JP2620232B2 - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属−プラスチックの接着、特に鋼板−ポ
リ塩化ビニル樹脂の接着に適した接着剤組成物に関し、
より詳しくは低温接着性に優れた接着性組成物に関す
る。
〔従来の技術〕
鋼板に塩ビフィルムをラミネートあるいは鋼板に塩ビ
ゾルをコーティングしてなるいわゆる塩ビ鋼板は、美粧
性、耐久性が優れていることから、従来より家電製品、
鋼製家具製品、建材、日用小物等の各種用途に使用され
ており、その生産量も年々増加している。
塩ビ鋼板の製造方法としては、鋼板に接着剤を塗布し
焼き付けた後、塩ビフィルムをラミネートする方法、接
着剤を塗布し焼き付けた後、さらに塩ビゾルを塗布し焼
き付ける方法、あるいは接着剤を塗布し焼き付けた後、
塩ビ樹脂をシート状態で押し出しつつ加圧融着する方法
等が知られている。しかし、いずれの方法による場合に
おいても、接着剤中の溶剤を除去し、かつ接着剤の性能
を十分発揮させるためには、通常板温200℃以上での高
温接着が必要とされてきた。現在では、この接着剤とし
ては、塩ビとの親和性が比較的良好なポリメチルメタク
リレートを主成分とし、これにカルボキシル基、グリシ
ジル基等の官能基を導入したアクリル系樹脂に、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂等を配合し、高温で活性化さ
せ、架橋することによって凝集力を強くし、接着力を付
与する溶剤型のアクリル系接着剤が多く使用されてい
る。
しかしながら、近年、生産性向上を目的としたライン
スピードの高速化にともない、接着温度の低温化が強く
望まれている。また、高温(板温度200℃以上)では、
ラミネートする際に塩ビが熱軟化しやすく、エンボス模
様がくずれ製品外観を損ねることがある。このようなこ
とから低温接着性が良好な塩ビ鋼板用の接着剤の出現が
望まれているが、従来のアクリル系接着剤では、接着温
度を板温200℃未満の低温にすると塩ビとの親和性が大
幅に低下し、架橋反応も不十分になることから実用性能
を満たすのは非常に困難であった。
一方、線状飽和ポリエステル樹脂をベースレジンとす
る接着剤は、塩ビとの親和性が良好で板温160〜180℃で
の低温接着ができることは知られているが、耐水性が不
十分で、厳しい接着性能の要求される屋外用途等には使
用できないのが現状である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、従来の塩ビ鋼板の接着剤では接着温
度として板温が200℃以上の高温が必要とされていた
が、160℃程度の低い板温でも接着が可能であり、かつ
耐水性等の接着性能にも優れた接着剤組成物を提供する
ことにある。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち、本発明の接着剤組成物は、(1)ジカルボ
ン酸成分がイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導
体とテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とか
らなり、イソフタル酸成分とテレフタル酸成分とのモル
構成比率が30:70〜70:30の範囲にあり、(2)ジオール
成分がエチレングリコールとネオペンチルグリコールと
からなり、エチレングリコールとネオペンチルグリコー
ルとのモル構成比率が30:70〜70:30の範囲にあり、かつ
(3)リン化合物が全ジカルボン酸成分に対して0.2〜1
0モル%の範囲で添加されてなる共重合ポリエステル樹
脂(A)100重量部に対して、ポリイソシアネート化合
物(B)1〜20重量部が添加されてなる。
〔発明を実施するための好適な態様〕
本発明の接着剤組成物に用いる共重合ポリエステル樹
脂(A)は、ジカルボン酸成分がイソフタル酸とテレフ
タル酸とからなり、かつテレフタル酸とイソフタル酸の
モル構成比率は、30:70〜70:30の範囲とされる。ジカル
ボン酸成分としてイソフタル酸成分とテレフタル酸成分
以外の成分を使用すると、接着剤の耐熱水性が低下する
傾向にあるので好ましくない。イソフタル酸の構成比率
が30モル%未満の場合には、共重合ポリエステル樹脂の
溶剤溶解性が低下し、溶剤可溶型の接着剤のベースレジ
ンとしては不適当となる。また、イソフタル酸の構成比
率が70モル%を超えると凝集力、耐熱水性が低下するの
で好ましくない。
これらジカルボン酸成分は、重合反応に際しては酸の
形で使用されてもよいし、あるいはジメチルエステルの
ようなエステル形成性の誘導体の形で使用されてもよ
い。
一方、共重合ポリエステル樹脂(A)を構成するジオ
ール成分は、エチレングリコールとネオペンチルグリコ
ールとからなり、かつエチレングリコールとネオペンチ
ルグリコールのモル構成比率は、30:70〜70:30の範囲で
調整される。ジオール成分としてエチレングリコールと
ネオペンチルグリコール以外の成分を使用すると、接着
剤の耐熱水性が低下する傾向にあるので好ましくない。
エチレングリコールの量が30モル%未満の場合には、軟
化温度が低下し、耐熱性が悪くなる。逆にネオペンチル
グリコールの量が30モル%未満の場合には、溶剤溶解性
が低下し、塩ビとの接着性が低下する。
共重合ポリエステル樹脂(A)にはリン化合物が添加
される。リン化合物の添加時期は、ポリエステル樹脂を
重合した後でもよいが、リン化合物が共重合ポリエステ
ル樹脂(A)のポリマー鎖中に導入されていることが好
ましい。かかるリン化合物としては、例えば、トリメチ
ルホスフェート、トリフェニルホスフェート、フェニル
ホスホン酸、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホ
スホン酸ジフェニルおよびこれらとエチレングリコール
やネオペンチルグリコールとの反応物等が挙げられる。
その使用量は、ジカルボン酸成分に対して0.2〜10モル
%の範囲とされる。リン化合物を用いることにより、接
着性を大幅に向上させることができる。リン化合物の添
加量が10モル%を超えると、重縮合時に重合度が上がら
なかったり、ゲル化が生じたりするので好ましくない。
共重合ポリエステル樹脂(A)の製造に際しては、従
来公知の共重合ポリエステル樹脂の重合操作がそのまま
適用できる。例えばジカルボン酸成分とジオール成分と
を直接エステル化反応させてもよいし、あるいはジカル
ボン酸のエステル形成性誘導体とジオール成分とをエス
テル交換し、加熱減圧下で重縮合反応を実施してポリエ
ステル樹脂を得てもよい。これらの場合、必要に応じて
公知の反応促進触媒や耐熱安定剤を添加使用してもよ
い。
本発明で用いられるポリイソシアネート化合物(B)
は、2以上のイソシアネート基を有する化合物であれ
ば、特に限定されることなく各種のものを使用すること
ができる。代表的なポリイソシアネート化合物(B)と
しては、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、ジアニンジンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタキシ
リレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシア
ネート、トリス(4−フェニルイソシアネートチオフォ
スェート)、N,N′−(4,4′ジメチル−3,3′−ジフェ
ニルジイソシアネート)ウレジオン、4,4′,4″−トリ
メチル−3,3′,3″−トリイソシアネート−2,4,6−トリ
フェニルシアヌレート、2,6−ジイソシアネートメチル
カプロエート等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物(B)は、共重合ポリエス
テル樹脂(A)100重量部に対して、1〜20重量部の量
で添加される。ポリイソシアネート化合物の添加量が1
重量部未満では接着性、耐水性が不十分となり、また、
20重量部を超えるとポットライフが短くなったり、もろ
くなりすぎるため適当ではない。
本発明の接着剤組成物には、上記の主成分の他に、酸
化チタン、カーボンブラック等の無機顔料、フタロシア
ニンブルー、赤色レーキ顔料等の有機顔料、ストロンチ
ウムクロメート、カルシウムクロメート、バリウムクロ
メート等のクロム化合物や塩基性クロム酸塩鉛、鉛酸カ
ルシウム等の鉛化合物等の無機防錆顔料等を添加しても
よい。
本発明の接着剤組成物は、溶剤に溶解させて使用する
ことができ、溶剤としては、ベンゼン、トルエン、アセ
トン、クロロホルム、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、
ジオキサン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、
メチルエチルケトン、フェノール等の溶剤の一種または
二種以上の混合物を使用することができる。
〔発明の効果〕
本発明の接着組成物は、従来の塩ビ鋼板の接着に際し
ては接着温度として板温が200℃以上の高温が必要とさ
れていたが、160℃程度の低い板温でも接着を可能とす
るものであり、かつ耐水性等の接着性能にも優れてい
る。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 ジメチルテレフタレート2モル、ジメチルイソフタレ
ート2モル、エチレングリコール5.62モル、ネオペンチ
ルグリコール3.74モルおよび酢酸マンガン二水塩0.31g
を反応器に仕込み、窒素気流下で180〜240℃に加熱昇温
して、エステル交換反応を実施した。メタノールの留出
が完了した後、予めエチレングリコールに反応溶解させ
たトリメチルフォスフェート7.37gを添加し、更に30分
後に三酸化アンチモン0.31gを添加し、次いで240〜270
℃で徐々に加熱減圧して過剰のジオール成分を流出さ
せ、最終的に1mmHg以下で4時間重縮合反応を実施し、
極限粘度〔η〕=0.60の共重合ポリエステル樹脂(A)
を得た。
得られた共重合ポリエステル樹脂100重量部とヘキサ
メチレンジイソシアネート(コロネートHL、日本ポリウ
レタン(株)製)3重量部をシクロヘキサノン300重量
部に溶解させて、接着剤溶液を調製した。このようにし
て得た接着剤を0.8mm厚の化成処理鋼板(ボンデライト
#3960、日本テストパネル(株)社製)上に膜厚が4μ
mになるように塗布した後、板温を1分間で160℃に加
熱昇温し、次いで塩化ビニールシートを貼り合わせ、冷
却して塩ビ鋼板を得た。
この塩ビ鋼板に5mm間隔のイゲタ(#)カットを入れ
た後、イゲタの中心部をエリクセン試験機で裏面より8m
m突き出し、初期の接着性を評価した。また、同様に5mm
間隔のイゲタカットを入れた後、塩ビ鋼板を沸水に2時
間浸漬した後と、低温(−20℃×2時間)処理した後と
の各々について、エリクセン試験機で裏面より8mm突き
出し接着性を評価した。
これらの接着性評価の基準は下記によった。
5 ←→ 3 ←→ 1 強制剥離困難 強制剥離可能 自然剥離 実施例2〜7および比較例1〜8 共重合ポリエステル樹脂(A)のジカルボン酸成分、
ジオール成分およびリン化合物の量と、ポリイソシアネ
ート化合物(B)の種類と量を第1表および第2表に示
したように変化させたことを除き、実施例1と全く同様
にして接着剤組成物を製造した。得られた各接着剤組成
物につき、実施例1と同様にして接着性を評価した結果
を第3表に示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 等 豊橋市牛川通4−1−2 三菱レイヨン 株式会社豊橋工場内 (56)参考文献 特開 昭59−59770(JP,A) 特開 昭63−270782(JP,A) 特開 昭59−187070(JP,A) 特開 昭59−223774(JP,A) 特開 昭54−102382(JP,A) 特開 昭58−217572(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)ジカルボン酸成分がイソフタル酸ま
    たはそのエステル形成性誘導体とテレフタル酸またはそ
    のエステル形成性誘導体とからなり、イソフタル酸成分
    とテレフタル酸成分とのモル構成比率が30:70〜70:30の
    範囲にあり、(2)ジオール成分がエチレングリコール
    とネオペンチルグリコールとからなり、エチレングリコ
    ールとネオペンチルグリコールとのモル構成比率が30:7
    0〜70:30の範囲にあり、かつ(3)リン化合物が全ジカ
    ルボン酸成分に対して0.2〜10モル%の範囲で添加され
    てなる共重合ポリエステル樹脂(A)100重量部に対し
    て、ポリイソシアネート化合物(B)1〜20重量部が添
    加されてなる接着剤組成物。
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