JP3146219B2 - 光磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

光磁気記録媒体の製造方法

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JP3146219B2
JP3146219B2 JP29564492A JP29564492A JP3146219B2 JP 3146219 B2 JP3146219 B2 JP 3146219B2 JP 29564492 A JP29564492 A JP 29564492A JP 29564492 A JP29564492 A JP 29564492A JP 3146219 B2 JP3146219 B2 JP 3146219B2
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裕二 高塚
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光等の照射によ
り数値、文書、映像、音楽等各種情報の記録、再生、消
去が可能な光磁気ディスク等の光磁気記録媒体に係り、
特に、消去、記録、再生を連続して100万回以上繰返
しても記録・再生特性の劣化が起こり難い光磁気記録媒
体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザ光等光ビームを使用して情報の記
録、再生、消去が行える光磁気記録媒体は高密度の情報
記録を可能ならしめ、情報の消去、追記記録等が簡便か
つ迅速に行える等優れた情報処理能力を備えている。
【0003】以下、図面を用いてこの光磁気記録媒体の
構成例を説明すると、図9に示すようにガラス若しくは
プラスチック等から成る透明基板10と、この透明基板
10上に製膜され光磁気効果を増大させるための誘電体
干渉膜20と、この誘電体干渉膜20上に製膜されその
磁化容易軸が膜面に対し垂直な光磁気記録膜30と、こ
の光磁気記録膜30上に製膜され光磁気記録膜30を保
護するための誘電体保護膜40とでその主要部が構成さ
れている。尚、図9中、50はレーザ光を反射させる反
射膜である。
【0004】そして、この光磁気記録媒体を用いて情報
の記録を行うには、上記光磁気記録媒体に対してレーザ
光等光ビームを照射し光磁気記録膜30の一部が熱せら
れ磁化が消失するキュリー温度近傍になったところでバ
イアス磁界を作用させてその部位の磁化を反転させる一
方、記録情報を消去するには記録時とは逆向きのバイア
ス磁界を作用させその部位の磁化を反転させてこれを行
うものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の光磁
気記録媒体においては、消去、記録、再生を連続して1
00万回程度繰返した場合、その熱感度と磁界感度が経
時的に変化し易く、これ等感度の変化に起因して記録・
再生特性の劣化が起こる欠点があり、初期に記録された
信号に較べて新たに記録される信号のCNR(キャリア
・ノイズ・レシオ)が低下する問題点があった。
【0006】特に、光磁気記録媒体においては頻繁に記
録・消去がなされる領域とあまり書替えがなされない領
域とが存在するため、上記感度の経時変化に伴い同一記
録媒体内に記録・再生特性が相違する複数の記録領域が
並存してしまい記録された信号のCNRがその領域によ
ってばらついてしまう問題点があった。
【0007】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、消去、記録、再
生を連続して100万回以上繰返しても記録・再生特性
の劣化が起こり難い光磁気記録媒体の製造方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この様な技術的背景の
下、本発明者等は上記熱感度と磁界感度が経時的に変化
する原因について鋭意分析したところ、消去、記録又は
再生時におけるレーザ光等光ビームの照射により光磁気
記録媒体の光磁気記録膜が加熱され、その温度上昇(ア
ニール)に起因してそのアモルファス構造が変化しかつ
この構造変化に伴う磁気特性、特に保磁力の減少やこの
保磁力と略比例関係にある磁壁抗磁力の減少にその原因
があるものと考えた。
【0009】そこで、本発明者等は、そのビームスポッ
ト径が1トラック巾に相当するレーザビームを用い1ト
ラックについて消去・記録・再生を連続して100万回
繰返し(以下、消去・記録・再生を連続して繰返すテス
トをE/W/Rサイクルテストと呼ぶ)その熱感度と磁
界感度が変化した光磁気記録媒体を求めると共に、この
光磁気記録媒体の600トラック(約1mmの巾)につ
いて更に1万回のE/W/Rサイクルテストを行い、か
つ、そのテスト部位のカー回転角をレーザスポット径
0.1mmのカー回転角測定装置により測定したとこ
ろ、予期した通りその保磁力が減少していることを確認
できた。
【0010】尚、上記温度上昇(アニール)に伴う磁気
特性の劣化を、以下、アニール劣化と称する。
【0011】そして、上記保磁力の減少は光磁気記録媒
体の熱感度と記録磁区の再生安定性に悪影響を与え、上
記磁壁抗磁力の減少は再生安定性を悪化させると共に磁
界感度を変化させると考えられる。
【0012】この様な技術的見地に基づき本発明者等は
アニール劣化を起こし難い光磁気記録膜について詳細な
検討を行ったところ、上記光磁気記録膜を構成する希土
類−遷移金属合金膜をスパッタリング製膜する際、その
基板温度を80℃以上に加熱することによりアニール劣
化を起こし難い光磁気記録膜が求められることを見出し
た。これは、光磁気記録膜の製膜温度を80℃以上に上
げることにより製膜される光磁気記録膜の密度が高くな
り、その分、光磁気記録膜の構造が安定してE/W/R
サイクルによる原子の移動が起こり難くなるためと考え
られる。
【0013】この様に光磁気記録膜の製膜温度を80℃
以上に上げることによりアニール劣化が起こり難い光磁
気記録膜を得られたが、その反面、上記光磁気記録膜を
製膜する際の基板温度を高くするにつれて製膜時におけ
る光磁気記録膜の保磁力が低下し、基板温度を80℃以
上に設定すると室温で製膜した場合に較べてその保磁力
が1kOeから数kOe程度減少してしまい、この結
果、記録磁区が消え易くなりその記録磁区の再生安定性
が経時的に低下してしまう弊害を有することも判明し
た。
【0014】尚、この保磁力の低下は製膜された光磁気
記録膜の組成分析から酸化等の化学的変化でないことが
確認されている。また、この光磁気記録膜における異方
性磁界の測定からその異方性磁界が減少していることも
確認されている。そして、これ等の分析から、光磁気記
録膜の構造的又は応力等の力学的な原因で上記保磁力が
減少したためと考えられる。
【0015】そこで、本発明者等は上記光磁気記録膜の
製膜温度を80℃以上に加熱して製膜する際、製膜され
る光磁気記録膜とこれに隣接する誘電体干渉膜及び誘電
体保護膜との間に熱膨張率の差異に伴う応力を積極的に
生じさせることにより上記光磁気記録膜の保磁力の減少
を防止できることを見出して本発明を完成するに至った
ものである。
【0016】すなわち、請求項1に係る発明は、誘電体
干渉膜と、この誘電体干渉膜上に製膜されその磁化容易
軸が膜面に対し垂直な希土類−遷移金属合金を主成分と
する光磁気記録膜と、この光磁気記録膜上に製膜された
誘電体保護膜を基板上に備える光磁気記録媒体の製造方
法を前提とし、上記誘電体干渉膜よりその熱膨張率が高
い材料にて上記基板を構成し、かつ、この基板上に誘電
体干渉膜をスパッタリング法により製膜した後、基板を
80℃以上に加熱しこの温度条件下において上記誘電体
干渉膜上に光磁気記録膜と誘電体保護膜をスパッタリン
グ法により順次製膜することを特徴とするものである。
【0017】この請求項1に係る発明において上記誘電
体干渉膜及び誘電体保護膜は、透明で、かつ、光磁気記
録膜を酸化等の劣化から保護する材料が適用され、例え
ば、SiNx、AlN、SiO2、SiO、Ta25
AlO3、SiAlN、及びSiAlON等の誘電体材
料が挙げられる。
【0018】一方、上記光磁気記録材料は、従来同様、
ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ディスプ
ロシウム(Dy)等の希土類元素と、鉄(Fe)、コバ
ルト(Co)等の遷移金属元素の非晶質合金が適用さ
れ、例えばGdTbFe、TbDyFe、TbFeC
o、DyFeCo等の3元系合金や、GdTbFeC
o,TbDyFeCo、GdDyFeCo等の4元系合
金等が挙げられる。
【0019】そして、請求項1に係る発明においては基
板上に誘電体干渉膜を製膜した後に上記基板を80℃以
上に加熱しており、上記誘電体干渉膜の製膜時には基板
を加熱していないため、ポリカーボネイト基板等上記誘
電体干渉膜よりその熱膨張率が高い基板を適用してもこ
の基板とこの上に製膜される誘電体干渉膜との密着力は
弱くなりこれ等間に生ずる応力も小さな値になってい
る。
【0020】また、上記誘電体干渉膜を製膜した後、基
板を80℃以上に加熱しこの温度条件下において誘電体
干渉膜上に光磁気記録膜と誘電体保護膜とを順次製膜し
ているため光磁気記録膜のアニール劣化を防止すること
が可能となる。また、光磁気記録膜を構成し希土類−遷
移金属合金を主成分とする上記光磁気記録材料の熱膨張
率は誘電体干渉膜や誘電体保護膜を構成する誘電体材料
の熱膨張率に較べて高く、上記誘電体干渉膜と光磁気記
録膜との間及び光磁気記録膜と誘電体保護膜との間には
熱膨張率の差異に伴う応力(膜ストレス)が発生してい
るため、上記光磁気記録膜を製膜する際の基板温度が8
0℃以上に設定されているにも拘らず上記応力の作用に
より光磁気記録膜の保磁力の減少を防止する(保磁力を
1kOe程度以上増加させることが可能となる)ことも
可能となる。尚、この発明においては、上記誘電体干渉
膜と誘電体保護膜の製膜温度が相違し、この製膜温度の
差で生ずる膜密度の差、すなわち平均原子間距離の差の
ため誘電体干渉膜と光磁気記録膜との間に作用する応力
と光磁気記録膜と誘電体保護膜との間に作用する応力と
は同一でないと考えられるが、上記膜密度の差が光磁気
記録膜の保磁力増大を図る上において支障になることは
なかった。
【0021】また、上記光磁気記録膜の製膜温度を80
℃以上の条件で行い、かつ、誘電体保護膜については室
温程度の温度条件でスパッタリング製膜したところ光磁
気記録膜における保磁力の減少を防止できないことが確
認された。これは、室温程度の温度条件で上記誘電体保
護膜を光磁気記録膜上にスパッタリング製膜したため、
誘電体保護膜と光磁気記録膜との密着力が弱くなり誘電
体保護膜の内部応力が光磁気記録膜に十分伝わっていな
いためと考えられる。そして、このような条件で製造さ
れた光磁気記録媒体はその光磁気記録膜の製膜温度が8
0℃以上に設定されているためアニール劣化の防止が図
れ、消去、記録、再生を連続して100万回以上繰返し
ても記録・再生特性の劣化は起こり難いが、光磁気記録
膜における保磁力減少の防止が図れないため、記録情報
の再生を連続して100万回程度繰返した場合その再生
信号の経時劣化を引起こすものであった。従って、この
発明においては上記誘電体干渉膜と光磁気記録膜との間
及び光磁気記録膜と誘電体保護膜との間に内部応力が発
生する温度条件でこれ等各被膜をスパッタリング法によ
り順次製膜させることを要する。
【0022】ここで、本発明においては上記基板として
誘電体干渉膜よりその熱膨張率が高い材料を適用してい
るため、上記基板を80℃以上に加熱しこの温度条件で
誘電体干渉膜を基板上にスパッタリング製膜した場合、
光磁気記録膜の保磁力を増大させる作用とは逆向きの内
部応力が上記基板と誘電体干渉膜との間に発生してしま
い光磁気記録膜の保磁力増大が図れなくなることがあ
る。従って、本発明においては上記誘電体干渉膜を製膜
した後に基板を80℃以上に加熱することを要する。
【0023】この様に請求項1に係る発明により光磁気
記録膜のアニール劣化を防止できると共に光磁気記録膜
の保磁力の減少も有効に防止することが可能となる。
【0024】尚、上記光磁気記録膜におけるアニール劣
化を防止するためには光磁気記録膜の製膜温度を80℃
以上に設定すれば十分であり、従って、上記誘電体保護
膜の製膜温度については80℃以上であれば光磁気記録
膜の製膜温度と同一に設定する必要はない。
【0025】また、上記アニール劣化を防止するための
製膜温度の上限は適用される基板材料の種類によって異
なり、例えば、ポリカーボネイト基板についてはガラス
転移温度(約120℃)以上になると基板が変形する恐
れがあるため110℃程度までが好ましい。
【0026】ここで、請求項1に係る発明において光磁
気記録媒体の基板に適用できる材料としては、従来同
様、ポリカーボネト、エポキシ樹脂、ポリオレフィン
系樹脂等が挙げられる。
【0027】また、光磁気記録膜としては耐環境性向上
のため、4原子%以下程度のCrやTi等を添加する場
合もある。また、光磁気記録膜の光ビーム照射側とは反
対側の誘電体保護膜上にAl、Au、Cu等の金属とこ
れ等金属とCrやTi等との合金膜で構成される実効的
にカー回転角を大きくする反射膜を設けてもよい。
【0028】尚、この反射膜を製膜する際の基板温度に
ついては80℃以上に設定することは要しない。
【0029】また、上記基板についてはトラッキングを
容易にするための案内溝や信号の読取りに利用されるピ
ット(プレフォーマット信号ピット)、及び、ROM領
域等を予め設けてもよい。
【0030】
【作用】請求項1に係る発明によれば、誘電体干渉膜よ
りその熱膨張率が高い材料にて基板を構成し、かつ、こ
の基板上に誘電体干渉膜をスパッタリング法により製膜
した後、基板を80℃以上に加熱しこの温度条件下にお
いて上記誘電体干渉膜上に光磁気記録膜と誘電体保護膜
をスパッタリング法により順次製膜している。
【0031】そして、この発明においては基板上に誘電
体干渉膜を製膜した後に上記基板を80℃以上に加熱し
ており、上記誘電体干渉膜の製膜時には基板を加熱して
いないため、ポリカーボネイト基板等上記誘電体干渉膜
よりその熱膨張率が高い基板を適用してもこの基板とこ
の上に製膜される誘電体干渉膜との密着力は弱くなりこ
れ等間に生ずる応力も小さな値になっている。
【0032】また、上記誘電体干渉膜を製膜した後、基
板を80℃以上に加熱しこの温度条件下において誘電体
干渉膜上に光磁気記録膜と誘電体保護膜とを順次製膜し
ている。従って、光磁気記録膜のアニール劣化を防止す
ることが可能となり、また、光磁気記録膜を構成し希土
類−遷移金属合金を主成分とする上記光磁気記録材料の
熱膨張率は誘電体干渉膜や誘電体保護膜を構成する誘電
体材料の熱膨張率に較べて高く、上記誘電体干渉膜と光
磁気記録膜との間及び光磁気記録膜と誘電体保護膜との
間には熱膨張率の差異に伴う応力が発生しているため、
上記光磁気記録膜を製膜する際の基板温度が80℃以上
に設定されているにも拘らず上記応力の作用により光磁
気記録膜の保磁力の減少を防止することも可能となる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。
【0034】[実施例1] 図1に示すようにポリカーボネト製透明基板11上に
35〜40℃条件下においてスパッタリング法により膜
厚1200Åの非晶質窒化硅素(SiNx)の誘電体干
渉膜21を製膜し、次いで、この誘電体干渉膜21が製
膜された透明基板11を抵抗加熱法により90℃に加熱
した後、この温度条件下において上記誘電体干渉膜21
上にTb19.5Fe71Co9.5から成る膜厚200Åの光
磁気記録膜31と、非晶質窒化硅素(SiNx)から成
る膜厚300Åの誘電体保護膜41と、Al97Ti3
ら成る膜厚500Åの反射膜51を連続的にスパッタリ
ング法により製膜し、かつ、この反射膜51上に紫外線
硬化型樹脂から成るオーバーコート層61を設けて光磁
気記録媒体を製造した。
【0035】尚、製造されたこの光磁気記録媒体につい
て図4に示すようにその磁化と外部磁場の関係を示した
磁化曲線(M−Hループ)を求めたところ、この光磁気
記録膜31の保磁力は4.5kOe程度の値を示しその
ヒステリシスループの角型性が良好であることが確認で
きた。
【0036】この光磁気記録媒体の性能を確認するた
め、ナカミチ製光磁気記録媒体検査装置(商品名:OM
S2000)を用いて100万回のE/W/Rサイクル
テストを行いその熱感度と磁界感度を測定した。
【0037】尚、E/W/Rサイクルテストの条件は以
下の通りである。
【0038】すなわち、記録媒体の回転数は1800r
pm、記録媒体上の測定位置は半径30mmの部位と
し、かつ、ERASEパワー(消去パワー):10m
W、WRITEパワー(記録パワー):6mW、REA
Dパワー(再生パワー):2mWの照射条件で行った。
【0039】そして、熱感度の変化を図2に、磁界感度
の変化を図3に示す。
【0040】図2及び図3の結果から、実施例に係る光
磁気記録媒体においては消去、記録、再生を100万回
繰返しても記録・再生特性の劣化が起こらず、かつ、初
期に記録された信号(図中□で示す)と100万回繰返
した後に記録された信号(図中△で示す)のCNRの差
異はほとんどないことが確認された。
【0041】一方、初期に記録された信号情報について
READパワー(再生パワー):2mWの条件で連続し
て100万回繰返し再生してもそのCNRの低下は0.
3dB程度に過ぎなかった。
【0042】[比較例1] 35〜40℃条件で上記ポリカーボネイト製透明基板1
1上に誘電体干渉膜21、光磁気記録膜31、誘電体保
護膜41、反射膜51を順次連続的に製膜した点を除き
実施例1と略同一の条件で図1に示す光磁気記録媒体を
製造した。
【0043】尚、製造されたこの光磁気記録媒体につい
て図7に示すようにその磁化と外部磁場の関係を示した
磁化曲線(M−Hループ)を求めたところ、この光磁気
記録膜31の保磁力は5.4kOe程度でそのヒステリ
シスループの角型性が悪いことが確認できた。
【0044】そして、実施例に係る光磁気記録媒体との
性能を比較するため実施例1と同様の条件で100万回
のE/W/Rサイクルテストを行いその熱感度と磁界感
度を測定した。尚、図5に熱感度の変化を、図6に磁界
感度の変化を示す。
【0045】これ等図の結果から、比較例1に係る光磁
気記録媒体においては、消去、記録、再生を100万回
繰返したことにより熱感度が初期状態より高感度とな
り、かつ、磁界感度も変化してしまい記録・再生特性の
劣化が起こっており、また、初期に記録された信号(図
中□で示す)と100万回繰返した後に記録された信号
(図中△で示す)のCNRも大きく相違することが確認
された。
【0046】また、初期に記録された信号情報について
READパワー(再生パワー):2mWの条件で連続し
て100万回繰返し再生したところ、初期に較べて10
0万回後の再生信号のCNRは0.8dB低下してい
た。
【0047】[比較例2] 光磁気記録膜31の製膜温度条件についてのみポリカー
ボネイト製透明基板11を90℃に加熱し、他の誘電体
干渉膜21、誘電体保護膜41、反射膜51については
35〜40℃の条件で順次製膜した点を除き実施例1と
略同一の条件で図1に示す光磁気記録媒体を製造した。
【0048】尚、製造されたこの光磁気記録媒体につい
て図8に示すようにその磁化と外部磁場の関係を示した
磁化曲線(M−Hループ)を求めたところ、この光磁気
記録膜31の保磁力は3.3kOe程度の値を示しその
ヒステリシスループの角型性が良好であることが確認で
きた。
【0049】そして、この光磁気記録媒体を用い初期に
記録された信号情報についてREADパワー(再生パワ
ー):2mWの条件で連続して100万回繰返し再生し
たところ、初期に較べて100万回後の再生信号のCN
Rは2.1dBも低下しており再生信号の劣化が起きて
いることが確認できた。
【0050】尚、実施例1と同一の条件で100万回の
E/W/Rサイクルテストを行いその熱感度と磁界感度
を測定したところ、実施例1の光磁気記録媒体と略同様
の結果が得られた。
【0051】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、誘電体干
渉膜よりその熱膨張率が高い材料から成る基板とこの上
に製膜される誘電体干渉膜との間に生ずる応力を抑制で
き、かつ、この基板を80℃以上に加熱した状態で光磁
気記録膜を製膜しているため光磁気記録膜のアニール劣
化を防止することが可能となり、また、上記誘電体干渉
膜と光磁気記録膜との間及び光磁気記録膜と誘電体保護
膜との間には熱膨張率の差異に伴う応力が発生している
ため、上記光磁気記録膜を製膜する際の基板温度が80
℃以上に設定されているにも拘らず上記応力の作用によ
り光磁気記録膜の保磁力の減少を防止することも可能と
なる。
【0052】従って、消去、記録、再生を連続して10
0万回以上繰返しても記録・再生特性の劣化が起こり難
く、しかも、記録情報の再生を連続して100万回程度
繰返してもその再生信号の劣化が起こり難い光磁気記録
媒体を提供できる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る光磁気記録媒体の構成を示す断面
図。
【図2】実施例1に係る光磁気記録媒体についてその初
期の記録レーザパワーとCNRとの関係を示すグラフ図
と100万回のE/W/Rサイクルテスト後の記録レー
ザパワーとCNRとの関係を示すグラフ図である。
【図3】実施例1に係る光磁気記録媒体についてその初
期の記録磁界とCNRとの関係を示すグラフ図と100
万回のE/W/Rサイクルテスト後の記録磁界とCNR
との関係を示すグラフ図である。
【図4】実施例1に係る光磁気記録媒体についてその磁
化と外部磁場の関係を示した磁化曲線(M−Hループ)
のグラフ図である。
【図5】比較例1に係る光磁気記録媒体についてその初
期の記録レーザパワーとCNRとの関係を示すグラフ図
と100万回のE/W/Rサイクルテスト後の記録レー
ザパワーとCNRとの関係を示すグラフ図である。
【図6】比較例1に係る光磁気記録媒体についてその初
期の記録磁界とCNRとの関係を示すグラフ図と100
万回のE/W/Rサイクルテスト後の記録磁界とCNR
との関係を示すグラフ図である。
【図7】比較例1に係る光磁気記録媒体についてその磁
化と外部磁場の関係を示した磁化曲線(M−Hループ)
のグラフ図である。
【図8】比較例2に係る光磁気記録媒体についてその磁
化と外部磁場の関係を示した磁化曲線(M−Hループ)
のグラフ図である。
【図9】従来例に係る光磁気記録媒体の構成を示す断面
図。
【符号の説明】
11 透明基板 21 誘電体干渉膜 31 光磁気記録膜 41 誘電体保護膜 51 反射膜 61 オーバーコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−159363(JP,A) 特開 平6−124489(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 11/105

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体干渉膜と、この誘電体干渉膜上に製
    膜されその磁化容易軸が膜面に対し垂直な希土類−遷移
    金属合金を主成分とする光磁気記録膜と、この光磁気記
    録膜上に製膜された誘電体保護膜を基板上に備える光磁
    気記録媒体の製造方法において、 上記誘電体干渉膜よりその熱膨張率が高い材料にて上記
    基板を構成し、かつ、この基板上に誘電体干渉膜をスパ
    ッタリング法により製膜した後、基板を80℃以上に加
    熱しこの温度条件下において上記誘電体干渉膜上に光磁
    気記録膜と誘電体保護膜をスパッタリング法により順次
    製膜することを特徴とする光磁気記録媒体の製造方法。
JP29564492A 1992-11-05 1992-11-05 光磁気記録媒体の製造方法 Expired - Fee Related JP3146219B2 (ja)

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