JP3106372B2 - セラミックス回路基板 - Google Patents

セラミックス回路基板

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JP3106372B2 JP03183824A JP18382491A JP3106372B2 JP 3106372 B2 JP3106372 B2 JP 3106372B2 JP 03183824 A JP03183824 A JP 03183824A JP 18382491 A JP18382491 A JP 18382491A JP 3106372 B2 JP3106372 B2 JP 3106372B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばマイクロ波誘電
体共振器,マイクロ波集積回路,パッケージ,あるいは
マイクロ波導波線等に使用されるセラミックス回路基板
に関し、特に低温焼成セラミックス基板を採用した場合
の、抗折強度を向上できるとともに、誘電損失を低減し
て用途を拡大できるようにした構造に関する。
【0002】
【従来の技術】多層回路基板用セラミックスには、例え
ば、アルミナ,結晶化ガラス−無機物系等が用いられて
いる。このうちアルミナによるセラミックス多層基板を
得る場合、従来、以下のようにして製造されている。即
ち、アルミナ92〜97重量部に残部CaO−MgO−Si
2 系等のガラスを添加してなる混合粉末に、有機バイ
ンダ,溶剤等を加えてスラリーを形成し、該スラリーか
らドクターブレード法によってグリーンシートを形成す
る。次いで、このグリーンシートにタングステン,モリ
ブデン,あるいはモリブデン−マンガン等のペーストを
印刷して所望の導体回路をパターン形成し、これを複数
枚積み重ねて熱圧着し、これを加湿水素−窒素混合ガ
ス,又はアンモニア分解ガスの雰囲気中にて1600〜1700
℃に加熱焼成する。このように製造されたアルミナ多層
基板では、アルミナを主成分としていることから高温焼
成が必要であり、また導体回路を構成する材料において
も、高融点のタングステン,モリブデン等が使用されて
いる。このため製造コストが上昇するとともに、アルミ
ナの誘電率が10程度あるために信号伝播遅延や雑音が発
生し易いという問題がある。またタングステン,モリブ
デン等は導体抵抗が高いことから、この抵抗を下げるに
は導体幅を広くしなければならず、その結果高密度化,
高速度化に対応できないという問題もある。このような
高温焼成によるセラミックス多層基板に代わるものとし
て、従来、アルミナに低融点ガラスを添加してなる低温
焼成セラミックス回路基板が提案されている。この回路
基板によれば、焼成温度を1000℃以下にできることか
ら、製造コストを低減できるとともに、導体回路用材料
としてAg,Au,Cu等の低抵抗金属が使用できる。
その結果、上述のタングステンやモリブデンを使用した
高温焼成セラミックス多層基板に比べて誘電率を小さく
できるとともに配線抵抗を小さくでき、それだけ信号伝
播を向上でき、高密度化,高速度化に対応できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の低温焼成によるセラミックス回路基板では、抗折強
度が2000Kg/mm2程度となることから、高温焼成セラミッ
クス基板の3000〜4000Kg/mm2に比べて低いという問題が
ある。また、上記低温焼成セラミックス基板では、低融
点ガラスの添加量が30wt%以上となることから、例えば
チップ型LCフィルタを構成した場合、誘電損失が大き
くなり、用途が限られるという問題がある。
【0004】本発明は上記従来の状況に鑑みてなされた
もので、焼成温度を低くしながら、、抗折強度を向上で
きるとともに、誘電損失を小さくできるセラミックス回
路基板を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、アルミ
ナに低融点ガラスを添加してなるセラミックス回路基板
において、主成分として粗い粒子(c粒子)と細かい粒
子(f粒子)との2種類のアルミナを用い、この各アル
ミナ粒子の平均粒径比を6以上、重量比をc:f=1:
9〜6:4の割合で混合し、これに副成分として低融点
ガラスを2.5〜10重量部添加したことを特徴として
いる。
【0006】ここで、本発明の数値を限定した理由につ
いて説明する。上記アルミナ粒子の平均粒径比を6以上
としたのは、これにより小さくすると焼成温度を導体材
料の融点より高くする必要があり、回路パターンが形成
できなくなるからである。この場合、ガラスの添加量を
増やして焼成温度を下げることが考えられるが、このよ
うにすると抗折強度が低下し、しかもQ値が大きく低下
することから好ましくない。また、c粒子とf粒子の重
量比を限定したのは、c:f=6:4よりc粒子を多く
すると上述と同様に焼成温度を導体材料の融点より高く
しなければならないからである。さらに、ガラスの添加
量を2.5 〜10重量部としたのは、この添加量を2.5 wt%
より少なくすると、この場合も焼成温度を導体材料の融
点より高くしなければならず、また上記添加量が10wt%
を越えると、抗折強度が低下し、Q値が大きく低下する
からである。
【0007】
【作用】本発明に係るセラミックス回路基板によれば、
粒径の異なる2種類のアルミナを所定の比率で混合し、
これに添加するガラスの含有量を低く抑えたので、低温
焼成を可能にして製造コストを低減しながら、抗折強度
を向上でき、さらには誘電損失を低減して用途を拡大で
きる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。本実施例
は、本発明のセラミックス回路基板におけるアルミナc
粒子,f粒子の比率,及び低融点ガラスの添加量を見出
した実験について説明する。本実験では、スプリット型
表面波フィルタに適用した場合を例にとって説明する。
まず、本実験に採用した表面波フィルタの製造方法につ
いて説明する。材料として、純度99.5%以上の粗い粒径
のアルミナc 粒子と細かい粒径のアルミナf 粒子とを準
備する。上記アルミナc粒子は平均粒径が3μm のもの
を採用し、上記アルミナf粒子は平均粒径が0.3 μm,と
0.6 μm とを採用した。また、低融点ガラスとしてホウ
ケイ酸ガラスを準備する。
【0009】
【表1】
【0010】これらのc粒子,f粒子を、表1に示すよ
うに、0:10〜7:3の割合で秤量し、これにホウケ
イ酸ガラスを2.0 〜25.0wt%添加し、これにトルエン等
の有機溶媒を加え、さらに分散剤として0.5 wt%のジオ
クチルフタレート(DOP) を加えて十分に混練,分散させ
てスラリー状にする。この分散させた後、バインダとし
て10wt%のポリビニルブチラール(PVB) を加えて、さら
にボールミルで混合してスラリーを形成する。このよう
にして得られたスラリーをドクターブレード法によって
表面の平滑なPETフィルムの上面にシート状に供給し
た後、乾燥させてグリーンシートを形成する。
【0011】次に、上記グリーンシートを焼成後の寸法
が50mm角となるように矩形状に切断して多数のセラミッ
クスシートを形成する。次いで、この各セラミックスシ
ートを焼成後の厚さが0.3mm となるように積層した後、
非酸化性雰囲気中にて980 〜1110℃に加熱焼成してセラ
ミックス基板を得る。
【0012】次に、上記セラミックス基板の表面にCu
ペーストを印刷してスプリットラインを形成し、この後
再び非酸化性雰囲気中にて高温焼成する。これによりス
プリット型表面波フィルタが製造される。
【0013】そして本実験では、上述の方法により製造
された多数の表面波フィルタのε,Q値,及び抗折強度
を測定した。なお、抗折強度は4点曲げ試験により測定
した。表1はその測定結果を示し、試料No.4及びN
o.5は本発明の範囲内であり、それ以外の試料No.
1〜3,及びNo.6〜8(*印参照)は本発明の範囲
外である。また、試料No.1,2は平均粒径0.6μ
mのアルミナf粒子を使用し、これ以外の試料No.3
〜8は0.3μmのアルミナf粒子を使用した。同表か
らも明らかなように、試料No.1のように粒径比を6
以下とした場合は、焼成温度が1110℃と銅の融点
(1083℃)より高くなり好ましくない。一方、試料
No.2のように粒径比6以下とし、ガラスの添加量を
20.0wt%に増やした場合は、焼成温度は990℃
と低くできるものの、抗折強度が2000Kg/mm2
と低下し、さらにQ値が900と大幅に低下している。
また、試料No.3のようにc粒子とf粒子との重量比
が7:3とc粒子が多い場合、さらに試料No.7のよ
うにガラスの添加量が2.0wt%と少ない場合は、ど
ちらも焼成温度が1090,1100℃と銅の融点より
高くなっている。さらにまた、試料No.8のようにガ
ラスの添加量が25.0wt%と多い場合は、焼成温度
は970℃と低いものの、抗折強度が1900Kg/m
2 ,Q値が700と大幅に低下している。これに対し
て試料No.4及びNo.5のように、粒径比が6以上
で、c粒子とf粒子との重量比が1:9〜6:4で、か
つガラスの添加量が5wt%と本発明の範囲内の場合
は、焼成温度が985〜1000℃と低く、またQ値が
4700〜5000と高く、しかも抗折強度が2700
〜2900Kg/mm2 といずれにおいても満足できる
結果が得られている。
【0014】このように本実験からも明らかなように、
粒径の異なる2種類のアルミナをc:f=1:9〜6:
4の割合で混合し、これに低融点ガラスを2.5〜10
wt%添加したので、ガラスの添加量を低減できる分だ
け抗折強度を向上できる。また、焼成温度を下げること
ができることから、製造コストを低減できるとともに、
Cu等の低抵抗金属を使用することができ、それだけ信
号伝播を向上でき、ひいては高密度化、高速度化に対応
できる。なお、上記実施例では、表面波フィルタに適用
した場合を説明したが、本発明のセラミックス回路基板
の用途は勿論これに限られるものではなく、例えば誘電
体共振器、集積回路等の基板として使用できる。
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明に係るセラミックス
回路基板によれば、アルミナc粒子とf粒子との重量比
をc:f=1:9〜6:4の割合とし、これに低融点ガ
ラスを2.5〜10wt%添加したので、抗折強度を向
上できるとともに、誘電損失を小さくでき、ひいては用
途を拡大できる効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−41792(JP,A) 特開 昭62−143866(JP,A) 特開 昭61−205658(JP,A) 特開 平2−235392(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 1/03 610

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナに低融点ガラスを添加してなる
    セラミックス回路基板であって、該回路基板が、粗い粒
    子(c粒子)と細かい粒子(f粒子)との2種類のアル
    ミナを用い、この各アルミナ粒子の平均粒径比が6以上
    で、かつ重量比がc:f=1:9〜6:4であり、これ
    に低融点ガラスを2.5〜10重量部添加してなること
    を特徴とするセラミックス回路基板。
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