JP3143027B2 - 光受容部材の製造方法 - Google Patents

光受容部材の製造方法

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JP3143027B2 JP06270206A JP27020694A JP3143027B2 JP 3143027 B2 JP3143027 B2 JP 3143027B2 JP 06270206 A JP06270206 A JP 06270206A JP 27020694 A JP27020694 A JP 27020694A JP 3143027 B2 JP3143027 B2 JP 3143027B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光(ここでは広義の光で
あって、紫外線、可視光線、赤外線、x線、γ線などを
意味する。)のような電磁波に対して感受性のある光受
容部材を製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術の説明】像形成分野において、光受容部材に
おける光受容層を形成する光導電材料としては、高感度
で、SN比[光電流(Ip)/暗電流(Id)]が高
く、照射する電磁波のスペクトル特性に適合した吸収ス
ペクトルを有すること、光応答性が早く、所望の暗抵抗
値を有すること、使用時において人体に対して無害であ
ること、等の特性が要求される。特に、事務機としてオ
フィスで使用される電子写真装置内に組み込まれる電子
写真用光受容部材の場合には、上記の使用時における無
公害性は重要な点である。この様な点において優れた性
質を示す光導電材料として、水素アモルファスシリコン
(以下、「a−Si:H」と表記する)があり、例え
ば、特公昭60−35059号公報には電子写真用光受
容部材としての応用が記載されている。そして、その電
子写真用光受容部材は、一般的には基体を50℃〜40
0℃に加熱し、該基体上に真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD
法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからな
る光導電層を形成する。なかでもプラズマCVD法、す
なわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ
波グロー放電によって分解し、基体上にa−Si堆積膜
を形成する方法が好適なものとして実用に付されてい
る。また、特開昭54−83746号公報においては、
基体と、ハロゲン原子を構成要素として含むa−Si
(以下、「a−Si:X」と表記する)光導電層からな
る電子写真用光受容部材が提案されており、該公報に
は、a−Siにハロゲン原子を1乃至40原子%含有さ
せた、耐熱性が高く、電気的光学的特性の優れた電子写
真用光受容部材に関する技術が開示されている。
【0003】しかしながら、このような従来のa−Si
系材料で構成された光導電層を有する電子写真用光受容
部材では、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光
学的、光導電特性、及び使用環境特性、さらには経時安
定性および耐久性等において、個々の特性向上は一応図
られてはいるものの、近年における総合的な特性向上の
要請には対応できなくなってきているのが実情である。
特に、電子写真装置の高画質化、高速化、高耐久化は急
速に伸展しており、電子写真用光受容部材においても、
電気的特性や光導電特性の更なる向上とともに、帯電
能、感度を維持しつつあらゆる環境下で大幅に性能を延
ばすことが求められてきているばかりでなく、その層構
成、各層の化学的組成など総合的な観点からの改良を図
るとともに、a−Si材料そのものの一段の特性改良を
図ることが必要とされてきている。このような点を考慮
したものとして例えば、特開昭54−86341号公報
には、a−Siを光導電層に用いた、耐湿性、耐久性、
電気特性に優れた電子写真用光受容部材に関する技術が
記載されている。また、特開昭62−168161号公
報には、表面層として、シリコン原子と炭素原子と41
〜70atomic%の水素原子を構成要素として含む
非晶質材料で構成された材料を用いる技術が記載されて
いる。そして、このようなアモルファス電子写真光受容
部材の形成方法として、グロー放電によるプラズマCV
D法(以下、単にプラズマCVD法と表記する)が挙げ
られる。例えば、特開昭60−186849号公報に
は、原料ガスの分解源として、周波数2.45GHzの
マイクロ波を用いたマイクロ波プラズマCVD法による
堆積膜の形成方法が開示されている。該公報によれば、
デポジションチャンバ内に複数の円筒部材を配置するこ
とによって、内部チャンバを形成し、その内部に原料ガ
スを導入することで、ガスの利用効率を高めると同時
に、生産性を向上させる堆積膜の形成方法が開示されて
いる。また、特開平3−219081号公報には、プラ
ズマ空間に直流電界を掛け、プラズマ電位を制御するこ
とにより、さらに高品質の堆積膜形成方法が開示されて
いる。このような技術により、良好な電気特性を有する
電子写真用光受容部材を供給することが一応可能となっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、今日で
は、複写機本体の高性能化が更に進み、デジタル機や、
カラー機の普及にともない、電子写真用光受容部材は、
これまで以上の高画質化、高品質化が求められるように
なってきた。特に、これらの複写機は従来の主として文
字だけのコピー画像ではなく、ハーフトーン調の画像が
主となる為、より鮮明なハーフトーン調の画像形成が不
可欠となってきた。また、高帯電能、高耐久といった観
点からは、光導電層に炭素原子を含有させたa−SiC
系材料が用いられる。a−SiC系材料ではシリコン原
子に対する炭素原子の含有量が増加するに従い、光導電
層中を電荷が走りにくくなる。そこで、ボロン等の荷電
子制御剤を多く入れることにより、残電が出ないように
している。しかしながら、炭素原子を膜厚方向で分布を
もたらしたような層設計においては、含有されるボロン
量を各領域において試行錯誤により決定せざるをえず、
過大なる実験回数を必要としていた。こうした試行錯誤
の必要なく、また、特性向上のためにも、簡単な方法で
層設計が行えることが必要とされてきている。
【0005】そこで本発明は、上述のごときa−Siで
構成された従来の光受容層を有する電子写真用光受容部
材に於ける諸問題を解決した光受容部材の製造方法の提
供を目的とするものである。即ち、本発明の主たる目的
は近年の複写機本体の高性能化デジタル機や、カラー機
の普及にともなう電子写真用光受容部材の、これまで以
上の高画質化、特により鮮明なハーフトーン調の画像形
成が可能な光受容部材及びその製造方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、シリコン原子を含む原料ガスと周期律表第
III族又は第V族に属する元素を含む原料ガスを反応
空間に導入して基体上にシリコン原子と周期律表第II
I族又は第V族に属する元素を含有する非晶質材料で構
成された光導電層を形成する工程を有する光受容部材の
製造方法において、前記周期律表第III族又は第V族
に属する元素を含む原料ガスをスプライン関数を用いて
連続的に変化させながら導入させるようにしたものであ
る。
【0007】本発明は、前記工程において、更に炭素原
子、酸素原子及び窒素原子からなる群から選択された元
素を含む原料ガスが導入するようにするのが好ましい。
【0008】つぎに図面により本発明を詳細に説明す
る。図1(a)は、本発明の電子写真用光受容部材の層
構成を説明するための模式的構成図である。図1(a)
に示す電子写真用光受容部材100は、光受容部材用と
しての基体101の上に、光受容層102が設けられて
いる。該光受容層102はa−Si:Hまたはa−Si
C:Hからなり光導電性を有する光導電層103と、電
荷の注入を阻止する働きを行う電荷注入阻止層104と
アモルファスシリコン系表面層105とから構成されて
いる。図1(b)は、本発明の電子写真用光受容部材の
他の層構成を説明するための模式的構成図である。図1
(b)に示す電子写真用光受容部材100は、光受容部
材用としての基体101の上に、光受容層102が設け
られている。該光受容層102は光導電層103を、ア
モルファスシリコン系表面層105とから構成されてい
る。光導電層103はa−SiC:Hからなる電荷輸送
を働きとする第1の領域106とa−Si:Hまたはa
−SiC:Hからなる電荷発生を働きとする第2領域1
07から構成されている。
【0009】このような光導電層103は真空堆積膜形
成方法によって、所望特性が得られるように適宜成膜パ
ラメーターの数値条件が設定されて作成される。具体的
には、例えばグロー放電法(低周波CVD法、高周波C
VD法またはマイクロ波CVD法等の交流放電CVD
法、あるいは直流放電CVD法等)、スパッタリング
法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD
法、熱CVD法などの数々の薄膜堆積法によって形成す
ることができる。これらの薄膜堆積法は、製造条件、設
備資本投資下の負荷程度、製造規模、作成される電子写
真用光受容部材に所望される特性等の要因によって適宜
選択されて採用されるが、所望の特性を有する電子写真
用光受容部材を製造するにあたっての条件の制御が比較
的容易であることから、本発明においてはグロー放電
法、特に、周波数2.45GHzを用いたマイクロ波プ
ラズマCVD法、周波数13.56MHzを用いたRF
プラズマCVD法が有効である。グロー放電法による光
導電層103の形成は、基本的にはシリコン原子(S
i)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、炭素原子
(C)を供給し得るC供給の原料ガス、周期律表の第I
II族又は第V族に属する元素を含有する原料ガス、水
素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスを、内部
が減圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入し
て、該反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ
所定の位置に設置されてある所定の基体101上にa−
Si:H、a−SiC:Hからなる層を形成することに
よって行われるのであるが、本発明は、上記周期律表の
第III族又は第V族に属する元素を含有する原料ガス
をスプライン関数を用いて連続的に変化させながら導入
させるところに特徴を有するものである。
【0010】すなわち、光導電層を形成する工程におい
て、周期律表の第III族または第V族に属する元素を含
有する原料ガスをドーピングとして連続的にガス流量を
変化させながら導入するに当たり、従来の場合には5、
7、9、11図に示すように時間軸に対して、何点かの
点を直線的に結び、流量を変化させていたが、このよう
な導入方法では適切なドーピング量が得られず、特に、
電子写真用光受容部材の光導電層の様な厚膜半導体膜に
おいては、キャリアの走行性及び高品質の堆積膜を得る
ことにつき、先に述べた近時の要請に応える上で十分で
はなかった。本発明では、それを、4、6、8、10図
で示すように各点をスプライン関数を用い、連続的に変
化させて適切なドーピング量が得られるようにすること
によって、そのキャリアの走行性を向上させると共に、
高品質の堆積膜を得ることを可能としたもである。特
に、電子写真用光受容部材の光導電層のような厚膜半導
体においては、前述したようなより鮮明なハーフトーン
調の画像形成を行うためには、低電界においてのキャリ
アの走行性をより向上させることと、さらには光導電層
中での電界をより均一に形成することが、とりわけ重要
であるが、本発明によれば導電層形成時における周期律
表第III族または、第V族に属する元素をよりなめらか
にドーピングすることにより、光導電層中により均一な
電界を形成することが可能となる。
【0011】つぎに、その作業手順を図2、図3によっ
て説明する。図2は、2.45GHzの周波数を用いた
マイクロ波プラズマCVD法(以後「MW−PCVD」
と略記する)による電子写真用光受容部材の製造装置の
一例を示す概略説明図であり、図2(A)はその横断面
図、図2(B)はその縦断面図である。まず、反応容器
201内にあらかじめ脱脂洗浄された円筒状の基体20
2を設置し、駆動装置203によって基体202を回転
し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)により反応
容器201内を排気管204を介して排気し、反応容器
201内の圧力を1×10-6Torr以下に調整する。
続いて、基体加熱用ヒーター205により基体202の
温度を20℃〜500℃の所定の温度に過熱保持する。
光受容部材形成用の原料ガスを反応容器201に流入さ
せるには、ガスボンベのバルブ及び、各種バルブの操作
を行い、マスフローコントローラー(不図示)を介して
原料ガス導入管206より放電空間207内に導入す
る。以上のようにして成膜の準備が完了した後、円筒状
の基体202上に光導電層、表面層の各層の形成を行
う。円筒状の基体202が所定の温度になったところで
各流出バルブのうち必要なものを徐々に開き、原料ガス
を導入管206を介して反応容器201内の放電空間2
07に導入する。次にマスフローコントローラー(不図
示)によって各原料ガスが所定の流量になるように調整
する。その際、放電空間207内の圧力が1Torr以
下の所定の圧力になるように真空計(不図示)を見なが
らメインバルブ(不図示)の開口を調整する。圧力が安
定した後、バイアス電極(本図では原料ガス導入管と兼
用)206にバイアス電源208より所定の電圧を印加
すると同時並行的に、マイクロ波電源(不図示)より
2.45GHzのマイクロ波を発生させ所望の電力に設
定し、導波管209、マイクロ波導入窓210を介して
放電空間207にマイクロ波エネルギーを導入して、グ
ロー放電を生起させる。こうして原料ガスは、マイクロ
波のエネルギーにより励起されて解離し、基体202上
に所定の光受容部材が形成される。この時、層形成の均
一化を図るため駆動手段203によって、所望の回転速
度で回転させる。所望の膜厚の形成が行われた後、バイ
アス電圧及びマイクロ波電力の供給を止め、流出バルブ
を閉じて反応容器へのガスの流入を止め、堆積膜の形成
を終える。同様の操作を複数回繰り返すことによって、
所望の多層構造の光受容層が形成される。光導電層の形
成手順は上記のとおりであるが、本発明においては上記
各原料ガスを導入管206を介して反応容器201内の
放電空間207に導入するに際して、上記各原料ガスの
内、周期律表の第III族又は第V族に属する元素を含
有する原料ガスを、スプライン関数を用いて連続的に変
化させながら導入させるものである。
【0012】また、図3はRF帯の周波数を用いた高周
波プラズマCVD法(以後「RF−PCVD」と略記す
る)による電子写真用光受容部材の製造装置の一例を示
す概略説明図である。この装置は大別すると、堆積装置
(3100)、原料ガスの供給装置(3200)、反応
容器(3111)内を減圧にするための排気装置(図示
せず)から構成されている。堆積装置(3100)中の
反応容器(3111)内には円筒状基体(3112)、
基体加熱用ヒーター(3113)、原料ガス導入管(3
114)が設置され、更に高周波マッチングボックス
(3115)が接続されている。原料ガス供給装置(3
200)は、SiH4、GeH4、H2、CH4、B2
H6、PH3等の原料ガスのボンベ(3221〜322
6)とバルブ(3231〜3236,3241〜324
6,3251〜3256)およびマスフローコントロー
ラー(3221〜3216)から構成され、各原料ガス
のボンベはバルブ(3260)を介して反応容器(31
11)内のガス導入管(3114)に接続されている。
この装置を用いた堆積膜の形成は、例えば以下のように
行うことができる。まず、反応容器(3111)内に基
体(3112)を設置し、不図示の排気装置(例えば真
空ポンプ)により反応容器(3111)内を排気する。
続いて、基体加熱用ヒーター(3113)により基体
(3112)の温度を200℃乃至350℃の所定の温
度に制御する。堆積膜形成用の原料ガスを反応容器(3
111)に流入させるには、ガスボンベのバルブ(32
31〜3237)、反応容器のリークバルブ(311
7)が閉じられていることを確認し、又、流入バルブ
(3241〜3246)、流出バルブ(3251〜32
56)、補助バルブ(3260)が開かれていることを
確認して、まずメインバルブ(3118)を開いて反応
容器(3111)及びガス配管内(3116)を排気す
る。次に真空計(3119)の読みが約5×10-6To
rrになった時点で補助バルブ(3260)流出バルブ
(3251〜3256)を閉じる。その後、ガスボンベ
(3221〜3226)より各ガスをバルブ(3231
〜3236)を開いて導入し、圧力調整器(3261〜
3266)により各ガス圧を2Kg/cm2に調整す
る。次に、流入バルブ(3241〜3246)を徐々に
開けて、各ガスをマスフローコントローラー(3211
〜3216)内に導入する。以上のようにして成膜の準
備が完了した後、以下の手順で各層の形成を行う。基体
(3112)が所定の温度になったところで流出バルブ
(3251〜3256)のうち必要なもの及び補助バル
ブ(3260)を徐々に開き、ガスボンベ(3221〜
3226)から所定のガスをガス導入管(3114)を
介して反応容器(3111)内に導入する。次にマスフ
ローコントローラー(3211〜3216)によって各
原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、
反応容器(3111)内の圧力が1Torr以下の所定
の圧力になるように真空計(3119)を見ながらメイ
ンバルブ(3118)の開口を調整する。内圧が安定し
たところで、周波数13.56MHzのRF電源(不図
示)を所望の電力に設定して、高周波マッチングボック
ス(3115)を通じて反応容器(3111)内にRF
電力を導入し、グロー放電を生起させる。この放電エネ
ルギーによって反応容器内に導入された原料ガスが分解
され、基体(3112)上に所定のシリコンを主成分と
する堆積膜が形成されるところとなる。所望の膜厚の形
成が行われた後、RF電力の供給を止め、流出バルブを
閉じて反応容器へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を
終える。そして、本発明においては各原料ガスを導入管
を介して反応容器内の放電空間に導入するに際して、上
記各原料ガスの内、周期律表の第III族又は第V族に
属する元素を含有する原料ガスを、スプライン関数を用
いて連続的に変化させながら導入させるものであること
については前記MV−PCVDの場合と同様であること
は言うまでもないことである。同様の操作を複数回繰り
返すことによって、所望の多層構造の光受容層が形成さ
れる。それぞれの層を形成する際には必要なガス以外の
流出バルブはすべて閉じられていることは言うまでもな
く、また、それぞれのガスが反応容器(3111)内、
流出バルブ(3251〜3256)から反応容器(31
11)に至る配管内に残留することを避けるために、流
出バルブ(3251〜3256)を閉じ、補助バルブ
(3260)を開き、さらにメインバルブ(3118)
を全開にして系内を一旦高真空に排気する操作を必要に
応じて行う。また、膜形成の均一化を図るために、層形
成を行っている間は、基体(3112)を駆動装置(不
図示)によって所定の速度で回転させることも有効であ
る。さらに、上述のガス種及びバルブ操作は各々の層作
成条件にしたがって変更が加えられることは言うまでも
ない。
【0013】本発明において使用されるSi供給用ガス
となり得る物質としては、SiH4、Si2H6、Si
3H8、Si4H10等のガス状態の、またはガス化し
得る水素化珪素(シラン類)が有効に使用されるものと
して挙げられ、更に層作成時の取扱い易さ、Si供給効
率の良さ等の点でSiH4、Si2H6が好ましいもの
として挙げられる。本発明において、スプライン関数を
用いて、光導電層103に導入する伝導性を制御する原
子は、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げるこ
とができ、p型伝導特性を与える周期律表第III.b族に
属する原子(以後「『第III.b族原子」と略記する)ま
たはn型伝導特性を与える周期律表第V.b族に属する原
子(以後「第V.b族原子」と略記する)を用いることが
できる。第III.b族原子としては、具体的には、硼素
(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イ
ンジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に
B、Al、Gaが好適である。第V.b族原子としては、
具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(S
b)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適
である。伝導性を制御する原子、例えば、第III.b族原
子あるいは第V.b族原子を構造的に導入するには、層形
成の際に、第III.b族原子導入用の原子物質あるい
は第Vb族原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器
中に、光導電層103を形成するための他のガスととも
に導入してやればよい。第III.b族原子導入用の原
料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質となり得
るものとしては、常温常圧でガス状のまたは、少なくと
も層形成条件下で容易にガス化し得るものが採用される
のが望ましい。そのような第III.b族原子導入用の
原料物質として具体的には、硼素原子導入用としては、
B2H6、B4H10、B5H9、B5H11、B6H
10、B6H12、B6H14等の水素化硼素、BF
3、BCl3、BBr3等のハロゲン化硼素等が挙げら
れる。この他、AlCl3、GaCl3、Ga(CH
3)3、InCl3、TlCl3等も挙げることができ
る。第V.b族原子導入用の原料物質として有効に使用
されるのは、燐原子導入用としては、PH3、P2H4
等の水素化燐、PH4I、PF3、PF5、PCl3、
PCl5、PBr3、PBr5、PI3等のハロゲン化
燐が挙げられる。この他、AsH3、AsF3、AsC
l3、AsBr3、AsF5、SbH3、SbF3、S
bF5、SbCl3、SbCl5、BiH3、BiCl
3、BiBr3等も第V.b族原子導入用の出発物質の
有効なものとして挙げることができる。また、これらの
伝導性を制御する原子導入用の原料物質を必要に応じて
H2および/またはHeにより希釈して使用してもよ
い。さらに本発明においては、光導電層103は、炭素
原子、酸素原子、窒素原子のうち少なくともいずれかを
光導電層中に万遍なく均一に含有させても良いし、光導
電層の層厚方向に含有量が変化するような不均一な分布
をもたせて含有させても良い。
【0014】炭素供給用ガスとなり得る物質としては、
CH4、C2H6、C3H8、C4H10等のガス状態
の、またはガス化し得る炭化水素が有効に使用されるも
のとして挙げられ、更に層形成時の取り扱い易さ、Si
供給効率の良さ等の点でCH4、C2H6が好ましいも
のとして挙げられる。また、これらのC供給用の原料ガ
スを必要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスによ
り希釈して使用してもよい。また、酸素原子(O)導入
用の原料ガスになり得るものとして有効に使用される出
発物質は、例えば酸素(O2)、オゾン(O3)、二酸
化炭素(CO2)などが挙げられる。同様に窒素原子
(N)導入用の原料ガスになり得るものとして有効に使
用される出発物質は、Nを構成原子とするか、或はNと
Hを構成原子とする、例えば窒素ガス(N2)、アンモ
ニア(NH3)、ヒドラジン(H2NNH2)、アジ化
水素(HN3)、アジ化アンモニウム(NH4N3)等
のガス状またはガス化し得る窒素、窒化物及びアジ化物
等の窒素化合物を挙げることができる。また、酸素原子
(O)と窒素原子(N)を同時に導入できる原料ガスと
なり得るものとして、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素
(NO2)、一酸化二窒素(N2O)、三酸化二窒素
(N2O3)、四酸化二窒素(N2O4)、五酸化二窒
素(N2O5)、三酸化窒素(NO3)等が挙げられ
る。また、これらの原子導入用の原料物質を必要に応じ
てH2および/またはHeにより希釈して使用してもよ
い。
【0015】本発明において、光導電層103の層厚は
所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の
点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは15
〜50μm、より好ましくは20〜45μm、最適には
25〜40μmとされるのが望ましい。本発明の目的を
達成し、所望の膜特性を有する光導電層103を形成す
るには、Si供給用ガスと希釈ガスとの混合比、反応容
器内のガス圧、放電電力ならびに基体温度を適宜設定す
ることが必要である。希釈ガスとして使用するH2の流
量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択される
が、Si供給用ガスに対しH2を、通常の場合1〜20
倍、好ましくは2〜15倍、最適には3〜10倍の範囲
で変化させる制御をすることが望ましい。反応容器内の
ガス圧も同様に層設計や、堆積方法に依存して適宜最適
範囲が選択されるが、通常の場合1×10-4〜10To
rr、好ましくは5×10-4〜5Torr、最適には1
×10-3〜1Torrとするのが好ましい。放電電力も
また同様に層設計や、堆積方法に依存して適宜最適範囲
が選択されるが、Si供給用のガスの流量に対する放電
電力を、通常の場合2〜7倍、好ましくは2.5〜6
倍、最適には3〜5倍の範囲に設定することが望まし
い。さらに、基体101の温度は、層設計にしたがって
適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは
200〜350℃、より好ましくは230〜330℃、
最適には250〜310℃とするのが望ましい。本発明
においては、光導電層を形成するための基体温度、ガス
圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられる
が、条件は通常は独立的に別々に決められるものではな
く、所望の特性を有する光受容部材を形成すべく相互的
且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望まし
い。
【0016】本発明において使用される基体としては、
導電性でも電気絶縁性であってもよい。基体としては、
Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、T
i、Pt、Pd、Fe等の金属、及びこれらの合金、例
えばステンレス等が挙げられる。また、ポリエステル、
ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテー
ト、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、
ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラ
ス、セラミック等の電気絶縁性基体の少なくとも光受容
層を形成する側の表面を導電処理した基体も用いること
が出来る。本発明において使用される基体101の形状
は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または板状無端ベ
ルト状であることができ、その厚さは、所望通りの電子
写真用光受容部材100を形成し得るように適宜決定す
るが、電子写真用光受容部材100としての可撓性が要
求される場合には、基体101としての機能が充分発揮
できる範囲内で可能な限り薄くすることができる。しか
しながら、基体101は製造上及び取扱上、機械的強度
等の点から通常は10μm以上とされる。特にレーザー
光などの可干渉性光を用いて像記録を行う場合には、可
視画像において現れる、いわゆる干渉縞模様による画像
不良をより効果的に解消するために、基体101の表面
に凹凸を設けてもよい。基体101の表面に設けられる
凹凸は、特開昭60−168156号公報、同60−1
78457号公報、同60−225854号公報等に記
載された公知の方法により作成される。
【0017】また、レーザー光などの可干渉光を用いた
場合の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消す
る別の方法として、基体101の表面に複数の球状痕跡
窪みによる凹凸形状を設けてもよい。即ち、基体101
の表面が電子写真用光受容部材100に要求される解像
力よりも微少な凹凸を有し、しかも該凹凸は、複数の球
状痕跡窪みによるものである。基体101の表面に設け
られる複数の球状痕跡窪みによる凹凸は、特開昭61−
231561号公報に記載された公知の方法により作成
される。
【0018】本発明の電子写真用光受容部材において
は、基体と光導電層との間に、基体光受容部材側からの
電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層を設け
るのがいっそう効果的である。すなわち、電荷注入阻止
層は光受容層が一定極性の帯電処理をその自由表面に受
けた際、基体側より光導電層側に電荷が注入されるのを
阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受けた際に
はそのような機能は発揮されない、いわゆる極性依存性
を有している。そのような機能を付与するために、電荷
注入阻止層には伝導性を制御する原子を光導電層に比べ
比較的多く含有させる。該層に含有される伝導性を制御
する原子は、該層中に万偏なく均一に分布されても良い
し、あるいは層厚方向には万偏なく含有されてはいる
が、不均一に分布する状態で含有している部分があって
もよい。分布濃度が不均一な場合には、基体側に多く分
布するように含有させるのが好適である。しかしなが
ら、いずれの場合にも基体の表面と平行面内方向におい
ては、均一な分布で万偏なく含有されることが面内方向
における特性の均一化をはかる点からも必要である。
【0019】また、電荷注入阻止層においても本発明の
スプライン関数を用いて伝導性の制御原子を含有する原
料ガスを変化させて導入させることはなんら問題はな
い。電荷注入阻止層に含有される伝導性を制御する原子
としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げ
ることができ、p型伝導特性を与える周期律表第IIIb
族に属する原子 (以後「第IIIb族原子」と略記する)
またはn型伝導特性を与える周期律表Vb族に属 する
原子(以後「第Vb族原子」と略記する)を用いること
ができる。第IIIb族原子としては、具体的には、B
(ほう素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガ リウ
ム)、In(インジウム)、Ta(タリウム)等があ
り、特にB、Al、Gaが好適である。第Vb族原子と
しては、具体的にはP(リン)、As(砒素)、Sb
(アンチモン)、Bi(ビスマス)等があり、特にP、
Asが好適である。本発明において電荷注入阻止層中に
含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、本
発明の目的が効果的に達成できるように所望にしたがっ
て適宜決定されるが、好ましくは10〜1×104原子
ppm、より好適には50〜5×103原子ppm、最
適には1×102〜1×103ppmとされるのが望まし
い。さらに、電荷注入阻止層には、炭素原子の他に、窒
素原子及び酸素原子の少なくとも一種を含有させること
によって、該電荷注入阻止層に直接接触して設けられる
他の層との間の密着性の向上をよりいっそう図ることが
できる。該層に含有される炭素原子または窒素原子また
は酸素原子は該層中に万偏なく均一に分布されても良い
し、あるいは層厚方向には万偏なく含有されてはいる
が、不均一に分布する状態で含有している部分があって
もよい。しかしながら、いずれの場合にも基体の表面と
平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく含有さ
れることが面内方向における特性の均一化をはかる点か
らも必要である。また、本発明における電荷注入阻止層
に含有される水素原子は層内に存在する末結合手を補償
し膜質の向上に効果を奏する。本発明において、電荷注
入阻止層の層厚は所望の電子写真特性が得られること、
及び経済的効果の点から好ましくは0.1〜5μm、よ
り好ましくは0.3〜4μm、最適には0.5〜3μm
とされるのが望ましい。
【0020】本発明において電荷注入阻止層を形成する
には、前述の光導電層を形成する方法と同様の真空堆積
法が採用される。本発明の目的を達成し得る特性を有す
る電荷注入阻止層104を形成するには、光導電層10
3と同様に、Si供給用のガスと希釈ガスとの混合比、
反応容器内のガス圧、放電電力ならびに基体101の温
度を適宜設定することが必要である。希釈ガスであるH
2および/またはHeの流量は、層設計にしたがって適
宜最適範囲が選択されるが、Si供給用ガスに対しH2
および/またはHeを、通常の場合1〜20倍、好まし
くは3〜15倍、最適には5〜10倍の範囲に制御する
ことが望ましい。反応容器内のガス圧も同様に層設計に
したがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1
×10-4〜10Torr、好ましくは5×10-4〜5T
orr、最適には1×10-3〜1Torrとするのが好
ましい。放電電力もまた同様に層設計にしたがって適宜
最適範囲が選択されるが、Si供給用のガスの流量に対
する放電電力を、通常の場合1〜7倍、好ましくは2〜
6倍、最適には3〜5倍の範囲設定することが望まし
い。さらに、基体101の温度は、層設計にしたがって
適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは
200〜350℃、より好ましくは230〜330℃、
最適には250〜310℃とするのが望ましい。本発明
においては、電荷注入阻止層を作成するための希釈ガス
の混合比、ガス圧、放電電力、基体温度の望ましい数値
範囲として前記した範囲が挙げられるが、これらの層形
成ファクターは通常は独立的に別々に決められるもので
はなく、所望の特性を有する表面層を形成すべく相互的
且つ有機的関連性に基づいて各層作成ファクターの最適
値を決めるのが望ましい。また、本発明の電子写真用光
受容部材に於ては、基体101と光導電層103あるい
は電荷注入阻止層105との間の密着性の一層の向上を
図る目的で、例えば、Si3N4、SiO2、SiO、あ
るいはシリコン原子を母体とし、水素原子及び/または
ハロゲン原子と 、炭素原子及び/または酸素原子及び
/または窒素原子とを含む非晶質材料等で構成される密
着層を設けても良い。更に、基体からの反射光による干
渉模様の発生を防止するための光吸収層を設けてもよ
い。
【0021】本発明においては、上述のようにして基対
101上に形成された光導電層103の上に、更にアモ
ルファスシリコン系の表面層105を形成することが好
ましい。表面層105は、アモルファスシリコン系の材
料であればいずれの材質でも可能であるが、例えば、水
素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有
し、更に炭素原子を含有するアモルファスシリコン(以
下「a−SiC:H、X」と表記する)、水素原子
(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に
酸素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−
SiO:H、X」と表記する)、水素原子(H)及び/
またはハロゲン原子(X)を含有し、更に窒素原子を含
有するアモルファスシリコン(以下「a−SiN:H、
X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲ
ン原子(X)を含有し、更に炭素原子、酸素原子、窒素
原子の少なくとも一つを含有するアモルファスシリコン
(以下「a−SiCON:H、X」と表記する)等の材
料が好適に用いられる。
【0022】本発明に於て、その目的を効果的に達成す
るために、表面層105は真空堆積膜形成方法によっ
て、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの
数値条件が設置されて作成される。その具体的形成方法
は、前記した光導電層と同様の数々の薄膜堆積法によっ
て形成することができる。これらの薄膜堆積法は、製造
条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作成され
る電子写真用受容部材に所望される特性等の要因によっ
て適宜選択されて採用されるが、光受容部材の生産性か
ら光導電層と同等の堆積法によることが好ましい。本発
明に於て用いる表面層の材質としてはシリコンを含有す
るアモルファス材料ならば何れでも良いが、炭素、窒
素、酸素より選ばれた元素を少なくとも1つ含むシリコ
ン原子との化合物が好ましく、特にa−SiCを主成分
としたものが好ましい。本発明の表面層の形成において
使用されるシリコン(Si)供給用ガスとなり得る物質
としては、SiH4、Si2H6、Si3H8、Si4
H10等のガス状態の、またはガス 化し得る水素化珪
素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げら
れ、更に層作成時の取扱易さ、Si供給効率の良さ等の
点でSiH4、Si2H6が好ましいものとして挙げら
れる。また、これらのSi供給用の原料ガスを必要に応
じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使
用してもよい。炭素供給用ガスとなり得る物質として
は、CH4、C2H6、C3H8、C4H10等のガス
状態の、またはガス化し得る炭化水素が有効に使用され
るものとして挙げられ、更に層形成時の取扱易さ、Si
供給率の良さの点でCH4、C2H6が好ましいものと
して挙げられる。また、これらのC供給用の原料ガスを
必要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希
釈して使用してもよい。本発明における表面層104の
層厚としては、通常0.01〜3μm、好適には0.0
5〜2μm、最適には0.1〜1μmとされるのが望ま
しいものである。層厚が0.01μmよりも薄いと光受
容部材を使用中に摩耗等の理由により表面層が失われて
しまい、3μmを越えると残留電位の増加等の電子写真
特性の低下がみられる。
【0023】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明の具体例を詳細
に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定され
るものではない。 [実施例1]外径108mm、長さ358mm、肉厚5
mmのアルミニウムシリンダーを鏡面加工を施し、脱脂
洗浄したものを基体として使用し、図2に示す装置を用
いて、表1に示す条件にて、先に示した手順に従い、阻
止型の電子写真用光受容部材を作成した。なお、B2H
6ガスは、スプライン関数を用い図4に示すような流量
変化で導入した。
【0024】
【表1】 このドラムを電子写真装置(キヤノン社製NP606
0)を本テスト用に改造したもの)にセットして、以下
の電子写真特性及び画像成の評価を以下の方法で行っ
た。 感度…電子写真用光受容部材を、一定の暗部表面電位に
帯電させる。そして直ちに光像を照射する。光像はハロ
ゲンランプ光源を用い、フィルターを用いて550nm
以下の波長域の光りを除いた光を照射する。この時表面
電位計により電子写真光受容部材の明部表面電位を測定
する。明部表面電位が所定の電位になるよう露光量を調
整し、この時の露光量をもつて感度とし、評価した。 感度について ◎は「特に良好」 ○は「良好」 △は「実用上問題なし」 ×は「実用上問題あり」 を表している。 残留電位…ドラムを一定の暗部表面電位に帯電させる。
そして直ちに一定光量の比較的強い光りを照射す。光像
はハロゲンランプ光源を用い、フィルターを用いて55
0nm以下の波長域の光を除いた光を照射した。この時
表面電位計により電子写真用光受容部材の明部表面電位
を測定する。 残留電位について ◎は「特に良好」 ○は「良好」 △は「実用上問題なし」 ×は「実用上問題あり」 を表している。 EV直線性…ドラムを一定の暗部表面電位に帯電させ
る。そして光量を変化させながら照射する。光像はハロ
ゲンランプ光源を用い、フィルターを用いて550nm
以下の波長域の光を除いた光を照射した。この時表面電
位計により電子写真用光受容部材の明部表面電位を測定
し、明部表面電位と光量の関係を測定する。 EV直線性について ◎は「特に良好」 ○は「良好」 △は「実用上問題なし」 ×は「実用上問題有り」 を表している。 ハーフトーンがさつき…キヤノン社製中間チャート(部
品番号:FY9−9042)を原稿台に置きコピーした
ときに得られた画像のがさつきを目視により評価した。 がさつきについて ◎は「特に良好」 ○は「良好」 △は「実用上問題なし」 ×は「実用上問題有り」 を表している。 (比較例1)実施例1と同様に、表1に示した条件によ
り、阻止型の電子写真用光受容部材を作成し、実施例1
と同様の評価を行った。なお、B2H6ガスは、図5に
示すような直線で各点を結んだ流量変化で導入した。以
下、実施例1及び比較例1の結果を合わせて表3に示
す。表2に示されるように、本発明はすべての項目にお
いて良好な結果が得られた。
【0025】
【表2】 [実施例2]実施例1と同様のアルミシリンダーを使用
し、図2に示す装置を用いて、表3に示す条件にて、先
に示した手順に従い、機能分離型の電子写真用光受容部
材を作成した。なお、第1の領域のB2H6ガスは、ス
プライン関数を用い図6に示すような流量変化で導入し
た。
【0026】
【表3】 (比較例2)実施例2と同様に、表3に示した条件によ
り、機能分離型の電子写真用光受容部材を作成し、実施
例1と同様の評価を行った。なお、B2H6ガスは、図
7に示すような直線で各点を結んだ流量変化で導入し
た。以下、実施例2及び比較例2の結果を合わせて表4
に示す。表4に示されるように、本発明はすべての項目
において良好な結果が得られた。
【0027】
【表4】 (実施例3)外径108mm、長さ358mm、肉厚5
mmのアルミニウムシリンダーを鏡面加工を施し、脱脂
洗浄したものを基体として使用し、図3に示す装置を用
いて、表5に示す条件にて、先に示した手順に従い、阻
止型の電子写真用光受容部材を作成した。なお、B2H
6ガスは、スプライン関数を用い図8に示すような流量
変化で導入した。
【0028】
【表5】 (比較例3)実施例3と同様に、図3に示す装置を用い
て、表5に示した条件により、阻止型の電子写真用光受
容部材を作成し、実施例1と同様の評価を行った。な
お、B2H6ガスは、図9に示すような直線で各点を結
んだ流量変化で導入した。以下、実施例3及び比較例3
の結果を合わせて表6に示す。表4に示されるように、
本発明は全ての項目において良好な結果が得られた。
【0029】
【表6】 [実施例4]実施例1と同様のアルミシリンダーを使用
し、図3に示す装置を用いて、表7に示す条件にて、先
に示した手順に従い、機能分離型の電子写真用光受容部
材を作成した。なお、第1の領域のB2H6ガスは、ス
プライン関数を用い図10に示すような流量変化で導入
した。
【0030】
【表7】 (比較例4)実施例4と同様に、表7に示した条件によ
り、機能分離型の電子写真用光受容部材を作成し、実施
例1と同様の評価を行った。なお、B2H6ガスは、図
11に示すような直線で各点を結んだ流量変化で導入し
た。以下、実施例4及び比較例4の結果を合わせて表8
に示す。表8に示されるように、本発明は全ての項目に
おいて良好な結果が得られた。
【0031】
【表8】 [実施例5]実施例1と同様のアルミシリンダーを使用
し、図2に示す装置を用いて、表9に示す条件にて、先
に示した手順に従い、阻止型の電子写真用光受容部材を
作成した。なお、光導電層のB2H6ガスは、スプライ
ン関数を用い図6に示すような流量変化で導入した。
【0032】
【表9】 [実施例6]実施例1と同様のアルミシリンダーを使用
し、図2に示す装置を用いて、表10に示す条件にて、
先に示した手順に従い、阻止型の電子写真用光受容部材
を作成した。なお、光導電層のB2H6ガスは、スプラ
イン関数を用い図6に示すような流量変化で導入した。
【0033】
【表10】 実施例5及び6で作成した電子写真光受容部材を実施例
1と同様の評価を行った。加えて、画像欠陥及び耐久性
の評価も行った。 画像欠陥…キヤノン製中間調チャート(部品番号:FY
9−9042)を原稿台に置き、コピーしたときに得ら
れたコピー画像の同一面積内にある直径0.5mm以下
の白点について、その数を数えた。 画像欠陥について ◎は「0〜2個で、まつたく気にならない」 ○は「3〜5個で、気にならない」 △は「6〜10個で、多少気になる」 ×は「11個以上で、気になる」 を表している。 耐久性…種々の電子写真特性を測定の後、10万枚相当
の加速耐久試験を行いその後の各電子写真特性の変化を
測定した。 耐久性について ◎は「初期特性とほとんど変化無い」 ○は「変化は有るがまったく問題ない」 △は「多少変化有る」 ×は「著しく変化が有る」 を表している。以下、実施例5及び実施例6の結果を合
わせて表11に示す。また、本実施例との比較の意味で
実施例1で作成した電子写真光受容部材を合わせて評価
を行い合わせて表11に示す。表11に示されるよう
に、本発明は全ての項目において良好な結果が得られ
た。
【0034】
【表11】
【0035】
【本発明の効果】本発明によれば、導電層形成時におけ
る周期律表第III族または、第V族に属する元素をより
なめらかにドーピングすることにより、光導電層中によ
り均一な電界の形成が可能となり、またキャリア走行性
の向上した光受容部材が得られるから、これにより鮮明
なハーフトーン調の画像を形成することが可能となる。
とりわけ、これを電子写真用光受容部材に用いた場合に
は最近における複写機本体の高性能化デジタル機や、カ
ラー機の普及に伴う電子写真用光受容部材の、これまで
以上の高画質化、特により鮮明なハーフトーン調画像の
提供により有効に寄与することができるものである。ま
た、本発明により得られた光受容部材は、電子写真特
性、特に感度、残留電位、EV直線性等に優れ、その光
導電層に炭素原子、酸素原子、窒素原子を含有させるこ
とにより、画像欠陥を低減させると共に、その耐久性を
一層向上させることができるものである。
【0036】
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の光受容部材の好適な実施形態例の層構
成を説明するための模式的層構成図である。 図2は、本発明の光受容部材の光受容層を形成する為の
装置の一例で、マイクロ波を用いたグロー放電法による
光受容部材の製造装置の概略説明図である。 図3は、本発明の光受容部材の光受容層を形成するため
の装置の一例で、RF帯の高周波を用いたグロー放電法
による光受容部材の製造装置の概略説明図であり、図2
(A)はその横断面図、図2(B)はその縦断面図であ
る。 図4、及び図6、図8、図10は、本発明の光受容層を
形成するためのスプライン関数を用いた周期律表の第I
II族または第V族に属する元素を含有する原料ガスの
流量変化の一例を示したグラフである。 図5及び図7、図9、図11は、従来の光受容層を形成
する周期律表の第III族または第V族に属する元素を
含有する原料ガスの流量変化の一例を示したグラフであ
る。 100 光受容部材 101 基体 102 光受容層 103 光導電層 104 電荷注入阻止層 105 表面層 106 光導電層第1の領域 107 光導電層第2の領域 201 反応容器 202 基体 203 回転機構 204 排気孔 205 加熱用ヒーター 206 原料ガス供給管兼電極 207 内部チャンバ 208 電源 209 導波管 210 誘電体窓 3100 堆積装置 3111 反応容器 3112 基体 3113 基体加熱用ヒーター 3114 原料ガス導入管 3115 マッチングボックス 3116 原料ガス配管 3117 反応容器リークバルブ 3118 メイン排気バルブ 3119 真空計 3200 原料ガス供給装置 3211〜3216 マスフローコントローラー 3221〜3226 原料ガスボンベ 3231〜3236 原料ガスボンベバルブ 3241〜3246 ガス流入バルブ 3251〜3256 ガス流出バルブ 3261〜3266 圧力調整器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 C23C 16/50 C23C 16/52 G03G 5/08 360 H01L 31/0248

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコン原子を含む原料ガスと周期律表第
    III族又は第V族に属する元素を含む原料ガスを反応
    空間に導入して基体上にシリコン原子と周期律表第II
    I族又は第V族に属する元素を含有する非晶質材料で構
    成された光導電層を形成する工程を有する光受容部材の
    製造方法において、前記周期律表第III族又は第V族
    に属する元素を含む原料ガスをスプライン関数を用いて
    連続的に変化させながら導入することを特徴とする光受
    容部材の製造方法。
  2. 【請求項2】前記工程において、更に炭素原子、酸素原
    子及び窒素原子からなる群から選択された元素を含む原
    料ガスが導入されることを特徴とする請求項1に記載の
    光受容部材の製造方法。
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