JP3204129B2 - 農業用ポリエチレンテレフタレートフイルム - Google Patents

農業用ポリエチレンテレフタレートフイルム

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JP3204129B2
JP3204129B2 JP30168696A JP30168696A JP3204129B2 JP 3204129 B2 JP3204129 B2 JP 3204129B2 JP 30168696 A JP30168696 A JP 30168696A JP 30168696 A JP30168696 A JP 30168696A JP 3204129 B2 JP3204129 B2 JP 3204129B2
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resin
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睦夫 須賀
一也 木下
孝 高澤
厚 大林
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三菱化学エムケーブイ株式会社
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業用ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムに関するものである。更に詳
しくは優れた機械的強度と、優れた耐候性(耐光性)と
を有し、長期間の屋外展張に耐え得る、農業用ポリエチ
レンテレフタレートフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムは、高い結晶性、高い融点を示し、耐熱性、耐薬
品性を示し、更に強度、弾性率等の機械的性質において
も、優れた性質を示すことが知られているが、このフィ
ルムは紫外線を吸収する性質を有し、特に320nm以
下の紫外線を強く吸収する性質があり、このフィルムを
屋外に長期間展張すると、その機械的性質が著しく低下
するという欠点がある。このフィルムの耐候性を改善す
るために、特公昭46−24160号公報に記載されて
いるように、紫外線吸収剤をフィルム表面に緊密に結合
する方法が知られている。この方法によれば、耐候性は
向上するものの紫外線吸収剤を均一な濃度で、フィルム
表面に強固に結合することは難しく、長時間の屋外展
張、屋外暴露に充分に耐えるだけの耐候性を付与するこ
とは、困難であった。
【0003】本発明者らは、このような状況にあって、
長時間屋外に展張したり、暴露したりしても、その機械
的性質が低下しない農業用ポリエチレンテレフタレート
フィルムを提供すべく、鋭意検討して、さきに考案を完
成した(実開昭56−159239号)。この考案に係
る農業用ポリエチレンテレフタレートフィルムは、優れ
た耐候性を有し、長期間屋外に暴露しても、機械的強
度、透明性等の低下は極めて小さい。ところで、農業用
プラスチックフィルムをハウス(温室)やトンネルに展
張する際には、展張の方法、ハウスやトンネルの構造、
これらが設置されている場所、方向、展張時の気象条件
等によって、フィルムが折り曲げられたり、風であおら
れる場合がある。このような場合、プラスチックフィル
ム表面に皮膜が形成されており、この皮膜の伸縮性、耐
衝撃性が劣るものであると、皮膜にクラックが発生し易
い。皮膜にクラックが発生すると、フィルムのみかけ上
の白化の原因となったり、皮膜が剥離したりして、実用
上問題が生ずる。
【0004】皮膜をアクリル系樹脂より構成し、このも
のの耐衝撃性を向上させるには、アクリル酸エステル等
のアクリル系樹脂の柔軟性を向上させる成分の割合を多
くし、樹脂のガラス転移温度(Tg)を低くすればよい
ことが実験的に判ってはいる。しかし、Tgを低くしす
ぎると、この皮膜のブロッキング(相互に付着し合うこ
と)がおこり易くなるという問題がおこり、耐衝撃性と
耐ブロッキング性とを均衡させることは困難である。本
発明者らは、かかる状況に鑑み、展張の際の苛酷な条件
下でも皮膜の白化や、剥離がおこらず、かつ、優れた機
械的強度と、優れた耐候性(耐光性)とを有し、長期間
の屋外展張に耐え得る農業用ポリエチレンテレフタレー
トフィルムを提供すべく、鋭意検討した結果、本発明を
完成するに至った。
【0005】しかして、本発明の要旨とするところは、
二軸方向に延伸されたポリエチレンテレフタレートフィ
ルムの片面に、紫外線吸収剤が配合されてなる厚さ1〜
10μmのアクリル系樹脂と飽和ポリエステル系樹脂
(B)を主成分とする熱可塑性樹脂皮膜が形成されてな
り、アクリル系樹脂が、架橋アクリル酸エステル系弾性
体(A)の粒子の存在下に、メタクリル酸アルキルエス
テル単量体、又はメタクリル酸アルキルエステル単量体
を主成分とし、これと共重合可能なビニル系単量体との
混合物を重合して得られる、架橋アクリル酸エステル系
弾性体を幹とするグラフト共重合体を含有しており、ア
クリル系樹脂中の該弾性体(A)の割合が5〜80重量
%であり、熱可塑性樹脂中の樹脂(B)の割合が1〜5
0重量%であり、(A)/(B)の重量比が1/1〜2
0/1であることを特徴とする農業用ポリエチレンテレ
フタレートフィルムに存する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明にいうポリエチレンテレフタレートとは、共重合
されていないポリエチレンテレフタレート・ホモポリマ
ーのみならず、繰り返し単位の数の85%以上がポリエ
チレンテレフタレート単位よりなり、残りが他の成分で
あるような共重合ポリエチレンテレフタレートや、ポリ
エチレンテレフタレート85重量%以上であり、残りの
15重量%以下が、他の重合体であるポリマーブレンド
物を含む。ブレンドできる他の重合体としては、ポリア
ミド類、ポリオレフィン類、他種のポリエステル類があ
げられる。このポリエチレンレフタレートには、必要に
応じ滑剤、着色剤、安定剤、酸化防止剤等を配合するこ
とができる。
【0007】本発明に係る農業用ポリエチレンテレフタ
レートフィルムは、二軸に延伸されたものである。二軸
延伸フィルムを製造する方法は、特に限定されるもので
はなく、例えば逐次に、又は同時に縦横二軸に延伸す
る、公知の方法を採用すればよい。延伸倍率は二軸方向
に、夫々2.0〜5.0倍、特に2.5〜4.0倍延伸
されたものが好ましい。延伸倍率が2.0倍未満である
と、製品の強度が充分なものとならないので好ましくな
く、5.0倍を越えたものでは、製品の強度は充分なも
のとなるが、製造作業が困難となるので、好ましくな
い。本発明に係る農業用ポリエチレンテレフタレート
は、厚みが0.01〜0.3mmのものがよい。厚みが
0.01mm以下であると製品の強度が充分なものとな
らないので好ましくなく、0.3mm以上ではフィルム
が硬くなり、取り扱い難くなるので、好ましくない。
【0008】本発明に係る農業用ポリエチレンテレフタ
レートフィルムは、その片面に、紫外線吸収剤が配合さ
れたアクリル系樹脂と飽和ポリエステル系樹脂を主成分
とする熱可塑性樹脂の皮膜が形成されてなる。本発明に
おいてアクリル系樹脂とは、架橋アクリル酸エステル系
弾性体の存在下に、メタクリル酸アルキルエステル単量
体、又はメタクリル酸アルキルエステルを主成分とし、
これと共重合可能なビニル系単量体との混合物を重合し
て得られる架橋アクリル酸エステル系弾性体(A)を幹
とするグラフト共重合体を含有している。
【0009】架橋アクリル酸エステル系弾性体は、乳化
重合法によって製造するのがよい。この際使用できる重
合開始剤は、通常の遊離基発生開始剤である。具体例を
あげると、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無
機過酸化物;キュメンハイドロパーオキサイド、p−メ
ンタンハイドロパーオキサイド、ジターシャリーブチル
ハイドロパーオキサイド等の有機ハイドロパーオキサイ
ド;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、キュメンパーオキサイド等の有機過酸化物や、ア
ゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ系の開始剤をあ
げることができる。更に、これらと亜硫酸ナトリウム、
酸性亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウ
ムホルムアルデヒドスルフォキシレート、グリコース、
ポリアミン、アスコルビン酸ヒドロキシアセトン等の還
元剤を組み合せた、通常のレドックス系開始剤も使用し
うる。
【0010】使用できる乳化剤は、通常の乳化重合用の
界面活性剤をあげることができる。例えば、炭素数が8
〜20個のアルキル硫酸のナトリウム、カリウム、アン
モニウム塩およびラウリン酸、ステアリン酸、パルミチ
ン酸等の脂肪族カルボン酸のナトリウム、カリウム塩等
の陰イオン界面活性剤や、アルキルフェノール類、脂肪
族アルコール類およびポリプロピレンオキサイド類とエ
チレンオキサイドとの反応生成物等の非イオン界面活性
があげあれる。また、場合によっては、これら界面活性
剤を2種以上併用することもできる。更に、ナフタレン
ホルムアルデヒド縮合スルフォン酸塩等の界面活性剤を
添加することもできる。更に要すれば、アルキルアミン
塩酸塩等の陽イオン界面活性剤を使用することもでき
る。
【0011】乳化重合法によって架橋アクリル酸エステ
ル系弾性体を製造するには、次の方法があげられる。 (1)アクリル酸アルキルエステル単量体、又はアクリ
ル酸アルキルエステルとこれと共重合可能なビニル系単
量体の混合物に、少量の架橋性単量体を加えて、乳化重
合法によって製造する方法。 (2)(1)の方法で得た重合体エマルジョンに、更に
アクリル酸アルキルエステル単量体、又はアクリル酸ア
ルキルエステルとこれと共重合可能なビニル系単量体混
合物を加え、乳化重合法によって製造する方法。 (3)(2)の方法において、単量体又は単量体混合物
に、少量の架橋剤を加え、乳化重合法によって製造する
方法。
【0012】(4)まず、アクリル酸アルキルエステル
単量体又はアクリル酸アルキルエステルとこれと共重合
可能なビニル系単量体の混合物より乳化重合法によっ
て、未架橋弾性体を製造する。次いで、この重合系に更
にアクリル酸アルキルエステル単量体、又はアクリル酸
アルキルエステルとこれと共重合可能なビニル系単量体
の混合物、および少量の架橋性単量体を加えて、乳化重
合法によって製造する方法。 (5)(1)〜(4)の方法で得た重合体エマルジョン
の一種に、更にアクリル酸アルキルエステル単量体、又
はアクリル酸アルキルエステルと共重合可能なビニル系
単量体を加え、架橋性単量体を加えず又は少量加えて、
乳化重合法によって製造する方法。
【0013】架橋アクリル酸エステル系弾性体は、前記
界面活性剤の使用量や、使用する水性媒体の量を加減す
ることによって、架橋弾性体エマルジョン粒子の平均粒
子径を調整し、0.05〜0.30μmの範囲とするこ
とが重要である。0.05μm以下では、皮膜として使
用されるアクリル系樹脂の機械的強度が低下し、0.3
0μmを越えると、応力白化が著しくなり、好ましくな
い。架橋アクリル酸エステル系弾性体は、上のどのよう
な方法で製造したものであっても、次の方法で測定した
ゲル含量が80%以上で、膨潤度が15以下のものがよ
い。
【0014】架橋弾性体を所定量W0 採取し、室温でメ
チルエチルケトンに48時間浸漬した後の膨潤した重量
1 、およびこの試料を減圧乾燥機で乾燥した後の重量
2を測定し、次式により算出する。 ゲル含量=(W2 /W0 )×100(%) 膨潤度=(W1 −W2 )/W0 ゲル含量、膨潤度は、前述の架橋性単量体の種類および
量の調整以外に、弾性体成分を重合する時の温度、開始
剤の種類とその使用量、弾性体成分を構成する単量体の
添加方法、分子量調節剤の有無等の重合諸条件によって
影響されるので、適宜調節するのがよい。ゲル含量が8
0%に満たないときは、その弾性体から得られる皮膜形
成用アクリル系樹脂は、後述する有機溶媒に完全に溶解
し、又は過度に膨潤し、弾性体粒子が変形してしまい、
機械的強度、特に耐衝撃性を改善する機能を失うので、
好ましくない。膨潤度についても、15を越えると応力
白化しやすくなり、好ましくない。
【0015】アクリル酸アルキルエステルとしては、ア
ルキル基の炭素数が1〜8のものが好ましく、直鎖状で
も分岐鎖状のいずれでもよい。その具体例としては、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸オクチル等があげられ、これらは混合し
て使用することもできる。これらアクリル酸アルキルエ
ステルと共重合可能なビニル系単量体としては、メタク
リル酸およびメタクリル酸のアルキルエステル(アルキ
ル基の炭素数1〜12)、イタコン酸のジアルキルエス
テル(アルキル基の炭素数1〜10)、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、スチレン、核アルキル置換スチレン、α−メチルス
チレン等があげられる。これら単量体は、40重量%以
下、好ましくは25重量%以下とするのがよい。
【0016】架橋性単量体としては、通常多官能性化合
物として使用されているものでよく、具体例としては、
エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレ
ングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリ
コールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタ
クリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジ
プロピレングリコールジメタクリレート、ジビニルベン
ゼン、ジビニルアジペート、ジアリルフタレート、ジア
リルマレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレ
ート、トリアリルシアヌレート等があげられ、これらは
2種以上を併用してもよい。上記架橋アクリル酸エステ
ル系弾性体にグラフトさせる単量体は、メタクリル酸ア
ルキルエステル、又はメタクリル酸アルキルエステルを
主成分とし、これを共重合可能なビニル系単量体との混
合物である。
【0017】グラフトさせるメタクリル酸アルキルエス
テルとしては、アルキル基の炭素数が1〜8のものが好
ましく、直鎖状でも分岐鎖状のいずれでもよい。その具
体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル
等があげられ、これらは混合して使用することもでき
る。メタクリル酸アルキルエステルと共重合可能なビニ
ル系単量体としては、アクリル酸アルキルエステルと共
重合可能なビニル系単量体と同様であり、弾性体(A)
製造の際に使用されると例示したものの中から選んでよ
い。
【0018】この場合、グラフトさせる単量体成分から
得られる重合体又は共重合体自体のガラス転移温度(T
g)が、50℃以上となるように単量体の種類、組み合
せを選ぶことが重要である。Tgが50℃に満たないと
きは、このグラフト重合体を含むアクリル系樹脂を含有
する皮膜を形成したポリエチレンテレフタレートフィル
ムの耐ブロッキング性が悪くなる(ブロッキングしやす
い)ので、好ましくない。グラフト重合反応は、乳化重
合法によって遂行するのがよいが、溶液重合法によって
もよい。乳化重合法によるときは例えば、架橋アクリル
酸エステル系弾性体のエマルジョンに、グラフトさせる
単量体を加え、必要があれば乳化剤、重合開始剤、分子
量調節剤、水等を加えて、通常の乳化重合の条件を選ん
で、遂行することができる。
【0019】グラフト重合反応を遂行する際の架橋弾性
体とグラフトさせる単量体との割合は、架橋弾性体エマ
ルジョンを重合体固形分として10〜90重量部、グラ
フトさせる単量体90〜10重量部の範囲から選ぶのが
よい。アクリル系樹脂中に含まれる弾性体(A)の割合
は5〜80重量%であり、好ましくは10〜70%の範
囲とするのがよい。弾性体の割合が5重量%に満たない
ときは、機械的強度が劣り、80重量%を越えるとき
は、これを皮膜として有するフィルムの耐ブロッキング
性が悪くなり、好ましくない。
【0020】本発明で用いる飽和ポリエステル系樹脂
(B)としては、酸成分がテレフタル酸を主成分とし、
その他に、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フ
タル酸、イソフタル酸等の二塩基酸又はその酸無水物等
からなり、グリコール成分がエチレングリコールを主成
分とし、その他に1,2−プロパンジオール、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、トリメチルヘキサンジオール等からな
り、これらからなる重合体で、分子量はMwで5000
〜50000のものである。
【0021】皮膜熱可塑性樹脂(以下「皮膜樹脂」とい
う)中に含まれる飽和ポリエステル系樹脂(B)の割合
は1〜50重量%であり、好ましくは5〜30重量%の
範囲とするのがよい。飽和ポリエステル系樹脂(B)の
割合が1重量%に満たないときは形成される皮膜のポリ
エステルフィルム基材に対する密着力が不充分で、50
重量%を越えるときは、耐候性が劣るので好ましくな
い。アクリル系樹脂中の弾性体(A)と飽和ポリエステ
ル系樹脂(B)の配合割合は重量比で、1/1〜20/
1の範囲である。(A)/(B)の重量比が1/1に満
たないときは機械的強度が充分でなく、20/1を越え
ると基材との密着力が低下して好ましくない。
【0022】これらアクリル系樹脂と飽和ポリエステル
系樹脂(B)とからなる皮膜樹脂には、これらと相溶性
があり、Tgが50℃以上で透明な熱可塑性樹脂例え
ば、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、カーボネート系
樹脂等を混合してもよい。上記皮膜樹脂には、紫外線吸
収剤を配合して、基体フィルムの片面に皮膜を形成す
る。
【0023】これら皮膜樹脂に配合される紫外線吸収剤
の種類は、従来公知の紫外線吸収剤、例えばサリチル酸
系化合物、シアノアクリレート系化合物、ベンゾフェノ
ン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等があげられ
る。これらの中で皮膜樹脂への溶解性、ポリエチレンテ
レフタレートフィルムに塗布して農業用として使用する
際の耐候性等の観点から評価すると、シアノアクリレー
ト系化合物の中のエチル−2−シアノ−3,3−ジフェ
ニルアクリレート、ベンゾフェノン系化合物の中の2,
4−ジヒドロキシンベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキ
シ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンが好ましく、
ベンゾトリアゾール系化合物の中の2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−ターシャリーブチルフェニル)ベンゾトリ
アゾールが特に好ましい。これらは一種の使用でも、二
種以上の併用であってもよい。
【0024】皮膜樹脂に配合される紫外線吸収剤の量
は、余り少なすぎると本発明の目的が達成されないし、
余り多すぎるとブリード・アウトの問題がある。好まし
い配合量は、皮膜樹脂100重量部に対して、10〜2
5重量部の範囲である。これら紫外線吸収剤を含有する
熱可塑性樹脂の皮膜の厚さは1〜10μmであり、1μ
m未満であると本発明の目的が達成されず、10μmを
越えると皮膜が剥離し易いという問題が生ずる。皮膜樹
脂に配合される紫外線吸収剤の量、ポリエチレンテレフ
タレートの片面に形成される皮膜の厚さは、種々変更し
うるが、フィルム一定面積当りの紫外線吸収剤の量を1
50〜1000mg/m2 の範囲とすると特に好まし
い。
【0025】本発明に係る農業用ポリエチレンテレフタ
レートフィルムを製造するには、まず、二軸に延伸した
ポリエチレンテレフタレートを製造する。次いで、この
二軸に延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルム
の片面に、メチルエチルケトンのようなケトン類、ベン
ゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類、
酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸エステル類などの一種
又は二種以上を混合した有機溶媒に、皮膜樹脂、紫外線
吸収剤を溶解した溶液を塗布し、有機溶媒を揮散させ
て、紫外線吸収剤入り熱可塑性樹脂皮膜を形成させる。
塗布方法は、通常行なわれているグラビアコーティング
法、リバースコーティング法、スプレー法などが好適で
ある。
【0026】本発明に係る農業用ポリエチレンテレフタ
レートフィルムをハウスに展張使用する場合、太陽光と
接する側(ハウス外側)が、皮膜が形成されている面に
なるよう展張すればよい。一方、ハウス内の温度、湿度
等の条件によっては、フィルムのハウス内側表面に曇り
が生じることがあり、この曇りを防止する為にフィルム
の反対面に更に流滴効果を有する皮膜、例えば無機親水
性皮膜、有機親水性皮膜等を形成することが好ましい。
【0027】
【発明の効果】本発明に係る農業用ポリエチレンテレフ
タレートフィルムは、次のような効果を奏し、その産業
上の利用価値は極めて大である。本発明に係る農業用ポ
リエチレンテレフタレートフィルムは、屋外で長期間展
張したり暴露したりしても、紫外線の影響をうけること
がなく、表面に小さな亀裂ができることもなく、また、
黄色に変色したり、白化したりすることもない。耐候性
及び透明性が低下するのを防止する効果は、他の紫外線
吸収剤を添加してフィルム化する方法に較べて、極めて
顕著である。また、本発明に係るポリエチレンテレフタ
レートフィルムは、片面に形成されている熱可塑性樹脂
製の皮膜は、架橋弾性体と飽和ポリエステル系樹脂を含
み密着性、機械的強度、特に耐衝撃性に優れているの
で、衝撃を受けてもクラックが発生しにくく、従ってク
ラックに由来するフィルムの白化、皮膜の剥離もおこり
にくい。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例
に限定されるものではない。 実施例1〜7、比較例4〜7 (1)基体ポリエチレンテレフタレートフィルム 縦、横それぞれ3.5倍に延伸され、密度が1.392
g/cm3 、厚みが150μmのもの。
【0029】(2)熱可塑性樹脂の調製 紫外線吸収剤を配合するための熱可塑性樹脂溶液は、次
のようにして調製した。 1 皮膜樹脂溶液Xの調製 架橋弾性体の製造 重合缶中に、脱イオン水300重量部(以下、単に
「部」と表示するのは「重量部」を意味する。)、過硫
酸カリ0.3部、燐酸二ナトリウム12水塩0.5部、
燐酸水素ナトリウム2水塩0.3部を仕込み、充分窒素
置換を行なったのちに、内温を70℃に昇温した。内温
をこの温度に保持し、攪拌しながら、スチレン19.8
部、アクリル酸ブチル69.3部、メタクリル酸アリル
0.9部、ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム(乳
化剤)2.5部からなる混合物を、2時間を要して連続
的に添加した。
【0030】添加終了後直ちに、t−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート1.0部、スチレン2.2
部、アクリル酸ブチル7.7部、アクリル酸アリル0.
1部からなる混合物を加えた。加え終わってから30分
間経過してから、内温を90℃に昇温し、この温度で3
時間反応を続け、架橋弾性体のエマルジョンを得た。こ
の架橋弾性体の平均粒子径は0.20μmであり、ゲル
含量は97.1%、膨潤度は7.2であった。
【0031】 グラフト共重合体の製造 重合缶に、上記で得た架橋弾性体エマルジョン400
部を仕込み、攪拌しながら、窒素置換したのち、内温を
80℃に昇温した。内温をこの温度に保持し、攪拌しな
がら脱イオン水3.0部のナトリウムフォルムアルデヒ
ドスルホキシレート0.15部を溶解した液を添加して
からメタクリル酸メチル30.0部、n−オクチルメル
カプタン0.03部、パラメンタンハイドロパーオキサ
イド(50%溶液)0.15部の混合物を、30分間を
要して連続的に添加した。添加終了後、更に30分間重
合反応を継続し、グラフト共重合体エマルジョンを得
た。得られたグラフト共重合体エマルジョンは、常法に
従って塩析し、重合体を濾別し、水洗し、乾燥して、グ
ラフト共重合体(a)の粉末を得た。
【0032】 樹脂溶液Xの調製 上で得たグラフト共重合体(a)6.5部に、メタクリ
ル樹脂(メタクリル酸メチル/メタクリル酸エチルが9
6/4の割合の共重合体)(b)のビーズ11.5部と
飽和ポリエステル樹脂(東洋紡(株)製バイロン200
(分子量15,000〜20,000))2.0部を混
合し、この混合物をメチルエチルケトン64部とトルエ
ン16部とよりなる混合溶媒中に入れて、攪拌しつつ溶
解し、固形分が20重量%の樹脂溶液Xを調製した。
【0033】2 皮膜樹脂溶液Yの調製 1で得たグラフト共重合体(a)5.0部にメタクリル
樹脂(b)のビーズ10.0部と飽和ポリエステル樹脂
(東洋紡(株)製バイロン103(分子量18,000
〜20,000))5.0部を混合し、この混合物をメ
チルエチルケトン64部とトルエン16部とよりなる混
合溶媒中に入れて、攪拌しつつ溶解し、固形分が20重
量%の樹脂溶液Yを調製した。
【0034】3 皮膜樹脂溶液Zの調製 架橋弾性体の製造 重合缶中に、脱イオン水250部、ジオクチルスルホコ
ハク酸ナトリウム2.0部、ナトリウムフォルムアルデ
ヒドスルホキシレート0.05部を仕込み、充分窒素置
換を行なった。この重合缶の内容物を攪拌しつつ、メタ
クリル酸メチル1.6部、アクリル酸ブチル8部、1,
3−ブチレンジメタクリレート0.4部、メタクリル酸
アリル0.1部、キュメンハイドロパーオキサイド0.
04部からなる混合物を仕込んだ。重合缶内温を70℃
に昇温し、この温度で60分間反応を継続した。続い
て、この重合缶にメタクリル酸メチル1.5部、アクリ
ル酸ブチル22.5部、1,3−ブチレンジメタクリレ
ート1.0部、メタクリル酸アリル0.25部およびこ
れら単量体混合物に対して0.05重量%の量のキュメ
ンハイドロパーオキサイドを加えた混合物を60分を要
して添加した。得られた架橋弾性体は、平均粒子径が
0.12μm、ゲル含量は90%、膨潤度は10であっ
た。
【0035】 グラフト共重合体の製造 上のの架橋弾性体エマルジョンを含む重合缶に、イオ
ン水3部にナトリウムフォルムアルデヒドスルホキシレ
ート0.01部を溶解した液を添加してから、メタクリ
ル酸メチル5部、アクリル酸ブチル5部、アクリル酸ア
リル0.1部およびこれら単量体に対して0.03重量
%の量のキュメンハイドロパーオキサイドを加えた混合
物を30分要して、連続的に添加した。添加終了後、更
に30分間重合反応を継続した。
【0036】この重合缶に、イオン水3部にナトリウム
フォルムアルデヒドスルホキシレート0.05部を溶解
した液を添加してから80℃に昇温し、メタクリル酸メ
チル52.25部、アクリル酸ブチル2.75部、パラ
メンタンハイドロパーオキサイド(50%溶液)0.1
3部よりなる混合物を30分を要して添加した。この添
加終了後、80℃で30分間重合反応を継続し、グラフ
ト共重合体エマルジョンを得た。得られたグラフト共重
合体エマルジョンは、常法に従って塩析し、重合体を濾
別し、水洗し、乾燥して、グラフト共重合体(c)の粉
末を得た。
【0037】 樹脂溶液Zの調製 上で得たグラフト共重合体15部と飽和ポリエステル樹
脂(東洋紡(株)製バイロン103(分子量18,00
0〜20,000))5.0部を、メチルエチルケトン
64部とトルエン16部とよりなる混合溶媒中に入れて
攪拌し、固形分が20重量%の樹脂溶液Zを調製した。
【0038】4 樹脂溶液W1 1で得たグラフト共重合体(a)6.5部に同メタクリ
ル樹脂(b)のビーズ13.5部を混合し、この混合物
をメチルエチルケトン64部とトルエン16部とよりな
る混合溶媒中に入れて、攪拌しつつ溶解し、固形分が2
0重量%の樹脂溶液W1を調製した。 5 樹脂溶液W2 1で得たグラフト共重合体(a)2.0部、同(b)の
ビーズ17.0部、バイロン200を1部混合し、この
混合物をメチルエチルケトン64部とトルエン16部と
よりなる混合溶媒中に入れて、攪拌しつつ溶解し、固形
分が20重量%の樹脂溶液W2を調製した。
【0039】6 樹脂溶液W3 前記メタクリル樹脂(b)のビーズ11.5部、バイロ
ン103を8.5部混合し、この混合物をメチルエチル
ケトン64部とトルエン16部とよりなる混合溶媒中に
入れて、攪拌しつつ溶解し、固形分が20重量%の樹脂
溶液W3を調製した。 7 樹脂溶液W4 前記グラフト共重合体(c)5部とバイロン103を1
5部混合し、この混合物をメチルエチルケトン64部と
トルエン16部とよりなる混合溶媒中に入れて、攪拌し
つつ溶解し、固形分が20重量%の樹脂溶液W4を調製
した。
【0040】(3)紫外線吸収剤入り皮膜の形成 上記(2)に記載の方法に従って調製した樹脂溶液に、
第1表に示した種類の紫外線吸収剤を、同表に記載した
割合(樹脂固形分に対する割合を意味する。)で添加し
た。添加後の溶液をポリエチレンテレフタレートフィル
ムの片面に、グラビアコート法によって塗布し、塗布面
を加温して溶媒を揮散させて、紫外線吸収剤入り皮膜を
形成させた。この皮膜の厚さ、フィルムの単位面積当り
の紫外線吸収剤の量を、第1表に示した。
【0041】(4)フィルムの評価 以下の方法により、得られた各ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムの性能を評価し、その結果を第1表に示し
た。 屋外暴露前のフィルムの性質 (イ)波長340nmにおける光線透過率 分光光度計(日立製作所製の323型)によって測定し
た。 (ロ)パンクチャー衝撃強さ パンクチャー衝撃試験機(東洋精機製作所製)によっ
て、長さ10cm、幅10cmの試料について試験し、
破壊時のエネルギーをkg・cmで表わしたもの。
【0042】(ハ)透明性の肉眼判定 フィルムの透明性を肉眼によって観察し、判定したも
の。判定の基準は、次のとおりとした。 ○:透明性に優れ、表面に白化した部分が全く認められ
ないもの。 ○〜△:透明性に優れ、表面に白化した部分がほとんど
認められないもの。 △:透明性はやや劣り、表面に白化した部分が若干認め
られるもの。 △〜×:透明性はかなり劣り、表面に白化した部分がか
なり認められるもの。 ×:透明性は極めて悪く、表面に白化した部分が著しく
認められるもの。
【0043】(ニ)皮膜の接着強度 ポリエチレンテレフタレートの皮膜に、セロハンテープ
(ニチバン製)を貼り付け、セロハンテープを剥した後
の皮膜の変化を肉眼で観察し、判定したもの。判定の基
準は、次のとおりとした。 ◎:貼り付けたセロハンテープを、勢いよく剥しても、
皮膜には全く変化が認められないもの。 ○:貼り付けたセロハンテープを、勢いよく剥すとごく
わずかの皮膜がセロハンテープに同伴されるが、ゆっく
り剥すと皮膜には全く変化が認められないもの。 △:貼り付けたセロハンテープを、剥すと勢いに関係な
く皮膜がセロハンテープに多く同伴され、皮膜に著しい
変化が認められるもの。
【0044】 屋外暴露後のフィルムの性質 得られた各ポリエチレンテレフタレートフィルムを愛知
県の圃場で、平成4年11月から平成8年10月までの
間暴露し、暴露後のフィルムについて、次の諸性質を経
時的に測定した。パンクチャー衝撃強さ、透明性の肉眼
判定は、屋外暴露前のフィルムの性質の評価方法の場合
と同じである。
【0045】比較例1 実施例1で使用したものと同じ性質を有する基体ポリエ
チレンテレフタレートフィルムに、皮膜を形成しないも
のについて、実施例1と同様、フィルムの評価を行い、
結果を第1表に示した。 比較例2 実施例1で使用したものと同じ性質を有する基体ポリエ
チレンテレフタレートフィルムの片面に紫外線吸収剤を
配合しない樹脂溶液Xの皮膜を形成させた。このフィル
ムについて、実施例1の場合と同様、フィルムの評価を
行い、結果を第1表に示した。
【0046】比較例3 原料ポリエチレンテレフタレート100重量部に、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−ターシャリーブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール0.34重量部配合した。この
配合物を公知の方法によりフィルム状にし、縦、横それ
ぞれ3.5倍に延伸され、密度が1.392g/c
3 、厚みが150μmのフィルムを得た。このフィル
ムについて、実施例1の場合と同様、フィルムの評価を
行い、結果を第1表に示した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】*1 紫外線吸収剤の種類は、それぞれ次
のとおりである。 a・・・2−(2’−ヒドロキシ−5’−ターシャリー
ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール b・・・2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン c・・・2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高澤 孝 愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化学エムケーブイ株式会社名古屋 事業所内 (72)発明者 大林 厚 愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化学エムケーブイ株式会社名古屋 事業所内 (56)参考文献 特開 昭60−178049(JP,A) 特開 平8−58044(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 A01G 9/14 A01G 13/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸方向に延伸されたポリエチレンテレ
    フタレートフィルムの片面に、紫外線吸収剤が配合され
    てなる厚さ1〜10μmのアクリル系樹脂と飽和ポリエ
    ステル系樹脂(B)を主成分とする熱可塑性樹脂皮膜が
    形成されてなり、アクリル系樹脂が、架橋アクリル酸エ
    ステル系弾性体(A)の粒子の存在下に、メタクリル酸
    アルキルエステル単量体、又はメタクリル酸アルキルエ
    ステル単量体を主成分とし、これと共重合可能なビニル
    系単量体との混合物を重合して得られる、架橋アクリル
    酸エステル系弾性体を幹とするグラフト共重合体を含有
    しており、アクリル系樹脂中の該弾性体(A)の割合が
    5〜80重量%であり、熱可塑性樹脂中の樹脂(B)の
    割合が1〜50重量%であり、(A)/(B)の重量比
    が1/1〜20/1であることを特徴とする農業用ポリ
    エチレンテレフタレートフィルム。
  2. 【請求項2】 紫外線吸収剤が、熱可塑性樹脂100重
    量部に対して10〜25重量部配合されてなる請求項1
    記載の農業用ポリエチレンテレフタレートフィルム。
  3. 【請求項3】 飽和ポリエステル系樹脂が、テレフタル
    酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグ
    リコール成分とする重合体である、請求項1または2記
    載の農業用ポリエチレンテレフタレートフィルム。
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