JP2906112B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2906112B2
JP2906112B2 JP9217394A JP9217394A JP2906112B2 JP 2906112 B2 JP2906112 B2 JP 2906112B2 JP 9217394 A JP9217394 A JP 9217394A JP 9217394 A JP9217394 A JP 9217394A JP 2906112 B2 JP2906112 B2 JP 2906112B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐薬品性及び耐衝撃性
に優れる熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ABS樹脂に代表されるゴム強化スチレ
ン系樹脂は優れた衝撃強度発現性ゆえに、家庭製品や車
輌などの部品として幅広い分野で使用されている。その
ため、ある場合には薬品に晒される状況下で使用される
こともある。例えば、洗面台や浴室にある水洗ハンドル
やシャワーヘッド等の樹脂製品は洗剤に晒される環境下
にあり、自動車に使用されている樹脂部品は機械油やワ
ックスリムーバーが接触する。また、冷蔵庫の取っ手や
ドアキャップに使用されている樹脂は冷蔵庫の断熱材製
造時にウレタン発泡剤であるフロンに晒される、等々で
ある。このような状況下では、しばしば樹脂製品が割れ
たり樹脂表面に細かい亀裂が発生することがある。この
現象は、環境応力下亀裂と呼ばれ、成形されたゴム強化
スチレン系樹脂製品内部に残量している歪みが、薬品と
の接触により部分的に解放されることによって生じ、樹
脂に対する溶解性の低い薬品の接触で顕著に見られる。
ゴム強化スチレン系樹脂の耐薬品性(環境応力下亀裂の
発生し易さ)を改良する手段として、ゴム成分として架
橋アクリル酸アルキルエステルゴムを使用する方法があ
る。例えば、架橋アクリル酸ブチルエステルゴムにアク
リロニトリルとスチレンをグラフト共重合させて得られ
るAAS樹脂である。しかしながら、AAS樹脂は衝撃
強度発現性が低いという欠点を有しているため樹脂製品
としての利用が大きく制限されている。高い衝撃強度発
現性を得るためには通常ゴム含量を増やすという手段を
が採ることもできるが、表面硬度や剛性が低下し傷付き
や変形を起こすため好ましくない。そのため、耐薬品性
と衝撃強度発現性共に優れるゴム強化スチレン系樹脂が
望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、耐薬品
性と衝撃強度発現性との物性バランスに優れる樹脂組成
物を得るために鋭意検討した結果、アクリル酸アルキル
エステルと共役ジエンゴムを使用したグラフト共重合
体、共役ジエン系ゴムにアクリル酸アルキルエステルを
シード重合したゴムを使用したグラフト共重合体及びポ
リオルガノシロキサン系ゴムにアクリル酸アルキルエス
テルをシード重合したゴムを使用したグラフト共重合体
から選ばれる1種以上のグラフト共重合体と、共役ジエ
ン系ゴムを使用したグラフト共重合体を必須成分とし、
必要に応じて硬質熱可塑性樹脂とを、熱可塑性組成物中
に占めるゴム成分の割合が特定の組成になるように配合
することにより、耐薬品性と衝撃強度発現性との物性バ
ランスに優れた樹脂組成物が得られることを見い出し、
本発明に到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記グ
ラフト共重合体(I)およびグラフト共重合体(II)を
必須成分とし、グラフト共重合体(I)、グラフト共重
合体(II)および硬質熱可塑性樹脂(III)を配合して
なる熱可塑性樹脂組成物であって、該熱可塑性樹脂組成
物100重量%中に占めるゴム状共重合体の割合が15
〜30重量%であり、かつゴム状重合体を形成するアク
リル酸アルキルエステル単位の割合がゴム状重合体10
0重量%に対して35〜85重量%であることを特徴と
する熱可塑性樹脂組成物にある。 (I)下記のグラフト共重合体(A)、(B)、(C)
の群から選ばれてなる1種以上のグラフト共重合体
(I)。 (A)アルキル酸アルキルエステル35〜85重量%と
共役ジエン15〜65重量%およびこれらと共重合可能
な単量体0〜20重量%とを乳化重合させて得られるゲ
ル含量が70重量%を超え、平均粒径0.03〜0.2
μmのゴム状共重合体(a)ラテックスに、酸基含有共
重合体ラテックス(i)あるいは必要に応じて該酸基含
有共重合体ラテックス(i)に酸素酸の金属塩(ii)を
併用することにより得られる平均粒子径0.15〜0.
5μmの肥大化ゴム状共重合体(a′)ラテックス20
〜80重量部(固形分として)の存在下に、不飽和シア
ン化合物15〜45重量%と芳香族ビニル化合物55〜
85重量%からなる単量体混合物もしくはメタクリル酸
アルキルエステル80〜100重量%とアクリル酸アル
キルエステル0〜20重量%からなる単量体混合物20
〜80重量部をグラフト重合させてなるグラフト共重合
体(A) (B)共役ジエン系ゴム状重合体(b)ラテックス5〜
65重量%(固形分として)の存在下に、アクリル酸ア
ルキルエステルとこれと共重合可能な単量体とからなる
単量体混合物35〜95重量%をシード重合して得られ
る、ゲル含量70重量%以上の複合ゴム状重合体
(b′)ラテックス20〜80重量部(固形分として)
の存在下に、不飽和シアン化合物15〜45重量%と芳
香族ビニル化合物55〜85重量%からなる単量体混合
物20〜80重量部をグラフト重合させてなるグラフト
共重合体(B) (C)ポリオルガノシロキサン系ゴム状重合体(b−
2)ラテックス5〜65重量%(固形分として)の存在
下に、アクリル酸アルキルエステルとこれと共重合可能
な単量体とからなる単量体混合物35〜95重量%をシ
ード重合して得られる、ゲル含量70重量%以上の複合
ゴム状重合体(c′)ラテックス20〜80重量部(固
形分として)の存在下に、不飽和シアン化合物15〜4
5重量%と芳香族ビニル化合物55〜85重量%からな
る単量体混合物20〜80重量部をグラフト重合させて
なるグラフト共重合体(C) (II)共役ジエン70〜100重量%とこれと共重合可
能な単量体0〜30重量%とを乳化重合させて得られる
平均粒子径0.03〜0.2μmの共役ジエン系ゴム状
共重合体(d)ラテックスに、酸基含有共重合体ラテッ
クス(i)あるいは必要に応じて該酸基含有共重合体ラ
テックスに酸素酸の金属塩(ii)を併用して添加して得
られる肥大化ゴム状共重合体(d′)ラテックス30〜
70重量部(固形分として)の存在下に、不飽和シアン
化合物15〜45重量%と芳香族ビニル化合物55〜8
5重量%からなる単量体混合物をグラフト重合させてな
るグラフト共重合体(II)。 (III)不飽和シアン化合物、芳香族ビニル化合物、不
飽和エステル化合物及びマレイミド化合物から選ばれる
2種以上の単量体を共重合して得られる硬質熱可塑性樹
脂(III)。
【0005】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
願発明で使用されるグラフト共重合体(A)に供される
アクリル酸アルキルエステル系ゴム状共重合体(a)
は、アクリル酸アルキルエステル35〜85重量%と共
役ジエン15〜65重量%およびこれらと共重合可能な
単量体0〜20重量%とを乳化共重合させることにより
得られる。ここで用いられるアクリル酸アルキルエステ
ルとは、アルキル基の炭素数が1〜12であるアクリル
酸アルキルエステルやフェニル基、ベンジル基等のベン
ゼン環を有するアクリル酸芳香族エステルを言い、好ま
しい例として、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、エチルアクリレート等が挙げら
れ、1種又は2種以上を用いることができる。また、使
用量が30重量%以下であるなら、グリシジルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、テトラヒド
ロフルフリルアクリレート、ジメチルアミノエチルアク
リレート等の官能基を有するアクリル酸エステル化合物
を上記のものと併用して使用することも可能である。
【0006】共役ジエンとしては、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン等が好例として挙げら
れ、特に1,3−ブタジエンを用いるのが好ましい。ま
た、アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な単量体
としては、アリルアクリレート、アリルメタクリレー
ト、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリ
レート、ブチレングリコールジアクリレート、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート等の多官能性単量体やアクリロ
ニトリル等の不飽和シアン化合物、スチレン等の芳香族
ビニル化合物、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸ア
ルキルエステル、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸化
合物等の単官能性単量体が挙げられ、1種又は2種以上
を用いることができる。共役ジエンの使用量が少ない場
合には、通常1種以上の多官能性単量体が使用される。
【0007】アクリル酸アルキルエステル系ゴム状共重
合体(a)に占めるアクリル酸アルキルエステルの割合
は、衝撃強度発現性と耐薬品性との性能バランスから3
5〜85重量%である。配合量が35重量%未満では樹
脂組成物の耐薬品性が乏しくなるため好ましくなく、ま
た、85重量%を超える量では樹脂組成物の衝撃強度発
現性が損われるため好ましくない。また、衝撃強度発現
性の面より、該ゴム状共重合体(a)のゲル含量は70
重量%を超えることが必要である。
【0008】該ゴム状共重合体(a)の平均粒子径は、
0.03〜0.2μmの範囲が好ましい。この該ゴム状
共重合体(a)は、酸基含有共重合体ラテックス(i)
あるいは必要に応じて該酸基含有共重合体ラテックス
(i)に酸素酸の金属塩(ii)を添加することにより、
0.15〜0.5μm、好ましくは0.2〜0.4μm
の大きさに肥大化される。肥大化操作を用いることによ
り、短時間で大粒子径のゴムを安定的に得られる。肥大
化操作により全てのゴム状共重合体(a)が肥大化ゴム
状共重合体(a’)になることが好ましいが、通常その
ようなことは稀である。しかしながら、少量の未肥大化
粒子(肥大化ゴム状共重合体(a))が残存していて
も、本発明の樹脂組成物から得られる成形物の物性はほ
とんど問題のないレベルのものが得られる。
【0009】酸基含有共重合体ラテックス(i)は、ア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マ
レイン酸、フマル酸、ケイヒ酸、ソルビン酸及びp−ス
チレンスルホン酸からなる群より選ばれた1種以上の不
飽和酸3〜40重量%、アルキル基の炭素数が1〜12
のアクリル酸アルキルエステルの1種以上97〜35重
量%及びこれらと共重合可能な他の単量体0〜40重量
%を乳化重合して得ることができる。これらのうち、メ
タクリル酸とアクリル酸ブチルの共重合体が好例として
挙げられる。
【0010】本発明で用いられる酸素酸の金属塩(ii)
とは、元素の周期律表で第III A〜第VIA族の第2及び
第3周期に属する元素群の中から選ばれた元素を中心と
する酸素酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、
亜鉛、ニッケル及びアルミニウムの塩から選ばれた1種
以上の酸素酸塩であり、具体的には、硫酸、硝酸、リン
酸とカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、亜鉛、アルミニウムとの塩であり、好例としては硫
酸カリウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウムが挙げ
られる。該酸素酸の金属塩(ii)は水溶液の形で添加さ
れる。
【0011】上記の肥大化剤の添加量は、アクリル酸ア
ルキルエステル系ゴム状共重合体(a)100重量部
(固形分として)に対して、酸基含有共重合体ラテック
ス(i)0.5〜8重量部(固形分として)であり、酸
素酸の金属塩(ii)を併用する場合は、酸基含有共重合
体ラテックス(i)0.5〜5重量部(固形分として)
と酸素酸の金属塩(ii)水溶液0.05〜2重量部(固
形分として)である。
【0012】こうして得られた肥大化ゴム状共重合体
(a′)ラテックスは、引き続きグラフト重合に供せら
れる。グラフト重合は該肥大化ゴム状共重合体(a′)
ラテックス20〜80重量部(固形分として)の存在下
に、不飽和シアン化合物15〜45重量%と芳香族ビニ
ル化合物55〜85重量%からなる単量体混合物もしく
はメタクリル酸アルキルエステル80〜100重量%と
アクリル酸アルキルエステル0〜20重量%からなる単
量体混合物20〜80重量部をグラフト重合させること
により行われる。グラフト重合に用いられる単量体が2
0重量部未満であると、グラフト重合後の凝固工程で粗
大な粒子を生じたり、樹脂組成物の外観を損うことがあ
るため好ましくない。また、80重量部を超えて使用す
る場合には、安定にグラフト重合を行わせるために多量
の乳化剤を必要とし、これが樹脂組成物の熱加工時の着
色の原因になるため好ましくない。
【0013】グラフト重合に用いられる不飽和シアン化
合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、エタクリロニトリル、マレオニトリル、フマロニト
リル等が例示され、アクリロニトリルを用いるのが好ま
しい。また、芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−エチルスチ
レン、p−tert−ブチルスチレン、ハロゲン化スチ
レン等が例示され、スチレンまたはα−メチルスチレン
を用いるのが好ましい。
【0014】使用する不飽和シアン化合物と芳香族ビニ
ル化合物との割合は不飽和シアン化合物15〜45重量
%と芳香族ビニル化合物55〜85重量%であり、より
好ましくは不飽和シアン化合物20〜35重量%と芳香
族65〜80重量%である。不飽和シアン化合物が15
重量%未満であると衝撃強度発現性が劣るので好ましく
なく、また45重量%を超えると成形加工性を損ねたり
熱着色が悪くなるので好ましくない。
【0015】また、グラフト重合に用いられるメタクリ
ル酸アルキルエステルとは、アルキル基が、炭素数1〜
8の鎖状もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ベン
ジル基、グリシジル基、2−ヒドロキシエチル基などで
あるメタクリル酸エステルであり、1種または2種以上
を用いることができる。好ましいものはメタクリル酸メ
チルである。
【0016】成形加工時における熱分解性を改善する目
的で、グラフト重合に用いるメタクリル酸アルキルエス
テル100重量%の内20重量%以下の割合でアクリル
酸アルキルエステルに置き換えることができる。ここで
用いられるアクリル酸アルキルエステルの好例としては
アクリル酸メチルまたはアクリル酸エチルが挙げられ
る。
【0017】グラフト重合の方法については公知の乳化
重合法が採用できる。一括して単量体を仕込んだ後重合
する方法、一部を先に仕込み残部を滴下する方法、全量
を滴下しながら随時重合する方法などを、1段ないしは
2段以上に分けて行うことができ、この際各段における
単量体の種類や組成比を変えて行うこともできる。得ら
れたグラフト共重合体ラテックスは公知の方法で凝固さ
れ、脱水、洗浄、乾燥などの工程を経て、グラフト共重
合体(A)として得られる。
【0018】本願発明で使用されるグラフト共重合体
(B)に供せられる複合ゴム状重合体(b′)ラテック
スは、共役ジエン系ゴム状重合体(b)ラテックス5〜
65重量%(固形分として)の存在下に、アクリル酸ア
ルキルエステルとこれと共重合可能な単量体とからなる
単量体混合物35〜95重量%をシード重合させること
により得られる。使用する共役ジエン系ゴム状重合体
(b)の量が上記範囲外であると、樹脂組成物の衝撃強
度発現性あるいは耐薬品性が悪くなるので好ましくな
い。
【0019】ここで用いられる共役ジエン系ゴム状重合
体(b)とは、共役ジエンを50重量%以上とこれと共
重合可能な単量体50重量%以下とからなる共重合体で
ある。共役ジエンとしては1,3−ブタジエン、イソプ
レン及びクロロプレンが例示され、共重合可能な単量体
としては、アクリロニトリル等の不飽和シアン化合物や
スチレン等の芳香族ビニル化合物が例示される。共役ジ
エン系ゴム状重合体の好例としては、ポリブタジエン、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−
ブタジエン共重合ゴム等が挙げられ、ポリブタジエンが
最も好ましい。これらは、乳化重合によって得られる。
【0020】共役ジエン系ゴム状重合体(b)ラテック
スの平均粒子径は0.2〜1.0μmの大粒子であるこ
とが好ましい。この様な大粒子のゴムは、何段かのシー
ド重合によりゆっくりと時間をかけて得たものでも良い
が、肥大化操作によって得たものが好ましい。すなわち
0.03〜0.15μmの基体ゴムラテックスに、グラ
フト共重合体(A)中で用いられる酸基含有共重合体ラ
テックス(i)および必要に応じて酸素酸の金属塩を添
加することにより、安定的に且つ効率良く得られる。こ
こで示した様な大粒子の肥大化ゴムを得るためには、基
体ゴムラテックスのpHを9以上にし、不飽和酸含量の
高い酸基含有共重合体ラテックスを使用する必要があ
る。肥大化操作では、全ての基体ゴムが肥大化ゴムにな
ることは稀れで、通常ある程度の未肥大化基体ゴムが残
存する。従って、肥大化ゴムは2分散の粒子径分布を持
つことになる。共役ジエン系ゴムの好ましい平均粒子径
範囲は0.2〜1.0μmであるが、肥大化ゴムにおい
て未肥大化基体ゴムを除いて大粒子径側にだけ着目する
と、その平均粒子径は、0.4〜1.2μmが好ましい
範囲である。
【0021】複合ゴム状重合体(b′)ラテックスは、
共役ジエン系ゴム状重合体(b)ラテックスの存在下
に、アクリル酸アルキルエステルとこれと共重合可能な
単量体とからなる単量体混合物をシード重合させること
により得られる。
【0022】アクリル酸アルキルエステルとは、グラフ
ト共重合体(A)中で用いられるものと同様のものが挙
げられる。アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な
単量体としては、アクリロニトリル、スチレン、n−ヘ
キシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート、n−ラウリルメタクリレート等の単官能性単量体
や、以下に示す架橋剤やグラフト交叉剤のような多官能
性単量体が挙げられる。これらのうち、架橋剤とグラフ
ト交叉剤を併用することが、衝撃強度発現性の面で好ま
しい。
【0023】架橋剤としては、例えばエチレングリコー
ルジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリ
レート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレー
ト、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート等が
挙げられ、グラフト交叉剤としては、例えばアリルメタ
クリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソ
シアヌレート等が挙げられる。これら架橋剤並びにグラ
フト交叉剤は単独又は2種以上併用して用いても良い。
【0024】上記架橋剤及びグラフト交叉剤の合計の使
用量は、アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単
量体混合物中0.01〜10重量%であり、単官能性単
量体は0〜30重量%であることが好ましい。
【0025】シード重合に用いられる単量体混合物の好
例としては、アクリル酸ブチル95〜99.95重量%
および架橋剤0.02〜4.97重量%とグラフト交叉
剤0.03〜4.98重量%とからなる混合物(合計1
00重量%)である。
【0026】また、複合ゴム状重合体(b’)は、衝撃
強度発現性の面からゲル含量が70重量%を超えること
が必要である。
【0027】共役ジエン系ゴム状重合体(b)ラテック
ス存在下でのアクリル酸アルキルエステルを主成分とす
る単量体混合物のシード重合の方法は、随時重合させな
がら単量体混合物を滴下する方法、予め単量体混合物を
基体ゴム状重合体に含浸させた後に開始剤等を添加して
重合させる方法、単量体混合物を含浸させた後重合させ
るという操作を各段における単量体混合物の組成を変え
ながら何回か続けて行う方法等が挙げられる。これらの
うち、予め単量体混合物を基体ゴム状重合体に含浸させ
た後重合させる方法が好ましい。また、シード重合の際
には、重合安定性を向上させる目的で新たに乳化剤を加
えることも可能であるが、その量は可能な限り少量にす
ることが好ましい。
【0028】シード重合の結果、ある場合には、芯とな
る共役ジエン系ゴム状重合体(b)びシードされず、ア
クリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体混合物
だけからなるゴム状重合体が副生することがあるが、本
発明の目的とする性能においては支障はない。しかしな
がら、その量が多くなると樹脂組成物を使用した成形品
の外観を損なう恐れがあるので、副生するアクリル酸ア
ルキルエステルを主成分とする単量体混合物だけからな
るゴム状重合体の量はできる限り少なくすることが好ま
しい。
【0029】得られた複合ゴム状重合体(b′)ラテッ
クスは、引き続きグラフト重合に供せられる。グラフト
重合は、複合ゴム状重合体(b′)ラテックス20〜8
0重量部(固形分として)の存在下に、不飽和シアン化
合物15〜45重量%と芳香族ビニル化合物55〜85
重量%からなる単量体混合物20〜80重量部をグラフ
ト重合させることにより行われる。
【0030】グラフト重合に用いられる単量体である不
飽和シアン化合物と芳香族ビニル化合物の種類と量、及
びグラフト重合の方法については、グラフト共重合体
(A)に同様である。得られたラテックスは凝固、脱
水、洗浄、乾燥などの工程を経て、グラフト共重合体
(B)として得られる。
【0031】本願発明で使用されるグラフト共重合体
(C)に供せられるポリオルガノシロキサン系ゴム状重
合体(c)とは、オルガノシロキサンと架橋剤及び必要
に応じてグラフト交叉剤とからなるゴム状重合体であ
る。オルガノシロキサンとしては、3員環以上の各種の
環状体が挙げられ、好ましく用いられるのは3〜6員環
である。例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オ
クタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロ
ペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサ
ン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テ
トラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、オ
クタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げられ、こ
れらは単独で又は2種以上混合して用いられる。
【0032】架橋剤としては、3官能性又は4官能性の
シラン系架橋剤、例えばトリメトキシメチルシラン、ト
リエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、
テトラブトキシシラン等が用いられる。特に4官能性の
架橋剤が好ましく、この中でもテトラエトキシシランが
特に好ましい。架橋剤の使用量はポリオルガノシロキサ
ン系ゴム状重合体(b)中0.1〜30重量%である。
【0033】グラフト交叉剤としては、次式 CH2=C(R2)−COO−(CH2p−SiR1 n(3-n)/2−−−(I) CH2=CH−SiR1 n(3-n)/2−−−(II) HS−(CH2p−SiR1 n(3-n)/2−−−(III) (各式中R1 はメチル基、エチル基、プロピル基又はフ
ェニル基を、R2 は水素原子又はメチル基を、nは0、
1又は2を、pは1〜6の数を示す。)で表わされる単
位を形成し得る化合物等が用いられる。式(I)の単位
を形成し得る(メタ)アクリロイルオキシシロキサンは
グラフト効率が高いため有効なグラフト鎖を形成するこ
とが可能であり、耐衝撃性発現の点で有利である。なお
式(I)の単位を形成し得るものとしてメタクリロイル
オキシシロキサンが特に好ましい。メタクリロイルオキ
シシロキサンの具体例としてはβ−メタクリロイルオキ
シエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイル
オキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリ
ロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メ
タクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチ
ルシラン、δ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシ
メチルシラン等が挙げられる。グラフト交叉剤の使用量
はポリオルガノシロキサン系ゴム状重合体(c)中0〜
10重量%である。
【0034】ポリオルガノシロキサン系ゴム状重合体
(c)ラテックスの平均粒子径は0.08〜0.6μm
の範囲にあることが好ましい。平均粒子径が0.08μ
m未満になると得られる樹脂組成物からの成形物の耐衝
撃性が悪化し、また平均粒子径が0.6μmを超えると
得られる樹脂組成物からの成形物の耐衝撃性が悪化する
と共に、成形表面外観が悪化し好ましくない。
【0035】ポリオルガノシロキサン系ゴム状重合体
(c)ラテックスの製造は、例えば米国特許第2891
920号明細書、同第3294725号明細書等に記載
された方法を用いることができるが、オルガノシロキサ
ンと架橋剤及び必要に応じてグラフト交叉剤の混合溶液
とを、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン
酸等のスルホン酸系乳化剤の存在下で、ホモジナイザー
等を用いて水と剪断混合する方法により製造することが
好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸はオルガノシロ
キサンの乳化剤として作用すると同時に重合開始剤とも
なるので好適である。この際、アルキルベンゼンスルホ
ン酸金属塩、アルキルスルホン酸金属塩等を併用すると
グラフト重合を行う際にポリマーを安定に維持するのに
効果があるので好ましい。
【0036】ポリオルガノシロキサン系ゴム状重合体
(c)ラテックスは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム等のアルカリ水溶液の添加により中
和させた後、次のアクリル酸アルキルエステルを主成分
とする単量体のシード重合に供せられる。
【0037】複合ゴム状重合体(c′)ラテックスは、
ポリオルガノシロキサン系ゴム状重合体(c)ラテック
ス5〜65重量%(固形分として)の存在下に、アクリ
ル酸アルキルエステルとこれと共重合可能な単量体とか
らなる単量体混合物35〜95重量%をシード重合させ
ることにより得られる。
【0038】シード重合に使用されるアクリル酸アルキ
ルエステルとそれと共重合可能な単量体の、種類と量、
およびシード重合の方法については、グラフト共重合体
(B)の説明で記載した内容と同様である。また、複合
ゴム状重合体(c’)は、衝撃強度発現性の面からゲル
含量が70重量%を超えることが必要である。
【0039】得られた複合ゴム状重合体(c′)ラテッ
クスは、引き続きグラフト重合に供せられる。グラフト
重合は、複合ゴム状重合体(c′)ラテックス20〜8
0重量部(固形分として)の存在下に、不飽和シアン化
合物15〜45重量%と芳香族ビニル化合物55〜85
重量%からなる単量体混合物20〜80重量部をグラフ
ト重合させることにより行われる。
【0040】グラフト重合に用いられる単量体である不
飽和シアン化合物と芳香族ビニル化合物の種類と量、及
びグラフト重合の方法については、グラフト共重合体
(A)に同様である。得られたラテックスは凝固、脱
水、洗浄、乾燥などの工程を経て、グラフト共重合体
(C)として得られる。
【0041】グラフト共重合体(II)に供される共役ジ
エン系ゴム状共重合体(d)ラテックスは、共役ジエン
70〜100重量%とこれと共重合可能な単量体0〜3
0重量%とを乳化重合させて得られる。ここで用いられ
る共役ジエンとは、1,3−ブタジエン、イソプレン、
クロロプレンが好例として挙げられ、衝撃強度発現性の
面から70重量%以上使用することが好ましい。また、
共役ジエンと共重合可能な単量体としては、アクリロニ
トリル等の不飽和シアン化合物、スチレン等の芳香族ビ
ニル化合物、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸アル
キルエステル、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸化
合物等の単量体が挙げられ、1種ないしは2種以上を使
用することができる。共役ジエン系ゴム重合体(d)の
好ましい例としては、ポリブタジエンゴム、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエ
ン共重合体ゴムが挙げられる。
【0042】この共役ジエン系ゴム状共重合体(d)ラ
テックスの平均粒子径は、0.03〜0.2μmの範囲
が好ましい。共役ジエン系ゴム状共重合体(d)ラテッ
クスは、グラフト共重合体(A)の説明で記述した種類
及び量の酸基含有共重合体ラテックス(i)あるいは必
要に応じて酸素酸の金属塩(ii)を添加することにより
0.15〜0.5μmにまで、好ましくは0.2〜0.
4μmにまで肥大化される。この肥大化操作によって、
衝撃強度発現性に適した大粒子径の肥大化ゴム状共重合
体(d’)ラテックスを短時間かつ安定的に得ることが
できる。
【0043】肥大化ゴム状共重合体(d’)ラテックス
は、引き続きグラフト重合に供せられる。グラフト重合
は、肥大化ゴム状共重合体(d’)ラテックス20〜8
0重量部(固形分として)の存在下に、不飽和シアン化
合物、芳香族ビニル化合物、不飽和エステル化合物から
選ばれる1種以上の単量体20〜80重量部をグラフト
重合させることにより行われる。
【0044】グラフト重合に用いられる単量体の好まし
い例としては、グラフト共重合体(A)の説明で記載し
たものが挙げられる。また、グラフト重合の方法につい
てもグラフト共重合体(A)同様、公知の乳化重合法が
採用できる。得られたグラフト共重合体ラテックスは公
知の方法で凝固され、脱水、洗浄、乾燥などの工程を経
て、グラフト共重合体(II)として得られる。
【0045】本発明で用いられる硬質熱可塑性樹脂(II
I)は、不飽和シアン化合物、芳香族ビニル化合物、不
飽和エステル化合物及びマレイミド化合物から選ばれる
2種以上の単量体を共重合して得られる。
【0046】ここで、不飽和シアン化合物とは、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリ
ル、マレオニトリル、フマロニトリル等が例示され、こ
れらのうちアクリロニトリルが好例として挙げられる。
芳香族ビニル化合物とは、スチレン、α−メチルスチレ
ン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エ
チルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、2,4
−ジメチルスチレン及びハロゲン化スチレン等が例示さ
れ、これらのうちスチレン及びα−メチルスチレンが好
例として挙げられる。不飽和エステル化合物とは、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、
メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−2−ヒドロキ
シエチル等のメタクリル酸エステル化合物などが例示さ
れ、これらのうちメタクリル酸メチルが好例として挙げ
られる。マレイミド化合物とは、マレイミド、炭素数1
〜12のアルキル基で置換されたN−アルキルマレイミ
ド類、N−フェニルマレイミド、及びそのベンゼン核に
炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜4の
アルコキシ基、フェニル基、カルボシル基、ニトロ基、
アミノ基、シアノ基の群より選ばれる1種以上の置換基
を1つ以上有するN−フェニルマレイミド誘導体等が例
示され、これらのうちN−フェニルマレイミド及びN−
シクロヘキシルマレイミドが好例として挙げられる。
【0047】硬質熱可塑性樹脂(III)は、先に例示し
た単量体のうち2種以上から構成されるが、不飽和シア
ン化合物を1種以上含むものが好ましい。具体的に例示
するならば、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ア
クリロニトリル−α−メチルスチレン共重合体、アクリ
ロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、
アクリロニトリル−スチレン−N−フェニルマレイミド
共重合体、アクリロニトリル−α−メチルスチレン−N
−フェニルマレイミド共重合体等が挙げられる。硬質熱
可塑性樹脂(III)は、1種又は2種以上を併用するこ
ともできる。硬質熱可塑性樹脂(III)の製造方法につ
いては特に制限はないが、その樹脂の性能が最も発現さ
れ得る方法を採用することが好ましい。
【0048】より具体的に例示するならば以下のものが
好ましい。アクリロニトリル20〜45重量%より好ま
しくは25〜40重量%とスチレンもしくはα−メチル
スチレン55〜80重量%より好ましくは60〜75重
量%からなる共重合体。アクリロニトリル10〜40重
量%とスチレン30〜50重量%およびメタクリル酸メ
チル30〜50重量%とからなる(合計100重量%)
共重合体。アクリルニトリル10〜40重量%とスチレ
ン40〜80重量%およびN−フェニルマレイミドもし
くはN−シクロヘキシルマレイミド5〜40重量%とか
らなる共重合体。
【0049】硬質熱可塑性樹脂(III)は、1種または
2種以上を併用することもできる。硬質熱可塑性樹脂
(III)の製造方法について特に制限はないが、その樹
脂の性能最も発現され得る方法を採用することが好まし
い。
【0050】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、グラフト
共重合体(A)、グラフト共重合体(B)およびグラフ
ト共重合体(C)の群より選ばれる1種以上のグラフト
共重合体(I)およびグラフト共重合体(II)を必須成
分とし、必要に応じて硬質熱可塑性樹脂(III)を配合
して得られる。グラフト共重合体(I)は樹脂組成物の
耐薬品性を発現させるために必須である。またグラフト
共重合体(II)は樹脂組成物の耐衝撃強度発現性の面で
必須である。
【0051】グラフト共重合体(I)、グラフト共重合
体(II)及び硬質熱可塑性樹脂(III)の配合比は、熱
可塑性樹脂組成物中に占めるゴム状重合体の割合が好ま
しい範囲になるように決められる。すなわち、熱可塑性
樹脂組成物100重量%中に占めるゴム状重合体の割合
が15〜30重量%であり、より好ましくは20〜28
重量%であり、且つゴム状重合体100重量%中に占め
るゴム状重合体を構成するアクリル酸アルキルエステル
単位の割合が30〜85重量%となるように配合され
る。
【0052】ゴム状重合体の熱可塑性樹脂組成物中に占
める割合が、15重量%未満の場合は、衝撃強度発現性
が乏しくなるので好ましくなく、また30重量%を超え
る場合は表面硬度や剛性が低下することにより使用用途
が制限されるので好ましくない。また、ゴム状重合体を
形成するアクリル酸アルキルエステル単位が30重量%
未満の場合は、耐薬品性に劣るため好ましくなく、85
重量%を超える場合は優れた衝撃強度発現性を得ること
が困難となるため好ましくない。
【0053】グラフト共重合体(I)のみ、あるいはグ
ラフト共重合体(I)と硬質熱可塑性樹脂(III)とから
なる樹脂組成物からでも、本発明に従う特定の樹脂組成
物に占めるゴム状重合体割合およびゴム状重合体に占め
るアクリル酸アルキルエステル単位割合を満たす熱可塑
性樹脂組成物を得ることは可能である。しかしながら、
これらの熱可塑性樹脂組成物は優れた耐薬品性は有して
いるものの耐衝撃強度発現性は少し見劣りするものとな
り使用用途が制限されてしまう。優れた耐衝撃強度発現
性を得るにはゴム状重合体の使用量を増やす必要があ
り、これは先に詳述した通り表面硬度や剛性の面で好ま
しくない。従って、優れた耐衝撃強度発現性を得るに
は、グラフト共重合体(II)を配合する効果を充分に得
るためには、グラフト共重合体(II)を5重量部以上配
合することが好ましい。
【0054】グラフト共重合体(I)、グラフト共重合
体(II)及び硬質熱可塑性樹脂(III)を配合するに
は、通常、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等によ
り混合されるが、この際必要に応じて、各種安定剤、滑
剤、可塑剤、離型剤、染料、顔料、無機充填剤、金属微
粒子、帯電防止剤などを添加することができる。これら
混合物は、ミキシングロール、スクリュー式押出機など
を用いて溶融混練後、ペレタイザーにてペレット化され
る。
【0055】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、下記実施例及び比較例におけ
る「部」は重量部を表す。また、ゴム状重合体ラテック
スの平均粒子径は、四酸化オスミウムなどで固定化した
後に透過型電子顕微鏡で写真撮影した画像より測定し
た。また、ゴム状重合体のゲル含量は、以下のようにし
て求めた。乾燥させたゴム状重合体を30℃トルエンに
24時間浸漬させた後、200メッシュの金網上に残留
したものを乾燥させて得られたゲル物の浸漬前の乾燥ゴ
ム状重合体に対する重量比を求めた。
【0056】アクリル酸アルキルエステル系ゴム状共重合体(a−1)の合成 n−ブチルアクリレート 50部 1,3−ブタジエン 50部 ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド 0.2部 tert−ドデシルメルカプタン 0.4部 オレイン酸カリウム 1部 N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム 1部 ロンガリット 0.5部 蒸留水 195部 上記の組成物のうち1,3−ブタジエンを除く物質につ
いては、その中に含まれる酸素を窒素で置換し、事実上
反応を阻害しない状態とした。その後、全ての物質を5
0リットルオートクレーブに仕込み、激しく攪拌しなが
ら55℃まで昇温した。これに、下記混合物を投入し、
55℃で8時間かけて重合を行った。その結果、モノマ
ー転化率99%、粒子径0.07μmのアクリル酸アル
キルエステル系ゴム状共重合体(a−1)ラテックスが
得られた。また、ゲル含量を求めたところ82重量%で
あった。 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・2水塩 0.012部 硫酸第一鉄・7水塩 0.004部 蒸留水 5部
【0057】アクリル酸アルキルエステル系ゴム状共重合体(a−2)の合成 n−ブチルアクリレート 99部 アリルメタクリレート 0.8部 ジビニルベンゼン 0.2部 ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド 0.02部 オレイン酸カリウム 1.2部 N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム 0.8部 ロンガリット 0.4部 蒸留水 198部 上記組成物中を50リットル重合容器に仕込み、器内の
酸素を窒素で完全に除去した後50℃まで昇温した。こ
れに、下記混合物を投入し、50℃で5時間かけて重合
を行った。その結果、モノマー転化率98%、粒子径
0.14μm、ゲル含量78重量%のアクリル酸アルキ
ルエステル系ゴム状共重合体(a−2)ラテックスが得
られた。 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・2水塩 0.000015部 硫酸第一鉄・7水塩 0.000005部 蒸留水 2部
【0058】共役ジエン系ゴム状共重合体(d−1)の合成 1,3−ブタジエン 100部 ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド 0.2部 tert−ドデシルメルカプタン 0.5部 オレイン酸カリウム 1部 不均化ロジン酸カリウム 1部 デキストロース 0.3部 無水硫酸ナトリウム 0.18部 水酸化ナトリウム 0.02部 蒸留水 195部 及び ピロリン酸ナトリウム・10水塩 0.5部 硫酸第一鉄・7水塩 0.005部 蒸留水 5部 上記の組成物を、アクリル酸アルキルエステル系ゴム状
重合体(a−1)の合成と同様の操作にて9時間かけて
重合を行った。その結果、モノマー転化率97%、粒子
径0.08μm、ゲル含量80重量%の共役ジエン系ゴ
ム状共重合体(d−1)ラテックスが得られた。
【0059】酸基含有共重合体(i−1)ラテックスの合成 オレイン酸カリウム 2.5部 ジオクチルスルホコハク酸カリウム 2.5部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・2水塩 0.012部 硫酸第一鉄・7水塩 0.004部 ロンガリット 0.5部 蒸留水 200部 上記組成物を5リットルガラス製セパラブルフラスコ内
に仕込み、攪拌しながら系内の酸素を窒素で置換した後
70℃まで昇温した。これに窒素置換を施した下記単量
体混合物を4時間かけて滴下投入し重合させた。 n−ブチルアクリレート 85部 メタクリル酸 15部 クメンハイドロパーオキサイド 0.5部 その後、70℃にて1時間保持することにより、モノマ
ー転化率97%の酸基含有共重合体(i−1)ラテック
スが得られた。
【0060】酸基含有共重合体(i−2)の合成 滴下投入する単量体混合物の組成を下記の通りに変更し
た以外は、酸基含有共重合体(i−1)ラテックスの合
成と同様の操作にて重合を行った。その結果、モノマー
転化率96%の酸基含有共重合体(i−2)ラテックス
が得られた。 n−ブチルアクリレート 80部 メタクリル酸 20部 クメンハイドロパーオキサイド 0.5部
【0061】グラフト共重合体(A−1)の合成 ゴム状共重合体(a−1)ラテックス50部(固形分と
して)を20リットルセパラブルフラスコ内に仕込み、
攪拌しながら10%硫酸ナトリウム水溶液を固形分で
0.4部加えた後、さらに酸基含有共重合体(i−1)
ラテックスを固形分で1.3部添加し、そのまま攪拌し
ながら30分間保持した後、蒸留水95部を添加した。
その結果、平均粒子径0.27μmの肥大化ゴム状共重
合体(a′−1)ラテックスが得られた。 N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム 1.25部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・2水塩 0.003部 硫酸第一鉄・7水塩 0.001部 ロンガリット 0.5部 肥大化ゴム状共重合体(a′−1)ラテックスに、上記
組成物を加え、攪拌しながら75℃まで昇温した。これ
に、下記単量体混合物を120分かけて滴下投入させる
ことにより、グラフト重合を行った。 アクリロニトリル 15部 スチレン 35部 tert−ブチルハイドロパーオキサイド 0.3部 n−オクチルメルカプタン 0.1部 単量体混合物滴下投入終了後、さらに1時間保持するこ
とによりグラフト共重合体ラテックスが得られた。この
グラフト共重合体ラテックスを、希硫酸水溶液に投入し
て凝固させた後、脱水、洗浄、乾燥させることによりグ
ラフト共重合体(A−1)が得られた。
【0062】グラフト共重合体(A−2)の合成 肥大化ゴム状共重合体を得るところまでは、グラフト共
重合体(A−1)の合成と同様に行った。 肥大化ゴム状共重合体(a′−1)ラテックス(固形分として) 60部 N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム 0.75部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・2水塩 0.0015部 硫酸第一鉄・7水塩 0.0005部 ロンガリット 0.4部 上記組成物を20リットルセパラブルフラスコ内に仕込
み、攪拌しながら75℃まで昇温した後、下記単量体混
合物を90分かけて滴下投入させることによりグラフト
重合を行った。 メチルメタクリレート 36部 エチルアクリレート 4部 クメンハイドロパーオキサイド 0.15部 n−オクチルメルカプタン 0.05部 単量体混合物滴下投入終了後、さらに1時間保持するこ
とによりグラフト共重合体ラテックスが得られた。この
グラフト共重合体ラテックスを、希硫酸水溶液に投入し
て凝固させた後、脱水、洗浄、乾燥させることによりグ
ラフト共重合体(A−2)が得られた。
【0063】グラフト共重合体(A−3)の合成 ゴム状重合体としてゴム状共重合体(a−2)を使用
し、また肥大化操作に用いる肥大化剤として、酸基含有
共重合体(i−1)ラテックスの代わりに酸基含有共重
合体(i−2)を使用した以外はグラフト共重合体(A
−1)の合成と同様に行い、グラフト共重合体(A−
3)を得た。この時の肥大化ゴム状共重合体(a′−
2)の平均粒子径は0.31μmであった。
【0064】複合ゴム状重合体(b′−1)の合成 20リットルセパラブルフラスコにゴム状共重合体(d
−1)ラテックスを固形分で20部仕込む。これに、攪
拌しながら酸基含有共重合体(i−2)ラテックスを固
形分で0.5部添加し、そのまま30分保持した後蒸留
水160部を添加することにより肥大化操作を行った。
その結果、平均粒子径0.37μmの肥大化ゴム状共重
合体が得られた。 n−ブチルアクリレート 79.55部 アリルメタクリレート 0.3部 エチレングリコールジメタクリレート 0.25部 tert−ブチルハイドロパーオキサイド 0.2部 これに、上記単量体混合物を添加し充分に攪拌した後、
N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム0.5部を溶解
させ、系内を窒素置換して酸素を除去する。内温を45
℃まで昇温させた時点で、下記組成物を投入する。 ロンガリット 0.5部 硫酸第一鉄・7水塩 0.0003部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・2水塩 0.0009部 蒸留水 10部 その結果、重合が始まり内温は約70℃まで上昇した。
その後、75℃で90分攪拌しながら保持させることに
より、複合ゴム状重合体(b′−1)ラテックスが得ら
れた。ゲル含量を求めた結果84重量%であった。
【0065】複合ゴム状重合体(b’−2)の合成 複合ゴム状重合体(b’−1)の合成において、シード
重合に使用する単量体混合物にn−オクチルメルカプタ
ン0.2部を添加した以外は複合ゴム状重合体(b’−
1)の合成と同様に合成した。得られた複合ゴム状重合
体(b’−2)のゲル含量は47重量%であった。
【0066】グラフト共重合体(B−1)の合成 複合ゴム状重合体(b′−1)ラテックス(固形分として) 50部 N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム 1.2部 ロンガリット 0.4部 硫酸第一鉄・7水塩 0.001部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・2水塩 0.003部 蒸留水 100部 上記組成物を、20リットルセパラブルフラスコ内に仕
込み、攪拌しながら75℃まで昇温した。これに、下記
単量体混合物を120分かけて滴下投入させることによ
りグラフト重合を行った。 アクリロニトリル 15部 スチレン 35部 tert−ブチルハイドロパーオキサイド 0.3部 n−オクチルメルカプタン 0.1部 単量体混合物滴下投入終了後、さらに1時間攪拌しなが
ら保持することにより、グラフト共重合体ラテックスが
得られた。このグラフト共重合体ラテックスは、希硫酸
水溶液に投入して凝固させた後、脱水、洗浄、乾燥させ
ることにより粉末のグラフト共重合体(B−1)として
得られた。
【0067】グラフト共重合体(B−2)の合成 グラフト共重合体(B−1)の合成において、複合ゴム
状重合体(b’−1)の代わりに複合ゴム状重合体
(b’−2)を使用した以外は、グラフト共重合体(B
−1)の合成と同様にして、グラフト共重合体(B−
2)を得た。
【0068】複合ゴム状重合体(c′−1)の合成 ドデシルベンゼンスルホン酸 1部 ドセシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部 蒸留水 200部 上記組成物に、下記組成からなるシロキサン混合物を加
え、ホモミキサーにて10,000rpmで予備混合し
た後、ホモジナイザーにより300kg/cm2 の圧力
で乳化、分散させ、オルガノシロキサンラテックスを得
た。 テトラエトキシシラン 1.0部 γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン 0.25部 オクタメチルシクロテトラシロキサン 48.75部 この混合液を、20リットルセパラブルフラスコに移
し、攪拌しながら80℃で5時間加熱した後、20℃で
48時間放置後、水酸化ナトリウム水溶液でこのラテッ
クスのpHを7.5に中和することにより、ポリオルガ
ノシロキサン系ゴム状重合体(c−1)ラテックスを得
た。平均粒子径は、0.16μmであった。これに蒸留
水70部を加え、さらに攪拌しながら下記単量体混合物
を加え充分に混合させた。 n−ブチルアクリレート 48.6部 アリルメタクリレート 1.05部 エチレングリコールジメタクリレート 0.35部 tert−ブチルハイドロパーオキサイド 0.3部 系内を窒素置換して酸素を除去した後、内温を50℃ま
で昇温し、下記混合物を添加することにより重合を開始
させた。 ロンガリット 0.3部 硫酸第一鉄・7水塩 0.002部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・2水塩 0.006部 蒸留水 10部 その結果、内温は約65℃まで昇温した。その後、70
℃にて2時間保持させることにより、複合ゴム状重合体
(c′−2)ラテックスを得た。ゲル含量は95重量%
であった。
【0069】複合ゴム状重合体(c’−2)の合成 複合ゴム状重合体(c’−1)の合成において、シード
重合する単量体混合物を、 n−ブチルアクリレート 49.7部 アリルメタクリレート 0.35部 tert−ブチルハイドロパーオキサイド 0.3部 n−オクチルメルカプタン 0.3部 とした以外は、同様にして複合ゴム状重合体(c’−
2)を得た。ゲル含量は63重量%であった。
【0070】グラフト共重合体(C−1)の合成 複合ゴム状重合体(c′−1)ラテックス(固形分として) 60部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.3部 蒸留水 80部 上記組成物を、20リットルセパラブルフラスコ内に仕
込み、攪拌しながら70℃まで昇温した。これに、下記
単量体混合物を60分かけて滴下投入しグラフト重合を
行った。 アクリロニトリル 12部 スチレン 28部 クメンハイドロパーオキサイド 0.2部 tert−ドデシルメルカプタン 0.1部 滴下投入終了後、攪拌しながら2時間保持することによ
りグラフト共重合体ラテックスを得た。このグラフト共
重合体ラテックスを、塩化カルシウム水溶液に投入して
凝固し、脱水、洗浄、乾燥させることにより、粉末のグ
ラフト共重合体(C−1)が得られた。
【0071】グラフト共重合体(C−2)の合成 グラフト共重合体(C−1)の合成において、複合ゴム
状重合体(c’−1)の代わりに複合ゴム状重合体
(c’−2)を使用する以外は同様にして、グラフト共
重合体(C−2)を得た。
【0072】グラフト共重合体(D−1)の合成 共役ジエン系ゴム状共重合体(d−1)ラテックス60
部(固形分として)を20リットルセパラブルフラスコ
内に仕込み、攪拌しながら酸基含有共重合体(i−1)
ラテックスを固形分で1.2部添加し、そのまま攪拌し
ながら30分保持した後蒸留水80部を添加した。その
結果、平均粒子径0.28μmの肥大化ゴム状共重合体
(d′−1)ラテックスが得られた。 不均化ロジン酸カリウム 0.4部 ピロリン酸ナトリウム・10水塩 0.02部 硫酸第一鉄・7水塩 0.005部 デキストロース 0.4部 水酸化ナトリウム 0.02部 肥大化ゴム状共重合体(d′−1)ラテックスに、上記
組成物を加え、攪拌しながら60℃まで昇温した。これ
に、下記単量体混合物を120分かけて滴下投入させる
ことにより、グラフト重合を行った。 アクリロニトリル 12部 スチレン 28部 クメンハイドロパーオキサイド 0.2部 tert−ドデシルメルカプタン 0.4部 単量体混合物滴下投入終了後、さらに1時間保持するこ
とによりグラフト共重合体ラテックスが得られた。この
グラフト共重合体ラテックスを、希硫酸水溶液に投入し
て凝固させた後、脱水、洗浄、乾燥させることによりグ
ラフト共重合体(D−1)が得られた。
【0073】硬質熱可塑性樹脂(III −1)の合成 アクリロニトリル 30部 スチレン 70部 アゾビスイソブチロニトリル 0.15部 tert−ドデシルメルカプタン 0.4部 リン酸カルシウム 0.5部 蒸留水 150部 上記組成物を、100リットルオートクレーブに仕込み
激しく攪拌した。系内の分散を確認した後、75℃に昇
温し、3時間かけて重合させた。その後、110℃まで
昇温し、30分間熟成させた。冷却後に脱水、洗浄、乾
燥することにより、粉末の硬質熱可塑性樹脂(III −
1)を得た。
【0074】硬質熱可塑性樹脂(III −2)の合成 アクリロニトリル 20部 スチレン 40部 メチルメタクリレート 40部 アゾビスイソブチロニトリル 0.15部 tert−ドデシルメルカプタン 0.2部 リン酸カルシウム 0.5部 蒸留水 150部 上記組成物を、硬質熱可塑性樹脂(III −1)の合成と
同様の操作で重合させることにより、粉末の硬質熱可塑
性樹脂(III −2)を得た。
【0075】硬質熱可塑性樹脂(III −3)の合成 オレイン酸カリウム 3部 デキストロース 0.5部 硫酸第一鉄・7水塩 0.005部 ピロリン酸ナトリウム・10水塩 0.5部 無水硫酸ナトリウム 0.15部 蒸留水 200部 アクリロニトリル 10部 α−メチルスチレン 70部 tert−ドデシルメルカプタン 0.1部 上記組成物を、グラスライニングされた100リットル
重合釜に仕込み、攪拌しながら60℃に昇温した。これ
に、クメンハイドロパーオキサイド0.5部を投入後、
アクリロニトリル20部を120分かけて滴下投入しな
がら重合させた。この間、内温は緩やかに上昇し約80
℃となった。引き続き、80℃で2時間保持させること
により、共重合体ラテックスが得られた。このラテック
スを、硫酸マグネシウム水溶液に投入して凝固し、脱
水、洗浄、乾燥させることにより、粉末の硬質熱可塑性
樹脂(III −3)が得られた。
【0076】硬質熱可塑性樹脂(III −4)の合成 スチレン 40部 エチルメチルケトン 10部 グラスライニングされた50リットルの完全混合型重合
釜の器内を、真空ポンプで減圧した後窒素ガスを器内に
導入する操作を数回繰り返した後、窒素雰囲気下で上記
混合物を器内に仕込んだ。これを、100℃まで昇温し
た後、下記混合物を60分かけて器内に滴下供給するこ
とで溶液重合を行った。 アクリロニトリル 20部 N−フェニルマレイミド 10部 1,1−ジブチルパーオキシ− 3,3,5−トリメチルシクロヘキサン 0.07部 エチルメチルケトン 20部 滴下供給終了後、100℃のまま1時間熟成することで
N−フェニルマレイミドの残存量を大幅に減少させた。
そして、重合禁止剤を投入し急冷した後、重合反応物を
ギヤポンプを用いて脱揮押出機へと定量的に供給した。
脱揮押出機で、残存単量体や有機溶剤などを除去した
後、共重合体はストランド状で押し出した。これをペレ
タイザーで処理することにより、ペレット状の硬質熱可
塑性樹脂(III −4)が得られた。
【0077】熱可塑性樹脂組成物の製造 所定量のグラフト共重合体(I)、グラフト共重合体
(II)及び硬質熱可塑性樹脂(III)を下記物質と共に
ヘンシェルミキサーに投入してブレンドした。 アデカスタブ マークAO−20(旭電化製) 0.3部 アデカスタブ マークAO−412S(旭電化製) 0.3部 エチレンビスステアロアミド 1部 ステアリン酸マグネシウム 0.3部 シリコンオイルSH200 (東レダウコーニングシリコン製) 0.03部 上記混合物を、スクリュー押出機を用い220℃ないし
は260℃にて溶融混練後、ペレタイザーにてペレット
化した。ペレットは射出成形機あるいはプレス成形機を
用いて各種評価用試片に成形した。
【0078】得られた樹脂組成物の評価は下記の方法で
行った。 (1)アイゾット衝撃強度(Iz):ASTM D−2
56(単位kg・cm/cm)により測定した。 (2)ロックウェル硬度(R):ASTM D−785
(Rスケール)により測定した。 (3)ビカット軟化温度(VST):ISO R−30
6(単位℃)により測定した。 (4)耐薬品性:樹脂組成物の2mm厚プレス成形板よ
り35×120mmの試片を切り出し、長径120m
m、短径40mmの1/4楕円治具に取り付ける。薬品
を試片表面に塗布した後、ポリエチレンフィルムで覆っ
た状態とし、25℃で4時間薬品に曝した。また、低沸
点の薬品に対しては、開閉コック付きデシケーター内に
治具ごと納め、薬品の蒸気を充満させた状態で25℃で
24時間薬品に曝した。暴露後、試片の表面状態を観察
し、クラックの発生しない最大応力歪み値を耐薬品性の
指標とした。また、薬品としては下記のものを使用し
た。 ・1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン ・ブレーキオイル(トヨタ製 2400G) ・ワックスリムーバー(ユシロ化学製 ST−7) ・サラダ油(日清製油製) ・ジオクチルフタレート
【0079】
【表1】
【0080】表の説明 本発明に従う実施例1〜4は衝撃強度発現性、耐薬品性
共に優れる熱可塑性樹脂組成物が得られることがわか
る。これに対し、比較例1ではゴム状重合体中に占める
アクリル酸アルキルエステル単位の量が本発明より少な
いため耐薬品性が劣っている。比較例2では、熱可塑性
樹脂組成物中に占めるゴム状重合体が本発明より多いた
めロックウエル硬度が80を下回り表面が軟らかくなっ
ている。逆に比較例3では、ゴム状重合体が少ないため
衝撃強度発現性に劣っている。比較例4では、ゴム状重
合体量、アクリル酸アルキルエステル単位量共に本願発
明に従うものの、グラフト共重合体(I)として一般の
AAS(ゴム状重合体が単純なポリアクリル酸ブチルゴ
ムである)を使用しているため、衝撃強度発現性が劣っ
ている。比較例5、6では、ゲル含量の低い複合ゴム状
重合体を使用したグラフト共重合体(I)であるため、
衝撃強度発現性が劣る。耐熱性の硬質熱可塑性樹脂(II
I)を使用した場合にも、本発明のグラフト共重合体
(I)を使用した熱可塑性樹脂組成物はAAS樹脂を使
用した比較例7に比べ、高い衝撃強度発現性を有してい
ることが判る。
【0081】
【発明の効果】本発明は、アクリル酸アルキルエステル
系ゴムにグラフト重合したグラフト共重合体と共役ジエ
ン系ゴムにグラフト重合したグラフト共重合体及び硬質
熱可塑性樹脂を最適な割合で配合させた熱可塑性樹脂組
成物であり、耐薬品性及び耐衝撃性に極めて優れた特徴
を有している。従って、本発明の熱可塑性樹脂組成物
は、ウレタン発泡剤、各種オイルや洗浄剤等に接触する
家電製品や車輛等の部品として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 35/00 C08L 35/00 51/00 51/00 51/08 51/08 (56)参考文献 特開 平4−25555(JP,A) 特開 昭63−278957(JP,A) 特開 昭60−118733(JP,A) 特開 昭59−149915(JP,A) 特開 平6−228409(JP,A) 特開 平6−240100(JP,A) 特開 昭61−233040(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 51/00 - 51/08 C08L 25/08 - 25/16 C08L 33/00 - 33/26 C08L 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)下記のグラフト共重合体(A)、
    (B)、(C)の群から選ばれてなる1種以上のグラフ
    ト共重合体(I)。 (A)アルキル酸アルキルエステル35〜85重量%と
    共役ジエン15〜65重量%およびこれらと共重合可能
    な単量体0〜20重量%とを乳化重合させて得られるゲ
    ル含量が70重量%を超え、平均粒径0.03〜0.2
    μmのゴム状共重合体(a)ラテックスに、酸基含有共
    重合体ラテックス(i)あるいは必要に応じて該酸基含
    有共重合体ラテックス(i)に酸素酸の金属塩(ii)を
    併用することにより得られる平均粒子径0.15〜0.
    5μmの肥大化ゴム状共重合体(a′)ラテックス20
    〜80重量部(固形分として)の存在下に、不飽和シア
    ン化合物15〜45重量%と芳香族ビニル化合物55〜
    85重量%からなる単量体混合物もしくはメタクリル酸
    アルキルエステル80〜100重量%とアクリル酸アル
    キルエステル0〜20重量%からなる単量体混合物20
    〜80重量部をグラフト重合させてなるグラフト共重合
    体(A) (B)共役ジエン系ゴム状重合体(b)ラテックス5〜
    65重量%(固形分として)の存在下に、アクリル酸ア
    ルキルエステルとこれと共重合可能な単量体とからなる
    単量体混合物35〜95重量%をシード重合して得られ
    る、ゲル含量70重量%以上の複合ゴム状重合体
    (b′)ラテックス20〜80重量部(固形分として)
    の存在下に、不飽和シアン化合物15〜45重量%と芳
    香族ビニル化合物55〜85重量%からなる単量体混合
    物20〜80重量部をグラフト重合させてなるグラフト
    共重合体(B) (C)ポリオルガノシロキサン系ゴム状重合体(b−
    2)ラテックス5〜65重量%(固形分として)の存在
    下に、アクリル酸アルキルエステルとこれと共重合可能
    な単量体とからなる単量体混合物35〜95重量%をシ
    ード重合して得られる、ゲル含量70重量%以上の複合
    ゴム状重合体(c′)ラテックス20〜80重量部(固
    形分として)の存在下に、不飽和シアン化合物15〜4
    5重量%と芳香族ビニル化合物55〜85重量%からな
    る単量体混合物20〜80重量部をグラフト重合させて
    なるグラフト共重合体(C) (II)共役ジエン70〜100重量%とこれと共重合可
    能な単量体0〜30重量%とを乳化重合させて得られる
    平均粒子径0.03〜0.2μmの共役ジエン系ゴム状
    共重合体(d)ラテックスに、酸基含有共重合体ラテッ
    クス(i)あるいは必要に応じて該酸基含有共重合体ラ
    テックスに酸素酸の金属塩(ii)を併用して添加して得
    られる肥大化ゴム状共重合体(d′)ラテックス30〜
    70重量部(固形分として)の存在下に、不飽和シアン
    化合物15〜45重量%と芳香族ビニル化合物55〜8
    5重量%からなる単量体混合物をグラフト重合させてな
    るグラフト共重合体(II)。 (III)不飽和シアン化合物、芳香族ビニル化合物、不
    飽和エステル化合物及びマレイミド化合物から選ばれる
    2種以上の単量体を共重合して得られる硬質熱可塑性樹
    脂(III)。上記グラフト共重合体(I)およびグラフト
    共重合体(II)を必須成分とし、グラフト共重合体
    (I)、グラフト共重合体(II)および硬質熱可塑性樹
    脂(III)を配合してなる熱可塑性樹脂組成物であっ
    て、該熱可塑性樹脂組成物100重量%中に占めるゴム
    状共重合体の割合が15〜30重量%であり、かつゴム
    状重合体を形成するアクリル酸アルキルエステル単位の
    割合がゴム状重合体100重量%に対して35〜85重
    量%であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
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