JP2999309B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低比重で剛性、耐熱性
に優れた射出成形用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 近年、自動車の燃費向上が強く求めら
れているが、それに伴い各部品の軽量化が大きな研究目
標となっている。そのために、樹脂中に種々の軽量充填
材を配合して、比重を小さくすることが図られている
が、機械的強度や耐熱性のバランスをとりながら軽量化
を図ることは、まだ十分には達成されていない。 一
方、耐熱性を増加させる方法として、マレイミド化合物
からの重合単位を有する熱可塑性樹脂をガラス繊維で補
強した材料を100〜150℃の耐熱性を必要とする構
造部品に使用されてきた(例えば、特開昭59-187046号
公報)。しかしこの樹脂は、ガラス繊維を加えることに
より比重が大きくなるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
要請に応えて、低比重でかつ耐熱性、剛性、成形性に優
れ、とくに射出成形に適した樹脂組成物を提供すべくな
されたもので、ガラス繊維強化マレイミド系耐熱樹脂に
耐圧強度の高い中空ガラススフェアーを練り込むこと
で、耐熱性と剛性を損なうことなく、比重を下げること
ができることを見いだし本発明に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、AS
TM D−3102に基づく耐圧試験で400kg/cm2以上の
耐圧強度を有する中空ガラススフェアー5〜50重量
部、ガラス繊維5〜50重量部、マレイミド化合物から
の重合単位を有する熱可塑性樹脂40〜90重量部から
なる、低比重で耐熱性、剛性に優れた射出成形用樹脂組
成物を提供するものである。以下に本発明をさらに詳細
に説明する。樹脂組成物の低比重化を図る方法の1つと
して、中空の充填材、例えば中空ガラススフェアー
(球)を配合することが考えられる。しかしながら、こ
れにもいくつかの問題点がある。すなわち、押出機で樹
脂中に中に混練し、射出成形によって製品を得るために
は、中空ガラススフェアーの強度がある程度必要であ
る。しかしながら、強度を余りに大にすると、いきおい
中空ガラススフェアーの比重は大となり、樹脂組成物の
軽量化の機能は低下する。また、樹脂とは異質の充填材
が配合される結果、成形品の割れなどの問題も起こるお
それがある。例えば、充填材のガラスが樹脂よりもヤン
グ率が高いので、歪みにより樹脂と中空ガラススフェア
ーとが剥離し、クラックにまで成長するものと考えられ
る。このため、本発明においては、樹脂組成物にガラス
繊維を配合するとともに、マトリックス樹脂として、マ
レイミド化合物からの重合単位を有する熱可塑性樹脂を
使用することにより、中空ガラススフェアー充填材およ
びガラス繊維との親和性を高めることができた。
【0005】 〔各構成の説明〕(マレイミド化合物からの重合単位
有する熱可塑性樹脂) 本発明において使用されるマレイミド化合物からの重合
単位を有する熱可塑性樹脂は、マレイミド化合物からの
重合単位を有する高分子重合体またはこれらの重合体と
他の樹脂との配合物であってもよい。前者のマレイミド
化合物からの重合単位を有する高分子重合体は、マレイ
ミド構造を有する重合性単量体を重合させてもよく、ま
たは、無水マレイン酸の重合体または共重合体を、アン
モニアまたはアニリン等の第1級アミン化合物で処理し
てイミド化してもよい。本発明におけるマレイミド化合
からの重合単位としては、N−フェニルマレイミドが
最も一般的であるが、マレイミド、N−アルキルマレイ
ミド、N−芳香族誘導体マレイミド、N−ハロゲン化芳
香族マレイミドまたはこれらの混合系であってもよい。
通常は、このようにして得られたマレイミド化合物から
の重合単位を有する熱可塑性樹脂を、使用目的に応じて
他の熱可塑性樹脂、例えばポリオレフィン、ABS等と
の組成物として使用する。またこの組成物として配合す
る樹脂は、ガラス繊維の存在下に重合性単量体を重合さ
せて製造することもできる。このようなガラス繊維入り
の樹脂としては、モンサント化成(株)の製造になるコ
リメート(商品名)がある。マレイミド化合物残基の量
は、樹脂分全体の100重量部に対して、約1〜80重
量部、好ましくは5〜50重量部であるのがよい。配合
された樹脂マトリックスの耐熱温度は、約90〜150
℃、好ましくは100〜130℃である。マレイミド化
合物からの重合単位を有する熱可塑性樹脂組成物の好適
な例としては、特開昭59-178046号に記載の樹脂組成物
がある。
【0006】(中空ガラススフェアー)本発明に使用さ
れる中空ガラススフェアーは、微小粒径の中空ガラス球
であり、通常は粒径5〜200μmであり、例えばや住
友スリーエム(株)等から、グラスバブルズ等の商品名
で販売されている。これらの中空ガラススフェアーは、
樹脂に配合するために混練され、さらに加工工程で射出
成形に付されるため、耐圧強度が、例えばASTM D-
3102 に基づいて測定した場合、400kg/cm2以上ある
ことが必要である。400kg/cm2以下では練り込みの
際もしくは射出成形する際に中空スフェアーが割れてし
まい、軽量化の効果が失われる。また、中空ガラススフ
ェアーの耐圧強度は3000kg/cm2以下にするのが、
本発明樹脂組成物の軽量化のためには好ましい。中空ガ
ラススフェアーはまた、樹脂との親和性を向上させて剥
離等の問題を無くすために、アクリルシラン化合物等の
シランカップリング剤等であらかじめ処理することもで
きる。
【0007】(ガラス繊維)本発明の組成物に使用する
ガラス繊維は、通常のガラス繊維でよく、例えば長さが
1〜10mm 、直径20μm以下のガラス繊維を10〜
1000本集束したチョップドストランドであってもよ
い。これも好ましくは、シランカップリング剤等で処理
しておくのがよい。
【0008】(配合割合) 本発明の組成物の配合割合
は、当該組成物100重量部あたり、中空ガラススフェ
アー5〜50重量部、ガラス繊維5〜50重量部、マレ
イミド化合物からの重合単位を有する熱可塑性樹脂40
〜90重量部よりなる。中空ガラススフェアーが5重量
部未満では軽量化の効果が少なく、50重量部を超える
と成形性が著しく低下する。中空ガラススフェアーの配
合量は好ましくは7〜30重量部、より好ましくは10
〜25重量部である。ガラス繊維が5重量部未満では剛
性が低く、50重量部を超えると成形性を著しく低下さ
せる。ガラス繊維の配合量は好ましくは5〜30重量
部、より好ましくは7〜25重量部である。
【0009】(その他の添加剤)本発明の耐熱性樹脂組
成物には、必要に応じて通常の熱可塑性樹脂の製造に際
して添加される各種の助剤類、例えば酸化防止剤、光安
定剤、帯電防止剤、着色剤、充填剤等を添加してもよ
い。
【0010】
【実施例】実施例および比較例として用いた中空ガラス
スフェアー(B)の諸物性値を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】実施例 1〜4 表2に示す配合比でマレ
イミド化合物からの重合単位を有するマレイミド系耐熱
ABSと中空ガラススフェアーB3とガラス繊維とを押
出機により混練、ペレット化した。 マレイミド系耐熱
ABSとしてはモンサント化成(株)製スーパーレック
ス(商品名)M25(比重1.06)を用いた。得られ
た混合物の物性を表2に示す。
【0013】
【表2】
【0014】比較例 1〜6 表3に示す配合比でマレイミド系耐熱ABSとガラス繊
維もしくはマレイミド系耐熱ABSと中空ガラススフェ
アーB1,B2とガラス繊維と押出機により混練、ペレ
ット化した。比較例として、得られた混合物の物性を表
3に示す。
【0015】
【表3】
【0016】実施例1、2と比較例1、実施例4と比較
例2を比べると分かるように、中空ガラススフェアーB
3を加えることで、剛性や熱変形温度を下げることなく
軽量化できることが分かる。また、実施例3と比較例
3、4を比べると分かるように、軽量化するためには中
空ガラススフェアーの耐圧強度が約400kg/cm2以上
必要である。
【0017】
【発明の効果】本発明は上記のように構成したので、マ
レイミド系耐熱性ABS樹脂の本来の剛性や熱変形温度
を下げることなく、比重を下げることができる。このた
め、重量軽減策を強く追及している自動車部材や、家電
そのたの機器部品としての用途に使用されることができ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ASTM D−3102に基づく耐圧試験で
    400kg/cm2以上の耐圧強度を有する中空ガラススフ
    ェアー5〜50重量部、ガラス繊維5〜50重量部、マ
    レイミド化合物からの重合単位を有する熱可塑性樹脂4
    0〜90重量部からなる、熱可塑性樹脂組成物。
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