JPH11209171A - 緻密質低熱膨張セラミックス及びその製造方法、並びに半導体製造装置用部材 - Google Patents

緻密質低熱膨張セラミックス及びその製造方法、並びに半導体製造装置用部材

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JPH11209171A
JPH11209171A JP10009720A JP972098A JPH11209171A JP H11209171 A JPH11209171 A JP H11209171A JP 10009720 A JP10009720 A JP 10009720A JP 972098 A JP972098 A JP 972098A JP H11209171 A JPH11209171 A JP H11209171A
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啓久 瀬知
Masahiro Sato
政宏 佐藤
Hiroshi Aida
比呂史 会田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低熱膨張を有するとともに、ボイドが少ない緻
密質な低熱膨張セラミックスを得る。 【解決手段】コージェライトを80〜99重量%と、希
土類元素酸化物を1〜20重量%含有する組成の原料粉
末を所定形状に成形後、相対密度90%以上に焼結し、
さらに900℃〜1400℃の温度で100気圧以上の
加圧雰囲気で熱処理して、気孔率が0.1%以下、最大
ボイド径5μm以下、10〜40℃における熱膨張係数
1×10-6/℃以下の緻密質低熱膨張セラミックスを得
る。そして、この緻密質低熱膨張セラミックスを露光装
置用真空チャック、ステージ位置測定ミラーなどの半導
体製造装置用部品に適用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空装置構造体、
サセプタ、真空チャック、静電チャックあるいは露光装
置におけるステージや、ステージ位置測定用ミラー、あ
るいはそれらの支持部材、さらには半導体製造プロセス
における各種治具などに適したコージェライトを主体と
する低熱膨張セラミックスとその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、コージェライト系焼結体は、低
熱膨張のセラミックスとして知られており、フィルタ
ー、ハニカム、耐火物などに応用されている。このコー
ジェライト系焼結体は、一般には、コージェライト粉
末、あるいはコージェライトを形成するMgO、Al2
3 、SiO2 粉末を配合して、これに焼結助剤とし
て、希土類元素酸化物や、SiO2 、CaO、MgOな
どを添加し、所定形状に成形後、1000〜1400℃
の温度で焼成することによって作製される(特公昭57
−3629号、特開平2−229760号)。
【0003】一方、LSIなどの半導体装置の製造工程
において、シリコンウエハに配線を形成する工程におい
て、ウエハを支持または保持するためのサセプタ、真空
チャック、静電チャックや絶縁リングとしてあるいはそ
の他の治具等として、これまでアルミナや窒化珪素が比
較的に安価で、化学的にも安定であるため広く用いられ
ている。また、露光装置のXYテーブル等としても従来
よりアルミナや窒化珪素などのセラミックスも用いられ
ている。
【0004】また、最近では、コージェライト等の低熱
膨張セラミックスを半導体製造装置用部品として応用す
ることが特開平1−191422号や特公平6−976
75号にて提案されている。特開平1−191422号
によれば、X線マスクにおけるマスク基板に接着する補
強リングとして、SiO2 、インバーなどに加え、コー
ジェライトによって形成しメンブレンの応力を制御する
ことが提案されている。また、特公平6−97675号
では、ウエハを載置する静電チャック用基盤としてアル
ミナやコージェライト系焼結体を使用することが提案さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、LSIなどにお
ける高集積化に伴い、回路の微細化が急速に進められ、
その線幅もサブミクロンオーダーのレベルまで高精密化
しつつある。そしてSiウエハに高精密回路を形成する
ための露光装置に対して高い精度が要求され、たとえば
露光装置のステージ用部材においては100nm(0.
1μm)以下の位置決め精度が要求され、露光の位置合
わせ誤差が製品の品質向上や歩留まり向上に大きな影響
を及ぼしているのが現状である。
【0006】半導体製造装置用として一般に用いられて
きたアルミナ、窒化珪素などのセラミックスは、金属に
比べて熱膨張率が小さいものの、10〜40℃の熱膨張
率はそれぞれ5.2×10-6/℃、1.5×10-6/℃
であり、雰囲気温度が0.1℃変化すると数100nm
(0.1μm)の変形が発生することになり、露光等の
精密な工程ではこの変化が大きな問題となり、従来のセ
ラミックスでは精度が低く、生産性の低下をもたらして
いる。
【0007】これに対して、コージェライト系焼結体
は、熱膨張率が0.2×10-6/℃程度と、アルミナや
窒化珪素に比較して熱膨張率が低く、上記のような露光
精度に対する問題はある程度解決される。
【0008】ところが、従来のコージェライトは緻密化
が難しく、ボイドの多いものしか得られていない。その
ため、露光装置の位置測定用ミラーや表面コーティング
が必要な部材のように表面の平滑性が必要となる場合に
は、ボイド等の凹凸の存在は測距用レーザーの乱反射の
原因となり、位置測定に致命的な問題となっていた。こ
のようなボイドは、部材自体の相対密度が低いことによ
って引き起こされるものであることから、これらの部材
に対しては材料の緻密性が要求されている。
【0009】従って、本発明は、それ自体低熱膨張を有
するとともに、ボイドの少ない緻密質の低熱膨張セラミ
ックスとその製造方法を提供することを目的とするもの
である。また、本発明は、ステージ位置測定用ミラーを
はじめとする表面コーティングが必要な部材の表面平滑
性に優れた、緻密質な半導体製造用部材を提供すること
を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
に対し鋭意研究を重ねた結果、コージェライトに希土類
元素酸化物を所定の比率で添加した組成物を用いて作製
した緻密体に、さらに高温加圧処理を行うことにより、
低熱膨張特性を阻害することなく相対密度を高め、焼結
体中のボイドを低減させることができることを見いだ
し、本発明に至った。
【0011】即ち、本発明の緻密質低熱膨張セラミック
スは、コージェライトを80重量%以上含有し、気孔率
が0.1%以下、最大ボイド径5μm以下、10〜40
℃における熱膨張係数1×10-6/℃以下であることを
特徴とするものであり、かかるセラミックスの製造方法
として、コージェライトを80重量%以上含有する原料
粉末を所定形状に成形後、相対密度90%以上に焼結
し、さらに900℃〜1400℃の温度で100気圧以
上の加圧雰囲気で熱処理することを特徴とするものであ
る。
【0012】さらに、本発明によれば、かかる緻密質低
熱膨張セラミックスを半導体製造装置用部材として用い
ることを特徴とするものである。
【0013】なお、上記緻密質低熱膨張セラミックスに
おいては、いずれも希土類元素を酸化物換算で1〜20
重量%含有することが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の低熱膨張セラミックス
は、一般式2MgO・2Al2 3 ・5SiO2 で表さ
れるコージェライトの複合酸化物を主体とするものであ
る。このコージェライト結晶は、平均粒径が1〜10μ
mの結晶粒子として存在する。このコージェライトは、
焼結体中に80重量%以上、特に85重量%以上の割合
で存在する。
【0015】また、この焼結体中には、副成分として希
土類元素を酸化物換算で1〜20重量%、特に5〜15
重量%の割合で含有することが望ましい。コージェライ
トが100重量%であっても、ある程度の緻密化が可能
であっても、その焼成温度が高く、その焼成可能温度領
域が±5℃と非常に狭いために量産には不向きである。
これに対して、希土類元素を1重量%以上含有すると、
焼成時にコージェライトの成分と反応し、液相を生成す
ることから焼結性を高める作用が発揮され、低温焼成化
とともに、焼成可能温度領域を±25℃程度まで拡げる
ことができるために量産性を高めることができる。従っ
て、上記希土類元素量が1重量%よりも少ないと焼結性
が低下し、20重量%を越えると熱膨張係数が大きくな
り、1.0×10-6/℃以下の特性が達成できない。
【0016】なお、セラミックス中に含有される希土類
元素としては、Y、Yb、Lu、Er、Ce、Nd、S
m等が挙げられ、これらの中でも安価に入手できる点
で、Y、Ybが好適に含まれる。
【0017】上記のようなセラミックスを作製するに
は、平均粒径が10μm以下のコージェライト粉末80
〜99重量%、特に85〜95重量%に対して、平均粒
径が10μm以下の希土類元素酸化物粉末を1〜20重
量%、特に5〜15重量%の割合で添加する。上記の比
率で各成分を配合した後、ボールミルなどにより十分に
混合し、所定形状に所望の成形手段、例えば、金型プレ
ス、冷間静水圧プレス、押出し成形等により任意の形状
に成形する。この時の成形体は、相対密度55%以上で
あることが望ましく、成形体密度が55%よりも低い
と、その後の焼結過程で相対密度90%以上の緻密体を
作製することが困難となる。
【0018】次に、上記のようにして作製した成形体を
相対密度90%以上、好ましくは95%以上に焼成す
る。相対密度90%以上に緻密化するには、上記の組成
からなる成形体を大気あるいは不活性ガス雰囲気中で1
300〜1450℃で1〜10時間程度焼成することに
より作製することができる。なお、この焼成にあたって
は、成形体を炭化珪素質またはアルミナ質の匣鉢内に収
納して焼成することが望ましい。
【0019】得られた焼結体にガス中、例えばN2 ,A
r,Airなどのガスにより100気圧以上の加圧雰囲
気で熱処理する。次に、この加圧熱処理は、900〜1
400℃の温度範囲、好ましくは1100〜1200℃
で1〜5時間程度行うことにより相対密度99.9%以
上、気孔率0.1%以下、最大ボイド径5μm以下に緻
密化することができる。つまり、処理温度が900℃よ
りも低いとボイドを低減することができず、1400℃
を越えると試料の一部が溶融する。
【0020】なお、上記の高圧雰囲気中での熱処理を施
す前の焼結体の相対密度が90%未満では、焼結体中の
気孔中に高圧ガスがトラップされてしまい、その後の高
圧雰囲気中での熱処理を施してもボイドを減少すること
ができないためである。
【0021】上記のような製造方法によって最終的に、
気孔率が0.1%以下、特に0.08%以下、最大ボイ
ド径5μm以下、特に4.5μm以下の緻密質の低熱膨
張のセラミックスを作製することができる。
【0022】なお、かかる低熱膨張セラミックスにおい
ては、気孔率が0.1%以下、最大ボイド径5μm以
下、10〜40℃における熱膨張係数1×10-6/℃以
下の特性を満足することを条件に、上記のコージェライ
ト成分および希土類元素化合物以外に、製造上の不可避
的不純物や、焼結性や特性向上のために他の成分を含有
してもよい。例えば、W、Mo、Ni、Fe、Zr、S
r等が挙げられる。
【0023】そして、かかる緻密質低熱膨張セラミック
スは、半導体素子を製造する際に用いられる真空装置構
造体、サセプタ、真空チャック、静電チャックあるいは
露光装置におけるステージや、ステージ位置測定用ミラ
ー、あるいはそれらの支持部材、さらには半導体製造プ
ロセスにおける各種治具などに好適に使用される。特
に、そのセラミック表面に、コーティングが施されるよ
うな部材、例えば、真空チャック、ステージ位置測定用
ミラーに最も好適に使用される。
【0024】かかる場合、セラミックスの表面に施され
るコーティングとしては、TiN、、Al2 3 、ダイ
ヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等が
0.1〜10μmの膜厚で被覆される。
【0025】このようなコーティングが施される部材に
おいては、気孔率が0.1%以下、最大ボイド径5μm
以下であることが必要であり、気孔率が0.1%を越え
たり、最大ボイド径が5μmを越えると、均質がコーテ
ィングが形成されず、半導体製造装置用部材に適さない
ためである。
【0026】
【実施例】純度99%以上、平均粒径が3μmのコージ
ェライト粉末に対して、平均粒径が1μmのY2 3
Yb2 3 、Er2 3 、CeO2 の各希土類元素酸化
物粉末を表1および表2に示す割合で調合後、ボールミ
ルで24時間混合した。その後、この混合粉末を1t/
cm2 の圧力で金型成形して、相対密度58%の成形体
を作製した。
【0027】そして、その成形体を炭化珪素質またはア
ルミナ質の匣鉢に入れて大気雰囲気中で表1、表2に示
す温度で5時間焼成した。得られた焼結体に対してアル
キメデス法によって相対密度を測定しその結果を表1、
表2に示した。
【0028】上記の焼成後、さらに、表1、表2の条件
で高圧雰囲気中での熱処理を1時間施した。なお、加圧
処理条件を表1、表2のように変化させて実施して、種
々のセラミックスを作製した。
【0029】得られたセラミックスを研磨し、3×4×
15mmの大きさに研削加工し、このセラミックスの1
0〜40℃までの熱膨張係数を測定した。また、室温で
のボイド率を測定した。結果は表1、表2に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】表1,2にみられるように、本発明に基づ
き、コージェライトを80重量%以上含み、相対密度9
0%以上の焼結体を、100気圧以上の900〜140
0℃の条件で加圧処理することにより、相対密度の向上
ならびに気孔率の低減化を図り、気孔率0.1%以下を
達成し、相対密度が高くなる傾向が見られた。
【0033】しかし、高圧処理時の処理温度が1400
℃を越える試料No.22では、試料の一部が溶融し、ま
た、加圧処理温度が900℃よりも低い試料No.1は、
気孔率が0.1%を越えるものであった。また、希土類
元素酸化物の添加量が20重量%より多い試料No.36
は、熱膨張係数が大きくなり、1.0×10-6/℃以下
の特性が達成できず、希土類元素酸化物量が1重量%未
満の試料No.30では、特性上では問題ないものの、焼
成可能温度領域が±5℃と非常に狭いものであった。
【0034】さらに、高圧熱処理時の圧力が100気圧
よりも低い試料No.23ではボイド率が低下せず気孔率
0.1%以下が達成されなかった。また、加圧前の相対
密度が90%よりも低い試料No.37、38を使用する
と、高温加圧処理後の気孔率が0.1%以下、最大ボイ
ド径が5μm以下にならなかった。
【0035】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の低熱膨張セ
ラミックスは、コージェライトの優れた低熱膨張特性を
維持しつつ、ボイド率、即ち、相対密度を高めることが
できる。その結果、この低熱膨張セラミックスを高微細
な回路を形成するためのウエハに露光処理を行うなどの
半導体製造装置用部品、例えば、露光装置用真空チャッ
ク、ステージ用ミラーなどとして用いることにより、雰
囲気の温度変化に対しても寸法の変化がなく、また、部
品表面の平滑性を向上させることができ、優れた精度が
得られ、半導体素子製造の品質と量産性を高めることが
できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コージェライトを80重量%以上含有し、
    気孔率が0.1%以下、最大ボイド径5μm以下、10
    〜40℃における熱膨張係数1×10-6/℃以下である
    ことを特徴とする緻密質低熱膨張セラミックス。
  2. 【請求項2】希土類元素を酸化物換算で1〜20重量%
    含有する請求項1記載の緻密質低熱膨張セラミックス。
  3. 【請求項3】コージェライトを80重量%以上含有する
    原料粉末を所定形状に成形後、相対密度90%以上に焼
    結し、さらに900℃〜1400℃の温度で100気圧
    以上の加圧雰囲気で熱処理することを特徴とする緻密質
    低熱膨張セラミックスの製造方法。
  4. 【請求項4】前記原料粉末が、希土類元素を酸化物換算
    で1〜20重量%含有する請求項3記載の緻密質低熱膨
    張セラミックスの製造方法。
  5. 【請求項5】コージェライトを80重量%以上含有し、
    気孔率が0.1%以下、熱膨張係数1×10-6/℃以下
    の緻密質低熱膨張セラミックスからなることを特徴とす
    る半導体製造装置用部材。
  6. 【請求項6】希土類元素を酸化物換算で1〜20重量%
    含有する請求項5記載の半導体製造装置用部材。
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