JP3144785B2 - 信号遅延時間計算方法 - Google Patents

信号遅延時間計算方法

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JP3144785B2 JP07820789A JP7820789A JP3144785B2 JP 3144785 B2 JP3144785 B2 JP 3144785B2 JP 07820789 A JP07820789 A JP 07820789A JP 7820789 A JP7820789 A JP 7820789A JP 3144785 B2 JP3144785 B2 JP 3144785B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、論理設計の際に用いる信号遅延時間を計算
するCADプログラムにおける信号遅延時間計算方法に係
り、配線パターンの分岐形状による遅延時間の違いを高
精度に求める計算モデルと上記計算を高速に行う計算方
法を提供する。
また、設計ミスなどによる配線データの欠損で生じた
断線状態や、冗長な配線データの入力により発生した配
線パターンの閉路を検出する方法も提供する。
〔従来の技術〕
配線パターンによる信号遅延時間は理論的に分布定数
回路の方程式を解くことで得られるが、これは一般的な
偏微分方程式の解法となり、論理回路設計用のCADプロ
グラムとしては時間がかかりすぎ、実用的でない。そこ
で、例えば、特開昭62−70977「配線パターン表示装
置」に提示されているように、配線パターンにより分散
している負荷容量を単一の集中定数として考え、計算を
簡略化することにより、実用的な時間内で信号遅延時間
計算を行なっている。つまり、配線パターンの容量の総
和を負荷容量として次式によって信号遅延時間を計算し
ている。
D=k×C …(1) ここで、D……信号遅延時間、k……補正定数、C…
…負荷容量の総和、である。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術では負荷容量を単一の集中定数として扱
っていたために、配線パターンの分岐形状や配線パター
ンの材質の違いは考慮されていなかった。このために、
第2図(1)に示した配線パターン図のように信号の送
端となる論理ゲートの近くで分岐している配線パターン
では、負荷容量として配線パターン全体の容量の和を用
いるために、遅延時間に寄与する容量が過大評価とな
り、信号の送端22aと信号の受端21aの間の遅延時間を計
算する際には実際よりも遅く計算してしまう欠点があっ
た。さらに、信号の送端22bと受端21bの間の遅延時間を
計算する際、第2図(1)の点25cのように配線パター
ンの材質が配線層の違いなどによって途中から変化し、
20aに比らべて20bの容量が大きい場合、一般には受端に
近い配線パターンの容量が大きい方が遅延時間が長くな
る傾向があるが、従来技術では、容量が大きい配線パタ
ーンが受端に近いことが考慮されていないため遅延時間
を短く見積つてしまう欠点があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は配線パターンの形状に起因する遅延時間の計
算誤差を低減することを目的として、配線パターンを考
慮した遅延時間の計算方法を提供することにある。すな
わち、配線パターンをパターンの分岐点または配線材料
の変化する点で区間に分割し、分割した区間ごとの遅延
時間を求め、信号の送端から受端までの配線を信号の伝
達経路に沿って追跡しながら、途中の区間毎の遅延時間
を加算することによつて全体の遅延時間を計算する。
〔作用〕
第1図の配線パターン区間分割処理2は配線パターン
を分岐点または配線材料の変化する点で分割し、区間遅
延時間計算処理6は分割された区間毎の遅延時間を計算
し、送端受端トレース処理8は信号の送端から受端まで
の配線パターンを信号の伝達経路に沿つて追跡、すなわ
ち、トレースしながら途中にある区間毎の遅延時間を加
算する。これらの処理によって配線パターンの形状を反
映した遅延時間計算が可能となる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図,第2図,第3図,
第4図,第5図,第6図,第7図を用いて説明する。
第1図は本発明の処理手順を示すPADである。配線パ
ターン入力処理1では配線パターン形状、単位長さあた
りの配線容量、配線抵抗を入力する。配線パターンデー
タは結線すべき端点の座標と配線幅の組で表現されてい
ても、配線パターンの形状を座標点列の形式で表現した
ものでも良い。人力配線パターン形状の例を第2図
(1)に示す。ここで、配線パターン20aと20bは異なる
配線材料を用いているものとする。21a,21bは信号の受
端であり、22a,22bは信号の送端である。
第1図の配線パターン区間分割処理2では、入力した
配線パターンを分岐点または配線材料の変化する点で分
割する。第2図(2)は同図(1)の配線パターンを区
間に分割しそれぞれを等価回路で置きかえた結果であ
る。25a,25bは配線パターンの分岐点に対応しており、2
5cは配線材料の変化する点に対応している。また、区間
毎の配線抵抗や配線容量は、配線パターンの長さと単位
長さあたりの容量または抵抗の積で求められる。
第2図(2)中24a〜24fは区間毎の配線抵抗、23a〜2
3fは区間毎の配線容量を表す。
第1図のグラフ表現変換処理3では区間に分割された
配線パターンデータを計算機で処理しやすいようにグラ
フ表現に変換する。グラフの節点は配線パターンの分岐
点、配線材料の変化する点、信号の送端、受端に対応
し、グラフの枝は節点間を結ぶそれぞれの配線パターン
に対応する。従つて、本発明においてはグラフの枝と遅
延時間の計算を行う区間が一対一に対応するため、以下
の説明では枝と区間を同義に用いることにする。なお、
データの入力ミス等により、遅延時間の計算を行うべき
区間に配線パターンが存在しない場合、すなわち、グラ
フの枝と区間の一対一対応がない時を本発明では断線と
判断する。第2図(2)をグラフに変換した結果を第2
図(3)に示す。図中26a〜26gは節点、27a〜27fは枝で
ある。以上のグラフ表現は、計算機のメモリ上で第3図
に示した枝および節点に注目したテーブルで表わされ
る。第3図(1)の枝テーブル30はグラフの枝名称31に
対応し、配線抵抗33、配線容量32は第2図(2)の配線
抵抗24a〜24f、配線容量23a〜23fに相当する。節点ポイ
ンタ34は枝が接続されている両端の節点を意味してお
り、第2図(3)の記号を用いている。区間容量35と
は、その区間の信号遅延時間を計算するのに必要な負荷
容量である。例えば、第2図(3)の枝27cの区間容量
(右)とは枝27cの右端(ただし、節点26eを含まない)
から見たグラフの左半分全体の容量の和であり、枝27a
〜27cの配線容量と後述の節点26a〜26cに定義された節
点容量の和になる。他の枝でも同様に、その枝でグラフ
を切断したときに、その切り口から見える負荷容量が区
間容量となる。区間容量は第1図区間容量計算処理5に
て計算され、第3図(1)の区間の遅延時間36は区間遅
延時間計算処理6にて求められる。第3図(2)の節点
テーブル40はグラフの節点名称41に対応しており、枝ポ
インタ42は当該節点に接続されている枝名称を記載した
ものである。ここで、1つの節点には縦横方向の配線パ
ターンのみが交わるとしている。枝名称は、第2図
(3)の記号を用いている。また、節点テーブル40の節
点容量43は信号受端を容量性の負荷としてみたときの値
であり、本発明の実施例では節点が信号の受端である時
のみ0でない値を持つとしている。さらに、厳密には、
以下合の2種の接点も節点容量を持つと考えられる。す
なわち、第2図(2)の25aまたは25bのように複数の枝
が合流する場合、もう一つは、25cのように材質の異な
る配線パターンが部分的に重なり合う部分である。しか
し、これらの節点容量は上記の受端の容量に比らべて十
分小さい。
以上、グラフ表現に基づいた区間容量計算と区間遅延
時間計算は、第1図の計算可能区間認識処理4の制御下
で実行される。第4図は計算可能区間認識4,区間容量計
算5,区間遅延時間計算6の詳細なPADである。なお、節
点と枝の記号は第5図に記載されたものを代表として用
いる。401、402、403は枝が一本しか接続されていない
節点をスタックに登録する処理である。第2図(3)の
グラフでは節点26a,26b,26d,26gが登録される。404はス
タックが空になるまでのループ制御であり、スタックが
空になったとき、第4図に示した処理全体が終了する。
405、406では節点nに接続される枝を全て調べ、計算可
能な状態の枝について以下に述べる処理(408から415)
を行う。ここで、計算可能であるとは第5図に示すよう
に、着目した枝(枝e)の区間容量の計算に必要な他の
容量が全て計算済みであることを意味する。即ち、枝e
の区間容量は枝aと枝bと枝cの区間容量と節点nの節
点容量と、枝eの配線容量の和であることから、枝a,枝
b,枝cの区間容量が既に計算済みであることが、枝eの
計算可能を意味する。第4図の408では枝eによって接
続される節点nと節点mを確定する。409,410,411は第
1図の区間容量計算処理5に該当し、次の区間の区間容
量の計算のために、節点nの枝eを除いた他の枝の区間
容量と節点nの節点容量、枝eの配線容量の和として枝
eの節点m側から見た区間容量を算出する。さらに、該
当する区間の区間遅延時間を計算する。すなわち、412
は第1図の区間遅延時間計算処理6に該当し、次式によ
つて遅延時間を計算する。
De=γ×R×(α×C1+β×C2) …(2) ここで、Deは着目している枝eの節点mから節点nに
至る信号遅延時間、Rは枝eの配線抵抗、C1は枝eの配
線容量、C2は節点nに接続されるe以外の枝の区間容量
と枝eの配線容量の和、α、β、γは計算値を実測値に
あわせるための補正定数である。
第4図の413では後述の閉路、断線の検出のために区
間遅延時間計算を行った回数をカウントする。414、415
では枝eの区間容量が終了していることから、節点mの
枝の中に一つでも計算可能なものがある場合に節点mを
スタックに登録し、再びスタツクが空になるまで処理40
5から415を繰り返す。
第1図の閉路、断線の検出処理7では、計算可能区間
検出処理4で得た計算回数とグラフ表現した配線パター
ンの接点数及び、枚数を比較して、配線パターン中に存
在する閉路や断線を検出する。閉路も断線も存在しない
場合には、節点数と枝数の間にはグラフ理論の基本定理
より次式が成立する。
枝数=節点数−1 …(3) また、計算回数は一本の枝に二つの節点が接続される
ことから、次式が成立する。
計算回数=枝数×2 …(4) 第6図(1)は閉路も断線も存在しない正常の場合の
例であり、(3)式および(4)式が成立する。第6図
(2)は断線が存在する例であり、(4)式は成立する
が、節点間を結ぶ枝が入力されていないため、(3)式
は成立しない。第6図(3)は閉路が存在する例であ
り、(3)式も(4)式も成立しない。第6図(4)は
断線と閉路が混在する例であり、(3)式は成立するが
(4)式は成立しない。以上のように、(3)式(4)
式の両方が成立するときのみが断線も閉路も無い場合で
あり、これによつて断線、閉路の有無が検出できる。断
線または閉路を検出した場合、該当する伝達路の遅延時
間の計算を中止し、断線または閉路に関する情報のみを
出力する。
第1図の送端受端トレース8は、信号の送端から受端
までの経路をたどり、途中の区間遅延時間を加算する処
理である。これは、一般に知られている深さ優先探索
(Depth First Search)で行なえるため、説明を省略す
る。その結果、送端と受端の組に対して、信号遅延時間
が求められる。第3図の区間遅延時間を用いて各伝達経
路の信号の遅延時間を計算した結果を第7図に示す。例
えば、第2図(3)の節点26bと節点26aの関の信号遅延
時間は、枝27b、27aの区間遅延時間の和であり、0.513p
sとなる。
第1図は信号遅延時間の出力9で第7図に示したよう
な遅延時間の計算結果および断線または閉路に関する情
報を出力する。
〔発明の効果〕
本発明によれば配線パターンの分岐形状を遅延時間計
算の際に考慮しているため、より高精度な計算結果が得
られる。例えば第2図の節点26b,26a間の遅延時間は本
発明により0.513psであるが、従来技術では(1)式の
補正係数を配線抵抗の半分程度に設定するため、1.14ps
と本発明の約2倍の値に計算されてしまう。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の処理手順を示すPAD、第2図は遅延時
間計算の例に用いるための配線パターン図、等価回路、
グラフ表現、第3図は計算機メモリ上に展開されるグラ
フ表現のためのテーブル、第4図は区間遅延計算処理の
実行手順を示すPAD、第5図は第4図における枝と節点
の関係を説明する図、第6図は閉路、断線の検出例、第
7図は本発明による信号遅延時間計算結果である。 1……配線パターン入力処理、2……配線パターン区間
分割処理、3……グラフ表現変換処理、4……計算可能
区間認識処理、5……区間容量計算処理、6……区間遅
延時間計算処理、7……閉路、断線の検出処理、8……
送端受端トレース処理、9……信号遅延時間出力処理。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 建基 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】論理回路の設計データから信号遅延時間を
    計算するCADにおける信号遅延時間計算方法において、 第1の端と第2の端とを有する配線パターンを複数の区
    間に分割し、 前記分割された区間のそれぞれ一つの区間毎に、前記一
    つの区間の配線容量と前記一つの区間に接続される節点
    のうちの一つの節点に接続される前記一つの区間以外の
    枝の区間容量とから求まる容量と、前記一つの区間の配
    線抵抗より求まる抵抗とを乗することで前記一つの区間
    についての信号遅延時間を求め、 前記第1の端から前記第2の端までの経路をたどり、前
    記経路を構成する区間のそれぞれの信号遅延時間を加算
    することで、前記第1の端から前記第2の端までの信号
    遅延時間を求めることを特徴とする信号遅延時間計算方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記容量とは、前記配線容量に所定の補正定数を乗じた
    値と前記区間容量に所定の補正定数を乗じた値との和に
    より求まるものであり、 前記抵抗とは、前記配線抵抗に所定の補正定数を乗じた
    値であることを特徴とする信号遅延時間計算方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、 前記区間容量とは、所定の一つの区間の配線容量と前記
    所定の一つの区間に接続される節点のうちの一つの節点
    の節点容量と前記一つの節点に接続される前記所定の一
    つの区間以外の枝の区間容量との和であることを特徴と
    する信号遅延時間計算方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3において、 前記節点とは、配線の分岐点或いは配線材料の変化する
    点であることを特徴とする信号遅延時間計算方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4において、 前記第2の端は信号の送端であることを特徴とする信号
    遅延時間計算方法。
  6. 【請求項6】請求項5において、 前記第1の端は信号の受端であることを特徴とする信号
    遅延時間計算方法。
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