JP3023687B2 - 写真処理廃液の蒸発濃縮方法及び装置 - Google Patents

写真処理廃液の蒸発濃縮方法及び装置

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JP3023687B2 JP2093578A JP9357890A JP3023687B2 JP 3023687 B2 JP3023687 B2 JP 3023687B2 JP 2093578 A JP2093578 A JP 2093578A JP 9357890 A JP9357890 A JP 9357890A JP 3023687 B2 JP3023687 B2 JP 3023687B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は写真処理廃液の蒸発濃縮における濃縮速度お
よび熱効率の向上方法及び装置に関する。
〔発明の背景〕 一般に、ハロゲン化銀写真感光材料の写真処理は、黒
白感光材料の場合には、現像、定着、水洗等、カラー感
光材料の場合には発色現像、漂白定着(又は漂白、定
着)、水洗、安定化等の機能の1つ又は2つ以上を有す
る処理液を用いた行程を組合わせて行われている。
そして、多量の感光材料を処理する写真処理において
は、処理によって消費された成分を補充し一方、処理に
よって処理液中に溶出或は蒸発によって濃化する成分
(例えば現像液における臭化物イオン、定着液における
銀錯塩のような)を除去して処理液成分を一定に保つこ
とによって処理液の性能を一定に維持する手段が採られ
ており、上記補充のために補充液が処理液に補充され、
写真処理における濃厚化成分の除去のために処理液の一
部が廃棄されている。
近年、補充液は水洗の補充液である水洗水を含めて公
害上や経済的理由から補充の量を大幅に減少させたシス
テムに変わりつつあるが、写真処理廃液は自動現像機の
処理槽から廃液管によって導かれ、水洗水の廃液や自動
現像機の冷却水等で稀釈されて下水道等に廃棄されてい
た。
しかしながら、近年の公害規制の強化により、水洗水
や冷却水の下水道や河川への廃棄は可能であるが、これ
ら以外の写真処理液[例えば、現像液、定着液、発色現
像液、漂白定着液(又は漂白液、定着液)、安定液等]
の廃棄は、実質的に不可能となっている。このため、各
写真処理業者は廃液を専門の廃液処理業者に回収料金を
払って回収してもらったり公害処理設備を設置したりし
ている。しかしながら、廃液処理業者に委託する方法
は、廃液を貯留しておくのにかなりのスペースが必要と
なるし、またコスト的にも極めて高価であり、さらに公
害処理設備は初期投資(イニシャルコスト)が極めて大
きく、整備するのにかなり広大な場所を必要とする等の
欠点を有している。
さらに、具体的には、写真処理廃液の公害負荷を低減
させる公害処理方法としては、活性汚泥法(例えば、特
公昭51−12943号及び同昭51−7952号等)、蒸発法(特
開昭49−89437号及び同56−33996号等)、電解酸化法
(特開昭48−84462号、同49−119458号、特公昭53−434
78号、特開昭49−119457号等)、イオン交換法(特公昭
51−37704号、特開昭53−383号、特公昭53−43271号
等)、逆浸透法(特開昭50−22463号等)化学的処理法
(特開昭49−64257号、特公昭57−37396号、特開昭53−
12152号、同49−58833号、同53−63763号、特公昭57−3
7395号等)等が知られているが、これらは未だ充分では
ない。
一方、水資源面からの制約、給排水コストの上昇、自
動現像機設備における簡易さと、自動現像機周辺の作業
環境上の点等から、近年、水洗に変わる安定化処理を用
い、自動現像機外に水洗の給排水のための配管を要しな
い自動現像機(いわゆる無水洗自動現像機)による写真
処理が普及しつつある。このような処理では処理液の温
度コントロールするための冷却水も省略されたものが望
まれている。このような実質的に水洗水や冷却水を用い
ない写真処理では自動現像機からの写真処理廃液がある
場合と比べて水によって稀釈されないためその公害負荷
が極めて大きく一方において廃液量が少ない特徴があ
る。
従って、この廃液量が少ないことにより、給廃液用の
機外の配管を省略でき、それにより従来の自動現像機の
欠点と考えられる配管を設置するために設置後は移動が
困難であり、足下スペースが狭く、設置時の配管工事に
多大の費用を要し、温水供給圧のエネルギー費を要する
等の欠点が解消され、オフィスマシンとして使用できる
までコンパクト化、簡易化が達成されるという極めて大
きい利点が発揮される。
しかしながら、この反面、その廃液は極めて高い公害
負荷を有しており、河川はもとより下水道にさえ、その
公害規制に照らしてその廃液は全く不可能となってきて
いる。さらにこのような写真処理(多量の流水を用い
て、水洗を行わない処理)の廃液量は少ないとはいえ、
例えば比較的小規模なカラー処理ラボでも、1日に10
程度となる。
従って、一般には廃液回収業者によって回収され、二
次及び三次処理され無害化されているが、回収費の高騰
により廃液引き取り価格は年々高くなるばかりでなく、
ミニラボ等では回収効率は悪いため、なかなか回収に来
てもらうことができず、廃液が店に充満する等の問題を
生じている。
一方、これらの問題を解決するために写真処理廃液の
処理をミニラボ等でも容易に行えることを目的として、
写真処理廃液を加熱して水分を蒸発乾固ないし固化する
ことが研究されており、例えば、実開昭60−70841号等
に示されている。発明者等の研究では写真処理廃液を蒸
発処理した場合、亜硫酸ガス、硫化水素、アンモニアガ
ス等の有害ないし極めて悪臭性のガスが発生する。これ
は写真処理液の定着液や漂白定着液としてよく用いられ
るチオ硫酸アンモニウムや亜硫酸塩(アンモニウム塩、
ナトリウム塩又はカリウム塩)が高温のため分解するこ
とによって発生することがわかった。更に蒸発処理時に
は写真処理廃液中の水分等が蒸気となって気体化するこ
とにより体積が膨張し、蒸発釜中の圧力が増大する。こ
のためこの圧力によって蒸発処理装置から前記有害ない
し悪臭性のガス装置外部へもれ出してしまい、作業環境
上極めて好ましくないことが起こる。
そこで、これらを解決するために実開昭60−70841号
には蒸発処理装置の排気管部に活性炭等の排ガス処理部
を設ける方法が開示されている。しかし、この方法は写
真処理廃液中の多量の水分による水蒸気により、排ガス
処理部で結露又は凝結し、ガス吸収処理剤を水分が覆
い、ガス吸収能力を瞬時に失わせてしまう重大な欠点を
有しており、未だ実用には供し得ないものであった。
これらの問題点を解決するために、この出願人等は写
真処理廃液を蒸発処理するに際し、蒸発によって生じる
蒸気を凝縮させる冷却凝縮手段を設け、さらに凝縮によ
って生じる凝縮水を処理するとともに非凝縮成分につい
ても処理して外部へ放出する写真処理廃液の処理方法及
び装置について先に提案した。
しかしながら、上記提案によれば、次のような問題点
があることを見い出した。すなわち、蒸発処理によって
生じる蒸気は冷却凝縮手段で凝縮されるが、冷却凝縮効
率が悪いと、凝縮されないで装置外部へ放出される蒸気
の比率が高くなり、たとえ活性炭で処理したとしても、
悪臭が有害なガスが装置外部へ放出される比率も高くな
る。さらに冷却凝縮手段によって凝縮された凝縮水も、
たとえ活性炭で処理したとしても、廃棄する時におけ
る、公害負荷が高くそのまま下水等に排出できない場合
もある。
さらに、ミニラボでは店のスペースが極めて限られて
おり、写真処理液を処理することにより発生する悪臭が
特に問題となるばかりでなく、廃液処理装置自体の設置
スペースが問題となる。また、装置の値段やランニング
コストも重要な問題である従って、写真処理廃液を、悪
臭で有害なガスを発生することなく処理できるコンパク
トで安価でかつランニングコストが低く濃縮速度の速い
処理装置が要望されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように写真処理廃液を自現機のそばで、オンディ
マンドで直ちに蒸発濃縮する必要がある。しかしそれに
は従来の電熱による加熱を行うと電力消費が大きく得策
でなく、それを解決するために本出願人は特開昭63−15
1301で提案したようにヒートポンプを用い、その加熱部
および冷却部を蒸発濃縮のための加熱と発生蒸気や発生
ガスの冷却に用いることにより使用電力が50%以下にな
りかなり低くすることに成功した。しかし、ラボでは写
真処理廃液の蒸発濃縮に大きな電力を消費するだけでな
く、自現機の各処理液の温調や乾燥部の加熱或は冷却に
消費する電力も大きい。このように総合的に見て更に、
加熱冷却電力の節減が要望されている。特に30A以上の
電力を喰うようになると引込配線工事費もかなりかかる
ことになる。
本発明はこのような観点にたって、写真処理廃液を蒸
発濃縮するに当たって更に、熱効率を高め処理能力を向
上させる写真処理廃液の蒸発濃縮方法及び装置を提供す
ることを課題目的にする。
〔課題を解決するための手段〕 この目的は、次の(a),(b),(c),(d),
(e)の手段のいずれか1つによって達成できる。
(a)写真処理廃液をヒートポンプを用いて加熱蒸発濃
縮せしめ、これによって生ずる蒸気を冷却凝縮して液化
する写真処理廃液の蒸発濃縮方法であって、pH調整剤を
供給して、定着成分を含有する写真処理廃液のpH値を4.
5〜7.5に調整して蒸発を促進させることを特徴とする写
真処理廃液の蒸発濃縮方法。
(b)(a)項の方法における蒸発及び蒸気の冷却凝縮
は減圧下で行うようにしたことを特徴とする写真処理廃
液の蒸発濃縮方法。
(c)前記pH値の調整剤は現像廃液を使用することを特
徴とする(a)項又は(b)項記載の写真処理廃液の蒸
発濃縮方法。
(d)写真処理廃液をヒートポンプの加熱部によって蒸
発濃縮せしめる蒸発濃縮カラムと、それに連通する凝縮
部で前記ヒートポンプの冷却部によって蒸気を凝縮せし
める手段と、前記カラム内に写真処理廃液を供給する手
段とpH調整剤を供給するための手段と、該pH調整剤によ
り定着成分を含有する写真処理廃液のpH値を4.5〜7.5に
調整する蒸発促進手段とを有することを特徴とする写真
処理廃液の蒸発濃縮装置。
(e)(d)項の写真処理廃液の蒸発濃縮装置におい
て、前記蒸発濃縮カラム及びそれに連通する凝縮部を減
圧する減圧手段を設けたことを特徴とする写真処理廃液
の蒸発濃縮装置。
このように本出願人は蒸発濃縮時の写真処理廃液のpH
の範囲を規定することにより蒸発濃縮速度を向上し得る
ことを発見した。
ちなみに、本出願人は特開昭63−143991号において、
蒸発濃縮時の写真処理廃液のpHを3〜11に維持し、廃液
中のチオ硫酸塩の分解防止をすることに成功し、臭気発
生を極度に押さえることができた。本発明は更に研究開
発を進めそのpHを4.5〜7.5に押さえることにより蒸発濃
縮速度を飛躍的に向上させ得た本出願人の実験結果に基
づくものである。
〔実施例〕
先ず本発明の方法を見つけるに当たって第1図に概略
を示すような蒸発濃縮装置を使って次のような実験をし
た。
実験例1 カラーネガフィルムとして市販のコニカ製、富士フィ
ルム製、コダック製のASA100,400のフィルムを下記処理
工程仕様および処理液仕様で処理した。
但し、定着槽は2槽カウンターカレント(45秒、2
槽)、および安定槽は3槽カウンターカレント(20秒、
3槽)で行った。
使用した処理液組成は下記の通りである。
[発色現像タンク液] 炭酸カリウム 30g 炭酸水素ナトリウム 2.5g 亜硫酸カリウム 4g 臭化ナトリウム 1.3g 沃化カリウム 1.2mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5g 塩化ナトリウム 0.6g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒ
ドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 4.8g 水酸化カリウム 1.2g 水を加えて1とし、水酸化カリウムまたは50%硫酸
を用いてpH10.06に調整する。
[発色現像補充液] 炭酸カリウム 40g 炭酸水素ナトリウム 3g 亜硫酸カリウム 7g 臭化ナトリウム 0.5g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.1g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒ
ドロキシエチル)アニリン硫酸塩 6.0g 水酸化カリウム 2g 水を加えて1とし、水酸化カリウムまたは20%硫酸
を用いてpH10.12に調整する。
[漂白タンク液] 1−3−プロピレンジアミン四酢酸第2鉄アンモニウ
ム 150g 酢酸(90%水溶液) 50m 臭化アンモニウム 150g 水を加えて1とし、アンモニウム水または氷酢酸を
用いてpH4.4に調整する。
[漂白補充液] 漂白タンク液のpHを、酢酸でpH4.2に調整したもの。
[定着タンク液および補充] チオ硫酸アンモニウム 250g 亜硫酸アンモニウム 20g 例示[A′−7](アンモニウム塩) 2g 水を加えて1とし、酢酸とアンモニア水を用いてpH
6.8に調整する。
[安定タンク液および補充液] ホルムアルデヒド(37%溶液) 1m 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−
オン 0.05g エマルゲン810 1m ホルムアルデヒド重亜硫酸付加物ナトリウム 2g 水を加え1とし、アンモニウム水および50%硫酸に
てpH7.0に調整した。
また、カラーペーパーを下記の処理工程と処理液で処
理した。
処理工程 温度 時間 補充量 槽数 (1) 発色現像 38℃ 30秒 200m/m2 1槽 (2) 漂白定着 33℃ 25秒 100m/m2 1槽 (3) 安定化 33℃ 30秒 500m/m2 3槽 (注1) (注1)3層法はカウンターカレント方式で行う。
処理液組成 [発色現像タンク液] トリエタノールアミン 10m 亜硫酸カリウム 0.2g 塩化ナトリウム 1.5g 炭酸カリウム 32.0g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−メ
タンスルノアミドエチル)−アニリン硫酸塩 5.5g 蛍光増白剤(ジアミノスチルベン系) 1.0g ジエチルヒドロキシルアミン 5.0g ジエチレントリアミンペンタ酢酸 3.0g 臭化カリウム 2mg 1,2−ジヒドロキシベンゼン−3,5−ジスルホン酸−ナ
トリウム塩 0.2g 水を加えて全量を1とし、KOHとH2SO4でpH10.15と
する。
[発色現像補充液] 発色現像タンク液の3−メチル−4−アミノ−N−エ
チル−N−(β−メタンスルホアミドエチル)−アニリ
ン硫酸塩の量を7.0g/とし、臭化カリウムをゼロとしp
H値を10.60とする。
[漂白定着タンク液および補充液] エチレンジアミンテトラ酢酸第2鉄アンモニウム2水
塩 60g エチレンジアミンテトラ酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%溶液) 140m 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 27.5m 炭酸カリウムまたは氷酢酸でpH5.8に調整すると共に
水を加えて全量を1とする。
[安定タンクおよび補充液] 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2g Bicl3 0.3g ZnSO4・7H2O 0.7g 蛍光増白剤(ジアミノスチルベン系) 1.0g ケイソンWT(注) 0.5g (注)ロームアンドハース社製 上記処理により得られた廃液をネガ用ペーパー用すべ
てを合わせて総合混合して、pHを変化させて後で詳述す
るが第1図に示す廃液処理装置で濃縮処理を行い、その
時の廃液処理速度を測定した。
上記測定では減少する廃液量を30分ごとに測定し2時
間の平均値をとった。
その結果を第1表に示す。
次に実験例2として下記のような条件の感光材料と処
理工程により得られた処理廃液のpHを種々に変化調整し
て、実験例1と同じ蒸発濃縮装置を用いて濃縮を行い濃
縮速度を測定した。
実験例2 (感光材料) コニカ製 コニカRSTクリアライトコンタクトフィル
ムCRHEに通常露光を行い下記の処理液と処理工程で処理
を行った。
[現像液処方] ハイドロキノン 25g 1−フェニル−4,4ジメチル−3−ピラゾリドン 0.4g 臭化ナトリウム 3g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.3g 5−ニトロインダゾール 0.05g ジエチルアミノプロパン−1,2−ジオール 10g 亜硫酸カリウム 90g 炭酸カリウム 30g ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸ナトリウム 2g 水で1に仕上げた。
pHは、苛性ソーダで10.2とした。
[定着液処方] (組成A) チオ硫酸アンモニウム(72.5w%水溶液) 240m 亜硫酸ナトリウム 17g 酢酸ナトリウム・3水塩 6.5g 硼酸 6g クエン酸ナトリウム・2水塩 2g 酢酸(90w%水溶液) 13.6m (組成B) 純水(イオン交換水) 17m 硫酸(50w%の水溶液) 3.0g 硫酸アルミニウム(Al2O3換算含量が8.1w%の水溶
液) 20g 定着液の使用時に水500m中に上記組成A、組成Bの
順に溶かし、1に仕上げて用いた。この定着液のpHは
約4.2である。
[現像処理条件] (工程) (温度) (時間) (補充量) 現像 40℃ 15秒 30m/4ツ切 定着 35℃ 15秒 40m/4ツ切 水洗 常温 15秒 流水 このような処理条件で排出された現像廃液及び定着廃
液を使用して、定着廃液のpH調整を行った。pH調整剤と
しては水酸化ナトリウムの10%水溶液と前記現像廃液で
行い、蒸発濃縮装置は実験例1で用いたものと同じもの
を用いた。結果は第2表に示すようなものとなった。
この場合の蒸発濃縮速度は1時間運転した場合の廃液
減少量より求めた。
ここにpH調整剤としては酸、アルカリ剤を使用するこ
とが出来る。
即ち酸性のpH調整剤としては、水溶液が酸性を示すも
のならば廃液のpHを低下させるためのpH調整剤として使
用出来る。
例えば硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、ホウ酸、炭酸ガ
ス、スルファミン酸等の無機酸や酢酸、シュウ酸、クエ
ン酸、マロン酸、酒石酸等のカルボン酸、エチレンジア
ミン四酢酸、ニトリロ三酢酸等のアミノポリカルボン
酸、有機ホスホン酸の他、硫酸水素ナトリウムのような
酸性塩等がある。
一方、アルカリ性pH調整剤としては水溶液がアルカリ
性を示すものならば廃液のpHを上昇させるためのpH調整
剤として使用出来る。
例えばNaOH,KOH,LiOH,Ca(OH)2,Mg(OH)等のアル
カリ金属、又はアルカリ土類金属の水酸化物、水酸化ア
ンモニウム、炭酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩等
の無機弱酸のアルカリ金属塩類、酢酸ソーダ、クエン酸
ソーダ、有機カルボン酸塩、有機ホスホン酸塩等の有機
酸のアルカリ金属塩等がある。
またX−レイフィルムや印刷感材用の定着液は低pHで
あり、本発明のpH範囲にするために必要とするpH調整剤
はアルカリ性のものであり、現像廃液を使用することが
できるわけである。この場合、特にpH調整剤の調達が不
要となるので好ましい。
このような実験1,実験2の結果より、蒸発濃縮するた
めに供給する写真処理廃液のpHは4.5〜7.5にして行えば
よく、より好ましくは5.0〜7.0であり最も好ましいのは
5.2〜6.2であるということができる。
ここで処理廃液のpHを4.5〜7.5に調整するのは、あら
かじめ廃液を蒸発濃縮カラムに供給する前にpH調整剤で
調整しておいてもよいし、該カラム内に廃液を供給する
系とは別にpH調整剤を供給する系を設けて、該カラム内
でpHを4.5〜7.5にするようにしてもよい。
本発明の方法を用いた蒸発濃縮装置の第1の実施例を
第1図の概要図を用いて説明する。
減圧に耐える減圧蒸発濃縮カラム(以下単にカラムと
いう)1内に、写真処理廃液を注入貯留し、該カラム1
の上部蒸気凝縮部5には、減圧手段7を接続して、減圧
する如くした。大気圧より低い減圧下では、そのものの
沸騰点以下で沸騰が起こることは知られており、この実
施例では、ガス発生の起こりにくい低温での蒸発をこの
減圧下で行なうものである。次に該カラム1内には、3
次元配置とした加熱手段2を設け、この加熱手段2は、
その下部を上記写真処理廃液の貯留部4に浸し、該写真
処理廃液を加熱する如くし、その上部は、該写真処理廃
液の貯留部から突出して空中にあり、この部分に、該写
真処理廃液を、廃液貯槽31およびpH調整液の貯槽75から
電磁バルブ6Aおよび76による液給送手段3,3′をもっ
て、、給送されカラム内の廃液pHが4.5〜7.5に入るよう
に調整され、もって、減圧下での加熱蒸発に加え、散布
滴下過程での加熱蒸発を繰り返し、効率よく急速に濃縮
化を行なうものである。
ここで蒸発した水分は、このカラム1内の上部に冷却
手段8Aと凝縮水の案内部及び水受け8Cを設けることによ
って、コンパクト化と、カラム内の減圧安定化のために
寄与する如くした。一方、上記の蒸発濃縮を繰り返し
て、高濃度に固形化した成分はこのカラム1の下部に連
結した容器12で受け取り回収する。この発明において加
熱手段2を液中と空中とにまたがる3次元配置とした理
由は液中部分はおもに写真処理廃液の予熱に当たり空中
の部分はこれに散布滴下する写真処理廃液との接触面積
を大きくする効果があり、ガス発生の無い低温蒸発を均
一に効率よく行なうのに効果がある。さらにこのカラム
1内の上部には冷却手段8Aを設けて、下部より上がって
きた水蒸気を捕らえて冷却凝縮して、水滴として回収す
る如くした。これは発生蒸気によって、このカラム1内
の減圧バランスが崩れ、減圧装置7(本実施例ではエジ
ェクターを使用)で規定の減圧状態を維持するために多
大の負荷がかかるのを軽減する効果がある。即ち発生蒸
気によりカラム1内の圧力が上昇するところをすぐさま
冷却凝縮して圧力上昇を抑制するのである。
この構成において、加熱手段2の上記液中部分を当該
減圧蒸発に最適な温度とすると、この加熱手段2が1体
に同じ温度で上記空中にある部分も管理され、電熱効果
の相違で、空中にある部分の実質的な表面温度は高くな
り、これに、写真処理廃液が触れると急加熱による不快
ガスの発生もあるので、散布する写真処理廃液の量を加
減して、上記空中にある加熱手段の部分を、ガス発生温
度以下に抑えるか又は液中、液外で加熱手段を分けて別
々に適温に制御してもよい。
さらに上記加熱手段2および冷却手段8Aは公知技術の
いずれでもよいが、本発明ではヒートポンプを使用し
た。そしてこの冷却手段の表面に水蒸気が触れて凝縮
し、水滴となって、この冷却手段8Aを伝わって水回収容
器9に集められる。加熱手段の表面温度は好ましくは10
0℃以下で、特に、20℃〜60℃が最も好ましい。
上記加熱手段2にヒートポンプの放熱部を用い、上記
冷却手段8Aおよび水回収容器9内に設けた冷却手段8Bに
ヒートポンプの吸熱部を使用してある。
そして加熱手段2を構成するヒートポンプの凝縮器を
チャージさせるチャージパイプ25および該加熱手段2の
後に配管した膨張弁の役目をするキャピラリーチューブ
26や、冷却手段8Aのアウト側に配設される冷媒用のコン
プレッサー21およびその冷媒を空冷凝縮させる空冷凝縮
器22、およびそのファン24とファンモータ23はカラム1
の外に置かれている。
また、加熱手段2の凝縮器を通りキャピラリーチュー
ブ26から、水回収容器9内の冷却手段8Bに接続した上で
更にその延長が冷却手段8Aとしてカラム1内の上部蒸気
凝縮部5の冷媒蒸発器に接続されカラム1外のコンプレ
ッサー21に還るようにしてある。
そして、水回収容器9内の冷水は水循環ポンプ(P−
2)33によって減圧装置(エジェクター)7につなげら
れ、カラム1上部の蒸気凝縮器5の凝縮液回収口8Cから
パイプ34で引かれた水を水回収容器9に入れると共に同
時にカラム1内の減圧を行うようにしてある。
また、水回収容器9からオーバーフローした水はパイ
プ36によって水槽35に送られる。そしてこれは下水に排
水される。
そして、カラム1内への処理廃液は容器(廃液貯槽)
31から適時電磁バルブ6Aで送られる。
このようにしてかなり単純なヒートポンプにより蒸発
蒸気は多くが液化され、わずかが排気口36から排気され
るので、臭気は完全に防止されるようになる。
本実施例の蒸発濃縮装置は以上のようなものである
が、臭気の発生等を考慮せず熱効率や濃縮速度のみを考
えたときは減圧装置を停止しても減圧した場合とほぼ同
じような熱効率および濃縮速度を得る。しかし、その場
合、処理廃液やpH調整液を容器31および75からカラム1
内に汲上げるには電磁バルブ6Aおよび76の替わりにポン
プを使う必要がある。
なお、写真処理廃液のカラム1内への補給の量と時間
はレベルセンサー(LC)64の検知情報によって行われる
ようにしてある。
次に本発明の方法に用いた蒸発濃縮装置の第2の実施
例を第2図の概要図によって説明する。第1の実施例と
同じ機能のものは同じ記号をもって説明する。
減圧に堪え得る2つのカラム1には、その液留め部4
とそのヒートポンプの加熱部2Aと該液溜部4からの液汲
上げベルト51とが独立して設けられ、カラム1の上部は
連通し、更に該カラム1の隣には蒸気凝縮部5および蒸
溜水の溜部8Cが設けられている。そして、該蒸気凝縮部
5内にはヒートポンプの冷却部8Aが設けられその上方に
はカラム1の上部に連通する部分があり、下部には上方
の蒸気の高温ダクト41に通じる風路44が設けられてい
る。そして該ダクト41内にはヒートポンプの加熱部2Cお
よびファン42が設けられ、前記冷却部8Aの上方より入っ
て冷却された残りの一部の蒸気も含めた空気を前記風路
44を経て前記ダクト41を通ってファン42でカラム1に循
環さすようにしてあり、更にその循環中に空気とともに
加熱部2Cが作用して高温化するようにしてある。
またカラム1内の液溜り4より上方の液外部にはヒー
トポンプの加熱部2Bが前記加熱部2Aと直列に連結して設
けられている。
これにより汲上げベルト51によって汲上げられながら
循環する該ベルト上の各廃液は早急に前記ダクト41内の
加熱蒸気の一部および加熱空気のたすけにもよって蒸発
させられ蒸発凝縮効率を向上させて行くことになる。
熱源と冷却源としてはヒートポンプを使用しており、
コンプレッサー21で圧縮された高圧加熱冷媒は加熱部2
C,2A,2Bを直列に連結し、カラム1の外に出てファン66
で冷やされながら膨張弁の役をするキャピラリチューブ
26を通り気化されて冷却部8Aを取り前述のコンプレッサ
ー21に戻るようにしてある。
尚、第2図には減圧手段は省略してあるが、これは第
1の実施例と同様に設けておく方が臭気の蒸発等を防止
するためには更に好ましいといえる。しかし、臭気等を
あまり考慮しない場合には減圧手段を特に必要としな
い。
本実施例では、カラム1内への写真処理廃液およびpH
調整剤の液給送は容器63および73よりポンプ(P)62お
よび72により液給送手段3および3′のパイプ中を通り
該パイプの先端供給口61および71をカラム1の上部にセ
ットして、第2図に示すような状態のもとに行われる。
尚、補給の量と時間はレベルセンサ(LC)64の検知情
報によって行われるようにしてある。
尚、写真処理廃液のpHはあらかじめわかっており、そ
のpH調整剤のpHもあらかじめわかっておるので、適正な
pHを得るための両者のカラム内への補給量は自ら決ま
り、望ましいpHの廃液をカラム内に収容することは容易
である。
〔発明の効果〕
写真処理廃液の蒸発濃縮において、該廃液のpHが4.5
〜7.5になるようにpH調整剤を加える本発明の方法およ
び装置によって、蒸発濃縮速度が大幅に向上した。した
がって蒸発濃縮の加熱源および蒸気凝縮の冷却源にそれ
ぞれヒートポンプの加熱部および冷却部を使って高めた
エネルギー効率は更に大幅に向上するようになった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の蒸発濃縮装置の第1の実施例の概要
図、第2図は本発明の蒸発濃縮装置の第2の実施例の概
要図。 1……蒸発濃縮カラム 2,2A,2B,2C……ヒートポンプの加熱部 3,3′……液給送手段、4……液溜り部 5……凝縮部、6A,76……電磁バルブ 8A……ヒートポンプの冷却部 21……コンプレッサー、31,63……廃液貯槽(容器) 41……高温ダクト、42,66……ファン 51……汲上げベルト、61,71……先端供給口 62,72……ポンプ、73,75……pH調整液貯槽
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/04 B01D 1/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】写真処理廃液をヒートポンプを用いて加熱
    蒸発濃縮せしめ、これによって生ずる蒸気を冷却凝縮し
    て液化する写真処理廃液の蒸発濃縮処理方法であって、
    pH調整剤を供給して、定着成分を含有する写真処理廃液
    のpH値を4.5〜7.5に調整して蒸発を促進させることを特
    徴とする写真処理廃液の蒸発濃縮方法。
  2. 【請求項2】請求項1の方法における蒸発および蒸気の
    冷却凝縮は減圧下で行うようにしたことを特徴とする写
    真処理廃液の蒸発濃縮方法。
  3. 【請求項3】前記pH値の調整剤は現像廃液を使用するこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2記載の写真処理廃
    液の蒸発濃縮方法。
  4. 【請求項4】写真処理廃液をヒートポンプの加熱部によ
    って蒸発濃縮せしめる蒸発濃縮カラムと、それに連通す
    る凝縮部で前記ヒートポンプの冷却部によって蒸気を凝
    縮せしめる手段と、前記カラム内に写真処理廃液を供給
    する手段とpH調整剤を供給するための手段と、該pH調整
    剤により定着成分を含有する写真処理廃液のpH値を4.5
    〜7.5に調整する蒸発促進手段とを有することを特徴と
    する写真処理廃液の蒸発濃縮装置。
  5. 【請求項5】請求項4の写真処理廃液の蒸発濃縮装置に
    おいて、前記蒸発濃縮カラムおよびそれに連通する凝縮
    部を減圧する減圧手段を設けたことを特徴とする写真処
    理廃液の蒸発濃縮装置。
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