JP3138075B2 - 鉄筋コンクリート柱状体とその製造法 - Google Patents

鉄筋コンクリート柱状体とその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリートポールや
コンクリートパイルのようなプレストレスト鉄筋コンク
リート柱状体とその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】普通のコンクリートポールやコンクリー
トパイルは、遠心成形したプレストレスト鉄筋コンクリ
ート円筒体である。コンクリートは、セメント、水と骨
材を配合した普通コンクリートである。鉄筋は、軸芯方
向に沿って配置した多数本の主筋と、多数本の主筋の外
側位置に配置した螺旋筋からなる。主筋は、太い鋼線で
ある。主筋が緊張してコンクリートにプレストレスを加
えている。螺旋筋は、粗いピッチで螺旋状に湾曲した細
い鉄線である。
【0003】高曲げ靭性コンクリートパイルは、普通の
コンクリートパイルにおいて、特開昭62−21571
7号公報に開示されているように、主筋の強度を高める
と共に、螺旋筋の強度を高めて螺旋筋のピッチを細かく
し、主筋と螺旋筋でそれらの内側の普通コンクリートを
三軸拘束している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のコン
クリートポールやコンクリートパイルは、曲げ強度がま
だ十分に高くない。
【0005】地上に設立するコンクリートポールは、細
い方が見た目が良くなるが、細くすると、所定の曲げ強
度が得られなくなる。
【0006】地中に埋め込んで地上の建造物を支えるコ
ンクリートパイルは、細い方が埋め込み易いが、細くす
ると、所定の曲げ強度が得られなくなる。
【0007】
【課題を解決するための着眼】本発明者は、従来品にお
いて曲げ強度が高くない原因を究明した。その原因は、
普通のコンクリートポールやコンクリートパイルにおい
ては、コンクリートが、主筋と螺旋筋で三軸拘束されて
いない上、普通コンクリートであるためである。高曲げ
靭性コンクリートパイルにおいては、コンクリートが、
主筋と螺旋筋で三軸拘束されているが、普通コンクリー
トであるためである。
【0008】そこで、コンクリートには、高粉末度のポ
ゾラン材料とセメント分散剤を添加した高強度コンクリ
ートを用い、高強度コンクリートを主筋と螺旋筋で三軸
拘束することを考え付いた
【0009】次に、これを製造する方法について考察し
た。
【0010】高強度コンクリートを主筋と螺旋筋で三軸
拘束するには、主筋と螺旋筋で編成した鉄筋かごは、鉄
筋量が多くなって目が細かくなる。鉄筋かごの目が細か
くなると、鉄筋かごを挿入した型枠にコンクリートを注
入した際、鉄筋かごが篩のように作用して、型枠内のコ
ンクリートは、材料が分離し易い。コンクリートは、材
料が分離すると、強度が低くなる。
【0011】そこで、コンクリートには、高流動性コン
クリートを用いることを考え付いた。
【0012】高流動性コンクリートは、粘性が高いの
で、材料同士が粘着する力が強く、材料が分離し難い。
【0013】また、高流動性コンクリートは、流動性が
高いので、型枠の隅々まで充填し易い。従って、締め固
めは、遠心締め固めのような強力なものを必要とせず、
振動締め固めのような弱いものでもよく、なくてもよ
い。遠心力成形でなくても、流し込み成形でもよい。
【0014】ところが、高流動性コンクリートは、材料
同士が粘着する力のみならず、注入時に巻き込んだ気泡
を粘着する力も強い。従って、型枠に注入したコンクリ
ートの外周面位置の気泡を、弱い締め固め方法を用い
去することは困難である。
【0015】型枠内のコンクリートの外周面位置に気泡
が残ると、コンクリート柱状体は、表面に気泡跡の凹部
が形成される。商品価値が低下する。
【0016】そこで、高流動性コンクリートを注入し
枠は、遠心締め固め時に比較して、低い遠心加速度で
短い時間回転し、型枠内のコンクリート外周面位置の気
泡を中心側に移動させる、ことを考え付いた。
【0017】型枠内のコンクリート外周面位置の気泡が
中心側に移動すると、コンクリート柱状体の表面には、
気泡跡の凹部が形成されない。
【0018】
【課題を解決するための手段】1)多数本の並列した主
筋の外側位置に螺旋筋を配置した筒状の鉄筋かごを編成
し、鉄筋かごを筒状の型枠に挿入して緊張し、型枠にセ
メント、水、骨材、高粉末度のポゾラン材料と水溶性ビ
ニル共重合体のセメント分散剤を配合した高流動性の高
強度コンクリートを注入し、型枠を回転して型枠内の高
流動性高強度コンクリート外周面位置の気泡を中心側に
移動させ、型枠内の高流動性高強度コンクリートを成形
して養生し、脱型して製造した鉄筋コンクリート柱状体
であって、 外周部に配置した主筋と螺旋筋がそれらの内
側の高強度コンクリートを三軸拘束していると共に、高
強度コンクリートにプレストレスを加えていることを特
徴とするプレストレスト鉄筋コンクリート柱状体。
【0019】2)多数本の並列した主筋の外側位置に螺
旋筋を配置した筒状の鉄筋かごを編成し、鉄筋かごを筒
状の型枠に挿入して緊張し、型枠にセメント、水、骨
材、高粉末度のポゾラン材料と水溶性ビニル共重合体の
セメント分散剤を配合した高流動性の高強度コンクリー
トを注入し、型枠を回転して型枠内の高流動性高強度コ
ンクリート外周面位置の気泡を中心側に移動させ、型枠
内の高流動性高強度コンクリートを成形して養生し、脱
型して、主筋と螺旋筋がそれらの内側の高強度コンクリ
ートを三軸拘束すると共に、高強度コンクリートにプレ
ストレスを加えたプレストレスト鉄筋コンクリート柱状
体を製造することを特徴とするプレストレスト鉄筋コン
クリート柱状体の製造法。
【0020】
【発明の効果】発明のプレストレスト鉄筋コンクリー
ト柱状体においては、コンクリートは高強度コンクリ
ートであって強度が十分に高い。その上、その高強度コ
ンクリートは、鉄筋で三軸拘束されていると共にプレス
トレスが加えられている。従って、従来品に比較して、
曲げ強度が高い。
【0021】発明のプレストレスト鉄筋コンクリート
柱状体の製造法においては、高流動性の高強度コンクリ
ートを用いるので、高強度コンクリートを三軸拘束する
ために鉄筋量が多くなって鉄筋かごの目が細かくなって
も、高強度コンクリートは材料が分離しない。また、
遠心締め固めのような強力な締め固めを必要としない。
曲げ強度の高いプレストレスト鉄筋コンクリート柱状体
を能率よく製造することができる。
【0022】また、本発明のプレストレスト鉄筋コンク
リート柱状体の製造法においては、型枠内の高流動性高
強度コンクリート外周面位置の気泡が中心側に移動し
て、高強度コンクリート柱状体の表面に気泡跡の凹部が
形成されるのが防止される。気泡跡の凹部が表面にない
プレストレスト鉄筋コンクリート柱状体を能率よく製造
することができる。
【0023】また、本発明のプレストレスト鉄筋コンク
リート柱状体においては、表面に気泡跡の凹部が形成さ
れない。
【0024】
【実施例】本例の鉄筋コンクリート柱状体は、送電線、
配電線や通信線等のコンクリートポールである。
【0025】このポールは、プレテンション方式のプレ
ストレスト鉄筋コンクリートであって、均等太さの中実
の円柱である。長さと直径は、12mと17cmであ
る。
【0026】コンクリートは、セメント680〜720
kg/m3、水160〜190kg/m3、細骨材750〜910
kg/m3、最大寸法10mmの粗骨材520〜630kg/
m3、高粉末度のポゾラン材料60〜80kg/m3とセメン
ト分散剤7〜12kg/m3を配合した高強度コンクリート
である。
【0027】高粉末度のポゾラン材料は、シリカヒユー
ムや高粉末度高炉スラグであり、比表面積が6,000
〜200,000cm2/g、好ましくは8,000〜10
0,000cm2/gである。
【0028】セメント分散剤は、α,β−エチレン性不
飽和モノカルボン酸又はその塩を50モル%以上含有す
る単量体を重合又は共重合して得られる水溶性ビニル共
重合体からなる。
【0029】生コンクリートは、スランプが27cm位で
あって、スランプフローが62〜68cmであり、高流動
性である。その上、高流動性がなくなるまでの時間が長
く、成形用の作業時間を十分に確保することができる。
また、コンクリートは、圧縮強度が900〜1500kg
f/cm2であり、高強度である。
【0030】鉄筋は、図1と図2に示すように、コンク
リート円柱1の外周部に軸芯方向に沿って配置した多数
本の主筋2,3と、多数本の主筋2の外側位置に配置し
た螺旋筋4からなる。
【0031】主筋は、本数が多く、図1に示すように、
直径126mmの円筒面上に均等に並列した18本の直径
9mmの緊張用鋼線2と、直径94mmの円筒面上に均
等に並列した9本の直径9.2mmの非緊張用鋼線3か
らなる。螺旋筋4は、図2に示すように、緊張用鋼線2
の外側位置を50mmの細かいピッチで螺旋状に湾曲し
た直径 6.4mmの太い鋼線である。
【0032】各緊張用鋼線2がそれぞれ5.0〜6.3
tonfの力で緊張されて高強度コンクリート1にプレスト
レスが加えられている。また、主筋2,3と螺旋筋4に
よってそれらの内側の高強度コンクリート1が三軸拘束
されている。この三軸拘束の高強度コンクリート1は、
終局ひずみが0.5〜1.0%であり、ねばり強い。
【0033】本例のポールは、設計荷重が350kgfで
ある。従来品に比較して、細くて曲げ強度が高い。ま
た、表面には、気泡跡の凹部が形成されていない。
【0034】本例のポールを製造する場合は、図2に示
すように、緊張用鋼線2と非緊張用鋼線3の主筋と螺旋
筋4を配置した円筒状の鉄筋かごを編成し、鉄筋かごを
円筒状の型枠に挿入して、鉄筋かごの緊張用鋼線2を緊
張して型枠に保持し、垂直に又は傾斜して配置した型枠
に高流動性の高強度コンクリート1を注入し、型枠を振
動させて、コンクリート1を中実の円柱形状に成形す
る。
【0035】コンクリート1を注入した型枠は、遠心成
形機に仕掛けて、低い遠心加速度で短い時間回転し、例
えば2gの遠心加速度で30秒間回転してその後16g
の遠心加速度で90秒間回転し、型枠内のコンクリート
円柱1外周面位置の気泡を中心側に移動させ、コンクリ
ート円柱1の表面に気泡跡の凹部が形成されるのを防止
する。従来品のように遠心締め固めを行なうわけではな
い。遠心締め固めには、30g位の遠心加速度を必要と
する。
【0036】その後、型枠内のコンクリート円柱1は、
蒸気養生し、緊張用鋼線2を型枠から解放して、脱型す
る。コンクリート円柱1には、緊張用鋼線2によってプ
レストレスが加えられる。次に、コンクリート円柱1
は、オートクレー養生する。
【0037】このようにして製造するポールは、圧縮強
度が脱型時に900〜1000kgf/cm2であり、オート
クレー養生後に1000〜1500kgf/cm2である。
【0038】なお、脱型時の圧縮強度で十分な場合は、
オートクレー養生は不要である。
【0039】実施例においては、型枠を振動させて、コ
ンクリート1を中実の柱状に成形したが、型枠を遠心成
形機に仕掛けて長時間回転し、コンクリート1を中空の
柱状に成形してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における鉄筋コンクリート柱状
体の横断面図。
【図2】同鉄筋コンクリート柱状体の鉄筋かごの部分正
面図。
【符号の説明】
1 コンクリート円柱 2 緊張用鋼線,主筋 3 非緊張用鋼線,主筋 4 螺旋筋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲熊 唯史 名古屋市昭和区滝子町8−20 (56)参考文献 特開 昭62−215717(JP,A) 特開 平4−164849(JP,A) 特開 平3−9808(JP,A) 特開 昭61−209943(JP,A) 実開 昭58−54441(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04C 3/34 E02D 5/58 B28B 23/06 C04B 14/02 C04B 14/04 C04B 24/24 C04B 24/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数本の並列した主筋の外側位置に螺旋
    筋を配置した筒状の鉄筋かごを編成し、鉄筋かごを筒状
    の型枠に挿入して緊張し、型枠にセメント、水、骨材、
    高粉末度のポゾラン材料と水溶性ビニル共重合体のセメ
    ント分散剤を配合した高流動性の高強度コンクリートを
    注入し、型枠を回転して型枠内の高流動性高強度コンク
    リート外周面位置の気泡を中心側に移動させ、型枠内の
    高流動性高強度コンクリートを成形して養生し、脱型し
    て製造した鉄筋コンクリート柱状体であって、 外周部に配置した主筋と螺旋筋がそれらの内側の高強度
    コンクリートを三軸拘束していると共に、高強度コンク
    リートにプレストレスを加えている ことを特徴とするプ
    レストレスト鉄筋コンクリート柱状体。
  2. 【請求項2】 多数本の並列した主筋の外側位置に螺旋
    筋を配置した筒状の鉄筋かごを編成し、鉄筋かごを筒状
    の型枠に挿入して緊張し、型枠にセメント、水、骨材、
    高粉末度のポゾラン材料と水溶性ビニル共重合体のセメ
    ント分散剤を配合した高流動性の高強度コンクリートを
    注入し、型枠を回転して型枠内の高流動性高強度コンク
    リート外周面位置の気泡を中心側に移動させ、型枠内の
    高流動性高強度コンクリートを成形して養生し、脱型し
    て、主筋と螺旋筋がそれらの内側の高強度コンクリートを三
    軸拘束する と共に、高強度コンクリートにプレストレス
    を加えたプレストレスト鉄筋コンクリート柱状体を製造
    することを特徴とするプレストレスト鉄筋コンクリート
    柱状体の製造法。
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