JP2899080B2 - 無水シリカの製造方法 - Google Patents

無水シリカの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はゾル−ゲル法等によって製造された合成シリ
カ中に含まれるシラノール基を除去し、水分含有量が極
めて少なく、耐熱性に優れた無水シリカを製造するのに
好適な無水シリカの製造方法に関する。
(従来の技術) 石英ガラスの原料としては、従来より天然の水晶が用
いられてきたが、近年になってこの石英ガラスが電子部
品等の材料として使用されるようになり、より高純度の
石英ガラスを得る必要から、その原料として高純度の合
成シリカの使用が検討されている(特開昭51−77612号
公報、特開昭61−186232号公報)。
しかしながら、一般的に合成的に製造されたシリカは
その製造条件により数Åから数十Å程度の細孔を有し、
加熱により脱水が始まり、さらに1100℃から1300℃で数
時間焼成すると封孔し、この封孔するまでの焼成過程で
吸着水や凝縮水が離脱し、また、シラノール基の縮合反
応等により脱水が起こる。しかしながら、シリカ内部に
孤立したシラノール基は、この焼成過程で縮合反応を起
こすことができず、水分として内部に残留したまま封孔
されてしまう。そして、このようにシラノール基が残留
したままのシリカを石英ガラスの原料として使用する
と、優れた耐熱性を有する石英ガラスが得られないとい
う問題が生じる。
そこで、このシラノール基を除去する方法として、シ
リカゲルをハロゲン系の脱OH基剤とキャリヤーガスとの
混合ガス気流中で焼成し、シラノール基をハロゲン原子
に置換する反応を利用して除去する方法が知られている
(特開昭61−186232号公報)が、この方法においてもシ
ラノール基に代わってハロゲン基が残留することにな
り、石英ガラスとしたときに残留ハロゲンに起因する耐
熱性の低下や腐食性等の問題が生じる。
(発明が解決しようとする課題) したがって、本発明の目的はシリカ中のシラノール基
を可及的に除去し、石英ガラスの製造原料として好適な
水分含有量の少ない無水シリカを得る方法を提供するこ
とにある。
(課題を解決するための手段) 上記問題点を解決するために本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、シリカを乾燥気流中で焼成することによ
り、シリカ粒子中に残留した水分を除去できることを見
出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、アルコキシシランを加水分解し
て得られたシラノール基を有するシリカを水分含有量が
30ppm以下、流量がシリカ1Kg当たり3l/hr以上の乾燥ガ
ス雰囲気中で1100℃以上の温度で焼成することを特徴と
する無水シリカの製造方法である。
なお、本発明においてシリカ中のシラノール基はシリ
カ中に含まれる水分とみなされる。
本発明において、焼成するシリカはシラノール基を有
するものであれば特に限定されないが、特に高純度のシ
リカを得るためには、アルコキシシランを水及び必要に
応じて添加される触媒、溶媒等の混合溶液中で加水分解
することによって製造するのがよい。ここで、このよう
な高純度のシリカを製造するのに使用できるアルコキシ
シラン類としては、特に限定されないが、好ましくは炭
素数1〜4のアルコキシ基を有するものであり、例えば
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ
プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等を挙げるこ
とができ、特に加水分解反応速度の大きいテトラメトキ
シシランやテトラエトキシシランが好ましい。
また、この方法において使用できる触媒としては、反
応後のシリカからの除去の容易さという観点から、塩
酸、硝酸等の無機酸や酢酸等の有機酸又はアンモニアや
アミン類等の無機塩基を挙げることができる。また、こ
の方法において使用できる溶媒としてはメタノール、エ
タノール等のアルコール類を挙げることができる。
本発明において使用できる乾燥ガスは、乾燥空気、純
空気、純水素等の水分含有量が30ppm以下のガスであれ
ば、ガスの種類は特に限定されるものではない。また、
乾操ガスの流量は、焼成するシリカ1Kg当たり3l/hr以上
とすることがよい。乾燥ガスの水分含有量が30ppmを越
えたり、乾燥ガスの流量が焼成するシリカ1Kg当たり3l/
hrより少ないと、比較例に示すようにシラノール基を十
分に減少させることができない。
本発明においては焼成の前に、シリカ中の水分をある
程度減少させる目的で予備焼成することが好ましい。こ
のときの予備焼成雰囲気、予備焼成温度は特に限定され
るものではないが、一般に大気中で、1000〜1100℃の温
度範囲で行われる。
また、本発明における乾燥ガス中での焼成において、
乾燥ガスとシリカの接触効率を良くするため、乾燥ガス
の導入管をシリカを入れたるつぼの底付近まで挿入して
乾燥ガスを流し、効率よくシリカ粒子と乾燥ガスが接触
するようにする。
(作用) 本発明においては、シリカを乾燥ガス中で焼成するの
で、乾燥ガスがシリカ表面に供給されるため、シリカ表
面では高温下でシラノール基が縮合し、水を放出する方
向に平衡が大きく偏り水分が除去される。また、シリカ
表面のシラノール基が除去された後、シリカの表面と内
部との間にシラノール基の濃度勾配ができるので、高温
下でシリカ内部のシラノール基は表面方向に拡散し、シ
リカ表面において前記と同様の理由により水分が除去さ
れる。
この繰り返しによってシリカ全体から水分が除去され
無水シリカとなるものと推定される。
(実施例) 以下に本発明の実施例を示し、本発明をさらに詳しく
説明する。
実施例1 純水36重量部に重炭酸アンモニウム3.7重量部、アン
モニアガス2.6重量部を溶解させた溶液に、攪拌しなが
らメタノール60重量部で希釈したテトラメチルシラン10
0重量部を3時間かけて滴下し、加水分解反応させ、平
均粒径120μmの沈澱シリカゲルを得た。このシリカゲ
ルを乾燥後、大気中で1000℃で予備焼成することにより
脱水を行いシリカ粉を得た。
このシリカ粉はFT−IR透過法で測定したところ、523p
pmのシラノール基を含有していた。
次に、得られたシリカ粉を石英ガラスるつぼに入れ、
ふたをしてふたの穴から石英ガラスチューブをシリカ粉
内に挿入し、乾燥ガスの排出口がるつぼの底部近傍とな
るようにし、水分含有量が3ppmの乾燥純空気ガスを石英
ガラスチューブを通してシリカ1kg当たり10l/hrの割合
でシリカ粉中に吹き込みながら昇温し、1150℃の温度で
10時間焼成した。昇温速度は200℃/hrとし、冷却は自然
冷却で行った。
この様にして焼成したシリカ粉のシラノール基含有量
は59ppmに減少していた。
実施例2 焼成温度を1200℃とした以外は、実施例1と同様にし
て行ったところ、シラノール基含有量は38ppmに減少し
ていた。
実施例3 焼成温度を1300℃とし、乾燥ガスとして、水分含有量
10ppmの窒素ガスを用い、乾爆ガス流量をシリカ1kg当た
り5l/hrとした以外は実施例1と同様にして行ったとこ
ろ、シラノール基含有量は42ppmに減少した。
比較例1 焼成温度が1050℃であること以外は実施例1と同様に
行ったところ、焼成温度が低いためシラノール基含有量
は270ppmであった。
比較例2 乾燥ガスを用いずに大気中で焼成を行った以外は実施
例2と同様に行ったところ、シラノール基含有量は320p
pmであった。
比較例3 乾燥ガスの流量をシリカ1kg当たり2l/hrとした以外は
実施例2と同様にして行ったところ、シラノール基含有
量は110ppmと十分に減少していなかった。
比較例4 水分含有量が38ppmのガスを用いた以外は実施例1と
同様にして行ったところ、シラノール基含有量は102ppm
と十分に減少していなかった。
比較例5 乾燥ガスを導入する石英ガラスチューブをシリカ粉内
に挿入せず、シリカ粉表面に乾燥ガスを吹きつけるよう
にした以外は実施例2と同様にして行ったところ、シラ
ノール基含有量は126ppmと十分でなかった。
比較例6 予備焼成温度を900℃に抑え、得られたシラノール基
含有量が2120ppmのシリカ粉を用いて焼成した以外は実
施例2と同様にして行ったところ、シラノール基含有量
は137ppmと十分でなかった。
(発明の効果) 本発明によれば、シリカ中の水分含有量を低減できる
ので、このシリカを原料として使用することにより、耐
熱性や光学特性に優れた性能を有する石英ガラスを製造
することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルコキシシランを加水分解して得られた
    シラノール基を有するシリカを水分含有量が30ppm以
    下、流量がシリカ1Kg当たり3l/hr以上の乾燥ガス雰囲気
    中で1100℃以上の温度で焼成することを特徴とする無水
    シリカの製造方法。
  2. 【請求項2】乾燥ガス雰囲気中で1100℃以上で焼成する
    前にシリカを予備焼成し、シリカの水分含有量を1000pp
    m以下にしておくことを特徴とする請求項1記載の無水
    シリカの製造方法。
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