JP2022008078A - 熱可塑性樹脂組成物及びそれからなる成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】環状ポリオレフィン(A)と、粘着付与樹脂(B)とを含有する熱可塑性樹脂組成物であって、環状ポリオレフィン(A)が、少なくとも1種の芳香族ビニルモノマー単位及び少なくとも1種の共役ジエンモノマー単位を含むブロックコポリマーの水素化体である水素化ブロックコポリマーからなり、水素化ブロックコポリマーは、芳香族ビニルモノマー単位からなるポリマーブロックの水素化体である水素化芳香族ビニルポリマーブロック単位、及び共役ジエンモノマー単位からなるポリマーブロックの水素化体である水素化共役ジエンポリマーブロック単位を有し、水素化ブロックコポリマーは、前記水素化芳香族ビニルポリマーブロック単位を少なくとも2個有すると共に、水素化共役ジエンポリマーブロック単位を少なくとも1個有する熱可塑性樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし
Description
本発明は、このような問題を鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、透明性、耐衝撃性、成形性及び耐油性の優れた熱可塑性樹脂組成物及び成形体を提供することを目的とする。
即ち、本発明は以下の特徴を有する。
[3]前記水素化芳香族ビニルポリマーブロック単位が90%以上の水素化レベルをもち、且つ、前記水素化共役ジエンポリマーブロック単位が95%以上の水素化レベルをもつ、[1]又は[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[4]前記水素化芳香族ビニルポリマーブロック単位が水素化ポリスチレンからなる単位であり、前記水素化共役ジエンポリマーブロック単位が水素化ポリブタジエンからなる単位である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[6]前記粘着付与樹脂(B)が水素化石油樹脂である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[7]前記粘着付与樹脂(B)の軟化点が100~180℃である、[1]~[6]のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[9]前記スチレン系エラストマー(C)が、少なくとも1種の芳香族ビニルモノマー単位及び少なくとも1種の共役ジエンモノマー単位を含むブロックコポリマーである、[8]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[10]前記ブロックコポリマーが水素化ブロックコポリマーである、[9]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[12]前記スチレン系エラストマー(C)中の芳香族ビニルポリマーブロック単位の含有率が15~50質量%である、[11]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[13]前記スチレン系エラストマー(C)の重量平均分子量が10,000~200,000である、[8]~[12]のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[15]食品容器、医療用成形体、光学部品又は電気・電子部品である、[14]に記載の成形体。
[16]前記食品容器が、食品用ボトル又はタッパーである[15]に記載の成形体。
[17]前記医療用成形体が、プラスチックスライドガラス、点眼容器、薬瓶アンプル、バイアル、これらに用いるキャップ、試験管、採血管、検体容器、プレフィルドシリンジ、又は注射器シリンジである[15]に記載の成形体。
以下において、「~」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。
本発明の環状ポリオレフィン(A)(以下、「成分(A)」と称することがある。)は、少なくとも1種の芳香族ビニルモノマー単位及び少なくとも1種の共役ジエンモノマー単位を含むブロックコポリマーの水素化体である水素化ブロックコポリマーからなる。
該水素化ブロックコポリマーは、前記芳香族ビニルモノマー単位からなるポリマーブロックの水素化体である水素化芳香族ビニルポリマーブロック単位、及び前記共役ジエンモノマー単位からなるポリマーブロックの水素化体である水素化共役ジエンポリマーブロック単位を有する。
また、該水素化ブロックコポリマーは、前記水素化芳香族ビニルポリマーブロック単位を少なくとも2個有すると共に、前記水素化共役ジエンポリマーブロック単位を少なくとも1個有するものである。
尚、「ブロック」とは、後記するように、本明細書において、コポリマーの構造的又は組成的に異なった重合セグメントからのミクロ層分離を表すコポリマーの重合セグメントをいう。このため、例えば「ブロック単位を少なくとも2個有する」とは、水素化ブロックコポリマーの中に、構造的又は組成的に異なった重合セグメントからのミクロ層分離を表すコポリマーの重合セグメントを少なくとも2個有することをいう。
また、前記のArは、フェニル基又はアルキルフェニル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
共役ジエンモノマーとしては、例えば、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン(イソプレン)、2-メチル-1,3ペンタジエンとその類似化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。
尚、「官能基のない」とはブロックコポリマー中に如何なる官能基、即ち、炭素と水素以外の元素を含む基が存在しないことを意味する。
そして、水素化ブロックコポリマーの好ましい一態様としては、スチレンとブタジエンの水素化トリブロック又はペンタブロックコポリマーが挙げられ、他の如何なる官能基又は構造的変性剤も含まないことが好ましい。
「ブロック」とは、コポリマーの構造的又は組成的に異なった重合セグメントからのミクロ層分離を表すコポリマーの重合セグメントとして定義される。ミクロ層分離は、ブロックコポリマー中で重合セグメントが混じり合わないことにより生ずる。
尚、ミクロ層分離とブロックコポリマーは、PHYSICS TODAYの1999年2月号32-38頁の“Block Copolymers-Designer Soft Materials”で広範に議論されている。
水素化芳香族ビニルポリマーブロック単位の比率が上記下限値以上であれば剛性が低下することがなく、上記上限値以下であれば耐衝撃性が向上すると共に、脆性が悪化することがない。
水素化共役ジエンポリマーブロック単位の比率が上記下限値以上であれば耐衝撃性が向上すると共に、脆性が悪化することがなく、上記上限値以下であれば剛性が低下することがない。
Mwが上記下限値以上であれば機械強度が低下せず、上記上限値以下であれば成形加工性が悪化しない。
本明細書のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて決定される。
尚、水素化芳香族ビニルポリマーブロック単位の水素化レベルとは、芳香族ビニルポリマーブロック単位が水素化によって飽和される割合を示し、水素化共役ジエンポリマーブロック単位の水素化レベルとは、共役ジエンポリマーブロック単位が水素化によって飽和される割合を示す。このように高レベルの水素化は、耐熱性及び透明性のために好ましい。
MFRは、ISO R1133に従って、測定温度230℃、測定荷重2.16kgの条件で測定した。
本発明の環状ポリオレフィン(A)としては、市販のものを用いることができる。具体的には、三菱ケミカル(株)製:ゼラス(商標登録)が挙げられる。
本発明の粘着付与樹脂(B)(以下、「成分(B)」と称することがある。)とは、耐油性を付与することができる樹脂をいい、水添テルペン系樹脂、水添ロジン及び水添ロジンエステル系樹脂、不均化ロジン及び不均化ロジンエステル系樹脂、水素化石油樹脂等が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上が用いられる。
この粘着付与樹脂(B)として、成分(A)に対する相溶性が良好なものを用いると、熱可塑性樹脂組成物中で成分(A)に相溶することができ、透明性を維持することができる。
水添テルペン系樹脂としては、例えば、α-ピネン、β-ピネン、ジペンテン等を主成分とするモノマーをカチオン重合して得られたテルペン樹脂や、更にフェノール類や芳香族系モノマーを共重合した芳香族テルペン樹脂、を水素化した樹脂等が挙げられる。
前記の水添ロジン及び水添ロジンエステル系樹脂としては、例えば、アビエチン酸とその異性体の混合物を主成分とするロジン及びそのエステル系樹脂、を水素化した樹脂が挙げられる。
前記の不均化ロジン及び不均化ロジンエステル系樹脂としては、例えば、ロジン又はロジンエステル系樹脂に触媒を添加して加熱溶融し、樹脂酸の分子間にて水素を移動させ、アビエチン酸をデヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸又はテトラヒドロアビエチン酸に変化させたものが挙げられる。
前記水素化石油樹脂としては、例えば、石油ナフサの熱分解で生成するペンテン、イソプレン、ピペリン、1,3-ペンタジエン等のC5留分を共重合して得られるC5系石油樹脂の水添化樹脂である、水添ジシクロペンタジエン系樹脂及び部分水添芳香族変性ジシクロペンタジエン系樹脂;石油ナフサの熱分解で生成するインデン、ビニルトルエン、α-又はβ-メチルスチレン等のC9留分を共重合して得られるC9系水素化石油樹脂;前記C5留分と前記C9留分の共重合水素化石油樹脂が挙げられる。
前記部分水添芳香族変性ジシクロペンタジエン系樹脂の市販品としては、例えば、トーネックス(株)製エスコレッツ(登録商標)5600シリーズが挙げられる。
C5留分とC9留分の共重合水素化石油樹脂としては、例えば、出光興産(株)製アイマーブ(登録商標)シリーズが挙げられる。
前記粘着付与樹脂(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
軟化点が上記下限値以上であれば高温接着強度及び成形性が良好となり、上記上限値以下であれば成形性が良好となる。
本願の発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、前記の環状ポリオレフィン(A)、粘着付与樹脂(B)に加え、スチレン系エラストマー(C)を含むことができる。
このスチレン系エラストマー(C)は、本発明の熱可塑性組成物の透明性、成形性及び耐油性を維持しながら、耐衝撃性を向上するのに有効である。
このブロックコポリマーは、少なくとも1種の芳香族ビニルモノマー単位からなる芳香族ビニルポリマーブロック単位、及び少なくとも1種の共役ジエンモノマー単位からなる共役ジエンポリマーブロック単位を有するスチレン系ブロック共重合体である。
また、前記水素化ブロックコポリマーは、前記の芳香族ビニルモノマー単位からなる芳香族ビニルポリマーブロック単位、及び前記共役ジエンモノマー単位からなるポリマーブロックの水素化体である水素化共役ジエンポリマーブロック単位を有するスチレン系水添ブロック共重合体(以下、単に「水添ブロック共重合体」と称する場合がある。)である。
S-(D-S)m …(2)
(S-D)n …(3)
(式中、Sは芳香族ビニルモノマー単位からなるポリマーブロックを表し、Dは共役ジエンモノマー単位からなるポリマーブロック又はその水素化体(水添体)を表し、m及びnは1~5の整数を表す。)
また、前記スチレン系ブロック共重合体やスチレン系水添ブロック共重合体は、直鎖状、分岐状及び/又は放射状の何れであってもよい。
スチレン系ブロック共重合体としては、ゴム弾性に優れることから式(2)で表されるブロック共重合体や水添ブロック共重合体が好ましく、mが3以下である式(2)で表されるブロック共重合体や水添ブロック共重合体がより好ましく、mが2以下である式(2)で表されるブロック共重合体や水添ブロック共重合体が更に好ましい。
前記の式(2)のブロック共重合体や水添ブロック共重合体中の「Sのポリマーブロック」の割合は、15質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、25質量%以上が更に好ましい。また、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下が更に好ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物の透明性の観点から、スチレン系エラストマー(C)中の「Sのポリマーブロック」(芳香族ビニルポリマーブロック単位)の含有率は25~35質量%が特に好ましい。
前記スチレン系エラストマー(C)の重量平均分子量(Mw)は、1万以上が好ましく、3万以上がより好ましい。また、20万以下が好ましく、18万以下がより好ましく、15万以下が更に好ましい。
・機器:日本ミリポア(株)製「150CALC/GPC」
・カラム:昭和電工(株)製「AD80M/S」3本
・検出器:FOXBORO社製赤外分光光度計「MIRANIA」
・波長:3.42μm
・溶媒:o-ジクロロベンゼン
・温度:140℃
・流速:1cm3/分
・注入量:200μL
・濃度:2mg/cm3
・酸化防止剤として2,6-ジ-t-ブチル-p-フェノール0.2質量%を添加
前記スチレン系エラストマー(C)の共役ジエンブロックの水素添加率は成分(A)との相溶性や耐久性の点で大きい方が好ましい。
前記スチレン系エラストマー(C)の共役ジエンブロックの水素添加率は90%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、99%以上が更に好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記の環状ポリオレフィン(A)と粘着付与樹脂(B)とを含有する組成物であり、更にスチレン系エラストマー(C)を含有することで耐衝撃性をより向上することができる。
熱可塑性樹脂組成物は、環状ポリオレフィン(A)100質量部に対して、粘着付与樹脂(B)5~90質量部、スチレン系エラストマー(C)0~50質量部を含有することが好ましい。
粘着付与樹脂(B)の含有量が上記範囲内であれば、透明性、耐衝撃性、成形性及び耐油性が良好となる。
スチレン系エラストマー(C)の含有量が上記範囲内であれば、透明性、耐衝撃性、成形性及び耐油性が良好となる。
また、熱可塑性樹脂組成物のMFRは、1g/10分以上が好ましく、2g/10分以上がより好ましい。また、100g/10分以下が好ましく、70g/10分以下がより好ましい。
また、熱可塑性樹脂組成物の耐油性は変形が小さいものが好ましく、変形が無いものがより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、その他の成分として、樹脂組成物に常用されている配合剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。
このような配合剤としては、例えば、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、防錆剤、無機充填材、発泡剤及び顔料が挙げられる。
この内、酸化防止剤、特にフェノール系、硫黄系又はリン系の酸化防止剤を含有させることが好ましい。酸化防止剤は、熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して0.01~2質量部含有させることが好ましい。
このような樹脂成分としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン-α-オレフィン共重合樹脂、プロピレン-α-オレフィン共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン-アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体、アクリル系樹脂、及びスチレン-共役ジエンブロック共重合樹脂が挙げられる。
その他の樹脂成分の含有率は、全成分の50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成分(A)、成分(B)、及び必要に応じて成分(C)やその他の成分を、通常の押出機やバンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラフ、ニーダーブラベンダー等を用いて常法で混練して製造することができる。
これらの製造方法の中でも、押出機、特に二軸押出機を用いることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を押出機等で混練して製造する際には、通常180~300℃、好ましくは220~280℃に加熱した状態で溶融混練する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形することにより各種成形体を得ることができる。
成形方法としては、成形方法としては、例えば射出成形(インサート成形法、二色成形法、サンドイッチ成形法、ガスインジェクション成形法、インジェクションブロー成形法等)、押出成形法、インフレーション成形法、Tダイフィルム成形法、ラミネート成形法、ブロー成形法、中空成形法、圧縮成形法、カレンダー成形法等の成形法により種々の成形体に加工することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成形して成形体とすることが好ましく、射出成形する際の成形条件は以下の通りである。
成形温度は200~300℃であり、好ましくは220~280℃である。
射出圧力は5~100MPaであり、好ましくは10~80MPaである。
金型温度は0~100℃であり、好ましくは30~95℃である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物及び成形体は、透明性、耐衝撃性、成形性及び耐油性に優れることから、食品容器、医療用成形体、光学部品又は電気・電子部品として好適に用いることができる。
前記医療用成形体としては、例えば、プラスチックスライドガラス;点眼容器、薬瓶アンプル、バイアル、これらに用いるキャップ等の医薬品収納容器;試験管、採血管、検体容器等のサンプリング容器;プレフィルドシリンジ、注射器シリンジ等のシリンジ類が挙げられる。
前記電気・電子部品としては、例えば、コネクター、リレー、コンデンサ、センサー、アンテナ、ICトレイ、シャーシ、コイル封止、モーターケース、電源ボックスが挙げられる。
以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
尚、以下の記載において、「部」は「質量部」を表す。
<ポリマーブロックの比率>
[カーボンNMRによる測定]
・装置:Bruker社製「AVANCE400分光計」
・溶媒:o-ジクロロベンゼン-h4/p-ジクロロベンゼン-d4混合溶媒
・濃度:0.3g/2.5mL
・測定:13C-NMR
・共鳴周波数:400MHz
・積算回数:1536
・フリップ角:45度
・データ取得時間:1.5秒
・パルス繰り返し時間:15秒
・測定温度:100℃
・1H照射:完全デカップリング
[プロトンNMRによる測定]
・装置:日本分光(株)製「400YH分光計」
・溶媒:重クロロホルム
・濃度:0.045g/1.0mL
・測定:1H-NMR
・共鳴周波数:400MHz
・積算回数:8
・測定温度:18.5℃
・水素化芳香族ビニルポリマーブロック単位の水素化レベル:6.8~7.5ppmの積分値低減率
・水素化共役ジエンポリマーブロック単位の水素化レベル:5.7~6.4ppmの積分値低減率
ISO R1133に従って、下記の条件で成形性の指標であるMFRを測定した。
・装置:(株)東洋精機製作所製「メルトインデクサー」
・温度:230℃
・オリフィス孔径:2mm
・荷重:2.16kg
得られた熱可塑性樹脂組成物を用いて、インラインスクリュウタイプ射出成形機(住友重機械工業(株)製「SE18D」)により、射出圧力50MPa、シリンダー温度250℃、金型温度50℃にて、厚さ2mm×幅50mm×長さ50mmの試験片を成形し、ISO 14782に準拠して透明性の指標であるヘーズを測定した。
得られた熱可塑性樹脂組成物を用いて、インラインスクリュウタイプ射出成形機(住友重機械工業(株)製「SE18D」)により、射出圧力50MPa、シリンダー温度250℃、金型温度50℃にて、シャルピー衝撃強度用の試験片(厚さ4mm×幅10mm×長さ80mmの試験片)を成形した。
この試験片を用い、ISO179に準拠して、ノッチなし、23℃にて、耐衝撃性の指標であるシャルピー衝撃強度を測定した。
得られた熱可塑性樹脂組成物を用いて、インラインスクリュウタイプ射出成形機(住友重機械工業(株)製「SE18D」)により、射出圧力50MPa、シリンダー温度250℃、金型温度50℃にて、厚さ2mm×幅50mm×長さ50mmの試験片を成形した。
この試験片に、スポイトを用いてパラフィンオイルを1滴滴下し、80℃に調整したギャーオーブンに24時間投入し、変形を目視にて確認した。
変形が大きいものを×、変形が小さいものを〇とした。
<環状ポリオレフィン(A-1)>
三菱ケミカル(株)製 ゼラス(商標登録)MC930
・密度(ASTM D792):0.94g/cm3
・MFR(230℃、2.16kg):1g/10分
・水素化芳香族ビニルポリマーブロック単位:含有率65モル%、水素化レベル99.5%以上の水素化ポリスチレン
・水素化共役ジエンポリマーブロック単位:含有率35モル%、水素化レベル99.5%以上の水素化ポリブタジエン
・ブロック構造:ペンタブロック構造、合計水素化レベル:99.5%以上
三菱ケミカル(株)製 ゼラス(商標登録)MC932
・密度(ASTM D792):0.94g/cm3
・MFR(230℃、2.16kg):0.5g/10分
・水素化芳香族ビニルポリマーブロック単位:含有率50モル%、水素化レベル98.7%の水素化ポリスチレン
・水素化共役ジエンポリマーブロック単位:含有率50モル%、水素化レベル99.5%以上の水素化ポリブタジエン
・ブロック構造:ペンタブロック構造、合計水素化レベル:99.2%
三菱ケミカル(株)製 ゼラス(商標登録)MC933
・密度(ASTM D792):0.94g/cm3
・MFR(230℃、2.16kg):1.1g/10分
・水素化芳香族ビニルポリマーブロック単位:含有率50モル%、水素化レベル99.9%の水素化ポリスチレン
・水素化共役ジエンポリマーブロック単位:含有率50モル%、水素化レベル99.8%以上の水素化ポリブタジエン
・ブロック構造:ペンタブロック構造、合計水素化レベル:99.8%
荒川化学工業(株)製 アルコン(登録商標)P-115
・密度(ASTM D792):1.00g/cm3
・水素化石油樹脂
・軟化温度:115℃
荒川化学工業(株)製 アルコン(登録商標)P-140
・水素化石油樹脂
・密度(ASTM D792):1.00g/cm3
・軟化温度:140℃
出光興産(株)製 アイマーブ(登録商標)P-140
・水素化石油樹脂
・密度(ASTM D792):1.03g/cm3
・軟化温度:140℃
イーストマンケミカル社製Plastolyn(登録商標)R1140
・密度(ASTM D792):0.98g/cm3
・水素化石油樹脂
・軟化温度:140℃
クレイトンポリマー社製クレイトン(登録商標) G1650MU
〔スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体の水素添加物、芳香族ビニルポリマーブロック単位:30質量%、ブタジエンの水素添加率:99%以上、Mw:90,000〕
環状ポリオレフィン(A-1)25部、水素化ポリスチレン(密度:0.94g/cm3、MFR0.3g/10分、水素化レベル99.5%以上)75部、及び酸化防止剤としてBASF社製イルガフォス168 0.05部を加え、プランジャータイプ射出成形機(Xplore Instruments社製 小型混練機XploreMC15付属射出成形機)を用いて、温度270℃、スクリュー回転数100rpmにて1分間溶融混練し、環状ポリオレフィン(D-1)を得た。
・密度(ASTM D792):0.94g/cm3
・MFR(230℃、2.16kg):0.5g/10分
・水素化芳香族ビニルポリマーブロック単位:含有率91モル%、水素化レベル99.5%以上の水素化ポリスチレン
・水素化共役ジエンポリマーブロック単位:含有率9モル%、水素化レベル99.5%以上の水素化ポリブタジエン
・ブロック構造:ペンタブロック構造、合計水素化レベル:99.5%以上
環状ポリオレフィン(A-1)100部、粘着付与樹脂(B-1)11部、及び酸化防止剤としてBASF社製イルガフォス168 0.05部を加え、同方向2軸押出機(テクノベル社製 KZW15-45MG Φ15、L/D=45)にて2kg/hの速度で投入し、240℃の範囲で昇温させて溶融混練を行ない、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。
得られたペレットを用いて各種物性を評価した。結果を表1に示す。
表1に示す配合に従い、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。
実施例1と同様にして各種物性を評価した。結果を表1に示す。
環状ポリオレフィン(D-1)100部、粘着付与樹脂(B-1)11部、及び酸化防止剤としてBASF社製イルガフォス168 0.05部を加え、プランジャータイプ射出成形機(Xplore Instruments社製 小型混練機XploreMC15付属射出成形機)を用いて、温度270℃、スクリュー回転数100rpmにて1分間溶融混練し、射出圧力3.5bar、シリンダー温度270℃、金型温度70℃にて、厚さ2mm×幅30mm×長さ80mmの試験片、及び厚さ4mm×幅10mm×長さ80mmの試験片を成形し、各種物性を評価した。結果を表1に示す。
表1に示す配合に従い、比較例3と同様にして溶融混練及び成形し、試験片を得た。
同様に各種物性を評価した。結果を表1に示す。
これに対して、粘着付与樹脂(B)を含まない比較例1,2は耐油性が劣ることがわかった。更に比較例2はMFRが低く、成形性が劣るものであった。
Claims (17)
- 環状ポリオレフィン(A)と、粘着付与樹脂(B)とを含有する熱可塑性樹脂組成物であって、
該環状ポリオレフィン(A)が、少なくとも1種の芳香族ビニルモノマー単位及び少なくとも1種の共役ジエンモノマー単位を含むブロックコポリマーの水素化体である水素化ブロックコポリマーからなり、
該水素化ブロックコポリマーは、前記芳香族ビニルモノマー単位からなるポリマーブロックの水素化体である水素化芳香族ビニルポリマーブロック単位、及び前記共役ジエンモノマー単位からなるポリマーブロックの水素化体である水素化共役ジエンポリマーブロック単位を有し、
該水素化ブロックコポリマーは、前記水素化芳香族ビニルポリマーブロック単位を少なくとも2個有すると共に、前記水素化共役ジエンポリマーブロック単位を少なくとも1個有し、
前記環状ポリオレフィン(A)中の、前記水素化芳香族ビニルポリマーブロック単位の含有率が30~80モル%であり、前記水素化共役ジエンポリマーブロック単位の含有率が20~70モル%である、熱可塑性樹脂組成物。 - 前記環状ポリオレフィン(A)100質量部に対して、粘着付与樹脂(B)5~90質量部を含有する、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記水素化芳香族ビニルポリマーブロック単位が90%以上の水素化レベルをもち、且つ、前記水素化共役ジエンポリマーブロック単位が95%以上の水素化レベルをもつ、請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記水素化芳香族ビニルポリマーブロック単位が水素化ポリスチレンからなる単位であり、前記水素化共役ジエンポリマーブロック単位が水素化ポリブタジエンからなる単位である、請求項1~3のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記粘着付与樹脂(B)が、水添テルペン系樹脂、水添ロジン及び水添ロジンエステル系樹脂、不均化ロジン及び不均化ロジンエステル系樹脂、水素化石油樹脂から選ばれる1種以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記粘着付与樹脂(B)が水素化石油樹脂である、請求項1~4のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記粘着付与樹脂(B)の軟化点が100~180℃である、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 更にスチレン系エラストマー(C)を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記スチレン系エラストマー(C)が、少なくとも1種の芳香族ビニルモノマー単位及び少なくとも1種の共役ジエンモノマー単位を含むブロックコポリマーである、請求項8に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記ブロックコポリマーが水素化ブロックコポリマーである、請求項9に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記水素化ブロックコポリマーが、前記芳香族ビニルモノマー単位からなる芳香族ビニルポリマーブロック単位、及び前記共役ジエンモノマー単位からなるポリマーブロックの水素化体である水素化共役ジエンポリマーブロック単位を有する、請求項10に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記スチレン系エラストマー(C)中の芳香族ビニルポリマーブロック単位の含有率が15~50質量%である、請求項11に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記スチレン系エラストマー(C)の重量平均分子量が10,000~200,000である、請求項8~12のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1~13のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形体。
- 食品容器、医療用成形体、光学部品又は電気・電子部品である、請求項14に記載の成形体。
- 前記食品容器が、食品用ボトル又はタッパーである請求項15に記載の成形体。
- 前記医療用成形体が、プラスチックスライドガラス、点眼容器、薬瓶アンプル、バイアル、これらに用いるキャップ、試験管、採血管、検体容器、プレフィルドシリンジ、又は注射器シリンジである請求項15に記載の成形体。
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