JP2022008048A - 樹脂用添加剤、その製造方法および成形体 - Google Patents

樹脂用添加剤、その製造方法および成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂に対する分散性に優れながら、有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤の徐放性に優れる樹脂用添加剤、その製造方法、および、樹脂用添加剤を含有する成形体を提供すること。【解決手段】樹脂用添加剤は、多孔質粒子と、多孔質粒子に取り込まれた有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤と、有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤を多孔質粒子内において封止し、シロキサン硬化物とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂用添加剤、その製造方法および成形体に関する。
従来、樹脂と、有機系紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤などの樹脂用添加剤とを配合することによって、樹脂成形体の耐光性を向上させることが知られている。
例えば、多孔質シリカと、シリカの多孔内に取り込まれた紫外線吸収剤と、多孔質シリカの表面をコーティングするシリコーンオイルとを含む粉体を、樹脂に練り込むことが提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
実開平1-70831号公報
しかし、特許文献1の粉体を樹脂に練り込むときに、紫外線吸収剤を迅速に放出してしまい、そのため、成形体の耐光性が低下したり、紫外線吸収剤がブリードアウトするなどの不具合がある。
また、粉体の樹脂への優れた分散性も求められる。
本発明は、樹脂に対する分散性に優れながら、有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤の徐放性に優れる樹脂用添加剤、その製造方法、および、樹脂用添加剤を含有する成形体を提供する。
本発明(1)は、多孔質粒子と、前記多孔質粒子に取り込まれた有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤と、前記有機系紫外線吸収剤および/または前記ラジカル捕捉剤を前記多孔質粒子内において封止するシロキサン硬化物とを含む、樹脂用添加剤を含む。
本発明(2)は、前記シロキサン硬化物が、-SiRO-(2つのRは、互いに同一または相異なってもよく、それぞれ、1価の飽和炭化水素基および1価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価の炭化水素基を示す。)で示されるシロキサンユニットを含有せず、RO基(Rは、1価の飽和炭化水素基を示す。)を含有するRO基含有シロキサンユニットを含有する第1オリゴマーを含有するシロキサン組成物の硬化物を含む、(1)に記載の樹脂用添加剤を含む。
本発明(3)は、前記シロキサン硬化物が、4官能オルガノシランの縮合重合体である第2オリゴマーを含有するシロキサン組成物の硬化物を含む、(1)または(2)に記載の樹脂用添加剤を含む。
本発明(4)は、前記シロキサン組成物が、-SiRO-(2つのRは、互いに同一または相異なってもよく、それぞれ、1価の飽和炭化水素基および1価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価の炭化水素基を示す。)で示されるシロキサンユニットと、RO基(Rは、1価の飽和炭化水素基を示す。)を含有するRO基含有シロキサンユニットとを含有する第3オリゴマーを含有する、(2)または(3)に記載の樹脂用添加剤を含む。
本発明(5)は、前記シロキサン組成物が、-SiRO-(2つのRは、互いに同一または相異なってもよく、それぞれ、1価の飽和炭化水素基および1価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価の炭化水素基を示す。)で示されるシロキサンユニットを含有するシリコーンオイルをさらに含有する、(2)~(4)のいずれか一項に記載の樹脂用添加剤を含む。
本発明(6)は、前記多孔質粒子が、80mL/100g以上の吸油量を有する、(1)~(5)のいずれか一項に記載の樹脂用添加剤を含む。
本発明(7)は、前記多孔質粒子が、無機粒子であることを特徴とする、(1)~(6)のいずれか一項に記載の樹脂用添加剤を含む。
本発明(8)は、前記無機粒子が、シリカ系粒子を含有する、(7)に記載の樹脂用添加剤を含む。
本発明(9)は、前記有機系紫外線吸収剤および/または前記ラジカル捕捉剤を前記シロキサン硬化物で封止した前記多孔質粒子がRO基含有シラン化合物によって表面処理され、前記RO基含有シラン化合物は、RO基(Rは、1価の飽和炭化水素基および1価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価の炭化水素基を示す。)と、前記RO基以外の部分であって、樹脂と反応可能および/または親和可能な前記部分とを含有する、(8)に記載の樹脂用添加剤を含む。
本発明(10)は、多孔質粒子と、有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤と、シロキサン組成物とを配合する第1工程と、前記シロキサン組成物を硬化させて、そのシロキサン硬化物により、前記有機系紫外線吸収剤および/または前記ラジカル捕捉剤を、前記多孔質粒子内において封止する第2工程とを備える、樹脂用添加剤の製造方法を含む。
本発明(11)は、前記第1工程では、前記有機系紫外線吸収剤を前記多孔質粒子に配合し、その後、前記ラジカル捕捉剤を前記多孔質粒子に配合する、(10)に記載の樹脂用添加剤の製造方法を含む。
本発明(12)は、前記有機系紫外線吸収剤および/または前記ラジカル捕捉剤を前記シロキサン硬化物で封止した前記多孔質粒子を、RO基含有シラン化合物によって表面処理する第3工程をさらに備え、前記RO基含有シラン化合物は、RO基(Rは、1価の飽和炭化水素基および1価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価の炭化水素基を示す。)と、前記RO基以外の部分であって、樹脂と反応可能および/または親和可能な前記部分とを含有する、(10)または(11)に記載の樹脂用添加剤の製造方法を含む。
本発明(13)は、樹脂と、(1)~(9)のいずれか一項に記載の樹脂用添加剤とを含有する、成形体を含む。
本発明の製造方法により得られる本発明の樹脂用添加剤は、樹脂に対する分散性に優れながら、有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤の徐放性に優れる。そのため、樹脂用添加剤および樹脂を含有する樹脂組成物から成形された本発明の成形体は、耐光性に優れる。
図1は、実施例1~実施例16および比較例1~比較例4の引張試験に供される引張試験片の形状および寸法を示す。
<樹脂用添加剤>
本発明の樹脂用添加剤は、樹脂に添加される添加剤であり、樹脂組成物(樹脂成形体)に含有される添加剤である。樹脂用添加剤は、多孔質粒子と、有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤と、シロキサン硬化物とを含む。
<多孔質粒子>
多孔質粒子は、有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤を取り込む担体(基体)である。
多孔質粒子の比表面積は、例えば、100m/g以上、好ましくは、200m/g以上であり、また、1000m/g以下である。多孔質粒子の比表面積は、BET法(窒素吸着法)に準拠して測定される。多孔質粒子の吸油量は、例えば、80mL/100g以上、好ましくは、150mL/100g以上、より好ましくは、200mL/100g以上であり、また、例えば、500mL/100g以下である。無機粒子の吸油量は、JIS K 5101-13-2に準拠して測定される。多孔質粒子の吸油量が上記した下限以上であれば、有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル補足剤を確実に取り込み、さらには、それらを封止するシロキサン硬化体も担持できる。
多孔質粒子の外形形状は、特に限定されず、例えば、略球状、略板状(葉片状)、略針状、略多面体状(四面体、6面体(立方体など)など)などが挙げられ、好ましくは、優れた分散性を得る観点から、略球状、略板状が挙げられる。また、多孔質粒子は、表面に孔を有しており、かかる孔が外部と内部とを連絡し、そして、内部が中空である中空球状粒子を含むことができる。
多孔質粒子のメジアン径は、例えば、0.5μm以上、好ましくは、1μm以上、より好ましくは、2μm以上であり、また、例えば、50μm以下、好ましくは、20μm以下、より好ましくは、10μm以下である。多孔質粒子のメジアン径は、レーザー回折法で測定される。多孔質粒子のメジアン径が上記した下限以上、上限以下であれば、樹脂用添加剤の樹脂に対する分散性に優れる。
多孔質粒子は、特に限定されず、例えば、無機粒子、有機粒子(セルロース系粒子など)、それらの複合粒子などが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。多孔質粒子として、好ましくは、無機粒子が挙げられる。
無機粒子としては、例えば、シリカ系粒子(シリカ粒子、シリカアルミナ粒子など)、窒化ホウ素粒子、酸化マグネシム粒子、セリサイト粒子、マイカ粒子、硫酸バリウム粒子、タルク粒子、炭酸カルシウム粒子などが挙げられる。無機粒子として、シロキサン組成物が硬化する時に無機粒子との間に化学結合を形成する観点から、好ましくは、シリカ系粒子が挙げられる。なお、シリカ系粒子は、その材料が、シリカを含むシリカ系材料であって、シリカ粒子、また、シリカを構成単位として含むシリカ含有複合酸化物粒子(具体的には、シリカアルミナ粒子、シリカマグネシア粒子など)などが挙げられる。
シリカ系粒子としては、沈降法シリカ、ゲル法シリカなどの湿式法シリカが挙げられる。また、シリカ系粒子として、例えば、特開平9-295808に記載される板状シリカ粒子(板状劈開性シリカ粒子)、例えば、特開平5-193927に記載される球状シリカ粒子、例えば、中空球状シリカ粒子などが挙げられる。
なお、シリカ系粒子は、シリカ粒子と、酸化マグネシウム粒子などの弱塩基性酸化物粒子との粒子内で混合された組成物(粒子内混合物)を含むこともできる。シリカ系粒子が粒子内組成物である場合において、シリカ粒子の粒子内組成物における割合は、例えば、50質量%超過、好ましくは、55質量%以上であり、また、例えば、99質量%以下、好ましくは、90質量%以下である。
多孔質粒子の樹脂用添加剤における割合は、例えば、20質量%以上、好ましくは、35質量%以上であり、また、例えば、75質量%以下、好ましくは、50質量%以下である。
<有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤>
有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤は、多孔質粒子の細孔内に取り込まれている。有機系紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して、樹脂に直接照射される紫外線の量を低減する。ラジカル捕捉剤は、樹脂が紫外線を受光することに起因して生成するアルキルラジカルおよび/またはペルオキシラジカルを捕捉する。
有機系紫外線吸収剤としては、例えば、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクチロキシベンゾフェノン(アデカスタブ1413、ADEKA社製)、2-ヒドロキシ-4-n-ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-オクチロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-ブチルオキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、例えば、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチルー1-フェニルエチル)フェノールなどのベンゾトリアゾール系化合物、4-オクチルフェニルサリシレート、ビスフェノールA-ジサリシレート、4-t-ブチルフェニルサリシレート、フェニルサリシレートなどのサリチル酸エステル系化合物、例えば、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-ヘキサロイルオキシ-3-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオイキシ)エトキシ]フェノールなどのトリアジン系化合物、例えば、エチル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート系化合物が挙げられる。有機系紫外線吸収剤として、好ましくは、汎用性が高い観点から、ベンゾフェノン化合物、より好ましくは、[2-ヒドロキシ-4-(オクチロキシ)フェニル](フェニル)メタノン(アデカスタブ1413)が挙げられる。
ラジカル捕捉剤としては、例えば、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(HALS)(Hindered amine light stabilizers)、ヒンダードフェノール系ラジカル捕捉剤、アミノケトン系酸化防止剤、芳香族第2級アミン系酸化防止剤、亜リン酸系酸化防止剤、有機チオ系酸化防止剤などが挙げられる。これらは、単独使用または併用できる。
ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤としては、例えば、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノールおよびβ,β,β’,β’-テトラメチル-2,4,8,10-テトラオキサスピロ [5.5]ウンデカン-3,9-ジエタノールとのエステル(アデカスタブ LA-63P、ADEKA社製)、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ブタン-1,2,3,4-テトラカルボキシレート(アデカスタブLA-52、ADEKA社製)、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ブタン-1,2,3,4-テトラカルボキシレート(アデカスタブLA-57、ADEKA社製)などが挙げられる。好ましくは、アデカスタブ LA-63Pが挙げられる。
ヒンダードフェノール系ラジカル捕捉剤としては、例えば、2,6-ジ(tert-ブチル)-4-メチルフェノール(別名:ジブチルヒドロキシトルエン、以下、BHTと略する場合がある。)、[3-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパノイルオキシ]-2,2-ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパノイルオキシメチル]プロピル]3-(3,5-ジtert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート(イルガノックス1010、チバ・ジャパン社製)、オクタデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート(イルガノックス1076、チバ・ジャパン社製)などが挙げられる。
アミノケトン系酸化防止剤としては、例えば、6-エトキシ-1,2-ジヒドロ-2,2’-4-トリメチルキノリンなどが挙げられる。
芳香族第2級アミン系酸化防止剤としては、例えば、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミンなどが挙げられる。
亜リン酸系酸化防止剤としては、例えば、トリス(ノニルフェニル)フォスファイトなどが挙げられる。
有機チオ系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリルなどが挙げられる。
ラジカル捕捉剤として、好ましくは、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(HALS)が挙げられる。
多孔質粒子100質量部に対する有機系紫外線吸収剤の質量部数は、例えば、10質量部以上、好ましくは、25質量部以上であり、また、例えば、250質量部以下、好ましくは、100質量部以下である。樹脂用添加剤における有機系紫外線吸収剤の割合は、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、60質量%以下、好ましくは、40質量%以下である。
多孔質粒子100質量部に対するラジカル捕捉剤の質量部数は、例えば、10質量部以上、好ましくは、25質量部以上であり、また、例えば、250質量部以下、好ましくは、100質量部以下である。樹脂用添加剤におけるラジカル捕捉剤の割合は、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、60質量%以下、好ましくは、40質量%以下である。
有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤が併用される場合には、有機系紫外線吸収剤100質量部に対するラジカル捕捉剤の質量部数は、例えば、10質量部以上、好ましくは、50質量部以上であり、また、例えば、1000質量部以下、好ましくは、200質量部以下である。多孔質粒子100質量部に対する有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤の総量の質量部数は、例えば、20質量部以上、好ましくは、50質量部以上であり、また、例えば、500質量部以下、好ましくは、200質量部以下である。
<シロキサン硬化物>
シロキサン硬化物は、多孔質粒子に取り込まれた有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤を封止している。具体的には、シロキサン硬化物は、多孔質粒子の細孔における内表面に担持された有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤を多孔質粒子に対して封止している。また、シロキサン硬化物は、有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤をシロキサン硬化物中に分散させながら、それらが多孔質粒子の細孔に取り込まれていてもよい。
シロキサン硬化物は、シロキサン組成物の硬化物である。シロキサン組成物は、加水分解して、縮合反応して、シロキサン硬化物を生成する。シロキサン組成物としては、次に説明する第1オリゴマーを含有する第1のシロキサン組成物、第2オリゴマーを含有する第2のシロキサン組成物などが挙げられる。
<第1のシロキサン組成物>
第1のシロキサン組成物は、例えば、第1オリゴマーと、第3オリゴマーと、シリコーンオイルとを含有する。
第1オリゴマーは、シロキサン硬化物におけるネットワーク構造を形成して多孔質粒子の細孔を封止し、紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤を多孔質粒子に固着する役割を担う。
第1オリゴマーは、硬化時に、シロキサン硬化物の主成分をなす。第1オリゴマーは、-SiRO-(2つのRは、互いに同一または相異なってもよく、それぞれ、1価の飽和炭化水素基および1価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価の炭化水素基を示す。)で示されるシロキサンユニットを含有せず、RO基(Rは、1価の飽和炭化水素基を示す。)を含有するRO基含有シロキサンユニットを含有する。
1価の飽和炭化水素基としては、例えば、アルキル基が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、iso-ペンチル、n-ヘキシル、iso-ヘキシルなどの炭素数1~6のアルキル基が挙げられる。好ましくは、メチルである。
1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチルなどの炭素数6~10のアリール基が挙げられる。好ましくは、フェニルである。
また、1価の炭化水素基としては、好ましくは、メチル、エチルおよび/またはフェニルが挙げられ、より好ましくは、メチルである。
第1オリゴマーに含有されず、-SiRO-で示されるシロキサンユニットは、次に説明する第3オリゴマーに含有される直鎖シロキシユニットである。
具体的には、第1オリゴマーは、例えば、-SiRO-で示される直鎖シロキシユニットを含有しない直鎖シロキシユニット不含-アルキル系オリゴマー、例えば、-SiRO-で示される直鎖シロキシユニットを含有しない直鎖シロキシユニット不含-アルキルアリール系オリゴマーなどが挙げられる。直鎖シロキシユニット不含-アルキル系オリゴマーは、アルキルアリールシロキサンユニットを含有しない。
より具体的には、直鎖シロキシユニット不含-アルキル系オリゴマーとしては、好ましくは、直鎖シロキシユニット不含-メチル系オリゴマーが挙げられる。直鎖シロキシユニット不含-メチル系オリゴマーは、例えば、メチルトリメトキシシランから生成される。
直鎖シロキシユニット不含-アルキルアリール系オリゴマーとしては、例えば、直鎖シロキシユニット不含-メチルフェニル系オリゴマーなどが挙げられる。直鎖シロキシユニット不含-メチルフェニル系オリゴマーは、例えば、フェニルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランとから生成される。
第1オリゴマーの分子量は、例えば、500以上、好ましくは、1000以上であり、また、例えば、4000以下、好ましくは、3000以下である。
第1オリゴマーは市販品が用いられる。例えば、KC-89S、KR515(信越化学工業社製)、KR500、X-40-9225(いずれも直鎖シロキシユニット不含-メチル系オリゴマー、信越化学工業社製)、US-SG2403(東レ・ダウコーニング社製)、KR401N(直鎖シロキシユニット不含-メチルフェニル系オリゴマー、信越化学工業社製)などが例示できる。
第1のシロキサン組成物における第1オリゴマーの割合は、例えば、20質量%以上、好ましくは、30質量%以上、より好ましくは、35質量%以上、さらに好ましくは、40質量%以上であり、また、例えば、60質量%未満、好ましくは、50質量%以下である。
第3オリゴマーは、シロキサン硬化物において、第1オリゴマーとともにシロキサンマトリックスを形成する。第3オリゴマーは、第1のシロキサン組成物中においては、シリコーンオイルと第1オリゴマーとに対する両親媒性の性質を有するので、硬化時に表層に層分離(あるいは相分離)したシリコーンオイルとシロキサンマトリクスとの界面を安定化させてシロキサン硬化物表面の疎水性を発現させる役割を担う。それによって、樹脂用添加剤と樹脂との親和性を向上させ、これによって、樹脂用添加剤の樹脂(特にポリオレフィン系樹脂)における分散性を向上させる。
第3オリゴマーは、-SiRO-(2つのRは、互いに同一または相異なってもよく、それぞれ、1価の飽和炭化水素基および1価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価の炭化水素基を示す。)で示されるシロキサンユニットと、RO基(Rは、1価の飽和炭化水素基を示す。)を含有するRO基含有シロキサンユニットとを含有する。
1価の炭化水素基およびRO基は、上記した第1オリゴマーと同様の1価の炭化水素基およびRO基が挙げられる。
-SiRO-で示されるシロキサンユニットは、反応時に、直鎖シロキサン結合を硬化体に導入するための直鎖シロキシユニット(骨格)である。-SiRO-で示されるシロキサンユニットとして、好ましくは、ジアルキルシロキサンユニット、アルキルアリールシロキサンユニットが挙げられる。ジアルキルシロキサンユニットとしては、好ましくは、ジメチルシロキサンユニットが挙げられる。アルキルアリールシロキサンユニットとしては、好ましくは、メチルフェニルシロキサンユニットが挙げられる。
RO基として、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基が挙げられ、好ましくは、アルコキシ基が挙げられ、より好ましくは、メトキシである。
第3オリゴマーとしては、例えば、ジアルキルシロキサンユニット含有オリゴマー、例えば、アルキルアリールシロキサンユニットを含有する、アルキルアリールシロキサンユニット含有オリゴマーが挙げられる。ジアルキルシロキサンユニット含有オリゴマーは、アルキルアリールシロキサンユニットを含有しない。一方、アルキルアリールシロキサンユニット含有オリゴマーは、ジアルキルシロキサンユニットをさらに含有してもよい。
より具体的には、ジアルキルシロキサンユニット含有オリゴマーとしては、好ましくは、ジメチルシロキサンユニットを含有する、ジメチルシロキサンユニット含有オリゴマーが挙げられる。ジメチルシロキサンユニット含有オリゴマーは、例えば、メチルトリメトキシシランおよびジメチルジメトキシシランから生成される。
アルキルアリールシロキサンユニット含有オリゴマーとしては、好ましくは、メチルフェニルシロキサンユニットを含有する、メチルフェニルシロキサンユニット含有オリゴマーが挙げられる。メチルフェニルシロキサンユニット含有オリゴマーは、ジメチルシロキサンユニットをさらに含有してもよい。メチルフェニルシロキサンユニット含有オリゴマーは、例えば、メチルフェニルジメトキシシランおよびメチルトリメトキシシランから生成される。
第3オリゴマーの分子量は、例えば、500以上、好ましくは、1000以上であり、また、例えば、3000以下、好ましくは、2000以下である。
第3オリゴマーは、市販品が用いられる。例えば、X-40-9250(ジメチルシロキサンユニット含有オリゴマー、信越化学工業社製)などが例示される。
第1のシロキサン組成物における第3オリゴマーの割合は、例えば、1質量%以上、好ましくは、3質量%以上、より好ましくは、6質量%以上であり、また、例えば、50質量%未満、好ましくは、40質量%以下、より好ましくは、30質量%以下、さらに好ましくは、20質量%以下、とりわけ好ましくは、15質量%以下である。
第1オリゴマーに対する第3オリゴマーの質量比は、例えば、0.1以上、好ましくは、0.2以上である。また、第1オリゴマーに対する第3オリゴマーの質量比は、例えば、0.6以下、好ましくは、0.4以下である。
第1のシロキサン組成物における第1オリゴマーおよび第3オリゴマー(硬化成分)の総量の割合は、例えば、20質量%以上、好ましくは、25質量%以上、より好ましくは、30質量%以上である。上記した総量の割合が上記した下限以上であれば、シロキサン硬化物を確実に形成できる。第1のシロキサン組成物における第1オリゴマーおよび第3オリゴマー(硬化成分)の総量の割合は、例えば、75質量%以下、好ましくは、65質量%以下、より好ましくは、55質量%以下、さらに好ましくは、50質量%以下である。上記した総量の割合が上記した上限以下であれば、多孔質粒子の細孔中に第1のシロキサン組成物を十分に浸透させることができる。
シリコーンオイルは、硬化時には、第1オリゴマーおよび第3オリゴマーから層分離(あるいは相分離)して、シロキサン硬化物表面の疎水性を発現させ、それによって、樹脂用添加剤と樹脂との親和性をより一層向上させ、これによって、樹脂用添加剤の分散性を向上させることができる。
シリコーンオイルは、-SiRO-(2つのRは、互いに同一または相異なってもよく、それぞれ、1価の飽和炭化水素基および1価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価の炭化水素基を示す。)で示されるシロキサンユニットを含有する。
Rで示される1価の炭化水素基は、第1オリゴマーで挙げた1価の炭化水素基と同様である。
シリコーンオイルとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサンなどの未変性シリコーンオイルが挙げられる。好ましくは、ポリジメチルシロキサンが挙げられる。
シリコーンオイルの25℃における動粘度は、特に限定されず、例えば、1mm/s以上、好ましくは、10mm/s以上、より好ましくは、100mm/s以上であり、また、例えば、100万mm/s以下、好ましくは、10万mm/s以下、より好ましくは、1万mm/s以下である。シリコーンオイルの動粘度が上記した上限以下であれば、シリコーンオイルを簡便に取り扱って、第1のシロキサン組成物を簡便に調製することができる。
シリコーンオイルは、市販品が用いられる。例えば、KF-96シリーズ(信越化学工業社製)、KF-965シリーズ(信越化学工業社製)、SH200シリーズ(東レ・ダウコーニング社製)、TSF451シリーズ(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル・ジャパン社製)、YF-33シリーズ(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル・ジャパン社製)などが用いられる。
第1のシロキサン組成物に対するシリコーンオイルの割合は、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上、より好ましくは、1.0質量%以上であり、また、例えば、10質量%以下、好ましくは、5質量%以下、より好ましくは、3質量%以下である。第3オリゴマー100質量部に対するシリコーンオイルの質量部数は、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上、より好ましくは、20質量部以上であり、また、例えば、100質量部以下、好ましくは、50質量部以下、より好ましくは、35質量部以下である。
第1のシロキサン組成物に対する、第1オリゴマーと第3オリゴマーとシリコーンオイルとの総量の割合は、例えば、20質量%以上、好ましくは、25質量%以上、より好ましくは、30質量%以上、さらに好ましくは、35質量%以上である。上記した総量の割合が上記した下限以上であれば、硬化成分の割合が過度に少なくなることを防止して、シロキサン硬化物を確実に形成することができる。第1のシロキサン組成物に対する第1オリゴマーと第3オリゴマーとシリコーンオイルとの総量の割合は、例えば、75質量%以下、好ましくは、65質量%以下、より好ましくは、55質量%以下である。上記した総量の割合が上記した上限以下であれば、多孔質粒子の細孔中に第1のシロキサン組成物を十分に浸透させることができる。
また、第1のシロキサン組成物は、触媒、有機溶剤をさらに含有することができる。
触媒は、シロキサン組成物を硬化するときに、空気中の水分と反応して加水分解して、第1オリゴマーおよび第3オリゴマーを縮合反応させる硬化触媒である。
触媒としては、例えば、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、錫アルコキシド、アルミニウムアルコキシドなどの金属アルコキシド、例えば、チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンアルキルアセトネート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネートなどのキレート化金属などが挙げられる。
金属アルコキシドとしては、好ましくは、チタンアルコキシドなどが挙げられ、より好ましくは、チタンテトラn-ブトキシドが挙げられる。触媒は、市販品が用いられ、例えば、D-25(信越化学工業社製)などが用いられる。触媒の配合部数は、第1オリゴマーおよび第3オリゴマーの総量100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、3質量部以上、より好ましくは、5質量部以上であり、また、例えば、25質量部以下、好ましくは、15質量部以下、より好ましくは、10質量部以下である。
有機溶剤は、特に限定されず、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、例えば、グリコールエーテル系溶剤、パラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤、芳香族系溶剤などが挙げられる。好ましくは、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤が挙げられる。有機溶剤は、第1オリゴマー、第3オリゴマー、および、シリコーンオイル以外の溶剤である。第1のシロキサン組成物の硬化時の固形分量が、例えば、80質量%以下、好ましくは、60質量%以下となり、また、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上、より好ましくは、30質量%以上となるように、有機溶剤が第1のシロキサン組成物に含有される。
上記した固形分量は、硬化前の第1のシロキサン組成物の質量に対するシロキサン硬化物の質量の割合である。なお、シロキサン硬化物(およびシロキサン硬化物中に取り込まれる成分(具体的には、シリコーンオイル、触媒など))の質量は、各成分の総量から、有機溶剤および加水分解生成物を差し引いた質量である。なお、シロキサン硬化物の質量は、硬化前後における第1のシロキサン組成物の質量減少量からも算出される。
<第2のシロキサン組成物>
第2のシロキサン組成物は、第2オリゴマーと、第3オリゴマーと、シリコーンオイルとを含有する。
第2オリゴマーは、4官能オルガノシランの縮合重合体である。第2オリゴマーの硬化物は、第1オリゴマーの硬化物より縮合時の脱離アルコール量が多く、多孔性が高い傾向があるため、第1オリゴマーの硬化物より、封止された有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤の徐放性が高い。
4官能オルガノシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン、例えば、テトラフェノキシシランなどのテトラアリールオキシシランが挙げられ、好ましくは、テトラアルコキシシランが挙げられ、より好ましくは、テトラメトキシシランが挙げられる。
第2オリゴマーとしては、例えば、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどのホモ縮合オリゴマーおよび共縮合オリゴマーが挙げられ、好ましくは、加水分解して縮合する時の質量減少を小さくし、反応速度を高くする観点から、ホモ縮合オリゴマーが挙げられ、より好ましくは、テトラメトキシシランのホモ縮合オリゴマーが挙げられる。オリゴマーの平均重合度は、例えば、3以上、好ましくは、4以上であり、また、例えば、15以下、好ましくは、10以下である。
第2オリゴマーは、市販品が用いられ、例えば、シリケートオリゴマーシリーズ(三菱化学社製)などが例示される。
第2のシロキサン組成物における第2オリゴマーの割合は、例えば、25質量%以上、好ましくは、30質量%以上、より好ましくは、40質量%以上、さらに好ましくは、45質量%以上であり、また、例えば、70質量%以下、好ましくは、60質量%以下である。
第2オリゴマーに対する第3オリゴマーの質量比は、例えば、0.05以上、好ましくは、0.1以上である。また、第2オリゴマーに対する第3オリゴマーの質量比は、例えば、0.5以下、好ましくは、0.3以下である。
第2のシロキサン組成物における第2オリゴマーおよび第3オリゴマー(硬化成分)の総量の割合は、例えば、20質量%以上、好ましくは、25質量%以上、より好ましくは、30質量%以上、さらに好ましくは、40質量%以上、とりわけ好ましくは、50質量%以上、最も好ましくは、55質量%以上である。上記した総量の割合が上記した下限以上であれば、シロキサン硬化物を確実に形成できる。第2のシロキサン組成物における第2オリゴマーと第3オリゴマーと(硬化成分)の総量の割合は、例えば、80質量%以下、好ましくは、75質量%以下、より好ましくは、70質量%以下、さらに好ましくは、65質量%以下である。上記した総量の割合が上記した上限以下であれば、多孔質粒子の細孔中に第2のシロキサン組成物を十分に浸透させることができる。
第3オリゴマーは、第2のシロキサン組成物において、第2オリゴマーとともにシロキサンマトリックスを形成する。第3オリゴマーの割合は、第1のシロキサン組成物における第3オリゴマーのそれと同様である。
シリコーンオイルは、第2のシロキサン組成物において、硬化時には、第2オリゴマーと第3オリゴマーとから層分離(あるいは相分離)して、シロキサン硬化物表面の疎水性を発現させ、それによって、樹脂用添加剤と樹脂との親和性を向上させ、これによって、樹脂用添加剤の分散性を向上させることができる。シリコーンオイルの割合は、第1のシロキサン組成物におけるシリコーンオイルのそれと同様である。
第2のシロキサン組成物に対する、第2オリゴマーとシリコーンオイルと第3オリゴマーとの総量の割合は、例えば、20質量%以上、好ましくは、25質量%以上、より好ましくは、30質量%以上、さらに好ましくは、35質量%以上、さらにまた好ましくは、40質量%以上、とりわけ好ましくは、50質量%以上、最も好ましくは、60質量%以上である。上記した総量の割合が上記した下限以上であれば、硬化成分の割合が過度に少なくなることを防止して、シロキサン硬化物を確実に形成することができる。第2のシロキサン組成物に対する第2オリゴマーとシリコーンオイルと第3オリゴマーとの総量の割合は、例えば、80質量%以下、好ましくは、75質量%以下、好ましくは、65質量%以下である。上記した総量の割合が上記した上限以下であれば、多孔質粒子の細孔中に第2のシロキサン組成物を十分に浸透させることができる。
また、第2のシロキサン組成物は、触媒、有機溶剤をさらに含有することができる。触媒および有機溶剤のそれぞれの割合は、上記した第1のシリコーン組成におけるそれらと同様である。有機溶剤は、第2オリゴマー、第3オリゴマー、および、シリコーンオイル以外の溶剤である。
多孔質粒子100質量部に対するシロキサン硬化物の質量部数は、例えば、10質量部以上、好ましくは、25質量部以上であり、また、例えば、75質量部以下、好ましくは、60質量部以下である。有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤の総量100質量部に対するシロキサン硬化物の質量部数は、例えば、10質量部以上、好ましくは、25質量部以上であり、また、例えば、75質量部以下、好ましくは、60質量部以下である。
シロキサン硬化物の樹脂用添加剤に対する割合は、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上、より好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下、より好ましくは、30質量%以下である。シロキサン硬化物の質量部および/または割合が上記した下限以上であれば、シロキサン硬化物が有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤の徐放性を制御することができる。シロキサン硬化物の質量部および/または割合が上記した上限以下であれば、シロキサン硬化物が有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤を充分に内包することができる。
なお、樹脂用添加剤は、次の製造方法の説明上、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とを含む第1の樹脂用添加剤、および、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とのうち、いずれか一方を含み、他方を含まない第2の樹脂用添加剤に類別される。好ましくは、耐光性のさらなる向上の観点から、第1の樹脂用添加剤が挙げられる。
<第1の樹脂用添加剤の製造方法>
第1の樹脂用添加剤の製造方法を説明する。第1の樹脂用添加剤の製造方法は、多孔質粒子と、有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤と、シロキサン組成物とを配合する第1工程と、シロキサン組成物を硬化させて、そのシロキサン硬化物により、有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤を、多孔質粒子内において封止する第2工程とを備える。
第1の樹脂用添加剤の製造方法としては、例えば、多孔質粒子に、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とを取り込ませ、その後、かかる多孔質粒子にシロキサン組成物を取り込ませる第1の製造方法、例えば、多孔質粒子に、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とのうち一方を取り込ませ、その後、かかる多孔質粒子に、他方を含むシロキサン組成物を取り込ませる第2の製造方法、例えば、多孔質粒子に、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とを含むシロキサン組成物を取り込ませる第3の製造方法などが挙げられる。
<第1の製造方法>
第1の製造方法における第1工程では、多孔質粒子と、有機系紫外線吸収剤と、ラジカル捕捉剤とを配合する。これにより、多孔質粒子に、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とを担持させる。担持方法としては、例えば、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とを一度に多孔質粒子に担持させる第1の担持方法、例えば、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とをこの順で多孔質粒子に担持させる第2の担持方法などが挙げられる。
<第1の担持方法>
第1の担持方法において、例えば、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とが固体状であれば、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とを溶媒で溶解して、混合溶液を調製し、次いで、混合溶液を多孔質粒子に配合して、それらを攪拌混合する。これにより、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とが多孔質粒子の細孔内に取り込まれる(吸収される)。
溶媒としては、上記した有機溶剤が挙げられる。混合溶液の質量部数は、その総体積が多孔質粒子の吸油可能体積未満となるように設定され、具体的には、多孔質粒子100質量部に対して、例えば、60質量部以上、好ましくは、80質量部以上であり、また、例えば、150質量部以下である。
これにより、混合溶液が多孔質粒子の細孔内に取り込まれる。有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とが多孔質粒子に担持される。
その後、混合溶液における有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とを取り込んだ多孔質粒子から、溶媒を除去する。具体的には、多孔質粒子を、常温(25℃)で24時間以上放置する。なお、時間短縮を図る観点から、多孔質粒子を、例えば、100℃以下で、例えば、1時間以上、5時間以下、加熱することもできる。
<第2の担持方法>
第2の担持方法では、まず、有機系紫外線吸収剤を多孔質粒子に担持させ、その後、かかる多孔質粒子にラジカル捕捉剤を担持させる。
有機系紫外線吸収剤が固体状であれば、有機系紫外線吸収剤を溶媒で溶解して、有機系紫外線吸収剤溶液を調製する。ラジカル捕捉剤が固体状であれば、ラジカル捕捉剤を溶媒で溶解して、ラジカル捕捉剤溶液を調製する。溶媒としては、上記した有機溶剤が挙げられる。有機系紫外線吸収剤溶液およびラジカル捕捉剤溶液のそれぞれの質量部数は、その総体積が多孔質粒子の吸油可能体積未満となるように設定され、具体的には、多孔質粒子100質量部に対して、例えば、60質量部以上、好ましくは、80質量部以上であり、また、例えば、150質量部以下である。
まず、有機系紫外線吸収剤溶液を多孔質粒子に配合して、それらを攪拌混合する。これにより、有機系紫外線吸収剤が多孔質粒子の細孔内に取り込まれる(吸収される)。次いで、多孔質粒子から、溶媒を除去する。溶媒の除去方法は、混合溶液における溶媒の除去方法と同様である。
その後、ラジカル捕捉剤溶液を多孔質粒子に配合して、それらを攪拌混合する。これにより、ラジカル捕捉剤が多孔質粒子の細孔内に取り込まれる(吸収される)。有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とが多孔質粒子の細孔内に順に取り込まれる(吸収される)。
その後、多孔質粒子から、溶媒を除去する。溶媒の除去方法は、混合溶液における溶媒の除去方法と同様である。第2の担持方法では、好ましくは、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とのそれぞれが層状に配置される。この場合には、有機系紫外線吸収剤が内部(内側)に配置され、ラジカル捕捉剤が外部(外側)に配置される。
第1~第2の担持方法のうち、好ましくは、第2の担持方法である。第2の担持方法では、ラジカル捕捉剤を有機系紫外線吸収剤より表側に配置させることができる。従って、この配置によれば、樹脂用添加剤を樹脂に添加して、成形体を成形したときに、有機系紫外線吸収剤が多孔質粒子内に長く留まって紫外線を吸収できる一方、ラジカル捕捉剤が多孔質粒子から樹脂中に徐放され分散されて、樹脂から生成されるアルキルラジカルおよび/またはペルオキシラジカルを捕捉できる。つまり、第2の担持方法では、工程数は増えるものの、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とのそれぞれの機能を発揮させやすい場所に配置でき、つまり、有機系紫外線吸収剤を内側(樹脂に対して離れた側)に、ラジカル捕捉剤を外側(樹脂に対して近い側)に配置できる。
次いで、第1の製造方法では、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とを取り込んだ多孔質粒子に、シロキサン組成物を配合する。これにより、多孔質粒子に、シロキサン組成物を新たに担持させる。
有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とを取り込んだ多孔質粒子100質量部に対するシロキサン組成物の質量部数は、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上であり、また、例えば、100質量部以下、好ましくは、70質量部以下である。
これによって、第1の製造方法の第1工程を実施する。
その後、第1の製造方法では、第2工程を実施する。第2工程では、シロキサン組成物が配合された多孔質粒子を、例えば、常温(25℃)で放置する。放置する時間は、特に限定されず、シロキサン組成物に含まれる有機溶剤が留去(除去)されるとともに、第1のシロキサン組成物または第2のシロキサン組成物に配合されたオリゴマーが硬化できる時間であって、具体的には、例えば、30分以上、好ましくは、1時間以上、より好ましくは、10時間以上、さらに好ましくは、20時間以上であり、また、例えば、100時間以下である。なお、第2工程の時間短縮を図る観点から、シロキサン組成物が配合された多孔質粒子を、例えば、100℃以下で、例えば、1時間以上、5時間以下、加熱することもできる。
これによって、第1のシロキサン組成物における第1オリゴマーと第3オリゴマーとの硬化反応、または、第2のシロキサン組成物における第2オリゴマーと、第3オリゴマーとの硬化反応が進行する。
第1のシロキサン組成物における第1オリゴマーと第3オリゴマーとのアルコキシ基から生じるアルコール、または、第2のシロキサン組成物における第2オリゴマーと、第3オリゴマーとのアルコキシ基から生じるアルコールは、除去(留去)される。
これにより、シロキサン組成物を硬化させて、シロキサン硬化物が得られる。シロキサン硬化物によって、多孔質粒子の細孔に担持された有機系光エネルギー線吸収剤およびラジカル捕捉剤を封止する。つまり、このシロキサン硬化物は、多孔質粒子の細孔内において、有機系光エネルギー線吸収剤およびラジカル捕捉剤を封止する封止体を形成する。
これにより、多孔質粒子と有機系光エネルギー線吸収剤とラジカル捕捉剤とシロキサン硬化物とを含む樹脂用添加剤を製造する。
<第2の製造方法>
第2の製造方法では、好ましくは、まず、多孔質粒子に、有機系紫外線吸収剤を取り込ませ、その後、かかる多孔質粒子に、ラジカル捕捉剤を含むシロキサン組成物を取り込ませる。
この方法によれば、ラジカル捕捉剤を有機系紫外線吸収剤より表側に配置させることができ、樹脂用添加剤を樹脂に添加したときに、有機系紫外線吸収剤が多孔質粒子内に長く留まって紫外線を吸収できる一方、ラジカル捕捉剤が多孔質粒子から樹脂中に徐放され分散されて、樹脂から生成されるアルキルラジカルおよび/またはペルオキシラジカルを捕捉できる。
多孔質粒子に有機系紫外線吸収剤を取り込ませる方法としては、上記した第1の製造方法における第2の担持方法における有機系紫外線吸収剤を多孔質粒子に担持させる方法と同様である。
ラジカル捕捉剤を含むシロキサン組成物は、上記したシロキサン組成物とラジカル捕捉剤とを配合して調製される。好ましくは、ラジカル捕捉剤を含有する捕捉剤含有シロキサン組成物を調製する。具体的には、シロキサン組成物が第1のシロキサン組成物であれば、ラジカル捕捉剤と、第1オリゴマーと、第3オリゴマーと、シリコーンオイルとを配合して、捕捉剤含有シロキサン組成物を調製する。シロキサン組成物が第2のシロキサン組成物であれば、ラジカル捕捉剤と、第2オリゴマーと、第3オリゴマーと、シリコーンオイルとを配合して、捕捉剤含有シロキサン組成物を調製する。
有機系紫外線吸収剤を取り込んだ多孔質粒子100質量部に対する捕捉剤含有シロキサン組成物の質量部数は、例えば、5質量部以上、好ましくは、50質量部以上、より好ましくは、100質量部以上であり、また、例えば、200質量部以下、好ましくは、150質量部以下である。
これによって、第2の製造方法の第1工程を実施する。
その後、第2の製造方法では、第2工程を実施する。第2の製造方法における第2工程は、第1の製造方法における第2工程と同様である。
これによって、多孔質粒子において、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とのうち、有機系紫外線吸収剤が細孔における内表面に担持され、ラジカル捕捉剤がシロキサン硬化体中に分散されることによって、それらがシロキサン硬化体によって封止された樹脂用添加剤が得られる。
<第3の製造方法>
第3の製造方法では、多孔質粒子に、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とを含むシロキサン組成物を取り込ませる。
有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とを含むシロキサン組成物は、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤と上記したシロキサン組成物とを配合して、吸収剤-捕捉剤含有シロキサン組成物として調製する。多孔質粒子100質量部に対する吸収剤-捕捉剤含有シロキサン組成物の質量部数は、例えば、10質量部以上であり、また、例えば、200質量部以下である。
その後、第3の製造方法では、第2工程を実施する。第3の製造方法における第2工程は、第1の製造方法における第2工程と同様である。
これによって、多孔質粒子において、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とがシロキサン硬化体中に分散されながら、それらがシロキサン硬化体によって封止された樹脂用添加剤が得られる。
<第2の樹脂用添加剤の製造方法>
第2の樹脂用添加剤の製造方法を説明する。第2の樹脂用添加剤の製造方法は、多孔質粒子と、有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤のうちの一方と、シロキサン組成物とを配合する第1工程と、シロキサン組成物を硬化させて、そのシロキサン硬化物により、一方を、多孔質粒子内において封止する第2工程とを備える。
第2の樹脂用添加剤の製造方法としては、例えば、多孔質粒子に、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とのうちの一方を取り込ませ、その後、かかる多孔質粒子にシロキサン組成物を取り込ませる第4の製造方法、例えば、多孔質粒子に、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とのうちの一方を含むシロキサン組成物を取り込ませる第5の製造方法などが挙げられる。
<第4の製造方法>
多孔質粒子に一方を取り込ませる方法としては、例えば、上記した第1の製造方法における第2の担持方法における有機系紫外線吸収剤を多孔質粒子に担持させる方法が挙げられる。ラジカル捕捉剤を多孔質粒子に担持させる方法は、上記した有機系紫外線吸収剤を多孔質粒子に担持させる方法に準じて実施できる。多孔質粒子にシロキサン組成物を取り込ませる方法は、上記した第1の製造方法において多孔質粒子にシロキサン組成物を新たに担持させる方法と同様である。
<第5の製造方法>
第5の製造方法では、有機系紫外線吸収剤を含むシロキサン組成物、または、ラジカル捕捉剤を含むシロキサン組成物を調製する。有機系紫外線吸収剤を含むシロキサン組成物は、例えば、有機系紫外線吸収剤とシロキサン組成物とを含有する吸収剤含有シロキサン組成物として調製される。ラジカル捕捉剤を含むシロキサン組成物としては、上記した第2の製造方法における捕捉剤含有シロキサン組成物と同様である。吸収剤含有シロキサン組成物または捕捉剤含有シロキサン組成物を多孔質粒子に取り込ませ、その後、シロキサン硬化体を形成する方法は、第2の製造方法の第2工程と同様である。
第4の製造方法~第5の製造方法によって、多孔質粒子と、有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤のうちの一方と、それを封止するシロキサン硬化体とを含む樹脂用添加剤が得られる。
第1~第5の製造方法により製造された第1または第2の樹脂用添加剤は、耐光性が要求される樹脂に添加されて、樹脂組成物が調製される。
<樹脂>
樹脂は、官能基を有してもよい。官能基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、ビニレン基(-CH=CH-)など挙げられる。また、樹脂は、長鎖アルキル部分を有してもよい。具体的には、樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、塩化ビニル(PVC)樹脂、アクリル樹脂(PMMA樹脂を含む)、酢酸ビニル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。なお、樹脂は、ゴム(エラストマー)を包含する。本願において、樹脂とゴム(エラストマー)とは、峻別されず、ゴムは、樹脂の概念に包含される。ゴムとしては、例えば、スチレン-ブタジエン(SBR)ゴム、メタクリル酸メチルとブタジエンとが主原料であるゴム(MBR)、アクリロニトリル-ブタジエン(NBR)ゴム、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)などのジエン系ゴムが挙げられる。SBRゴムは、カルボキシ変性SBRゴムを含む。また、ゴムとしては、例えば、エチレン-プロピレンゴム(EPR、EPDM)などの非ジエン系ゴムも挙げられる。
これら樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。
樹脂用添加剤の表面におけるシリコーンオイルとの親和性により、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LLDPEを含む)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合樹脂(EPRゴム)、エチレンプロピレンジエン共重合樹脂(EPDMゴム)、ブタジエン系熱可塑性エラストマー(SBS、SEBSを含む)、イソプレン系熱可塑性エラストマー(SIS、SEPSを含む)、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン塩ビ共重合樹脂、アイオノマー樹脂などが挙げられる。
樹脂組成物における樹脂用添加剤の割合は、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、1質量%以上であり、また、例えば、50質量%以下、好ましくは、30質量%以下である。
樹脂組成物を調製するには、例えば、樹脂用添加剤と樹脂とをドライブレンド(配合)して、それらを二軸押出機などを用いて溶融混練して、樹脂組成物をコンパウンドとして調製する。あるいは、一旦、それらを溶融混錬して、樹脂に対して樹脂用添加剤の比率の高いマスターバッチとして調製しておき、その後にマスターバッチと樹脂を溶融混練して、樹脂組成物を調製してもよい。なお、マスターバッチと樹脂とを溶融混練する場合におけるマスターバッチの添加量は、樹脂添加剤の割合が、マスターバッチと樹脂との総量に対して、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、1質量%以上となり、また、例えば、50質量%以下、好ましくは、30質量%以下となるように、調整される。
樹脂がラテックスとして調製されている場合には、樹脂用添加剤とラテックスとをコロイドミルやディスパーなどの高速攪拌分散機を用いてウエットブレンド(配合)して、樹脂組成物をラテックスコンパウンドとして調製する。なお、樹脂用添加剤を安定に分散させるため、予め、ラテックスにピロリン酸ナトリウムやβ-ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物ナトリウムなどの分散剤を適宜の割合で配合(追加)できる。また、脱泡のために適宜、消泡剤を添加することができる。
樹脂がクラムゴムである場合には、ニーダー、ロール、バンバリーミキサーなどを用いて混練りし、樹脂組成物をゴムコンパウンドとして調製する。クラムゴムは、加硫していない固体の生ゴムである。
その後、樹脂組成物を、例えば、押出成形、射出成形、加圧成形、注型成形など成形方法を用いて、所望の形状を有する成形体(樹脂成形体)を作製する。
成形体における樹脂用添加剤の割合は、上記した樹脂組成物における樹脂用添加剤の割合と同様である。
<効果>
上記した製造方法により得られる樹脂用添加剤は、樹脂に対する分散性に優れながら、有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤の徐放性の制御に優れる。なお、徐放性の制御とは、有機系紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤のそれぞれの機能に応じて、徐放速度を制御することを意味する。粒子表面からの距離、封止しているシロキサン硬化物の多孔性に依存して、溶融混練、および成形時に、樹脂中に徐放される。そのため、樹脂用添加剤を含有する樹脂組成物から成形された成形体は、耐光性に優れる。
具体的には、溶融混練時、および成形時に、樹脂用添加剤粒子が樹脂中に均一に分散される。シロキサン硬化物は、紫外線を透過する性質があるため、紫外線吸収剤は、均一に分散された粒子内に留まることで、紫外線吸収剤として機能を発揮し、かつブリードアウトなどの成形不良を起こしにくいという優れた特徴をもつ。そのため、紫外線吸収剤は、徐放されにくい方が望ましく、粒子の細孔内でかつ内層(最内層)に担持されること、多孔性の低いシロキサン硬化物での封止が好条件となる。一方、ラジカル捕捉剤は、樹脂中に放出されて、単体として存在することで、ラジカル捕捉剤としての機能を発揮する。そのため、ラジカル捕捉剤は、徐放されやすい方が望ましく、粒子の外層に担持されること、多孔性の高いシロキサン硬化物での封止が好条件となる。紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤の機能が異なるために、紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤の表面からの距離(内包される場所)、封止硬化物による多孔性(徐放速度)の相乗効果により優れた光安定化効果を発揮することとなる。
従って、光に長時間暴露した成形体の機械強度(引張破断伸びや引張弾性率など)の低下(つまり、光の暴露に起因する成形体の機械強度の低下)、および、伸び(引張破断伸びなど)の低下(つまり、光の暴露に起因する成形体の伸びの低下)を抑制できる。
<変形例>
変形例において、上記と同様の成分および工程については、その詳細な説明を省略する。また、変形例は、特記する以外、上記と同様の作用効果を奏することができる。
<第1のシロキサン組成物の変形例>
第1のシロキサン組成物は、第3オリゴマーと、シリコーンオイルとを含有せず、第1オリゴマーを含有してもよい。この場合には、第1のシロキサン組成物における第1オリゴマーの割合は、例えば、40質量%以上、好ましくは、50質量%以上であり、また、例えば、100質量%以下、好ましくは、95質量%以下である。
また、第1のシロキサン組成物は、第3オリゴマーを含有せず、第1オリゴマーと、シリコーンオイルとを含有してもよい。シリコーンオイルとしては、上記した-SiRO-で示されるシロキサンユニットを含有するシリコーンオイルが挙げられ、さらには、両末端または片末端に官能基(例えば、第1オリゴマーで例示したRO基など)を有するシリコーンオイルも挙げられる。シリコーンオイルとして、好ましくは、樹脂との反応性の観点から、両末端または片末端に官能基を有するシリコーンオイルが挙げられる。官能基を有するシリコーンオイルは、市販品が用いられ、具体的には、片末端に官能基を有するシリコーンオイルとして、例えば、KR-4000A(アルコキシ変性)、X-22-170BX(カルビノール変性)、X-22-170DX(ジオール変性、いずれも信越化学工業社製)が挙げられる。両末端に官能基を有するシリコーンオイルとして、例えば、X-21-5841、KF-9701(いずれも信越化学工業社製)、XC96-C7123、XC96-C7124(いずれもモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同社製)が挙げられる。シリコーンオイルとして両末端または片末端に官能基を有するシリコーンオイルを使用することで、第3オリゴマーとシリコーンオイルの役割を兼ねることができる。これらの変形例では、第1のシロキサン組成物は、いずれも、シロキサン硬化物を生成する。
第1のシロキサン組成物における第1オリゴマーとシリコーンオイルとの総量の割合は、例えば、40質量%以上、好ましくは、50質量%以上であり、また、例えば、100質量%以下、好ましくは、95質量%以下である。第1オリゴマー100質量部に対するシリコーンオイルの質量部数は、例えば、1質量部以上、好ましくは、2質量部以上、より好ましくは、3質量部以上であり、また、例えば、30質量部以下、好ましくは、20質量部以下、より好ましくは、10質量部以下である。
<第2のシロキサン組成物の変形例>
第2のシロキサン組成物は、第3オリゴマーと、シリコーンオイルとを含有せず、第2オリゴマーを含有してもよい。この場合には、第2のシロキサン組成物における第2オリゴマーの割合は、例えば、50質量%以上、好ましくは、60質量%以上であり、また、例えば、100質量%以下、好ましくは、95質量%以下である。
また、第2のシロキサン組成物は、第3オリゴマーを含有せず、第2オリゴマーと、シリコーンオイルとを含有してもよい。シリコーンオイルとしては、上記した-SiRO-で示されるシロキサンユニットを含有するシリコーンオイルが挙げられ、さらには、両末端または片末端に官能基を有するシリコーンオイルも挙げられる。シリコーンオイルとして、好ましくは、両末端または片末端に官能基を有するシリコーンオイルが挙げられる。官能基を有するシリコーンオイルは、上記した市販品が用いられる。官能基を有するシリコーンオイルは、第3オリゴマーとシリコーンオイルとの役割を兼ねることができる。これらの変形例では、第2のシロキサン組成物は、いずれも、シロキサン硬化物を生成する。
第2のシロキサン組成物における第2オリゴマーとシリコーンオイルとの総量の割合は、50質量%以上、好ましくは、60質量%以上であり、また、例えば、100質量%以下、好ましくは、95質量%以下である。第2オリゴマー100質量部に対するシリコーンオイルの質量部数は、例えば、1質量部以上、好ましくは、2質量部以上、より好ましくは、3質量部以上であり、また、例えば、30質量部以下、好ましくは、20質量部以下、より好ましくは、10質量部以下である。
<第3のシロキサン組成物>
上記した説明では、第1のシロキサン組成物は、第2オリゴマーを含有せず、第2のシロキサン組成物は、第1オリゴマーを含有しない。しかし、第1オリゴマーおよび第2オリゴマーを含有する第3のシロキサン組成物をシロキサン硬化物の材料として例示することができる。第3のシロキサン組成物は、具体的には、第1オリゴマーと、第2オリゴマーと、第3オリゴマーと、シリコーンオイルとを含有する。シリコーンオイルとしては、例えば、上記したシリコーンオイルが挙げられ、好ましくは、未変性シリコーンオイルが挙げられる。
第1オリゴマー100質量部に対する第2オリゴマーの質量部数は、例えば、10質量部以上、好ましくは、50質量部以上であり、また、例えば、1000質量部以下、好ましくは、200質量部以下である。第1オリゴマーと第2オリゴマーとの総量100質量部に対する第3オリゴマーの質量部数は、例えば、5質量部以上、好ましくは、20質量部以上であり、また、例えば、75質量部以下、好ましくは、35質量部以下である。第1オリゴマーと第2オリゴマーと第3オリゴマーとの総量100質量部に対するシリコーンオイルの質量部数は、例えば、1質量部以上、好ましくは、2質量部以上であり、また、例えば、25質量部以下、好ましくは、10質量部以下である。第3のシロキサン組成物における第1オリゴマーと第2オリゴマーと第3オリゴマーとシリコーンオイルとの総量の質量割合は、例えば、45質量%以上、好ましくは、55質量%以上であり、また、例えば、100質量%以下、好ましくは、95質量%以下である。
<RO基含有シラン化合物>
シロキサン硬化物の原料として、RO基含有シラン化合物を挙げることもできる。RO基含有シラン化合物は、後述する。RO基含有シラン化合物によって、有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤を、多孔質粒子内において封止して、樹脂用添加剤を得る方法は、上記した各製造方法に準じて実施できる。
また、有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤をシロキサン硬化物で封止した多孔質粒子は、RO基含有シラン化合物によって表面処理されていてもよい。この変形例では、具体的には、有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤をシリカ硬化物で封止したシリカ系粒子が、RO基含有シラン化合物によって表面処理されている。
RO基含有シラン化合物で有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤を多孔質粒子内において封止した樹脂用添加剤に比べて、製造コストの低減の観点から、RO基含有シラン化合物によって多孔質粒子が表面処理された樹脂用添加剤が好適である。一方、RO基含有シラン化合物で有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤を多孔質粒子内において封止した樹脂用添加剤は、RO基含有シラン化合物によって多孔質粒子が表面処理された樹脂用添加剤と異なり、表面処理工程を省くことができる。
RO基含有シラン化合物は、RO基(Rは、1価の飽和炭化水素基および1価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価の炭化水素基を示す。)と、RO基以外の部分であって、樹脂と反応可能および/または親和可能な部分とを含有する。
Rとしては、好ましくは、1価の飽和炭化水素基が挙げられ、より好ましくは、メチルが挙げられる。RO基として、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基が挙げられ、好ましくは、アルコキシ基が挙げられ、より好ましくは、メトキシ基、エトキシ基が挙げられる。
RO基以外の部分の一例であって、樹脂と反応可能な部分としては、例えば、エポキシ基、チオール基、スルフィド基、イソシアネート基、無水酸基(無水コハク酸基など)などが挙げられる。
RO基以外の部分の他の例であって、樹脂と親和可能な部分としては、炭素数8以上の長鎖アルキル基が挙げられる。
樹脂と反応可能な部分を含有するRO基含有シラン化合物としては、例えば、エポキシ基含有シラン化合物、チオール基含有シラン化合物、スルフィド基含有シラン化合物、イソシアネート基含有シラン化合物、無水酸基含有シラン化合物が挙げられる。
エポキシ基含有シラン化合物としては、例えば、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。好ましくは、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
チオール基含有シラン化合物としては、例えば、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。好ましくは、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
スルフィド基含有シラン化合物としては、例えば、ビス(トリエトキシプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリエトキシプロピル)ジスルフィドなどが挙げられる。
イソシアネート基含有シラン化合物としては、例えば、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
無水酸基含有シラン化合物としては、例えば、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物などが挙げられる。
これらのうち、好ましくは、エポキシ基含有シラン化合物、チオール基含有シラン化合物が挙げられる。
樹脂と親和可能な部分を含有するRO基含有シラン化合物としては、例えば、シリル基含有ポリマーが挙げられ、具体的には、(RO)Si-が側鎖に結合したビニルポリマーが挙げられ、好ましくは、トリアルコキシリルが主鎖に結合したポリアクリル酸メチル(PMMA)が挙げられ、より好ましくは、トリメトキシシリルが主鎖に結合したPMMAが挙げられる。トリメトキシシリルが主鎖に結合したPMMAの重量平均分子量は、例えば、10,000以上、好ましくは、20,000以上、より好ましくは、30,000以上であり、また、例えば、50,000以下である。また、樹脂と親和可能な部分を含有するRO基含有シラン化合物としては、炭素数8以上の長鎖アルキル基の側鎖に(RO)Si-が結合した化合物も挙げられ、具体的には、トリエトキシカプルリルシランなどのトリアルコキシ長鎖アルキルシランが挙げられる。上記多孔質粒子は、好ましくは、シリコーンオイルを含まない。この好適な例によれば、シリコーンオイルが表面にあることに起因するRO基含有シラン化合物による表面処理の障害になることを抑制できる。
RO基含有シラン化合物によって、有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤をシロキサン硬化物で封止した多孔質粒子を表面処理するには、RO基含有シラン化合物と、有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤をシロキサン硬化物で封止した多孔質粒子とを配合する(第3工程)。この変形例において、以下、有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤をシロキサン硬化物で封止した多孔質粒子を、単に「多孔質粒子」と称呼する。好ましくは、RO基含有シラン化合物を含有する溶液と、多孔質粒子とを配合する。さらには、必要により、触媒を配合する。
RO基含有シラン化合物による表面処理は、第2工程の後に実施される第3工程であって、RO基が加水分解して、多孔質粒子(具体的には、シリカ系粒子、さらには、シロキサン硬化物)の表面におけるシラノールと縮合反応する。他方、RO基以外の部分であって、反応性を有する部分は、上記した表面処理においても、まだ反応しない。
溶液は、RO基含有シラン化合物と、溶媒とを含む。溶媒としては、上記した有機溶剤が挙げられる。ただし、RO基含有シラン化合物が、エポキシ基、イソシアネート基、および、無水酸基のいずれか少なくとも1つを含有する場合には、水酸基やアミノ基などの活性水素を含む溶媒を使用しない。上記した溶液におけるRO基含有シラン化合物の割合は、例えば、40質量%以上、好ましくは、70質量%以上であり、また、例えば、95質量%以下、好ましくは、85質量%以下である。多孔質粒子100質量部に対するRO基含有シラン化合物の質量部数は、例えば、5質量部以上、好ましくは、15質量部以上であり、また、例えば、50質量部未満、好ましくは、35質量部以下である。
触媒は、RO基の加水分解を促進して、多孔質粒子(好ましくは、シリカ系粒子)におけるシラノール基と縮合反応させる。触媒としては、上記した硬化触媒が挙げられ、好ましくは、金属アルコキシドが挙げられる。
溶液を分割して、多孔質粒子に配合してもよい。例えば、溶液の一部を多孔質粒子に配合し乾燥させ、次いで、溶液の残部を乾燥後の多孔質粒子に配合し乾燥させる。
その後、それらを加熱により乾燥させる。加熱温度は、例えば、40℃以上、好ましくは、60℃以上であり、また、例えば、100℃以下、好ましくは、90℃以下である。
加熱時間は、例えば、0.5時間以上、好ましくは、1時間以上であり、また、例えば、10時間以下、好ましくは、4時間以下である。
上記した加熱による乾燥によって、溶媒が除去されるとともに、RO基が加水分解して、多孔質粒子(具体的には、シリカ系粒子、さらには、シロキサン硬化物)の表面におけるシラノール基と縮合反応する。
これにより、表面処理された多孔質粒子を、変形例の樹脂用添加剤として得る。
変形例の樹脂用添加剤と、樹脂とを配合する際にも、触媒を適宜の割合で配合することができる。具体的には、RO基含有シラン化合物がエポキシ基を有する場合には、触媒として、例えば、ジアザビシクロウンデセンなどの3級アミン化合物が挙げられる。例えば、チオール基またはスルフィド基を有するRO基含有シラン化合物をジエン系ゴムに配合する場合には、触媒として、例えば、亜鉛華(酸化亜鉛)などの酸化金属、例えば、アミン系、チオウレア系などの加硫促進剤が挙げられる。
(変形例の効果)
RO基含有シラン化合物によって表面処理された樹脂用添加剤と、RO基含有シラン化合物によって表面処理されていない樹脂用添加剤とを、光にまだ暴露されていない状態の成形体において対比する。この状態においては、樹脂のみから成形体に比べて、表面処理されていない樹脂用添加剤を含有する成形体は、引張破断強度および引張破断伸びのいずれもが低下し、引張弾性率が高くなる場合がある。このことは、成形体の用途によって、成形体の機械物性の低下を意味する場合がある。
しかし、表面処理された樹脂用添加剤を含有する成形体は、多孔質粒子の表面に存在する部分(エポキシ基、チオール基、PMMA鎖など)が、樹脂と反応可能および/または親和可能である。そのため、成形時の加熱などによって、部分が樹脂と反応および/または親和する。すると、樹脂用添加剤の樹脂への分散性が向上するとともに、樹脂用添加剤と樹脂との界面接着力が高くなる。その結果、表面処理された樹脂用添加剤を含有する成形体は、表面処理されていない樹脂用添加剤を含有する成形体に比べて、引張破断強度、引張弾性率および引張破断伸びが高くなる。
以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。また、以下の記載において特に言及がない限り、「部」および「%」は質量基準である。
調製例1
<第1のシロキサン組成物の調製>
表1に記載の処方に従って、第1のシロキサン組成物を調製した。具体的には、ガラス容器に、KR500(第1オリゴマー)40.4部、X-40-9250(第3オリゴマー)10.0部、KF-96-1000cs(シリコーンオイル)2.6部、イソプロパノール(溶媒)44.1部、チタンn-テトラブトキシド(触媒、D-25、信越化学工業社製)2.9部を配合し、アンカー型攪拌機を用いて、常温(25℃)で20分間攪拌して、第1のシロキサン組成物100.0部を調製した。なお、この第1のシロキサン組成物を、硬化させたときのシロキサン硬化物の質量割合は、硬化前の第1のシロキサン組成物の質量に対して、42.4質量%であった。
調製例2
<第2のシロキサン組成物の調製>
表2に記載の処方に従って、第2のシロキサン組成物を調製した。具体的には、ガラス容器に、第2オリゴマーとしてのMKCシリケートMS56S(テトラメトキシシランのオリゴマー、三菱化学社製)53.0部、X-40-9250(第3オリゴマー)10.0部、KF-96-1000cs(シリコーンオイル)2.6部、イソプロパノール(溶媒)31.5部、チタンn-テトラブトキシド(触媒、D-25信越化学工業社製)2.9部を配合し、アンカー型攪拌機を用いて、常温(25℃)で20分間攪拌して、第2のシロキサン組成物100.0部を調製した。なお、第2のシロキサン組成物を、硬化させたときのシロキサン硬化物の質量割合は、硬化前のシロキサン組成物の質量に対して、42.4質量%であった。
実施例1
<第1の樹脂用添加剤の製造>
<第2の製造方法>
<多孔質粒子への紫外線吸収剤の担持>
有機系紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物、アデカスタブ1413、ADEKA社製)40部を酢酸エチル(溶媒)30部に溶解させて、有機系紫外線吸収剤溶液を調製した。ミズパールK-500L(シリカ系粒子、メジアン径4.6μm、比表面積225m/g、吸油量245mL/100g)80部を攪拌機(カワタ社製スーパーミキサー・ピッコロ)に仕込み、300rpmで攪拌しながら、有機系紫外線吸収剤溶液を2分かけて滴下し、5分間攪拌を継続して均一になるまで混合した。これにより、有機系紫外線吸収剤溶液を取り込んだシリカ系粒子を得た。次いで、80℃で3時間攪拌して、酢酸エチルを留去することにより、有機系紫外線吸収剤が、シリカ系粒子の細孔内に取り込まれたシリカ系粒子を得た。
<多孔質粒子への捕捉剤含有シロキサン組成物の担持および封止>
次いで、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(HALS、アデカスタブLA-63P、ADEKA社製)40部を第1のシロキサン組成物94.3部に溶解させ、捕捉剤含有シロキサン組成物を調製した。有機系紫外線吸収剤を取り込んだシリカ系粒子を常温(25℃)に戻し、300rpmで攪拌しながら、捕捉剤含有シロキサン組成物94.3部を10分かけて滴下し、10分間攪拌を継続して均一になるまで混合した。23℃で2日静置して、捕捉剤含有シロキサン組成物に含まれるイソプロパノールを揮散させながら、シロキサン組成物(第1オリゴマーと第3オリゴマーと)を硬化させた。得られた粉体をジェットミルで解砕して、樹脂用添加剤を得た。
実施例2
<第1の樹脂用添加剤の製造>
<第1の製造方法>
第1の製造方法に変更した点、および、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とアセトンとを含有する混合溶液をシリカ系粒子に配合する第1の担持方法を用いた点以外は、表3に従って、実施例1と同様に処理して、樹脂用添加剤を得た。具体的には、以下の通りである。
<多孔質粒子への紫外線吸収剤の担持>
<第1の担持方法>
有機系紫外線吸収剤(アデカスタブ1413、ADEKA社製)40部と、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(HALS、アデカスタブLA-63P、ADEKA社製)40部とを、アセトン(溶媒)60部に溶解させて、混合溶液を調製した。ミズパールK-500L(シリカ系粒子、メジアン径4.6μm、比表面積225m/g、吸油量245mL/100g)80部を攪拌機(カワタ社製スーパーミキサー・ピッコロ)に仕込み、300rpmで攪拌しながら、混合溶液を2分かけて滴下し、5分間攪拌を継続して均一になるまで混合した。これにより、混合溶液を取り込んだシリカ系粒子を得た。次いで、80℃で3時間攪拌して、アセトンを留去することにより、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とが、シリカ系粒子の細孔内に取り込まれたシリカ系粒子を得た。
<有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤のシロキサン組成物による封止>
次いで、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とを取り込んだシリカ系粒子を常温(25℃)に戻し、300rpmで攪拌しながら、第1のシロキサン組成物94.3部を10分かけて滴下し、10分間攪拌を継続して均一になるまで混合した。23℃で2日静置して、第1のシロキサン組成物に含まれるイソプロパノールを揮散させながら、第1のシロキサン組成物(第1オリゴマーと第3オリゴマーと)を硬化させた。得られた粉体をジェットミルで解砕して、樹脂用添加剤を得た。
実施例3
<有機系紫外線吸収剤を含有する第2の樹脂用添加剤の製造>
<第4の製造方法>
第4の製造方法に変更した点、および、有機系紫外線吸収剤と酢酸エチルとを含有する有機系紫外線吸収剤溶液をシリカ系粒子に配合した点以外は、表3に従って、実施例1と同様に処理して、樹脂用添加剤を得た。
実施例4
<ラジカル補足剤を含有する第2の樹脂用添加剤の製造>
<第4の製造方法>
第4の製造方法に変更した点、および、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤とアセトンとを含有するラジカル捕捉剤溶液をシリカ系粒子に配合した点以外は、表3に従って、実施例1と同様に処理して、樹脂用添加剤を得た。
実施例5
<第1の樹脂用添加剤の製造>
<第1の製造方法>
第1の製造方法に変更した点、および、有機系紫外線吸収剤と酢酸エチルとを含有する有機系紫外線吸収剤溶液と、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤とアセトンとを含有するラジカル捕捉剤溶液とをこの順で多孔質粒子に担持させる第2の担持方法を用いた点以外は、表3に従って、実施例2と同様に処理して、樹脂用添加剤を得た。
実施例6
<第1の樹脂用添加剤の製造>
<第2の製造方法>
表3に示すように、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(HALS、アデカスタブLA-63P、ADEKA社製)に代えて、ヒンダードフェノール系ラジカル捕捉剤(イルガノックス1010、チバ・ジャパン社製)を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、樹脂用添加剤を得た。
実施例7
<第1の樹脂用添加剤の製造>
<第1の製造方法>
第1のシロキサン組成物に代えて第2のシロキサン組成物を用いた以外は、実施例2と同様に処理して、樹脂用添加剤を得た。
実施例8
<有機系紫外線吸収剤を含有する第2の樹脂用添加剤の製造>
<第4の製造方法>
第1のシロキサン組成物に代えて第2のシロキサン組成物を用いた以外は、実施例3と同様に処理して、樹脂用添加剤を得た。
実施例9
第1のシロキサン組成物に代えて第2のシロキサン組成物を用いた以外は、実施例5と同様に処理して、樹脂用添加剤を得た。
比較例1
表4に従って、捕捉剤含有シロキサン組成物を配合せず、シロキサン硬化体を形成しなかった以外は、実施例2と同様に処理して、樹脂用添加剤を得た。この樹脂用添加剤は、シロキサン硬化体を含まない。
比較例2
表4に従って、シロキサン組成物に代えて、シリコーンオイル(KF-96-1000cs)を用いた以外は、実施例2と同様に処理して、樹脂用添加剤を得た。この樹脂用添加剤は、シロキサン硬化体を含まず、有機系紫外線吸収剤およびラジカル補足剤を被覆するシリコーンオイルを含む。
比較例3
表4に従って、第1のシリコーン樹脂組成物に代えて、不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いた以外は、実施例2と同様に処理して、樹脂用添加剤を得た。
不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステル樹脂「ポリホープRHF1077M」(ジャパン・コンポジット社製)500質量部にスチレンモノマー195質量部を添加し、次いで、ハイドロキノン0.07部を配合して、常温ゲル化時間(JIS K6901-A法(2008))を25分に調整することにより、調製した。不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度(BM型粘度計、60rpm、23℃)は、68mPa・sであった。
<評価>
実施例1~実施例9および比較例1~比較例3の樹脂用添加剤について下記の事項を評価した。
<引張破断伸びおよび引張破断強度>
低密度ポリエチレン樹脂「ノバテックLD」LF244E(日本ポリエチレン社製)98質量部と、樹脂用添加剤2質量部とをドライブレンドし、二軸押出機(サーモサイエンティフィック社製プロセス11卓上二軸スクリューエクストルーダー)を用いて220℃で混練して、樹脂組成物を調製した。樹脂組成物を、再度上記押出機を通して溶融し、同社の射出成形機MiniJet Proで、図1に示す形状および寸法を有する引張試験片(樹脂成形体)を成形した。また、比較例4の引張試験片として、樹脂用添加剤を配合せず、ポリエチレン樹脂のみからなる引張試験片(樹脂成形体)を成形した。実施例1~実施例9および比較例1~比較例4の引張試験片の厚みは、1.5mmであった。
各引張試験片を、スーパーキセノンウェザーメーターSX75(スガ試験機社製)で180W/m、640時間の耐光促進試験を実施した。
その後、引張試験片について、島津製作所製オートグラフAGS-10kNXにより、引張速度2mm/分で引張試験を実施した。そして、引張破断伸びおよび引張破断強度を求めた。結果を表3~表4に示す。
<実施例1~実施例9との対比における比較例1~3の考察>
比較例1~比較例2は、有機系紫外線吸収剤を顕著に迅速に放出してしまい、また、それらが樹脂に対して均一に分散されておらず、そのため、引張破断伸びおよび引張破断強度が、実施例1~実施例9のそれらに対して、低いと推測される。
一方、比較例3は、ラジカル捕捉剤の放出が顕著に遅く、また、樹脂用添加剤が樹脂に対して均一に分散されていないことから、引張破断伸びおよび引張破断強度が、実施例1~実施例9のそれらに対して、低いと推測される。
<原料>
以降の実施例等で用いる原料を以下に記載する。
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:RO基含有シラン化合物、富士フィルム和光純薬社製 試薬
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン:RO基含有シラン化合物、富士フィルム和光純薬社製 試薬
トリメトキシシリル基が側鎖に結合したPMMA樹脂:RO基含有シラン化合物、大成ファイン社製、アクリット85Q-1052、重量平均分子量35,000、メトキシプロピルアセテート45%溶液
亜鉛華50%水分散液:触媒、大崎工業社製、AZ-SW
ジアザビシクロウンデセン:触媒、3級アミン化合物、富士フィルム和光純薬社製 試薬
D-25:テトラブトキシチタン 硬化触媒 信越化学工業社製
デモールNL:β-ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物ナトリウム塩の41%水溶液、分散剤、花王社製
カルボキシ変性SBRゴムラテックス:日本エイアンドエル社製、ナルスターSR-116、固形分濃度50.5%
ABS樹脂:日本エイアンドエル社製、クララスチックGA-704、MFR:62cm/10min、密度:1.04g/cm
PMMA樹脂:住友化学社製、スミペックスHT55X、MFR:2g/10min、密度:1.17g/cm
調製例3
<有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とが取り込まれたシリカ系粒子の調製>
有機系紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物、アデカスタブ1413、ADEKA社製)32部、ラジカル捕捉剤(アデカスタブLA-63P)32部をアセトン(溶媒)48部に溶解させて、混合溶液を調製した。ミズパールK-500L(シリカ系粒子、メジアン径4.6μm、比表面積225m/g、吸油量245mL/100g)80部を攪拌機(カワタ社製スーパーミキサー・ピッコロ、以下同様)に仕込み、300rpmで攪拌しながら、上記した混合溶液を2分かけて滴下し、5分間攪拌を継続して均一になるまで混合した。これにより、上記した混合溶液を取り込んだシリカ系粒子を得た。次いで、80℃で3時間攪拌して、アセトンを留去し、室温に冷却することにより、有機系紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤とが、シリカ系粒子の細孔内に取り込まれたシリカ系粒子144部を得た。
調製例4
<第3のシロキサン組成物の調製>
ガラス容器に、KR500(第1オリゴマー)18.0部、MKCシリケートMS56S(第2オリゴマー)23.5部、X-40-9250(第3オリゴマー)9.4部、KF-96-1000cs(シリコーンオイル)2.5部、イソプロパノール(溶媒)32部、チタンn-テトラブトキシド(触媒、D-25、信越化学工業社製)3.0部を配合し、アンカー型攪拌機を用いて、常温(25℃)で20分間攪拌して、第3のシロキサン組成物100部を調製した。なお、この第3のシロキサン組成物を、硬化させたときのシロキサン硬化物の質量割合は、硬化前の第3のシロキサン組成物の質量に対して、43.4質量%であった。調製例4の処方を、表5における実施例16(後述)欄における中欄に示す。
実施例10
<第1のシロキサン組成物の変形例のシリコーン硬化物で有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤を封止し、表面処理がされていないシリカ粒子の製造>
第1オリゴマーとしてのKR-500 48.0部(メチルトリメトキシシシランのオリゴマー、信越化学社製)、イソプロパノール32.0部、D-25 2.7部を配合して、溶液を調製した。調製例3のシリカ系粒子144質量部を攪拌機に仕込み、300rpmで攪拌しながら、上記した溶液を10分かけて滴下し、10分間攪拌を継続して均一になるまで混合した。23℃で2日静置して、イソプロパノールを揮散させながら、シロキサン組成物を硬化させて、固形分181.7質量部の樹脂用添加剤を得た。この樹脂用添加剤は、有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤が取り込まれ、シリコーン硬化物で封止されたシリカ粒子である。実施例10の配合処方を表5に示す。以下の実施例11~20についても併せて表5と表6とに示す。
実施例11
<第1のシロキサン組成物の変形例のシリコーン硬化物で有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤を封止し、表面処理がされたシリカ粒子の製造>
第1オリゴマーとしてのKR-500 45.0部、片末端アルコキシ変性シリコーンオイル KR-4000A 2.7部、イソプロパノール32.0部、D-25 2.7部を配合して、溶液を調製した。調製例3のシリカ系粒子144質量部を攪拌機に仕込み、300rpmで攪拌しながら、上記した溶液を10分かけて滴下し、10分間攪拌を継続して均一になるまで混合した。23℃で2日静置して、イソプロパノールを揮散させながら、シロキサン組成物を硬化させて、固形分181.7質量部の樹脂用添加剤を得た。この樹脂用添加剤は、有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤が取り込まれ、シリコーン硬化物で封止されたシリカ粒子である。このシリカ粒子は、片末端アルコキシ変性シリコーンオイルが表面に相分離し、表面処理されていた。
実施例12
<第1のシロキサン組成物の変形例のシリコーン硬化物で有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤を封止し、表面処理の効果を奏するシリカ粒子の製造>
第1オリゴマーとしてのKR-500 36.0部、第3オリゴマー X-40-9250 11.7部、イソプロパノール32.0部、D-25 2.7部を配合して、溶液を調製した。調製例3のシリカ系粒子144質量部を攪拌機に仕込み、300rpmで攪拌しながら、上記した溶液を10分かけて滴下し、10分間攪拌を継続して均一になるまで混合した。23℃で2日静置して、イソプロパノールを揮散させながら、シロキサン組成物を硬化させて、固形分181.7質量部の樹脂用添加剤を得た。この樹脂用添加剤は、有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤が取り込まれ、シリコーン硬化物で封止されたシリカ粒子である。また、このシリカ粒子では、ポリジメチルシロキサンのセグメントが表面に相分離しており、表面処理の効果を奏した。
実施例13
<第2のシロキサン組成物の変形例のシリコーン硬化物で有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤を封止し、表面処理がされていないシリカ粒子の製造>
第2オリゴマーとしてのMKCシリケートMS56S(テトラメトキシシランのオリゴマー、三菱化学社製)57.2部、イソプロパノール8.0部、D-25 4.0部を配合して、溶液を調製した。調製例3のシリカ系粒子144質量部を攪拌機に仕込み、300rpmで攪拌しながら、上記した溶液を10分かけて滴下し、10分間攪拌を継続して均一になるまで混合した。23℃で2日静置して、アセトンを揮散させながら、シロキサン組成物を硬化させて、固形分178.5質量部の樹脂用添加剤を得た。この樹脂用添加剤は、有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤が取り込まれ、シリカ硬化物で封止されたシリカ粒子である。
実施例14
<第2のシロキサン組成物の変形例のシリコーン硬化物で有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤を封止し、表面処理がされたシリカ粒子の製造>
第2オリゴマーとしてのMKCシリケートMS56S 53.3部、片末端アルコキシ変性シリコーンオイル KR-4000A 2.7部、イソプロパノール8.0部、D-25 4.0部を配合して、溶液を調製した。調製例3のシリカ系粒子144質量部を攪拌機に仕込み、300rpmで攪拌しながら、上記した溶液を10分かけて滴下し、10分間攪拌を継続して均一になるまで混合した。23℃で2日静置して、アセトンを揮散させながら、シロキサン組成物を硬化させて、固形分178.5質量部の樹脂用添加剤を得た。この樹脂用添加剤は、有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤が取り込まれ、シリコーン硬化物で封止されたシリカ粒子である。このシリカ粒子は、片末端アルコキシ変性シリコーンオイルが表面に相分離しており、表面処理の効果を奏した。
実施例15
<第2のシロキサン組成物の変形例のシリコーン硬化物で有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤を封止し、表面処理の効果を奏するシリカ粒子の製造>
第2オリゴマーとしてのMKCシリケートMS56S 41.4部、第3オリゴマー X-40-9250 11.7部、イソプロパノール8.0部、D-25 4.0部を配合して、溶液を調製した。調製例3のシリカ系粒子144質量部を攪拌機に仕込み、300rpmで攪拌しながら、上記した溶液を10分かけて滴下し、10分間攪拌を継続して均一になるまで混合した。23℃で2日静置して、アセトンを揮散させながら、シロキサン組成物を硬化させて、固形分178.5質量部の樹脂用添加剤を得た。この樹脂用添加剤は、有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤が取り込まれ、シリコーン硬化物で封止され、ポリジメチルシロキサンのセグメントが表面に相分離したシリカ粒子である。
実施例16
<第3のシロキサン組成物のシリコーン硬化物で有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤を封止し、表面処理がされたシリカ粒子の製造>
調製例3のシリカ系粒子144質量部を攪拌機に仕込み、300rpmで攪拌しながら、調製例4の溶液を10分かけて滴下し、10分間攪拌を継続して均一になるまで混合した。23℃で2日静置して、イソプロパノールを揮散させながら、シロキサン組成物を硬化させて、固形分182.4質量部の樹脂用添加剤を得た。この樹脂用添加剤は、有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤が取り込まれ、シリコーン硬化物で封止されたシリカ粒子である。また、このシリカ粒子は、シリコーンオイルが表面に相分離し、表面処理されていた。
<引張破断伸びおよび引張破断強度>
上記した実施例1~実施例9および比較例1~比較例3における引張破断伸びおよび引張破断強度の評価と同様にして、実施例10~実施例16の樹脂用添加剤から引張試験片(樹脂成形体)を成形し、これの引張破断伸びおよび引張破断強度を評価した。その結果を表5に示す。
<実施例10~実施例16との対比における比較例1~3の考察>
比較例1~比較例2は、有機系紫外線吸収剤を顕著に迅速に放出してしまい、また、それらが樹脂に対して均一に分散されておらず、そのため、引張破断伸びおよび引張破断強度が、実施例10~実施例16のそれらに対して、低いと推測される。
一方、比較例3は、ラジカル捕捉剤の放出が顕著に遅く、また、樹脂用添加剤が樹脂に対して均一に分散されていないことから、引張破断伸びおよび引張破断強度が、実施例10~実施例16のそれらに対して、低いと推測される。
<RO基含有シラン化合物で表面処理がされたシリカ粒子の製造>
実施例17
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン32.8部にアセトン4.0部とD-25 2.0部を加えて溶液を調製した。実施例13の表面処理されていないシリカ系粒子176.8部を攪拌機に仕込み、300rpmで攪拌しながら、上記した溶液を8分かけて滴下し、8分間攪拌を継続して均一になるまで混合した。23℃で1日静置後。80℃で3時間乾燥して、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランによって表面処理した。得られた粉体をジェットミルで解砕し、215.6部のトータル仕込み量で200部の樹脂用添加剤を得た。樹脂用添加剤は、3-グリシドキシプロピルシランでシリカ粒子が表面処理されている。
実施例18
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン36.5部にアセトン4.0部とD-25 2.0部を加えて溶液を調製した。実施例13の表面処理されていないシリカ系粒子176.8部を攪拌機に仕込み、300rpmで攪拌しながら、上記した溶液を8分かけて滴下し、8分間攪拌を継続して均一になるまで混合した。23℃で1日静置後、80℃で3時間乾燥して、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランによって表面処理した。得られた粉体をジェットミルで解砕し、219.3部のトータル仕込み量で200部の樹脂用添加剤を得た。樹脂用添加剤は、3-メルカプトプロピルシランでシリカ粒子が表面処理されている。
実施例19
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン36.5部にアセトン4.0部とD-25 2.0部を加えて溶液を調製した。調製例3のシリカ系粒子144質量部を攪拌機に仕込み、300rpmで攪拌しながら、上記した溶液を10分かけて滴下し、10分間攪拌を継続して均一になるまで混合した。23℃で2日静置して、アセトンを揮散させながら、シロキサン組成物を硬化させて、固形分176.8質量部の樹脂用添加剤を得た。この樹脂用添加剤は、有機系紫外線吸収剤およびラジカル捕捉剤が取り込まれ、シリコーン硬化物で封止され、メルカプト基が表面に存在するシリカ粒子である。
実施例20
アクリット85Q-1052 50.4部にアセトン21.2部を加えて溶液を調製した。実施例13の表面処理されていないシリカ系粒子176.8部を攪拌機に仕込み、300rpmで攪拌しながら、上記した溶液の半分量を、5分かけて滴下し、5分間攪拌を継続して均一になるまで混合した。80℃で2時間真空乾燥した後に、23℃に冷却し、上記した溶液の残量を同様の操作で攪拌下混合した。80℃で2時間真空乾燥した後に、23℃に冷却し、攪拌下、チタンn-テトラブトキシド(触媒、D-25、信越化学工業社製)2部、アセトン4部を含有する溶液を配合し、23℃で1日静置後、80℃で3時間真空乾燥して、アクリット85Q-1052で表面処理した。得られた粉体をジェットミルで解砕し、256.4部のトータル仕込み量で200部の樹脂用添加剤を得た。樹脂用添加剤は、アクリット85Q-1052でシリカ粒子が表面処理されている。
<ラテックスコンパウンドの作製、および、注型フィルムの作製>
作製例1
カルボキシ変性SBRゴムラテックス19.8部にデモールNL(分散剤)1%水溶液7.9部、ジアザビシクロウンデセン(触媒)の10%水溶液0.5部を加え、ホモディスパー2.5型(プライミクス社製)で高速攪拌を行いながら、実施例17の樹脂用添加剤8.4部を徐々に加えて分散させ、攪拌脱泡装置(クラボウ社製マゼルスター)で脱泡して固形分濃度50.5%のラテックスコンパウンドを調製した。一辺14cmの正方形のガラス製型枠に、乾燥膜厚約0.3mmとなるようにラテックスコンパウンドを流し込み、温度23℃、湿度55%で72時間静置して、注型成形して、注型フィルムを作製した。注型フィルムを型枠から離型し、140℃、30分の熱処理を実施した。その後、注型フィルムをダンベルカッター(ダンベル社製SD型レバー式試料裁断機)で打ち抜き、ダンベル状の試験片(JIS K6251、2号形試験片)を作製した。
作製例2~作製例4および比較作製例1
作製例1と同様にして、表7に示す配合で、作製例2~作製例4および比較作製例1のそれぞれのラテックスコンパウンドを調製した。ラテックスコンパウンドから注型フィルムを作製、熱処理後、試験片を作製した。
<樹脂コンパウンドの調製と成形>
作製例5
(ABS樹脂と実施例20の樹脂用添加剤とのコンパウンドの調製、および、試験片の作製)
ABS樹脂90部と、実施例20の樹脂用添加剤10部とをドライブレンドして、樹脂組成物を得た。その後、樹脂組成物を、二軸押出機(サーモサイエンティフィック社製プロセス11卓上二軸スクリューエクストルーダー)を用いて240℃で混練して、ペレット(樹脂成形体)を成形した。ペレットを再度上記二軸押出機を通して溶融し、同社の射出成形機MiniJet Proで、ダンベル状の樹脂成形体(JIS K7161-2、1B形試験片)に成形した。
作製例6~作製例8、比較作製例2、および、比較作製例3
作製例5と同様にして、表8に示す配合で、作製例6~作製例8、比較作製例2、および、比較作製例3のそれぞれのコンパウンドを調製し、表8に示す混練温度で、樹脂成形体(試験片)を成形した。
<作製例1~作製例4と比較作製例1との注型フィルムの引張試験>
作製例1~作製例4と比較作製例1とのそれぞれの注型フィルムの引張試験を実施して、25℃における引張破断強度、引張弾性率および引張破断伸びのそれぞれを測定した。結果を表9に示す。なお、引張弾性率は、破断までの平均弾性率として求めた。
引張試験の規格:JIS K6251(2017)
測定機器:AGS-50NX(島津製作所製オートグラフ)
引張速度:200mm/min
<作製例5~作製例8と比較作製例2~比較作製例3との引張試験>
作製例5~作製例8と比較作製例2~比較作製例3とのそれぞれの成形試験片の引張試験を実施して、25℃における引張破断強度、引張弾性率および引張破断伸びのそれぞれを測定した。結果を表9に示す。
引張試験の規格:JIS K7161-2(2014)
測定機器:AGS-10kNX(島津製作所製オートグラフ)
引張速度:10mm/min
<作製例1~作製例4と比較作製例1との考察>
光にまだ暴露していない成形試験片において、表面処理されていない樹脂用添加剤を分散させて作製した作製例4は、樹脂用添加剤を分散していない比較作製例1に対して、無機粒子を充填した効果により高い引張弾性率を示したが、引張破断強度および引張破断伸びはいずれも低下した。表面処理された樹脂用添加剤を分散させた作製例1~作製例3では、引張破断強度、引張弾性率および引張破断伸びが、作製例4のそれらに対して、いずれも高くなった。その結果、作製例1および作製例2は、比較作製例1より高い引張破断強度および高い引張弾性率を示した。これは、作製例1ではエポキシ基がSBRのカルボキシル基との反応に基づいて、作製例2および作製例3ではチオール基がSBRの二重結合残基との反応に基づいて、樹脂用添加剤とSBRとの界面接着力が高くなったと考察される。作製例1~作製例3の注型フィルムは、作製例4の注型フィルムより透明感が強いことから、分散性が改良されたことも示唆された。
<作製例5と作製例6と比較作製例2との考察>
光にまだ暴露していない成形試験片において、表面処理されていない樹脂用添加剤を分散させて作製した作製例6は、樹脂用添加剤を分散していない比較作製例2に対して、無機粒子を充填した効果により高い引張弾性率を示したが、引張破断強度および引張破断伸びはいずれも低下した。表面処理された樹脂用添加剤を分散させた作製例5では、引張破断強度、引張弾性率および引張破断伸びが、作製例6のそれらに対して、いずれも高くなった。その結果、作製例5は、比較作製例2より高い引張破断強度および高い引張弾性率を示した。これは、作製例5では粒子表面のPMMA鎖がABS樹脂のマトリクスを形成するアクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)と高い親和性を示すため、界面接着力が高くなったと考察される。
<作製例7と作製例8と比較作製例3との考察>
光にまだ暴露していない成形試験片において、表面処理されていない樹脂添加剤を分散させて作製した作製例8は、樹脂添加剤を分散していない比較作製例3に対して、無機粒子を充填した効果により高い引張弾性率を示したが、引張破断強度および引張破断伸びはいずれも低下した。表面処理された樹脂添加剤を分散させた作製例7では、引張破断強度、引張弾性率および引張破断伸びが、作製例8のそれらに対して、いずれも高くなった。その結果、作製例7は、比較作製例3より高い引張破断強度および高い引張弾性率を示した。これは、作製例7では粒子表面のPMMA鎖がマトリクスを形成するPMMA樹脂と相溶し、界面接着力が高くなったと考察される。
Figure 2022008048000002
Figure 2022008048000003
Figure 2022008048000004
Figure 2022008048000005
Figure 2022008048000006
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Figure 2022008048000009
Figure 2022008048000010

Claims (13)

  1. 多孔質粒子と、
    前記多孔質粒子に取り込まれた有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤と、
    前記有機系紫外線吸収剤および/または前記ラジカル捕捉剤を前記多孔質粒子内において封止するシロキサン硬化物とを含むことを特徴とする、樹脂用添加剤。
  2. 前記シロキサン硬化物が、-SiRO-(2つのRは、互いに同一または相異なってもよく、それぞれ、1価の飽和炭化水素基および1価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価の炭化水素基を示す。)で示されるシロキサンユニットを含有せず、RO基(Rは、1価の飽和炭化水素基を示す。)を含有するRO基含有シロキサンユニットを含有する第1オリゴマーを含有するシロキサン組成物の硬化物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂用添加剤。
  3. 前記シロキサン硬化物が、4官能オルガノシランの縮合重合体である第2オリゴマーを含有するシロキサン組成物の硬化物を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の樹脂用添加剤。
  4. 前記シロキサン組成物が、-SiRO-(2つのRは、互いに同一または相異なってもよく、それぞれ、1価の飽和炭化水素基および1価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価の炭化水素基を示す。)で示されるシロキサンユニットと、RO基(Rは、1価の飽和炭化水素基を示す。)を含有するRO基含有シロキサンユニットとを含有する第3オリゴマーを含有することを特徴とする、請求項2または3に記載の樹脂用添加剤。
  5. 前記シロキサン組成物が、-SiRO-(2つのRは、互いに同一または相異なってもよく、それぞれ、1価の飽和炭化水素基および1価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価の炭化水素基を示す。)で示されるシロキサンユニットを含有するシリコーンオイルをさらに含有することを特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載の樹脂用添加剤。
  6. 前記多孔質粒子が、80mL/100g以上の吸油量を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂用添加剤。
  7. 前記多孔質粒子が、無機粒子であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の樹脂用添加剤。
  8. 前記無機粒子が、シリカ系粒子を含有することを特徴とする、請求項7に記載の樹脂用添加剤。
  9. 前記有機系紫外線吸収剤および/または前記ラジカル捕捉剤を前記シロキサン硬化物で封止した前記多孔質粒子がRO基含有シラン化合物によって表面処理され、
    前記RO基含有シラン化合物は、RO基(Rは、1価の飽和炭化水素基および1価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価の炭化水素基を示す。)と、前記RO基以外の部分であって、樹脂と反応可能および/または親和可能な前記部分とを含有することを特徴とする、請求項8に記載の樹脂用添加剤。
  10. 多孔質粒子と、有機系紫外線吸収剤および/またはラジカル捕捉剤と、シロキサン組成物とを配合する第1工程と、
    前記シロキサン組成物を硬化させて、そのシロキサン硬化物により、前記有機系紫外線吸収剤および/または前記ラジカル捕捉剤を、前記多孔質粒子内において封止する第2工程と
    を備えることを特徴とする、樹脂用添加剤の製造方法。
  11. 前記第1工程では、前記有機系紫外線吸収剤を前記多孔質粒子に配合し、その後、前記ラジカル捕捉剤を前記多孔質粒子に配合することを特徴とする、請求項10に記載の樹脂用添加剤の製造方法。
  12. 前記有機系紫外線吸収剤および/または前記ラジカル捕捉剤を前記シロキサン硬化物で封止した前記多孔質粒子を、RO基含有シラン化合物によって表面処理する第3工程をさらに備え、
    前記RO基含有シラン化合物は、RO基(Rは、1価の飽和炭化水素基および1価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価の炭化水素基を示す。)と、前記RO基以外の部分であって、樹脂と反応可能および/または親和可能な前記部分とを含有することを特徴とする、請求項10または11に記載の樹脂用添加剤の製造方法。
  13. 樹脂と、
    請求項1~9のいずれか一項に記載の樹脂用添加剤と
    を含有することを特徴とする、成形体。
JP2021068278A 2020-04-15 2021-04-14 樹脂用添加剤、その製造方法および成形体 Active JP7570273B2 (ja)

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