JP2647571B2 - 光磁気記憶素子 - Google Patents
光磁気記憶素子Info
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Description
報の記録、再生、消去が可能な光磁気記憶素子に関する
ものであり、詳細には、高速で直接オーバーライトが可
能な光磁気記憶素子に関するものである。
始まり、大容量記憶装置として普及への期待が膨らむ一
方で、ハードディスクに代表される既存の大容量補助記
憶装置と比較した場合、速度面での性能不足が指摘され
ている。このため、特に、直接オーバーライトの可能な
光磁気記憶素子の実現による書込み速度の向上は、次世
代の光磁気ディスク装置で不可欠な技術とされ、その精
力的な研究開発が進められている。そして、中でも、上
記の光磁気記憶素子は、マルチビーム化や両面記録対応
が容易とされる光変調オーバーライトによる直接オーバ
ーライトへの期待が高く、その実現へ向けて既にいくつ
かの方式が提案されている。
は、二層の垂直磁化膜を使用した方式が記載されてお
り、この方式は、高い保磁力と低いキュリー点を有する
メモリー層(第1磁性層)と、上記の第1層と比較して
相対的に低い保磁力と高いキュリー点を有する補助層
(第2磁性層)との間に働く交換結合力を利用するよう
になっている。そして、この方式によれば、外部初期化
磁石によって常に初期化を受けている補助層からの交換
作用により、メモリー層の未記録領域の磁化が旧情報の
磁化の向きの如何に拘わらず一定方向(初期化方向)に
揃えられることによって直接オーバーライトが可能にな
っている。
MAG23,1987,pp171−173には、反磁
界磁壁移動(磁区消滅)を利用したオーバーライト方式
も報告されている。この方式では、無外部磁界あるいは
一定一方向の外部磁界の下で所定の時間幅のレーザパル
スで記録磁区を形成し、これらの記録磁区上に上記のレ
ーザパルスより短い時間幅のレーザパルスを照射するこ
とにより磁区消去を行うようになっている。
メカニズムについては、一般に、磁壁に作用する磁気的
な力と保磁力とのバランスを考慮した以下のバブルモデ
ル(B.G.Huth IBM J,Res.Dev.
18(1974)100)で説明されている。
当たりに作用する力Fは、次式のように表される。
壁エネルギ、Msは飽和磁化、Hdは周囲磁化からの反
磁界、Hextは外部磁界である。この際、上記のFの
絶対値の大きさが2MsHc(Hc:保磁力)より大き
い場合に磁壁の移動が生じるようになっており、(1)
式では、第1項および第2項が磁区の収縮力として作用
する一方、第3項および第4項が磁区を拡大させる力と
して作用するようになっている。
式は、上記の(1)式から、適当な補償点温度(Tco
mp)とキュリー点温度(Tc)とを有する磁性膜組成
を選択することで、一定時間幅のレーザパルス照射で反
磁界項が支配的となって形成された磁区に対して、記録
時より短い時間幅のレーザパルス照射で磁壁エネルギに
関連する第1項および第2項が支配的となる条件を作り
出すことにより記録磁区を収縮消滅させて消去を実現す
るようになっている。従って、この方式によれば、レー
ザパルスの長短によるレーザビームの変調を行うだけで
直接オーバーライトが可能になっている。
来の光磁気記憶素子では、システム構成が複雑化した
り、或いは媒体組成の設計条件の自由度が低下するとい
う問題を有している。
時に必要な補助磁界に加えて補助層を常に初期化してお
く上で不可欠な2〜6kOeもの強磁界を発生する初期
化磁石が別途必要となる点や、再生パワーに加えてオー
バーライト記録時の高レベルパワーおよび低レベルパワ
ーの3値のレーザパワー制御が必要となる点でシステム
構成を複雑化することになっている。さらに、この方式
では、原理上、メモリー層としてキュリー点の高い材料
を利用できないため、結果的に磁気力−回転角の大きな
材料を使用できず、再生信号品質の低下を招来するとい
う問題も有している。
は、媒体構造が単層構造を基本としており、オーバーラ
イト性能を左右する磁壁エネルギ制御、高い信号品質
(大きな磁気力−回転角)、高い記録感度(低いキュリ
ー温度)等の諸特性の整合を図るための極めて自由度の
小さい媒体組成設計が要求されるという問題を有してい
る。
を簡単化すると共に、媒体組成の設計条件の自由度を拡
大させることができる光磁気記憶素子を提供することを
目的としている。
は、上記課題を解決するために、照射レーザパワーの大
小やレーザパルスの長短によるレーザパルスの変調によ
り直接オーバーライトが可能な反磁界/磁壁移動型のオ
ーバーライト特性を示す垂直磁化膜からなる第1磁性層
であるTbFeCo垂直磁化層と、上記第1磁性層より
も相対的に保磁力が小さな垂直磁化膜からなる第2磁性
層であるGdDyFeCo垂直磁化層とが隣接され、上
記両層間が交換結合により磁気結合していることを特徴
としている。
ーバーライトであるため、結合オーバーライト方式のよ
うな初期化磁石が不要になり、システム構成を簡単化で
きる。また、第1磁性層および第2磁性層が積層化によ
って生じる磁性層間の量子力学的な交換結合作用によ
り、第1磁性層に交換結合による収縮力が新たに働くこ
とで、磁壁移動が単層膜のオーバーライト時と比較して
速くなることから、オーバーライトの高速化が可能にな
っている。従って、上記の高速化により得られた余裕
は、ビット安定性や記録感度等の諸特性の条件を緩和さ
せることも可能にし、単層膜構造の場合と比較して材料
組成の選択等の媒体設計の自由度を拡大させることを可
能にしている。
ば、以下の通りである。
示すように、レーザ光の入射側から基板1、第1窒化膜
2、第2磁性層であるGdDyFeCo垂直磁化層3、
第1磁性層であるTbFeCo垂直磁化層4、および第
2窒化膜5がこの順に形成されたものからなっている。
やガラス等の透明な材質からなっており、入射レーザ光
をGdDyFeCo垂直磁化層3およびTbFeCo垂
直磁化層4へ照射させるようになっていると共に、第1
窒化膜2および第2窒化膜5とでGdDyFeCo垂直
磁化層3およびTbFeCo垂直磁化層4を保護するよ
うになっている。また、上記の第1窒化膜2は、多重干
渉により磁気力−回転角をエンハンスする誘電体材質か
らなっており、上記の磁化層3・4の保護に加えて読み
出し性能を良好にするようにもなっている。
界/磁壁移動型のオーバーライト特性を示す垂直磁化膜
からなっており、レーザパワーの大小やレーザパルスの
長短によるレーザパルスの変調によって直接光変調オー
バーライトが可能になっている。そして、上記の垂直磁
化膜からなるTbFeCo垂直磁化層4は、補償点温度
が50〜150℃、キュリー温度が180℃以上、膜厚
が500〜2,500Å、保磁力が4kOe以上、および
磁気力−回転角が0.4°程度に設定されている。
補償点を持たず遷移金属リッチの特性を示しており、単
体での光変調オーバーライトが不可能になっている。そ
して、このGdDyFeCo垂直磁化層3は、保磁力が
2kOe以下で、上述のTbFeCo垂直磁化層4の4
kOe以上より小さいものの、磁気力−回転角が0.5°
以上でTbFeCo垂直磁化層4の0.4°より大きな値
を有した垂直磁化膜からなっている。
作について説明する。
eCo垂直磁化層4にビットパターンが記録されると、
このビットパターンは、GdDyFeCo垂直磁化層3
およびTbFeCo垂直磁化層4が積層化によって生じ
る両磁性層3・4間の量子力学的な交換結合作用によ
り、TbFeCo垂直磁化層4よりも相対的に保磁力は
小さいが磁気光学再生性能に優れたGdDyFeCo垂
直磁化層3に転写されることになる。これにより、光磁
気記憶素子は、再生性能の優れたオーバーライトが可能
になっている。
形成された円筒磁区の磁壁に作用する力Fは、上述の
(1)式導入時と同様のバブルモデルを使用して次式の
ように表される。
はGdDyFeCo垂直磁化層3とTbFeCo垂直磁
化層4との間に働く交換結合力に基づく界面磁壁エネル
ギを表している。
合二層膜構造によって新たに加わった項は、−σe /t
および隣接磁性層より働く静磁結合に起因する反磁界項
+2MsHd* であり、各項にかかる符号より前者の−
σe /tは収縮力として、後者の+2MsHd* は膨張
力として働くことになる。
型の媒体設計では、補償点温度(Tcomp)が室温に
比べて数10℃高い所に設定されるため、通常、特に消
去過程における反磁界項+2MsHd* は、磁壁に働く
力の支配的要因になり得ない。一方、TbFeCo垂直
磁化層4の厚さは、記録感度の兼ね合いから1,000Å
以下であるため、−σe /tが支配的に働くことにな
り、単層膜構造の反磁界/磁壁移動型オーバーライト媒
体と比較して高速の消去が容易なものになる。
ってオーバーライト機能を担うTbFeCo垂直磁化層
4では、磁区(ビット)消滅時に、磁壁に単層膜構造時
と比べて新たにσe /tで表される収縮力が付与される
ことになる。例えばσe =1(erg/cm2 )、t=
1,000(Å)として計算すると、磁壁には、単位面積
当たり105 dyn/cm2 の力が収縮力として新たに
付与されることになる。
Co垂直磁化層4の保磁力Hcから2MsHcで見積も
ることができ、TbFeCo垂直磁化層4の飽和磁化と
して100(emu/cm3 )および保磁力として5
(kOe)を代入すると、磁壁の単位面積当たりに10
×105 dyn/cm2 の力が磁壁の動きを停止させる
ように働くことになる。
Co垂直磁化層4に交換結合によるσe /tからなる収
縮力が新たに働くことで、磁壁移動がTbFeCo単層
膜のオーバーライト時と比較して10%程度速くなるこ
とから、オーバーライトの高速化が可能になっている。
そして、この高速化により得られた余裕は、ビット安定
性や記録感度等の諸特性の条件を緩和させることも可能
にし、TbFeCo単層膜構造の場合と比較して材料組
成の選択等の媒体設計の自由度を拡大させることを可能
にしている。
は、磁気力−回転角の大きなGdDyFeCo垂直磁化
層3から読み出すため、TbFeCo単層膜の場合と比
較して、0.5/0.4=1.25倍の改善効果を得ることが
できるようになっている。また、本実施例の光磁気記憶
素子は、反磁界/磁壁移動型のオーバーライトであるた
め、交換結合オーバーライト方式のような初期化磁石が
不要になり、システム構成を簡単化できるようになって
いる。
側から基板1、第1窒化膜2、GdDyFeCo垂直磁
化層3、TbFeCo垂直磁化層4、および第2窒化膜
5がこの順に形成されているが、これに限定されること
はなく、レーザ光の入射側から基板1、第1窒化膜2、
TbFeCo垂直磁化層4、GdDyFeCo垂直磁化
層3、および第2窒化膜5がこの順に形成されていても
良い。但し、上記のGdDyFeCo垂直磁化層3は、
保磁力が5kOe以下、磁気力−回転角が0.4°程度に
設定されており、希土類リッチの特性を示すものであ
る。
TbFeCo垂直磁化層4側から行うため、再生性能と
してはTbFeCo単層膜の場合と同等であるが、Gd
DyFeCo垂直磁化層3からの交換結合力に基づく収
縮力σe /tの効果によって10%程度の高速化が可能
になっている。
に、単独でレーザパルスの変調による反磁界/磁壁移動
型の直接オーバーライトが可能な垂直磁化膜からなる第
1磁性層と、該第1磁性層に対して隣接して設けられ、
上記第1磁性層と交換結合し、かつ、第1磁性層よりも
相対的に保磁力が小さな垂直磁化膜からなる第2磁性層
とからなる構成である。
め、結合オーバーライト方式のような初期化磁石が不要
になり、システム構成を簡単化できるようになってい
る。また、第1磁性層および第2磁性層が積層化によっ
て生じる磁性層間の量子力学的な交換結合作用により、
磁壁移動が速くなることから、オーバーライトの高速化
が可能になり、この高速化により得られた余裕が、ビッ
ト安定性や記録感度等の諸特性の条件を緩和させること
を可能にし、材料組成の選択等の媒体設計の自由度を拡
大させることを可能にするという効果を奏する。
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】単独でレーザパルスの変調による反磁界/
磁壁移動型の直接オーバーライトが可能な垂直磁化膜か
らなる第1磁性層と、該第1磁性層に対して隣接して設
けられ、上記第1磁性層と交換結合し、かつ、第1磁性
層よりも相対的に保磁力が小さな垂直磁化膜からなる第
2磁性層とからなることを特徴とする光磁気記憶素子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3118864A JP2647571B2 (ja) | 1991-05-23 | 1991-05-23 | 光磁気記憶素子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3118864A JP2647571B2 (ja) | 1991-05-23 | 1991-05-23 | 光磁気記憶素子 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04345938A JPH04345938A (ja) | 1992-12-01 |
| JP2647571B2 true JP2647571B2 (ja) | 1997-08-27 |
Family
ID=14747020
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3118864A Expired - Lifetime JP2647571B2 (ja) | 1991-05-23 | 1991-05-23 | 光磁気記憶素子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2647571B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0319155A (ja) * | 1989-06-15 | 1991-01-28 | Nec Corp | 光磁気記録媒体 |
| JP2945049B2 (ja) * | 1990-02-05 | 1999-09-06 | 三菱電機株式会社 | 光磁気記録媒体 |
-
1991
- 1991-05-23 JP JP3118864A patent/JP2647571B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04345938A (ja) | 1992-12-01 |
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