JP3065100B2 - サンプルのピペッティング法 - Google Patents

サンプルのピペッティング法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は同時係属中の米国特許出願第07/612160号の
一部継続出願である。
本発明は一般に非侵入自動ピペッティング法、さらに
詳しくは試験サンプルにおいて流体レベルの位置を決定
する方法に関する。空気を吸引しながらサンプルの方へ
ピペッターを移動させ、ピペッター内部の圧力の変化を
モニターすることによってレベル感知が行なわれる。次
に、流体サンプルを制御下に吸引する。
液体試験サンプルに電極を接触させる自動ピペッティ
ングシステムが知られている。たとえば、伝導ピペット
チップまたは該ピペットチップに隣接した電極が、緩衝
液または血清、血漿あるいは尿サンプルなどの導電性流
体表面に接触するとき、電気信号が生じる。これらの方
法には、流体への侵入操作が含まれているため、試験サ
ンプル間に交差汚染の危険が発生する。最初のサンプル
の一部分がピペットチップまたは電極に付着し、そのピ
ペットチップまたは電極が第2のサンプルに接触すると
き、そのピペッティングサンプルは最初のサンプルで汚
染される。この交差汚染またはキャリーオーバー(繰り
越し汚染)はアッセイ試薬間およびアッセイ試薬とサン
プル間でも起こり得る。交差汚染またはキャリーオーバ
ーの危険は各ピペッティング毎にピペットチップまたは
電極を広範囲に洗浄することによって縮小することがで
きるが、このような洗浄ステップは自動器具による処理
時間を減少させる。
流体を正確にピペッティングするためには、流体表面
の検知が非常に重要である。流体表面を決定することに
より、流体中へのピペットチップの侵入を制御すること
ができる。流体中へのピペットチップの侵入の深さを制
御することによって、チップの外側に付着する流体の量
が一定となり、その結果、ピペッティングにより分配さ
れる全体積の一定性が増大する。非侵入流体サンプル表
面感知法および使い捨て高分子ピペットチップと連結し
た装置を用いることにより、制御性と一定性が増大す
る。したがって、非侵入にて流体表面を感知することか
ら2つの利点が提供される。第1に、サンプリング間の
ピペットチップの洗浄が不要となるため、器具処理時間
が増加する。第2に、非侵入表面探査法によりサンプル
のキャリーオーバーの可能性が除去される。
非侵入流体表面感知システムが米国特許第3474902号
および同第3494191号に記載されている。この非侵入流
体表面感知システムではステッパーモーター制御シリン
ジで空気を送風する工程を含む方法を用いて流体表面レ
ベルを検知している。このレベル感知法は生物学的サン
プルの自動ピペッティングに使用することができる。し
かし、試験サンプルに空気が送風されて泡立ちがたびた
び起こり、エアロゾルが発生することがある。気泡の発
生を最小限にするため、サンプル表面が検知されるまで
ピペッターをサンプルの方へ非常にゆっくりと移動さ
せ、次いでその移動範囲の端まで素早く引き戻す。次に
シリンジを分配して、すべての残存空気をシリンジから
完全に排出する。最後にピペッターを流体表面に戻し、
吸引を開始する。本発明の目的はピペットチップを通し
て空気を送風せずに流体サンプルのレベル感知を非侵入
にて行うことである。本発明の他の目的はピペットチッ
プの外側に付着するサンプルの分量を最小限にするため
に、ピペットチップを制御された最小の深さでサンプル
を侵入させて流体サンプルを吸引することである。さら
にもう一つの本発明の他の目的は流体サンプル中の固ま
り、気泡、泡状物などの不均質性を検知することであ
る。さらに本発明の他の目的等は当業者にとっては明ら
かであろう。
本発明は公知のレベル感知法および流体サンプル吸引
法よりも優れた利点を提供する。圧力変換器などのレベ
ル感知手段と試験サンプルの間に接触のない非侵入法を
用いることによって、サンプルと試薬間のキャリーオー
バーまたは交差汚染が除去される。本発明はまた正圧
(空気送風)レベル感知法よりも優れた利点を有する。
本発明によって、気泡とエアロゾルの可能性が除去され
る。また、レベル感知ステップと吸引ステップの間のシ
リンジポンプの方向逆転が不必要であるため、器具処理
時間が増加する。さらに、本発明では、吸引前にシリン
ジを空にするためにサンプルからピペッターを引き戻す
必要がなくなり、気泡やエアロゾルの発生なしに該方法
におけるステップを減らすために、器具処理時間が改善
される。
発明の概要 本発明は容器から流体をピペッティングする装置およ
び方法を提供するものであり、(a)(i)基準の圧力
読み取り値としてピペッター内部の周囲空気圧を測定
し、(ii)ピペッターを容器内の流体サンプルの方へ移
動させながらピペッター内へ空気を吸引し、(iii)ピ
ペッター内の空気圧の変化をモニターして容器内の流体
の表面レベルを指示することによって流体のレベルを決
定し、;(b)流体にピペッターを侵入させ、増分体積
を吸引しながら、制御されたステップで容器から流体を
ピペッター内に吸引し;(c)各増分吸引ステップ後の
圧力変化をモニターし;次いで(d)小滴をはぎ取るよ
うな方法でサンプルからピペッターチップを移動させる
ことを特徴とする。ピペッターチップは使い捨てかまた
は再利用できるものであってよい。
さらに本発明はサンプル表面上の泡状物または気泡の
存在および/または試験サンプル表面上あるいは試験サ
ンプル内の固まりの存在などの流体サンプルにおける不
均質性を検知する装置および方法を提供する。この方法
は(a)基準の圧力読み取り値としてピペッター内の周
囲空気圧を測定し、(b)ピペッターを容器内の流体サ
ンプルの方へ移動させながらピペッター内へ空気を吸引
し、(c)ピペッター内の空気圧の変化をモニターして
容器内の流体の表面レベルを指示することによって流体
のレベルを決定し、(d)流体にピペッターを侵入さ
せ、容器から流体をピペッター内に吸引し、(e)吸引
ステップ(d)の吸引後の圧力変化をモニターし、
(f)測定した圧力変化をあらかじめ決定された正常吸
引圧力枠と比較し、次いで(g)該圧力枠から外れてい
る圧力値を観測することを特徴とする。
図面の簡単な説明 図は本発明のレベル感知法を用いた正常ウシ血清の典
型的なサンプルのグラフであり、圧力(+1psi〜−1psi
を10桁2進数で表現したもの)を、断続的間隔で行った
圧力読み取りの連続番号に対してプロットしている。ピ
ペットチップがサンプルの表面に接触するときに圧力変
化が生じ、空気の吸引は直ちに停止される。
図2は本発明のレベル感知法および吸引法を用いた正
常ウシ血清のサンプルの吸引中の典型的な圧力変化のグ
ラフであり、圧力(+1psi〜−1psiを10桁2進数で表現
したもの)を、吸引データポイントに対してプロットし
ている。測定されたすべての圧力はサンプルの均質性を
示すあらかじめ決定された吸引圧力枠内にある。
図3は本発明のレベル感知法および吸引法を用いてサ
ンプル1000μlを吸引した、表面に泡状物を有する正常
ウシ血清の典型的なサンプルのグラフであり、圧力(+
1psi〜−1psiを10桁2進数で表現したもの)を、吸引デ
ータポイントに対してプロットしている。測定された圧
力値の少なくとも1つがサンプルの均質性を示すあらか
じめ決定された吸引圧力枠外にあり、すなわち、泡状物
の存在を意味する。
図4は本発明のレベル感知法および吸引法を用いてサ
ンプル1000μlを吸引した、表面に大きな気泡を有する
正常ウシ血清の典型的なサンプルのグラフであり、圧力
(+1psi〜−1psiを10桁2進数で表現したもの)を、吸
引データポイントに対してプロットしている。測定した
圧力値の少なくとも1つがサンプルの均質性を示すあら
かじめ決定された吸引圧力枠外にあり、すなわち、気泡
の存在を意味する。
図5は本発明のレベル感知法および吸引法を用いてサ
ンプル1000μlを吸引した、サンプル中に固まりを模し
た非乳性クリーム状物を含有する水のサンプルのグラフ
であり、圧力(+1psi〜−1psiを10桁2進数で表現した
もの)を、吸引データポイントに対してプロットしてい
る。測定した圧力値の少なくとも1つはサンプルの均質
性を示すあらかじめ決定された吸引圧力枠外にあり、す
なわち、固まりの存在を意味する。
図6は2つのサンプルにおいて同時にレベルを感知
し、吸引を行い、次にサンプル反応皿に2つのサンプル
を分配する装置を描いたものである。
好ましい具体例の説明 本発明の新規レベル感知および吸引装置ならびに方法
はレベル感知および吸引ステップ中のピペッター内の測
定可能な圧力変化に基いている。先行のレベル感知およ
び吸引装置ならびに方法と比較すると、本発明は驚くべ
きことに、より迅速かつ正確に流体サンプルのレベル感
知および吸引を行うことが判る。
図6に示すように、本発明のピペッター装置は、チュ
ーブ(16)とピペッター間を気密的に結合しうる内孔と
チューブ接続手段(14)を有するピペットチップ保持手
段(12)と気密的に接続しうる使い捨てのピペットチッ
プ(10)からなり、使い捨てピペットチップ(10)を通
ってピペットチップ保持手段(12)、次いでチューブ
(16)へ空気を吸い込むことができる。チューブ(16)
は圧力測定手段(18)およびピペッターを通る空気の吸
引手段(20)に接続され、該接続は気密的である。最終
的に、ピペットチップ保持手段(12)はピペッターをZ
軸にそって垂直に移動させるための手段(図示せず)に
付属している。
ピペットチップ保持手段(12)は公知である。たとえ
ば、ピペッターと使い捨てピペットチップ間の気密シー
ルを形成すると同時に使い捨てピペットチップを簡単に
除去しうるチッププローブを有する手動および自動ピペ
ッターは容易に入手できる。さらに、リミッタースイッ
チを組み込んでピペットプローブのピペットチップの有
無を検知することができる。当業者は再現試験なしでこ
のようなピペッターを製造することができる。ルアーロ
ック(luer−lock)、圧縮取付チューブアダプタなどの
チューブ接続手段(14)もまた当業者にとって公知であ
り、本発明に使用するにあたって、当業者なら再現試験
を行わずに容易に応用しうるものである。
ポリプロピレンなどの規格の使い捨てピペットチップ
(10)およびタイゴン(Tygon,登録商標)、ビニール、
ポリプロピレン、ポリエチレン、金属などの規格のチュ
ーブ(16)を本発明に使用することが可能であり、これ
らは容易に入手できる。使い捨てピペットチップ(10)
はピペッターが接近しやすい棚に保管することができ
る。
本発明方法において、圧力測定手段(18)は連続的ま
たは断続的のいずれかでピペッター内の空気圧を測定す
る。好ましい圧力測定手段は圧力変換器(電極)であ
る。圧力変換器はデイテムdcm300デジタルI/Oボード
(カナダ、オンタリオ州のデイテム・リミテッド社製)
を通じて主コンピューターシステムと接続している。圧
力変換器によって10桁2進数(0〜1023)出力が供給さ
れ、そのレンジのほぼ中央の値(512)で周囲空気圧が
測定される。フルスケール正圧(+1psi)は0に翻訳さ
れ、フルスケール真空(−1)は1023に翻訳される。
ピペッター中に空気を吸引する手段(20)は動作を正
確に制御できるものでなければならない。たとえば、レ
ベル感知中、ピペットチップが流体表面に到達後、吸引
手段(20)は直ちに停止可能でなければならない。好ま
しい吸引手段は(20)、シリンジのピストンの動作が制
御可能であり、シリンジにチューブ(16)を通して空気
の吸引および分配をおこさせることが可能な、ステッパ
ーモーターとホームリミットスイッチに機械的に接続さ
れたシリンジ(1500μlシリンジが好ましい)である。
ステッパーモーターとホームリミットスイッチはデイテ
ムdcm340ステッパーモーターコントロール(カナダ、オ
ンタリオ州のデイテム・リミテッド社製)を通じて主コ
ンピューターに接続される。
ピペッターをZ軸に沿って垂直に移動させる手段は、
サンプル容器(22)のXY面に対して少なくともZ軸に沿
った(垂直)ピペッターの移動が可能であり、X軸とY
軸に沿ったピペッターの移動も可能な電気機械的組立品
である。好ましくは、ピペッターをZ軸に沿って位置さ
せるためにステッパーモーターとホームリミットスイッ
チを用いる。再度、デイテムdcm340ステッパーモーター
コントロールを通してステッパーモーターとホームリミ
ットスイッチを主コンピューターに接続する。好ましく
は、マグノンXYテーブル(カリフォルニア州フォンタナ
のマグノン・エンジニアリング社製)などをピペッター
の位置定めに用いる。マグノンXYテーブルはピペッター
の位置定めに必要な機械的ハードウェアと電気的制御機
能の両方を備えている。ビットバスコミュニケーション
ポート(カリフォルニア州サンタクララのインテル社
製)を通して該XYテーブルコントローラーを主コンピュ
ーターに接続する。
多数のサンプルを同時にピペッティングするために、
マルチプルピペッター組立品を接続することができる。
たとえば、図6はデュアルピペッター組立品を図示した
ものである。各ピペッター部品は使い捨てピペットチッ
プ(10)、チューブ(16)を通して圧力測定手段(18)
に接続されたピペットチップ保持手段(12)および吸引
手段(20)から構成される。2つのピペッター部品は2
つのサンプルを同時または順次にレベル感知し、吸引し
うるような、両方のピペッターをZ軸に沿って垂直に移
動させる手段に接続される。これらのデュアルピペッタ
ー組立品によって2つのサンプルをデュアル反応ウェル
を有する反応皿(24)に分配することができる。
サンプルピペッティング法 本発明のサンプルピペッティング法はサンプルの流体
表面のレベル感知およびサンプル吸引ステップからなる
ものである。図6に示すピペッター装置を用いた本発明
の詳細な概要は下記の通りである。
レベル感知 1.シリンジをその完全分配位置にし、ピペッターをZ軸
におけるその行程の最上部に位置させ、圧力変換器でピ
ペッター内の周囲空気圧を測定する。その値が他のすべ
ての圧力読み取り値を比較するための基準となる。この
値を基準値として用いることによって、周囲空気圧の変
化による圧力測定における影響はいずれも排除される。
2.ピペットチップが試験サンプル管の最上部と同じ高さ
になるまで、ピペッターを試験サンプルの方へ降下させ
る。
3.次に、ピペッターをサンプル流体表面の方へ降下させ
る。サンプル流体表面へ向かって降下するピペッターの
降下動作と同時に、シリンジの中に空気を吸い込むこと
によってピペッター中に空気を吸引し、ピペッター内部
の圧力を圧力変換器で測定する。ピペッター内への空気
の吸引のプロセスにおいては本質的に、ピペッター内の
圧力は周囲圧力よりもある程度低いものとなるだろう。
4.ピペッター内の圧力が突然に下がるとき、ピペッター
のチップはサンプルの表面に接触している(図1参
照)。シリンジとピペッターの両方の動作を直ちに停止
させる。好ましくは、ピペッターのチップが0.125また
は1/8インチ以上サンプル表面の下にならないようにピ
ペッターを停止しなければならない。0.125インチ以内
で停止することによって、ピペットチップの外側に付着
するサンプル流体の分量をたやすく最小にすることがで
きる。
一回の継続的測定としてよりもむしろ一連の断続的な
測定として継続的な圧力測定を実際に記録する(図1参
照)。本明細書中に記載するような圧力測定システムで
は、本質的に、値を記録するためには測定された圧力値
を2進法出力で処理する必要があり、そのようなデータ
処理は最短の時間で行われることが知られている。かく
して、各データ処理サイクル後、すぐに圧力が記録され
る。
サンプルピペッティング 5.ピペッターを僅かな距離(およそ0.055インチ)だけ
さらにサンプル内で降下し、サンプル吸引中にピペッタ
ーにサンプルが途切れないようにする。
6.シリンジを適当な距離引き下げることによって、少な
くとも約100μlのサンプルがピペッター内に吸引され
る。シリンジの移動の停止後直ちにピペッター内の圧力
を測定する(図2、吸引データポイント1参照)。圧力
が平衡、すなわち安定状態の圧力(約0.2秒)になった
後、再び圧力を測定する(図2、吸引データポイント2
参照)。
7.次に、2つの圧力測定値を吸引圧力枠と比較する。も
し圧力値のいずれかもしくは両方が枠の外にあれば、サ
ンプルは不均質であり、ピペッティングは停止される
(図3〜5参照)。もし両方の値が枠内にあれば、ピペ
ッティングを継続して、ステップ8に移る。
前記ステップ1で得られた周囲圧力測定値に経験決定
圧力を加えることによって、周囲圧力測定値から吸引圧
力枠が計算される(後記表1参照)。経験決定値は、種
々の正常で均質なサンプルを種々の圧力変換器でここに
述べたサンプルピペッティング法を用いてピペッティン
グするなどの公知の標準実験法を用いて得られる。圧力
変換器の個々の性能特性には差異があることが知られて
おり、吸引圧力枠などの標準範囲を設定することによっ
て、異なった変換器間や異なった正常サンプル間の変化
をサンプルピペッティング法における因子のひとつから
排除することができる。正常で均質なサンプルの圧力測
定値がその中に含まれるはずの吸引圧力枠から外れた少
なくとも一つの圧力測定値を有するサンプルが不均質サ
ンプルである。
経験決定値は、正常サンプルのサンプルピペッティン
グ中に得られる最高ピペッター圧力測定値と最低ピペッ
ター圧力測定値から周囲圧力(正常サンプル圧力測定値
のときのもの)を差し引くことによって簡単に得られ
る。したがって、将来のサンプルピペッティングにおい
て周囲圧力にこれらの経験値を加える場合、周囲圧力の
あらゆる変化に自動的に適合する。
8.次に、ピペッターを僅かな距離(およそ0.055イン
チ)だけさらにサンプル内で降下させ、サンプル吸引中
にピペッターにサンプルが途切れないようにする。
9.シリンジを適当な距離引き下げることにより約150μ
lのサンプルがピペッター内に吸引される。圧力が平
衡、すなわち安定状態の圧力(約0.2秒)になった後、
ピペッター内の圧力を測定する(図2、吸引データポイ
ント3参照)。
10.次に、圧力測定値を吸引圧力枠と比較する。もし圧
力値の少なくとも1つが枠の外にあれば、サンプルは不
均質であり、ピペッティングは停止される。もし値が枠
内にあれば、ピペッティングを継続して、ステップ11に
移る。
11.所望合計量(約100μlから約1000μl)のサンプル
がピペッター内に吸引されるまで、要すればステップ8
〜10の吸引サイクル(図2、吸引データポイント4〜8
参照)を繰り返す。
12.ピペッターチップがこの時点でのサンプル表面にく
るようにピペッターを僅かに(約0.055インチ)上昇さ
せる。約50μlのサンプルをサンプルに配給して、試験
サンプルを反応容器に分配する前にシリンジ内にバック
ラッシュが起きないようにする。このバッククラッシュ
は部品のゆるみや歯車のかみあわせ不良のために機械シ
ステムに起きることがよく知られている。したがって、
シリンジを逆方向へ動かすために機械システムを逆方向
へ動かすとき、シリンジを動かし始める前に機械システ
ムにおけるバックラッシュまたはゆるみを取り上げねば
ならない。約50μlのサンプルをサンプル管に戻すこと
によって、バックラッシュを防ぎ、反応容器へのサンプ
ルの分配が、より正確になる。
13.次に、ピペッターを約0.5インチゆっくりと上昇させ
て、ピペッターチップの内側から少量のサンプルがはぎ
取られるのを防ぐ。次に、ピペッターが分配位置へ移動
することができる元の位置にピペッターを戻し、サンプ
ルの正確な分量を反応容器に分配する用意をする。
レベル感知法では、ピペッター内に空気を吸引すると
同時にピペッターを流体サンプルの表面の方へ降下させ
る。この方法で用いるシリンジは1500μlシリンジが好
ましい。1500μlシリンジを用いて1000μlを吸引する
とき、500μlのみがレベル感知に利用しうる。したが
って、サンプルの表面へ向かって降下するピペッターの
動きは500μlの空気吸引と協働しなければならない。
レベル感知法に好ましいシリンジ吸引速度は160μl/秒
であり、ピペッターの移動速度は、もしもサンプルの表
面が検知されないとき、シリンジが500μlの空気を吸
引を完了すると同時にピペッターがその行程の端に到達
する(すなわち、ピペッターの降下の限界)ように調節
する。しかし、ピペットチップの先がサンプルの表面の
僅か0.125(1/8)インチ下になるようにピペッターを停
止できるように、ピペッターの降下速度は最大速度より
も遅くするのが好ましい。ピペットチップがサンプル容
器の頂部と同じ高さになる位置からピペッターが降下す
る前にシリンジは吸引を開始する。ピペッターの動作の
遅れ(約0.2秒が好ましい)によって静止状態に到達す
るための空気圧縮時間が付与される。
サンプル表面のレベルが感知され、ピペットチップが
サンプル表面の僅か0.125インチ下に位置した後、吸引
法は開始される。シリンジとピペッターの両方が静止状
態となる。ピペッターを短距離降下(0.055インチが好
ましい)させて、サンプル吸引中にピペッターにサンプ
ルが途切れないようにする。もしもピペッターにサンプ
ルが途切れたら、サンプルのほかに空気が吸引され、誤
った分量のサンプルが吸引されることになる。次に少な
くとも100μlのサンプルを吸引する(最初の吸引)。
約100μlのサンプルが図6に示す装置を用いるこのプ
ロトコールによって正確に吸引しうる最小量であると思
われる。このサンプル量は気泡、泡状物などのサンプル
における不均質性、および装置における空気漏れなどの
他のシステム上の問題点を内包する種々のサンプルを比
較するための基本となる。最初のサンプル吸引において
シリンジが停止した後、直ちに圧力読み取りを行う(吸
引データポイント1)。もしもこの圧力読み取りが吸引
データポイント1における吸引圧力枠外にあるなら、サ
ンプルは不均質である。たとえば、固まりまたは厚い泡
状物などの高粘度のサンプルは、ピペッター内部に正常
均質サンプルよりもより高真空を生じさせる。システム
に気泡または漏れがあるサンプルはピペッター内部は正
常均質サンプルよりも低真空になり、周囲圧と同じにな
るかもしれない。第2の吸引圧力読み取り(吸引データ
ポイント2)は少し遅れて(好ましくは少なくとも約0.
2秒)ピペッター内部で行うが、この遅れとはピペッタ
ー内部の圧力が静止状態に到達するのに十分な時間であ
る。最初の圧力読み取りに関して、吸引データポイント
2に対応する吸引圧力枠外の圧力読み取りは不均質性ま
たはシステム上の問題点を示している。何らかの圧力読
み取りが対応する吸引圧力枠の外にあるときは必ず、吸
引工程は自動的に停止される。
ピペッター内へ吸引される予定の残りのサンプルは、
固定した体積(またはもし吸引される所望のサンプル合
計量を得るために必要な量がそれ全部ならば、それ以
下)(少なくとも100μlが好ましい)が、各吸引サイ
クルにおいて吸引されるようなサンプル吸引サイクルで
吸引される。約150μlの体積が各吸引サイクルで吸引
されるのがより好ましい。したがって、合計1000μlの
サンプルを完全に吸引するためには、7つの吸引サイク
ルが必要である。吸引サイクルは次のとおりである:
(1)ピペッターにサンプルが途切れるのを防ぐため、
ピペッターをサンプル内で短距離(約0.055インチが好
ましい)下降させ、(2)ピペッターに一定量のサンプ
ル(約150μlが好ましい)を吸引し、次に(3)少し
遅れて(少なくとも約0.2秒が好ましい)、ピペッター
内で圧力を読み取りを行う(吸引データポイント3〜
8)。再び、もし圧力読み取り値が対応する吸引圧力枠
外にあるならば、サンプルは不均質であり、吸引は停止
される。
吸引圧力枠は経験的に導かれた値である。多数の正常
な均質流体サンプルを多種多様の圧力測定手段を用いた
本発明方法を用いて吸引する。したがって、サンプルや
圧力測定手段の変化による圧力読み取り(吸引データポ
イント)における正常な変動から、正常な均質サンプル
を吸引するときに観測されるであろう圧力値の正常な範
囲が創設される。各吸引データポイントにおける該範囲
は正常な均質サンプルを吸引したときに得られる最低圧
力読み取り値から最高圧力読み取り値に広がっている。
大気圧の変動の影響を排除するために、各吸引データポ
イントにおいて得られる最低および最高圧力読み取り値
から周囲圧力(吸引時のもの)を差し引く。たとえば、
正常ウシ血清の10個のサンプルから得られる各吸引デー
タポイントの差異値を下記表1に示す。次に、レベル感
知ステップの開始時(前記ステップ1)に測定された周
囲圧力を加算することによってこれらの差異値から将来
の吸引における吸引圧力枠を計算することができる。こ
れらの範囲(すなわち、差異値)の正確さは吸引圧力枠
の創設に用いた正常サンプルの数に依存するだろう。好
ましくは少なくとも10個のサンプルを吸引圧力枠の創設
に用いるべきである。
もし、サンプルの吸引中に行われるいずれかの圧力読
み取り値(吸引データポイント)が対応する吸引圧力枠
の外にあるならば、サンプルは不均質であり、吸引は停
止される。たとえば、6番目の圧力読み取り値におい
て、もし周囲圧力が512ならば、表1の値に従った吸引
圧力枠の値は752(512+240)〜882(512+370)とな
る。752以下あるいは882以上のサンプルの圧力読み取り
値はサンプルが不均質であることを示している。
所望のサンプル合計量を吸引した後、ピペッターを短
距離(0.055インチが好ましい)上昇させ、ピペットチ
ップの端がサンプル表面の下0.125インチ以内になるよ
うにする。これによって、いくらかのサンプル(約50μ
lが好ましい)をサンプル中に戻させる。機械システム
は機械の結合部に歯車などの間のすべらせるためなどの
ゆるみを有するので、シリンジピストンを駆動させる機
構がその前の動作から逆方向にかわるとき、バックラッ
シュが観測される。たとえば、およそ50μlのサンプル
がサンプルに戻されるとき、シリンジピストンが動き始
める前に機械動作のいくつかは部品間の張力を再調整す
る。したがって、50μl以下のサンプルが正確にサンプ
ルに戻される。
吸引サンプルをサンプルに戻した後、少しの遅れ(少
なくとも0.5秒が好ましい)によって、ピペットチップ
の外側に付着したサンプル液の大部分が流出される。次
に、非常に遅い速度(2.88インチ/秒が好ましい)でピ
ペッターを短距離(0.05インチが好ましい)上昇させ
る。これによって、ピペットチップの端の内側から少量
のサンプルをはぎ取るかあるいは解放することなしに、
サンプルからピペットチップが除去される。次に、ピペ
ッターを普通の速度で元の位置に戻すことができる。元
の位置から吸引したサンプルを分配する新しい位置へピ
ペッターを移動させる。別法として、反応皿をサンプル
容器の代わりに移動させ、ピペッターを再度降下させて
もよい。
サンプルは吸引しうるように、少なくとも一部は液体
でなければならない。したがって、血液、血清、血漿、
尿、脊髄液、腹水、細胞培養培地、組織およびスワッブ
抽出物、DNAサイクライザーにおけるサンプル処理から
得られる流体などの生物学的流体などがサンプルとなる
ことができる。生物学的サンプルには細胞などの粒子も
含まれる。アッセイ操作に用いられる微粒子または他の
小粒子も該粒子に含まれる。水サンプルまたは化学薬品
あるいは少なくとも懸濁液に分散しうる固体などの非生
物学的流体もサンプルとなることができる。
次に記載する実施例は本発明の具体例であるが、請求
の範囲で定義される本発明の範囲はこれらに限定される
ものではない。本発明の概念が適用されうる多くの他の
器具および使用方法を当業者が想像しうることが理解さ
れよう。
実施例1 真空によるサンプル検出 前述の本発明方法にしたがって、サンプルの表面が検
知される(レベル感知)。ピペッターがサンプルの表面
の方へ移動するとき、ピペッター内に(シリンジで)空
気を吸引することにより、図6に示すピペッター内部に
真空が生じる。この工程の間中、圧力変換器で圧力がモ
ニターされ、データは“p_列”と名付けられた変数に蓄
えられる。ピペッター制御ソフトウエアは、ソフト−ス
コープ286デバッガープログラム(アイダホ州モスコー
のコンカレント・サイエンシーズ社製)の制御下で実行
される。このソフトウエアパッケージはプログラムの実
行をモニターし、処理中の変数の値を審査する能力を持
つ。レベル感知完了後、“p_列”に蓄えられた値を審査
することによって最初の30個の圧力読み取りが決定され
る。コンピューターによるデータ処理のため、各圧力読
み取り間に僅かな遅れが存在する。この遅れの長さはソ
フトウエアとコンピューターハードウエアに依存する。
より長い遅れが必要ならばソフトウエアに組み込むこと
ができる。読み取り番号と得られる圧力を表2に作表し
た。
表2の値は10桁2進数であり、フルスケール真空(−
1psi)の値は1023で表され、フルスケール正圧(+1ps
i)の値は0で表される。読み取り番号14における圧力
の変化は表面に到達したこと、すなわち、ピペッターの
チップがサンプルの表面に接触したことを示している。
直ちに、ピペッターの動きが停止され、吸引が停止され
る。次にピペッター内部の圧力を周囲圧力と平衡にもど
す。これらのデータは真空吸引しながら(すなわち、空
気吸引)サンプルの表面を検知するというシステムの能
力を実証する。圧力値はレベル感知中に蓄えられる。サ
ンプルと接触するとき、真空スパイクが起こる。データ
をグラフ化し、圧力(10桁2進数で表した+1psi〜−1p
si)を圧力読み取りに対してプロットしたものを図1に
示す。
実施例2 正常コウシ血清の吸引圧力試験 吸引圧力枠を正常コウシ血清を用いて実証する。10個
の正常コウシ血清サンプルを個別的に吸引し、ピペッタ
ー吸引圧力データを蓄える。10個のサンプルすべてが泡
状物、気泡、細粒または他の不均質物を含まないことを
視覚的に確認する。10個のサンプルすべてがサンプルの
表面から0.125(1/8)インチ以内でレベル感知され、し
たがって、サンプル表面から0.125インチという許容枠
内にある。10個のサンプルすべてからの吸引データをま
とめたものが表3である。代表的なサンプルをグラフ化
し、圧力(10桁2進数で表した+1psi〜−1psi)を吸引
データポイントに対してプロットしたものが図2であ
る。ひとつのコウシ血清サンプルをプロットし、■を結
んだ実線で示す。また、下限枠は×を結んだ実線で、上
限枠は*を結んだ実線で示す。
実施例3 吸引中の泡状物の検出 サンプル表面上の泡状物の影響を下記のとおり試験す
る。3個の正常コウシ血清サンプルをそれぞれ別の容器
にピペットで入れる。3個のサンプルすべてが泡状物、
気泡、細粒または他の不均質物を含まないことを視覚的
に確認する。それぞれの試験サンプルを激しく振り混
ぜ、泡状物を作成する。前述の本発明方法に従って流体
レベルを感知する。サンプルの表面に泡状物を含有する
3個のサンプルすべてが泡状物の表面で検知される。し
かし、これらのサンプルは吸引圧力データに基づき、あ
とで却下される。3個のサンプルすべての吸引データを
まとめたものが表4である。泡状物を含有するコウシ血
清サンプルのうちのひとつからのデータをグラフ化し
(■を結んだ実線で示す)、圧力(10桁2進数で表した
+1psi〜−1psi)を吸引データポイントに対してプロッ
トしたものが図3である。また、下限枠は×を結んだ実
線で、上限枠は*を結んだ実線で示す。
実施例4 吸引中の気泡の検出 サンプル表面上の大きな気泡の影響を下記のとおり試
験する。3個の正常コウシ血清サンプルをそれぞれ別の
容器にピペットで入れる。3個のサンプルすべてが泡状
物、気泡、細粒または他の不均質物を含まないことを視
覚的に確認する。パスツールピペットとスポイド球を用
いてサンプルの表面に空気を送り込み、それぞれの試験
サンプルに大きな気泡を作成する。前述の本発明方法に
従って流体レベルを感知する。3個のサンプルすべての
吸引データをまとめたものが表5である。気泡を有する
はじめの2個のサンプルは正確にレベル感知される。す
なわち、これら2個のサンプルのそれぞれに存在する気
泡はレベル感知において何の影響も与えなかったことに
なる。ピペッターがサンプルの表面の方へ移動するとき
に、ピペットチップが気泡を壊すものと思われる。
3番目のサンプルの気泡はサンプル表面のレベル感知
を妨げている。ピペッターに気泡が接触するとき、気泡
およびサンプル表面でないものが検知される。このサン
プルは吸引圧力データに基づき却下される。3番目のサ
ンプルのデータをグラフ化し(■を結んだ実線で示
す)、圧力(10桁2進数で表した+1psi〜−1psi)を吸
引データポイントに対してプロットしたものが図4であ
る。また、下限枠は×を結んだ実線で、上限枠は*を結
んだ実線で示す。
実施例5 吸引中の固まりの検出 試験サンプル中の固まりを検出する本発明方法の能力
を実証するために試験を行う。非乳製クリーム状物を水
と部分的に混合して小さな固まりを作り、模擬固まりを
形成する。前述の本発明方法を用いて、この混合物の吸
引を3回行う。吸引圧力データをまとめたものが表6で
ある。
3つのサンプルすべてが吸引データに基づいて却下さ
れる。最初と3番目のサンプルもまた所期吸引に続く静
止状態の圧力において限度外である。典型的なサンプル
のデータをグラフ化し(■を結んだ実線で示す)、圧力
(10桁2進数で表した+1psi〜−1psi)を吸引データポ
イントに対してプロットしたものが図5である。また、
下限枠は×を結んだ実線で、上限枠は*を結んだ実線で
示す。
上記具体例および提案された別法は限定ではなく、む
しろ実例として意図される。したがって、本発明はこれ
らに限定されず、クレームに記載の発明の範囲を逸脱し
ない限り、いかなる改変も本発明に含まれるものであ
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−243962(JP,A) 特開 平2−17448(JP,A) 特開 平2−243960(JP,A) 特開 昭61−292557(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 35/00 - 35/10 G01N 1/00 101

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)基準の圧力読み取り値としてピペッ
    ター内の周囲空気圧を測定し、(b)ピペッターを容器
    内の流体サンプルの方へ移動させながらピペッター内へ
    空気を吸引し、(c)ピペッター内の空気圧の変化をモ
    ニターして容器内の流体の表面レベルを指示することに
    よって流体のレベルを決定し、(d)流体にピペッター
    を侵入させ、容器から流体をピペッター内に吸引し、
    (e)吸引ステップ(d)の吸引後の圧力変化をモニタ
    ーし、(f)測定した圧力変化をあらかじめ決定された
    正常吸引圧力枠と比較し、次いで(g)該圧力枠から外
    れている圧力値を観測することを特徴とする流体サンプ
    ルにおける不均質性を検知する方法。
  2. 【請求項2】サンプルの不均質性が気泡である請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】サンプルの不均質性が泡状層である請求項
    1記載の方法。
  4. 【請求項4】サンプルの不均質性が固まりである請求項
    1記載の方法。
  5. 【請求項5】(a)基準の圧力読み取り値としてピペッ
    ター内の周囲空気圧を測定し、(b)流体にピペッター
    を侵入させ、容器から流体をピペッター内に吸引し、
    (c)吸引ステップ(d)の吸引後の圧力変化をモニタ
    ーし、(d)測定した圧力変化をあらかじめ決定された
    正常吸引圧力枠と比較し、次いで(e)該圧力枠から外
    れている圧力値を観測することを特徴とする流体サンプ
    ルにおける不均質性を検知する方法。
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