以下、図面を参照しながら、実施形態に係る自動分析装置を説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行うこととする。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この図1に示すように、本実施形態に係る自動分析装置100は、分析部24と、分析制御部25と、データ処理部30と、出力部40と、操作部50と、システム制御部60とを備えて構成されている。
まず概略的にこれらの機能を説明すると、分析部24は、各検査項目の標準試料や被検体から採取した被検試料と、各検査項目に該当する試薬との混合液を測定して、標準データや被検データを生成する。分析制御部25は、分析部24の測定に関する各分析ユニットの駆動及び制御を行う。
データ処理部30は、分析部24で生成された標準データや被検データを処理して、検量データや分析データの生成を行う。出力部40は、データ処理部30で生成された検量データや分析データを、印刷出力したり、表示出力したりする。操作部50は、ユーザが操作をすることにより、各種のコマンド信号の入力等を行う。システム制御部60は、分析制御部25と、データ処理部30と、出力部40とを、統括して制御する。
図2は、分析部24の構成を示した斜視図である。この図2に示すように、分析部24は、試薬庫1と、試薬庫2と、反応ディスク4と、サンプルディスク5とを、備えている。試薬庫1は、試薬容器6を回動可能に保持する試薬ラック1aを有している。試薬容器6は、各試料に含まれる検査項目の成分と反応する1試薬系及び2試薬系の第1試薬を収容する。
試薬庫2は、試薬容器7を回動可能に保持する試薬ラック2aを有している。試薬容器7は、2試薬系の第1試薬と対をなす第2試薬を収容する。反応ディスク4は、円周上に配置された複数の反応容器3を回転可能に保持する。サンプルディスク5は、標準試料や被検試料塔の各試料を収容する試料容器17を保持する。
また、本実施形態に係る自動分析装置100は、電解質測定ユニット23をさらに備えている。電解質測定ユニット23は、検査項目のうち、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及び、塩素イオン等の電解質項目を分析するための測定を行う。
さらに、自動分析装置100は、サンプル分注機構10と、第1試薬分注機構8と、第2試薬分注機構9と、第1撹拌機構20と、第2撹拌機構21とを備えている。サンプル分注機構10は、サンプル分注アーム10aと、サンプル分注プローブ16と、洗浄槽16aを備えている。サンプル分注アーム10aは、サンプル分注プローブ16を回動及び上下移動可能に保持する。サンプル分注プローブ16は、サンプルディスク5に保持された試料容器17の各試料をサンプル分注プローブ16内に吸引して、反応容器3や電解質測定ユニット23へ吐出する分注を行う。洗浄槽16aは、各試料の分注終了毎にサンプル分注プローブ16を洗浄するための溶液槽である。
第1試薬分注機構8は、第1試薬分注アーム8aと、第1試薬分注プローブ14と、洗浄槽14aを備えている。第1試薬分注アーム8aは、第1試薬分注プローブ14を回動及び上下移動可能に保持する。第1試薬分注プローブ14は、試薬庫1に収納された試薬容器6内の第1試薬を吸引して、各試料が吐出された反応容器3内に吐出する分注を行う。洗浄槽14aは、第1試薬の分注終了毎に第1試薬分注プローブ14を洗浄するための溶液槽である。
第2試薬分注機構9は、第2試薬分注アーム9aと、第2試薬分注プローブ15と、洗浄槽15aを備えている。第2試薬分注アーム9aは、第2試薬分注プローブ15を回動及び上下移動可能に保持する。第2試薬分注プローブ15は、試薬庫2に収納された試薬容器7内の第2試薬を吸引して、各試料及び第1試薬が吐出された反応容器3内に吐出する分注を行う。洗浄槽15aは、第2試薬の分注終了毎に第2試薬分注プローブ15を洗浄するための溶液槽である。
第1撹拌機構20は、第1撹拌アーム20aと、第1撹拌子18と、洗浄槽18aを備えている。第1撹拌アーム20aは、第1撹拌子18を回動及び上下移動可能に保持する。第1撹拌子18は、反応容器3内に吐出された各試料と第1試薬の混合液を撹拌する。洗浄槽18aは、混合液の撹拌終了毎に第1撹拌子18を洗浄するための溶液槽である。
第2撹拌機構21は、第2撹拌アーム21aと、第2撹拌子19と、洗浄槽19aを備えている。第2撹拌アーム21aは、第2撹拌子19を回動及び上下移動可能に保持する。第2撹拌子19は、反応容器3内に吐出された各試料と第1試薬と第2試薬の混合液を撹拌する。洗浄槽19aは、混合液の撹拌終了毎に第2撹拌子19を洗浄するための溶液槽である。
さらに、自動分析装置100は、反応容器3内の混合液に光を照射して光学的に測定する測光ユニット13と、測光ユニット13で測定を終了した反応容器3内を洗浄する洗浄ユニット12とを備えている。
測光ユニット13は、光路を通過する反応容器3に光を照射し、その反応容器3内の標準試料や被検試料を含む混合液を透過した各検査項目の波長光を検出する検出信号に基づいて、例えば吸光度データで表される標準データや被検データを生成する。また、電解質測定ユニット23は、標準試料や被検試料に含まれる各検査項目成分に選択的に応答するイオンセンサと、一定の電位を発生する参照電極との間を流れる電流量を測定することにより、例えば起電力データで表される標準データや被検データを生成する。そして、自動分析装置100は、測光ユニット13や電解質測定ユニット23で生成した標準データや被検データをデータ処理部30に出力する。
分析制御部25は、分析部24の各分析ユニットを駆動する機構を有する機構部26と、機構部26の各機構を制御して分析部24の各分析ユニットを作動させる制御部27とを備えている。そして、機構部26は、分析サイクル毎に、サンプルディスク5と、試薬庫1の試薬ラック1aと、試薬庫2の試薬ラック2aとを、それぞれ回動した後に停止する機構や、反応ディスク4を回転した後に停止する機構を備えている。
また、機構部26は、サンプル分注機構10と、第1試薬分注機構8と、第2試薬分注機構9と、第1撹拌機構20と、第2撹拌機構21とを駆動させ、サンプル分注アーム10aと、第1試薬分注アーム8aと、第2試薬分注アーム9aと、第1撹拌アーム20aと、第2撹拌アーム21aとを、それぞれ回動及び上下移動させる機構や、サンプル分注プローブ16と、第1試薬分注プローブ14と、第2試薬分注プローブ15とを、それぞれ吸引及び吐出させる機構等を備えている。
続いて、これら図1及び図2に基づいて、自動分析装置100の構成と動作をより詳しく説明すると、データ処理部30は、演算部31と、データ記憶部32とを備えている。演算部31は、分析部24の測光ユニット13や電解質測定ユニット23から出力された標準データや被検データを処理して、各検査項目の検量データや分析データを生成する。データ記憶部32は、演算部31で生成された標準データや分析データを記憶して保存する。
すなわち、演算部31は、測光ユニット13や電解質測定ユニット23から出力された標準データと、この標準データの標準試料に対して予め設定された標準値から、各検査項目成分の濃度や活性と標準データとの関係を表す検量データを生成し、生成した検量データを出力部40に出力するとともに、データ記憶部32に保存する。
また、演算部31は、測光ユニット13や電解質測定ユニット23から出力された被検データに対応する検査項目の検量データを、データ記憶部32から読み出し、この読み出した検量データを用いて、その被検データから濃度値や活性値として表される分析データを生成し、生成した分析データを出力部40に出力するとともに、データ記憶部32に保存する。
データ記憶部32は、ハードディスク等のメモリデバイスを備え、演算部31から出力された検量データを検査項目毎に保存する。また、データ記憶部32は、演算部31から出力された各検査項目の分析データを被検試料毎に保存する。
出力部40は、データ処理部30の演算部31から出力された検量データや分析データを印刷出力する印刷部41と、表示出力する表示部42とを備えている。印刷部41は、プリンタなどを備え、演算部31から出力された検量データや分析データを予め設定されたフォーマットに従って、プリンタ用紙などに印刷する。
表示部42は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶パネルなどのモニタを備え、演算部31から出力された検量データや分析データを表示する。また、自動分析装置100で検査可能な検査項目の被検試料を反応容器3や電解質測定ユニット23に吐出する量(吐出量)等の分析パラメータを設定するための分析パラメータ設定画面や、各検査項目に該当する試薬の試薬情報を設定するための試薬情報設定画面、分析部24のサンプル分注プローブ16内に測定に使用しない被検試料(ダミー用試料)を吸引する条件を設定するためのダミー用試料設定画面、被検試料毎にこの被検試料を識別する氏名やID等の識別情報及び検査対象の検査項目を設定するための被検試料情報設定画面等を表示する。
操作部50は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備えている。ユーザは、この操作部50を操作して、検査項目毎の分析パラメータの設定や、試薬情報の設定、ダミー用試料の吸引条件の設定、被検試料の識別情報及び検査項目の設定等の操作を行う。
システム制御部60は、プロセッサ及び記憶回路等を備えている。そして、システム制御部60は、操作部50からの操作により入力されたコマンド信号や、各検査項目の分析パラメータの情報、試薬情報、ダミー用試料の吸引条件、被検試料の識別情報、検査項目の情報等の入力情報を記憶回路に記憶した後、これらの入力情報に基づいて、分析制御部25と、データ処理部30と、出力部40とを統括して、システム全体を制御する。
図3は、分析部24のサンプル分注機構10におけるサンプル分注プローブ16が、各試料を分注する位置を説明する図である。この図3に示すように、分析部24のサンプル分注機構10におけるサンプル分注アーム10aは、回動軸CT1を中心として、上停止位置における高さで、時計方向及び反時計方向に回動して、各試料の分注を行うために、サンプル分注プローブ16を破線で示した円形の軌道TR1に沿って移動させる。そして、サンプル分注アーム10aの先端に位置するサンプル分注プローブ16は、サンプルディスク5に収納された試料容器17内の標準試料を吸引する位置である標準試料吸引位置T1、及び、試料容器17内の被検試料を吸引する位置である被検試料吸引位置T2のそれぞれの上方の上停止位置で停止する。また、サンプル分注プローブ16は、試料容器17から吸引した標準試料や被検試料を反応容器3内に吐出する位置である反応容器吐出停止位置T3、及び、電解質測定ユニット23に吐出する位置である電解質ユニット位置T4のそれぞれの上方の上停止位置で停止する。さらに、サンプル分注プローブ16は、サンプル分注プローブ16を洗浄槽16aで洗浄する位置である洗浄位置T5の上方の上停止位置で停止する。そして、停止した各上停止位置でサンプル分注プローブ16を上下移動させる。
すなわち、サンプル分注プローブ16は、標準試料吸引位置T1に停止して、試料容器17内の標準試料をサンプル分注プローブ16内に吸引し、次いで、反応容器吐出停止位置T3又は電解質ユニット位置T4に移動して、この吸引した標準試料を吐出する。また、サンプル分注プローブ16は、被検試料吸引位置T2に停止して、試料容器17内の被検試料をサンプル分注プローブ16内に吸引し、次いで、反応容器吐出停止位置T3又は電解質ユニット位置T4に移動して、この吸引した被検試料を吐出する。
以上が本実施形態に係る自動分析装置100の全体的な構成であるが、次に、本実施形態に係る自動分析装置100における電解質測定ユニット23の構成を詳しく説明する。図4は、図1の自動分析装置100における電解質測定ユニット23の構成を説明するブロック図である。
この図4に示すように、本実施形態に係る電解質測定ユニット23は、希釈液容器70と、希釈液ポンプ72と、第1溶液流路74と、基準液容器80と、基準液ポンプ82と、第2溶液流路84と、反応容器90と、電極92と、廃液ポンプ94と、廃液容器96と、廃液流路98と、恒温領域部110と、希釈液循環流路120と、基準液循環流路122とを備えて構成されている。
希釈液容器70には、希釈液が収納されて保持されており、希釈液ポンプ72により吸引されて、第1溶液流路74に送り出される。希釈液容器70と第1溶液流路74との間には、第1希釈液弁V1が設けられている。第1希釈液弁V1は、例えば電磁弁等で構成されている。
基準液容器80には、基準液が収納されて保持されており、基準液ポンプ82により吸引されて、第2溶液流路84に送り出される。基準液容器80と第2溶液流路84との間には、第1基準液弁V2が設けられている。第1基準液弁V2は、例えば電磁弁等で構成されている。
第1溶液流路74に送り出された希釈液と、第2溶液流路84に送り出された基準液とは、反応容器90に分注される。また、この反応容器90には、上述したサンプル分注機構10により、試料容器17に保持された被検試料が分注される。そして、イオン選択性電極である電極92を用いて、イオン濃度の測定が行われる。
すなわち、まず、被検試料がサンプル分注機構10により反応容器90に分注され、さらに、第1溶液流路74から希釈液が、被検試料の分注された反応容器90に分注される。これにより、反応容器90に吐出した被検試料が希釈され、混合液が生成される。そして、混合液は、電極92に送り出される。
電極92には、イオン選択性電極と基準電極とが設けられており、被検試料を希釈液で希釈した混合液は、イオン選択性電極側に送出される。そして、イオン選択性電極と基準電極との間の電位差が測定される。この測定された電位差は、上述したデータ処理部30に、被検データとして出力される。
一方、第2溶液流路84から送り出された基準液も、反応容器90に分注される。反応容器90に分注された基準液は、そのままイオン選択性電極に送り出される。そして、イオン選択性電極と基準電極との間の電位差が測定される。この測定された電位差は、上述したデータ処理部30に、標準データとして出力される。すなわち、反応容器90には、被検試料を希釈液で希釈した混合液と、基準液とが、交互に生成される収容される。データ処理部30では、電解質測定ユニット23から出力された被検データと標準データとを用いて、試料濃度を算出する。
電極92には、測定する電解質の種類によって、複数のイオン選択性電極が設けられている。本実施形態においては、例えば、ナトリウムイオンの濃度を測定するためのナトリウムイオン選択性電極と、カリウムイオンの濃度を測定するためのカリウムイオン選択性電極と、塩素イオンの濃度を測定するための塩素イオン選択性電極とが設けられている。そして、それぞれのイオン選択性電極と、基準電極との間の電位差に基づいて、ナトリウムイオンの濃度、カリウムイオンの濃度、塩素イオンの濃度が算出される。イオン濃度の測定が終了した混合液又は基準液は、廃液ポンプ94により吸引されて、廃液容器96に排出される。すなわち、電極92と廃液ポンプ94との間の廃液流路98に設けられている廃液弁V3と流路切替弁V4とが廃液である混合液又は基準液を廃液容器96に流す状態となり、廃液ポンプ94の吸引により、電極92から混合液又は基準液が、廃液容器96に排出される。なお、廃液弁V3と流路切替弁V4とは、例えば電磁弁で構成されている。
また、本実施形態においては、反応容器90と、電極92と、反応容器90の周囲の第1溶液流路74と第2溶液流路84は、恒温領域部110に位置している。すなわち、第1溶液流路74と第2溶液流路84の少なくとも一部は、恒温領域部110の内側に位置している。これは、イオン選択性電極法では、生成される電位が測定時の温度により変化してしまうため、測定時における被検試料を含む混合液の温度と、基準液の温度とが、いずれも所定の範囲内に収まるようにするためである。このため、反応容器90に送り込まれる希釈液の温度と基準液の温度が所定の範囲になるように、恒温領域部110を設けている。
この恒温領域部110を生成する手法は任意であるが、例えば、流路の周りに恒温可能な金属ブロックを接触させる方法や、流路の周りを恒温された溶液で満たす方法などがある。また、どの程度の範囲を恒温領域部110とするかも任意である。すなわち、第1溶液流路74を流れる希釈液が、所定の範囲内の温度となるために必要な第1溶液流路74の長さが、恒温領域部110に含まれるようにする。また、第2溶液流路84を流れる基準液が、所定の範囲内の温度となるために必要な第2溶液流路84の長さが、恒温領域部110に含まれるようにする。無論、第1溶液流路74と第2溶液流路84の全体が、恒温領域部110の内側に含まれるようにしてもよい。
しかし、測定が行われずに、この第1溶液流路74に希釈液が滞留している時間が長くなった場合や、第2溶液流路84に基準液が滞留している時間が長くなった場合には、これら希釈液や基準液の温度が、所定の範囲を超えた高温になってしまう恐れがある。このため、本実施形態に係る電解質測定ユニット23においては、希釈液循環流路120と、基準液循環流路122とが設けられている。
すなわち、廃液流路98に設けられた流路切替弁V4と、第1溶液流路74に設けられた第2希釈液弁V5との間に、希釈液循環流路120が設けられている。特に、本実施形態においては、冷却効果を向上させるべく、希釈液循環流路120は恒温領域部110の外側に配置されている。また、廃液流路98に設けられた流路切替弁V4と、第2溶液流路84に設けられた第2基準液弁V6との間に、基準液循環流路122が設けられている。特に、本実施形態においては、冷却効果を向上させるべく、基準液循環流路122は恒温領域部110の外側に配置されている。また、これら第2希釈液弁V5と第2基準液弁V6は、それぞれ、例えば電磁弁で構成されている。
そして、電極92から廃液容器96に混合液又は基準液を排出する場合には、流路切替弁V4は、電極92からの液体を廃液容器96に流すように切り替わるが、反応容器90に分注された希釈液又は基準液を循環させて温度上昇を回避する場合は、反応容器90に分注された希釈液又は基準液を、電極92を介して、希釈液循環流路120又は基準液循環流路122に流すように切り替わる。
この場合、反応容器90に分注された希釈液を、電極92から希釈液循環流路120で循環させるには、第2希釈液弁V5が希釈液循環流路120からの希釈液を恒温領域部110に流すように切り替わり、第2基準液弁V6は閉状態となる。一方、反応容器90に分注された基準液を、電極92から基準液循環流路122で循環させるには、第2基準液弁V6が基準液循環流路122からの基準液を恒温領域部110に流すように切り替わり、第2希釈液弁V5は閉状態となる。
なお、流路切替弁V4は、電極92から流れ込む液体を、3つの異なる方向に切り替えて流出させる四方切替弁で構成することができる。この場合、流路切替弁V4は、電極92から流れ込む液体を、1)廃液容器96に向かう廃液流路98に流出させる状態と、2)第1溶液流路74に向かう希釈液循環流路120に流出させる状態と、3)第2溶液流路84に向かう基準液循環流路122に流出させる状態とを有する。そして、流路切替弁V4を、これら3つの状態のいずれかに切り替えることにより、上述した混合液又は基準液の排出、希釈液の循環、及び、基準液の循環を、実現する。
上述のように、恒温領域部110にある希釈液が所定の範囲の温度を超えてしまいそうな場合に、一旦、希釈液を反応容器90に分注し、希釈液循環流路120を介して循環させて、希釈液が恒温領域部110から一旦離れるようにすることにより、希釈液の温度を低下させることができる。また、恒温領域部110にある基準液が所定の範囲の温度を超えてしまいそうな場合に、一旦、基準液を反応容器90に分注し、基準液循環流路122を介して循環させて、基準液が恒温領域部110から一旦離れるようにすることにより、基準液の温度を低下させることができる。
図5は、上述した温度制御を実現するために、自動分析装置100で実行される温度制御処理を説明するフローチャートを示す図である。例えば、この温度制御処理は、図1のシステム制御部60でソフトウェア的に実現されてもよいし、或いは、分析制御部25における制御部27でハードウェア的に実現されてもよい。
温度制御処理がシステム制御部60でソフトウェア的に実現される場合は、この温度制御処理を実現するためのプログラムを、システム制御部60の備えるプロセッサが読み込んで実行する。ここで、プロセッサという文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及び、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、システム制御部60における記憶回路に保存されたプログラムを読み出して実行することにより温度制御処理を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成して構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、プロセッサは、プロセッサ単一の回路として構成されている場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて、1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合して、その機能を実現するようにしてもよい。
また、温度制御処理が分析制御部25における制御部27でハードウェア的に実現される場合は、温度制御処理が、上述した特定用途向け集積回路や、複合プログラマブル論理デバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ等の回路で実行される。
図5に示す温度制御処理は、自動分析装置100における電解質測定ユニット23が稼働している間は定常的に実行されている処理である。そして、この図5に示すように、この温度制御処理では、自動分析装置100は、希釈液の循環が必要であるか否かを判断する(ステップS10)。本実施形態においては、例えば、恒温領域部110にある第1溶液流路74に温度計が設定されており、その温度計の温度が所定の閾値を超えた場合は、希釈液の循環が必要であると判定する。この閾値は、上述したイオン選択性電極法で適正にイオン濃度が測定できる所定の範囲の上限であってもよいし、或いは、マージンをとって、所定の範囲の上限より低い温度であってもよい。
また、例えば、第1溶液流路74にある希釈液が使用されずに経過した時間が、閾値として定められた時間を経過した場合に、希釈液の循環が必要であると判定するようにしてもよい。恒温領域部110における希釈液を恒温する能力にも依存するが、例えば、希釈液が使用されずに恒温領域部110に5分以上滞留した場合には、希釈液の循環が必要であると判定するようにしてもよい。
希釈液の循環が必要であると判断した場合(ステップS10:Yes)には、自動分析装置100は、希釈液の循環を行う(ステップS12)。具体的には、上述したように、希釈液循環流路120を用いて、希釈液の循環を行い、希釈液の温度を低下させる。図4の例では、希釈液を反応容器90に分注するとともに、流路切替弁V4と第2希釈液弁V5とを希釈液循環流路120に接続されるように切り替えて、且つ、第2基準液弁V6を閉止して、廃液ポンプ94を駆動させる。これにより、第2希釈液弁V5と反応容器90との間の第1溶液流路74にある希釈液が反応容器90に分注され、そして、電極92、廃液弁V3、廃液流路98、流路切替弁V4、希釈液循環流路120、第2希釈液弁V5の順に流れて循環する。この循環により、希釈液の温度を下げることができる。
この希釈液の循環が完了した後、或いは、上述したステップS10で希釈液の循環の必要がないと判断した場合(ステップS10:No)には、自動分析装置100は、基準液の循環が必要であるか否かを判断する(ステップS14)。本実施形態においては、例えば、恒温領域部110にある第2溶液流路84に温度計が設定されており、その温度計の温度が所定の閾値を超えた場合は、基準液の循環が必要であると判定する。この閾値は、上述したイオン選択性電極法で適正にイオン濃度が測定できる所定の範囲の上限であってもよいし、或いは、マージンをとって、所定の範囲の上限より低い温度であってもよい。
また、例えば、第2溶液流路84にある基準液が使用されずに経過した時間が、閾値として定められた時間を経過した場合に、基準液の循環が必要であると判定するようにしてもよい。恒温領域部110における基準液を恒温する能力にも依存するが、例えば、基準液が使用されずに恒温領域部110に5分以上滞留した場合には、基準液の循環が必要であると判定するようにしてもよい。
さらには、このステップS14における判断を省略することも可能である。すなわち、上述したステップS10において、希釈液の循環が必要であると判断した場合には、自動的に、基準液の循環も必要であると判断するようにしてもよい。この場合、これとは逆に、基準液の循環が必要であると判断した場合には、自動的に、基準液の循環も必要であると判断するようにしてもよい。
次に、図5の温度制御処理において、基準液の循環が必要であると判断した場合(ステップS14:Yes)には、自動分析装置100は、基準液の循環を行う(ステップS16)。具体的には、上述したように、基準液循環流路122を用いて、基準液の循環を行い、基準液の温度を低下させる。図4の例では、基準液を反応容器90に分注するとともに、流路切替弁V4と第2基準液弁V6とを基準液循環流路122に接続されるように切り替えて、且つ、第2希釈液弁V5を閉止して、廃液ポンプ94を駆動させる。これにより、第2基準液弁V6と反応容器90との間の第2溶液流路84にある基準液が反応容器90に分注されて、そして、電極92、廃液弁V3、廃液流路98、流路切替弁V4、基準液循環流路122、第2基準液弁V6の順に流れて循環する。この循環により、基準液の温度を下げることができる。
この基準液の循環が完了した後、或いは、上述したステップS14で基準液の循環の必要がないと判断した場合(ステップS14:No)には、自動分析装置100は、上述したステップS10に戻り、この温度制御処理を繰り返す。
以上のように、本実施形態に係る自動分析装置100によれば、電解質測定ユニット23に希釈液循環流路120と基準液循環流路122とを設けたので、希釈液や基準液などの電極用溶液が恒温領域部110に長く滞留し、イオン選択性電極法で適正にイオン濃度の測定ができる範囲を超えてしまいそうな場合には、電極用溶液を反応容器90に一旦分注した上で、希釈液循環流路120又は基準液循環流路122を用いて、再び恒温領域部110に戻すことにより、温度を下げることができる。このため、電極用溶液がイオン選択性電極法の測定に適さない温度まで上昇してしまい、電極用溶液を破棄しなければならなくなるのを回避することができる。これにより、測定に使用せずに破棄される希釈液や基準液などの電極用溶液を低減することができる。
なお、本実施形態においては、反応容器90が分注溶液容器を構成しており、第1溶液流路74と第2溶液流路84が、電極用溶液供給路をそれぞれ構成しており、希釈液循環流路120と基準液循環流路122が、循環流路をそれぞれ構成している。また、本実施形態においては、分析制御部25の制御部27又はシステム制御部60が、図5の温度制御処理を実行する循環制御部を構成している。さらに、第1希釈液弁V1、第1基準液弁V2、廃液弁V3、流路切替弁V4、第2希釈液弁V5、及び、第2基準液弁V6が、制御弁をそれぞれ構成している。
〔第2実施形態〕
第2実施形態に係る自動分析装置100では、上述した第1実施形態に係る自動分析装置100における電解質測定ユニット23の希釈液循環流路120と基準液循環流路122の配置を変更して、反応容器90を介在させることなく、希釈液と基準液とを一旦、恒温領域部110の外側に送り出し、温度が低下した後に、再び恒温領域部110に戻すようにしたものである。以下、上述した第1実施形態と異なる部分を説明する。
図6は、本実施形態に係る自動分析装置100における電解質測定ユニット23の構成を説明する図である。この図6に示すように、本実施形態に係る電解質測定ユニット23においては、第1溶液流路74自体に希釈液循環流路200が設けられており、また、第2溶液流路84自体に基準液循環流路202が設けられている。
より具体的には、恒温領域部110の内側の第1溶液流路74に第3希釈液弁V10が設けられており、恒温領域部110の外側の第1溶液流路74に第4希釈液弁V11が設けられている。第4希釈液弁V11は、第1希釈液弁V1と第3希釈液弁V10との間に位置している。そして、これら第3希釈液弁V10と第4希釈液弁V11との間に、希釈液循環流路200が配設されている。
また、恒温領域部110の内側の第2溶液流路84に第3基準液弁V12が設けられており、恒温領域部110の外側の第2溶液流路84に第4基準液弁V13が設けられている。第4基準液弁V13は、第1基準液弁V2と第3基準液弁V12との間に位置している。そして、これら第3基準液弁V12と第4基準液弁V13との間に、基準液循環流路202が配設されている。
本実施形態においては、測定が行われずに、この第1溶液流路74に希釈液が滞留している時間が長くなった場合や、第2溶液流路84に基準液が滞留している時間が長くなった場合には、希釈液循環流路200や基準液循環流路202を用いて、希釈液や基準液の循環を行い、温度を下げる。
すなわち、第1溶液流路74については、希釈液を循環させない場合は、第3希釈液弁V10と第4希釈液弁V11が希釈液を希釈液容器70から反応容器90に流せる状態になっており、希釈液ポンプ72により、希釈液容器70から希釈液を反応容器90に向けて送り出す。一方、希釈液を循環させる場合は、第3希釈液弁V10を、第3希釈液弁V10と第4希釈液弁V11との間の第1溶液流路74にある希釈液が、希釈液循環流路200に流せる状態に切り替え、第4希釈液弁V11を、希釈液循環流路200に希釈液ポンプ72の駆動力が伝わる状態に切り替える。そして、希釈液ポンプ72を駆動させて、第3希釈液弁V10と第4希釈液弁V11の間の第1溶液流路74にある希釈液を、希釈液循環流路200まで移送する。これにより、希釈液は恒温領域部110の外側に出るので、希釈液の温度を下げることができる。そして、希釈液循環流路200にある希釈液を、再び、第1溶液流路74に送り出す。
また、第2溶液流路84については、基準液を循環させない場合は、第3基準液弁V12と第4基準液弁V13が基準液を基準液容器80から反応容器90に流せる状態になっており、基準液ポンプ82により、基準液容器80から基準液を反応容器90に向けて送り出す。一方、基準液を循環させる場合は、第3基準液弁V12を、第3基準液弁V12と第4基準液弁V13との間の第2溶液流路84にある基準液を、基準液循環流路202に流せる状態に切り替え、第4基準液弁V13を、基準液循環流路202に基準液ポンプ82の駆動力が伝わる状態に切り替える。そして、基準液ポンプ82を駆動させて、第3基準液弁V12と第4基準液弁V13との間の第2溶液流路84にある基準液を、基準液循環流路202まで移送する。これにより、基準液は恒温領域部110の外側に出るので、基準液の温度を下げることができる。そして、基準液循環流路202にある基準液を、再び、第2溶液流路84に送り出す。
本実施形態に係る自動分析装置100で実行される温度制御処理は、上述した第1実施形態の図5と同様である。但し、図5のステップS12における希釈液の循環と、ステップS14における基準液の循環は、上述のように実行される。
以上のように、本実施形態に係る自動分析装置100においても、電解質測定ユニット23に希釈液循環流路200と基準液循環流路202とを設けたので、希釈液や基準液などの電極用溶液が恒温領域部110に長く滞留し、イオン選択性電極法で適正にイオン濃度の測定ができる範囲を超えてしまいそうな場合には、電極用溶液を希釈液循環流路200と基準液循環流路202を介して、再び恒温領域部110に戻すことにより、温度を下げることができる。このため、電極用溶液がイオン選択性電極法の測定に適さない温度まで上昇してしまい、電極用溶液を破棄しなければならなくなるのを回避することができる。これにより、測定に使用せずに破棄される希釈液や基準液などの電極用溶液を低減することができる。
なお、本実施形態においては、第3希釈液弁V10と反応容器90との間の希釈液と、第3基準液弁V12と反応容器90との間の基準液は、希釈液循環流路200や基準液循環流路202を用いても、循環されないため、所定の範囲の上限以上の温度になってしまう可能性がある。このため、この希釈液と基準液は、反応容器90に分注して測定を行う際の初期動作で、破棄してしまうようにすることもできる。
また、上述した第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせて、第3希釈液弁V10と反応容器90との間の希釈液と、第3基準液弁V12と反応容器90との間の基準液とを、ぞれぞれ、反応容器90に分注して循環させるようにしてもよい。
図7は、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせた電解質測定ユニット23の構成を説明する図である。すなわち、第2実施形態に係る電解質測定ユニット23に、希釈液循環流路120と基準液循環流路122とを併設する。そして、反応容器90近傍の第1溶液流路74にある希釈液を、反応容器90に分注し、希釈液循環流路120を介して、第1溶液流路74に戻すようにしてもよい。また、反応容器90近傍の第2溶液流路84にある基準液を、反応容器90に分注し、基準液循環流路122を介して、第2溶液流路84に戻すようにしてもよい。
なお、図6及び図7に示す実施形態においては、希釈液循環流路200と基準液循環流路202が、循環流路をそれぞれ構成しており、第3希釈液弁V10と、第4希釈液弁V11と、第3基準液弁V12と、第4基準液弁V13とが、制御弁をそれぞれ構成している。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。