JP2602003B2 - シリコン結晶体の接合方法 - Google Patents

シリコン結晶体の接合方法

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JP2602003B2
JP2602003B2 JP6316099A JP31609994A JP2602003B2 JP 2602003 B2 JP2602003 B2 JP 2602003B2 JP 6316099 A JP6316099 A JP 6316099A JP 31609994 A JP31609994 A JP 31609994A JP 2602003 B2 JP2602003 B2 JP 2602003B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリコン結晶体の接合方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より知られている半導体圧力変換器
の断面図を図3に示し、この半導体圧力変換器の製造方
法を以下に示す。
【0003】中央部分に拡散抵抗層からなる起歪抵抗ゲ
ージ2が形成されたシリコン単結晶板1の、起歪抵抗ゲ
ージ2を含む領域の反対側の面をエッチングによって除
去して肉薄ダイヤフラムを形成する。そして肉薄ダイヤ
フラム部の周辺の厚い部分(肉厚周辺部)を、ガラスか
らなる基板3上に接着剤4を介して接着固定して接合す
る。
【0004】このような半導体圧力変換器では、基板3
の中央部に設けられた孔5から導入される、図中のPで
示される圧力がダイヤフラムを変形させ、これにより起
歪抵抗ゲージ2の抵抗値が変化して、この抵抗値変化か
ら圧力Pを検出する。
【0005】この場合、起歪抵抗ゲージ2は圧力Pに対
してのみ高感度に感応することが必要である。ところが
シリコン単結晶板1とガラス基板3との熱膨張率が異な
るので接着固定された接合部分に熱膨張率差が生じ、こ
れによって発生する応力がダイヤフラムに加わってしま
うという問題があった。
【0006】そこでダイヤフラムを形成したシリコン単
結晶板1と同じシリコン結晶を基板3として用いること
によって熱膨張率差の問題を回避することが考えられて
いる。しかしこのようなシリコン結晶を用いた基板3で
も、シリコン単結晶板1との接着固定に金・シリコンの
共晶や低融点ハングガラスなどの接着剤4が用いられる
ので、接着固定される接合部分における残留応力の問題
を本質的に解決することができなかった。
【0007】一方、接着剤を用いずにシリコン単結晶板
1を基板3に接合する方法として、シリコンと熱膨張率
がだいたい等しいホウケイ酸ガラスを基板3として用
い、その接合部分をガラス転移温度以上に加熱したり、
電界を加えながら加熱して接合することが考えられてい
る。しかし半導体圧力変換器は静水圧の下で使用される
ことが多く、この場合には圧縮率の異なりによって歪み
や応力が生じるという問題が生じていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
シリコン単結晶板と基板との接合においては、接着剤を
用いてガラスやシリコン結晶の基板を接合する方法だ
と、接着剤を用いていることによる応力の問題があっ
た。また基板にホウケイ酸ガラスを用いることにより接
着剤を用いないで接合する方法でも、圧縮率が異なるこ
とによる歪みや応力の問題があった。
【0009】本発明は上記の問題を解決し、接着剤を用
いずに2つのシリコン結晶体を相互に強固に接合するこ
とができるシリコン結晶体の接合方法を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに本発明は、2つのシリコン結晶体の接合面の一方を
鏡面研磨して研磨面にする第1の工程と、この研磨面を
撥水性にする第2の工程と、前記接合面を実質的に異物
が介入しない空気中に晒すことにより親水性にして酸化
膜を形成する第3の工程と、前記接合面間に実質的に異
物が介入しない条件下で前記接合面を直接密着させて接
合する第4の工程と、この接合されたシリコン結晶体を
200℃以上の温度で熱処理する第5の工程とを備えた
シリコン結晶体の接合方法を提供する。
【0011】本発明の第1の工程では接合面の表面粗さ
を50nm以下にすることが接合を強固にするためには
好ましい。
【0012】またゴミ浮遊量20個/m3 以下のクリー
ンルーム中において、第3・第4の工程における実質的
に異物が介入しないという条件は実現される。これはゴ
ミ浮遊量が20個/m3 よりも多いと、シリコン結晶体
の接合面間に異物が入りやすく、接合体が得られなくな
ってしまうことがあるからである。
【0013】そして第2の工程は例えばフッ酸系の溶液
により行なわれる。ここでフッ酸系の溶液とは、フッ酸
そのもの、あるいはフッ酸・硝酸・酢酸の混合溶液など
のフッ酸を含む溶液を指す。
【0014】従来よりガラス板の平滑な面を極めて清浄
に保ち2枚のガラス板を直接密着させると、ガラス板の
間の摩擦係数が増大して接合状態が得られることが知ら
れている。そしてこれに逆らってガラス板の面同士を滑
らせると、その接合面のむしり取りによるクラックが発
生することも知られている。
【0015】これに対してシリコン結晶体においてガラ
スのような接合方法が知られていないのは、シリコン結
晶体の接合すべき面の平滑性と清浄性とを厳密に保つこ
とが難しかったことが最大の原因と思われる。
【0016】ところが本発明者はシリコンに次のような
処理を施すことによって、ガラス同士の接合のようにシ
リコン結晶体同士の接合も可能なことを見いだした。
【0017】まず2つのシリコン結晶体の接合すべき面
の一方を表面粗さ50nm以下に鏡面研磨して平滑化
し、これをトリクレンなどによって脱脂した。その後フ
ッ酸・硝酸・酢酸の混合溶液に浸して表面の変質屑を除
き、表面を撥水性にした。これを手早く洗浄・乾燥し、
2枚のシリコン結晶体をゴミ浮遊量20個/m3 以下の
クリーンな雰囲気で1時間放置した後、同じくクリーン
な条件下でシリコン結晶体同士を直接密着させて、20
0℃以上の温度で熱処理したところ、良好な接着体が得
られた。
【0018】そこで空気中で保持する時間や温度などを
変え良好な接着体が得られる条件を調べた結果、空気中
保持によりシリコン表面が撥水性から親水性に変わり、
そして親水性になった時点で接着性が良好になることが
分かった。そして接着性が良好になり接合された2つの
シリコン結晶体を200℃以上で熱処理することによ
り、後述するように接合がさらに強固になることも分か
った。
【0019】ところでシリコン結晶体の表面が親水性を
呈するということは、ごく薄い酸化層が生成されている
からだと考えられ、この酸化層の存在は接合力の増加に
貢献していると推定される。また酸化層を除去して撥水
性となったシリコン結晶体でも、空気中に僅かな時間放
置すると自然酸化膜が形成されることは良く知られてい
る。したがって1度撥水性としたシリコン結晶体であっ
ても空気中に放置した後には再び酸化膜のために親水性
を取り戻し接着できるようになるものと思われる。
【0020】もちろん親水性にする過程でゴミなどの異
物が表面に付着すればまったく接着できなくなるので、
雰囲気の清浄性は極めて重要である。
【0021】酸化層が接合に大きく関連していることは
図1に示す熱処理の効果を調べることによってより明ら
かになる。
【0022】図1は10mmφ厚さ3mmの第1のシリ
コン板と、中央に5mmφの孔の開いた10×10mm
厚さ3mmの第2のシリコン結晶板とを、前述した方法
により接合し、種々の温度で加熱処理した複数のサンプ
ルを作り、これを油圧系に接続して前記の孔から内圧を
与え、接合体の引きはがし強度(破壊応力)を調べたも
のである。
【0023】図1を見ると分かるように、200℃より
低い温度で処理してもある程度の引きはがし強度は得ら
れる。しかし200℃以上で熱処理した試料はさらに高
い引きはがし強度を示している。
【0024】
【作用】本発明によれば、シリコン結晶体の接合面の一
方を鏡面研磨し、研磨面を撥水性としてから、接合面を
異物が介入しない条件下で直接密着させるだけで接合体
が得られ、これに200℃以上の熱処理を施すことによ
り接合がさらに強固になる。このため接着剤は全く不要
となる。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。
【0026】図2は本発明の実施例に係る半導体圧力変
換器の断面図である。この図を製造工程に沿って説明す
る。
【0027】まず両面研磨された、n型で10mm角・
厚さ400μmの〔111〕シリコン単結晶板1を用意
し、この一方の面の中央部分にp型拡散抵抗層を形成し
た。この後、p型拡散抵抗層側の面にアルミニウムを蒸
着し、これをフォトリソグラフィ技術を用いてパターニ
ングしp型拡散抵抗層を起歪抵抗ゲージ2とするブリッ
ジ回路を形成して、その表面をPSG保護膜で保護し
た。
【0028】次に中央部分の起歪抵抗ゲージ2を含む領
域の反対側の面をエッチングによって除去して、直径8
mm・厚さ150μmの肉薄ダイヤフラム部を形成し感
圧ペレットとした。
【0029】なおこの感圧ペレットの感度は最大圧力4
kg/cm2 に設定した。
【0030】一方、基板3としてシリコン単結晶板1と
同じ材質のシリコンを直径16mm・厚さ3mmに切り
出し、その中央部に直径4mmの圧力を導入する孔5を
設けた。そして一面を鏡面研磨した。
【0031】この後、基板3を感圧ペレットと共に洗浄
してから、濃フッ酸中に30秒浸し、表面を撥水性にし
て乾燥し、基板3と感圧ペレットとを実質的にゴミのな
いクリーンベンチ中で1時間保持した。
【0032】シリコン表面が再び親水性となったことを
確認した後、接合面間にゴミが介入しないように注意し
て接触・密着させて接合させ接合体とした。
【0033】これらの一連の処理はもちろんクリーンベ
ンチ中で行なわれる。
【0034】この後、接合体を炉あるいはオーブンに入
れ200℃で1時間加熱処理し、半導体圧力変換器を得
た。
【0035】このようにして得られた半導体圧力変換器
についてまずアルミニウム配線を調べたところ、変質な
どの異常は認められなかった。
【0036】次に圧力0の条件下で残留抵抗の温度変
化、真空漏れの有無、素子破壊圧力などを調べたとこ
ろ、いずれもその目的とする仕様を満足していることが
確認された。すなわち残留抵抗の温度変化は−30〜+
100℃の範囲で2%以内であり、真空度10-7Pa程
度以下でもそのリークがなく、破壊圧力は10kg/c
m2 以上であった。この後、常圧から140kg/cm
2 の静水圧まで、図2の矢印で示す圧力Pを変化させ
て、起歪抵抗ゲージ2を含むブリッジ回路の平衡点移動
について調べたが、事実上変化しなかった。このことは
感圧ペレットと基板3との接合部分がダイヤフラムに対
して悪影響を与えていないことを裏付けている。
【0037】この結果からも分かるように本発明の接合
方法によって製造された半導体圧力変換器は、同じ材質
のシリコン同士を接着剤を用いずに接合できるので良好
な機械的特性を示す。このため圧力Pに対してのみ効果
的に感応する半導体圧力変換器となる。
【0038】またこの半導体圧力変換器の製造工程にお
ける加熱処理は、接合体を炉あるいはオーブンに入れて
加熱するだけでよく、その他の特別な装置、例えば加圧
装置などを必要としないので、製造が非常に簡単に行な
える。
【0039】このような半導体圧力変換器の比較例とし
て、ホウケイ酸ガラスを基板3とした実施例と同様な仕
様の半導体圧力変換器を製造した。
【0040】比較例では感圧ペレットと基板3との接合
は実施例と同様に強固であることが確認された。しかし
静水圧テストにおいてブリッジ回路の平衡点が10%以
上も変動した。これは接合部分がダイヤフラムに悪影響
を及ぼしていることを示しており、実施例のような効果
は得られなかった。
【0041】以上に説明した半導体圧力変換器の他に本
発明は、例えばシリコンウェハー同士の接合にも用いる
ことができる。シリコンウェハー同士を接合した場合、
酸化膜が十分に薄ければ、例えばpn接合を形成しても
良好な電気的特性が得られる。これはpn接合の素子を
作成するときに拡散工程を経る必要がなくなることを意
味する。
【0042】また酸化膜が十分に薄いときには、メサ型
トランジスタなどで必須であった深く高濃度の拡散領域
を形成する拡散工程が省略でき、工程短縮、汚染の確立
の減少、拡散にともなう欠陥の導入やウェハーの変形の
防止などの利点を有する。
【0043】以上の他にも本発明の要旨を逸脱しない範
囲であれば、種々の変形は可能である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、接
着剤を用いずに2つのシリコン結晶体を相互に強固に接
合することができるシリコン結晶体の接合方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るシリコン結晶接合体の熱処理温
度と引きはがし強度との関係を示す特性図。
【図2】 本発明の実施例に係る半導体圧力変換器の断
面図。
【図3】 従来の半導体圧力変換器の断面図。
【符号の説明】
1…シリコン単結晶板 2…起歪抵抗ゲージ 3…基板 4…接着剤 5…孔

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つのシリコン結晶体の接合面の一方を
    鏡面研磨して研磨面にする第1の工程と、 この研磨面を撥水性にする第2の工程と、 前記接合面を実質的に異物が介入しない空気中に晒すこ
    とにより親水性にして酸化膜を形成する第3の工程と、 前記接合面間に実質的に異物が介入しない条件下で前記
    接合面を直接密着させて接合する第4の工程と、 この接合されたシリコン結晶体を200℃以上の温度で
    熱処理する第5の工程とを備えたシリコン結晶体の接合
    方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の工程は前記接合面の表面粗さ
    を50nm以下に鏡面研磨するものである請求項1記載
    のシリコン結晶体の接合方法。
  3. 【請求項3】 前記第3および第4の工程はゴミ浮遊量
    20個/m3 以下のクリーンルーム中で行なわれるもの
    である請求項1記載のシリコン結晶体の接合方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の工程はフッ酸系の溶液により
    行なわれるものである請求項1記載のシリコン結晶体の
    接合方法。
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JP2016027349A (ja) * 2015-10-30 2016-02-18 横河電機株式会社 圧力センサ

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