JP3260340B2 - 複合セラミックスおよびその製造方法 - Google Patents

複合セラミックスおよびその製造方法

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JP3260340B2 JP23500499A JP23500499A JP3260340B2 JP 3260340 B2 JP3260340 B2 JP 3260340B2 JP 23500499 A JP23500499 A JP 23500499A JP 23500499 A JP23500499 A JP 23500499A JP 3260340 B2 JP3260340 B2 JP 3260340B2
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合セラミックス
およびその製造方法に関し、特にエアスライド、定盤、
真空装置構造体、サセプタ、静電チャック、ステージな
どの半導体製造装置用、精密機器用、計測機器用などの
各種産業装置部品に適した複合セラミックスおよびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造装置用、精密機器用、計測機
器用などの部品として、近年、セラミックスが広く使用
されるようになってきている。例えば、計測機器や半導
体製造プロセスでは窒化ケイ素からなるエアスライド、
また半導体製造プロセスのシリコンウエハに配線を形成
する工程においては、ウエハを支持または保持するサセ
プタ、静電チャック、絶縁リング具などや露光装置のX
Yテーブル等として、アルミナや窒化ケイ素が広く用い
られている。
【0003】このように上記用途にセラミックスが使用
されるに至った理由は、熱膨張係数が小さいことと剛性
が高いことに起因するところが大である。すなわち、こ
れまで使用されてきた金属からなる部品の場合、熱膨張
係数が極めて大きいため、僅かな温度差による部品の膨
張収縮が、製品の精度に決定的な影響を及ぼすため使用
することが困難となり、代ってセラミックスからなる部
品が使用されるに至っている。
【0004】しかしながら、近年、この高精密化の流れ
はさらに加速しており、半導体製造プロセスなどにおい
ては、LSIなどにおける高集積化に伴い、回路の微細
化が急速に進められ、その線幅もサブミクロンオーダー
のレベルまで高精密化しつつある。例えばシリコンウエ
ハに高精密回路を形成するための露光装置においては、
露光装置のステージ用部材に100nm(0.1μm)
以下の位置決め精度が要求され、露光の位置合わせ誤差
が製品の品質向上や歩留まり向上に大きな影響を及ぼし
ているのが現状である。
【0005】半導体製造装置用部材として一般に用いら
れてきたアルミナ、窒化ケイ素などのセラミックスは、
確かに金属よりは熱膨張係数が小さいものの、それぞれ
5×10-6/℃、1.5×10-6/℃程度であり、雰囲
気温度が0.1℃変化すると数100nm(0.1μ
m)の変形が発生することになる。露光等の精密な工程
ではこの変化が大きな問題となってきており、従来のセ
ラミックスでは精度が十分とはいえず、生産性の低下を
もたらしている。
【0006】これに対して、リチウムアルミノシリケー
ト系の焼結体やマグネシウムアルミノシリケート系焼結
体など、所謂低熱膨張係数で知られている素材の場合、
例えばリチウムアルミノシリケート系の焼結体などの場
合はゼロ膨張に近い低熱膨張性を示すため、アルミナや
窒化ケイ素に比較して、例えば上述したような露光精度
に対する問題はある程度解決される。
【0007】しかし、例えば露光装置のステージのよう
に、Siウエハを載置した支持体が露光処理を施す位置
まで高速移動・停止を伴うような場合には、移動後の支
持体自体が所定位置に停止後も振動しており、そのため
に、その振動した状態で露光処理を施すと露光精度が低
下するという問題があった。これは、露光によって形成
する配線幅が細くなるほど顕著であり、高微細な配線回
路を形成する上では致命的な問題となっていた。
【0008】また、このような問題はエアスライドなど
においても同様であり、いかに熱膨張係数が小さくて
も、剛性が小さくては基本的構造が梁構造であるため自
重変形による撓みが生じ、計測機器としての精度低下を
もたらす原因となる。 このような振動や撓みは、部材
自体の剛性が低いことによって引き起こされるものであ
り、これらの部材に対しては高い剛性が要求されてい
る。
【0009】また、この他に比重に対する部材の剛性の
割合、比剛性(剛性/比重)が小さいものは、仮に剛性
が高くても振動の原因となったり、撓みの原因となるた
め好ましくない。金属材料が用いられないのは、熱膨張
係数が大きいことも原因しているが、その外に比重が8
前後と大きいため剛性が大きい割には比剛性が小さいた
め、自重で撓んだり、高速移動の反転時などに慣性力が
大きく振動が生じるため好ましくないためである。
【0010】以上、詳述したように、リチウムアルミノ
シリケート、コーディエライトなどに代表されるような
熱膨張係数の小さなセラミックスではヤング率が小さ
く、また一方、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素など
はヤング率は十分に大きいものの熱膨張係数もまた大き
いといったように、十分に低熱膨張でかつ剛性の高いセ
ラミックスは存在しない。したがって、このような特性
を得るためには複数のセラミックスを複合化することが
考えられるが、このような複合化セラミックスは未だ得
られていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
鑑みてなされたものであって、低熱膨張特性と高剛性と
を兼備し、半導体製造装置、計測機器、精密機器などの
部品に好適な複合化セラミックスおよびその製造方法を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、2つのセラミック
スを所定の式に従って複合化して緻密質セラミックスと
することにより、低熱膨張および高剛性を兼備した材料
が得られることを見出した。また、この所定の式を用い
ることにより、種々の材料の組合せにおいて統一的に低
熱膨張で高剛性の特性が得られることを見出した。
【0013】従来は、複合化により材料の熱膨張係数を
調整しようとする試みは為されており、ムライトとコー
ディエライトの組合せにより熱膨張係数をシリコンと同
一にするなどの技術は提案されているが、上述のような
観点からの複合材料は提案されておらず、さらには低熱
膨張で高剛性の特性を得るための統一的な手法も得られ
ていなかったが、上記の知見に基づきこのようなことが
可能になった。
【0014】すなわち、本発明は、以下の(1)〜
(6)を提供するものである。 (1)第1の材料と第2の材料からなる緻密質の複合セ
ラミックスであって、第1の材料の重量割合をW1%、
密度をρ1、熱膨張係数をα1、ヤング率をE1とし、
第2の材料の重量割合をW2%、密度をρ2、熱膨張係
数をα2、ヤング率をE2とした場合に、熱膨張係数α
およびヤング率Eが以下の式で表され、前記熱膨張係数
αの室温近傍における値が、−1.5×10−6〜1.
5×10−6/℃であり、前記ヤング率Eは150GP
a以上であり、前記第1の材料がリチウムアルミノシリ
ケート、アルミナスキータイト、チタン酸アルミニウム
から選択された材料であり、前記第2の材料が炭化ケイ
素、窒化ケイ素、サイアロン、アルミナ、ジルコニア、
窒化アルミニウムから選択された材料であることを特徴
とする複合セラミックス。 α=[(W1E1α1/ρ1)+(W2E2α2/ρ2)]/[(W1E1/ρ1)+(W2E2 /ρ2)]+A E=B×[(W1E1ρ2)+(W2E2ρ1)]/[(W1ρ2)+(W2ρ1)] ただし、A=−0.5×10−6〜1.0×10−6、B=0.8〜1.2
【0015】(2) 上記(1)において、前記第1の
材料がリチウムアルミノシリケートであり、前記第2の
材料が炭化ケイ素、窒化ケイ素、サイアロンから選択さ
れた材料であることを特徴とする複合セラミックス。
【0016】(3) 上記(1)または(2)におい
て、比剛性が50GPa/g/cm3以上であることを
特徴とする複合セラミックス。
【0017】
【0018】(4) 上記(1)から(3)のいずれか
において、前記第1の材料の熱膨張係数α1の室温近傍
における値が、1.5×10-6/℃以下、前記第2の材
料のヤング率E2が150GPa以上であることを特徴
とする複合セラミックス。
【0019】
【0020】(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに
おいて、前記リチウムアルミノシリケートがユークリプ
タイトまたはスポジューメンであることを特徴とする複
合セラミックス。
【0021】(6)リチウムアルミノシリケート、アル
ミナスキータイト、チタン酸アルミニウムから選択され
る原料粉末と、炭化ケイ素、窒化ケイ素、サイアロン、
アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウムから選択され
る原料粉末を混合し、成形して、その成形体を、真空も
しくは不活性ガス雰囲気中、および/または大気中で1
200〜1500℃の温度で焼成することにより(1)
から(5)のいずれかの複合セラミックスを得ることを
特徴とする複合セラミックスの製造方法。
【0022】本発明の複合セラミックスを、例えば半導
体製造装置、計測機器、精密機器などの各種部品として
採用することによって、製品精度を高め、量産性を高め
ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】第1の材料と第2の材料からなる
複合材料の熱膨張係数αを記述する式として広く知られ
ているものに以下の(1)式のTurnerの理論式がある(P.
S.Turner, J.Res.NBS, 37, 239 (1946))。 α=(α1K1W1/ρ1+α2K2W2/ρ2)/ (K1W1/ρ1+K2W2/ρ 2 )・・・(1) ここで、記号の意味はそれぞれ以下の通りである。 K:体積弾性率(=E/3(1―2ν)、ただしE:ヤ
ング率、 ν:ポアソン比)、W:重量分率、ρ:密度 また、各記号に付されている添字1は第1の材料のも
の、添字2は第2の材料のものを示す。
【0024】一般にセラミックスのポアソン比νは0.
2〜0.3程度であり、材料によって多少の差はあるも
のの、一定値とみなしても上記(1)式から得られるαに
及ぼす誤差は微少である。
【0025】したがって、ν1=ν2と見なすと、熱膨
張係数αは以下の(2)式となる。 α=[(W1E1α1/ρ1)+(W2E2α2/ρ2)]/[(W1E1/ρ1)+(W2E2 /ρ2)]・・・(2)
【0026】また一方、複合材料のヤング率は体積%V
により以下の(3)式の混合則で与えられる。 E=E1V1+E2V2 ・・・・・・・・・・・・・(3) ここで、V1=(W1/ρ1)/[(W1/ρ1)+(W2/
ρ2)]、V2=1−V1であるから、以下の(4)式が成
り立つ。 E=[(W1E1ρ2)+(W2E2ρ1)]/[(W1ρ2)+(W2ρ1)]・・・(4) 以上のように、(2)および(4)式に基づいて、複合材料の
熱膨張係数αおよびヤング率Eは一意的に表すことが可
能となる。
【0027】以上のような関係が得られるためには、第
1の材料と第2の材料が互いに化学的に安定な状態で複
合材料中に存在することが不可欠であり、化学的に反応
して反応生成物を形成し、全く別異の材料になるような
場合は上記関係は成立しない。
【0028】本発明は、低熱膨張で高ヤング率の複合材
料を得る観点から、上式が成立する材料の組合せ、さら
にその結果得られる熱膨張係数、ヤング率が実際にどの
程度上式に合致するかを種々検討した結果、第1の材料
の重量割合をW1%、密度をρ1、熱膨張係数をα1、
ヤング率をE1とし、第2の材料の重量割合をW2%、
密度をρ2、熱膨張係数をα2、ヤング率をE2とした
場合に、熱膨張係数αおよびヤング率Eが以下の式で表
さればよいことを見出し完成されたものである。 α=[(W1E1α1/ρ1)+(W2E2α2/ρ2)]/[(W1E1/ρ1)+(W2E2 /ρ2)]+A・・・・・・・・・・(5) E=B×[(W1E1ρ2)+(W2E2ρ1)]/[(W1ρ2)+(W2ρ1)] ・・・・・・(6 ) ただし、A=−0.5×10−6〜1.0×10−6、
B=0.8〜1.2
【0029】ここで、AおよびBは、種々の材料系を勘
案した場合の(1)式および(3)式のマージンを与え
るものである。元来、上記(1)式および(3)式は基
礎的な理論式であり、この式のみで種々の材料をカバー
することは困難である。すなわち、材料系によっては大
略化学的に安定であっても、わずかな反応生成物の形成
が起こる場合や、粒界にガラス相を形成する場合もあ
り、これらを全て考慮して、上記A、Bの範囲を導出し
たものである。
【0030】本発明の複合セラミックスは、熱膨張係数
αの室温近傍における値が−1.5×10−6〜1.5
×10−6/℃、ヤング率Eが150GPa以上である
ことが好ましい。熱膨張係数αの室温近傍における値が
上記範囲を外れると、低熱膨張の用途への適用が困難で
ある。また、ヤング率Eが150GPa未満であると上
記振動の問題を解消するのが困難である。熱膨張係数α
の室温近傍における値のより好ましい範囲は−1×10
−6〜1×10−6/℃である。
【0031】本発明の複合セラミックスは、比剛性が5
0GPa/g/cm3以上であることが好ましい。比剛
性がこの値未満であると、振動を有効に防止することが
困難となる。
【0032】低熱膨張で高ヤング率の観点から見た場
合、第1の材料を熱膨張係数材料で構成し、第2の材料
を高ヤング率材料で構成する。この場合に第1の材料の
熱膨張係数の室温での値は1.5×10-6/℃以下、第
2の材料のヤング率は150GPa以上であることが望
ましい。第1の材料の熱膨張係数の室温での値が1.5
×10-6/℃を超えると熱膨張係数の低減効果が少なく
なるため、また第2の材料のヤング率が150GPa未
満になるとヤング率の増大効果が少なくなるため好まし
くない。第1の材料の熱膨張係数の室温での値はより好
ましくは1×10 −6/℃以下、さらに好ましくは0.
5×10−6/℃以下であり、第2の材料のヤング率は
より好ましくは200GPa以上であり、さらに好まし
くは250GPa以上である。
【0033】上記第1の材料としてはユークリプタイ
ト、スポジューメン、ペタライト、β石英固溶体等のリ
チウムアルミノシリケート、アルミナスキータイト、チ
タン酸アルミニウムから選択された材料を用い、第2の
材料としては炭化ケイ素、窒化ケイ素、サイアロン、ア
ルミナ、ジルコニア、窒化アルミから選択された材料を
用いる。
【0034】第1の材料として用いる上記材料のうち、
低熱膨張の観点からはリチウムアルミノシリケートのう
ちユークリプタイトやスポジューメンが好ましい。ま
た、低熱膨張係数の材料でより好ましいのはマイナスの
熱膨張を示すものであり、このような材料として例えば
ユークリプタイトなどを挙げることができる。このよう
なマイナスの熱膨張を示す材料を用いることで比較的少
量で複合セラミックス全体の熱膨張係数を低下させるこ
とが可能となり、したがって、ヤング率の低下を招かず
に熱膨張係数の低下を図ることができる。また、化学的
に反応しなければ第1の材料の中から複数の材料を組合
せて用いることも可能である。例えば、ユークリプタイ
トとコーディエライトを組合せて使用することができ
る。コーディエライトはユークリプタイトに比し熱膨張
係数は大きいもののヤング率がユークリプタイトよりは
大きいため、ヤング率が優先される場合に好ましく使用
することができる。
【0035】第2の材料として用いる上記材料の中で
は、特に高ヤング率の観点から炭化ケイ素、アルミナ
が、ヤング率が比較的大きく熱膨張係数が小さいという
観点で窒化ケイ素、サイアロンがそれぞれ好ましい。
【0036】以上の複合セラミックス中には、第1の材
料および第2の材料の他、不可避的不純物が5重量%程
度まで含有されていても構わないが、5重量%を超えて
含有されると諸特性、特に熱膨張係数が大きくなるため
好ましくない。
【0037】以上のような複合セラミックスは、ユーク
リプタイト、スポジューメン等のリチウムアルミノシリ
ケート、コーディエライト、アルミナスキータイト、チ
タン酸アルミニウム、などから選択される原料粉末と、
炭化ケイ素、窒化ケイ素、サイアロン、アルミナ、ジル
コニア、窒化アルミなどから選択される原料粉末を混合
し、成形して、その成形体を、真空もしくは不活性ガス
雰囲気中、および/または大気中で1200〜1500
℃の温度で焼成することによって得ることができる。
【0038】上記のような焼結体を作製するには、平均
粒径が10μm以下程度の粉末を用いることが好まし
い。第1の材料と第2の材料を配合後、ボールミルなど
により十分に混合し、所定形状に所望の成形手段、例え
ば、金型プレス,冷間静水圧プレス,押出し成形等によ
り任意の形状に成形後、焼成する。
【0039】焼成は、第1の材料および第2の材料のい
ずれかに非酸化物を用いる場合、大気などの酸化性雰囲
気で焼成すると酸化されてしまうため、真空またはA
r、N 2などの不活性ガス雰囲気中で焼成しないとヤン
グ率を高める効果が発揮されない。第1の材料および第
2の材料が共に酸化物である場合は、真空またはAr、
N2などの不活性ガス雰囲気中でも大気などの酸化性雰
囲気でもどちらでも構わない。
【0040】焼成は1200〜1500℃の温度範囲で
数時間程度焼結する。温度が1200℃よりも低いと緻
密化することが困難であり、1500℃を超えると溶融
してしまい、いずれも健全な緻密質のセラミックス焼結
体を得ることは困難である。
【0041】
【実施例】第1の材料として市販のユークリプタイト粉
末(丸ス釉薬)を用い、第2の材料を混合せずに成形
し、1380℃で焼成することで直径50mm、板厚4
mmのセラミックス焼結体を得た。
【0042】このセラミックス焼結体から3×4×15
mmの試料を取り出し、0〜100℃の範囲で熱膨張係
数を測定した(リガク社TAS100:示差型熱膨脹
計)。測定精度上、測定治具は全て石英を使用した。表
1に示すように、このサンプルの室温近傍の30℃にお
ける熱膨張係数は−2.5×10−6/℃であった。ま
たその結晶相はβユークリプタイトであった。さらに、
超音波パルス法により、室温でのヤング率を測定したと
ころ、表1に示すように、ヤング率は100GPaと低
剛性であった(試料No.1)。
【0043】第2の材料として炭化ケイ素(スタルク製
UF−10)、窒化ケイ素(宇部興産製SN−E1
0)、アルミナ(昭和電工製AL160−SG1)のそ
れぞれの粉末を用い、第1の材料を混合せずに各粉末を
成形した成形体を表1の条件で焼成しセラミックス焼結
体を得た。表1に示すように、何れの試料もヤング率は
大きいものの、熱膨張係数もまた大きいものであった
(試料No.2〜4)。
【0044】以上の試料No.1〜4は、熱膨張係数お
よびヤング率のいずれかに問題を有し、エアスライド、
定盤等の本発明が意図する用途に用いることができなか
った。
【0045】次に、試料No.1のユークリプタイト粉
末に試料No.2〜4の炭化ケイ素、窒化ケイ素、アル
ミナの粉末を表1に示す割合で添加し、ボールミルで2
4時間混合した後、1ton/cm2の圧力で金型成形
した。そして、その成形体を表1の条件で焼成し試料と
した(試料No.5〜7)。
【0046】これらの試料について、100℃での熱膨
張係数、室温でのヤング率を測定した結果、表1に示す
ように、ユークリプタイト焼結体である試料No.1に
比し、ヤング率は何れも大幅に増大し、かつ熱膨張係数
も試料No.2〜4に比し十分に小さかった。したがっ
て、本発明が意図するエアスライド、定盤等の用途に好
適に使用することができた。なお、この際の前記
(5)、(6)式中におけるA値、B値はそれぞれ本発
明で規定する−0.5×10−6〜1.0×10−6、
0.8〜1.2の範囲内にあった。
【0047】次に、第1の材料として天然のαスポジュ
ーメンを用い第2の材料を用いずに成形し、焼成して試
料を得た(試料No.8)。この試料は熱膨張係数は
0.05×10−6/℃と小さいもののヤング率も11
0GPaと小さかった。
【0048】試料No.9はこのスポジューメンと第2
の材料としての炭化ケイ素を混合して焼成したものであ
る。また、試料No.10はスポジューメンと試料N
o.1のユークリプタイトをそれぞれ50重量%ずつ混
合した粉を第1の材料とし、第2の材料として炭化ケイ
素を用いてこれらを混合し、焼成したものである。
【0049】試料No.9、10について、30℃での
熱膨張係数、室温でのヤング率を測定した結果、表1に
示すように、αスポジューメン焼結体である試料No.
8に比し、ヤング率は何れも大幅に増大し、かつ熱膨張
係数も低い値を維持していた。したがって、本発明が意
図するエアスライド、定盤等の用途に好適に使用するこ
とができた。なお、この際の上記(5)、(6)式中に
おけるA値、B値はそれぞれ本発明ので規定する−0.
5×10−6〜1.0×10−6、0.8〜1.2の範
囲内にあった。
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】試料No.11、12は、それぞれ焼成温
度が1150℃、1550℃と本発明の範囲外の場合で
ある。1200℃よりも低い試料No.11では、緻密
化することができず、1500℃よりも高い試料No.
12では、成形体の溶融が見られ、熱膨張係数、ヤング
率の測定を行えなかった。
【0054】以上のように、本発明の範囲内のNo.
5,6,7,9,10は、いずれも低熱膨張特性と高剛
性とを兼備していることが確認された。また、これら
は、比剛性が50GPa/g/cm3以上であり、比剛
性も高いことが確認された。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
2つのセラミックスを上記特定の式に従って複合化して
緻密質セラミックスとすることにより、低熱膨張および
高剛性を兼備した複合セラミックスを得ることができ
る。また、上記特定の式を用いることにより、種々の材
料の組合せにおいて統一的に低熱膨張で高剛性の特性を
得ることができる。このため、本発明の複合セラミック
スは、雰囲気の温度変化に対しても寸法の変化が少な
く、かつ撓みや振動が少ないため、半導体製造用部品、
精密機器部品、計測機器部品などに適用した場合に、優
れた精度の製品が得られるとともに、品質と量産性を高
めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平13−58867(JP,A) 特開 昭60−27648(JP,A) 特開 昭59−174572(JP,A) 特開 平11−130523(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/00 - 35/84

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の材料と第2の材料からなる緻密質
    の複合セラミックスであって、第1の材料の重量割合を
    W1%、密度をρ1、熱膨張係数をα1、ヤング率をE
    1とし、第2の材料の重量割合をW2%、密度をρ2、
    熱膨張係数をα2、ヤング率をE2とした場合に、熱膨
    張係数αおよびヤング率Eが以下の式で表され、前記熱
    膨張係数αの室温近傍における値が、−1.5×10
    −6〜1.5×10−6/℃であり、前記ヤング率Eは
    150GPa以上であり、 前記第1の材料がリチウムアルミノシリケート、アルミ
    ナスキータイト、チタン酸アルミニウムから選択された
    材料であり、前記第2の材料が炭化ケイ素、窒化ケイ
    素、サイアロン、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニ
    ウムから選択された材料であることを特徴とする複合セ
    ラミックス。 α=[(W1E1α1/ρ1)+(W2E2α2/ρ2)]/[(W1E1/ρ1)+(W2E2 /ρ2)]+A E=B×[(W1E1ρ2)+(W2E2ρ1)]/[(W1ρ2)+(W2ρ1)] ただし、A=−0.5×10−6〜1.0×10−6、B=0.8〜1.2
  2. 【請求項2】 前記第1の材料がリチウムアルミノシリ
    ケートであり、前記第2の材料が炭化ケイ素、窒化ケイ
    素、サイアロンから選択された材料であることを特徴と
    する請求項1に記載の複合セラミックス。
  3. 【請求項3】 比剛性が50GPa/g/cm3以上で
    あることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    複合セラミックス。
  4. 【請求項4】 前記第1の材料の熱膨張係数α1の室温
    近傍の値が1.5×10-6/℃以下、前記第2の材料の
    ヤング率E2が150GPa以上であることを特徴とす
    る請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の複合セ
    ラミックス。
  5. 【請求項5】 前記リチウムアルミノシリケートがユー
    クリプタイトまたはスポジューメンであることを特徴と
    する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の複合
    セラミックス。
  6. 【請求項6】 リチウムアルミノシリケート、アルミナ
    スキータイト、チタン酸アルミニウムから選択される原
    料粉末と、炭化ケイ素、窒化ケイ素、サイアロン、アル
    ミナ、ジルコニア、窒化アルミニウムから選択される原
    料粉末を混合し、成形して、その成形体を、真空もしく
    は不活性ガス雰囲気中、および/または大気中で120
    0〜1500℃の温度で焼成することにより請求項1か
    ら請求項5のいずれかに記載の複合セラミックスを得る
    ことを特徴とする複合セラミックスの製造方法。
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