JP3146029B2 - 茎稈切断用刃体、及びその茎稈切断用刃体を用いた排ワラ細断装置 - Google Patents

茎稈切断用刃体、及びその茎稈切断用刃体を用いた排ワラ細断装置

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JP3146029B2
JP3146029B2 JP26339391A JP26339391A JP3146029B2 JP 3146029 B2 JP3146029 B2 JP 3146029B2 JP 26339391 A JP26339391 A JP 26339391A JP 26339391 A JP26339391 A JP 26339391A JP 3146029 B2 JP3146029 B2 JP 3146029B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、円盤型の植立茎稈刈取
り装置などに利用する茎稈切断用刃体、及びその茎稈切
断用刃体を用いた排ワラ細断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンバインの後部に装備される排ワラ細
断装置としては、円盤状の茎稈切断用刃体を一定ピッチ
で多数並列して回転駆動することで、脱穀後の排ワラを
細かく切断する、いわゆる円盤型排ワラ細断装置が多用
されており、茎稈切断用刃体として、外周切断刃に焼き
入れ処理を施した円盤刃体が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、焼き入れ処理
を施した円盤刃体は、使用時間に経過に伴って摩耗が進
行し、例えば図5に示すように、刃部4bの先端4eが
磨耗して丸くなってしまい(図5の点線参照)、切れ味
が著しく低下してしまうことになり、比較的短時間の内
に再研磨や円盤刃体の交換が要求されるものであった。
つまり、従来構成では、図5に示すように、刃部4bに
おいて、両方の面4c,4d及び先端4eの全ての部分
において硬さが同じであったので、刃部4b自体を硬く
しても、両方の面4c,4dがに摩耗し、茎稈が最もよ
く接触する先端4eが早期に摩耗して丸くなるものであ
った。
【0004】本発明は、長期間使用しても良好な切れ味
を維持することのできる切断性能に優れた茎稈切断用刃
体、及びその茎稈切断用刃体を用いた排ワラ細断装置を
提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】請求項1に係る発明の茎稈切断用刃体は、
円盤状本体の周部に設けられた刃部を、断面視において
回転軸芯に対する交差角が垂直である仮想回転面に対し
て、その仮想回転面に近い側の第1面と、その第1面の
裏面側で前記回転軸芯及び第1面に対して斜めに交差す
る傾斜面からなる第2面とにより先細り形状に形成する
とともに、前記仮想回転面と第2面とがなす角度から、
前記仮想回転面と第1面とがなす角度を減じた値が刃部
の刃先角度となるように、仮想回転面に対する第1面と
第2面との各角度を設定し、さらに、前記第1面に耐磨
耗性の化合物の被膜による薄層を形成し、その裏面側に
前記耐摩耗性の被膜による薄層が存在しない第2面を位
置させて前記刃部を構成したことを特徴とする。
【0007】また、請求項2にかかる発明の茎稈切断用
刃体は、円盤状本体の外周が鋸歯状の刃部に形成されて
いる。
【0008】請求項3にかかる発明の茎稈切断用刃体
は、円盤状本体の外周部の板面が放射状の波形にプレス
されており、この波形プレス箇所が一側面から斜めに切
断されて、円盤状本体の全周に亘って前記刃部が鋸歯状
に形成されている。
【0009】請求項4にかかる発明の排ワラ細断装置
は、外周に刃部が形成された円盤状本体を、ほぼ平行に
架設した回転軸に所定間隔を置いてそれぞれ取付け、軸
心方向視で双方の刃部同士を互いに重複させて構成して
ある請求項1,2または3記載の茎稈切断用刃体を用い
たものである。
【0010】
【作用】上記構成によると、円盤状本体の周部に設けら
れた先細り形状の刃部の片面に耐摩耗材の化合物の被膜
による薄層が、形成され、この面が反対側の傾斜面より
も硬い状態となる。従って、切断作業の進行に伴って反
対側の傾斜面側が先行して摩耗し、耐摩耗材の薄層側
は、これに遅れて摩耗する状態となり、図1の点線で示
すように、刃部の先端には常に耐摩耗材の薄層が位置す
る。このことにより、耐摩耗材の薄層からなる先端刃縁
によって刃部には先鋭な刃先が確保されることになる。
そして、摩耗差によって常に切断刃の先端に位置するこ
とになる耐摩耗材が薄層であるために、刃部の先端はそ
の層厚さに応じた先鋭さを現出する。特に、化合物の溶
着又は溶射によって耐摩耗材の薄層を形成すると、極め
て薄い耐摩耗材の薄層を形成することができる。その
上、前記耐摩耗材の薄層が位置する刃部を、円盤状本体
の回転軸芯に対して垂直な仮想回転面に近い側の第1面
と、その第1面の裏面側で前記回転軸芯及び第1面に対
して斜めに交差する傾斜面からなる第2面とにより先細
り形状で、かつ、前記仮想回転面と第2面とがなす角度
から、仮想回転面と第1面とがなす角度を減じた値が刃
部の刃先角度となるように、仮想回転面に対する第1面
と第2面との各角度を設定して、その第1面に耐磨耗性
の化合物の被膜による薄層を形成してあるので、薄層を
形成した第1面が第2面よりも強く切断茎稈と接触する
傾向を有することになり、その薄層自体の摩耗度合いを
より少なくすることができる。
【0011】請求項2の構成によると、切断刃の摩耗に
連れて刃体の径は小さくなるが、周部に形成された鋸歯
状切断刃の刃先には、上記した自己研磨作用によって、
鋸歯の外形や形状の変化に拘わらず耐摩耗材の薄層が位
置して、常に先鋭な状態が維持される。
【0012】請求項3の構成によると、波形プレス箇所
の一側面を斜めに切断研磨することで、三次元的に凹凸
する鋸歯状の切断刃を形成することができるとともに、
その刃先を耐摩耗材の薄層による鋭利なものにすること
ができる。
【0013】請求項4の構成によると、大量の排ワラを
細断処理しても、自己研磨機能によって良好な切れ味が
維持され、効率的に排ワラを細かく切断することができ
る。
【0014】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、刃部の片面を
耐摩耗材の薄層によって硬くして、傾斜面側と耐摩耗材
の薄層側で摩耗差を生じるようにしたことにより、摩耗
が進行しても、耐摩耗材の薄層によって先鋭な先端を常
時現出して、切れ味の良い状態を維持することができ、
短期間のうちの再研磨や交換の必要なく、長期間に亘っ
て良好な切断性能を発揮させることが可能となった。し
かも、刃部における耐摩耗材の薄層が存在する面を、回
転軸芯周りでの仮想回転面に対する角度が、半径方向の
外力による影響を受けにくくなるようにして、茎稈の押
しつけによる強い摩擦を避け易くしてあるので、その薄
層自体の摩耗をも少なくして、より一層耐久性の向上を
図ることができる。
【0015】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の上記効果をもたらすとともに、特に、円盤状の切断用
刃体の回転によって茎稈を切断する刈取り装置や排ワラ
細断装置などの茎稈細断装置に有効に利用することがで
きる。
【0016】請求項3の発明によると、請求項1または
2の発明の上記効果をもたらす円盤状の茎稈切断用刃体
を安価に製作することができる。
【0017】請求項4の発明によると、頻繁な再研磨を
要することなく良好な切れ味を長く保持して、作業能率
の良いコンバインの排ワラ細断装置を実現することがで
きる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図4にコンバインの後部に装備される排ワラ細断
装置を示している。この排ワラ細断装置は、2本の回転
軸1,2を平行に架設して、この回転軸1,2に、周縁
部に刃部4bを有する円盤状の茎稈切断用刃体4をスペ
ーサ3を介し所定間隔を置いて取り付けて構成されてお
り、脱穀装置(図示せず)から出てきた排ワラを回転軸
1,2の間に供給して、各茎稈切断用刃体4の刃部4b
により数センチの長さに細かく切断し圃場に放出するよ
うになっている。
【0019】次に円盤状の前記茎稈切断用刃体4につい
て説明する。図1,2,3に示すように、平板状の本体
4aにおいて刃部4bとなる外周部をプレス加工して、
放射状の波状に形成する。そして、図1の断面視におい
て刃部4bの紙面右側に位置する第1面4cに耐磨耗性
の化合物を溶着又は溶射して極めて薄い耐摩耗材の薄層
5を形成する。この耐摩耗材の薄層5を形成する化合物
の一例としてバナジウム合金があり、形成された耐摩耗
材の薄層5の厚みは8ミクロン程度でそのマイクロビッ
カース硬さは3200程度である。
【0020】この後、図1に示すように刃部4bにおい
て、耐摩耗材の薄層5の存在側の第1面4cとは反対側
に位置する第2面4dを斜めに切断して、耐摩耗材の薄
層5が刃部4bの先端4eに位置するように構成する。
これにより、図2及び図3に示すように茎稈切断用刃体
4の刃部4bが放射状の波状に形成されるのであり、か
つ、刃部4bが鋸刃状に形成される。
【0021】このようにして、茎稈切断用刃体4は、図
1に示すように、円盤状本体4aの周部に設けられた刃
部4bを、断面視において回転軸芯に対する交差角が垂
直である仮想回転面fに対して、その仮想回転面fに近
い側の第1面4cと、その第1面4cの裏面側で前記回
転軸芯及び第1面4cに対して斜めに交差する傾斜面か
らなる第2面4dとにより先細り形状に形成してある。
さらに、前記仮想回転面fと第2面4dとがなす角度β
から、前記仮想回転面fと第1面4cとがなす角度αを
減じた値が刃部4bの刃先角度θとなるように、仮想回
転面fに対する第1面4cと第2面4dとの各角度を設
定してある。また、耐磨耗性の化合物の被膜による薄層
5を形成した前記第1面4cの裏面側に位置する第2面
4dは、前記耐摩耗性の被膜による薄層5が存在しない
ようにして前記刃部4bを構成している。
【0022】〔別実施例〕 前述の実施例では、外周の刃部4bをプレス加工して波
状に形成したが、このようなプレス加工を行わず単純な
平板状としてもよい。図1において耐摩耗材の薄層5側
の面4cは特に切断加工は行っていないが、この耐摩耗
材の薄層5側の面4cも図1において斜めに切断加工し
て、その後に溶着又は溶射により耐摩耗材の薄層5を形
成してもよい。
【0023】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】茎稈切断用刃体における切断刃付近の縦断側面
【図2】茎稈切断用刃体の全体正面図
【図3】図1の茎稈切断用刃体の切断刃を紙面上側から
見た平面図
【図4】排ワラ用の細断装置の概略平面図
【図5】従来の茎稈切断用刃体における切断刃付近の縦
断側面図
【符号の説明】
4a 茎稈切断用刃体の本体 4b 刃部 4c 刃部の第1面 4d 刃部の第2面 4e 刃部の先端 5 耐摩耗材の薄層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭53−2095(JP,U) 実開 平3−83028(JP,U) 実開 昭62−116662(JP,U) 実開 昭52−145166(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01F 29/00 - 29/22 A01F 12/40

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤状本体(4a)の周部に設けられた
    刃部(4b)を、断面視において回転軸芯に対する交差
    角が垂直である仮想回転面(f)に対して、その仮想回
    転面(f)に近い側の第1面(4c)と、その第1面
    (4c)の裏面側で前記回転軸芯及び第1面(4c)に
    対して斜めに交差する傾斜面からなる第2面(4d)と
    により先細り形状に形成するとともに、 前記仮想回転面(f)と第2面(4d)とがなす角度
    (β)から、前記仮想回転面(f)と第1面(4c)と
    がなす角度(α)を減じた値が刃部(4b)の刃先角度
    (θ)となるように、仮想回転面(f)に対する第1面
    (4c)と第2面(4d)との各角度を設定し、 さらに、前記第1面(4c)に耐磨耗性の化合物(5)
    の被膜による薄層(5)を形成し、その裏面側に前記耐
    摩耗性の被膜による薄層(5)が存在しない第2面(4
    d)を位置させて前記刃部(4b)を構成した 茎稈切断
    用刃体。
  2. 【請求項2】 円盤状本体(4a)の外周が鋸歯状の刃
    部(4b)に形成されている請求項1 記載の茎稈切断用
    刃体。
  3. 【請求項3】 円盤状本体(4a)の外周部の板面が放
    射状の波形にプレスされており、この波形プレス箇所が
    一側面から斜めに切断されて、円盤状本体(4a)の全
    周に亘って前記刃部(4b)が鋸歯状に形成されている
    請求項1または2記載の茎稈切断用刃体。
  4. 【請求項4】 外周に刃部(4b)が形成された円盤状
    本体(4a)を、ほぼ平行に架設した回転軸(1),
    (2)に所定間隔を置いてそれぞれ取付け、軸心方向視
    で双方の刃部(4b)同士を互いに重複させて構成して
    ある請求項1,2または3記載の茎稈切断用刃体を用い
    た排ワラ細断装置。
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