JP3036116B2 - 化粧用表面材及びその製法 - Google Patents

化粧用表面材及びその製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、テーブル、カウンタ
ー、家具、音響機器ケース等の木製什器や床材、壁材等
の木質建材、車内装備品などの表面材として好適に用い
られる木質系の化粧用表面材及びその製法に関し、着色
不透明樹脂シート上に多数の木材小片を分散したのち、
この上に透明樹脂シートを重ねて、加熱加圧すること
で、曲率半径が小さい曲面部にも使用できるようにした
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の化粧用表面材の一例として、図5
に示したような構造のものが知られている。この化粧用
表面材は、木材小片1を分散した着色不透明樹脂層2の
表面を研削し、木材小片1を表面に露出させ、かつこの
表面を平坦としたうえ、この着色不透明樹脂層2上にこ
れを保護する透明樹脂層3を設けてなるものである。こ
の化粧用表面材の製法は、まず、硬化前の液状の熱硬化
性樹脂を用意し、これに木材小片1を混合し混練したの
ち、この混合物を平板状に成形し、ホットプレスなどを
使用して加熱加圧し、固化物とする。ついで、この固化
物の表面をサンダー掛けなどによって研削し、木材小片
1を表面に露出させて、木材小片分散着色不透明樹脂層
4を形成する。ついで、これの表面に無色透明または着
色透明の不飽和ポリエステル樹脂などの塗料を塗布し
て、透明樹脂層3を形成することで化粧用表面材が得ら
れる。しかしながら、 このような従来の化粧用表面材
の製法にあっては、硬化前の液状の熱硬化性樹脂の固
化、固化物の表面の研削、不飽和ポリエステル樹脂など
の塗料を塗布工程があるため手間がかかり、生産性が劣
った。また、この化粧用表面材は熱硬化性樹脂を用いて
いるため、可撓性がおとり、曲率半径が小さい曲面部に
は使用できないという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】よって、この発明にお
ける課題は、曲率半径が小さい曲面部にも使用できる可
撓性が向上した化粧用表面材を、研磨工程などがない生
産性が高い製法によって提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、熱可塑性
樹脂からなる着色不透明樹脂シート上に多数の木材小片
を分散させ、この上に、熱可塑性樹脂からなる透明樹脂
シートを重ねて加熱加圧し、木材小片が着色不透明樹脂
シートと透明樹脂シートの両方に埋め込まれるように、
着色不透明樹脂シートと透明樹脂シートを密着一体化さ
せることで解決される。以下、この発明を図面に基づき
詳しく説明する。図1はこの発明の化粧用表面材の一例
を示すもので、図中符号11は着色不透明樹脂層であ
る。この着色不透明樹脂層11は、塩化ビニル樹脂、飽
和ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂からなる樹脂シ
ートまたはフィルムが用いられ、白、ベージュ、グレ
ー、黒などの不透明に着色され、厚さは約0.01〜1
mmであるのが好ましい。
【0005】木材小片12は、上記着色不透明樹脂層1
と下記透明樹脂層13との間に挿み込まれ、かつ、着
色不透明樹脂層11と透明樹脂層13の両方に均一に埋
め込まれており、上記着色不透明樹脂層11の表面積の
10〜90%、好ましくは70〜90%程度を覆い隠し
ている。この木材小片12は、黒タン、ブナなどの広葉
樹、スギ、ヒノキなどの針葉樹などの小片であって、そ
の形状は特に限定されないが、板状、直方体状、粒状な
どの様々形状のものが用いられる。また、その大きさ
は、その形状を直方体状とした場合、幅約3〜7mm、長
さ約3〜20mm、厚さ約0.2〜3mm程度であるのが好
ましい。また、木材小片12は、黒タンなどの黒色、ブ
ナなどの白色等木材の自然色を生かしてそのまま用いた
もの、その一部または全部を一種たは二種以上の色調
に着色処理を施したものが用いられ、乾燥させて寸法安
定化処理を施したものを用いることも好ましい。また、
樹種の異なるもの、色調の異なるものが混入した木材小
片12を用いても良い。
【0006】透明樹脂層13は、着色不透明樹脂層11
との間に木材小片12が埋め込まれた状態で、着色不透
明樹脂層11と密着一体化されている。透明樹脂層13
には、塩化ビニル樹脂、飽和ポリエステル樹脂などの熱
可塑性樹脂からなる樹脂シートまたはフィルムが用いら
れ、その厚さは約0.08〜0.5mm、好ましくは約
0.15〜0.3mmである。また、この透明樹脂層1
3は透明であれば、無色でも有色でもよいが、木材小片
12の色調と同系統の色調になるように着色剤で着色さ
れたものであることが好ましい。このような化粧用表面
材にあっては、熱可塑性樹脂からなる着色不透明樹脂層
と熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層との間に、多数の木
材小片が分散状態で挿み込まれ、かつ、これら木材小片
が、着色不透明樹脂層と透明樹脂層の両方に埋め込まれ
ているので、透明透明樹脂層13の上面から、木材小片
12の表面模様が見え、感に富んだ美麗なものとな
る。また、熱可塑性樹脂シートフィルムを用いているの
で可撓性富むものとなる。
【0007】また、図2に示したように、透明樹脂層1
3上に、この透明樹脂層13を構成する樹脂より高硬度
または融点が高い樹脂、例えばポリエチレンテレフタレ
ートなどの透明フィルムからなる保護層14を設けて透
明樹脂層13を保護することが好ましく、その厚さは約
10〜20μmであり、透明樹脂層13と接する保護層
14の一側面はプライマー塗布、クロム酸処理、プラズ
マ処理などの表面処理を施し、透明樹脂層13との接着
性を高めるようにすることが好ましい。さらに、アルミ
ニウムや鉄などの金属板からなる金属層15を着色不透
明樹脂層11の下面に貼り合わせて設けてもよく、その
厚さは約0.05〜1.0mm、好ましくは0.08〜
0.3mmである。
【0008】つぎに、この発明の化粧用表面材の製法を
説明する。図3はこの発明の化粧用表面材を非連続的に
製造する製法を示したものである。まず、金属層15と
なる金属板16の上に着色不透明樹脂層11となる着色
不透明樹脂シート17を重ねて、この上に多数の木材小
片12を分散したのち、この上に透明樹脂層13となる
透明樹脂シート18重ねる。ついで、この透明樹脂シー
ト18上に保護層14となる透明フィルム19を重ね
て、金属板16の下方と、透明フィルム19の上方から
プレス用熱板20、20で挟み、加熱加圧を行う。この
加圧加熱は複数回にわたって行なうことが好ましく、例
えば3回にわたって行なう場合には、その加熱加圧の条
件は、一回目が温度約150〜180℃、圧力約0.5
〜4MPa、時間約3〜5分、二回目が温度約150〜
180℃、圧力約5〜15MPa、時間約2分、三回目
が常温で、圧力約0.5〜2MPa、時間約5分とする
のが好ましい。上記加熱温度は、着色不透明樹脂シート
17、透明樹脂シート18、透明フィルム19を構成す
る樹脂の軟化温度以上であることが好ましい。この加熱
加圧によって、木材小片12が着色不透明樹脂シート1
7及び透明樹脂シート18に挿まれ、着色不透明樹脂シ
ート17及び透明樹脂シート18、金属板16と着色不
透明樹脂シート17、透明樹脂シート18と透明フィル
ム19が密着して一体化する。ついで、これをプレス用
熱板20、20から取り出し、冷却すれば化粧用表面材
が得られる。このようにして得られた化粧用表面材を所
望の大きさに切除し、テーブルなどの表面材として用い
ることができる。ここでは、透明フィルム19、金属板
16を用いたがこれらは必ずしも用いる必要はない。
【0009】図4は、この発明の化粧用表面材を連続的
に製造する装置を示したもので、図中符号21は着色不
透明樹脂シート17が巻かれている送り出しローラであ
る。この送り出しローラ21の着色不透明樹脂シート1
7は約1〜50m/分、好ましくは10〜30m/分の
速度で引っ張られ、次工程に送られる。塗布スクイズ用
ブレート22は、送り出しローラ21の次に設置され、
着色不透明樹脂シート17の上面に樹脂分散液を均一の
厚さに塗布するものである。ローラ23は、塗布スクイ
ズ用ブレート22の次に設置され、回転して着色不透明
樹脂シート17を次工程に送り出すものである。透明樹
脂シート18および透明フィルム19はローラ23の上
方より上記着色不透明樹脂シート17と同様の速度で引
っ張られ、次工程に送られる。高温ローラ24、24
は、ローラ23の次に設置され、回転しながら、着色不
透明樹脂シート17、木材小片12、透明樹脂シート1
8、透明フィルム19を挿んでこれらを加熱し、化粧用
表面材を作り次工程に送り出す。高温ローラ25、25
は、高温ローラ24、24の次に3〜5箇所設置されて
おり、回転しながら、化粧用表面材を挿んで、これを加
熱し、次工程に送り出す。冷却ローラ26、26は、高
温ローラ25、25の次に設置され、回転しながら、化
粧用表面材を挟んで、回転しながら、これを冷却したの
ち、次工程の送り出す。巻取ローラ27は、冷却された
化粧用表面材を巻取るものである。
【0010】上記で説明した装置を用いて、化粧用表面
材を連続的に製造するには、まず、送り出しローラ21
より着色不透明樹脂シート17を送り出し、この表面に
ポリ塩化ビニルなどの樹脂分散液28を滴下して、塗布
スクイズ用ブレート22で厚さ約0.15〜0.60mm
になるように塗布する。ここでは、着色不透明樹脂シー
ト17上に樹脂分散液28を滴下しているが、必ずしも
その必要はなく、接着剤を塗布しても良いし、何も塗布
しなくても良い。しかし、木材小片12を着色不透明樹
脂シート17上に出来るだけ均一に分布するには、接着
剤または樹脂分散液28を用いるのが好ましい。つい
で、樹脂分散液28が塗布された着色不透明樹脂シート
17はローラ23上を通ったのち、その上方から、ふる
いなどによって木材小片12が散布され、この上に透明
樹脂シート18、さらに、この上に透明フィルム19が
重ねられ、これらは高温ローラ24、24に送られ、こ
こで着色不透明樹脂シート17、透明樹脂シート18、
透明フィルム19を構成する樹脂の軟化温度以上の約1
70〜200℃で加熱して、着色不透明樹脂シート1
7、透明樹脂シート18、透明フィルム19が密着し、
さらに、高温ローラ25、25に送られ約170〜20
0℃で加熱され、次に、冷却ローラ26、26に送られ
て、ここで室温近くまで冷却されたのち、巻取ローラ2
7に巻取られる。
【0011】
【実施例】着色剤で黒色に着色された、幅91cm、長さ
182cm、厚さ0.3mmの飽和ポリエステルフィルムを
用い、この上面に幅10〜20mm、長さ10〜20mm、
厚さ1〜1.5mmのブナの木材小片を分散した。このと
きの飽和ポリエステルフィルムの表面積に占める木材小
片の露出面積の総和は80%であった。ついで、この上
に幅91cm、長さ182cm、厚さ0.5mmの無色透明の
ポリ塩化ビニルフィルムを重ね、全体を飽和ポリエステ
ルフィルムの下方と、ポリ塩化ビニルフィルムの上方か
らプレス用熱板で挟んで、加熱加圧を3回行なった。こ
の加熱加圧の条件は、一回目が温度170℃、圧力2M
Pa、時間3分、二回目が温度180℃、圧力10MP
a、時間3分、三回目が温度25℃で、圧力1MPa、
時間5分であった。この加熱加圧によって、飽和ポリエ
ステルフィルム、木材小片、ポリ塩化ビニルフィルムが
密着し一体化した。そして、化粧用表面材をプレス用熱
板から取り出して、目的とする化粧用表面材が得られ
た。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の化粧用
表面材は、熱可塑性樹脂からなる着色不透明樹脂シート
上に多数の木材小片を分散させ、この上に、熱可塑性樹
脂からなる透明樹脂シートを重ねて加熱加圧し、木材小
片が着色不透明樹脂シートと透明樹脂シートの両方に埋
め込まれるように、着色不透明樹脂シートと透明樹脂シ
ートとを密着一体化させたものであるので、曲率半径が
小さい曲面部にも使用できる可撓性が向上した化粧用表
面材を、研磨工程などがない生産性が高い製法によって
提供できる。また、透明樹脂層上に、この透明樹脂層を
構成する樹脂よりも高硬度または融点が高い樹脂の透明
フィルムを重ねることで化粧用表面材の表面硬度を高く
することができ、従来の化粧用表面材に比べて、耐候性
が向上した化粧用表面材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の化粧用表面材の一例を示した断面
図である。
【図2】 この発明の化粧用表面材の他の例を示した断
面図である。
【図3】 この発明の化粧用表面材を非連続的に製造す
る製法を示した概略図である。
【図4】 この発明の化粧用表面材を連続的に製造する
装置を示した概略図である。
【図5】 従来の化粧用表面材を示した断面図である。
【符号の説明】
11・・・着色不透明樹脂層、12・・・木材小片、13・・・
透明樹脂層、17・・・着色不透明樹脂シート、18・・・透
明樹脂シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−17049(JP,A) 特開 平1−152059(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなる着色不透明樹脂層
    熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層との間に多数の木
    材小片分散状態で挿み込まれ、かつ、これら木材小片
    が、着色不透明樹脂層と透明樹脂層の両方に埋め込まれ
    ていることを特徴とする化粧用表面材。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂からなる着色不透明樹脂シ
    ート上に多数の木材小片を分散させ、この上に、熱可塑
    性樹脂からなる透明樹脂シートを重ねて加熱加圧し、木
    材小片が着色不透明樹脂シートと透明樹脂シートの両方
    に埋め込まれるように、着色不透明樹脂シートと透明樹
    脂シートとを密着一体化させることを特徴とする化粧用
    表面材の製法。
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