能性に対する単一点突然変異の効果を分析した。CHARMm力場を用いて、モデルのエネルギーを最小限にした後、相互作用エネルギー(静電、ファン・デル・ワールス、エントロピー)の変化を分析した。トップ突然変異を表1に示す。4つの突然変異のみが、結合複合体の相互作用エネルギーを1kcal/mol以上増加させることが分かった(表1)。1点の突然変異のみが、−8kcal/molの加重突然変異エネルギーによって実質的に高い相互作用エネルギー(H:Gly54Ile)を有することが予測された。この相互作用エネルギーの増加の大部分は、抗原とのファン・デル・ワールス接触による増加のためであった。12個の相互作用残基を伴う二重点及び三重点突然変異の効果についても算出したが、相互作用エネルギーを増加させる突然変異のさらなる組み合わせは見つからなかった。表1は、ドッキングGD2抗原と直接相互作用するCDR残基のin silicoスキャニング突然変異誘発の結果を示す。エネルギーは、kcal/molの単位で示す。
3F8及び3F8−Ile(H:Gly54Ile)の抗原結合部位の分析
in silicoスキャニング突然変異誘発シミュレーションに由来する単一点突然変異(H:Gly54Ile、3F8−Ileと呼ばれる)を3F8の抗原結合部位にモデリングした(データ不図示)。H:Gly54Ile突然変異の疎水性のため、疎水性溶媒に露出したパッチの測度を提供するSpatial Aggregation Propensityアルゴリズム(Materials and Methods)を用いて、抗原結合部位の疎水性の分析を行った。MoAb 3F8は、H:Ile56を中心にしたGD2結合部位で疎水性パッチを有する(データ不図示)。H:Ile56は、結合窩洞から突出しており、抗体が、GD2頭部基を取り囲む膜表面と相互作用するのに役立つ。H:Gly54をIleに置換することにより、抗原結合部位の露出した疎水性表面積が増し、ドッキングモデルにおけるGD2とのファン・デル・ワールス接触も増す(データ不図示)。
hu3F8及びhu3F8−Ile H:Gly54Ileの結合特性及び腫瘍細胞殺傷特性
H:Gly54Ile突然変異が、GD2及び腫瘍細胞のADCCへの親和性を増大させるかどうか試験するため、突然変異を最近記載されたヒト化3F8(hu3F8)に操作した(Cheung et al.,2012,上記)。Hu3F8は、ネズミ3F8よりも免疫原性が低く、この研究で見出されたネズミ3F8の構造特性を保持し、現在、フェーズI臨床試験中である。Hu3F8及びhu3F8 H:Gly54Ile(hu3F8−Ile)を構築し、発現し、精製し、GD2結合及びADCCについて試験した。GD2のELISAアッセイにより、hu3F8(GD2結合のEC50:hu3F8 48±13ng/mL、hu3F8−Ile 38±11ng/mL)に対するhu3F8−Ileの結合効率の増加は無視できるものであったことが示された(データ不図示)。天然の環境において腫瘍細胞の表面のGD2にこれらの抗体が結合するアビディティーを試験するため、洗浄実験を行った。ここで、M14の表面、GD2(+)黒色腫細胞株に結合した抗体に、PBS−EDTAで連続的な洗浄サイクルを施した(Material and Methodsを参照)。Hu3F8−Ileは、腫瘍細胞の洗い落しに抵抗する能力がより大きいことを示した(hu3F8−Ileのt1/2=3回洗浄、hu3F8のt1/2=2回洗浄)(データ不図示)。抗原結合を増強させる他の突然変異は見つからなかった。
次いで、ヒトCD16 Fc受容体で形質導入されたナチュラルキラー細胞株NK−92MIの存在下において神経芽細胞腫LAN−1のADCCを媒介する効率について、Hu3F8及びhu3F8−Ileをアッセイした(データ不図示)。Hu3F8−Ileは、hu3F8に比べて一貫して〜9倍の細胞毒性能の増加を示した(IC50細胞殺傷:hu3F8 1.35±0.15ng/mL、hu3F8−Ile 0.15±0.01ng/mL)。黒色腫M14及びOCM−1細胞に対するADCC能の6〜7倍の増加も観察された(M14細胞のIC50細胞殺傷:hu3F8 25±2.2ng/mL、hu3F8−Ile 3.7±1.1ng/mL;OCM−1細胞のIC50細胞殺傷:hu3F8 8.5±0.8ng/mL、hu3F8−Ile 1.5±0.1ng/mL)。hu3F8に対するhu3F8−IleのADCC能の増加は、非常に有意であった(p<0.001)。
ヒト化3F8の潜在的な臨床効果をさらに最適にするため、3F8:GD2ドッキングモデル中の重要な相互作用残基上でハイスループットin silicoスキャニング突然変異誘発を用いた。GD2−ELISAアッセイにおける結合親和性の穏やかな上昇及び細胞表面のGD2への結合を保持するhu3F8−Ileの能力の増加を示した単一点突然変異(H:Gly54Ile)を同定した。さらに驚くべきことに、hu3F8は、神経芽細胞腫、黒色腫、骨肉腫、及び小細胞肺癌を含むGD2陽性腫瘍細胞株のADCCにおいて〜6〜9倍の増加を示した。H:Gly54Ile突然変異の性質は、抗原結合部位で露出した疎水性表面積を増加させることである。GD2は、セラミド部分により膜表面に組み込まれるため、抗原結合部位でのIleの追加により、細胞洗浄実験にて観察されたように、MoAb 3F8が膜表面に結合し続ける能力を増強させることで、ADCCを増強し得る。
糖鎖抗原は、いくつかの生物学的経路において重要な役割を果たす。糖鎖を標的にする抗体の開発は、細菌、腫瘍、血液型、細胞間接着相互作用;ウイルス、ホルモン、及びキシン受容体;ならびに組換えタンパク質のグリコシル化を調査するために重要である(Heimburg−Molinaro and Rittenhouse−Olson,2009,Methods Mol.Biol.534,341−357)。サッカリドへの免疫応答は、T細胞非依存性であるため、糖鎖抗原に向かって生成された抗体は、低親和性IgM抗体として生産されることが多い(Heimburg−Molinaro and Rittenhouse−Olson,2009,上記)。癌免疫療法の場合と同様に治療用途用の高親和性抗体を生成するために、親和性成熟技術は、治療効果を増強させるために用いる必要があることが多い。酵母/ファージ/リボソームディスプレイなどの従来の抗体親和性成熟法は、抗体のCDRにおけるアミノ酸の各々で全種類の多様性を提供するわけではない変異性ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に依存する。この調査において、in silicoスキャニング突然変異誘発は、高分解能の共複合体構造が使用できない場合でも用いることが可能であることを示す。さらに、親和性の穏やかな上昇により、腫瘍抗原GD2に治療的に標的化するMoAb 3F8の機能的性質を増強することができることも示す。ADCCの増強が効果の改善につながると思われるが、これについては、患者において将来の臨床試験で証明する必要がある。これらのin silico技術を用いることで、癌だけでなく、炭水化物エピトープがドラッガブルターゲットである他のヒト障害の診断もしくは治療用の次世代のMoAbの開発における従来の実験的方法に有益な付加をもたらし得る。
新規フレームワークhu3F8 ver5の設計
計算方法に基づいて免疫原性を減少させるために、hu3F8V1(WO2011/160119,Cheung et al.,2012,上記)のフレームワーク構造を最適化した。まず、hu3F8V1重鎖及び軽鎖配列をヒト生殖細胞株配列であるhumIGHV199及びhumIGKV025とそれぞれ比較した(EMBLデータベース、www.vbase2.org)。ネズミ3F8(タンパク質データバンク登録番号3VFG、http://www.pdb.org)の結晶構造に基づいて、CHARMm(CHemistry at Harvard Molecular mechanics)力場(Brooks et al.,2009,J.Comp.Chem.30,1545−1615)を用いた分子シミュレーションを各々の潜在的なヒト化突然変異に行い、突然変異が構造的に許容できるか判断した。さらに、hu3F8V1中のMHCクラスII T細胞エピトープを、NNアラインメント方法を用いて、免疫エピトープデータベース(http://www.iedb.org/)上で同定し、構造的に許容できる突然変異に基づいて最小化した。3F8結晶構造にドッキングさせたGD2の計算モデル(CDOCKER及びDiscovery Studioソフトウェアを用いて構築、Accelrys、カリフォルニア州サンディエゴ)に基づいて、GD2抗原と直接相互作用するようにモデリングされていないCDR残基は、ヒト化突然変異と見なした。
酵母ライブラリーからのhu3F8突然変異体の選択
高親和性突然変異体を生成し、単離する方法は、参照文献(Zhao et al.,Mol.Cancer Ther.2011,10,1677−1685)に記載されている通りであった。FACSの選択前に、酵母細胞(1×109)をPBSA緩衝剤(PBS中の0.1%BSA)中の10μg GD2−コンジュゲート磁気ビーズで室温にて1時間インキュベートした後、磁気スタンドで分離した。単離されたビーズをPBSA緩衝剤で3回洗浄し、10mlのSDCAA(合成デキストロースカザミノ酸)培地に置き、250rpmの攪拌器中で30℃にて一晩増殖させた。磁気ビーズから回収した酵母細胞を、20℃にて18時間250rpmで攪拌しながらSG/RCAA(合成ガラクトースラフィノースカザミノ酸)培地中で誘導した。およそ1×108酵母細胞をペレット化し、PBSA緩衝剤で2回洗浄し、ビオチン化GD2を含む1mlのPBSA緩衝剤及びマウス抗c−myc抗体(Invitrogen)の1:100希釈物中で再懸濁した。インキュベーション後、酵母細胞を3回洗浄し、次いで、1mlのPBSA緩衝剤中で再懸濁した。R−フィコエリトリンコンジュゲートストレプトアビジン(Invitrogen)及びAlexa Fluor 488コンジュゲートヤギ抗マウスIgG抗体(Invitrogen)の両方の1:100希釈物に酵母細胞を加え、4℃で30分間インキュベートし、PBSA緩衝剤で再度3回洗浄し、次いで、ソーティングのためにPBSA緩衝剤中で再懸濁した。ソーティングゲートを決定し、より高い抗原結合シグナルを持つ個体群のみを選択した。収集した細胞をSDCAA培地中で30℃にて一晩増殖させ、次回のソーティングのためにSG/RCAA中で誘導させた。次の3択では、およそ1〜2×107酵母細胞をそれぞれ用いて、ビオチン化IGF−1で染色した。製造者の指示に従って、Zymoprep yeast Plasmid Miniprep II Kit(Zymo Research)を用いて、酵母プラスミドを単離し、ライブラリー構築のテンプレートに用いた。4回目のプラスミドを調製して、配列を決定し、特徴付けた。
hu3F8 scFv及びIgG1の発現
前述のように、ScFvを発現し、精製した(Zhao et al.,2011,上記)。scFv配列を含有するpComb3xプラスミドでHB2151細胞を形質転換した。単一の新鮮なコロニーを、100μg/mLのアンピシリン及び0.2%グルコースを含有する2YT培地に接種した。イソプロピル−L−チオ−h−D−ガラクトピラノシド(最終濃度0.5mM)によって培養を誘導した。30℃にて一晩増殖後、細菌を5,000×gで15分間遠心分離した。30℃で30分間インキュベートすることで、可溶性scFvをペリプラズムから放出した。透明な上清を回収し、Ni−NTAカラム上で精製した。組換えscFvは、FLAG及びHisタグを有する。前述のように、IgGをCHO懸濁剤細胞中で発現した(Cheung et al.,2012,上記)。HEK293細胞を用いて、Hu3F8 V5 IgGを過渡的に発現した(Invitrogenフリースタイル発現システム)。IgGをタンパク質Gカラム上で精製した。
ELISA
他のガングリオシドとの交差反応では、GD2、GD1a、及びGD1bを90%エタノール中で1ウエル当たり20ngでポリビニルマイクロタイタープレート上にコートした。空気乾燥後、1ウエル当たり150μlのPBS中の0.5%BSAでウエルを室温で1時間ブロックした。0.5%BSA中に1mg/ml(1ウエル当たり100ml)で抗体を3通りで加えた。室温で1時間インキュベーションし、PBSで洗浄後、IgG抗体のために1:5000に希釈したHRP−ヤギ抗ヒトIgG、もしくはscFv抗体のために1:5000に希釈したHRP−ヤギ抗Flag IgGを加えた。4℃で1時間インキュベーションし、さらに洗浄後、呈色反応を行い、ELISAプレートリーダーを用いて490nmでODを読んだ。
表面プラズモン共鳴による親和性決定
Biacore T100を用いて親和性を測定した。要するに、疎水性相互作用を介してCM5センサーチップ上にガングリオシドを直接固定化した。参照表面をGM1で固定化した。活性表面を1:1比率のGD2及びGM1もしくはGD1bのみで固定化した。GD2及びGM1の希釈混合物(50ug/ml)もしくはGD1bを15μl/分の流量で20分かけて注入した(300μl)。安定なベースラインが得られるまで、10mM NaOHで広範囲にわたる洗浄を行った(典型的には、5μl/分の流量で20μlの5回洗浄)。
補体媒介細胞毒性(CMC)アッセイ
ヒト血清もしくはヒトエフェクター細胞の非存在下で腫瘍細胞増殖及び生存への直接効果について抗体を試験した。腫瘍標的を2mM EDTAもしくはトリプシン−EDTAで解離させ、洗浄し、ヒト血清を含む96ウエル平底プレート上にプレートした。5%CO2インキュベーター中で37℃にて24時間インキュベーション後、F10中の濃度を増加させた抗体を各ウエルに加えた。対照ウエルはF10のみを受けた。5%CO2中で37℃にて4時間インキュベーション後、WST−8試薬(Cayman Chemical Co.)を各ウエルに加え、CO2インキュベーター中で暗闇で37℃にて2〜6時間インキュベートした。ELISAプレートリーダーを用いて450nm及び690nmでODを読んだ。Trypan Blue(Sigma)もしくはBeckman Coulter Counter(Beckman Coulter)を用いて、直接細胞計数によってWST−8アッセイを確認した。
51クロム遊離による抗体依存性細胞媒介細胞毒性(ADCC)
標的細胞をCa2+Mg2+遊離PBS中の2mM EDTAで分離し、F10で洗浄した。製造者の指示に従って、Quantum Simply Cellular抗マウスIgGビーズ(Bangs Laboratories、Inc.)を用いて、抗原密度を推定した。細胞毒性アッセイでは、51Crの100uCiを250μlの最終容量で106標的細胞でインキュベートし、15分間隔でペレットを穏やかに再懸濁させて37℃で1時間インキュベートした。次いで、細胞を洗浄し、250μlのF10中で再懸濁させ、37℃で30分間インキュベートした。洗浄後、細胞を計数し、Trypan Blueで生存能力を決定し、96ウエルU底プレートの上に素早くプレートした。正常ボランティアからの末梢血を、ヘパリン化チューブに集めた。血液を3%デキストラン/PBSと混合し、室温で20分間保持し、赤血球を沈降させた。次いで、白血球をフィコールし、PBMC−ADCC用に末梢血中単核細胞(PBMC)に分離した。細胞をF10中で洗浄し、計数し、生存能力を決定した。10U/mlのIL−2の存在下においてPBMC−ADCCを行った。F10中で1μg/mlから10倍希釈で抗体を希釈した。プレートを、5%CO2インキュベーター中で37℃にて4時間インキュベートした。ADCC上清中の放出された51Crをガンマ計数用に集めた。10%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を用いて総放出を決定し、エフェクターを持たないF10のみで、バックグラウンド自然放出を決定した。一般に、エフェクター:標的(E:T)比率が50:1のものを用いた。同様に、ヒトCD16もしくはヒトCD32 Fc受容体で安定的に形質導入されたNK−92MI細胞を用いて、ADCCアッセイを行った。PBMCと異なり、サイトカインはアッセイに必要としなかった。E:T比率は、20:1に保持した。
免疫組織化学(IHC)
腫瘍及び正常組織を、Memorial Sloan−Kettering Cancer Centerにて施設内倫理委員会の承認の元で得た。スナップ冷凍組織の5〜7マイクロメータ切片をアセトン中で30分間−20℃にて固定した。内因性ビオチン結合活性は、アビジン及びビオチン(ベクターアビジン−ビオチンブロックキット;Invitrogen)で各々20分間連続処理することでブロックした。切片を3ug/ml scFv−Flagで室温にて1時間インキュベートした。洗浄後、切片をHRP抗Flag抗体で室温にて30分間インキュベートした後、3,3−ジアミノベンジジンで5分間インキュベートした。H&E染色も行った。
実施例2
hu3F8V5の構築
潜在的な免疫原性を減少させる目的で、hu3F8V1中に9点の突然変異を起こさせて、hu3F8V5(表2を参照)を作製した。9つ全ての突然変異は、その抗原であるGD2に結合した3F8の計算モデルに構造的に許容できることが分かった。全ての突然変異は、ヒト化3F8上に残されたネズミ残基をヒト生殖細胞株配列に変更することを伴う。5つの突然変異(LC:K24R、LC:S56T、LC:V58I、HC:I20L、HC:M92V)は、フレームワーク残基を伴う。CDR H2中の4つの突然変異(HC:A62S、HC:F63V、HC:M64K、HC:S56G)により、in silico方法によって同定された際に、強力なT細胞エピトープが除去されたことがさらに分かった。グラフト法による抗体ヒト化の当業者には、CDR残基を変化させることは一般的ではないが、GD2に結合した3F8の計算モデルにより、これらのさらなるヒト化突然変異を操作することができた。
hu3F8の親和性成熟
酵母提示法に基づいて親和性成熟を行うため、選択用に用いる新規のビオチン化GD2誘導体を合成した。標準的なビオチン化GD2抗原を用いてでは、これまで失敗に終わっていた。合成GD2−アジド誘導体(図2)を用いて、それをPEGスペーサーに融合させた(以下の実施例7を参照)。この新規のアナログを用いて、合成GD2アナログへの結合を増強させた酵母の表面上に提示されたhu3F8 ScFvのランダムライブラリーから2つの突然変異を選択した。1つ目は、CDR L1上に位置するLC:D32Hであり、2つ目は、フレームワーク残基であるLC:E1Kであった。
組換え発現hu3F8V1 ScFv及びhu3F8V5 ScFv構築体中で2つの突然変異(LC:E1K及びLC:D32H)を試験し、天然のGD2に対する結合親和性は、Biacore分析を用いて測定した。構造モデリングに基づいて、全てのhu3F8 ScFvは、抗原結合ポケットへのアクセスがそれほど制限されないため、VL−VH形式で作製した。これは、VH−VL形式で構築されるほとんどの従来のScFvと対照的である。いくつかの変異体についても、完全IgG1形式で試験した。表2は、hu3F8V5の設計を示す。
実施例3
結合親和性
ScFv形式で試験したhu3F8変異体の結合親和性(表3を参照)は、多くの興味深い所見を示す。まず、hu3F8V1よりも免疫原性が低くなるようにのみ設計されたhu3F8V5は、hu3F8V1よりもGD2への結合親和性がわずかに強かった。別々に発現した場合、2つの親和性成熟突然変異(LC:E1K及びLC:D32H)は、GD2への結合の増強を示す。hu3F8V1形式もしくはhu3F8V5 scFv形式のいずれかで一緒に発現した場合、より著しい結合親和性の増強が観察される(7〜12倍低いKD)。二重突然変異(LC:E1K+LC:D32H)をHC:G54Iと組み合わせた場合(in silicoモデリングに基づく、参照原特許)、結合親和性は、二重突然変異のみの場合ほど強くはないが、hu3F8V1よりも高い親和性である。hu3F8 G54Iは、GD2陽性腫瘍細胞株に対してADCCで7〜10倍の増加を持つことが示された。
完全IgG1形式におけるhu3F8変異体の結合親和性を表4に示す。ScFvデータと同様、二重突然変異LC:E1K+LC:D32Hは、hu3F8 V1形式及びhu3F8 V5形式の双方において、単一突然変異LC:D32Hよりも強い親和性を示す。LC:E1K+LC:D32H二重突然変異体対親の全体的な増強は、hu3F8 V1形式及びhu3F8 V5形式の双方において8〜10倍である。LC:E1Kは、正準的なCDR残基でないため、結合の増強に対するLC:E1Kの寄与は予想外である。hu3F8 V5構築体は、HEK293細胞において過渡的に発現され、結合に影響を与え得る構造的性質が改変されている場合があるため、hu3F8 V1構築体とhu3F8 V5 IgG構築体の結合親和性は、直接比較することはできない。表3は、Biacoreにより測定された、GD2に対するhu3F8 scFvの結合親和性を示す。表4は、Biacoreにより測定された、GD2に対するhu3F8 IgGの結合親和性を示す。
実施例4
他のガングリオシドとの交差反応
交差反応研究(表5、データ不図示)では、全てのhu3F8変異体は、GD1bと同等の交差反応を示し(神経芽細胞腫瘍細胞上にガングリオシドも存在)、試験した他のガングリオシド(GD1a、GD1b、GD3)には著しい交差反応を示さず、これは、hu3F8変異体が、親hu3F8V1と同じ特異性を保持することを実証するものである。表5は、Biacoreにより測定された、GD1bに対するhu3F8 IgGの結合親和性を示す。
実施例5
ADCC及びCMCにおける抗体効力
PBMC(末梢血中単核細胞)もしくはNK92−CD16(CD16陽性培養NK細胞)をエフェクターとして、かつ、神経芽細胞腫LAN−1細胞を標的として用いて、抗GD2 IgG1抗体をADCCアッセイで比較した(データ不図示)。これらの抗体のADCC効力は、(3F8のEC50)/(MoAbのEC50)比率として計算した。親のhu3F8 V1 IgGに対して、hu3F8 V1 LC:D32H及びhu 3F8 V1 LC:E1K+LC:D32Hは、PBMC−ADCCでは〜20倍強く、NK92−CD16−ADCCでは7倍強かった(表6を参照)。表6は、hu3F8V1 IgGを用いたADCCアッセイの概要を示す。
ヒト血清をエフェクターとして、かつ、LAN−1細胞を標的として用いて、同じ抗体を、CMCを誘導する能力について試験した(表7、データ不図示)。hu3F8 V1 LC:D32Hは、CMCの増強は少しであったが、hu3F8 V1 LC:E1K+LC:D32Hは、親のhu3F8 V1と比較的同じ量のCMCを示した。補体活性化は、抗GD2免疫療法に関連する疼痛の副作用を媒介すると考えられるため、補体活性化は、比較的低いことが望ましい。表7は、hu3F8V1 IgGによるCMCアッセイの概要を示す。
実施例6
正常組織及び腫瘍上の免疫組織化学
hu3F8 V1、hu3F8 V1 LC:D32H、及びhu3F8 LC:E1K+LC:D32HのScFvバージョンを、ヒト神経芽細胞腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、ユーイング肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍及び正常ヒト組織上のIHCによる組織特異性について試験した(図1を参照)。12個の正常組織も試験した(表8を参照)。GD2は神経組織上に存在することが知られているため、前頭葉、橋、小脳、及び脊髄は全て、両方の親和性成熟クローン(hu3F8 V1 LC:D32H及びhu3F8 LC:E1K+LC:D32H)では陽性に染色されたが、親のクローン(hu3F8 V1)では予想通り陽性に染色されなかった。異なる腫瘍試料のIHCを見ると、親和性成熟クローン(hu3F8 V1 LC:D32H、及びhu3F8 LC:E1K+LC:D32H)は、親抗体(hu3F8 V1)に対して、GD2陽性腫瘍の染色レベルが高かった。表8は、hu3F8V1 scFv組織染色の強度を示す。
実施例7
GD2ビオチン化
小規模な反応において、25μlの水中で100μgのGD2−アジドと50μgのDBCO−PEG4−ビオチン(Click Chemistry Tools)とを穏やかに回転させながら4℃で一晩反応させた。次の日に、30μgのアジド−PEG−アジド(Click Chemistry Tools)を追加することで過剰なDBCO−PEG4−ビオチンを不活性化させて、室温で1時間インキュベートした。生成物を希釈して、0.5mg/mlの濃度に到達させて、−80℃で保存した。
FACS分析
Hu3F8 scFvを提示する酵母細胞を成長させ、FACS分析用として誘導した。酵母細胞(1×106)をPBS/0.1%BSA緩衝剤中でマウス抗c−myc抗体の1:100希釈物である2μg/mlのビオチン化GD2−アジド−PEG4−ビオチンもしくはGD2−ビオチンで氷上にて30分間インキュベートした。1回洗浄後、細胞を、ヤギ抗マウス抗体にコンジュゲートしたR−フィコエリトリンコンジュゲートストレプトアビジン(Alexa Fluor 488)の1:50希釈物で氷上にて30分間インキュベートした後、再び洗浄し、0.5ml PBSA緩衝剤中で再懸濁させた。BD Bioscience FACSを用いて、分析を行った。
結果
細胞表面上でcmycタグ付きのHu3F8 scFvを提示した酵母細胞を用いて、PEGスペーサーを持つまたは持たないGD2ビオチンコンジュゲートに結合させた。フローサイトメトリー分析では、Hu3F8 scFvの発現及びGD2結合は、それぞれ、X軸及びY軸として検出した。スペーサーを持たないGD2と比較することで、フローサイトメトリー分析におけるGD2観察にPEG4スペーサーの存在が必要であることが分かった(データ不図示)。ビオチン−PEG−GD2化学的構造については図2を参照されたい。
実施例8
表面プラズモン共鳴によるMoAb解離速度の測定
親和性を増強させる突然変異を持つhu3F8 IgGの解離速度は、高密度GD2モデルを用いて、表面プラズモン共鳴(Biacore T100)により測定した。
要するに、疎水性相互作用を介してCM5センサーチップの上にガングリオシドを直接固定化した。参照表面をGM1で固定化した。活性表面を純粋GD2で固定化した。GD2(50μg/mL)を15μl/分の流量で20分かけて注入した(300μl)。安定なベースラインが得られるまで、10mM NaOHで広範囲にわたる洗浄を行った(典型的には、5μl/分の流量で20μlの5回洗浄)。結果を表9及び図3に示す。
表9及び図3に示すように、hu3F8二重突然変異体(hu3F8V1 LC:D32H HC:G54I及びhu3F8V1 LC:E1K LC:D32H)は、解離速度が最も遅いことが実証されており、解離速度は、hu3F8V1よりも3.6〜6.4倍遅かった。単一突然変異体(hu3F8 V1 LC:D32H)及び三重突然変異体(hu3F8V1 LC:E1K LC:D32H HC:G54I)は、それぞれ、2.7倍及び2.1倍遅いことが実証された。
追加の腫瘍細胞株によるADCCにおける抗体効力
NK92−CD16(CD16陽性培養NK細胞)をエフェクターとして、かつ、神経芽細胞腫IMR−32もしくは黒色腫M14のいずれかを標的として用いて、抗GD2 IgG1抗体をADCCアッセイで比較した(上記のように)。ADCC効力は、hu3F8V1 EC
50/抗体EC
50の比率として計算した。結果を表10に示す。
これらの結果から、親のhu3F8 V1 IgGに対して、二重突然変異体(hu3F8V1 LC:D32H HC:G54I及びhu3F8V1 LC:E1K)は、IMR−32細胞のADCCを100〜140倍に増加し、M14細胞のADCCを22〜25倍に増加することが実証されたこと示す。単一突然変異体(hu3F8V1 LC:D32H)は、IMR−32細胞のADCCを25倍に増加し、M14細胞のADCCを5倍に増加することが実証された。三重突然変異体(hu3F8V1 LC:E1K LC:D32H HC:G54I)は、IMR−32細胞のADCCを15.6倍に増加し、M14細胞のADCCを3.6倍に増加することが実証された。