JP2017129861A - ヘッドアップディスプレイ - Google Patents
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Abstract
Description
熱可塑性樹脂をペレットなどの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、熱風中あるいは真空下で乾燥された後、別々の押出機に供給される。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルター等を介して異物や変性した樹脂などを取り除かれる。これらの樹脂はダイにて目的の形状に成形された後、吐出される。そして、ダイから吐出された多層に積層されたシートは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングフィルムが得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させることが好ましい。また、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させたり、ニップロールにて冷却体に密着させ急冷固化させる方法も好ましい。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
特性値の評価方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVの条件でフィルムの断面を10000〜40000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および各層厚みを測定した。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、公知のRuO4やOsO4などを使用した染色技術を用いた。
5cm×5cmで切り出したサンプルを日立製作所製 分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)に付属の積分球を用いた基本構成で反射率・透過率測定を行った。本測定では、装置付属の酸化アルミニウムの副白板を基準として測定した。反射率測定では、サンプルの長手方向を上下方向にして積分球の後ろに、透過率測定ではサンプル長手方向を上下として積分球の前に設置した。測定条件:スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/分で測定し、方位角0度における反射率を得た。
パナソニック製の「RF100V200W−W/D」レフ電球のガラス球の先から10cmの位置にNECディスプレイソリューションズ製の「LCD―AS171M―C」のディスプレイを以下のとおり設置した。その後、温度25℃湿度60%RH下にて電球の光を照射した。30分後のディスプレイ表面温度を測定した。
光学特性の異なる2種類の熱可塑性樹脂として、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bを準備した。熱可塑性樹脂Aとして、固有粘度が0.65のポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。この熱可塑性樹脂Aは結晶性樹脂であり、フィルム化した後の面内平均屈折率は1.66、融点256℃であった。また熱可塑性樹脂Bとして全グリコール成分に対してスピログリコール25mol%、シクロヘキサンジカルボン酸30mol%共重合したエチレンテレフタレート(PE/SPG・T/CHDC)を用いた。なお、この熱可塑性樹脂Bの固有粘度は0.72の非晶性樹脂で、フィルム化した後の面内平均屈折率は1.55であった。準備した熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bをそれぞれ、2台の単軸押出機に投入し、280℃で溶融させて、混練した。次いで、それぞれ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて、フィルムの厚膜層を除いた光学厚みの比が熱可塑性樹脂A/熱可塑性樹脂B=1になるように計量しながら、スリット数201個のスリットプレートを2枚用いた構成である401層積層装置にて合流させて、厚み方向に交互に401層積層された積層体とした。積層体とする方法は、特開2007−307893号公報〔0053〕〜〔0056〕段の記載に従って行った。なお、A層同士を重ね合わせて形成する層があるため、スリットプレート内の間隙数は、402個となる。
得られたキャストフィルムを、75℃に設定したロール群で加熱した後、延伸区間長100mmの間で、フィルム両面からラジエーションヒーターにより急速加熱しながら、縦方向に3.3倍延伸し、その後一旦冷却した。
この一軸延伸フィルムをテンターに導き、100℃の熱風で予熱後、110℃の温度で横方向に3.5倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で240℃の熱風にて熱処理を行い、続いて同温度条件で幅方向に2%の弛緩処理を、さらに100℃まで急冷した後に幅方向に5%の弛緩処理を施し、その後、巻き取った。
得られたフィルムの物性を表1に示す。また、本フィルムをサンプルとして前記設置場所Aに設置した場合の模擬太陽光の照射試験を実施したところ、サンプルを設置しない場合と比較してディスプレイ温度の上昇を抑制することができた。
実施例1と同様にキャストフィルムを得たのち、75℃に設定したロール群で加熱した後、延伸区間長100mmの間で、フィルム両面からラジエーションヒーターにより急速加熱しながら、縦方向に3.3倍延伸し、その後一旦冷却した。つづいて、この一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、基材フィルムの濡れ張力を55mN/mとし、その処理面に(ガラス転移温度が18℃のポリエステル樹脂)/(ガラス転移温度が82℃のポリエステル樹脂)/数平均粒子径100nmのシリカ粒子からなる積層形成膜塗液を塗布し、透明・易滑・易接着層を形成した。
この一軸延伸フィルムをテンターに導き、100℃の熱風で予熱後、110℃の温度で横方向に3.5倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で240℃の熱風にて熱処理を行い、続いて同温度条件で幅方向に2%の弛緩処理を、さらに100℃まで急冷した後に幅方向に5%の弛緩処理を施し、その後、巻き取った。
得られたフィルムの物性を表1に示す。また、本フィルムをサンプルとして前記設置場所Aに設置した場合の模擬太陽光の照射試験を実施したところ、サンプルを設置しない場合と比較してディスプレイ温度の上昇を抑制することができた。一方、実施例1と比較した場合、ディスプレイの輝度がやや明るくなる一方で、わずかにディスプレイ表面温度は高いものとなっていた。
実施例2で得たサンプルを前記設置場所Bに設置した場合の模擬太陽光の照射試験を実施した。得られた結果を表1に示すが、実施例2とほぼ同様のディスプレイ温度の抑制効果・輝度を得た。
実施例2で得たサンプルを前記設置場所Cに設置した場合の模擬太陽光の照射試験を実施した。得られた結果を表1に示すが、実施例2とほぼ同様のディスプレイ温度の抑制効果・輝度を得た。ただし、実際にはレフ電球ではなく太陽光であることを想定すると、ヘッドアップディスプレイの開口部前面に設ける必要があり、数cm角であるヘッドアップディスプレイの照射部と比較して必要となるサンプル量は増大する。
厚みが異なる以外は実施例2と同様に得たサンプルを前記設置場所Aに設置した場合の模擬太陽光の照射試験を実施した。得られたフィルム・試験結果を表1に示すが、実施例2と比較してさらに高いディスプレイ温度の抑制効果・輝度を得た。
スリットプレート1枚のみを使用し、層数を201層とした以外は実施例2と同様に得たサンプルを前記設置場所Aに設置した場合の模擬太陽光の照射試験を実施した。得られたフィルム・試験結果を表1に示すが、ディスプレイ温度の抑制効果は得られるものの、実施例2と比較して近赤外線領域での反射率が低く、その程度はやや劣るものであった。一方で、輝度は実施例2と同程度であった。
まず、以下のとおり塗液Cを調整した。
[塗液Aの調整]
アンチモン含有酸化スズであるオプスターTU4005(JSR社製)を固形分濃度3.5質量%となるようにメチルエチルケトン:イソプロパノール混合液(質量比=1:1)にて希釈し塗液Aを得た。
[塗液Bの調整]
中空シリカであるスルーリアTR−113(触媒化成工業株式会社製:固形分濃度20質量%)20gに、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン4.4gと5質量%蟻酸水溶液1.8gを混合し、70℃にて1時間撹拌した。ついで、H2C=CH−COO−CH2−CF2−CF(CF3)27.8g及び2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.2gを加えた後、30分間70℃にて加熱撹拌した。その後、イソプロピルアルコールを333g加え希釈し、固形分3.8質量%の塗液Bを得た。
[塗液C]
塗液Aと塗液Bをそれぞれ質量比にて4:6となるように混合した溶液100質量部に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを3質量部添加し、塗液組成物Cとした。
実施例2で得たフィルム上に、塗液Cをバーコーター(#10)を用いて塗布後、100℃にて1分間乾燥し、160W/cmの高圧水銀灯ランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600W/cm2、積算光量800mJ/cm2の紫外線を、酸素濃度0.1体積%の下で照射し、AR層を設けた。AR層を設けたサンプルを前記設置場所Aに設置した場合の模擬太陽光の照射試験を実施した。得られたフィルム・試験結果を表1に示すが、実施例2と比較するとやや劣るものの高いディスプレイ温度の抑制効果を示す一方で、実施例2より優れた画面輝度を得た。
熱可塑性樹脂Aとして融点が266℃、2,6−ポリエチレンナフタレート(PEN)、熱可塑性樹脂Bとしてシクロヘキサンジメタノール共重合PET(PETG)、積層装置として51層のスリットの設けられたスリットプレート1枚のみを使用し、層数を51層とした以外は実施例2と同様に得たサンプルを前記設置場所Aに設置した場合の模擬太陽光の照射試験を実施した。得られたフィルム・試験結果を表1に示すが、ディスプレイ温度の抑制効果は得られるものの、実施例2と比較して近赤外線領域での反射率が低く、その程度はやや劣るものであった。一方で、輝度は実施例2とほぼ同程度であった。
熱可塑性樹脂Bとしてシクロヘキサンジメタノール共重合PET(PETG)を用いた以外は実施例2と同様に得た厚みの異なる2枚のサンプルを光学粘着フィルムを介して張り合わせて、表1に示すサンプルを得た。得られたサンプルを前記設置場所Dに設置した場合の模擬太陽光の照射試験を実施したところ、表1に示す結果を得た。
サンプルを設置しない場合と比較してディスプレイ温度の上昇を抑制することができ、その効果は実施例1〜8のいずれよりも優れていた。一方で、サンプルを通してディスプレイを見た場合の輝度の低下はやや大きいものであった。
実施例2と同様に得た厚みの異なる2枚のサンプルを光学粘着フィルムを介して張り合わせて、表1に示すサンプルを得た。得られたサンプルを前記設置場所Dに設置した場合の模擬太陽光の照射試験を実施したところ、表1に示す結果を得た。
サンプルを設置しない場合と比較してディスプレイ温度の上昇を抑制することができ、その効果は実施例1〜8のいずれよりも優れている。一方、実施例9よりもディスプレイ温度の抑制効果は小さいものの輝度は高く実用性に優れるものとなっていた。
実施例2で得たサンプルを設置場所Aへ、実施例10で得たサンプルを設置場所Dへ設けて、模擬太陽光の照射試験を実施したところ、表1に示す結果を得た。
実施例1〜10のいずれもよりも顕著に高いディスプレイ温度の上昇抑制効果を得ることができ、かつ輝度の低下のわずかに抑えられていた。
厚み50μmのPETフィルム上に以下の構成の視認性制御層を設けてなる視認性制御フィルムを準備した。
遮蔽層の幅 : 10μm
透明層のフィルム厚み方向の高さ : 73μm
透明層の幅 : 40μm
上記の視認性制御フィルムと実施例1と同様に得られたフィルム(赤外線反射フィルム)を光学粘着フィルムを介して張り合わせたものをサンプルとし、さらに前記設置場所Bに光源側に赤外線反射フィルムが配されるように設置した場合の模擬太陽光の照射試験を実施したところ、実施例3と比較しても輝度や低下するものの顕著なディスプレイ温度の抑制効果を得た。
また、光源に代わり厚み3mmのフロートガラスを斜め45°に傾けて配置し、ディスプレイ側の写り込み具合を確認したところ、視認性制御層のない実施例3にて同様の試験を行い確認した場合と比較して写り込みが抑制されていることが確認された。
実施例12にて設置場所Bにサンプルを配する際に、視認性制御層が光源側に配されるように設置した以外は、実施例12と同様に試験を実施した。
その結果、実施例12と同様の模擬対応光の照射試験におけるディスプレイ温度抑制効果やフロートガラスへの写り込み抑制効果を得た反面、1時間の連続照射後に視認性制御層側のPETフィルムの一部にわずかにたわみが生じていることが確認され、実施例12と比較するとやや耐熱性に乏しいものとなっていた。
設置場所A〜Dのいずれにもサンプルを設置せずに模擬太陽光の照射試験を実施したところ、表1に示す結果を得た。
輝度は高いもののディスプレイ温度の上昇が顕著であり、液晶モジュールの不具合を起こす懸念のある100℃を超える結果となった。
サンプルとして、表1に示す物性を備えた銀スパッタフィルムを前記設置場所Aに設置した場合の模擬太陽光の照射試験を実施したところ、表1に示す結果を得た。
その結果、ディスプレイの温度上昇を抑えることかは顕著であるものの輝度の低下が著しく、かつフィルム由来の色づきに伴う色目の変化も確認され実用性には乏しいものとなった。
2 ヘッドアップディスプレイ
3 ヘッドアップディスプレイ出射部
4 反射鏡
5 液晶プロジェクター
10 視認性制御層
11 遮蔽層
12 透明層
13 ベースフィルム
Claims (13)
- 光源、液晶モジュール、赤外線反射フィルムを含んでなるヘッドアップディスプレイであって、前記赤外線反射フィルムの波長700〜1400nmの区間において連続して反射率が70%以上となる反射帯域を200nm以上備えてなることを特徴とするヘッドアップディスプレイ。
- 前記液晶モジュールとヘッドアップディスプレイ出射部の間に光を拡幅して出射するための光学素子が設けられてなり、前記赤外線反射フィルムが液晶モジュールと前記光学素子の間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。
- 前記赤外線反射フィルムが液晶モジュールの外面に貼りつけてなることを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。
- 前記赤外線反射フィルムが光学素子の内面に貼りつけられてなることを特徴とする請求項2に記載のヘッドアップディスプレイ。
- 前記赤外線反射フィルムの波長750nmでの反射率が70%以上であることを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。
- 前記赤外線反射フィルムの波長430〜700nmの平均透過率が85%以上であることを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。
- 前記赤外線反射フィルムが異なる光学的性質を有する2種以上の熱可塑性樹脂が交互にそれぞれ50層以上積層された構成を有することを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。
- 前記赤外線反射フィルムに反射防止層(AR層)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。
- ヘッドアップディスプレイ出射部に視認性制御層を設けていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。
- 前記赤外線反射フィルムの内側に視認性制御層が設けていることを特徴とする請求項9に記載のヘッドアップディスプレイ。
- 光源、液晶モジュール、可視光反射フィルムからなる反射鏡を含んでなるヘッドアップディスプレイであって、かつ前記可視光反射フィルムが波長430〜700nmでの平均反射率が70%以上であり、かつ波長900nmでの反射率が20%以下であることを特徴とするヘッドアップディスプレイ。
- 前記可視光反射フィルムが異なる光学的性質を有する2種以上の熱可塑性樹脂が交互にそれぞれ50層以上積層された構成を有することを特徴とする請求項11に記載のヘッドアップディスプレイ。
- 光源、液晶モジュール、赤外線反射フィルム、可視光反射フィルムからなる反射鏡を含んでなるヘッドアップディスプレイであって、前記赤外線反射フィルムの波長700〜1400nmの区間における平均反射率が70%以上となる反射帯域を200nm以上備えてなり、かつ前記可視光反射フィルムが波長430〜700nmでの平均反射率が70%以上であり、かつ前記可視光反射フィルムが波長900nmでの反射率が20%以下であることを特徴とするヘッドアップディスプレイ。
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