JP2017002005A - 脱炭酸反応を用いるカルボニル化合物の製造方法 - Google Patents

脱炭酸反応を用いるカルボニル化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】医薬品、農薬、液晶材料等の原料、またはその中間体として有用なカルボニル化合物の効率的な製造方法の提供。
【解決手段】下記反応式に例示する脱炭酸反応によりカルボニル化合物を製造し、シス体を有する化合物を高い選択性で得る方法。
Figure 2017002005

Figure 2017002005

【選択図】なし

Description

本発明は脱炭酸反応を用いるカルボニル化合物の製造方法の製造に関する。
カルボニル化合物は医・農薬、液晶を含む電子材料、樹脂などの原料、またはその中間体として広く用いられている。
アセト酢酸エステル合成法及びマロン酸エステル合成法(非特許文献1)は、幅広い種類の官能基を修飾させたカルボニル化合物の製造方法として、古くから知られている。官能基修飾を行った後、アセト酢酸エステルやマロン酸エステルなどのβ−オキソカルボニルオキシ構造を有する化合物から、脱炭酸反応を行ってカルボニル化合物を製造する場合、2段階の工程かつ過酷な反応条件を必要とすることが多い。すなわち、まず強酸もしくは強塩基性を使用してエステルの加水分解を行い、対応するカルボン酸を得た後、高温で加熱することにより、脱炭酸反応を起こす方法が一般的に知られている。しかしこの方法は、2段階にわたる工程を必要とし、さらに官能基許容性が低いという問題がある。
この改良方法として、Krapchoらによって報告された脱炭酸反応が知られている(非特許文献2)。この反応では、エステルに対して塩を作用させながら加熱することで、1段階で対応する脱炭酸体を得ることができる。強酸もしくは強塩基のかわりに塩を使用するため、中性に近い比較的温和な反応条件で脱炭酸を達成できる。
しかし、基質の反応点以外の部位に、酸素原子、窒素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を有する骨格や官能基が含まれている場合、ヘテロ原子が塩へ配位し、目的とする反応の進行を阻害し、その結果反応速度を低下させる可能性がある。
また、長時間にわたり反応を行う場合、ヘテロ原子を有する骨格や官能基に対する塩の作用と加熱により、基質および目的物の分解を引き起こし、収率を低下させる可能性がある。
一方、ヘテロ原子を有する骨格としてピランを含む基質に対し、酸化銅(I)触媒等を用いて脱炭酸を行う方法が知られているが、この方法は、用いる基質がカルボン酸に限られるものであった。(特許文献1)。
H. O. Hauser, B. E. Hudson Jr., Org. React. 1942, 1, 266. Krapcho, A. P.; Weimaster, J. F.; Eldridge, J. M.; Jahngen, E. G. E.; Lovey, A. J.; Stephens, W. P. J. Org. Chem. 1978, 43, 138.
特開2011−46703号公報
本発明の解決しようとする課題は、炭化水素ではない部位を含むカルボニル化合物を、脱炭酸反応を用いてより高収率に製造することができる製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、β‐オキソ‐カルボニルオキシ構造を有する化合物を基質に用いた脱炭酸反応において、エステル部位を立体的に小さくすることにより、脱炭酸反応の反応速度を高められること、また基質および目的物の分解を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は一般式(i)
Figure 2017002005
(式中、Ri1、Ri2及びRi3はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜20のアルキル基を表すが、Ri1及びRi2が共に水素原子を表すことはなく、Ri1、Ri2及びRi3中の1個又は2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−NRi4−、−N=CH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH− 、−CO−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−又は
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−、−S−及び−NRi5−に置換されていてもよい。)
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよい。)
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよい。)
からなる群より選ばれる基によって置換されていてもよいが、Ri1、Ri2及びRi3中の1個以上の−CH−が置換されることによって一般式(i)は式中に2つ以上のβ−オキソ−カルボニルオキシ構造を表さず、且つ、Ri1及び/又はRi2中の1個又は2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−O−、−S−又は−NRi4−に置換されており、
i1、Ri2及びRi3中の1個以上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子によって置換されていてもよく、Ri1及びRi2は互いに結合して環を形成してもよく、
i4及びRi5はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。)
で表される化合物を脱炭酸反応することによる、一般式(ii)
Figure 2017002005
(式中、Ri1、Ri2及びRi3はそれぞれ独立して一般式(i)中のRi1、Ri2及びRi3と同じ意味を表す。)
で表される化合物の製造方法を提供する。
本発明の製造方法により、β‐オキソ‐カルボニルオキシ構造を有する化合物を基質として用いる脱炭酸反応の速度を高め、また、基質および目的物の分解を抑制できるため、収率が向上する。
一般式(i)で表される化合物の脱炭酸反応により一般式(ii)で表される化合物を得る反応は、塩を作用させて加熱することによって行うことができる。塩としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、具体的には、金属塩、例えば金属ハロゲン化物、金属シアン化物、金属炭酸塩、金属リン酸塩、金属カルボン酸塩、金属アミド等を挙げることができ、中でもアルカリ金属塩、例えばアルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ金属シアン化物、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、及びアルカリ金属アミドが好ましく、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ金属シアン化物は更に好ましい。アルカリ金属ハロゲン化物としては塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウムを、アルカリ金属シアン化物としては青酸ナトリウム、青酸カリウムを、アルカリ金属リン酸塩としてはリン酸三カリウムを、アルカリ金属炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウムをそれぞれ好ましく挙げることができる。また、チオールと塩基を作用させて反応させてもよい。使用するチオールとしては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、例えば、E. Keinan, D. Eren, J. Org. Chem. 1986, 51, 3165-3169.に記載のチオールを使用することが好ましく、チオフェノール誘導体であることが好ましい。使用する塩基としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、金属炭酸塩であることが好ましい。
脱炭酸の際の加熱温度は、80℃〜180℃の温度であることが好ましく、90℃〜150℃であることが好ましく、100℃〜130℃であることがより好ましい。
反応時に使用する溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、エーテル系溶媒、塩素系溶媒、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒および極性溶媒等を好ましく用いることができる。エーテル系溶媒としては、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルおよびt-ブチルメチルエーテル等を、塩素系溶媒としてはクロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンおよび四塩化炭素等を、炭化水素系溶媒としてはペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンおよびオクタン等を、芳香族系溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼンおよびジクロロベンゼン等を、極性溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドおよびスルホラン等を好例として挙げることができる。中でも、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒およびジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の極性溶媒がより好ましい。また、前記の各溶媒を単独で使用しても、2種もしくはそれ以上の溶媒を混合して使用してもよい。
脱炭酸反応の際には空気中で行ってもよく、空気中の酸素による酸化の影響や結晶中に水分が取り込まれることを防ぐため、希ガス又は窒素雰囲気下等の不活性雰囲気下で行ってもよい。ただし、脱炭酸反応時に二酸化炭素が発生するため、脱炭酸反応を密閉系にて行う場合は、発生した二酸化炭素によって生じる圧力変化に耐え得る条件の密閉系とすることが好ましい。
一般式(i)においてRi1及びRi2は共に水素原子を表すことはなく、且つ、Ri1及びRi2中の少なくとも1個以上の−CH−は−O−、−S−又は−NRi4−に置換されている。したがって、一般式(i)で表される化合物は、脱炭酸反応の反応点以外に炭化水素ではない部位を有するため、脱炭酸の反応速度が低下してしまうが、本発明では、脱炭酸反応において、塩に含まれるアニオンが、エステル部位に対して求核攻撃をするという反応機構に着目し、エステル部位の炭化水素基を立体的に小さくするためにメチル基に限定することにより、反応速度を速くすることができる。また、脱炭酸反応時の塩の存在と加熱により、一般式(i)及び一般式(ii)で表される化合物の分解が抑制され、収率を向上させることができる。
i1及びRi2のアルキル基中の−CH−は、−O−又は−S−で置換されていることが好ましく、−O−で置換されていることがより好ましい。また、Ri1及びRi2のアルキル基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましく、1〜8であることが好ましい。
i1及びRi2は、アルキル基が互いに結合して環を形成してもよく、環を形成する場合、環の炭素原子数は、5又は6で形成することができる。また、形成した環中の−CH−が−O−、−S−又は−NRi4−に置換されていてもよい。Ri1及びRi2が互いに結合して環を形成する場合、例えば以下の一般式(i−a)に表すように、Ri1及びRi2のそれぞれのアルキル基の末端が結合して環を形成してもよいが、以下の一般式(i−b)に表すように、Ri1のアルキル基中の−CH−にRi2のアルキル基が結合することにより環を形成してもよい。なお、(i−a)及び(i−b)では、形成した環が六員複素環式化合物である例をあげたが、これに限定されるものではない。
Figure 2017002005
(式中、Ri3は一般式(i)中のRi3と同じ意味を表し、Xia1及びXia2はそれぞれ独立して−O−、−NRia1−、−S−又は−CH−を表すが、Xia1及びXia2の少なくとも1つは−O−、−NRia1−、−S−のいずれかを表し、Ria1は水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。)
Figure 2017002005
(式中、Ri3は一般式(i)中のRi3と同じ意味を表し、Xib1及びXib2はそれぞれ独立して−O−、−NRib2−、−S−又は−CH−を表すが、Xib1及びXib2の少なくとも1つは−O−、−NRib2−、−S−のいずれかを表し、Rib1は炭素原子数1〜17のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−NRib3−、−N=CH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH− 、−CO−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−又は
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−、−S−及び−NRib4−に置換されていてもよい。)
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよい。)
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよい。)
からなる群より選ばれる基によって置換されていてもよく、Rib1中の1個以上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子によって置換されていてもよく、Rib2、Rib3及びRib4はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。)
i3は炭素原子数1〜12のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基であることが好ましく、1〜5のアルキル基であることがより好ましい。また、Ri3が炭素原子数2〜20のアルキル基であるとき、アルキル基中の1個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−NRi4−、−N=CH−、−CH=N−、−CO−、−COO−、−OCO−で置換されていることが好ましく、−O−で置換されていることがより好ましい。
一般式(i)で表される化合物は、以下の一般式(i−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2017002005
(式中、Ri1及びRi2はそれぞれ独立して一般式(i)中のRi1及びRi2と同じ意味を表し、Ri13は水素原子又は炭素原子数1〜19のアルキル基を表し、Ri13中の1個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−NRi14−、−N=CH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH− 、−CO−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−又は
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−、−S−及び−NRi15−に置換されていてもよい。)
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよい。)
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよい。)
からなる群より選ばれる基によって置換されていてもよいが、Ri13中の1個以上の−CH−が置換されることによって一般式(i−1)は式中に2つ以上のβ−オキソ−カルボニルオキシ構造を表さず、
i13中の1個以上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子によって置換されていてもよく、Ri14及びRi15は水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。)
一般式(i−1)において、Ri13は炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが好ましい。中でも、Ri13は炭素原子数1を表すこと、すなわち一般式(i−1)がマロン酸ジメチル誘導体を表すことがより好ましい。
ここで、Ri1、Ri2及びRi3中の1個以上の−CH−が置換されることによって一般式(i)は式中に2つ以上のβ−オキソ−カルボニルオキシ構造を表すことはない。一般式(i)は式中に1つのβ−オキソ−カルボニルオキシ構造を必須として有するものであるが、例えば、Ri1、Ri2及びRi3中の1個以上の−CH−が−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されることによって、他のβ−オキソ−カルボニルオキシ構造が形成されることを除くことで、本発明における脱炭酸反応に影響を及ぼさないようにするためである。
なお、2つ以上のβ−オキソ−カルボニルオキシ構造を表すものとしては、例えば以下の一般式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2017002005
(式中、Ri2及びRi3はそれぞれ独立して一般式(i)中のRi2及びRi3と同じ意味を表し、Rは炭素原子数1〜15のアルキル基を表す。)
一般式(i−1)で表される化合物は、以下の一般式(i−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2017002005
(式中、Ri13は一般式(i−1)中のRi13と同じ意味を表し、
i21は水素原子又は炭素原子数1〜17のアルキル基を表し、Ri21中の1個又は2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−NRi24−、−N=CH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH− 、−CO−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−又は−OCF−によって置換されていてもよく、Ri21中の1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子で置換されていてもよく、
i21及びXi22はそれぞれ独立して−O−、−NRi25−、−S−又は−CH−を表すが、Xi21及びXi22の少なくとも1つは−O−、−NRi25−、−S−のいずれかを表し、
i21は単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−N=CH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CO−、−COO−又は−OCO−を表し、
i21
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−、−S−及び−NRi26−に置換されていてもよい。)
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよく、この基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。)
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよく、ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、
i24、Ri25及びRi26はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、
i21は0,1,2又は3を表すが、mi21が2又は3であってZi21が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよく、mi21が2又は3であってAi21が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
一般式(i−2)において、Xi21及びXi22の少なくともいずれか一つ以上が−O−又は−S−を表すことが好ましく、−O−を表すことがより好ましい。また、Xi21及びXi22の両方が−O−、−NRi25−又は−S−を表すことが好ましく、両方が−O−又は−S−を表すことが好ましく、両方が−O−を表すことがより好ましい。Xi21及びXi22の少なくともいずれか一つが−O−、−NRi25−又は−S−のいずれかで置換されている場合、塩を用いて脱炭酸を行う際、一般式(i−2)においてカチオン成分を捕捉した構造が安定となることから、得られる化合物がシス体選択的となる。
すなわち、塩として「MX(式中、Mは金属カチオンを表し、Xはカウンターアニオンを表す)」を使用し、一般式(i−2)においてXi21及びXi22の少なくともいずれか一つが−O−、−NRi25−又は−S−のいずれかで置換されている化合物の脱炭酸反応を行った場合、以下のような、Xi21及び/又はXi22中のヘテロ原子とカルボニルの酸素原子により、カチオン成分をキレートした構造が安定化に寄与するため、シス選択的に反応が進行すると考えられる。
Figure 2017002005
(図中、Ri21、Ri13、Ai21、Zi21及びmi21は一般式(i−2)中のRi21、Ri13、Ai21、Zi21及びmi21と同じ意味表し、Mは金属カチオンを表す。)
図中のMは、リチウムカチオン、カリウムカチオン、ナトリウムカチオン等を挙げることができる。
よって、本発明によると、一般式(i−2)で表される化合物に対して脱炭酸を行うと、シス(cis)体を高い割合で得られる。具体的には、一般式(i−2)で表される化合物に対する脱炭酸反応により得られた2,5−二置換六員複素環式化合物において、トランス−2,5−二置換六員複素環式化合物の質量に対するシス−2,5−二置換六員複素環式化合物の質量の比の値である、(シス体の質量)/(トランス体の質量)の値が、4以上であることが好ましく、4.5以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。(シス体の質量)/(トランス体の質量)は、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー又はNMR(Nuclear Magnetic Resonance)により測定することができる。
なお、一般式(i−2)で表される化合物が複数の二置換環式構造を有する場合、例えば「トランス,トランス体」、「トランス,シス体」、「シス,トランス体」、「シス,シス体」等の異性体が存在するが、本発明では、「シス体」とは一般式(i−2)中に少なくとも1つ以上のシス体を表す異性体とし、「トランス体」とは一般式(i−2)中の全てがトランス体を表す異性体とする。
i21は−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−、−CHCH−又は単結合であることが好ましく、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CHCH−又は単結合であることがより好ましい。
i21はトランス−1,4−シクロヘキシレン基、無置換のナフタレン−2,6−ジイル基又は無置換の1,4−フェニレン基であることが好ましい。また、Ai21中の−CH−、−CH=又は水素原子が置換された基としては、以下の基が好ましい。
Figure 2017002005
i21は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子、シアノ基、−CF又は−OCFであることが好ましく、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はフッ素原子であることが特に好ましい。また、直鎖状であることが好ましい。
好ましい化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2017002005
(式中、Ri13、Xi21、Xi22、Zi21及びAi21はそれぞれ独立して一般式(i−2)中のRi13、Xi21、Xi22、Zi21及びAi21と同じ意味を表し、Yi2a1、Yi2a2、Yi2b1、Yi2b2、Yi2c1、Yi2c2、Yi2c3、Yi2d1、Yi2d2及びYi2d3はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Ri2a1、Ri2b1、Ri2c1及びRi2d1はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、−CF又は−OCFを表す。)
一般式(i−2a)で表される化合物としては、下記一般式(i−2a−1)〜一般式(i−2a−6)がより好ましい。
Figure 2017002005
(式中、Ri13、Xi22及びRi2a1はそれぞれ独立して一般式(i−2a)中のRi13、Xi22及びRi2a1と同じ意味を表す。)
一般式(i−2b)で表される化合物としては、下記一般式(i−2b−1)〜一般式(i−2b−22)がより好ましい。
Figure 2017002005
Figure 2017002005
(式中、Ri13、Xi22及びRi2b1はそれぞれ独立して一般式(i−2b)中のRi13、Xi22及びRi2b1と同じ意味を表す。)
一般式(i−2c)で表される化合物としては、下記一般式(i−2c−1)〜一般式(i−2c−6)がより好ましい。
Figure 2017002005
(式中、Ri13、Xi22及びRi2c1はそれぞれ独立して一般式(i−2c)中のRi13、Xi22及びRi2c1と同じ意味を表す。)
一般式(i−2d)で表される化合物としては、下記一般式(i−2d−1)〜一般式(i−2d−10)がより好ましい。
Figure 2017002005
(式中、Ri13、Xi22及びRi2d1はそれぞれ独立して一般式(i−2d)中のRi13、Xi22及びRi2d1と同じ意味を表す。)
一般式(i)において、1,3−ジオキサンを有する以下の一般式(i−3)で表される化合物は、例えば以下のようにして製造できる。
一般式(iii)
Figure 2017002005
(式中、Ri3は一般式(i)中のRi3と同じ意味を表す。)
で表される化合物と、一般式(iv)
Figure 2017002005
(式中、Ri31は水素原子又は炭素原子数1〜17のアルキル基を表し、Ri31中の1個又は2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−NRi34−、−N=CH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH− 、−CO−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−又は
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−、−S−及び−NRi35−に置換されていてもよい。)
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよい。)
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよい。)
からなる群より選ばれる基によって置換されていてもよく、Ri31中の1個以上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子で置換されていてもよく、
i34及びRi35は水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。)
で表される化合物を脱水縮合させて反応させることにより、一般式(i)で表される化合物として一般式(i−3)
Figure 2017002005
(式中、Ri3は一般式(i)中のRi3と同じ意味を表し、Ri31は一般式(iv)中のRi31と同じ意味を表す。)
で表される化合物を得ることができる。
使用する溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒が好ましく、ベンゼン、トルエン、ジイソプロピルエーテル又はジクロロメタンが好ましい。
反応温度としては、反応を好適に進行させる温度であればいずれでも構わないが、室温から反応溶媒が還流するまでの温度が好ましく、使用している溶媒が水と共沸するものである場合には還流下反応により生成した水をディーン・スターク装置等を用いて分離、除去する事が特に好ましい。
使用する酸触媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、p−トルエンスルホン酸、クロロトリメチルシラン、硫酸等が好ましく、p−トルエンスルホン酸又は硫酸が更に好ましい。
本発明では、脱炭酸反応により得られる一般式(ii)で表される化合物を、精製することが好ましい。精製方法としてはクロマトグラフィー、再結晶、蒸留、昇華、再沈殿、吸着、分液処理等が挙げられる。精製剤を用いる場合、精製剤としてシリカゲル、アルミナ、活性炭、活性白土、セライト、ゼオライト、メソポーラスシリカ、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、備長炭、木炭、グラフェン、イオン交換樹脂、酸性白土、二酸化ケイ素、珪藻土、パーライト、セルロース、有機ポリマー、多孔質ゲル等が挙げられる。
本発明では、一般式(i−2)で表される化合物を脱炭酸により得られる以下の一般式(ii−2)で表される化合物の、シス−2,5−二置換六員複素環式化合物とトランス−2,5−二置換六員複素環式化合物を含む混合物に対し、酸又は塩基を反応させることにより、混合物中のシス体の質量に対するトランス体の質量の比の値である、(トランス体の質量)/(シス体の質量)の値を、酸又は塩基と反応する前の(トランス体の質量)/(シス体の質量)の値より大きくしてもよい。
Figure 2017002005
(式中、Ri13、Ri21、Xi21、Xi22、Zi21、Ai21及びmi21は一般式(i−2)中のRi13、Ri21、Xi21、Xi22、Zi21、Ai21及びmi21と同じ意味を表す。)
一般式(ii−2)で表される化合物はカルボニル基を含み、カルボニル基のα位のプロトンが活性であることから、本発明では、酸性条件又は塩基性条件のどちらでもケト−エノール互変異性が起きるため、異性化が促進される。使用する酸及び塩基としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、具体的には、カリウム−tert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムジイソピロピルアミド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピロリジン、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の塩基、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、三フッ化ほう素、塩化アルミニウム、四塩化チタン等の酸が挙げられる。酸性条件下では、一般式(ii−2)においてXi21及びXi22の両方が−O−、−NRi25−又は−S−のいずれかを表す複素環の開環−閉環により、異性化がより促進されるため、好ましい。
また、より高い選択性でトランス体の化合物を得るために、前述した例の中でも、金属カチオンを含まないp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等のブレンステッド酸、及び三フッ化ほう素等のルイス酸を使用する事が好ましく、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等のブレンステッド酸がより好ましい。金属カチオンを系内に存在して異性化反応を行う場合、カルボニル基の酸素原子と複素環内のヘテロ原子による金属カチオンをキレートした構造が安定化に寄与するため、速度論的または熱力学的にシス体の生成が有利になることが推定されるためである。
ブレンステッド酸と反応させるときの温度は、0℃〜150℃であることが好ましく、50℃〜130℃の温度であることがより好ましく、ルイス酸と反応させるときの温度は、−78℃〜100℃であることが好ましく、−78℃〜25℃の温度であることがより好ましく、塩基と反応させるときの温度は、−40℃〜150℃であることが好ましく、0℃〜100℃の温度であることがより好ましい。
反応時に使用する溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、エーテル系溶媒、塩素系溶媒、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒および極性溶媒等を好ましく用いることができる。エーテル系溶媒としては、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルおよびt-ブチルメチルエーテル等を、塩素系溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンおよび四塩化炭素等を、炭化水素系溶媒としてはペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンおよびオクタン等を、芳香族系溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼンおよびジクロロベンゼン等を、極性溶媒としてはN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドおよびスルホラン、メタノール等を好例として挙げることができる。
ブレンステッド酸と反応させる場合、中でも、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒およびベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒がより好ましい。
ルイス酸と反応させる場合、中でも、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒がより好ましい。
塩基と反応させる場合、中でも、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等の塩素系溶媒およびジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド等の極性溶媒がより好ましい。
また、前記の各溶媒を単独で使用しても、2種もしくはそれ以上の溶媒を混合して使用してもよい。
異性化反応の際には空気中で行ってもよいし、空気中の酸素による酸化の影響や結晶中に水分が取り込まれることを防ぐため、希ガス又は窒素雰囲気下等の不活性雰囲気下で行ってもよい。中でも、ルイス酸を使用して異性化反応を行う場合は、活性雰囲気下で、且つ、禁水条件で行うことが好ましい。 本発明は、一般式(ii−2)で表される2,5−二置換六員複素環式化合物の、シス−2,5−二置換六員複素環式化合物とトランス−2,5−二置換六員複素環式化合物を含む混合物において、シス−2,5−二置換六員複素環式化合物(シス体)の質量に対するトランス−2,5−二置換六員複素環式化合物(トランス体)の質量の比の値である、(トランス体の質量)/(シス体の質量)の値が、酸又は塩基と反応する前の(トランス体の質量)/(シス体の質量)の値より大きいものである。酸又は塩基と反応させた後の(トランス体の質量)/(シス体の質量)の値は、1/9以上が好ましく、2/8以上が好ましく、3/7以上が好ましく、4/6以上が好ましく、5/5以上が好ましく、6/4以上が好ましく、7/3以上が好ましく、8/2以上が好ましく9/1以上が好ましい。酸性条件下ではシス体からトランス体への異性化がより促進されるため、トランス体の比率を大きくすることができる。(シス体の質量)/(トランス体の質量)は、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー又はNMR(Nuclear Magnetic Resonance)により測定することができる。
なお、前記一般式(i)で表される化合物、一般式(i−1)で表される化合物、一般式(i−2)で表される化合物、一般式(i−3)で表される化合物、一般式(ii)で表される化合物及び一般式(ii−2)で表される化合物において、
i1、Ri2、Ri3、Ri13、Ri21及びRi31中の2個以上の−CH−がそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−NRi4−、−N=CH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH− 、−CO−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−又は−OCF−に置換される場合、隣接する2個以上の−CH−が上記−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−NRi4−、−N=CH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH− 、−CO−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−又は−OCF−に置換されることはない。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。得られた化合物のcis/transの比率はNMRにより決定した。NMRの解析、およびシス、トランスの決定には、以下の非特許文献を参考にした。
E. Juaristi, F. Diaz, G. Cuellar, H. A. Jimenez-Vazquez, J. Org. Chem. 1997, 62, 4029-4035.
収率は、単離により、もしくはガスクロマトグラフィー(以下GC)(カラム:DB−17ms 30m、膜厚0.25μm、内径0.25mm、検出器:FID)を用い、測定を行う各成分のピーク面積比を、各成分の割合として算出した。なお、本発明において上記カラムを使用する場合には、分析を行った各成分のピーク面積比は、各成分の質量%にほぼ対応している。各成分の化合物における補正係数にほとんど差が無いからである。 以下の実施例及び比較例における「%」は特段の指定のない限り『質量%』を意味する。
以下、下記の略語を使用する。
Me:メチル基
Et:エチル基
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMF:ジメチルホルムアミド
PTSA・HO:p−トルエンスルホン酸一水和物
THF:テトラヒロドフラン
aq.:水溶液
(実施例1)
Figure 2017002005
(1−1)窒素雰囲気下、マロン酸ジメチル(320.3g)、ホルムアルデヒド液(36%水溶液、435.4g)のTHF(2L)溶液に氷冷下、トリエチルアミン(4.6g)を滴下した。反応溶液を室温にて1日撹拌後、溶媒を減圧留去した。塩化ナトリウム(150g)、水(400mL)及び酢酸エチル(500mL)を加えて分液し、水層を酢酸エチルで3回(400mL、300mL、200mL)抽出し、あわせた有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧留去する事で無色油状物質(436.3g)を得た。ジクロロメタン(350mL)及びヘキサン(220mL)の混合溶媒から再結晶を行い、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ジメチル(218.7g、収率47%)を白色固体として得た。
Figure 2017002005
(1−2)窒素雰囲気下、p−ブロモベンズアルデヒド(44.3g)、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ジメチル(72.0g)、p−トルエンスルホン酸一水和物(2.3g)、シクロヘキサン(220mL)及びジイソプロピルエーテル(45mL)の混合物を3時間加熱還流し、ディーン・スターク装置を用いて脱水した。放冷後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)を加えて分液し、水層を酢酸エチル(200mL)で3回抽出し、あわせた有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧留去する事で無色油状物質(83.2g)を得た。エタノール(250mL)及びヘキサン(80mL)の混合溶媒から再結晶を行い、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(71.1g、収率83%)を白色固体として得た。
Figure 2017002005
(1−3)窒素雰囲気下、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(10.0g)、塩化リチウム(2.3g)、水(0.5g)及びジメチルスルホキシド(20mL)の混合物を120℃にて6時間加熱撹拌した。放冷後、水(50mL)を加えて氷冷し、ろ過により得られた白色沈殿を水洗し、減圧下で乾燥させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル10g、移動相:酢酸エチル/トルエン=1/1→1/3)により精製する事で2−(4−ブロモフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(8.3g、収率99%、シス/トランス=91/9)を白色固体として得た。これをアセトン/メタノール混合溶媒から再結晶することにより、シス−2−(4−ブロモフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(6.0g、収率71%、NMRにてトランス未検出)を白色固体として得た。
シス−2−(4−ブロモフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン
H NMR:(CDCl、TMS内部標準)δ(ppm)=2.44(s,1H),3.81(s,3H),4.10(アキシアル,m,2H),4.72(エカトリアル,d,2H,J=10.8Hz),5.47(s,1H),7.32(dd,2H,J=6.4Hz,2.0Hz),7.47(dd,2H,J=6.4Hz,2.0Hz)
[M]:300
Figure 2017002005
(1−4)窒素雰囲気下、2−(4−ブロモフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(51.4g、シス/トランス=89/11)、p−トルエンスルホン酸一水和物(1.6g)、シクロヘキサン(150mL)及びジイソプロピルエーテル(50mL)の混合物を2時間加熱還流した。放冷後、トルエン(200mL)、THF(100mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)及び水(200mL)を加えて分液し、水層をトルエン/THF=1/2の混合溶媒で2回(300mL、150mL)抽出し、あわせた有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル50g、移動相:トルエン)により精製し、続いてアセトン/エタノール混合溶媒から再結晶することにより、トランス−2−(4−ブロモフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(44.0g、収率86%、NMRにてシス未検出)を白色固体として得た。
トランス−2−(4−ブロモフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン
H NMR:(CDCl、TMS内部標準)δ(ppm)=3.14(m,1H),3.71(s,3H),3.98(アキシアル,t,2H,J=12.0Hz),4.46(エカトリアル,dd,2H,J=12.0Hz,4.8Hz),5.39(s,1H),7.35(d,2H,J=8.0Hz),7.50(d,2H,J=8.0Hz)
[M]:300
(実施例2)
Figure 2017002005
(2−1)窒素雰囲気下、4−クロロ−3−フルオロベンズアルデヒド(27.6g)、ビス(ヒドロキシメチル)マロン酸ジメチル(50.0g)、p−トルエンスルホン酸一水和物(1.7g)、シクロヘキサン(135mL)及びジイソプロピルエーテル(30mL)の混合物を2時間加熱還流し、ディーン・スターク装置を用いて脱水した。放冷後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)及び水(100mL)を加えて氷冷し、ろ過により得られた白色沈殿を水洗し、減圧下で乾燥させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60g、移動相:ヘキサン/トルエン=1/2混合溶媒)、続くエタノール/ヘキサン=3/1の混合溶媒から再沈殿を行う事により、2−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(49.7g、収率86%)を白色固体として得た。
Figure 2017002005
(2−2)窒素雰囲気下、2−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(48.0g)、塩化リチウム(12.0g)、水(13.0g)及びジメチルスルホキシド(100mL)の混合物を130℃にて5時間半加熱撹拌した。放冷後、水(200mL)を加えて氷冷し、ろ過により得られた白色沈殿を水洗し、減圧下で乾燥させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル40g、移動相:酢酸エチル)により精製する事で2−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(36.3g、収率92%、シス/トランス=91/9)を白色固体として得た。
シス−2−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン
H NMR:(CDCl、TMS内部標準)δ(ppm)=2.46(s,1H),3.82(s,3H),4.12(アキシアル,m,2H),4.74(エカトリアル,d,2H,J=11.8Hz),5.48(s,1H),7.18(d,1H,J=8.0Hz),7.27(dd,1H,J=9.8Hz,1.8Hz),7.37(t,1H,J=8.0Hz)
[M]:274
Figure 2017002005
(2−3)窒素雰囲気下、2−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(32.1g、シス/トランス=91/9)、p−トルエンスルホン酸一水和物(1.1g)、シクロヘキサン(90mL)及びジイソプロピルエーテル(30mL)の混合物を2時間半加熱還流した。放冷後、トルエン(100mL)、THF(200mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)及び水(100mL)を加えて分液し、水層をトルエン/THF=1/2の混合溶媒(150mL)で2回抽出し、あわせた有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル30g、移動相:トルエン)により精製し、続いてアセトン/エタノール混合溶媒から再結晶することにより、トランス−2−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(28.2g、収率88%、NMRにてシス未検出)を白色固体として得た。
トランス−2−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン
H NMR:(CDCl、TMS内部標準)δ(ppm)=3.14(m,1H),3.72(s,3H),3.98(アキシアル,t,2H,J=11.6Hz),4.47(エカトリアル,dd,2H,J=11.6Hz,4.8Hz),5.39(s,1H),7.20(dd,1H,J=8.0Hz,1.8Hz),7.30(dd,1H,J=9.8Hz,1.8Hz),7.40(t,1H,J=8.0Hz)
[M]:274
(実施例3)
(3−1)及び(3−2)
実施例1の(1−1)及び(1−2)と同様の方法により、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンを得た。
Figure 2017002005
(3−3)窒素雰囲気下、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(100.0mg)、塩化リチウム(23.4mg)、水(5.0mg)及びジメチルスルホキシド(0.2mL)の混合物を130℃にて1時間加熱撹拌した。トルエンで希釈し、水にて洗浄した有機層をサンプルとし、GCにより分析を行った。GC面積比において、2−(4−ブロモフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンの収率は89%、p−ブロモベンズアルデヒドの収率は8%であった。
(実施例4)
(4−1)及び(4−2)
実施例1の(1−1)及び(1−2)と同様の方法により、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンを得た。
Figure 2017002005
(4−3)窒素雰囲気下、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(100.0mg)、臭化リチウム(48.7mg)、水(5.0mg)及びジメチルスルホキシド(0.2mL)の混合物を130℃にて1時間加熱撹拌した。トルエンで希釈し、水にて洗浄した有機層をサンプルとし、GCにより分析を行った。GC面積比において、2−(4−ブロモフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンの収率は86%、p−ブロモベンズアルデヒドの収率は10%であった。
(実施例5)
(5−1)及び(5−2)
実施例1の(1−1)及び(1−2)と同様の方法により、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンを得た。
Figure 2017002005
(5−3)窒素雰囲気下、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(100.0mg)、ヨウ化リチウム(75.0mg)、水(5.0mg)及びジメチルスルホキシド(0.2mL)の混合物を130℃にて1時間加熱撹拌した。トルエンで希釈し、水にて洗浄した有機層をサンプルとし、GCにより分析を行った。GC面積比において、2−(4−ブロモフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンの収率は90%、p−ブロモベンズアルデヒドの収率は6%であった。
(実施例6)
(6−1)及び(6−2)
実施例1の(1−1)及び(1−2)と同様の方法により、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンを得た。
Figure 2017002005
(6−3)窒素雰囲気下、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(100.0mg)、塩化テトラメチルアンモニウム(61.6mg)、水(5.0mg)及びジメチルスルホキシド(0.2mL)の混合物を130℃にて1時間加熱撹拌した。トルエンで希釈し、水にて洗浄した有機層をサンプルとし、GCにより分析を行った。GC面積比において、2−(4−ブロモフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンの収率は20%、p−ブロモベンズアルデヒドの収率は60%であった。
(実施例7)
(7−1)及び(7−2)
実施例1の(1−1)及び(1−2)と同様の方法により、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンを得た。
Figure 2017002005
(7−3)窒素雰囲気下、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(100.0mg)、塩化リチウム(23.4mg)、水(5.0mg)及びジメチルスルホキシド(0.2mL)の混合物を115℃にて9時間加熱撹拌した。トルエンで希釈し、水にて洗浄した有機層をサンプルとし、GCにより分析を行った。GC面積比において、2−(4−ブロモフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンの収率は98%、p−ブロモベンズアルデヒドの収率は2%であった。
(実施例8)
(8−1)及び(8−2)
実施例1の(1−1)及び(1−2)と同様の方法により、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンを得た。
Figure 2017002005
(8−3)窒素雰囲気下、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(100.0mg)、塩化リチウム(23.4mg)、水(5.0mg)及びジメチルスルホキシド(0.2mL)の混合物を100℃にて15時間加熱撹拌した。トルエンで希釈し、水にて洗浄した有機層をサンプルとし、GCにより分析を行った。GC面積比において、2−(4−ブロモフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンの収率は98%、p−ブロモベンズアルデヒドの収率は1%未満であった。
(実施例9)
(9−1)及び(9−2)
実施例1の(1−1)及び(1−2)と同様の方法により、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンを得た。
Figure 2017002005
(9−3)窒素雰囲気下、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(100.0mg)、塩化リチウム(23.4mg)、水(5.0mg)及びジメチルスルホキシド(0.2mL)の混合物を80℃にて4時間加熱撹拌した。トルエンで希釈し、水にて洗浄した有機層をサンプルとし、GCにより分析を行った。GC面積比において、2−(4−ブロモフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンの収率は10%、p−ブロモベンズアルデヒドの収率は1%未満であった。
(実施例10)
(10−1)及び(10−2)
実施例1の(1−1)及び(1−2)と同様の方法により、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンを得た。
Figure 2017002005

(10−3)アルゴン雰囲気下、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(93mg)、p−アミノチオフェノール(48mg)、炭酸セシウム(25mg)及びN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)の混合物を85℃にて1時間加熱撹拌した。トルエンで希釈し、水にて洗浄した有機層をサンプルとし、GCにより分析を行った。GC面積比において、2−(4−ブロモフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンが定量的に得られた。
(実施例11)
(11−1)及び(11−2)
実施例1の(1−1)及び(1−2)と同様の方法により、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンを得た。
Figure 2017002005
(11−3)アルゴン雰囲気下、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(93mg)、p−アミノチオフェノール(48mg)、炭酸カリウム(10mg)及びN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)の混合物を85℃にて1時間加熱撹拌した。トルエンで希釈し、水にて洗浄した有機層をサンプルとし、GCにより分析を行った。GC面積比において、2−(4−ブロモフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンが定量的に得られた。
(比較例1)
Figure 2017002005
(1−1)窒素雰囲気下、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(エトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(1.0g)、塩化リチウム(220mg)、水(50mg)及びジメチルスルホキシド(2.0mL)の混合物を130℃にて11時間反応させた。GC分析を行ったところ、反応が完結していなかったため、続いて140℃にて6時間加熱撹拌した。トルエンで希釈し、飽和食塩水にて洗浄後、アルミナカラムクロマトグラフィーにより精製したサンプルをGCにより分析を行った。GC面積比において、2−(4−ブロモフェニル)−5−(エトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンの収率は73%、p−ブロモベンズアルデヒドの収率は21%であった。
実施例1と比較例1より、比較例1に比べ、実施例1では目的の反応がより円滑に進行し、収率が向上した。また、比較例1は、2−(4−ブロモフェニル)−5−(エトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンの分解が起こり、p−ブロモベンズアルデヒドが生成してしまい、収率が73%であったのに対して、実施例1では、2−(4−ブロモフェニル)−5−(メトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンを99%という高い収率で得られた。
(比較例2)
Figure 2017002005
(2−1)空気下、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(エトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(100mg)、酢酸テトラメチルアンモウム(127mg)及びジメチルスルホキシド(2.0mL)の混合物を85℃にて5時間加熱撹拌した。酢酸エチルで希釈し、水にて洗浄した有機層をサンプルとし、GCにより分析を行った。GC面積比において2−(4−ブロモフェニル)−5−(エトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンの収率は4%、p−ブロモベンズアルデヒドの収率は26%であった。
実施例6と比較例2より、比較例2に比べ、実施例6では目的の反応がより円滑に進行し、収率が向上した。また、2−(4−ブロモフェニル)−5−(アルコキシカルボニル)−1,3−ジオキサンの収率と、p−ブロモベンズアルデヒドの収率の比を考えれば、比較例2よりも実施例6は、分解反応よりも脱炭酸反応が選択的に進行した。
(比較例3)
Figure 2017002005
(3−1)アルゴン雰囲気下、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(エトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(100mg)、p−アミノチオフェノール(48mg)、炭酸セシウム(25mg)及びN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)の混合物を85℃にて1時間加熱撹拌した。トルエンで希釈し、水にて洗浄した有機層をサンプルとし、GCにより分析を行った。GC面積比において、2−(4−ブロモフェニル)−5−(エトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンの収率は42%であった。
実施例10と比較例3より、比較例3に比べ、実施例10では目的の反応がより円滑に進行し、収率が向上した。
(比較例4)
Figure 2017002005
(4−1)アルゴン雰囲気下、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(エトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(200mg)、p−アミノチオフェノール(90mg)、炭酸カリウム(20mg)及びN,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL)の混合物を85℃にて1時間加熱撹拌した。トルエンで希釈し、水にて洗浄した有機層をサンプルとし、GCにより分析を行った。GC面積比において、2−(4−ブロモフェニル)−5−(エトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンの収率は14%であった。
実施例11と比較例4より、比較例4に比べ、実施例11では目的の反応がより円滑に進行し、収率が向上した。
(比較例5)
Figure 2017002005
(5−1)窒素雰囲気下、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ビス(エトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(100.0mg)、塩化リチウム(23.4mg)、水(5.0mg)及びジメチルスルホキシド(0.2mL)の混合物を60℃にて4時間加熱撹拌した。トルエンで希釈し、水にて洗浄した有機層をサンプルとし、GCにより分析を行った。GCにより、2−(4−ブロモフェニル)−5−(エトキシカルボニル)−1,3−ジオキサンは未検出であった。
実施例9と比較例5より、比較例5は反応が進行しなかったが、実施例9は反応が進行した。
(比較例6)
Figure 2017002005
(6−1)水酸化カリウム(60g)及び95%エタノール(500mL)の混合物に、2−フェニル−5,5−ビス(エトキシカルボニル)−1,3−ジオキサン(77.0g)を加え、1時間加熱した。エタノールを減圧下留去し、得られた固体をジクロロメタン(400mL)に溶解させた。氷冷下、この溶液に10%塩酸を用い酸性にした。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去することで2−フェニル−5,5−ジカルボキシ−1,3−ジオキサン(24.1g、収率40%)を白色固体として得た。
(6−2)続いて、2−フェニル−5,5−ジカルボキシ−1,3−ジオキサン(10.0g)及びトリエチルアミン(15mL)の混合物を40分間加熱還流した。トリエチルアミンを留去し、得られた固体をジクロロメタン(100mL)に溶解させた。氷冷下、この溶液に10%塩酸を用い酸性(pH2)にした。この混合物をジエチルエーテル(100mL)で2回抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去することで2−フェニル−5−カルボキシ−1,3−ジオキサン(7.3g、(6−1)及び(6−2)を経た2段階での収率35%、トランス/シス=60/40)を得た。このシストランス混合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィーで分離することで、シス−2−フェニル−5−カルボキシ−1,3−ジオキサン(2段階での収率14%)及びトランス−2−フェニル−5−カルボキシ−1,3−ジオキサン(2段階での収率21%)をそれぞれ白色固体として得た。
実施例1と比較例6より、比較例6は強酸、強塩基の過酷な条件を使用し、さらに2段階の工程が必要だったが、実施例1は温和な中性条件、かつ1段階のみの工程を使用し、高い収率で反応が進行することがわかった。

Claims (8)

  1. 一般式(i)
    Figure 2017002005
    (式中、Ri1、Ri2及びRi3はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜20のアルキル基を表すが、Ri1及びRi2が共に水素原子を表すことはなく、Ri1、Ri2及びRi3中の1個又は2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−NRi4−、−N=CH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH− 、−CO−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−又は
    (a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−、−S−及び−NRi5−に置換されていてもよい。)
    (b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよい。)
    (c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよい。)
    からなる群より選ばれる基によって置換されていてもよいが、Ri1、Ri2及びRi3中の1個以上の−CH−が置換されることによって一般式(i)は式中に2つ以上のβ−オキソ−カルボニルオキシ構造を表さず、且つ、Ri1及び/又はRi2中の1個又は2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−O−、−S−又は−NRi4に置換されており、
    i1、Ri2及びRi3中の1個以上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子によって置換されていてもよく、Ri1及びRi2は互いに結合して環を形成してもよく、
    i4及びRi5はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。)
    で表される化合物を脱炭酸反応することによる、一般式(ii)
    Figure 2017002005
    (式中、Ri1、Ri2及びRi3はそれぞれ独立して一般式(i)中のRi1、Ri2及びRi3と同じ意味を表す。)
    で表される化合物の製造方法。
  2. 一般式(i)で表される化合物が、一般式(i−1)
    Figure 2017002005
    (式中、Ri1及びRi2はそれぞれ独立して一般式(i)中のRi1及びRi2と同じ意味を表し、Ri13は水素原子又は炭素原子数1〜19のアルキル基を表し、Ri13中の1個又は2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−NRi14−、−N=CH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH− 、−CO−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−又は
    (a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−、−S−及び−NRi15−に置換されていてもよい。)
    (b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよい。)
    (c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよい。)
    からなる群より選ばれる基によって置換されていてもよいが、Ri13中の1個以上の−CH−が置換されることによって一般式(i−1)は式中に2つ以上のβ−オキソ−カルボニルオキシ構造を表さず、
    i13中の1個以上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子によって置換されていてもよく、Ri14及びRi15は水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。)
    で表される化合物である請求項1に記載の化合物の製造方法。
  3. 一般式(i−1)で表される化合物が、一般式(i−2)
    Figure 2017002005
    (式中、Ri13は一般式(i−1)中のRi13と同じ意味を表し、
    i21は水素原子又は炭素原子数1〜17のアルキル基を表し、Ri21中の1個又は2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−NRi24−、−N=CH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH− 、−CO−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−又は−OCF−によって置換されていてもよく、Ri21中の1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子で置換されていてもよく、
    i21及びXi22はそれぞれ独立して−O−、−NRi25−、−S−又は−CH−を表すが、Xi21及びXi22の少なくとも1つは−O−、−NRi25−、−S−のいずれかを表し、
    i21は単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−N=CH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CO−、−COO−又は−OCO−を表し、
    i21
    (a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−、−S−及び−NRi26−に置換されていてもよい。)
    (b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよく、この基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。)
    (c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよく、ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。)
    からなる群より選ばれる基を表し、
    i24、Ri25及びRi26はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、
    i21は0,1,2又は3を表すが、mi21が2又は3であってZi21が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよく、mi21が2又は3であってAi21が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
    で表される化合物である、請求項2に記載の化合物の製造方法。
  4. 一般式(i−2)で表される化合物に対する脱炭酸反応により得られた2,5−二置換六員複素環式化合物において、トランス−2,5−二置換六員複素環式化合物の質量に対するシス−2,5−二置換六員複素環式化合物の質量の比の値である、(シス体の質量)/(トランス体の質量)の値が、4以上である、請求項3に記載の化合物の製造方法。
  5. 一般式(iii)
    Figure 2017002005
    (式中、Ri3は一般式(i)中のRi3と同じ意味を表す。)
    で表される化合物と、一般式(iv)
    Figure 2017002005
    (式中、Ri31は水素原子又は炭素原子数1〜17のアルキル基を表し、Ri31中の1個又は2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−NRi34−、−N=CH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH− 、−CO−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−又は
    (a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−、−S−及び−NRi35−に置換されていてもよい。)
    (b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよい。)
    (c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよい。)
    からなる群より選ばれる基によって置換されていてもよく、Ri31中の1個以上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子で置換されていてもよく、
    i34及びRi35は水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。)
    で表される化合物を反応させることにより、一般式(i)で表される化合物として一般式(i−3)
    Figure 2017002005
    (式中、Ri3は一般式(i)中のRi3と同じ意味を表し、Ri31は一般式(iv)中のRi31と同じ意味を表す。)
    で表される化合物を用いて、脱炭酸反応を行う請求項1に記載の化合物の製造方法。
  6. 塩を作用させて脱炭酸を行う、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物の製造方法。
  7. 80℃〜180℃の温度で脱炭酸を行う、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物の製造方法。
  8. 得られた一般式(ii)で表される化合物を精製する、請求項1〜7に記載の化合物の製造方法。
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