JP2807918B2 - 連続焼鈍炉の燃焼制御方法 - Google Patents

連続焼鈍炉の燃焼制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は連続焼鈍炉の燃焼制御方法に係り、特に焼鈍
条件の異なる先行ステンレス鋼帯と後行ステンレス鋼帯
の間に普通鋼からなるダミー鋼帯を介在させ焼鈍する際
の燃焼制御方法に関し、ステンレス冷延鋼帯等の連続焼
鈍に広く利用される。
〔従来の技術〕
ステンレス冷延鋼帯の連続焼鈍ラインでは、通常需要
者の多種多様の要望に応ずるため、鋼種、寸法とも多種
多様の鋼帯を通板して処理しなければならない。一方、
製造コスト低減のためには同一もしくは近似の鋼種、製
品板材の厚さ、幅等の焼鈍条件の差異の少い鋼帯を継続
生産することが望ましい。
従つて連続焼鈍ラインでは通常先行鋼帯の後端に、ヒ
ートパターン、焼鈍温度、板厚、板幅、鋼種、放射率等
の焼鈍条件に大幅な差異を生じないように後行鋼帯を選
択して接続し、連続焼鈍を実施することがコスト低減の
ために最も望ましい。
しかし、納期等の理由から、上記関係の持続が保て
ず、大幅に焼鈍条件が異なる後行鋼帯を組合わせなけれ
ばならないことがしばしば起る。
このような場合には第1図に示す如く、先行鋼帯A
と、後行鋼帯Cとの間に、長さ数百メートルの普通鋼か
らなるダミー鋼帯Bを介在させて、該ダミー鋼帯Bを通
板中に連続焼鈍炉の炉温を後行鋼帯Cの焼鈍条件に調整
した後、後行鋼帯Cの焼鈍を行なうことが現状である。
一方、通常用いられる連続焼鈍炉1は、第2図に示す
如く加熱帯、均熱帯、冷却帯等ゾーンから構成されてお
り、各ゾーン毎にゾーン温度を熱電対2および温度制御
装置3を介して制御できようになつている。すなわち、
各ゾーン毎に炉の温度を上げる場合には、例えば直火式
であれば燃焼ガス量4を増加する等、熱エネネギーの投
入を増加し、逆に炉温を下げる場合には、エネルギーの
投入量を減じるとか、更に急冷する場合には冷媒を投入
する等の操作によつて炉温を各ゾーン毎に目標とする温
度に調整する。
かくの如き各ゾーンの温度制御の目的は、処理材料の
鋼帯を最適のヒートパターンに合致する温度値に制御す
ることであり、通常直接材料温度を測定してヒートパタ
ーンが所望の温度値になるように熱エネルギーの投入量
を制御して焼鈍することが望ましい。しかし、ステンレ
ス鋼帯の焼鈍温度は900℃以上と高温であるほか、鋼帯
表面の熱吸収率は0.3〜0.4程度と、きわめて低いので、
搬送されているステンレス鋼帯の表面温度を工業的に精
度よく測定する測温装置は未だ開発されていない現状で
ある。
従つて、ステンレス鋼帯の連続焼鈍は、通常炉温と板
温との間のデータを実験的に数多く求めておき、両者間
の相関関係を知り、工業的な熱処理に適用している。す
なわち、処理材を目標とするヒートパターンおよび板温
どおりに焼鈍しようとする場合には、炉温を制御して処
理材の特性に見合つたヒートパターンおよび板温を得る
方法である。この方法によつて焼鈍条件の大幅な差異の
ない先行鋼帯Aと後行鋼帯Cの板換わり点における焼鈍
条件の変更を行つている。すなわち、焼鈍炉の各ゾーン
の温度を後行鋼帯C向けの温度に調整するか、もしくは
通板速度の変更で対処していた。この方法は、板厚、板
幅、ライン速度の変動差により、ガス投入量をその変動
差分だけ変更し、炉温が変化しないように制御する方法
である。
しかし、上記の如く大幅に焼鈍条件の異なる先行鋼帯
Aと後行鋼帯Cとの間に介在させるダミー鋼帯Bは繰返
し使用され、しかも普通鋼板が使用されるので繰返し使
用中に表面が酸化され、スケールの厚みが次第に厚くな
り表面の色が黒変して熱吸収率が大きくなる傾向があ
る。
一方、鋼帯が吸収する熱量Qと、その温度TSとの間に
は次の(1)式で示すような関係が成立する。
ここにQ :吸収熱量(Kcal/hr) K :定数 φCG:総括熱伝達係数(熱吸収率に相当) TF :炉内温度(℃) TS :鋼帯温度(℃) QL :炉体放散熱(Kcal/hr) (1)式より明らかなとおり、一定の投入熱量の場合で
も熱吸収率φCGが小さいほど、鋼帯温度TSが小さく温度
が上昇しない。逆にφCGが大きい程鋼帯温度が大となり
温度が上昇する。そこで先行鋼帯Aからダミー鋼帯B
へ、更にダミー鋼帯Bから後行鋼帯Cへの接続部におい
ては、上記吸収熱量差を補正する制御が行われていた
が、従来はダミー材Bの総括熱伝達係数は通板回数に関
係なく、飽和した状態と仮定して、例えば第3図に示す
如くφCG=0.6としていた。すなわち、前記の如く、使
用回数が多く表面のスケール厚みが厚く表面が黒くなつ
たダミー材も、使用回数が少なく製品ステンレス鋼帯に
近い表面光沢を有するダミー材もφCG=0.6として制御
していた。そのためダミー鋼帯Bから後行の製品鋼帯C
に移行する際に、第4図に示す如く、(1)式による後
行製品鋼帯CのTSが上昇し、850℃から950℃に急上昇す
ることがあつた。
ステンレス鋼は、例えばSUS430では900℃附近に変態
点があるため930℃近くまで温度が上昇すると製品とし
て使用できるスクラツプとしなければならず、良品率が
減少しコストが上昇する。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、焼鈍条件が著しく異なるために、先
行鋼帯と後行鋼帯の間にダミー鋼帯を介在させて連続焼
鈍する際、従来、ダミー鋼帯の新、旧に関らず総括熱伝
達係数を一定として制御し、そのために後行製品鋼帯の
焼鈍温度を過度に高める事故のあることに鑑み、常に安
定して適正な焼鈍温度で焼鈍することができる効果的な
燃焼制御方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の要旨とするところは次の如くである。すなわ
ち、 (1)焼鈍条件の異なる先行ステンレス鋼帯と後行のス
テンレス鋼帯の間に普通鋼からなるダミー鋼帯を介在さ
せ該ダミー鋼帯の通板中に連続焼鈍炉の炉温を前記後行
ステンレス鋼帯の焼鈍条件に調整する際、前記ダミー鋼
帯の通板回数に応じて前記後行ステンレス鋼帯焼鈍時の
熱投入量を制御することを特徴とする連続焼鈍炉の燃焼
制御方法。
(2)連続焼鈍炉における前記ダミー鋼帯の通板から前
記後行ステンレス鋼帯への移行時のガス投入量変化をΔ
Q(Nm3/hr)とすれば ΔQ(Nm3/hr)=K1(N)×(F2−F1)・・・(1) ただしK1(N):ダミー鋼帯の通板回数によって決まる
係数 F2 :後行ステンレス鋼帯の板厚、板幅、ラ
イン速度の積 F1 :ダミー鋼帯の板厚、板幅、ライン速度
の積 (1)式で表される請求項(1)に記載の連続焼鈍炉の
燃焼制御方法。
本発明の詳細を添附図面を参照して説明する。焼鈍条
件の著しく異なる先行鋼帯Aと後行鋼帯Cとの間にダミ
ー鋼帯Bを介在させ、該ダミー鋼板Bの通板中に焼鈍条
件をBからCに調整し後行鋼帯Cに最も適した炉温に制
御する方法において、従来介在通板させるダミー鋼帯B
の総括熱伝達係数(Kcal/m2hr)は、第3図に示す如
く、例えばφCG=0.6として一定とみなし、後行鋼帯C
の炉温を制御していたが、本発明者らはダミー鋼帯Bの
総括熱伝達係数は通板回路によつて変化することを見出
した。すなわち新しいダミー鋼帯Bの表面光沢は製品ス
テンレス鋼帯に近い光沢を有し熱吸収率が著しく小であ
ることを見出した。これを数回ないし10数回通板させて
ほぼ飽和して一定となつた時の総括熱伝達係数の例えば
0.6として後行鋼帯Cの通板時の炉温制御していたこと
により、過度の高温焼鈍を実施するという事故発生に鑑
み、本発明は第3図に示す如く、例えば当初は0.3から
始まり、次第に高くなつて通板回数10回にしてほぼ飽和
状態の0.6に達するものであることを見出した。
従つてダミー鋼帯Bから後行製品鋼帯Cに移行する際
のガス投入量の増大分をΔQ(Nm3/hr)とすれば、下記
の(2)式が成立する。
ΔQ(Nm3/hr)=K1(N)×(FC−FB)………(2) ここに K1(N):ダミー鋼帯Bの使用回数によつて
決まる係数 FC :後行製品鋼帯Cの板厚、板幅、ラ
イン速度の積 FB :ダミー鋼帯Bの板厚、板幅、ライ
ン速度の積 かくの如く、ダミー鋼帯Bの通板回数に応じてきめ細か
く投入ガス量を制御することにより、新しいダミー鋼板
を使用時も後行製品鋼帯Cの接続する先端部の過度の高
温を防止することができ、鋼行鋼帯Cに適合した焼鈍を
実施することができた。
〔実施例〕
オーステナイト系ステンレス鋼SUS304の先行鋼帯Aか
らフエライト系ステンレス鋼SUS430の後行鋼帯Cに移行
時に通板回数2回の新しい普通鋼のダミー鋼帯Cを介在
させて連続焼鈍炉で焼鈍した。
この際、従来法によりダミー鋼板Bの総括熱伝達係数
φCG=0.6として後行鋼帯Cに移行した場合と、本発明
によりダミー鋼板BのφCG=0.3として後行鋼帯Cに移
行した実施例について比較説明する。
(A)従来法によつた場合、 900℃による焼鈍を目標としてダミー鋼板Bから後行
鋼帯Cへの移行時にφCG=0.6としてガス開度すなわ
ち、第4図(B)に示す如く(投入ガス量/最大ガス
量)=95%としてガス熱量を投入した処、ダミー鋼帯B
の温度は第4図(A)に示す如く850℃まで下り、後行
鋼帯Cに移行した当初は950℃まで上昇した後、数秒間
後にようやく目標温度の900℃に戻つたが、950℃で焼鈍
した部分の約50mは、変態点910℃を越す温度であつたの
で、この部分は焼鈍不良品として切断廃棄せざるを得な
かつた。焼鈍不良品として廃棄した長さは、後行鋼帯C
の全長の約3%であつた。
(B)本発明法によつた場合 新しいダミー鋼帯BのφCG=0.3としてダミー鋼帯B
から後行製品鋼帯Cに移行時のガス開度は第5図(B)
に示す如く、40%であつたので、この開度で移行した
処、第5図(A)に示す如くダミー鋼帯Bの温度は895
℃と低下したが、後行製品鋼帯Cへの移行直後の鋼帯C
の温度は、一時905℃を示したものの、数秒後に目標と
する900℃の焼鈍温度となり、焼鈍不良品ロスは全く発
生せず、目標温度の900℃で安定操業が実施できた。
新しいダミー材の総括熱伝達係数φCGは第3図に示す
如く、当初は0.3Mcal/m3hrであり、約10回の通板にて従
来採用していた飽和係数値の0.6Kcal/m2hrに達すること
が判明したので、その後新しいダミー材Bは、その通板
回数によつてφCG値を変えて後行鋼帯Cへの移動時の、
ガス開度(%)を制御して焼鈍を実施した処、従来より
良品歩留を約3%向上させることができた。
〔発明の効果〕
先行ステンレス鋼帯と後行ステンレス鋼帯の焼鈍条件
が著しく異なる連続焼鈍時に、両者の間に普通鋼からな
るダミー鋼帯を介在させてダミー鋼帯の通板中に後行鋼
帯に適合する炉温に調整する連続焼鈍法において、従来
ダミー材の総括熱伝達係数は、その飽和値に一定として
後行鋼帯Cの通板時のガス開度を制御していたので、後
行製品鋼帯Cへの通板移行直後に不適性焼鈍温度による
不良品の発生していた原因を探求中の処、ダミー材の表
面光沢の差による総括熱伝達係数は、その通板回数によ
り変化し、前記(2)式による関数があることを見出
し、これにより移行時のガス開度を調整し投入熱量を制
御する方法をとつたので、従来、ダミー鋼帯Bから後行
製品鋼帯Cへの移行直後に発生していた過度の炉温上昇
による不良品の発生がほとんど解消され、きめ細い制御
により適正炉温による安定操業が可能となり、良品歩留
を約3%向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は先行鋼帯Aと後行鋼帯Cの間にダミー鋼帯Bを
介在させて通板する状況を示す模式断面図、第2図は連
続焼鈍炉と通板鋼帯との関係を示す模式断面図、第3図
はダミー鋼帯の総括熱伝達係数(Kcal/m2hr)と通板使
用回数との関係における従来法と本発明法との比較を示
す線図、第4図(A)、(B)は本発明法と従来法との
通板比較試験における従来法の試験結果を示し、(A)
は後行製品鋼帯の連続焼鈍炉中の時間の経過による炉温
変化を示す線図、(B)は(A)の時間の経過に対応す
る焼鈍ガス開度%(投入ガス量/最大ガス量)を示す線
図、第5図(A)、(B)はそれぞれ第4図(A)、
(B)と同様の本発明による試験結果を示し、(A)は
後行製品鋼帯の連続焼鈍炉中の時間の経過による炉温変
化を示す線図、(B)は(A)の時間の経過に対応する
焼鈍ガス開度%(投入ガス量/最大ガス量)を示す線図
である。 A……先行鋼帯、B……ダミー鋼帯 C……先行鋼帯 1……連続焼鈍炉、2……熱電対 3……温度制御装置、4……燃焼ガス(燃料)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 孝 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通2番88号 川崎製鉄株式会社阪神製造所内 (56)参考文献 特開 昭61−117229(JP,A) 特開 昭60−70128(JP,A) 特開 昭62−89820(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 9/52 - 11/00 105

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼鈍条件の異なる先行ステンレス鋼帯と後
    行ステンレス鋼帯の間に普通鋼からなるダミー鋼帯を介
    在させ該ダミー鋼帯の通板中に連続焼鈍炉の炉温を前記
    後行ステンレス鋼帯の焼鈍条件に調整する際、前記ダミ
    ー鋼帯の通板回数に応じて前記後行ステンレス鋼帯焼鈍
    時の熱投入量を制御することを特徴とする連続焼鈍炉の
    燃焼制御方法。
  2. 【請求項2】連続焼鈍炉における前記ダミー鋼帯の通板
    から前記後行ステンレス鋼帯への移行時のガス投入量変
    化をΔQ(Nm3/hr)とすれば ΔQ(Nm3/hr)=K1(N)×(F2−F1) ・・・・・・(1) ただしK1(N):ダミー鋼帯の通板回路によって決まる
    係数 F2:後行ステンレス鋼帯の板厚、板幅、ライン速度の積 F1:ダミー鋼帯の板厚、板幅、ライン速度の積 (1)式で表される請求項(1)に記載の連続焼鈍炉の
    燃焼制御方法。
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