JP2545384B2 - 流体透過性製品の製造方法 - Google Patents

流体透過性製品の製造方法

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JP2545384B2
JP2545384B2 JP62024955A JP2495587A JP2545384B2 JP 2545384 B2 JP2545384 B2 JP 2545384B2 JP 62024955 A JP62024955 A JP 62024955A JP 2495587 A JP2495587 A JP 2495587A JP 2545384 B2 JP2545384 B2 JP 2545384B2
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孝男 堀江
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、流体透過性製品の製造方法に係り、特に、
内部に形成された連続気孔を通じて、流体を透過し得る
特性を有する鋳造品や注型品等の製品であって、その流
体透過特性がより一層向上された製品を、冶金的乃至は
機械的な処理を加えることなく、有利に製造することの
できる方法に関するものである。
(背景技術) 連続気孔を備えて、流体を透過し得る特性を有する鋳
造品等の製品として、本願出願人は、先に、特願昭61−
246360号、特願昭61−281467号及び特願昭61−304744号
等において、多孔組織を形成する骨格自体が中空とされ
て、全体として連続した空孔が該骨格内に形成されたセ
ラミックス多孔体を用い、その多孔構造の間隙内に所定
のマトリックス材料を入り込ませて一体的な構造と為す
ことにより、該セラミックス多孔体の多孔構造の骨格内
に形成された空孔を利用して、流体を透過せしめ得るよ
うにした新規な製品、例えば鋳造品や注型品、更にはそ
の焼結体等を明らかにした。
ところで、このような流体透過性製品にあっては、例
えば、多孔構造の骨格内に空孔を有するセラミックス多
孔体を、適当な成形型によって形成された製品キャビテ
ィ内の所定位置に配置せしめた状態下において、該製品
キャビティ内に所定のマトリックス材料を供給せしめる
ことにより、かかるセラミックス多孔体が製品の一部分
に埋設されて、そこに流体を透過し得る連続した空孔が
形成されてなる構造をもって製造することができるので
あり、従ってそのような製品の内部に形成された空孔を
連通する流体供給孔乃至は排出孔を、後加工等によって
形成せしめることにより、エアーフロートベースやエア
ー吸着テーブル、軸受部材、或いは熱交換部材やフィル
タ、触媒などを、困難な冶金的乃至は機械的な処理を加
えることなく、単体構造をもって極めて有利に製造する
ことが可能となるのである。
ところが、このようにセラミックス多孔体が内部に埋
設されると共に、その空孔に連通する流体供給乃至は排
出孔が形成されてなる流体透過性製品にあっては、その
流体供給乃至は排出孔を介して空孔内に作用される流体
圧に対して、該流体供給乃至は排出孔からの距離に応じ
た圧力損失が惹起されることとなり、そのために流体供
給孔乃至は排出孔の形態によって、空孔内における流通
流体の圧力および流量の分布が、不均一となる恐れがあ
るのである。
それ故、例えば内部に埋設されたセラミックス多孔体
の空孔が製品の一面において開口されて、流体噴出面が
構成されていると共に、その空孔に連通する流体供給孔
が、製品の壁部に形成されてなる構造とされた静圧流体
軸受やエアーフロートベース等にあっては、かかる流体
噴出面における流体噴出圧乃至は噴出量が、流体供給口
から離れる程小さくなることとなり、そのために特にこ
のような流体噴出量の均一性が重要視される製品におい
ては、充分なる性能乃至は特性が得られないといった問
題を有していたのである。
ところで、このような製品の内部に形成された空孔を
介して作用せしめられる流体圧の均一化を図る一手法と
して、かかる製品中に埋設されたセラミックス多孔体の
背部に、流体供給乃至は排出孔が連通される流体溜りと
しての空間を形成すると共に、セラミックス多孔体の該
空間に面する全ての空孔を、流体噴出面と平行な面上に
おいて開口させて、この空間に連通せしめることによ
り、かかる空孔における流体供給口から噴出口までの距
離を全体に亘って均一化せしめるようにすることが考え
られるが、そのような空間を機械的な加工によって形成
するに際しては、かかる製品を少なくとも二分割構造と
しなければならないために、加工工程の増加等によって
コストの上昇が避けられ得ず、また形状的に極めて困難
な場合もあり、効果的な手法と言い得るものではないの
である。
(解決手段) ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景とし
て為されたものであって、その目的とするところは、製
品内に埋設されたセラミックス多孔体の骨格内に形成さ
れた空孔によって、流体透過性が付与される製品におい
て、その流体透過特性を向上せしめるべく、かかるセラ
ミックス多孔体の所定の面の少なくとも一部における空
孔開口部に対して連通される流体溜りが、製品の内部に
形成されてなる流体透過性製品を、冶金的乃至は機械的
な処理を加えることなく、有利に製造することのできる
方法を提供することにある。
そして、かかる目的を達成するために、本発明の特徴
とするところは、多孔組織を形成する骨格自体が中空と
されて、全体として連続した空孔が該骨格内に形成され
たセラミックス多孔体を用い、その多孔構造の間隙内に
所定のマトリックス材料を入り込ませて一体的な構造と
為すことにより、該セラミックス多孔体の多孔構造の骨
格内に形成された空孔を利用して、流体を透過せしめ得
るようにした製品を製造するに際して、三次元的に連続
した骨格構造を有する、焼失性材料にて形成された骨格
形成部材の所定の面における少なくとも一部に、焼失性
材料からなる所定大きさの空間形成部材を一体的に設け
てなる可燃性構造体に対して、その骨格形成部材におけ
る骨格の周りおよび空間形成部材の表面に所定のセラミ
ックス材料を付着させ、そしてそれを焼成して焼結せし
めて、かかる可燃性構造体を焼失させることによって得
られる、前記骨格形成部材に付着せしめられたセラミッ
クス材料によって形成された、その内部に全体として連
続した空孔を有する骨格部分と、前記空間形成部材に付
着せしめられたセラミックス材料によって形成された、
それら骨格部分に形成された空孔が開口せしめられる所
定容積の空間を内部に有する空間形成部分とを備えたセ
ラミックス構造体を、前記セラミックス多孔体として使
用し、得られる製品の内部に、前記セラミックス多孔体
の骨格内に形成された空孔に連通する流体溜りを形成せ
しめるようにしたことにある。
(具体的構成・実施例) ところで、かくの如き本発明手法に従って、例えば流
体透過性鋳造品を製造する場合にあっては、第1図に示
されているように、鋳型内の所定位置に、第2図に示さ
れている如き特定構造のセラミックス多孔体を配置せし
めた状態下において、所定の金属溶湯を注湯することに
より、第3図に示されている如く、内部に埋設されたセ
ラミックス多孔体(構造体)の所定の面における少なく
とも一部の空孔開口部に対して連通される流体溜りが、
製品の内部に形成されてなる、目的とする流体透過性の
鋳造品が製造されることとなる。
なお、かかる第1図において、10は、上型12と下型14
とから構成された鋳型であり、一般に生型砂または樹脂
を硬化媒体に用いた自硬性鋳型砂或いはパーマネント鋳
型(金型)等によって製作されたものである。また、か
かる鋳型10内には、受湯口16、湯道18および所定形状の
鋳造キャビティ20が形成されており、所定の金属溶湯17
が、取鍋19より受湯口16、湯道18を通じて、鋳造キャビ
ティ20内に導かれるようになっている。そして、この鋳
造キャビティ20中の所定位置において、特定構造のセラ
ミックス多孔体22がセットされているのである。
また、かかる第1図においては、第5図に示されてい
る如き、その内部に形成された空孔が製品の一面(表
面)において開口されることによって、そこに露出面が
構成されてなる構造とされた、エアーフロートベースや
エアー吸着テーブル等の鋳造製品を得るべく、セラミッ
クス多孔体22がその一面において鋳造キャビティ20の内
面に接する状態で、ケレン等の止め金具24を用いてセッ
トされているが、その鋳造品におけるセラミックス多孔
体22の配置位置及びその形状は何等限定されるものでは
なく、目的とする製品に応じて適宜に決定されるもので
ある。即ち、本発明手法は、例えば、第6図及び第7図
に示されているように、セラミックス多孔体22が円筒状
内周面において露呈されることによって、そこに摺動面
が構成されてなる構造とされた、軸受部材の如き製品
や、或いは第8図に示されているように、セラミックス
多孔体22が鋳造金属内に完全に埋設されることによっ
て、製品内部に連続した空孔が形成されてなる構造とさ
れた、触媒やフィルターの如き製品等、種々なる鋳造製
品に対して適用され得るものであり、そしてそのような
製品に応じて、セラミックス多孔体22の形状が決定さ
れ、且つ鋳造キャビティ20内の適当な位置に対して、ケ
レンや中子等を用いて配設されることとなるのである。
ここにおいて、この鋳造キャビティ20内に配置、固定
される、本発明に従う多孔構造を有するセラミックス多
孔体22にあっては、三次元的に連続した骨格構造を有す
る、焼失性材料にて形成された骨格形成部材の所定の面
における少なくとも一部に、焼失性材料からなる所定大
きさの空間形成部材を一体的に設けてなる可燃性構造体
に対して、その骨格形成部材における骨格の周りおよび
空間形成部材の表面に所定のセラミックス材料を付着さ
せ、そしてそれを焼成して焼結せしめて、かかる可燃性
構造体を焼失させることにより、得られるものであっ
て、前記骨格形成部材に付着せしめられたセラミックス
材料によって形成された、その内部に全体として連続し
た空孔を有する骨格部分と、前記空間形成部材に付着せ
しめられたセラミックス材料によって形成された、それ
ら骨格形成部分に形成された空間が開口せしめられる所
定容積の空間を内部に有する空間形成部分とを、備えて
なるものである。
より具体的には、かかる骨格形成部材としては、熱分
解温度の低い材料にて、三次元的に連続した多孔骨格構
造をもって形成されたものであって、例えば、第4図に
示されている如く、エステル系ウレタン等の樹脂を発泡
させた後、その骨格の周りに残った膜状物質(発泡膜)
を圧縮空気等を用いて除去することにより得られた三次
元網目構造の骨格組織を有する合成樹脂発泡体26等が好
適に用いられる。一方、空間形成部材としては、熱分解
温度の低い材料にて、中実構造をもって形成されたもの
であって、例えば、第4図に示されている如く、エステ
ル系ウレタン等の樹脂プレート28等が好適に用いられ
る。そして、かかる樹脂プレート28は、合成樹脂発泡体
26の、後述する、目的とする鋳造製品において流体溜り
を形成すべき部位に対応する外表面に対して、熱分解温
度の低い焼失性接着剤30を用いて、該合成樹脂発泡体26
の表面の骨格間隙を覆蓋するように、一体的に固着せし
められるのであり、それによって可燃性構造体としての
焼失性成形型32が形成されることとなる。
そして、このように骨格形成部材としての合成樹脂発
泡体26と、空間形成部材としての樹脂プレート28とによ
って構成された焼失性成形型32に対して、公知の手法に
従って、所定のセラミックス材料のコーティング操作が
施され、かかる焼失性成形型32を構成する合成樹脂発泡
体26の骨格の周りおよび樹脂プレート28の表面に、所定
厚さのセラミックス層が形成されることとなる。なお、
このような焼失性成形型32に対して付着せしめられるセ
ラミックス材料としては、目的とする製品に要求される
特性に応じて、コージエライト、アルミナ、SiC、ムラ
イト或いはジルコニア等が適宜に選択、採用されるもの
である。そして、かかる所定のセラミックス材料は、例
えば、スラリー状態において付着せしめられ、また余剰
のスラリーの除去、更には乾燥が施された後、付着セラ
ミックス材料に応じた焼成操作が施されることにより、
該セラミックス材料の焼結と同時に、かかる焼失性成形
型32が焼失せしめられることとなる。
すなわち、かかるセラミックス材料の焼成操作によっ
て、合成樹脂発泡体26、樹脂プレート28及びそれらの間
に介在された接着材30が、それぞれ焼失せしめられるの
であり、それによって、第2図に示されているように、
その内部に互いに連続した空孔34を有する、三次元網目
構造の骨格36にて構成された骨格部分38と、該骨格部分
38の所定位置の外表面において、そこに位置する空孔34
が開口されて連通せしめられ、且つ外部空間に対して密
閉された所定容積の空間40が内部に形成されてなる、箱
体状の空間形成部分42とを備えたセラミックス多孔体22
が得られるのである。
なお、かかる空間形成部分42において、その内部の空
間40が、大きな面積乃至は容積をもって形成される場合
にあっては、第4図に示されているように、樹脂プレー
ト28に対して貫通孔45を適数個設けて、それらの貫通孔
45内にセラミックス材料を充填せしめることによって、
第2図に示されている如く、空間形成部分42に対して、
その空間40内に補強片46を形成せしめるようにすること
が望ましい。
そして、このような構造とされたセラミックス多孔体
22が、鋳造キャビティ20内に配置された状態下におい
て、その鋳造品に求められる物理特性に応じて管理され
た化学成分を有する金属溶湯17が注湯せしめられる。な
お、かかる金属溶湯17としては、鋳鉄や鋳鋼が一般に用
いられるものであるが、その他、銅合金やアルミニウム
合金等の種々なる金属製品の鋳造にも、本発明は有利に
適用され得るものであり、それ故、かかる金属溶湯17と
しては、そのような製品原料に応じて適宜に選定される
ものであることは、言うまでもないところである。
また、このように注湯される金属溶湯17は、一般に、
第1図に示されている如く、受湯口16、湯道18を通じて
鋳造キャビティ20内に導かれ、セラミックス多孔体22に
おける三次元網目構造の骨格36間の間隙を充満しつつ、
該鋳造キャビティ20内に充填され、それによって注湯作
業が完了する。
なお、この金属溶湯17としては、上述の如く、非鉄、
鉄系の限定はないが、鋳造キャビティ20内に導入される
際、鋳型10内壁面との接触による温度降下は避けられ得
ず、更にセラミックス多孔体22の設置により、なおその
傾向が助長されることとなるところから、薄肉コーナー
等へのセメンタイト組織の発生もあり得るために、注湯
時の溶湯温度としては、通常のものより高めに設定する
ことが望ましい。また、かかる金属溶湯17をセラミック
ス多孔体22の骨格組織間(セル内)に均等に侵入させ、
凝固させるために、押し湯等を設定し、適当な溶湯ヘッ
ドを与えるようにすることが望ましい。
かくして得られた凝固の完了した鋳造品48にあって
は、第3図に示されているように、セラミックス多孔体
22の三次元網目構造を有する骨格36にて形成された骨格
部分38のセル内に、鋳造金属50が入り込んで、該鋳造金
属50がセラミックス多孔体22に対するマトリックスを構
成してなる一体的な構造とされる一方、かかる鋳込まれ
たセラミックス多孔体22における骨格36内の空孔34に対
する金属溶湯17の侵入は、該空孔34の表面における開口
部が閉塞状態にあることなどから防止され、その空孔34
は連通状態に維持されることとなる。
そして、特にかかる鋳造品48にあっては、そのセラミ
ックス多孔体22の空間形成部分42の内部に形成された空
間40が、前述の如く、密閉空間として示されていること
から、該空間40内への金属溶湯17の侵入が防止され得る
のであり、それによってかかる鋳造品48内において、上
記セラミックス多孔体22の骨格36内に形成された空孔34
に連通した所定容積の流体溜り52が形成されることとな
るのである。
なお、このような鋳造品48は、凝固の完了した後、通
常の鋳造作業と同様な解枠、冷却、ショットブラスト等
による清掃、グラインダー仕上げ等の工程を経て、仕上
げ加工が施されることとなるが、特に本発明における鋳
造品にあっては、前述の如き、その内部に埋設されたセ
ラミックス多孔体22の一面が製品の一表面に露出され
て、該露出面が流体吸入乃至は排出面とされてなる製
品、例えば、第5図に示されている如きエアーフロント
ベース等や或いは第6図及び第7図に示されている如き
軸受け部材等においては、かかるセラミックス多孔体22
の骨格36の露出面における空孔34の開口が、セラミック
スや鋳造金属50によって閉塞されている状態にあるため
に、かかる露出面に対して切削加工や研磨加工が施され
ることによって、その空孔34が外部に開口せしめられる
こととなり、それによって目的とする流体透過性鋳造製
品が得られるのである。
従って、上述の如き手法に従えば、鋳造金属中に埋設
されるセラミックス多孔体22の空間形成部分42によっ
て、その骨格部分38の骨格36内に形成された空孔34が、
該骨格部分38の所定の面において開口、連通される流体
溜り52を、鋳造と同時に、冶金的乃至は機械的な処理を
加えることなく、任意の形状をもって且つ任意の位置に
おいて形成せしめることができるのである。
それ故、例えば、第5図に示されている如く、セラミ
ックス多孔体22が、その一面において露出せしめられる
ことにより、流体噴出面56が構成されてなるエアーフロ
ートベース54において、該セラミックス多孔体22の背部
に流体溜り52を形成せしめて、その空孔(34)を流体噴
出面56と平行な面上において該流体溜り52に開口、連通
させると共に、流体供給孔57を、流体溜り52に連通する
形態をもって穿設せしめて、かかる空孔に対する流体の
供給を、該流体溜り52を介して行なうようにすることに
よって、それら空孔の背面開口部に対して作用される流
体圧を、全面に亘って均一化することができるのであ
り、以てその流体噴出面56に位置する空孔の開口部から
噴出される流体の流量及び圧力を、全面に亘って均一化
することが可能となるのである。
また、第6図及び第7図に示されている如く、筒状の
セラミックス多孔体22が、その内周面において露出せし
められることにより、流体噴出面60が形成された静圧流
体軸受58において、該セラミックス多孔体22の外周面に
周方向に延びる流体溜り52を形成すると共に、流体供給
孔62を、該流体溜り52に連通する形態をもって穿設せし
めることにより、液体噴出面60から噴出せしめられる流
体の流量及び圧力を、周方向に均一化することが可能と
なるのである。
更にまた、第8図に示されているように、セラミック
ス多孔体22が内部に完全に埋設されることにより形成さ
れたフィルター64にあっては、かかるセラミックス多孔
体22にて形成された空孔(34)に対する流体供給側及び
流体排出側に相当する面上に、それぞれ流体溜り52を形
成すると共に、流体供給孔66及び流体排出孔68を、それ
ら流体溜り52に対して連通する形態をもって穿設せしめ
ることにより、その流体透過特性が向上せしめられ、性
能が有利に向上され得ることとなるのである。
すなわち、本発明手法に従えば、優れた流体透過特性
を備えた鋳造製品を、冶金的乃至は機械的な加工を特に
加えることなく、容易に且つ低コストにて製造すること
ができるのであり、更にまた前記実施例に示されている
如き、三次元網目構造のセラミックス多孔体22を用いる
ことによって、鋳造製品中に形成される空孔34の分布
を、全体に亘って均一に設定することが極めて容易とな
り、それ故製品において、優れた性能が安定して得られ
るといった利点をも有しているのである。
以上、流体透過性鋳造品を製造する具体例に基づい
て、本発明を詳細に説明してきたが、本発明は、そのよ
うな具体例及びそれに関連する具体的な構成の説明にの
み限定して解釈されるものではなく、例えば例示の鋳造
品の製造以外にも、マトリックス材料として、プラスチ
ック材料、ガラス材料、更にはセラミックス材料を用
い、それらを所定のセラミックス多孔体の骨格を為す組
織間隙内に充填せしめ、またセラミックス材料にあって
は、そのような充填材料を焼結して、セラミックス多孔
体と一体的な構造と為すことにより、目的とする流体透
過性製品を製造することも可能である。
また、本発明手法において用いられる焼失性成形型32
における骨格形成部材としては、例示の如き三次元網目
構造を有する樹脂発泡体26の他、焼失性材料にて形成さ
れた櫛状体若しくは剣山状製品や、更には少なくとも一
成分の糸が焼失性材料にて形成された、複数成分の糸を
用いて織成された織物などが、何れも良好に採用され得
るものである。
さらに、本実施例にあっては、そのような骨格形成部
材を用いて形成される骨格部分における骨格内の空孔
が、空間形成部材によって形成される流体溜りにおい
て、相互に連通せしめられるところから、それらの空孔
が、骨格部分自体において三次元的に連続している必要
はないのである。
加えて、前記実施例における焼失性成形型32は、骨格
形成部材としての合成樹脂発泡体26と、空間形成部材と
しての樹脂プレート28とを、接着材30によって一体的に
固着せしめることによって形成されていたが、その他、
例えば骨格形成部材の形成と同時に空間形成部材を形成
するようにすることも考えられる。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知
識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態
様において実施され得るものであり、またそのような実
施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何
れも本発明の範囲内に含まれるものであることは、言う
までもないところである。
(発明の効果) このような本発明に従えば、製品中に埋設されるセラ
ミックス多孔体の空間形成部分によって、その骨格部分
の骨格内に形成された空孔が、該骨格部分の所定の面に
おいて開口、連通される流体溜りを、かかる製品の造型
操作と同時に、冶金的乃至は機械的な処理を加えること
なく、任意の形状をもって且つ任意の位置において形成
せしめることができることとなるところから、そのよう
な流体溜りを備えた流体透過性製品を、良好なる製造性
をもって有利に製造することができるのである。
そして、かくの如き本発明手法に従って得られた流体
透過性製品においては、流体供給乃至は排出孔を、その
流体溜りに連通する形態をもって設けることにより、該
流体溜りに開口する全ての空孔に対して、均一な流体圧
を作用せしめることができるのであり、それによってか
かる流体透過性製品における流体透過特性が極めて効果
的に向上され得るのである。
従って、例えば、その内部に埋設されたセラミックス
多孔体の骨格部分における空孔が製品の一面において開
口されて、流体噴出面が構成されてなる製品にあって
は、かかる骨格部分の背部における空孔開口部が、該流
体噴出面と平行な面上において連通される流体溜りを形
成せしめることにより、かかる空孔における流体供給口
から噴出口までの距離を、実質上全体に亘って略均一化
せしめるようにすることができるのであり、それによっ
て噴出面における流体の噴出圧及び噴出量の、全面に亘
っての均一化が極めて効果的に図られ得ることとなるの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明手法の一実施例における一工程を示す断
面説明図であり、第2図はそこにおいて用いられるセラ
ミックス多孔体の一例を示す要部拡大断面図であり、第
3図はかかる製造法にて得られる鋳造品を示す要部拡大
断面図であり、第4図は第2図に示されているセラミッ
クス多孔体を形成する際に用いられる可燃性構造体を示
す断面拡大説明図である。また、第5図乃至第8図は、
それぞれ、本発明手法にて得られる鋳造製品の具体例を
示す断面説明図であって、第5図はエアーフロートベー
スを、第6図は静圧流体軸受を、第7図は第6図におけ
るVII−VII断面を、また第8図はフィルターを示す図で
ある。 10:鋳型、17:金属溶湯 20:鋳造キャビティ 22:セラミックス多孔体 26:合成樹脂発泡体、28:樹脂プレート 32:焼失性成形型、34:空孔 36:骨格、38:骨格部分 40:空間、42:空間形成部分 48:鋳造品、50:鋳造金属 52:流体溜り 54:エアーフロートベース 58:静圧流体軸受、64:フィルター

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔組織を形成する骨格自体が中空とされ
    て、全体として連続した空孔が該骨格内に形成されたセ
    ラミックス多孔体を用い、その多孔構造の間隙内に所定
    のマトリックス材料を入り込ませて一体的な構造と為す
    ことにより、該セラミックス多孔体の多孔構造の骨格内
    に形成された空孔を利用して、流体を透過せしめ得るよ
    うにした製品を製造するに際して、 三次元的に連続した骨格構造を有する、焼失性材料にて
    形成された骨格形成部材の所定の面における少なくとも
    一部に、焼失性材料からなる所定大きさの空間形成部材
    を一体的に設けてなる可燃性構造体に対して、その骨格
    形成部材における骨格の周りおよび空間形成部材の表面
    に所定のセラミックス材料を付着させ、そしてそれを焼
    成して焼結せしめて、かかる可燃性構造体を焼失させる
    ことによって得られる、前記骨格形成部材に付着せしめ
    られたセラミックス材料によって形成された、その内部
    に全体として連続した空孔を有する骨格部分と、前記空
    間形成部材に付着せしめられたセラミックス材料によっ
    て形成された、それら骨格部分に形成された空孔が開口
    せしめられる所定容積の空間を内部に有する空間形成部
    分とを備えたセラミックス構造体を、前記セラミックス
    多孔体として使用し、得られる製品の内部に、前記セラ
    ミックス多孔体の骨格内に形成された空孔に連通する流
    体溜りを形成せしめるようにしたことを特徴とする流体
    透過性製品の製造方法。
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