JP3148861B2 - 樹脂の熱的安定化方法および樹脂組成物 - Google Patents

樹脂の熱的安定化方法および樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一般的にはガラスおよびガラス製品を被覆す
るのに適したコーティング組成物に関する。さらに詳細
には、本発明はガラス光ファイバのための放射硬化型ア
クリレートコーティング組成物に関する。
通信の分野において比較的最近なされた技術革新は、
ガラス光ファイバの開発である。適切なコーティングと
ケーブル化により適当に保護すれば、これらのファイバ
は大量の情報を遠隔地まで非常に僅かの信号減衰で送る
ことができる。
しかし、良く知られているように、保護コーティング
はガラス通信ファイバの製造時に施さなければならな
い。コーティングの目的はファイバの本来の強度を保つ
ためと、通信ケーブル内で信号損失を生じさせるある種
の曲りが起るのを防ぐためである。ファイバに施される
コーティングはコーティングされたあるいはケーブル化
されたファイバが、使用中に物理的応力および(また
は)温度の変化を受けた時に生じうる短い半径曲げ(所
謂マイクロベンディング)を生じにくくできるものでな
ければならない。
上記の要件は、相俟って、光ファイバに施したコーテ
ィングが相当な靭性を持つと同時にファイバに加えられ
た横方向歪みを分配するのに十分な柔軟性を有すること
を求めている。これらの要求を満たすための例えばシリ
コンポリマ、シリコンオイル、ラッカー、そしてウレタ
ンおよび(または)アクリレートポリマのような種々の
コーティング材料が光ファイバ用コーティング材として
提案されている。
生産能率のため、光ファイバ業界では非常に早い光フ
ァイバ線引き速度が現在適用されていることからさらに
別の要求が出て来ている。従って、経済的な生産のた
め、光ファイバの表面に迅速に適用され、硬化されるこ
とが可能なガラスコーティング材料が求められている。
現在、能率的な光ファイバ生産のために好んで用いられ
るコーティング材は、溶材の蒸発または加熱を必要とす
ることなしに単に未硬化樹脂材料を適用したファイバを
強い光線にさらすだけです早く硬化できる照射硬化型コ
ーティング組成物である。
ガラス光ファイバに対する保護コーティング用として
現在使用されている照射硬化型コーティング組成物のう
ちに照射硬化型アクリレート材がある。これらのアクリ
レート材は液状で入手できる典型的な紫外線硬化型オリ
ゴマーまたはポリゴマーであり、非常に広い温度範囲に
わたってすぐれた柔軟性を有し、良好な張力と靭性そし
て急速な紫外線硬化特性を示す。
これらの紫外線硬化型アクリレート材の好ましい例は
ヨーロッパ特許出願公開公報第EPO 204160号と第EPO
204161号に報告されている。当該技術分野で大ざっぱに
紫外線硬化型ポリウレタンアクリレートと呼ばれてい
る。上記公開公報に述べられているアクリレート材は、
その使用においてはアクリレートターミネイテッド・ポ
リウレタン・オリゴマー、ポリユリアオリゴマー、ある
いはポリウレタン/ポリユリアオリゴマーと呼ばれる樹
脂を基材としている。
これらの光ファイバに使うために選択された樹脂組成
物が長期間にわたってその特性を維持することが重要で
あるのは云うまでもない。従って、周囲温度の変化やそ
の他の環境上の変化に長期間曝されてもその特性は、特
に弾性は著しい変化を示してはならない。以前の光ファ
イバコーティングの多くは、環境上の変化に曝されると
特性が可成りの変化を示した。これらの変化は、コーテ
ィングの化学構造、純度および/または硬化の程度によ
って生じる。これらの影響に対抗するため、これまでは
酸化防止剤、紫外線安定剤、加水分解剤等の硬化したコ
ーティングが組成や構造の変化に対して安定化されるの
を助長する種々の添加剤を使用するのが慣例であった。
使用する添加剤の種類は、勿論改善しようとするコー
ティングシステムによって決まる。従って、ある樹脂系
で効果があったものが他の樹脂系で使用した場合有益な
効果が出るか有害な効果が出るかは予測することが容易
ではない。光ファイバ用に現在使用されているポリウレ
タンアクリレートの場合、ヒンダードピペリジン誘導体
のような誘導体が従来使われていた。例えば、UV硬化:
科学と技術(UVcuring:Science and Technology)、S.
P.Pappas編、第2巻、第6章(1985)のL.R.Gatechair
による“UV硬化コーティングの耐候性”(“Weathering
of UV Cured Coatings")に述べられている。しかし、
硬化後および硬化前の樹脂に対する影響が心配されたた
め、その他の添加剤は使用されていない。例えば、酸化
防止添加剤は、これらの樹脂を急速に硬化させる遊離基
硬化プロセスを妨げることのあることが知られている。
光ファイバコーティング用に使われる紫外線硬化樹脂
組成物に安定化成分を添加する場合、樹脂のいくつかの
重要な性質は実質的な影響を受けてはならない。添加剤
はコーティングを施すために使用される樹脂の硬化速度
を遅くしてはならず、未硬化樹脂組成物の貯蔵寿命に望
ましくない影響を与えてはならず、また硬化したコーテ
ィングの短期ないし長期の弾性に影響を与えてはならな
い。
上記のヨーロッパ特許出願公開公報に述べられた種類
の現在入手可能な樹脂(このうちのいくつかは、光ファ
イバに高弾性、低弾性係数のコーティングを施すために
現在使用されている)は全般的に急速な硬化、低弾性係
数と高い靭性という要求されるすべての特性を発揮す
る。しかし、これらの組成物のうちの少なくともいくつ
かは、必要な熱安定性を示さないことが最近判明した。
よって、高温に対して短時間露呈された場合に劣化を示
すこれらの種類の材料から試料をとって評価を行った。
これらのコーティングにおいて認められた熱不安定性
を起す詳細なメカニズムは明らかにされてはいない。し
かし、加熱温度が低く、85℃までの場合は照射硬化樹脂
では著しい損失重量があることが認められた。130℃ま
での温度では、比較的短時間露呈した場合でも相当な損
失重量が起きることも認められた。さらに、光ファイバ
が実際に使用された場合に曝されると思われるもっと低
い温度では、熱崩壊がもっとゆっくり起ると当然考えら
れる。このことは容認できることではないと思われる。
その理由は熱崩壊反応のガスまたは液体副産物は、これ
らの副産物が光ケーブルの中へ入ったままとなり予想で
きない応力が発生した結果、光ファイバの減衰の問題を
起す可能性があるからである。
この発明の主な目的は、上記の現在使用されているタ
イプのポリウレタンおよび(または)ポリユリアアクリ
レート・コーティングにおける硬化コーティングの熱不
安定の問題に対する解決策を提供することにある。
この発明の他の目的は、硬化した後で、このタイプの
既知のコーティングで起る急速な熱的劣化(thermal de
gradation)を起さない安定したポリウレタンまたはポ
リユリア・コーティングを提供することにある。
この発明のその他の目的および利点は、以下の説明に
よって明らかになるであろう。
上述した既知のタイプのポリウレタン樹脂およびポリ
ユリア樹脂のひとつの考えられる劣化の態様(モード)
は酸解重合である。従って、高温における硬化した樹脂
コーティングと酸素との相互作用により硬化樹脂からモ
ノマー類(monomeric species)あるいは揮発性の有機
化合物が形成されたり、蒸発したりすることが起り得
る。
しかし、この仮説を試験する目的で行った調査では、
仮定した解重合反応は、もし起ったとしても、酸素が存
在しない中で起り得ること、そしてこれらの反応はアル
ゴンのような不活性雰囲気の中で急速に進むと見られる
ことが示された。従って、差動走作熱量計による測熱試
験では、アルゴン中の90〜100℃における発熱反応が上
記タイプの少なくともひとつの商用コーティングで起る
ことが示された。このことは、これらのコーティングに
おけるひとつの重要な劣化の熱的に誘起される態様は大
量の余剰酸素の存在に左右されないことを示唆してい
る。
この発明によれば、硬化した樹脂が熱的に誘起される
解重合および(または)その他の劣化反応を起さないよ
うに、容認できない副産物を伴うことなしに、安定化さ
せるのに非常に効果がある添加剤のひとつの組合せが明
らかとなった。この組合せは、ヒンダードピペリジン誘
導体とヒンダードフェノールからなる組合せである。
このタイプのヒンダード誘導体は、ポリブタジエン系
において酸化防止剤として使用されて来た。従って、プ
ラスチック・アンド・ラバー・インスチチュートの電気
通信におけるプラスチックに関する第4回国際会議(14
/1−14/9(1986))におけるエム・ジー・チャン他によ
る「光ファイバ用紫外線硬化型コーティングの安定化」
という報告において、これらの誘導体は、酸化性環境に
あってポリブタジエン樹脂の酸化を遅らせる有益な効果
があることが明らかにされた。
驚くべきことに、このフェノールとピペリジンの組合
せは、今では現在商業上の興味が持たれているポリウレ
タンアクリレート系における熱解重合および(または)
その他の劣化反応を、これらの系の硬化速度を遅らせる
ことなしに、減少させるのに極めて有効であることが明
らかにされた。この有効性は、比較的広い温度範囲にお
いて、かつ比較的低い誘導体濃度において発揮される。
さらに、これらの安定剤からなる組成物の熱重量分析
(TGA)によって、コーティング重量損失をもたらす反
応が酸化条件下並びに不活性ガスの中で顕著に遅らせら
れるということが明示された。このことから、光ファイ
バをケーブル化した環境の中で、予想される使用温度に
おいて、安定剤のこの組合せによって、熱による重量損
失を効果的になくすことができると期待される。
従って、この発明は硬化後の熱分解が起らないように
紫外線硬化型ポリウレタンアクリレート樹脂、ポリユリ
アアクリレート樹脂、ポリウレタン/ポリユリアアクリ
レート樹脂を安定化させる方法を含む。この方法は、上
記樹脂に対して上記の安定剤の組合せを加える工程を含
んでいる。安定剤の組合せは、基本的にヒンダードピペ
リジン誘導体とヒンダードフェノール誘導体とから構成
されるであろう。この組合せは、硬化した樹脂の熱分解
速度、即ち、熱による重量損失速度を遅らすのに少なく
とも効果のある濃度で添加される。
この発明は、既知のタイプの紫外線硬化型ポリウレタ
ンアクリレート樹脂、ポリユリアアクリレート樹脂、ポ
リウレタン/ポリユリア樹脂の組成物の改良を含む。こ
の改良はヒンダードピペリジン誘導体とヒンダードフェ
ノール誘導体からなる安定剤の組合せを樹脂に添加する
ことによりなる。安定剤は、両方合せて、硬化した樹脂
の熱分解を減少させるのに少なくとも効果のある濃度で
加えられる。
この発明による安定化に適した紫外線硬化ウレタン−
アクリレートコーティング組成物はヨーロッパ特許出願
第EPO 204160号および第EPO 204161号に述べられてい
る既知の組成物を含む。これらの組成物はポリアクリレ
ートを未端基とするあるいはアクリレートを未端基とす
る線状ポリウレタンオリゴマー、ポリユリアオリゴマ
ー、ポリウレタン/ポリユリアオリゴマーを主成分とし
て構成されている本明細書でポリウレタン/ポリユリア
オリゴマーあるいは樹脂と呼んでいるのは、分子中のウ
レタンおよびユリア類からなる樹脂あるいはオリゴマー
のことを指している。これらの材料およびこれらを使用
した化合物の合成については、引用した特許出願公報に
詳細に述べられている。主成分と呼んだものは、ひとつ
のオリゴマーあるいはこれらのオリゴマーのひとつの組
合せがコーティング組成物の少なくとも約50重量パーセ
ントを占める成分を指す。
このタイプの組成物は、上述の添加剤を加えることに
よって硬化時間を容認できないほど長くすることもな
く、硬化したコーティングの弾性特性に望ましくない変
化を与えることもなく、変性されうることが明らかとな
った。さらに、安定剤の上記組合せからなるこのタイプ
の未硬化樹脂の貯蔵寿命と、これから得られるコーティ
ングの美観上の特性とは実質的な影響を受けることはな
い。
以下図面を参照して本発明の実施例につき説明する。
プラスチック樹脂の経時的安定性を評価するため、従
来の技術では多数の試験が行われて来た。しかし、本発
明の実施例では、熱的老化が上述した解重合挙動を示す
硬化ウレタン−アクリレート・コーティングの特徴を評
価するのに最も有効な方法であることが判った。
これらの樹脂の加熱試験は、2つのはっきり異った方
法で実施することができる。第1の方法は、硬化した樹
脂試料を加熱することにより重量損失を時間の関数とし
て測定することを含む。第2の方法は、試料を加熱して
長時間ある一定の温度に保ち、試料の重量を時間の関数
として連続的に測定するものである。
樹脂試料を長時間一定の温度を保つように加熱する方
がケーブル化したファイバの実際の老化条件によりよく
対応すると考えられる。しかし、主に100℃以下である
ケーブル化したファイバの予想されるさらに高い使用温
度で老化を調べることは、この温度では熱的劣化速度が
非常に遅いため、実際的ではない。従って、上記の予想
されるさらに高い使用温度より幾分高い温度で加速老化
を行い、使用温度におけるコーティングの安定性の予測
を可能にする情報を得ている。可速老化試験は、これら
のコーティング材料において劣化が起るメカニズムを理
解するのにも役立つ。
前にも述べたように、既知の紫外線硬化型ウレタンア
クリレートにおいて急速な重量損失を起させる反応は、
アルゴンのような不活性雰囲気の中でも、即ち、遊離酸
素が全く存在しない中でも起ることが立証されている。
第1図を参照すると、50〜350℃の温度範囲における流
れるアルゴン雰囲気の中でポリウレタンアクリレート樹
脂の安定化されていない硬化試料を加熱しながら測定し
た場合のその試料の重量損失をプロットした曲線Aによ
って、上記の効果が示されている。第1図を良く見ると
明らかなように、安定化されていない樹脂は約130℃で
急速な重量損失が始まり、300℃では重量損失が20%を
超えている。
第1図の曲線Bは、同様の加熱によって、この発明に
従って得られる安定化した、硬化ポリエチレンアクリレ
ートの挙動を示す。安定化されていないコーティングと
は異り、第1図に示した安定化したポリウレタン・アク
リレート樹脂はアルゴン中で300℃以下の温度では重量
損失が極めて僅かしか生じない。
曲線AとBの間の著しい相違点は、これらのコーティ
ングを加熱した時に観察される望ましくない解重合反応
を抑制するのに選択した安定剤の組合せが予想できなか
った効果を示すことである。この挙動は極めて重要であ
る。何故なら光ファイバケーブル環境は、試験環境と同
様に、一般に遊離酸素(free oxygen)をほとんど、あ
るいは全く含んでいないからである。
第2図は、この発明によって得られる安定化した、硬
化ポリウレタン・アクリレート・コーティング材料の熱
重量分析(TGA)の結果を示す。この図は試料重量の経
時的な変化を示す曲線であり、そのデータは硬化樹脂の
小さな試料についてTGA試験を行って求めたものであ
る。この試験では、それぞれの試料を、空気中におい
て、選択された高い分解温度で、長時間加熱した。各試
験の加熱温度は、各対応曲線のそばに示した。
これらの安定化樹脂の第2図におけるTGA試験結果を
示す曲線の特徴は、低い分子量の未反応材料、例えばモ
ノマー、光重合開始剤あるいは水、が蒸発して、初期加
熱で少量ながら急速に重量損失(約2%)が起ることで
ある。この初期重量損失に続いて、比較的長時間にわた
ってもっとゆるやかな重量損失が起る。その時間の長さ
は、樹脂組成と加熱温度によって決まる。その後は、も
っと低い温度でも、試料は極めて急速な重量損失を示
し、試料の重量の10%をすぐ超過する。このことは、硬
化ポリマーが相当に劣化したことを明らかに示してい
る。
第2図に示した試料の初期と最後の急速な重量損失の
間のゆるやかな重量損失が起きる比較的長い期間は、そ
の材料の誘導時間と呼ばれる。任意の加熱温度におい
て、この時間的間隔は、ある安定剤が存在するか否かに
よって左右され、また存在するそれらの安定剤の組成お
よび濃度に左右されることが分る。第2図に示した安定
化された組成物は、180℃以上では誘導時間はほとんど
ゼロに近く、140℃では280時間に近い。一方、第1図に
示したような未安定化樹脂の誘導時間は、140℃ではわ
ずか約1時間程度である。これらの図から明らかなよう
に、ある温度においてその樹脂の誘導時間を長くするよ
う組成を修正すれば、その温度で硬化樹脂が示す全熱分
解率は効果的に低下する。
第2図に示したようなデータから、ある特定の組成物
の反応速度または分解速度を温度の関数として決定する
ことができ、またその関数からある選択されたより低い
温度、例えば、その材料の予想最高使用温度におけるそ
の組成の誘導時間を予想することができる。第3図は、
この発明による安定化ポリウレタン−アクリレート樹脂
における誘導時間対温度のアレニウス図である。この図
では、縦軸はln〔1/t〕単位の誘導時間(t)を示し、
横軸は絶対温度のTに対する〔1/T〕単位の温度〔T〕
を示す。この図は4つの加熱温度におけるデータによる
ものであり、これらの温度は、実際に140℃〜180℃の範
囲にあり、グラフの中央に分布している。測定した誘導
時間は180℃における約1時間から140℃における約280
時間までである。
この特定のコーティングにおける85℃の予想最大連続
使用温度まで第3図を補外法で伸ばせば、誘導時間は約
100年となる。この結果は、安定剤を相剰(効果のあ
る)組合せで使用されていることを考えて、用心して観
察すべきではあるが、このコーティングの熱分解に対し
ては相当な安全幅が与えられている。
前に述べたように、これらの紫外線硬化コーティング
系に対する添加剤の使用に伴いひとつ用心しなければな
らないことは、安定剤が入っているため硬化速度が抑え
られることである。酸化防止剤タイプの添加剤は、これ
らの樹脂の硬化におけるラジカル(基)の酸化プロセス
を阻害する可能性がある。しかし、この発明による安定
化コーティングでは硬化時間が、いく分長くなることは
認められているが、それは心配するほどの大きさではな
い(15%以下)。さらに、ガラス転移温度を含む硬化樹
脂の重要な特性は実質的に影響を受けない。
最後に、光ファイバにコーティングを施す場合におい
て重要な安定化樹脂の光学的特性およびその他の特性を
評価すると、開示した安定剤の使用によって何ら大きな
問題は起らないことが分る。安定化組成物でコーティン
グされた光ファイバと安定化添加物を含まない組成物で
コーティングされた光ファイバの間には、光学的性能に
明確な相違は見られない。
安定化コーティングにおいては、ガラスファイバに対
するコーティングの付着性が幾分増加することが認めら
れている。また吸水度も幾分増加することも認められ
た。しかし、このいずれもわずかな程度であり、光ファ
イバ用コーティングの有用性に顕著な影響を与えるもの
ではない。また上記安定化組成物は、その後、周囲条件
下で貯蔵される間に色や透明度の変化のような美観上の
変化に対するすぐれた耐性を示した。
この発明によって安定化できるポリウレタンアクリレ
ートコーティングの組成物の中には、組成物の50重量パ
ーセント以上を占める主要成分がリニア・アクリレート
・ターミネーチッド・ポリウレタンオリゴマー、ポリユ
リアオリゴマー、ポリウレタン/ポリユリアオリゴマー
からなる組成物が含まれている。これらの組成物は、ア
クリレート未端基が一価ポリアクリレート・キャッピン
グ成分により、あるいは2−ヒドロキシエチルアクリレ
ートのようなもっと従来から使用されて来たアクリレー
トキャッピング成分によって得られるオリゴマーであり
うる。
知られているように、ポリウレタン/ポリユリア・オ
リゴマーは従来から、脂肪族ジイソシアネートを二価の
あるいはジアミノのポリエーテルまたはポリエステル
と、望ましくはポリエチレングリコールのようなポリオ
キシアルカリングリコールと反応させることによって得
ている。オリゴマーは、典型的には、4〜10のウレタン
基またはユリア基からなっており、かつ例えば2000〜80
00のような大きい分子量を有しうる。しかし、500〜200
0の範囲のようなそれより小さい分子量を有するオリゴ
マーも使用できる。
コーティング組成物は、典型的には、オリゴマー成分
の他に、小さな分子量の液体アクリレート機能成分を含
み、選択的に反応性稀釈剤を含むこともある。コーティ
ング組成物を液体コーティング装置で適用する際に必要
な流動性を得るため、上記液体アクリレート機能成分が
アクリレート・ターミネーテッド・ポリウレタン・オリ
ゴマー、ポリユリアオリゴマーあるいはポリウレタン/
ポリユリアオリゴマーに添加される。上記稀釈剤は、典
型的には、アクリレートモノマーであり、これが有る時
には、組成物の硬化速度を早めるために添加される。
適当なアクリレート機能液体は、モノアクリレートモ
ノマーと線状脂肪酸ジアクリレートである。後者の化合
物は、低分子量のポリアルカレン(例えば、ポリプロピ
レンまたはポリエチレン)グリコール・ジアクリレート
でよい。このうちの特定の化合物の1つの例が、トリプ
ロピレングリコールジアクリレートである。
この他多くのポリウレタンあるいはポリユリアアクリ
レートコーティング組成物が、ヨーロッパ特許出願公開
番号公報第EPO 204160および第EPO 204161号に記述さ
れている。これらの出願は、本明細書にも明確な形で引
用し、アクリレート組成物を説明するために使用されて
いる。これらの出願にも記述されているように、必要な
低温度柔軟性を与えるためこれらの組成物に使用された
ポリアクリレートを末端基とするポリウレタンオリゴマ
ー、ポリユリアオリゴマーあるいはポリウレタン/ポリ
ユリアオリゴマーは分子量が約2000から約8000の範囲に
あるオリゴマーである。
これらのオリゴマーは、典型的には、1分子当り4〜
10のウレタン基を含んでいる。また硬化後樹脂速度を向
上させるのに必要な場合は、ウレタン基は全部をあるい
はその一部をユリア基で置換することができる。ユリア
基が有る場合には、1分子当り約2〜約6のユリア基が
含まれてもよい。
これらのオリゴマー分子の末端基として使用される末
端キャップ成分または分子の一部は、望ましくは一価の
ポリアクリレートである。そのようなアクリレートの1
例がペンタエリトリロールトリアクリレートである。こ
れらのキャッピングポリアクリレートは、未端ポリアク
リレートのキャッピング部分とオリゴマーチェーンの対
向端の中間に置かれたジイソシアネート結合分子によっ
てオリゴマーに接着される。このジイソシアネート結合
は、既知の紫外線硬化ポリウレタンアクリレート組成に
は従来用いられて来た方法である。ジイソシアネート
は、比較的分子量の小さいものでによく、あるいは1,12
−ドデシル・ジイソシアネートのようなもっと長いチェ
ーンのジイソシアネートの中から選択することが望まし
い。
ジイソシアネート種(species)は、ポリユリアオリ
ゴマーとポリウレタンオリゴマーの合成に典型的に使用
される。上述した特許に記述されているジイソシアネー
トは、2つのジイソシアネート基を隔てている少くとも
6個の炭素原子により典型的になりたっている。このよ
うに、これらのオリゴマーは、一般にジイソシアネート
と二価のあるいはジアミノのポリエーテルまたはポリエ
ステルと反応させることによって形成される。後者は1
〜6個の炭素原子からなる。分子量500〜4000のアルキ
レン基を有している。この目的にかなう特に望ましいポ
リエーテルの例は、分子量が1000〜3000のポリオキシア
ルキレングリコールである。
ヨーロッパ時男出願第EPO 204160号におけるコーテ
ィング組成物の中に、望ましくはこれらが常温で液体で
あるようにするために含まれる低ガラス転移モノマー
は、紫外線を照射することによって硬化できるアクリレ
ート・モノマーである。例を挙げれば、エトキシエチル
・エトキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアク
リレート、ブトキシエチルアクリレート等である。この
中で一番望ましいのはエトキシエチル・エトキシエチル
アクリレートである。これらのアクリレートモノマーは
コーティング組成物を、低温で硬化樹脂の柔軟性を著し
く減少させることなく液化する。
よく知られているように、これらのポリウレタンアク
リレート、ポリユリアアクリレート、ポリウレタン/ポ
リユリアアクリレート・コーティング組成物は、一般に
既知のケトン基を含む光開始添加剤のような従来から使
われている光開始剤である。これらの組成物は、急速な
紫外線硬化を起すのに十分な量が含まれる。
既に述べたように、ヒンダードフェノール誘導体とヒ
ンダードピペリジン誘導体が、ブタジェンを基材とした
紫外線硬化樹脂用の酸化防止材として使用されて来た。
これらの誘導体は多くの種類が知られている。ヒンダー
ドフェノール誘導体は前述したチェン他の報告に説明さ
れている。本発明で使用するこのタイプの適切な誘導体
は、例えば、オクタデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシヒドロシンナメート、テトラキス(メチレン
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナ
メート))、チオジエチレンビス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)でありうる。
時にはヒンダードアミン光安定剤とも呼ばれるヒンダ
ードピペリジン誘導体も知られている。このうちのいく
つかは、上記チェン他の報告に記述されている。本発明
による上記のヒンダードフェノール誘導体と組合せて適
切に使用できる化合物のグループはビス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)セバケートであり、この
グループの中の1つの例がビス(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)デカノジオエートである。
本発明によるウレタン−アクリレート・コーティング
の誘導時間、即ち急速劣化にいたるまでの時間を有効に
長くするのに役立つこれらの誘導体の濃度は、選択され
た厳密なアクリレート組成物によって決まる。しかし、
望ましい組成物の中では、約0.2〜1.0%のピペリジン誘
導体濃度と組合せて約0.2〜1.0%のフェノール誘導体濃
度を用いることが通常望ましい。最も望ましいのは、安
定剤の組合せを、誘導体の全濃度が少くとも約0.5重量
%になるような割合で添加することであろう。これらの
誘導体の濃度がこれ以下であると、これらのアクリレー
ト樹脂組成物において有効な安定化効果を得るのには不
十分であることが分る。しかし、濃度を高くすると、硬
化時間が永くなったりあるいは硬化した樹脂系の不安定
さが増すこともあり、またその両方の現象が起る可能性
が生じてくる。
下記の実施例を参照することによってこの発明が、さ
らに良く理解できるであろう。
実施例 1 ガラス光ファイバに紫外線硬化保護コーティングとし
て使用するのに適切な液体コーティング組成物は、ポリ
ウレタン・ジアクリレート・オリゴマーからなる基材樹
脂を用いて得ることができる。この樹脂は分子量が約50
8のポリエチレングリコール系ジアクリレートであり、
米国ペンシルベニア州ウェストチェスタ所在のサートマ
ー・カンパニからサートマー(Sartomer)344として市
販されている。
この液体コーティング組成物は、ジアクリレートオリ
ゴマー70重量部を組成物の粘度を下げるのに効果のある
液体ジアクリレート22重量部、反応性稀釈剤5重量部、
光開始剤3重量部と混合することによって作成される。
粘度調整のために含まれている液体ジアクリレートは、
分子量が約300のトリプロピレン・グリコール・ジアク
リレートであり、上記サートマー・カンパニのサートマ
−306が入手できる。反応性稀釈剤は、グリセリル・プ
ロポキシ・トリアクリレートというトリアクリレート・
モノマーであり、サートマー・カンパニからサートマ−
9020として市販されている。光開始剤は、2−メチル−
1−(4−メチルチオ)フェニル)−2−(4−モルフ
ォリニル)−1−プロパノンというケトン系光開始剤で
ある。これは米国ニューヨーク州ホーソン所在のチバ−
ガイギ・コーポレーションからイルガキュア(Irgacur
e)907光開始剤として市販されている。
上記の成分を十分に混ぜ合せて液体光ファイバコーテ
ィング組成物をつくる。できた液体組成物を二分し、一
方を熱分解に対して化学的に安定させる。この安定化
は、ヒンダードフェノール誘導体とヒンダードピペリジ
ン誘導体の組合せ体を組成物に添加することによって行
う。
使用されるヒンダードフェノール誘導体は、チオジエ
チレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒ
ドロシナメート)であり、チバ−ガイギ・コーポレーシ
ョンからインガノックス(Irganox)1035酸化防止剤と
して市販されている。使用されるヒンダードピペリジン
誘導体は、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケートであり、この誘導体はチバ−ガイギ・
コーポレーションからTinUVin 292ヒンダードアミン光
安定剤として市販されている。添加量は、フェノール誘
導体が0.5重量%に、またピペリジン誘導体が0.5重量%
になるような割合である。
このようにしてつくられた安定化組成物と未安定化組
成物のおのおのを、いくつかのガラスの試験用下地材に
薄く塗り、できたコーティングをフュージョン・システ
ムズDバルブから出る紫外線を3.5J/cm2で照射し硬化さ
せる。これら2種の組成物の間で硬化時間に特に目立っ
た差は認められない。硬化したコーティングは、ガラス
の表面に有効な保護層を与える柔軟でありながら十分な
靭性も備えている。
このようにして得た硬化コーティングの試料に対し、
熱分解に対する安定性をみるため空気中で190℃の恒温
加熱を行った。この試験の結果は、第4図に示した。こ
の図では、曲線Aは安定剤組合せを含まない組成物にお
ける温度の関数としての重量損失を示し、曲線Bは安定
化した組成物における同じ温度での重量損失を示してい
る。
これらの曲線から明らかなように、未安定化組成物
(曲線A)は、この温度における全試験時間にわたって
急速で連続いた重量損失を表わしている。これに対し、
安定化した組成物(曲線B)は、揮発性の成分が最初の
うち少量減少した後、長時間にわたるなだらかな重量損
失(誘導時間)によって示されているように著しく高い
安定性を有していることが分る。この実施例の安定化組
成物の誘導時間は190℃において約650分、160℃では第
1〜第3図の安定化組成物の誘導時間とほぼ等しい。こ
のように、容認できないほどの硬化時間の増加を伴うこ
ともなく熱安定性を大きく向上させている。
言うまでもなく、上記の実施例は、この発明の範囲内
で実施できる安定化組成物と方法を説明するためにのみ
に示したものであり、特許請求の範囲内で、これらの特
定の方法および組成に対する種々の変形変更が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、硬化したポリエチレンアクリレート・コーテ
ィング樹脂の安定化した試料と安定化していない試料の
重量損失を示すグラフ、第2図は、本発明によって得ら
れた安定化した硬化ポリウレタンアクリレート・コーテ
ィング樹脂における選択された加熱温度での長時間にわ
たる重量損失を示したグラフ、第3図は本発明による安
定化したポリウレタンアクリレート樹脂における誘導時
間と温度の関係を示すグラフで、第4図は本発明による
安定化の前後における硬化したポリウレタンアクリレー
ト・コーティング樹脂の加熱温度(190℃)での重量損
失を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−23186(JP,A) 特開 昭61−254557(JP,A) 特開 昭56−84761(JP,A) 特開 昭63−39931(JP,A) 特開 昭63−86763(JP,A) 特開 平1−174515(JP,A) 特開 昭63−168419(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 299/06

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリウレタンアクリレート、ポリユリアア
    クリレートおよびポリウレタンアクリレート樹脂または
    ポリユリアアクリレート樹脂よりなるグループから選択
    した紫外線照射により硬化される、光ファイバ・コーテ
    ィング用アクリレート・ターミネーテッド樹脂を熱的に
    安定化させる方法において、 本質的にヒンダードピペリジン誘導体とヒンダードフェ
    ノール誘導体よりなる複数の安定剤の組合せを、硬化し
    た上記樹脂の熱分解速度を低下させるのに少なくとも効
    果のある濃度で、上記樹脂に加える工程を含む樹脂の熱
    的安定化方法。
  2. 【請求項2】上記複数の安定剤の組合せを、濃度が少な
    くとも0.5重量パーセントとなるような割合で、上記樹
    脂に加える請求項1の方法。
  3. 【請求項3】上記ヒンダードフェノール誘導体は、オク
    タデシル 3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒ
    ドロシンナメートと、テトラキス(メチレン(3、5−
    ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)
    と、チオジエチレン・ビス(3、5−ジ−t−ブチル−
    4−ヒドロキシヒドロシンナメート)よりなるグループ
    から選択した化合物である請求項2の方法。
  4. 【請求項4】上記ヒンダードピペリジン誘導体がヒンダ
    ードアミン光安定剤である請求項2の方法。
  5. 【請求項5】上記ヒンダードピペリジン誘導体がビス
    (2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジン)セ
    バケートからなるグループから選択した化合物である請
    求項2の方法。
  6. 【請求項6】ポリウレタン、ポリユリア、ポリウレタン
    ・オリゴマーまたはポリユリア・オリゴマーよりなるグ
    ループから選択した少なくとも1つのアクリレート・タ
    ーミネーテッド・オリゴマーを主要成分とする、紫外線
    照射により硬化する液体状の光ファイバ・コーティング
    用アクリレート樹脂に、この樹脂の熱分解率を少なくと
    も低下させる効果のある濃度で存在するヒンダードピペ
    リジン誘導体とヒンダードフェノール誘導体との組合せ
    より本質的になる安定化添加剤を含むことを特徴とする
    アクリレート樹脂組成物。
  7. 【請求項7】上記樹脂組成物が、その粘度を低下させる
    効果のあるオリゴマー成分と混合した状態で液体状のア
    クリレート機能成分を含んでいる請求項6の樹脂組成
    物。
  8. 【請求項8】上記樹脂が反応性アクリレート機能希釈剤
    を含む請求項7の組成物。
  9. 【請求項9】上記オリゴマーが1分子当り4〜10のウレ
    タン基からなり、かつ約500〜8000の範囲の分子量を有
    する請求項7の組成物。
  10. 【請求項10】上記ウレタン基の一部がユリア基によっ
    て置換された請求項9の組成物。
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