JP2021123784A - カルシウムを含む固形分の回収方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、製鋼スラグの磁選により選別された非磁着物を含むスラリーを用意する工程と、前記スラリーに対し、浮遊選鉱を行う工程と、を有する、カルシウムを含む固形分の回収方法に関する。
【選択図】図1
Description
本実施形態では、まず製鋼スラグを加熱処理することが好ましい。
次に、上記加熱処理された製鋼スラグを磁選して、上記マグネタイト化した鉄系酸化物などの磁性体を除去回収する。磁選は、湿式で行っても乾式で行ってもよいが、製鋼スラグ粒子の分散性を高めて、鉄系成分を主体とする磁着物と、その他の非磁着物と、の分離効率を高める観点から、湿式で行うことが好ましい。
上記加熱処理された製鋼スラグは、公知の破砕機により破砕されてもよい。また、粉砕された製鋼スラグは、ハンマーミル、ローラミルおよびボールミルなどを含む粉砕機でさらに粉砕されて、小粒径化されてもよい。
また、破砕および粉砕の前または後に、スラリーを炭酸化してもよい。
上述の各処理を必要に応じて施されて得られた、製鋼スラグ粒子が水中に分散してなるスラリーに、磁選を施すことにより、鉄系成分などを含む磁着物と、カルシウム成分などを含む非磁着物とを、分離することができる。上記スラリーは、スラリーの流動性と磁着物の回収効率とをともに高める観点からは、製鋼スラグ粒子と水との量比が、質量比で、(製鋼スラグ粒子/水)=1/300以上1/2以下であることが好ましく、1/200以上1/5以下であることがより好ましく、1/100以上1/10以下であることがさらに好ましい。
本工程では、このようにして得られた非磁着物のスラリーに対し、浮遊選鉱を行う。
上記捕収剤は、カルシウム成分を回収できる捕収剤であればよく、無機系の捕収剤であっても有機系の捕収剤であってもよいが、有機系の捕収剤であることが好ましい。
第1の捕収剤は、カルシウムに吸着する官能基と、疎水性基と、を有する弱電解質の化合物である。上記カルシウムに吸着する官能基の例には、カルボキシ基およびスルホン酸基が含まれる。上記疎水性基は、たとえば炭素数6以上18以下の飽和または不飽和のアルキル基とすることができる。上記疎水性基の炭素数が6以上であると、第1の捕収剤が気泡に良好に吸着する。上記疎水性基の炭素数が18以下であると、第1の捕収剤がスラリーの液体成分(水)中に十分に溶解することができる。第1の捕収剤は、これらの酸(高級脂肪酸またはアルキルスルホン酸)であってもよいが、塩を形成していてもよい。塩であるときの対イオンは、ナトリウムイオンなどであればよい。
第2の捕収剤は、カルシウム成分と静電的に相互作用し、かつ第1の捕収剤とカルシウムに共吸着できる、強電解質の化合物である。第2の捕収剤は、アルキルベンゼンスルホン酸などの硫酸エステル化合物またはその塩とすることができる。塩であるときの対イオンは、ナトリウムイオンなどであればよい。
なお、本実施形態では、上述した第1の捕収剤または第2の捕収剤とは異なるその他の捕収剤を用いてもよいし、上記その他の捕収剤を第1の捕収剤または第2の捕収剤と併用してもよい。
本工程では、第1の捕収剤および第2の捕収剤を添加する前に、カチオン性高分子凝集剤(以下、単に「凝集剤」ともいう。)を、非磁着物を含むスラリーに添加することが好ましい。
非磁着物を含むスラリーには、これらの他に、起泡剤およびpH調整剤などを添加することができる。
本工程において、カルシウム成分がスラリーの液体成分中に溶出して生成されたカルシウムイオン(Ca2+イオン)を、難溶性の炭酸カルシウムとして析出させてもよい。
浮遊選鉱の方法は特に限定されず、空気自給型および空気吹き込み型を含む公知の浮遊選鉱の方法により行うことができる。これらのうち、カラムの底部に配置したスパージャーから空気を吹き込むカラム式や、インペラ軸から空気を吹き込み、同時にインペラを高速回転させて気泡を発生させるアジテア式などの、空気吹き込み型が好ましく、アジテア式がより好ましい。
その後、スラリー表面に浮上した泡沫を回収し、回収された泡沫に対し、凝集沈殿などの公知の方法により固液分離することにより、カルシウムを含む固形分を回収することができる。回収方法は特に限定されず、スラリーの上層をオーバーフローさせてもよいし、泡沫を掬い取ってもよいし、パイプなどにより減圧容器に吸い取ってもよい。
このように、本実施形態では、上記弱電解質の陰イオン性捕収剤(第1の捕収剤)の使用により、カルシウム成分を含む製鋼スラグ粒子の回収効率を顕著に高めることができる。また、本実施形態では、上記強電解質の陰イオン性捕収剤(第2の捕収剤)の使用により、第1の捕収剤の金属石鹸化を抑制して第1の捕収剤の使用量を低減することができる。さらには、本実施形態では、凝集剤により製鋼スラグ粒子を予め凝集させたうえで浮遊選鉱を行うことにより、カルシウム成分を含む製鋼スラグ粒子の回収効率を高めて、第1の捕収剤の使用量を低減することもできる。また、このようにして第1の捕収剤の使用量を低減することにより、カルシウム成分を含む製鋼スラグ粒子の回収を低コストで行うことが可能となる。
表1に記載の成分比率を有する製鋼スラグを準備した。なお、製鋼スラグの成分は、蛍光X線(XRF)分析によって測定した。
回転式ドラムの表面に捕捉されずに脱離した、非磁着物を含むスラリーのうち、1Lを用いて、以下の実験を行った。
回転式ドラムの表面に捕捉されずに脱離した、非磁着物を含むスラリーのうち、別の1Lを用いて、以下の実験を行った。
それぞれの試験において泡沫として回収された固形分およびスラリー残渣から得られた固形分についての、固形分の回収量(全固形分に対する質量%)、カルシウムの回収量(全固形分中のカルシウムの合計量に対する質量%)、および添加した捕収剤の量(オレイン酸ナトリウムを「NaOl」、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを「NaDBS」、ドデシルアンモニウムアセテートを「DAA」と表す。)を、表2に示す。
表3に記載の成分比率を有する製鋼スラグを準備した。なお、製鋼スラグの成分は、蛍光X線(XRF)分析によって測定した。
捕収剤として、20ppmvのオレイン酸ナトリウム(第1の捕収剤)と、20ppmvのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(第2の捕収剤)とをスラリーに添加した。その後、スラリーをアジテア式の浮遊選鉱機に投入して、インペラを1000rpmで5分間回転させてコンディショニングを行った後、空気流量を6〜8L/minとして、マイクロバブルによる浮遊選鉱を5分間行った。浮上した泡沫を回収、ろ過および乾燥して得られた固形分について、秤量およびXRF分析により各元素の成分量を測定した。上記第1回目の浮遊選鉱により回収された固形分を「2−F1−A」とする。
カチオン性高分子凝集剤として、10ppmvの三洋化成工業株式会社製「サンフロックC−009P」をスラリーに添加し、その後、捕収剤として、20ppmvのオレイン酸ナトリウム(第1の捕収剤)をスラリーに添加した。その後、スラリーをアジテア式の浮遊選鉱機に投入して、インペラを1000rpmで5分間回転させてコンディショニングを行った後、空気流量を8L/minとして、マイクロバブルによる浮遊選鉱を5分間行った。このとき、スラリーに、起泡剤として20滴のメチルイソブチルカービノール(起泡剤)をスラリー中に投入した。浮上した泡沫を回収、ろ過および乾燥して得られた固形分について、秤量およびXRF分析により各元素の成分量を測定した。上記第1回目の浮遊選鉱により回収された固形分を「2−F1−B」とする。
それぞれの試験において泡沫として回収された固形分およびスラリー残渣から得られた固形分についての、固形分の回収量(全固形分に対する質量%)、カルシウムの回収量(全固形分中のカルシウムの合計量に対する質量%)、および添加した捕収剤の量(オレイン酸ナトリウムを「NaOl」、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを「NaDBS」、ドデシルアンモニウムアセテートを「DAA」と表す。)を、表4に示す。
Claims (7)
- 製鋼スラグの磁選により選別された非磁着物を含むスラリーを用意する工程と、
前記スラリーに対し、浮遊選鉱を行う工程と、
を有する、カルシウムを含む固形分の回収方法。 - 前記浮遊選鉱を行う工程において、捕収剤として弱電解質の陰イオン性捕収剤を用いる、請求項1に記載のカルシウムを含む固形分の回収方法。
- 前記浮遊選鉱を行う工程において、捕収剤として強電解質の陰イオン性捕収剤をさらに用いる、請求項2に記載のカルシウムを含む固形分の回収方法。
- 前記浮遊選鉱を行う工程において、捕収剤としてカチオン性高分子凝集剤をさらに用いる、請求項2または3に記載のカルシウムを含む固形分の回収方法。
- 前記スラリーは、前記製鋼スラグを含むスラリーを炭酸化した後に前記磁選により選別された前記非磁着物を含むスラリーである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカルシウムを含む固形分の回収方法。
- 前記スラリーは、粒径d90が500μm以下のスラリーである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカルシウムを含む固形分の回収方法。
- 前記スラリーは、スラリー濃度が0.5w/v%以上20w/v%以下のスラリーである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のカルシウムを含む固形分の回収方法。
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