JP2546864B2 - 着色樹脂組成物 - Google Patents

着色樹脂組成物

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JP2546864B2 JP62325341A JP32534187A JP2546864B2 JP 2546864 B2 JP2546864 B2 JP 2546864B2 JP 62325341 A JP62325341 A JP 62325341A JP 32534187 A JP32534187 A JP 32534187A JP 2546864 B2 JP2546864 B2 JP 2546864B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な着色樹脂組成物を提供する。
なお、本発明において、平均粒子径()とは、複合
顔料を透過型電子顕微鏡で観察し粒子の長手方向の直径
を測定し、その平均の直径を算出したものをいう。また
本発明において、粒子分散性とは、粒子容積がπ/6(
±0.5)3の範囲に含まれる粒子の全粒子に対する含
有割合(%)で表示したものをいう。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
プラスチック製品の大半は着色されて販売されており
合成樹脂工業に果たす着色剤の役割は重要である。合成
樹脂の着色に利用される顔料としては、無機顔料として
黄鉛、群青、紺青、二酸化チタン被覆雲母、チタニウム
イエロー、チタンブラック、モリブデン赤、リトポン、
カドミウム黄、カドミウム赤、コバルト青等がまた有機
顔料としてはレーキレッドC、ブリリアントカーミン6
B、ブリリアントカーミン3B、フタロシアニンブルーボ
ルドー10B、ジスアゾエロー、ファーストエロー、パー
マネント4R等があげられる。これらの顔料は、広く合成
樹脂の着色に利用され、良好な着色を示している。しか
しながら、これらの顔料を利用する際には樹脂の成形、
加工、温度、硬化触媒の化学作用に耐え、かつ着色され
た製品が使用中に褐色化したり色移行を起こさない組み
合せのみに限られる。そのため合成樹脂の種類に限定さ
れた配色になってしまう。さらに顔料と樹脂の親和性に
より、顔料の樹脂中での分散性が低下し、着色むらが生
じる場合も多い。すなわち、多様な樹脂との親和性にす
ぐれ、顔料自身の分散性が高く、また化学的、物理的に
長期間安定であり、耐候性にすぐれた合成樹脂着色顔料
は今だ提案されておらず、そのため安定的に着色された
着色樹脂組成物はまだ得られていない。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は均一な着色を有しかつ粒子の分散性の良
好な微粒子の製法について鋭意研究を行ってきた。その
結果、染料及び加水分解に供し、加水分解されて無機化
合物となる原料被加水分解化合物(以下、単に被加水分
解化合物ともいう)の少なくとも一部は溶解するが反応
生成物は溶解しない中性またはアルカリ性の含水溶媒中
に、該溶媒に溶解しない核部となる微粒子の無機化合物
を存在させ該溶媒に被加水分解化合物と染料を滴下し加
水分解を行うことにより、平均粒子径が1.0〜50.0μm
かつ粒子分散性が80%以上で核部と該核部の表面にある
着色層との2層構造よりなる粒子であり、該核部は無機
化合物で形成されかつ該着色層は染料と無機化合物との
混合物で形成されてなる複合顔料が得られることを見い
出した。
この知見にもとづき更に研究を続けた結果、該複合顔
料を合成樹脂に混合する事によって色むらがなく、耐候
性にすぐれた着色樹脂組成物が得られる事を見い出し
た。また、該複合顔料を着色剤として混合可能な合成樹
脂も多様である事が分った。すなわち、本発明は、平均
粒子径が1.0〜50.0μmかつ粒子分散性が80%以上で形
状が球形状の、無機化合物よりなる核部及び染料と無機
化合物との混合物よりなる核部の表面に存在する着色層
との2層構造、あるいは、無機化合物よりなる核部、染
料もしくは染料と無機化合物との混合物よりなる核部の
表面に存在する着色層及び該着色層より染料の含有量が
少ない染料と無機化合物との混合物か染料を含まない無
機化合物で形成されてなる、着色層を被覆した固定被覆
層の3層構造よりなる複合顔料を熱可塑性樹脂、ゴム及
び熱硬化性樹脂よりなる群から選ばれた樹脂と混合して
なる着色樹脂組成物である。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明で使用する複合顔料は、その平均粒子径()
が1.0〜50.0μm好ましくは1.0〜15.0μmの範囲にある
ことが必要である。上記平均粒子径()は既に定義し
た如く、複合顔料を透過型電子顕微鏡で観察し、粒子の
長手方向の直径を測定しその平均の直径を算出したもの
をいう。後述する実施例においては、複合顔料の200個
をアトランダムに取り出し該透過型電子顕微鏡で観察
し、粒子の長手方向の直径を測定し、平均を算出して平
均粒子径()として表示した。
本発明で使用する複合顔料の平均粒子径()が前記
範囲より小さいときすなわち1.0μmより小さいときは
樹脂内で該複合顔料粒子の凝集が起り、色むらが生じ
る。また該平均粒子径()が50μmより大きいと安定
な複合顔料を得ることは困難である。
また本発明で使用する複合顔料はその粒子分散性が80
%以上、好ましくは90%以上であることが必要である。
該粒子分散性は既に定義した如く、粒子容積がπ/6
(±0.5)3の範囲に含まれる粒子の全粒子に対す
る含有割合(%)である。該粒子分散性の要因は該複合
顔料を樹脂の着色剤として用いる時、樹脂中での分散性
を良くし、色むらをなくす重要な要件となる。該粒子分
散性が80%より小さくなると、該複合顔料を合成樹脂に
混合した際該複合顔料の凝集による色むらが生じる。該
粒子分散性は該複合顔料による合成樹脂の着色に際して
は、良好な程好ましく、90%以上になれば更に好まし
い。また前記粒子分散性を表示する粒子容積の式がπ/6
(±0.3)3更にπ/6(±0.1)3の範囲に含ま
れる粒子が全粒子に対する含有割合(%)で80%以上、
好ましくは90%以上となる複合顔料であればなお良好で
ある。本発明の粒子分散性は如何なる方法で測定しても
よいが、一般には同一容積を測定する装置例えばコール
タールカウンター社製モデルZD-1を利用すれば簡単に測
定することができる。
本発明で使用する複合顔料の形状は、球形状であり、
就中真珠状体のものは前記粒子分散性がすぐれているの
で好適である。
本発明で使用する複合顔料は、前記形状の特徴の他に
下記のような構造上の特徴を有しているものが好まし
い。すなわち核部と該核部は無機化合物で形成されかつ
該着色層は染料と無機化合物との混合物で形成された2
層構造、あるいは核部は無機化合物で形成されかつ着色
層は染料もしくは染料と無機化合物との混合物で形成さ
れ更に着色層表面を、該着色層より染料の含有量が少な
い染料と無機化合物との混合物が染料を含まない無機化
合物で形成されてなる固定被覆層で被覆した3層構造を
とりうる。
上記核部は本発明で使用する複合顔料の平均粒子径が
1.0〜50.0μmである制約がある関係上、該粒子径より
小さい粒子であることは明白で、一般に0.05〜45.0μ
m、好ましくは0.5〜10.0μmの粒子径からなってい
る。そして該核部自身、分散性が良好である方が好適で
ある。また本発明で使用する複合顔料の核部の素材は特
に限定されず、公知の無機化合物が使用できる。特に好
適に使用される無機化合物を具体的に例示すれば、アル
ミニウム,チタニウム,ジルコニウム,ハフニウム,
錫,鉛,鉄,コバルト,ニッケル等の周期律表第III
族,第IV族または第VIII族の金属の酸化物またはホウ
素,ケイ素,ゲルマニウム等の周期律表第III族または
第IV族の半金属の酸化物等である。また上記無機化合物
としては次のような複合酸化物も好適に使用される。す
なわち上記周期律表第III族,第IV族または第VIII族の
相互金属間の複合酸化物あるいは上記金属と周期律表第
I族,第II族または第V族の金属との複合酸化物であ
る。上記周期律表第I族,第II族及び第V族の金属に特
に限定されないが、一般にはリチウム,ナトリウム,カ
リウム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,
バリウム,リン,アンチモン,ビスマス,バナジウム,
ニオブ,タンタル等が好適である。また一般に上記複合
酸化物にあっては、その主な成分は前記周期律表第III
族,第IV族または第VIII族の金属成分であるのが好まし
く、これらの金属を80モル%以上含むものが特に好まし
い。
また更に該核部を構成する無機化合物としては、炭酸
カルシウム,炭酸マグネシウム等の炭酸塩や硫酸バリウ
ム,硫酸ストロンチウム等の硫酸塩も使用できる。該複
合顔料において、上記核部を形成する無機化合物として
最も好適に使用されるものは、シリカ,アルミナ,チタ
ニア,ジルコニアあるいはこれらを主な構成成分とする
複合酸化物である。これらの金属酸化物,半金属酸化物
または複合酸化物は公知の化合物であり、その製法も特
に限定されるものではない。代表的なこれらの化合物の
製法は、例えばジャーナル オブ コロイド アンド
インタフェース サイアンス(Journal of colloid and
intarface science)26,62〜69(1968),特開昭52-13
8094号公報、英国特許第2,115,799号公報等に記載され
た手段またはこの手段に準じて実施すればよい。また上
記複合酸化物の代表的なものは、上記英国特許第2,115,
799号公報に示される,シリカと周期律表第I族,第II
族,第III族及び第IV族からなる群より選ばれた少なく
とも1種の複合金属酸化物であり、一般には該シリカが
80モル%以上含まれるものである。
本発明で使用する複合顔料を構成する上記核部の表面
にある着色層は、染料または染料と無機化合物との混合
物で形成されている。この構造が該複合顔料を合成樹脂
着色材として用いる際、重要な要件となる。第1に顔料
の着色は染料であるため、染料の持つ色彩の多様性がそ
のまま顔料の色彩となる。また、後述の様にさらに該複
合顔料をさらに無機化合物で被覆した複合顔料では化学
的物理的性質を染料ではなく無機化合物が支配する。そ
のため化学的,物理的に極めて安定な顔料となる。さら
に後述の様に表面をシランカップリング剤等により処理
する事で、合成樹脂に対する親和性を自由に調整する事
が可能である。
また第二の理由は染料が種々の機能性材料であり、電
気伝導性,光電池性,フォトクロミック性等必要に応じ
た機能性を複合顔料に付与できるからである。その他染
料を使用することにより色調及び着色度が多様に選択で
きる利点があり、しかも低含有量でこれらの性状を付与
できる利点がある。従って、前記着色層の構成成分とし
て染料が混合されていることは極めて重要な要因とな
る。上記染料は単独で使用できるが、2種以上を混合し
て使用することも可能である。該染料を混合して使用す
ることは色調をさらに幅広く調製できるのでしばしば好
適な態様となりうる。
前記着色層の構成成分としての染料は特に限定され
ず、公知の染料から必要に応じて選択して用いればよ
い。一般的にはカチオン染料が最も効果的であり、次い
で含金属染料、更に次いで反応染料及び螢光増白染料が
好適である。また用途によっては上記各種染料より多少
劣るケースもあるが、分散染料、直接染料、酸性染料、
酸性媒染染料、その他の染料も十分に使用できる。特に
好適に使用されるこれらの各染料について、その代表的
なものをより具体的に例示すれば下記のとおりである。
カチオン染料としては、マラカイトグリーン,ローダ
ミンB,メチレンブルー,オーラミン,マジエンタ,ビス
マルクブラウン,メチルバイオレット,クリスタルバイ
オレット,ダイアクリル(三菱化成(株)の登録商
標),スミアクリル(住友化学(株)の登録商標),ア
イゼンカチオン(保土谷化学(株)の登録商標)等が挙
げられ、分散染料としては、ダイアニックス(三菱化成
(株)の登録商標),ディスパゾール(アイ・シー・ア
イ社の登録商標),ミケトンポリエステル(三井東圧化
学(株)の登録商標),リゾライン(バイエル社の登録
商標),スミカロン(住友化学(株)の登録商標),テ
ラジル(チバ・ガイギー社の登録商標)等が挙げられ
る。また、直接染料としては、コンゴーレッド,ダイレ
クトディープブラックEW,クリソフェニンG,ベンザミン
(バイエル社の登録商標),キュプロフェニール(チバ
・ガイギー社の登録商標),ジャパノール,スミライト
(住友化学(株)の登録商標),ダイアコットン(三菱
化成(株)の登録商標),リゾフィックス(サンド社の
登録商標)等が挙げられ、酸性染料としては、アリザリ
ンサフィロールB,アリザリンダイレクトブルーA,アリザ
リンシアニングリーンG,カルボラングリーンG,ダイアシ
ッド(三菱化成(株)の登録商標),カルボラン(アイ
・シー・アイ社の登録商標),アミド,アントラ,アン
トラン(ヘキスト社の登録商標),スミノール(住友化
成(株)の登録商標)等が挙げられる。さらに、酸性媒
染染料としては、ダイヤモンドブラックF,クロムファス
トネビーブルーB,パラチンファストブルーBN,アントラ
セン(サンド社の登録商標),ミツイ(三井東圧化学
(株)の登録商標),ソロクロム(アイ・シー・アイ社
の登録商標),サンクロミン(住友化成(株)の登録商
標)等が挙げられ、含金属染料としては、アシドール
(BASF社の登録商標),アイゼンオパル(保土谷化学
(株)の登録商標),オレオソール(田岡化学の登録商
標),ラナファスト(三井東圧化学(株)の登録商
標),ラニール,スミラン(住友化学(株)の登録商
標),イソラン(バイエル社の登録商標)等が挙げら
れ、反応染料としてはセルマゾール(三井東圧化学
(株)の登録商標),ダイアミラ,ミカシロン(三菱化
成(株)の登録商標),スミフィックス(住友化学
(株)の登録商標),レバフィックス(バイエル社の登
録商標),レマゾール(ヘキスト社の登録商標)等、螢
光増白染料としては、ミカホワイト(三菱化成(株)の
登録商標),ホワイトテックス(住友化学(株)の登録
商標)等が挙げられる。
本発明で使用する複合顔料の着色層の構成は、染料の
みで形成してもよく、また染料と無機化合物との混合物
で形成してもよい。該無機化合物は前記核部の成分と同
様の化合物が特に限定されず使用できる。該無機化合物
を染料との混合物として使用する態様はしばしば好まし
い。その理由は例えば染料の発色性が紫外線によって劣
化するのを防ぎ保存性能を良くすること、染料を高濃度
に保ち取扱い易くすること等である。従って、染料と該
無機化合物との混合物として該着色層を形成するときは
両成分は化学的または物理的な手段で容易に分離しない
ものが好ましく、できれば化学的に結合しているものが
好ましい。このような性状の混合物は複合顔料の製造方
法、該製造に使用する原料の種類等によって異なるので
予め決定するのが好ましい。本発明の着色層における染
料と無機化合物との組成比は、その使用目的によって異
なり一概に限定することはできないが、一般には染料が
複合顔料中に0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜5重量
%の範囲で含まれるように選択するのが好適である。
本発明の複合顔料は、前記の如く核部と着色層との少
なくとも2層構造よりなる粒子であるが、該核部と着色
層との厚みは特に限定されず、使用目的に応じた性状に
基づいて決定すればよい。一般には該核部が該複合顔料
の直径の1/5〜4/5、好ましくは1/5〜2/5の範囲となるよ
うに選ぶのが好適である。
本発明で使用する複合顔料は、前記の如く核部とその
表面にある着色層との2層構造を有していればよく、必
要に応じて上記着色層に更に固定被覆層を設けた3層構
造あるいはそれ以上の多層構造とすることも好適であ
る。該3層以上の多層構造とする場合は、前記染料の発
色性の安定保存性,取扱いの容易性等の目的から最外部
層はできるだけ染料を含有しない無機化合物で構成させ
るのが好ましい。しかし、該最外部層には染料が含有さ
れている層を排除するという意味ではなく、一般には核
部の表面にある着色層に含まれる染料に較べて例えば20
重量%程度までの染料の含有量であれば不利になる要素
は少ない。
また上記3層以上の多層構造とする場合の3層目以上
の厚みは特に限定されるものではなく、使用目的に応じ
て適宜決定すればよいが、一般には複合顔料の直径の2/
5〜1/10、好ましくは2/5〜1/5の範囲が好適である。
本発明で使用する複合顔料は前記説明した如く新規な
粒子である。特に有機化合物である染料または染料と無
機化合物との混合物が無機化合物の核部に厚く成長し、
粒子分散性が80%以上の粒子状として存在することは驚
くべき現象である。
上記複合顔料の製造方法は特に限定されるものではな
いが、代表的なものを例示すれば次のとおりである。
上記複合顔料の製法にあっては、原料となる染料及び
被加水分解化合物は溶解するが加水分解は溶解しない溶
媒が使用される。該溶媒は染料あるいは被加水分解化合
物の種類に応じて上記性状のものを予め決定して使用す
ればよい。ただし、これらの原料は完全に溶解する必要
はなく、その一部を溶解するものであれば使用できる。
通常好適に採用される溶媒について具体的に示せば、例
えば後述する反応性,操作性,入手が容易なこと等の理
由で、一般にはメタノール,エタノール,イソプロパノ
ール,ブタノール,イソアミルアルコール,エチレング
リコール,プロピレングリコール等のアルコール溶媒が
好適に用いられる。またジオキサン,ジエチルエーテル
等のエーテル溶媒,酢酸エチルなどのエステル溶媒等の
有機溶媒を上記アルコール溶媒に一部混合して用いるこ
ともできる。
前記溶媒中には後述する如く被加水分解化合物が加水
分解される必要があるので、水が含有されている必要が
ある。該水の含有量は被加水分解化合物の種類または溶
媒のアルカリ性度等によっても異なり一概に限定するこ
とができない。一般には0.05〜5重量%の範囲から選べ
ば好適である。前記具体的に例示した溶媒にあっては、
例えばアルコールの如く、一般に上記範囲の水は含まれ
るものがあり、このような溶媒にあっては特に含水量を
制御する必要がない。
また上記溶媒は、通常中性またはアルカリ性の状態で
使用するのが一般的である。溶媒が酸性である場合は加
水分解によって得られる複合顔料の粒子分散性が著しく
小さく、ほとんどのケースにおいてゲル状の粉状物とな
り目的とする粒子を得ることができないので好ましくな
い。また該溶媒をアルカリ性とする手段は如何なる方法
でもよいが、一般にはアンモニア水また水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカ
リを添加するか、あるいはこれらの化合物を併用する方
法が好適である。これらの化合物の添加量も特に限定せ
ず適宜決定して用いればよいが、一般にはアンモニア水
を用いるときはアンモニア濃度が5〜30重量%、好まし
くは10〜25重量%の範囲となるように選べば好適であ
る。またアンモニア水と水酸化アルカリとを併用すると
きは水酸化アルカリの添加量によって得られる粒子の大
きさを制御できるのでしばしば好適な態様として使用さ
れる。例えば上記アンモニア水に水酸化アルカリ濃度が
0.05〜0.15重量%の範囲で使用され、該水酸化アルカリ
濃度が増加するに従って得られる粒子径が大きくなる傾
向を示す。
特定複合体粒子の製法にあっては、前記含水溶媒中
に、該溶媒に溶解しない核部となる無機化合物を存在さ
せておき、該溶媒に被加水分解化合物と染料を滴下し加
水分解反応を行うのが好ましい。
該核部となる無機化合物は前記したものが使用できる
が、一般には後述する被加水分解化合物を溶媒中で予め
加水分解し、該溶媒に溶解しない化合物を析出させ、該
析出物を上記核部とする方法も好適に採用される。該溶
媒中に存在する核部の濃度は特に限定されず必要に応じ
て予め決定して使用すればよいが一般には0.1〜10重量
%の範囲から選ぶのが好適である。
染料及び被加水分解化合物は上記核部が存在する溶媒
に滴下される。従って、該染料は予め溶媒に溶解させて
用いるか被加水分解化合物で溶液状のものに溶解させて
用いるのがよい。また被加水分解化合物も同様に溶液状
にして使用するのが好ましい。勿論染料と被加水分解化
合物を同一の溶媒に溶解して、前記含水溶媒に同時に滴
下することも、別々の滴下装置から該含水溶媒に別々に
滴下することも必要に応じて選択できる。
また前記原料を溶解した溶液の濃度は、一般に低い方
が好ましいが、低くすぎると溶媒の使用量が著しく増大
するし、濃度が高すぎると反応の制御が難しくなったり
取扱いが不便になるので、これらを勘案して適宜決定す
ればよい。一般には原料濃度が60重量%以下、好ましく
は5〜50重量%の範囲の濃度として使用するのが最も好
ましい。
更にまた上記染料及び被加水分解化合物の滴下速度は
得られる複合体粒子の粒子径及び粒子分散性に影響を与
えるので、他の条件に応じて予め決定して使用するのが
好ましい。一般には含水溶媒の量の0.5〜10重量%、好
ましくは0.5〜2重量%の量を1時間かけて滴下させる
ことを目やすにすればよい。例えば含水溶媒2l使用すれ
ば、原料は10〜200ml/時間の速度を目やすとすればよ
い。
前記原料として使用する被加水分解化合物はその一部
例えば10%以上が溶媒に溶解し加水分解可能であるもの
であれば特に限定されず用いうる。一般に好適に使用さ
れる被加水分解化合物は、前記核部を構成する成分とし
て説明した金属のアルコキサイドである。すなわち、一
般式Mx(OR)x(ただし、Mは金属または半金属を示し、
xはMの原子価を示す)で示されるアルコサイド化合物
が好ましい。該一般式中、Rはアルキル基で、一般には
メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基等の低
級アルキル基が好適に使用される。また、上記金属のア
ルコキサイドは加水分解によって単独で金属酸化物の着
色層を形成しうるものもあるが、他の金属成分と複合酸
化物を形成しなければ該着色層を形成し得ないものもあ
る。これらの区別は予め加水分解することで簡単に決定
できるので、実施に際し予め決定するとよい。一般には
前記核部を構成する無機化合物について説明したと同様
の傾向がある。すなわち、一般には周期律表第III族,
第IV族または第VIII族の金属の酸化物は単独で上記着色
層を形成しうるが、周期律表第I族,第II族または第V
族の金属は上記周期律表第III族,第IV族または第VIII
族の金属との間で複合酸化物として使用するのが好適で
ある。更にまた上記一般式中、Mは前記性状を示すもの
であれば特に限定されず使用することができるが、一般
に好適に使用されうるものを例示すれば次のとおりであ
る。すなわち、一般には一般式M1(OR1),M2(OR1)2,M3(OR
1)3,M4(OR1)4,M5(OR1)5,M8(OR1)3,(ただし、R1はアル
キル基)で表示される金属のアルコキサイドまたは上記
一般式中の一つまたは二つのアルコキシル基(OR1)が
カルボキシル基で置換された化合物が好ましい。ここで
M1は第I族の金属、M2は第II族の金属、M3は第III族の
金属、M4は第IV族の金属、M5は第V族の金属、M8は第VI
II族の金属で具体的には、例えばリチウム,ナトリウ
ム,カリウム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチ
ウム,バリウム,アルミニウム,チタニウム,ケイ素,
ジルコニウム,ゲルマニウム,ハフニウム,錫,鉛,リ
ン,バナジウム,ニオブ,タンタル,鉄,コバルト,ニ
ッケル等が好適に使用される。一般に好適に使用される
上記化合物を具体的に例示すると、NaOCH3,NaOC2H5,NaO
C3H7等のナトリウムアルコキサイド及び上記Naに代っ
て、Li,K等で代替した第I族金属のアルコキサイド;Mg
(OCH3)2,Mg(OC2H5)2,Mg(OC3H7)2,Mg(OC4H9)2,Mg(OC
5H11)2等のマグネシウムアルコキサイド及び上記Mgに代
って、Ca,Sr,Ba等で代替した第II族のアルコキサイド;
Al(OC2H5)3,Al(OC3H7)3,Al(OC4H9)3等のアルミニウムア
ルコキサイド及び上記Alに代って、Bなどで代替した第
III族金属のアルコキサイド、Ti(O-isoC3H7)4,Ti(O-nC4
H9)4,Ti(O-CH2CH(C2H5)C4H9)4,Ti(O-C17H35)4,Ti(O-iso
C3H7)2〔OCH(CH3)CHCOCH3〕2,Ti(O-nC4H9)2〔OC2H4N(C2
H4OH)2〕2,Ti(OH)2〔OCH(CH3)COOH〕2,Ti(OCH2CH(C2H5)
CH(OH)C3H7)4,Ti(O-nC4H9)2(OCOC17H35)2等のチタンア
ルコキサイド及び上記Tiに代ってSi,Zr,Ge,Hf,Sn,Pb等
で代替した第IV族金属のアルコキサイド; V(OC2H5)4,V(O-isoC3H7)4,V(O-nC4H9)4,V(O-tertC4H9)4
等のバナジウムアルコキサイド及び上記Vに代ってNb,T
a,P,Sb,Bi等で代替した第V族金属のアルコキサイド; Fe(OC2H5)3,Fe(O-nC3H7)3,Fe(O-nC4H9)3,Fe(O-secC4H9)
3,Fe(O-tertC4H9)3等の鉄アルコキサイド及び上記Feに
代って、Co,Ni等で代替した第VIII族金属のアルコキサ
イド等である。また、CaCl2,Ca〔HOC6H4COO〕2・2H2Oな
どの化合物も上記の金属のアルコキサイドに混合して使
用できる。
被加水分解化合物は前記説明した如く1種だけを使用
する必要はなく、同時に2種以上を使用することもしば
しば好ましい態様となる場合がある。また例えば英国特
許第2,115,977号公報実施例に記載されている如く、ア
ルコキシシランの低縮合物と他の金属のアルコキシドを
予め混合し混合溶液を調製し、この調製した混合溶液を
原料として使用することもできる。
複合顔料の他の原料となる染料は一部例えば溶媒100
重量部に対して1重量部以上、好ましくは5重量部以
上、更に好ましくは10重量部以上を溶解するものであれ
ば特に限定されず用いうる。一般的には前記着色層の構
成成分として説明した各種染料が好適に使用できる。ま
た該染料は一般に0.001〜1重量%の濃度で使用するの
が好ましい。更には溶媒中に常に0.05〜0.5重量%、好
ましくは0.05〜0.2重量%の染料が存在するように選ん
でもよい。
前記原料は溶媒中で直ちに加水分解反応を起し粒子状
で不溶性の析出物となる。該加水分解の条件は特に限定
されず、如何なる条件をも選び得るが、一般には攪拌ま
たは非攪拌下に5〜50℃、好ましくは10〜30℃の範囲の
温度で実施すると好適である。
前記方法で加水分解して得られる析出と無機化合物と
の複合体粒子は平均粒子径()が1.0〜50.0μmのも
ので非凝集性のもので、その粒子分散性も80%以上ほと
んどのケースで90%以上となる。このように溶媒中に核
部が存在していれば、一見成長反応を阻害すると考えら
れる染料の存在下でも加水分解反応が該核部に着色層を
生成させる形で進行することは全く驚くべき現象であ
る。しかも該染料は着色層に強固に固定され、該染料に
応じた着色性の複合顔料となる。このようにして得られ
た複合顔料は染料を含まない無機化合物よりなる核部に
染料と無機化合物との混合物で構成された着色層が存在
する複合顔料となる。
また別の製法を例示すると次のような方法も好適であ
る。複合顔料の核部となる金属酸化物粒子として粒子分
散性が良好な例えば80%以上のかつ多孔性粒子を選び、
染料を溶解した溶液と該多孔性粒子を接触させることに
より、該多孔性粒子に染料を含浸させた複合顔料が得ら
れる。上記複合顔料の製法にあっては多孔性粒子の選択
が重要な要件となる。勿論、該多孔性粒子の製法は限定
されるものではない。しかし、一般には次のような方法
で得られた多孔性粒子が特に好適である。例えば周期律
表第III族、第IV族または第VIII族の金属とカリウム,
ナトリウム,リチウム等がアルカリ金属とよりなる複合
酸化物を前記金属アルコキサイドの加水分解法によって
製造する。次いで得られた複合酸化物を硫酸,硝酸,塩
酸等の鉱酸溶液と接触させることによって含有アルカリ
金属成分を溶出させると、得られる粒子は多孔性でしか
も粒子分散性が80%以上のすぐれたものとなる。このよ
うな粒子を使用することにより、前記染料を含浸させた
すなわち核部の表面に染料が存在した複合顔料となる。
該複合顔料は必要に応じて乾燥して使用に供するか後処
理に供すればよい。
場合によっては前記染料または染料と無機化合物との
混合物で構成された着色層から該染料が溶出することも
ある。このような場合には該着色層に更に染料含有量が
少ない無機化合物または染料を全く含まない無機化合物
の固定被覆層を被覆させた3層構造あるいは該3層構造
に更に前記積層をくりかえし4層以上の構造とした複合
顔料とすることができる。該3層以上の多層構造とする
手段は特に限定されず如何なる手段を利用してもよい。
一般に好適に採用される方法を例示すれば、前記核部と
なる無機化合物が存在する含水溶媒中に染料及び被加水
分解化合物を滴下し、該原料を加水分解させ2層構造の
粒子を生成させた後、あるいは染料を含浸した多孔性粒
子を製造した後同一の反応容器中に該被加水分解化合物
のみを更に滴下し加水分解を行う方法あるいは前記2層
構造の粒子または染料含浸の多孔性粒子の製造系から未
反応未含浸の染料を分離し、次いで被加水分解化合物を
更に滴下し加水分解させて複合顔料を得る方法である。
前者すなわち反応を同一系で行う場合は3層構造の複合
顔料が得られるが3層目の固定被覆層は核部への着色層
が形成されるとき消化された残りの染料が溶媒中に溶解
されているにもかかわらず、滴下する被加水分解化合物
溶液中に染料が含まれていないときは著しく染料の含有
量が少ない組成のものとなる。この場合は通常核部に直
接形成される着色層に含まれる染料の約1/5程度または
それ以下、好ましくは1/10以下となる。かかる現象も一
般的反応からすると驚異的な現象であるが、その作用は
現在のところ明らかではない。従って、前記の複合顔料
の製法は特別の反応形式をとる必要はなく、唯一の反応
器で3層以上の層を積層することによって得ることもで
きる。そしてこのようにして得られた複合顔料にあって
は、3層目に少量の染料が含まれても染料が溶出するこ
とはほとんどないすぐれた球状の粒子となる。
以上のことから、無機化合物の核と着色層の製造を一
連の操作で行う場合の染料の添加時期は、得られる複合
顔料の粒子径を特定の範囲に調製するため及び複合顔料
からの染料の溶出を防止するために、核と着色層の形成
に要する全合成時間を1としたとき、0.1〜0.9、特に好
ましくは0.2〜0.8で示される時間内に染料の添加を開始
し、また完了することによって目的の複合顔料とするこ
とができる。
前記3層構造以上の多層構造の複合顔料を得るとき、
核部の表面にある着色層を被覆した2層構造の粒子から
未反応または未含浸の染料を分離後、例えば該粒子製造
に使用したと同一溶媒で数回洗浄後、該粒子を含む溶媒
中に染料を含まない被加水分解化合物を液滴下し該被加
水分解化合物を加水分解すれば、3層構造目の固定被覆
層は染料をほとんど含まない層となる。
前記2層構造または3層構造を有する複合顔料に更に
前記のような処理を行うことにより、3層構造以上の多
層の構造を有する複合顔料とすることができる。多層構
造の該複合顔料にあっては着色層の着色度合をより鮮明
に表示するため前記固定被覆層を透光性の材料から選ぶ
のが好ましい。この意味では固体被覆層は周期律表第II
I族または第IV族の金属あるいは該金属と周期律表第I
族,第II族または第V族の金属との複合酸化物であるの
が好ましい。
本発明で使用する複合顔料は混合する合成樹脂との親
和性を向上させ、該複合顔料の分散性を良くし、色むら
をなくすために、該複合顔料を表面処理することもしば
しば好適な手段である。この表面処理方法は、特に限定
的でなく、公知の方法が好適に採用される。例えばシラ
ンカップリング剤あるいはチタンカップリング剤などに
より表面処理できる。シランカップリング剤としては、
ビニルトリクロロシラン,ビニル−トリス(β−メトキ
シエトキシ)シラン,γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン,γ−メタクリロキシプロピルメチルジ
メトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン,γ−クロロプロピルトリメトキシシラン,β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン,トリメチルクロロシラン,ジメチルジクロロ
シラン,ヘキサメチルジシラザン,メチルトリエトキシ
シラン,フエニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
チタンカップリング剤としては、イソプロピルトリイソ
ステアロイルチタネート,イソプロピルトリデシルベン
ゼンスルホニルチタネート,イソプロピルトリスジオク
チルパイロホスフェートチタネート,テトライソプロピ
ルビスジオクチルホスファイトチタネート,テトラオク
チルビスジトリデシルホスファイトチタネート,ビスジ
オクチルパイロホスフェートエチレンチタネート,イソ
プロピルトリオクタノイルチタネート,ジイソステアロ
イエチレンチタネート等があげられる。上記以外にも表
面処理剤として有機ジルコアルミネート化合物等既知の
ものが使用できる。また、表面処理法は既知の方法すな
わち乾式法及び湿式法のいずれも使用できるが、分散状
態のまま処理する湿式法が好ましく採用される。表面処
理においては、表面処理剤濃度,処理温度,処理時間等
の処理条件によって、複合顔料の疏水性が大きく変化す
るので目的に応じて処理条件を選択すればよい。
また該表面処理剤で該複合顔料を処理する場合表面処
理剤の複合顔料粒子表面積に対する添加量によっても、
疎水性を調整する事は可能である。この添加量は混合す
る合成樹脂の疎水性に依存するので、一概には言えない
が該複合顔料粒子の表面積に対して0〜200%好ましく
は0〜100%である。
以上のようにして得られた複合顔料は、染料の種類に
よって任意の色に着色でき、また特定の粒子径を有して
おり且つ樹脂に対する親和性の調節が可能であり、合成
樹脂の着色用複合顔料として好適に使用し得る。
以下に該複合顔料を樹脂の着色剤として用いるケース
について詳述する。
本発明において用いられる樹脂としては公知の熱可塑
性樹脂、ゴム及び熱硬化性樹脂の群から選ばれる。これ
らを具体的に例示すれば熱可塑性樹脂としては、ポリエ
チレン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリ−4−メチ
ルペンテン1、等のポリオレフィン及びそれらの共重合
体;ポリスチレン,ポリビニルトルエン,ポリ−4−ク
ロルメチルスチレン,ポリ酢酸ビニル,ポリアクリロニ
トリル,ポリ−α−メチルアクリロニトリル,ポリエチ
ルビニルエーテル,ポリブチルビニルエーテル,ポリメ
チルビニルケトン,ポリメチルメタクリレート,ポリエ
チルメタクリレート,ポリブチルメタクリレート,ポリ
グリシジルメタクリレート,ポリアクリレート,ポリメ
チルアクレイレート,ポリ塩化ビニル,ポリ臭化ビニ
ル,ポリ弗化ビニル,等のビニル化ポリマー及びそれら
の共重合体;ポリエチレノキシド,ポリプロピレンオキ
シド,ポリブテンオキシド,等のポリアルキレンオキシ
ド及びそれらの共重合体等;ゴムとしては、ポリブタジ
エン,ポリイソプレン,ポリイソブチレン,ポリクロロ
プレン,エチレン−プロピレン共重合ゴム,スチレン−
ブタジエン共重合ゴム,アクリロニトリル−ブタジエン
共重合ゴム等;熱硬化性樹脂としてはナイロン,ポリエ
ステル,ポリフェニルエーテル,ポリフェニルサルファ
イド,等の縮合重合体;ポリアセタール,ポリカーボネ
ート,ポリウレタン,等の重付加重合体;エポキシ樹
脂,フェノール樹脂等があげられる。
上記樹脂を該複合顔料と混合する際樹脂の混合割合
は、着色樹脂の使用目的,着色度,強度等に依存するの
で一概には言えないが、一般には10〜90重量%好ましく
は20〜50重量%の範囲から選べば好適である。該樹脂の
割合が少なくなると強度が低下する傾向があり、逆に樹
脂の割合が多くなると着色度のコントロールが難しくな
る傾向があるので必要に応じて予め配合割合を決定する
と好適である。
該複合顔料を樹脂に混合し、着色樹脂組成物を得る
際、該複合顔料を単独で使用する事も可能であるが、公
知の顔料と混合して使用する事も可能である。混合可能
な公知の顔料をより具体的に例示すれば無機顔料とし
て、黄鉛,群青,紺青,二酸化チタン被覆雲母,チタニ
ウムイエロー,チタンブラック,モリブデン赤,リトポ
ン,カドミウム黄,カドミウム赤,コバルト青等が、有
機顔料としては、レーキレッドC,ブリリアントカーミン
6B,ブリリアントカーミン3B,フタロシアニンブルー,ボ
ルドー10B,ジアゾエロー,ファーストエロー,パーマネ
ント4R等があげられる。また公知の顔料の混合割合は、
着色度,色調の調整や着色樹脂組成物の使用目的によっ
ても異なるので一概には言えないが、1〜20重量%、好
ましくは5〜10重量%である。
樹脂に該複合顔料を混合し、着色樹脂組成物を得る際
に、該着色樹脂組成物の加工性,成型性,安定性等を向
上させるために、公知の可塑剤,安定剤,充填剤,等を
必要に応じて添加する事も好適である。公知の可塑剤と
してはジオクチルフタレート(DOP)、ジメチルフタレ
ート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフ
タレート(DBP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ブチ
ルベンジルフタレート(BBP)等の無水フタル酸ジエス
テル類;リン酸トリクレジル,トリエチルホスフェー
ト,トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;
等が公知の安定剤としては、ジ−n−オクチルスズビス
(イソオクチルチオグリコール酸エステル),ジ−n−
オクチルスズマレイン酸塩ポリマー,ジ−n−ブチルス
ズビスマレイン酸エステル塩,ジ−n−ブチルスズビス
オクチルチオグリコールエステル塩,ジ−n−ブチルス
ズジラウレート,等の有機スズ系安定剤;鉛系石ケン,
カドミウム系石ケン,亜鉛系石ケン,バリウム系石ケ
ン,等の金属石ケン系安定剤;等、公知の充填剤として
は、カーボンブラック,ホワイトカーボン,炭酸カルシ
ウム,炭酸マグネシウム,カオリン,パイロフィライ
ト,タルク,セリサイト,アスベスト,マイカ,ベント
ナイト,ゼオライト,ケイ砂,アルミナ,硫酸バリウム
等の無機充填剤;木粉,果実殻粉,セルロース等の有機
充填剤があげられる。これ等添加剤の配合割合は該着色
合成樹脂の使用目的、成型形態に依存するので一概には
言えないが、可塑剤としては5〜60重量%、好ましくは
10〜30重量%であり、安定剤としては、1〜20重量%好
ましくは2〜5重量%、充填剤としては50〜300重量
%、好ましくは80〜200重量%である。
〔効果〕
複合顔料を着色材として用いた着色樹脂組成物は、色
むらがなく、その色は加工時の熱,化学作用に対しても
安定であり、耐候性にもすぐれたものである。これは
(1)該複合顔料の粒子分散性が80%以上と高い事、
(2)該複合顔料が染料を含んだ無機物であるという新
規の構造を有している事に起因する。さらに該複合顔料
は染料により着色されているため色は豊富であり、色調
の調節は顔料合成時に可能である。このため着色樹脂組
成物はほとんど自由に好きな色を着色する事が可能であ
る。また該複合顔料を表面処理剤で処理する事によっ
て、樹脂への親和性を調節でき、着色される樹脂の種類
を選ばない。
本発明を更に具体的に説明するため以下実施例を挙げ
て説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
なお、以下の実施例における複合顔料の性状は、以下
の方法により測定した。
(1)平均粒子径() 平均粒子径()は透過型電子顕微鏡の観察でアット
ランダムに取り出した200個の粒子の長手方向の直径を
測定し、その平均の直径を算出したものである。
(2)粒子径の分散値(SD) 粒子径の分散値(SD)は各粒子の粒子径の標準偏差を
平均粒子径で除して、100をかけた値である。
(3)粒子分散値(PD) 粒子分散値(PD)はπ/6(±0.5)3の範囲の体
積を有する粒子数を全粒子数で除し、100をかけた値
(%)で表示した。なお、粒子体積の測定と粒子数のカ
ウントはコールターカウンター社製モデルZD-1を用いて
行った。
(4)染料の溶出量(SC) メタノールに溶解した染料濃度と該濃度における吸光
度を分光分析し、該染料の吸光係数(ε)を求める。別
に、複合顔料をメタノール5mlに5重量%濃度となるよ
うに分散させ、1週間放置後上清4mlを取り分光分析し
該上清の吸光度(A)を求める。染料の溶出量(C)を
下式より算出した。
C=A/ε (5)複合顔料中の染料含量(DC) 先ず上記(4)と同様な方法で染料の吸光係数(ε)
を求める。別に、メタノールに複合顔料を0.5重量%濃
度で分散し、この分散液の4mlをとり、この重量と吸光
度(A′)を分光分析する。更に別に、複合顔料の核部
を構成する無機化合物で、該複合顔料と同じ平均粒子径
を有する無機化合物粒子をメタノールに0.5重量%濃度
で分散し、この分散液の吸光度(A″)を分光光析す
る。
上記測定結果より下記式で該複合顔料中に含まれる染
料の重量(DW)を算出する。
DW=(A′−A″)/ε 次いで、前記複合顔料のメタノール分散液4mlの重量
からアルコール液重量を差引いて、4ml中の複合顔料重
量(PW)を算出する。
最後に該複合顔料中の染料含量(DC)を下記式で算出
する。
(6)着色合成樹脂の着色度 実施例により得られた、着色合成樹脂をデジタル側色
色差計MODEL TC-1500MC(東京電色株式会社)にかけ、
白色からの色差を、NBS単位で表示した。また該着色合
成樹脂の色については目視により色を示した。
(7)着色合成樹脂の変色 塩ビ板で暗箱を加工し、暗箱中に紫外線ランプ及びフ
ァンを取り付けた。該暗箱中に着色合成樹脂を入れ、紫
外線ランプを240時間(10日間)照射した。照射前と照
射後の着色合成樹脂を上記色差計にかけ、照射前後の色
差をNBS単位で表示した。
実施例1 染料を含有するシリカ粒子の合成及び表面処理 攪拌機付きガラス製フラスコ中にメタノール2800ml、
アンモニア水(25重量%)616ml、水酸化ナトリウム水
溶液(5モル/l)30mlを加え10℃に保った後に、テトラ
エチルシリケートのメタノール溶液(22重量%)512ml
を25.5ml/hrの速度で滴々添加し、シリカ粒子(平均粒
子径2.31μm)をつくった。このシリカ粒子を含む反応
液中にさらにテトラエチルシリケートのメタノール溶液
(33重量%)740mlと表1に示す各種の染料のメタノー
ル溶液(1.25重量%)740mlを同時に25.5ml/hrの速度で
滴々添加し、該テトラエチルシリケートのメタノール溶
液と該染料のメタノール溶液の滴々添加を同時に終了さ
せ、染料で着色したシリカ粒子を合成した。得られたシ
リカ粒子をメタノールでデカンテーションによる精製と
洗浄を繰り返した。
このように得られた2層構造からなるシリカ/染料複
合体の性状は表1に示す通りであった。
次いで、得られたおのおのの複合顔料粒子を10重量%
濃度になるようにメタノール中に分散し、その分散液10
0mlに表1に示した表面処理剤をそれぞれ表面積に対し
て表1に示す濃度になるように添加し、10℃、16時間反
応させて表面処理を行い、表面処理した複合顔料粒子を
得た。
得られた複合顔料をそれぞれ表2に示した合成樹脂と
表2に示した組成及び条件で混合した。得られた可塑性
混合物をタテ12cm、ヨコ10cm、厚さ0.5cmの金型に入
れ、100kg/cm2でプレスし、着色合成樹脂を得た。得ら
れた着色合成樹脂の特性を表2に示した。
実施例2 攪拌機付きガラス製フラスコ中にメタノール2800ml、
アンモニア水(25重量%)616ml、水酸化ナトリウム水
溶液(5モル/l)30mlを加え10℃に保った後に、テトラ
エチルシリケートのメタノール溶液(22重量%)816ml
とナトリウムメチラートのメタノール溶液(22重量%)
102mlを混合した混合液を25.5ml/hrの速度で滴々添加
し、シリカ・ナトリウム複合粒子を得た。該複合粒子を
実施例1、(1)と同様に精製し、10重量%濃度になる
ようにメタノール中に分散した。次いで攪拌機付きガラ
ス製フラスコに5重量%の硫酸水溶液2000mlを用意し、
室温で攪拌下、該複合粒子分散液を5ml/minの速度で滴
々添加し酸処理を行なった。酸処理後、実施例1、と同
様に洗浄、精製を行なった。得られた多孔性粒子の性状
を表3No.1に示した。別に攪拌機付きガラス製フラスコ
にイソプロピルアルコール(IPA)2800ccと蒸留水28cc
を加え、10℃に保った後、表3(No.2,3及び4)に示す
原料のIPA溶液(20重量%)1035mlとナトリウムメチラ
ートのIPA溶液(20重量%)175mlとを混合した混合液を
上記と同様に添加し、酸処理後精製を行なった。それぞ
れ得られた多孔性粒子の性状は表3No.2〜No.4に示し
た。
得られた多孔性粒子を沈殿させ、上清のメタノールを
除去した後、10重量%に溶解したメチレンブルーのメタ
ノール溶液1000mlを添加し、攪拌下、室温で16時間含浸
染色した。含浸染色後、実施例1(1)と同様に洗浄・
精製した。得られたそれぞれの複合顔料粒子の特性は表
3に示した。
これらの複合顔料粒子を実施例1、と同様にトリメチ
ルクロロシランを用い表面処理した。
実施例1と同様に得られた複合顔料をそれぞれ表4に
示した樹脂と混合、成型し、着色樹脂を得た。得られた
着色樹脂の特性を表4に示した。
実施例3 攪拌機付きガラス製フラスコ中にメタノール2800ml、
アンモニア水(25重量%)720ml、水酸化ナトリウム水
溶液(5モル/l)25mlを加え10℃に保った後に、テトラ
エチルシリケートのメタノール溶液(22重量%)510ml
を25.5ml/hrの速度で滴々添加し、シリカ粒子(平均粒
子径1.64μm)をつくった。このシリカ粒子を含む反応
液中にさらにテトラエチルシリケートのメタノール溶液
(44重量%)624mlと表3に示す各種の染料のメタノー
ル溶液(1.25重量%)400mlを同時に25.5ml/hrの速度で
滴々添加し、先に該染料のメタノール溶液の滴下が終了
する様にし染料で着色したシリカ粒子を合成した。得ら
れたシリカ粒子をメタノールでデカンテーションによる
精製と洗浄を繰り返した。この染料を含有するシリカ粒
子は、いずれも球状であり、メタノール中で分散させて
も、染料の溶出は全くみられなかった。
また、表5No.1のシリカ粒子をエポキシ樹脂埋設法で
超薄切片に切出し該超薄切片を透過型電子顕微鏡で観察
した。その粒子構造を示す電子顕微鏡写真(40,000倍)
を第1図に示した。第1図から1つの核部、着色層及び
固定被覆層からなる3重構造であることが認められる。
また表5No.1の染料を含有するシリカ粒子についてそ
の粒子分散値を第2図(a)に示した。
次いで得られた染料で着色したシリカ粒子を実施例
1、(1)と同様に表面処理を行なった。表5No.1の染
料で着色したシリカ粒子の表面処理後の粒子分散性を第
2図(b)に示した。
実施例1と同様に得られた複合顔料をそれぞれ表6に
示した樹脂と混合、成型し着色樹脂を得た。得られた着
色樹脂の特性を表6に示した。
実施例4 攪拌機付きガラス製フラスコにイソプロピルアルコー
ル(IPA)2800mlと蒸留水28mlを加え、10℃に保った
後、表5に示す原料のIPA溶液(20重量%)350mlを22.5
ml/時の速度で滴々添加、加水分解した。その後さらに
原料のIPA溶液(40重量%)830mlと表7に示す染料のメ
タノール溶液(1.25重量%)450mlを22.5/時の速度で同
時に滴々添加し、染料の添加終了後も原料の添加を続け
て特定複合体粒子を得た。この特定複合体粒子は3層構
造よりなっているものであった。これらの特定複合体粒
子を実施例1と同様に精製洗浄した。おのおのの特定複
合体粒子は、球形であり、メタノール中で分散させても
染料の溶出は全く見られなかった。得られた特定複合体
粒子を表7に示す表面処理剤で実施例1と同様に表面処
理した。それぞれの粒子の特性を表7に示す。
得られたそれぞれの複合顔料を実施例1No.6の組成、
すなわち、ポリ塩化ビニル50重量%、DOA10重量%、複
合顔料38重量%及びジ−n−オクチルスズマレイン酸塩
ポリマー2重量%に調整する。調整後、ロール混練機で
160℃、10分間混練機、混練物を金型に入れ160℃、100k
g/cm2でプレス成型し、着色樹脂板を得た。得られた着
色樹脂板の特性を表7に示す。
実施例5 0.1%塩酸4.0gとテトラエチルシリケート158g(Si(OC
2H5)4、日本コルコート化学社製、製品名:エチルシリ
ケート28)とをメタノール1200mlに溶かし、この溶液を
室温で約2時間攪拌しながら加水分解した。その後、こ
れをテトラブチルチタネート(Ti(O-nC4H9)4、日本曹達
製)81.8gをイソプロパノール500mlに溶かした溶液に攪
拌しながら添加し、テトラエチルシリケートの加水分解
とテトラブチルチタネートとの混合溶液を調製した。次
に攪拌機付きの内容積10lのガラス製反応容器にメタノ
ール2.5lを導入し、これに500gのアニモニア水溶液(濃
度25wt%)を加えてアンモニア性アルコール溶液を調製
し、これにシリカの種子を作るためのテトラエチルシリ
ケート4.0gをメタノール100mlに溶かした溶液を約5分
間かけて添加し、添加終了5分後反応液がわずか乳白色
のところで、さらに続けて上記の混合溶液を反応容器の
温度を20℃に保ちながら約2時間かけて添加し反応性成
物を析出させた。その後さらに続けて、テトラエチルシ
リケートのメタノール溶液(44重量%)720mlと、メチ
レンブルー(カチオン染料)のメタノール溶液(1.25重
量%)250mlを夫々25ml/時の速度で同時に添加開始し該
染料溶液の滴々添加が該テトラエチルシリケート溶液の
滴々添加より先に終了する条件で加水分解を行なった。
さらに実施例1と同様に精製、洗浄し染料を含有するシ
リカ−チタニア粒子(核部は表8に示す無機化合物で着
色層と固定被覆層の無機化合物はシリカよりなる3層構
造粒子)を得た。
さらに上記操作において、テトラブチルチタネート4
0.9gを表8に示す原料及び染料に変えた以外は上記と同
様にして種々の組成の複合顔料粒子を得た。得られたお
のおのの複合顔料粒子を実施例1と同様に表面処理剤を
用いて表面処理した。
得られたそれぞれの複合顔料を実施例1、No.7の組
成、すなわち、ポリプロピレン60重量%及び複合顔料40
重量%に調整した。
調整後、ロール混練機で210℃、10分間混練後、混練
物を金型に入れ、210℃、150kg/cm2でプレス成型し、着
色樹脂板を得た。得られた着色樹脂板の特性を表8に示
す。
実施例6 攪拌機付きガラス製フラスコ中に、表9に示す予め調
製しておいた無機化合物の核を2重量%で分散させたメ
タノール分散液2800ml及びアンモニア水(25重量%)61
6mlを加え、10℃に保った後にテトラエチルシリケート
のメタノール溶液(44重量%)750mlとダイヤクリルレ
ッドMS-N(三菱化成(株)製)のメタノール溶液(1.25
重量%)400mlを同時に25.5ml/hrの速度で滴々添加し、
該染料溶液の滴々添加が該テトラエチルシリケート溶液
の滴々添加より先に終了する条件で加水分解を行なっ
た。得られた複合顔料粒子の特性は表9に示した。
さらに、各々の複合顔料について、実施例1と同様に
トリフェニルクロロシランを用い表面処理を行った。
得られたそれぞれの複合顔料を実施例2、No.5の組成
すなわち、ポリエチレン50重量%及び複合顔料50重量%
に調整した。
調整後、ロール混練機を用い160℃、5分間混練後、
混練物を金型に入れ、160℃、100kg/cm2でプレス成型
し、着色合成樹脂板を得た。得られた着色合成樹脂板の
特性を表9に示した。
実施例7 攪拌機付きガラス製フラスコ中に表10に示す予め調製
しておいた核部となる無機化合物56gを1000mlの表10に
示す染料のメタノール溶液(10重量%)に分散させ、室
温で16時間攪拌する。攪拌後、静置し上清をデカンテー
ションにより取りのぞき1000mlのメタノールを添加し、
10分間攪拌した。攪拌後、静置し上清をのぞき、2800ml
のメタノール及びアンモニア水(25重量%)616mlを加
え、10℃に保った後、テトラエチルシリケートのメタノ
ール溶液(22重量%)1024mlを25.5ml/hrの速度で滴々
添加し、加水分解を行い複合顔料粒子を得た。得られた
該複合顔料粒子の特性は表8に示した。さらに各々の上
記複合顔料粒子について実施例1の(1)と同様に表面
処理した。
得られたそれぞれの複合顔料を実施例1、No.5の組成
すなわちフェノール樹脂22重量%、ヘキサン20重量%、
複合顔料30重量%及びセルロシン28重量%に調整した。
調整後、ロール混練機で100℃、4分間混練後、混練
物を金型に入れ室温で、100kg/cm2でプレス成型し、着
色合成樹脂板を得た。得られた着色合成樹脂板の特性を
表10に示した。
実施例8 実施例2No.1〜No.4で得られた染色多孔性粒子を2.5重
量%濃度になる様にメタノール・アンモニア(4:1)混
合液1000mlに分散した。この分散液を攪拌機付きガラス
製フラスコに取り10℃に保った後テトラエチルシリケー
トのメタノール溶液(20重量%)160mlと、メタノール
・アンモニア(4:1)混合液160mlを同時に22.5ml/hrの
速度で滴々添加し複合顔料粒子を得た。得られた複合顔
料粒子の特性は表11に示した。さらに実施例1と同様に
トリメチルクロロシランで表面処理を行なった。
得られたそれぞれの複合顔料を実施例1、No.7の組成
すなわち、ポリスチレン40重量%、流動パラフィン5重
量%、複合顔料40重量%及びポリアクリロニトリル15重
量%に調整した。
調整後、ロール混練機で180℃、10分間混練後、混練
物を金型に入れ、140℃、100kg/cm2でプレス成型し、着
色合成樹脂板を得た。得られた着色合成樹脂板の特性を
表11に示した。
実施例9 表12に示した前記各実施例で得られた複合顔料粒子を
2.5重量%濃度となる様にメタノール・アンモニア混合
液1000mlに分散した。この分散液を攪拌機付きガラス製
フラスコに取り10℃に保った。この液に表12に示した染
料のメタノール溶液(1.25重量%)250ml、メタノール
・アンモニア(4:1)混合液450ml及びテトラエチルシリ
ケートのメタノール溶液(40重量%)450mlを同時に22.
5ml/hrの速度で滴々添加した。すなわち該染料溶液の滴
々添加が最初に終了し、次いで該テトラエチルシリケー
ト溶液と該メタノール・アンモニア混合液が同時に滴々
添加を終了する条件で加水分解反応を行なった。その結
果5層構造よりなる複合顔料粒子を得た。得られた複合
顔料粒子の特性は表12に示した。
さらに該複合顔料を実施例1と同様に表面処理を行な
った。得られたそれぞれの複合顔料を実施例1、No.6の
組成、すなわちポリ塩化ビニル50重量%、DOA10重量
%、複合顔料38重量%及びジ−n−オクチルスズマレイ
ン酸塩ポリマー2重量%に調整した。調整後、ロール混
練機で、160℃、10分間混練後、混練物を金型に入れ、1
60℃,100kg/cm2でプレス成型し、着色合成樹脂板を得
た。得られた着色合成樹脂板の特性を表13に示した。
比較例1 実施例1と同様にして染料を含まないシリカの核粒子
(平均粒子径2.31μm)を合成した。次いで該粒子を染
料(ダイアクリルレッドMS-N1.2%)のメタノール中に
分散した。分散後、メタノールを完全に留去し、該粒子
の染色を行った。
得られた粒子の平均粒子径は2.31μm、粒子径の分散
値は4.6%、粒子分散値は、95.6%であった。
得られた該染色粒子をメタノールで洗浄したところ、
分光学的に98%の染料がメタノール中に溶出した。この
ため、メタノール洗浄を行った該染色粒子はシリカ粒子
と同様の白色であった。
得られた該染色粒子を実施例1No.5と同様にフェノール
樹脂に混合し、着色フェノール樹脂を得た。得られた着
色フェノール樹脂の性状は以下の通りであった。
色 淡赤色 着色度 1.4 340時間紫外線照射後の色差 1.2 該染色粒子を充填したフェノール樹脂では、ほとんど
着色されなかった。
また、紫外線照射で染料の激しい脱色が見られ、ほと
んど樹脂のみの色となった。
比較例2 シリカゲル60(粒子径63〜200μm、平均粒子径142μ
m、粒子径の分散値52.3%、粒子分散値50.2%和光純薬
工業(株)製)を核粒子として用いた。
該核粒子に実施例1No.3と同様にして染料・シリカで
被覆し、複合顔料粒子を得た。用いた染料はメチレンブ
ルー、表面処理剤はフェニルトリエトキシシランであ
る。得られた粒子の特性は以下の通りであった。
染料の含量 メチレンブルー 1.2% 平均粒子径 148.3μm 粒子径の分散値 56.8% 粒子分散値 55.4% 染料の溶出 0% 該複合顔料粒子を実施例1No.6と同様に樹脂に混合
し、得られた着色樹脂の特性は以下の通りであった。
合成樹脂 ポリ塩化ビニル 75% 可塑剤 DOA 色 青色 着色度 6.5,2.4,4.3 340時間紫外線照射後の色度 0.001 尚、着色後については目視で樹脂の色むらが認められ
たため、試験片を3片準備し各片の3点の平均値を示し
た。
平均粒子径、粒子径の分散値が大きく、粒子分散値が
小さいため本発明の複合顔料粒子と比較して顔料の充填
率が低下した。このため、着色度は低下した。
更に着色度でも明らかなように、目視で確認できるほ
どの色むらが生じた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例3で得られた染料を含有したシリカ粒
子の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。第2図は、
実施例3で得られた染料を含有したシリカ粒子(a)、
その表面処理後(b)の単粒子性を示した。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径が1.0〜50.0μmかつ粒子分散
    性が80%以上で形状が球形状の、無機化合物よりなる核
    部及び染料と無機化合物との混合物よりなる核部の表面
    に存在する着色層との2層構造、あるいは、無機化合物
    よりなる核部、染料もしくは染料と無機化合物との混合
    物よりなる核部の表面に存在する着色層及び該着色層よ
    り染料の含有量が少ない染料と無機化合物との混合物か
    染料を含まない無機化合物で形成されてなる、着色層を
    被覆した固定被覆層の3層構造よりなる複合顔料を熱可
    塑性樹脂、ゴム及び熱硬化性樹脂よりなる群から選ばれ
    た樹脂と混合してなる着色樹脂組成物。
  2. 【請求項2】複合顔料が10〜90重量%混合されてなる特
    許請求の範囲(1)記載の着色樹脂組成物。
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