JP2632928B2 - 金属材の樹脂被覆における下地処理方法 - Google Patents

金属材の樹脂被覆における下地処理方法

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JP2632928B2 JP14411188A JP14411188A JP2632928B2 JP 2632928 B2 JP2632928 B2 JP 2632928B2 JP 14411188 A JP14411188 A JP 14411188A JP 14411188 A JP14411188 A JP 14411188A JP 2632928 B2 JP2632928 B2 JP 2632928B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、アルミニウム材のような金属材に例えば
フッ素樹脂を被覆するに当り、樹脂を被覆すべき面に予
め下地処理を施しておく方法に関する。
従来技術およびその問題点 一般に、アルミニウム材の表面にフッ素樹脂をコーテ
ィングあるいは接着により塗布する場合、塗布すべき面
と樹脂との密着性が肝要であり、密着性の向上のために
従来より種々の粗面化方法が行なわれている。この方法
の1つとしてエッチング方法がある。これは、樹脂を被
覆すべき面にエッチングレジストを所定のパターンに印
刷して、レジストによるマスク部と非マスク部を形成
し、ついで非マスク部を化学的ないし電気的にエッチン
グして樹脂投錨用凹部を形成し、ついでマスク部に残っ
たレジストを除去するものである。
しかし、この方法の場合、アルミニウム材と樹脂との
密着性を確保するには、上述のとおり、エッチング後に
印刷レジストを除去する必要があり、そのため工程数が
多くて操作が面倒なものとなった。また、レジストが印
刷されたマスク部は必然的にエッチングされないため、
レジスト除去後にフッ素樹脂を被覆したときに、この部
分においてアルミニウム材と樹脂との密着性がはなはだ
よくないという問題があった。
この発明は、上記の如き点に鑑み、化学的ないし電気
的エッチングを採用する下地処理において、印刷レジス
トの除去工程を省略して下地処理を簡略化し、かつアル
ミニウム材の非エッチング部と樹脂との密着性をすこぶ
る向上させることができる下地処理方法を提供すること
を目的とする。
問題点の解決手段 この発明による下地処理方法は、上記目的の達成のた
めに、フッ素樹脂を被覆すべき面にエッチングレジスト
を所定のパターンに印刷して、レジストによるマスク部
と非マスク部を形成し、ついで非マスク部をエッチング
する下地処理において、上記レジストの印刷用インクと
して、フッ素樹脂被覆用のプライマー機能を有するもの
を用いることを特徴とする。
この明細書において、「アルミニウム」なる用語は、
純アルミニウムはもちろんのこと、少量の不純物を含む
市販のアルミニウム、アルミニウムをベースとするアル
ミニウム合金などをも含むものとする。
アルミニウム材よりなる製品としては、炊飯ジャー、
餅つき器、パン焼き器、フライパン、鍋、ホットプレー
ト、製氷皿、オーブン皿などが例示される。
この発明によるアルミニウム材の樹脂被覆における下
地処理方法は、添付第1図のフローシートで示される。
まず、樹脂を被覆すべき面は、好ましくは、脱脂処理
せられる。この脱脂処理は、つぎの粗面化の後で洗浄処
理とともに行なってもよい。
ついで、樹脂を被覆すべき面は、好ましくは、粗面化
せられる。この粗面化は、一般に、サンドブラスト、ワ
イヤーブラッシング、羽布研摩などの機械的研摩法によ
ってなされる。粗面化は化学的ないし電気的エッチング
によってなされてもよい。粗面化の粗度は、好ましく
は、1〜10μm(Rmax)である。この理由は、1μm未
満では充分な密着性が得られず、逆に10μmを越えると
つぎの印刷がきれいにできないからである。
粗面化の後は、好ましくは、生じた研摩粉をつぎの印
刷の前にアルカリ洗浄または酸洗浄によって除去してお
く。
つぎに、印刷工程において、エッチングレジストの印
刷は、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、スクリーン印
刷、グラビア印刷などによって行なわれる。形成される
パターンは、格子状、縦縞状、横縞状、千鳥格子状など
である。格子状パターンの場合、格子状のマスク部によ
って多数の正方形ないし長方形の非マスク部が形成せら
れる。印刷線の太さは0.05〜0.5mm、印刷線のピッチは
0.1〜10mmが好ましい。
印刷インクは、一般に、a)ビヒクル(樹脂、油、溶
インク、可塑剤など)と、b)色料(顔材)と、c)添
加剤(界面活性剤、皮張り防止剤、安定剤、消泡剤な
ど)とで構成されている。この発明では、レジスト印刷
用のインクとして、フッ素樹脂被覆用のプライマー機能
を有するものを用いる。すなわち、この発明によるレジ
スト印刷用のインクは、ビヒクルの樹脂成分としてフッ
素樹脂被覆用のプライマー機能を有する樹脂を含む。
a)ビヒクルにおいて、フッ素樹脂被覆用のプライマー
機能を有する樹脂の代表的な例としては、四フッ化エチ
レン樹脂(PTFE)その他のフッ素系樹脂、ポリアミドイ
ミド(PAI)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)が挙げられる。これらの樹
脂は1種または2種以上の組合せで使用される。シロキ
サン樹脂、エポキシ樹脂なども、条件によっては上記樹
脂に組み合わせて使用することができるが、要求される
耐熱性が非常に高い場合には、これらは使用できない。
PAI、PES、PPS、シロキサン樹脂およびエポキシ樹脂の
1種または2種以上と、PTFEとの組み合わせを用いる場
合、PAI、PES、PPS、シロキサン樹脂およびエポキシ樹
脂は、いずれもアルミニウム材に対する印刷レジストの
密着性を向上させる作用を有し、PTFE1に対して通常は
0.1〜9の重量割合でPTFEに混合される。
ビヒクルを構成する油や溶剤などは、インクの乾燥性
および印刷性を向上させるためのものである。
b)色料(顔料)は含まれていなくてもよい。これを使
用する場合には、耐熱性の面から、酸化チタンその他の
無機系の顔料を使用する。
c)添加剤は、またインクの分散性や安定性などを向上
すせるために使用される。
また、アルミニウム材に対する印刷レジストの密着性
を向上させるために、インクにクロム酸塩、リン酸塩な
どを添加することもある。
つぎに、エッチング工程において、化学的エッチング
を行なう場合には、塩酸のような無機酸の溶液を用い
る。また電気的エッチングを行なう場合には、アルカリ
を含む電解液中で直流電解、交流電解または交直重畳電
解を行なう。印刷レジストを損傷しないという点で、直
流電解エッチングが特に好ましい。このエッチングの結
果、非マスク部が樹脂投錨用の凹部になされる。この凹
部の深さは、通常100μm、好ましくは20〜50μmであ
る。
下地処理せられた金属材への樹脂の被覆は、四フッ化
エチレン樹脂のようなフッ素樹脂の水性分散液をアルミ
ニウム材に塗布し、ついで焼付けを行なうことによって
なされる。なお、樹脂皮膜の前に下地面にアルマイト層
を形成しておくこともある。
実施例 つぎに、この発明の実施例を図面を基に具体的に説明
する。
実施例1 第2〜5図において、アルミニウム材として、厚み1.
5mmのアルミニウム板(A1100)(1)を使用した。
まず、このアルミニウム板(1)を50℃の5%水酸化
ナトリウム水溶液よりなる処理液に1分間浸漬して、脱
脂を行なった。
つぎに、第2図に示すように、脱脂されたアルミニウ
ム板(1)の表面にスクリーン印刷によりエッチングレ
ジスト(2)を格子状パターンに印刷した。印刷インク
としては、顔料として酸化チタンを含み、かつビヒクル
の樹脂としてPTEFとPAIを1:1の割合で含む白色インクを
用いた。ビヒクルは上記樹脂の外に油、溶剤、各種添加
剤を含む。このインクはフッ素樹脂被覆用のプライマー
樹脂を有するものである。レジスト(2)によって形成
された格子線の太さは0.2mm、格子線のピッチは0.5mm、
格子状パターンのレジスト(2)によってマスクされな
い非マスク部(3)の大きさは0.5mm×0.5mmとした。
ついで、第3図に示すように、この格子状パターンの
印刷レジスト(2)を有するアルミニウム板(1)を30
℃の5%塩化ナトリウム水溶液よりなる電解液に浸漬し
て、該アルミニウム板(1)を陽極とし、対極にカーボ
ン板を接続して、電流密度20A/dm2で、3分間、直流電
解エッチングを行なった。これによって非マスク部
(3)がエッチングされて、アルミニウム板(1)の表
面に多数の樹脂投錨用凹部(4)が形成された。こうし
てアルミニウム板(1)の表面が粗度40μm(Rmax)に
粗面化せられた。
こうして粗面化下地面を形成した。
ついで、第4図に示すように、下地処理せられたアル
ミニウム板(1)の表面に四フッ化エチレン樹脂の水性
分散液(デュポン社製、品番456−300)をスプレーコー
トで塗布し、約400℃の温度で10分間、焼付けを行なっ
て、粗面化アルミニウム板(1)の表面に厚さ30μmの
樹脂被覆層(5)を形成した。
実施例2 アルミニウム板(1)の表面の印刷工程において、印
刷インクとして、実施例1のビヒクルの樹脂(PTFEとPA
I)の代わりに、PTFEとPESを1:1の割合で含むインクを
用いた。その他の点は実施例1と同様に操作した。
実施例3 アルミニウム板(1)の表面の印刷工程において、印
刷インクとして、実施例1のビヒクルの樹脂(PTFEとPA
I)の代わりに、PTFEとエポキシ樹脂を1:1の割合で含む
ものを用いた。その他の点は実施例1と同様に操作し
た。
実施例4 アルミニウム板(1)の表面の印刷工程において、印
刷インクとして、実施例1のビヒクルの樹脂(PTFEとPA
I)の代わりに、PAIのみを含むインクを用いた。その他
の点は実施例1と同様に操作した。
実施例5 アルミニウム板(1)の表面の印刷工程において、印
刷インクとして、実施例1のビヒクルの樹脂(PTFEとPA
I)の代わりに、PESを含むものを用いた。その他の点は
実施例1と同様に操作した。
実施例6 アルミニウム板(1)の表面の印刷工程において、印
刷インクとして、実施例1のビヒクルの樹脂(PTFEとPA
I)の代わりに、PPSを含むものを用いた。その他の点は
実施例1と同様に操作した。
比較例 アルミニウム板(1)の表面の印刷工程において、印
刷インクとして、フッ素樹脂被覆用のプライマー機能を
有しない通常のビヒクル用樹脂を含むスクリーン印刷用
のインクを用いた。ついで、粗面化アルミニウム板
(1)を塩酸溶液に浸漬して、マスク部に残ったレジス
ト(2)を除去した。その他の点は実施例1と同様に操
作した。
密着性の評価 実施例1〜6および比較例においてそれぞれ形成した
樹脂被覆層について、JISの手法に従って剥離試験を行
なった。その結果を下表に示す。
この表から明らかなように、フッ素樹脂被覆用のプラ
イマー機能を有する印刷インクを用いた実施例の場合に
は、これを用いなたった比較例の場合に比べて、樹脂被
覆層の剥離強度が著しく大きい。
発明の効果 この発明の下地処理方法によれば、レジスト印刷用の
インクとして、フッ素樹脂被覆用のプライマー機能を有
するものを用いるので、印刷レジストの除去工程を省略
して下地処理を簡略化することができる上に、アルミニ
ウム材の非エッチング部と樹脂との密着性をすこぶる向
上させることができる
【図面の簡単な説明】
図面はこの発明の実施例を示すもので、第1図はこの発
明の方法を実施するフローシート、第2図〜第4図はこ
の発明の方法を工程順に説明するためのもので、第2図
はエッチングレジスト印刷後のアルミニウム板の部分拡
大平面図、第3図はレジスト印刷を有するアルミニウム
板のエッチング後の部分拡大断面図、第4図は粗面化ア
ルミニウム板の表面に樹脂を被覆した状態を示す部分拡
大断面図である。 (1)…アルミニウム板、(2)…エッチングレジス
ト、(3)…非マスク部、(4)…樹脂投錨用凹部、
(5)…樹脂被覆層。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素樹脂を被覆すべき面にエッチングレ
    ジストを所定のパターンに印刷して、レジストによるマ
    スク部と非マスク部を形成し、ついで非マスク部をエッ
    チングする下地処理において、上記レジストの印刷用イ
    ンクとして、フッ素樹脂被覆用のプライマー機能を有す
    るものを用いることを特徴とする、金属材の樹脂被覆に
    おける下地処理方法。
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