JP2955866B2 - ジアルキルカーボネートの製造方法 - Google Patents

ジアルキルカーボネートの製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はジアルキルカーボネートの製造方法に関す
る。
更に詳しくは、本発明は、環状カーボネートとアルコ
ールを固体塩基性アニオン交換樹脂の存在下で、水分濃
度が160ppm以下の原料を用い、比較的低温で反応させる
ことを特徴とするジアルキルカーボネートの製造方法に
関する。
(従来の技術) 触媒の存在下に環状カーボネートとアルコールを反応
させることによりジアルキルカーボネートを製造する方
法としては、触媒に第三級脂肪族アミンを用いる方法、
アルカリ金属又はアルカリ金属化合物を用いる方法、タ
リウム化合物を用いる方法、錫アルコキシド類を用いる
方法、ルイス酸と含窒素有機塩基からなる複合触媒を用
いる方法、第四級ホスホニウム塩を用いる方法等の主と
して均一系触媒が用いられてきた。
この場合は、触媒と反応混合物等の分離が困難となる
問題を有している。
一方、触媒と反応混合物との分離が容易である不均一
系の触媒を用いる方法としては、第三級脂肪族アミン基
を含有する塩基性交換樹脂を用いる方法(特公昭59−28
542号公報)、第四級アンモニウム基を含有する強塩基
性交換樹脂を用いる方法(特開昭63−238043号公報)、
塩基性或いは酸性交換樹脂、アルカリ及びアルカリ土類
金属を含有したケイ酸塩類等を用いる方法(特開昭64−
31737号公報)、シリカ−チタニア固体酸触媒を用いる
方法(特公昭61−5467号公報)等が知られている。
(発明が解決しようとする課題) 公知の不均一系触媒を用いた環状カーボネートとアル
コールの反応によるジアルキルカーボネートの製造法
は、比較的高い反応温度が触媒活性上必要とされてお
り、このことは耐熱温度の低い交換樹脂の劣化の原因と
もなる。また、反応時にグリコールの脱水縮合等の副反
応が生じ、選択率の低下をもたらす等の問題点を有して
いる。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、環状カーボネートとアルコールよりジ
アルキルカーボネートを製造する方法について鋭意検討
した結果、固体塩基性アニオン交換樹脂を触媒とし、水
分濃度160ppm以下の原料を用いることにより、比較的低
い温度においても極めて高収率でかつ長時間安定してジ
アルキルカーボネートが製造できることを見出した。
すなわち、本発明は; 第四級アンモニウム基又は第三級アミン基を官能基と
し、炭酸根及び/又は炭酸水素根を含有する固体塩基性
アニオン交換樹脂の存在下で、水分濃度を160ppm以下に
した、環状カーボネートとアルコールを含む原料を用い
反応させることを特徴とする、ジアルキルカーボネート
の製造方法を提供るものである。
本発明で用いられる環状カーボネートとしては、例え
ば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等
のアルキレンカーボネートや1,3−ジオキサシクロヘキ
サ−2−オン、1,3−ジオキサシクロヘプタ−2−オン
等を挙げることができるが、エチレンカーボネート、プ
ロピレンカーボネートが入手の容易さなどの点から好ま
しく使用される。
また、アルコールとしては、例えばメチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、1−メチ
ルエチルアルコール等の脂肪族アルコール;シクロヘキ
サノール等の脂環式アルコール等の炭素数1〜12の一価
アルコールが使用される。
本発明において使用される触媒としては、第四級アン
モニウム基を官能基として有する強塩基性アニオン交換
樹脂、第三級アミンを官能基として有する弱塩基性アニ
オン交換樹脂であって、炭酸根及び/又は炭酸水素根の
何れかを有するものである。また、樹脂母体としてはス
チレン系のゲル型、マクロレティキュラー型(MR型)の
何れも使用できるが、耐有機溶媒性が高い点からMR型が
好ましい。
第四級アンモニウム基又は第三級アミン基を官能基と
して有する、固体強塩基性アニオン交換樹脂、固体弱塩
基性アニオン交換樹脂は、市販のものを使用することも
できる。その場合には、前処理として予め所望のアニオ
ン種でイオン交換を行った後、脱水後、触媒として使用
するのが好ましい。
上述のアニオン交換樹脂の使用形態は、通常、微粉状
あるいは平均粒径0.2〜10mmの球形の粒子として用られ
る。
反応の様式としては、流動床式、固定床式、あるいは
攪拌式等一般に用いられる方法を使用することができ
る。また、流通式、回分式いずれの方法であってもよ
く、反応液と触媒の分離は、容易に実施することができ
る。
本発明を実施するに当たり、反応温度は通常0〜120
℃が用いられるが、触媒の安定性、副生物の抑制から比
較的低い温度0〜45℃、更に好ましくは15〜40℃でも充
分な収率が得られる。
反応時間は、原料の環状カーボネート及びアルコール
の種類及び組成比や、反応温度によって変わり得るが、
例えば、流通反応を行う場合の全供給液に対する液空間
速度(LHSV)で表現して、通常0.05〜40hr-1位、好まし
くは、0.1〜20hr-1、更に好ましくは、0.2〜10hr-1使用
される。また、回分式反応の場合には、通常0.05〜60hr
-1、好ましくは0.1〜40hr-1、更に好ましくは、0.2〜20
hr-1が使用される。
原料である環状カーボネートとアルコールの量比は、
広い範囲で用いることが出来る。しかしながら、環状カ
ーボネートに対するアルコールのモル比が大きすぎる場
合には、回収するアルコール量が大となり現実的でな
い。また、モル比が小さすぎる場合には、環状カーボネ
ートの転化率が低くなるために、回収量が増大してはや
はり現実的でない。
従って、原料である環状カーボネートに対するアルコ
ールのモル比は、通常0.05〜100が用いられ、好ましく
は0.1〜40、更に好ましくは、0.2〜20が使用される。
本発明方法においては、原料中の水分量がジアルキル
カーボネートの収率に大きな影響を示し、特に低温条件
ではこの影響が大きく、水分量が200ppmを越えると触媒
性能は著しく低下を示し、ジアルキルカーボネートの収
率は低下する。従って、原料中の水分濃度としては、16
0ppm以下、好ましくは、130ppm以下、更に好ましくは、
100ppm以下にすることが必要である。
原料には、環状カーボネート及びアルコール以外に、
例えばリサイクル反応中間体、所望なら溶媒等を含んで
もよく、水分はこれら反応場に供給される全供給液に対
して前述の濃度にすることが必要である。
(実施例) 以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発
明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、実施例中に示される転化率、選択率、収率と
は、以下の式により計算された数値を示す。
また、本反応においては、反応中間体として、モノ置
換のモノアルキル置換カーボネートが生成するが、これ
は、原料等価として、環状カーボネートと見做した。
実施例1 (触媒の調製) ダウエックスMSA−1〔ダウケミカル社製、スチレン
系強塩基製アニオン交換樹脂(I型)アニオン種Cl 〕
の前処理を以下に述べる方法により行い、炭酸根を含有
せしめた。
250mlのダウエックスMSA−1を、1NのNAOH水溶液50
0ml中で1時間攪拌した後、濾過し、2,000mlの水で洗浄
した。
、の操作を繰り返した後、PH7まで水洗した。
更に、1N Na2CO3水溶液500ml中で1時間攪拌後、濾
過し、2,000mlの水で洗浄した。
、の操作を更に2回繰り返した後、PH7まで水洗し
た。
上記〜の処理を行った樹脂を、500mlの脱水メ
タノール中に入れ、10分間攪拌後、デカンテーションす
る操作を繰返し、樹脂の脱水を行った。その後、樹脂
は、脱水メタノール中で保存し触媒Aを得た。
(反応) 上記で得た触媒Aを管型反応器(外径12.7mm、内容量
20ml)に充填し、オイルバスに浸漬し、20℃、1kg/cm2
で先ずメタノールを送液した。その後、水分濃度を100p
pmに調整した、エチレンカーボネートとメタノールの混
合原料(メタノール/エチレンカーボネートモル比=
2)に切換え、流量40ml/hr(LHSV=2)で送液を開始
した。反応系が定常になった時点で、反応液の分析を、
PEG20Mガラスカラム2mを装填した昇温ガスクロマトグラ
フ(カラム温度60℃から10℃/minで220℃まで昇温、検
出器FID)にて行った。
その結果、エチレンカーボネートの転化率は45%、ジ
メチルカーボネートの選択率は99%以上であり、ジメチ
ルカーボネートはほぼ平衡収率を示した。また、反応副
生物のCO2の生成は認められなかった。
実施例2 原料の送液量を100ml/hr(LHSV=5)にして反応を行
った他は、実施例1と同じ触媒A及び水分濃度100ppmの
原料を用い、同様の方法で反応を行った。その結果を表
−1に示すが、極めて高収率でジメチルカーボネートが
得られ、反応副生物のCO2の生成は認められなかった。
実施例3 反応温度を40℃とし、反応圧力を5kg/cm2にして反応
を行った他は、実施例1と同じ触媒A及び水分濃度100p
pmの原料を用い、同様の方法で反応を行った。その結果
を表−1に示した。また、反応副生物であるCO2の生成
は認められなかった。
実施例4 反応温度を60℃とし、反応圧力を5kg/cm2にして反応
を行った他は、実施例1と同じ触媒A及び水分濃度100p
pmの原料を用い、同様の方法で反応を行った。その結果
を表−1に示した。また反応副生物であるCO2は微量検
出された。
実施例5 反応温度を90℃とし、反応圧力を5kg/cm2にして反応
を行った他は、実施例1と同じ触媒A及び水分濃度100p
pmの原料を用い、同様の方法で反応を行った。その結果
を表−1に示した。また、この時、反応副生物であるCO
2は、原料エチレンカーボネートに対し0.08モル%生成
した。
実施例1〜5に示される如く、反応温度が低い程、エ
チレンカーボネートの転化率が高い値を示した。
実施例6 エチレンカーボネートとメタノールの混合原料の水分
濃度を、150ppmにして反応を行った他は、実施例1と同
じ触媒Aを用い、同様の方法により反応を行った。その
結果を表−2に示した。
比較例1 エチレンカーボネートとメタノールの混合原料の水分
濃度を、200ppmにして反応を行った他は、実施例1と同
じ触媒Aを用い、同様の方法により反応を行った。その
結果を表−2に示した。
比較例2 (触媒の調製) 1NのNa2CO3水溶液の代わりに、1NのHClを使用した他
は、実施例1と同様の方法により塩素根を有する触媒B
を得た。
(反応) 触媒Bを用いた他は、実施例1と同一の水分濃度100p
pmの原料を用い、同様の方法で反応を行った。その結
果、ジメチルカーボネートの生成は、認められなかっ
た。
実施例7 アンバーリストA−21〔ローム・アンド・ハース社製
第3級脂肪族アミン型(遊離塩基型)弱塩基性アニオン
交換樹脂〕の触媒調整を実施例1と同一の方法により行
い、炭酸根を有する触媒Cを得た。
(反応) 触媒Cを用いた他は、実施例1と同一の水分濃度100p
pmの原料を用い、同様の方法で反応を行った。その結
果、エチレンカーボネートの転化率は27%、ジメチルカ
ーボネートの選択率は99%以上であった。
比較例3 エチレンカーボネートとメタノールの混合原料の水分
濃度を、200ppmにして反応を行った他は、実施例8と同
じアンバーリストA−21触媒を用い、同様の方法により
反応を行った。その結果、エチレンカーボネートの転化
率は2%、ジメチルカーボネートの選択率は99%以上で
あった。
実施例8 触媒Aを用い、エチレンカーボネートとメタノールの
混合原料の水分濃度を100ppmとした実施例1と同様の方
法の反応を1,000hr継続して行った。その結果を表−3
に示した。
実施例9 触媒Aを50ml、エチレンカーボネートとメタノールの
混合原料(メタノール/エチレンカーボネートのモル比
=2、水分濃度100ppm)230gを、500mlオートクレーブ
に充填し、N2パージを数回行い、20℃において攪拌を開
始し、反応を行った。60分経過後、反応液の分析を行っ
たところ、エチレンカーボネート転化率45%、ジメチル
カーボネート選択率は99%以上であった。
実施例10 反応温度を20℃から40℃に、エチレンカーボネートを
プロピレンカーボネート(メタノール/プロピレンカー
ボネートのモル比=2)に変えた他は、実施例1と同じ
触媒Aを用い、原料水分濃度を100ppmにした同様の方法
の反応を行った。その結果、プロピレンカーボネートの
転化率40%、ジメチルカーボネートの選択率は99%であ
った。
実施例11 反応温度を20℃〜40℃に、メタノールをエタノール
(エタノール/エチレンカーボネートのモル比=2)に
変えた他は、実施例1と同じ触媒Aを用い、原料水分濃
度を100ppmにした同様の方法の反応を行った。その結
果、エチレンカーボネートの転化率は41%、ジエチルカ
ーボネートの選択率は99%であった。
(発明の効果) 本発明によれば、環状カーボネートとアルコールを原
料として、ジアルキルカーボネートを温和な反応条件
で、高収率でかつ高選択率で得ることができる。
加えて、触媒の劣化が殆ど無いために長時間安定して
製造することができる等工業的利点は、極めて大であ
る。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第四級アンモニウム基又は第三級アミン基
    を官能基とし、炭酸根及び/又は炭酸水素根を含有する
    固体塩基性アニオン交換樹脂の存在下で、環状カーボネ
    ートとアルコールを含む原料よりジアルキルカーボネー
    トを製造する方法において、水分濃度が160ppm以下の原
    料を用いることを特徴とする、ジアルキルカーボネート
    の製造方法。
  2. 【請求項2】水分濃度が130ppm以下の原料を用いる、請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】水分濃度が100ppm以下の原料を用いる、請
    求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】反応温度が0〜120℃である、請求項1乃
    至3の何れかに記載の方法。
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