JP3365897B2 - クローラベルト式車両 - Google Patents
クローラベルト式車両Info
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Description
輪をクローラとしたクローラベルト式車両(いわゆる、
ハーフクローラ車)の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、ハーフクローラ車として、例えば
特開昭59−164270号公報「履帯を有する四輪駆
動車」の技術がある。上記技術は、その公報の第1図及
び第2図によれば、四輪駆動車2(番号は公報に記載さ
れたものを引用した。以下同じ。)の車体前部に前輪3
を取付け、車体後部にタイヤ付き後輪4及びタイヤ付き
遊動輪5を取付け、これら後輪4及び遊動輪5にゴム製
の履帯6を掛け渡し、後輪4を駆動する構成である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】一般に、ハーフクロー
ラ車は、クローラの後輪4及び遊動輪5が転舵しない構
成であり、このため、クローラの仮想旋回中心は、後輪
4と遊動輪5との間の概ね中間にある。仮想旋回中心
は、前輪3、後輪4及び遊動輪5の動的重量配分により
決定される。従って、クローラが旋回する際に、履帯6
には後輪4の直下及び遊動輪5の直下において、サイド
スリップ(車幅方向へのスリップ)が発生する。このサ
イドスリップが過大になると脱輪の恐れがあるため、サ
イドスリップ量は少なく、サイドスリップ力も小さいこ
とが好ましい。 【0004】そこで本発明の目的は、脱輪し難く、ま
た、走行抵抗の大きい路面での円滑な旋回性を確保でき
るクローラベルト式車両を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1記載の発明は、車体前部の左右にタイヤ付き
前輪を取付け、車体後部の左右に中間輪及び後輪を取付
け、これら中間輪及び後輪にクローラベルトを掛け渡
し、上記中間輪と後輪の少なくとも一方を差動装置を介
して駆動し、前輪を操舵する形式のクローラベルト式車
両において、上記中間輪の車軸中心線と後輪の車軸中心
線との間に平行で且つそれらの略中間を通る中間線と、
右の前輪の旋回中心と、左の前輪の旋回中心と、を一致
させたことを特徴とする。クローラベルトのサイドスリ
ップ量が少ないので、脱輪の恐れががなく走行抵抗の大
きい路面での円滑な旋回性を確保できる。また、中間輪
の直下や後輪の直下において、クローラベルトのサイド
スリップ力が小さいので、脱輪し難い。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見
るものとする。図1は本発明に係るクローラベルト式車
両の側面図であり、クローラベルト式車両1は前輪をタ
イヤ、後輪をクローラとした、いわゆる、ハーフクロー
ラ車である。 【0007】詳しくは、クローラベルト式車両1は、前
部のキャビン2と後部の荷台3とを備えた車体フレーム
4(車体)に、駆動輪としての前輪5と、駆動輪として
の後輪6と、これら前・後輪5,6の間に介在した遊転
輪としての中間輪7と、これら後・中間輪6,7との間
に介在した3つの転輪8…(…は複数を示す。以下同
じ。)とを左右に取付け、後輪6と中間輪7とにクロー
ラベルト9を掛け渡すことでクローラを構成した、4輪
駆動・クローラ式車両である。 【0008】前輪5、後輪6及び中間輪7はゴム製空気
入りタイヤを備え、このタイヤは、バルーンタイヤであ
る。前輪5は、後輪6及び中間輪7よりも大径であり、
このため、前輪5の中心高さ寸法H1は、後輪6及び中
間輪7の中心高さ寸法H2よりも大きい(高位であ
る)。クローラベルト9は、ゴム材などの可撓性材料か
らなり、長手方向両側にタイヤのショルダ部に対する多
数のサイドガイド部9a…を起設し、接地面9bに所定
の凹凸パターンを形成したものである。 【0009】なお、荷台3は車体フレーム4の後部上部
に一体に備えた後部フレーム4aに、取付けた構成であ
る。また、車体フレーム4は、後部にトランスミッショ
ン11a付きエンジン11を備える。12はエアクリー
ナ、13はエアクリーナ用エア取入管、14はマフラ、
15は乗員D用シート、16はステアリングハンドル、
17はチェンジレバー、18はアクセルペダル、19は
ブレーキペダル、21はサイドブレーキ、22はフロン
トフェンダである。 【0010】図2は本発明に係るクローラベルト式車両
の平面図であり、キャビン2及び荷台3を外した姿を示
す。なお、荷台3はこの図の想像線にて示す。車体フレ
ーム4は、前部にフロントサスペンション25と操舵装
置30と前輪用駆動装置40とを備え、後部にリヤサス
ペンション装置50と後輪用駆動装置60とを備える。 【0011】操舵装置30は、想像線にて示すステアリ
ングハンドル16の操舵力を伝達するためのタイロッド
31、このタイロッド31の両端のタイロッドエンド3
2,32に連結したナックルアーム33,33、これら
ナックルアーム33,33と前輪5,5の支軸5a,5
aとを連結したキングピン34,34等からなる。 【0012】前輪用駆動装置40は、トランスミッショ
ン11aの前部から延びた推進軸41、この推進軸41
に連結した差動装置42、この差動装置42と前輪5,
5の支軸5a,5aとに連結した左右の駆動軸43,4
3からなる。 【0013】リヤサスペンション装置50は、車体フレ
ーム4の後部に左右1対のスイングアーム51,51を
上下揺動可能に取付け、これらスイングアーム51,5
1を走行方向後方へ延出し、その揺動先端間に揺動管5
2を掛け渡し、この揺動管52の両端部にサブビーム5
3,53を上下揺動可能に取付け、これらサブビーム5
3,53を走行方向前方へ延出し、その前端部に中間輪
支軸54,54を回転可能に取付け、この中間輪支軸5
4,54の先端部に中間輪7,7を取付けて構成し、更
に、オイルダンパ55…にて懸架するものである。な
お、オイルダンパ55…は図3にて詳述する。 【0014】後輪用駆動装置60は、トランスミッショ
ン11aの後部から延びた推進軸61、この推進軸61
に自在継手62を介して連結した差動装置63、及び差
動装置63に連結した左右の駆動軸64,64からな
り、この駆動軸64の両端部に後輪6,6を連結した構
成である。差動装置63及び駆動軸64,64は、上記
揺動管52と同心に配置し、しかも、揺動管52ととも
に揺動可能に連結することで、上記リヤサスペンション
装置50の一部を構成する。そして、揺動管52は、内
部に挿通した駆動軸64,64を回転可能に支持した構
成である。 【0015】図3は本発明に係るリヤサスペンション装
置の側面図であり、リヤサスペンション装置50は、後
部フレーム4aにオイルダンパ(ショックアブソーバ)
55,55を介してサブビーム53の前端部及び後端部
を懸架したものである。ところで、サブビーム53は、
クローラベルト9(図1参照)の張力調整が可能な構成
である。詳しくは、サブビーム53は、オイルダンパ5
5,55にて懸架したビーム部材56の前部側面に、ビ
ーム延長部57を前後スライド可能に取付け、しかも、
ビーム部材56とビーム延長部57とをターンバックル
58にてスライド調整可能に連結した構成であり、ター
ンバックル58にてクローラベルト9の張力を調整す
る。ビーム部材56は、転輪8…を転輪支持機構70に
て装着する。ビーム延長部57は、前部に中間輪支軸5
4を備える。 【0016】図4は本発明に係る転輪支持機構の断面図
であり、転輪支持機構70は、サブビーム53のビーム
部材56の下面に、付勢手段としての板ばね71の基端
を取付け、この板ばね71を車幅方向外方に延出し、そ
の先端部に下側開放のチャンネル状のホルダ72を左右
揺動可能に取付け、このホルダ72に3つの転輪8…を
走行方向(この図の表裏方向)に1列に且つ回転可能に
取付けた構成である。そして、板ばね71は、転輪8…
を常に下方(クローラベルト9の下部裏面側)に付勢す
ることにより、クローラベルト9を接地面9b(路面
F)に向って押圧する。転輪8…は、図1に示す後輪6
及び中間輪7よりも小径であり、少なくとも外周部をゴ
ム材などの可撓性材料で構成する。なお、転輪8…はタ
イヤを備えた構成としてもよく、例えば、ゴム製空気入
りタイヤを備えて構成してもよい。73は転輪8を支持
する支軸である。 【0017】図5は本発明に係るクローラベルト式車両
のステアリングジオメトリの模式図である。なお、説明
の都合上、車体の走行方向左右の部材を区別して説明す
る際には、例えば、右の前輪を「5R」、左の前輪を
「5L」のように、右側の部材の符号に「R」、左側の
部材の符号に「L」を付す。クローラベルト式車両1の
ステアリングジオメトリは、左右の後輪6L,6Rの車
軸中心線N(図2に示す駆動軸64の中心)と、左右の
中間輪7L,7Rの車軸中心線M(図2に示す中間輪支
軸54の中心)との間に、車軸中心線M,Nと平行で且
つそれらの略中間を通る中間線Pを引いた場合に、この
中間線Pと、右の前輪5Rの旋回中心と、左の前輪5L
の旋回中心とを一致させたものであり、その一致した点
は交点O1である。 【0018】詳しくは、クローラベルト式車両1は、遠
心力の無視できる、ごく低車速での旋回を考えると、前
輪5L,5R及びクローラベルト9L,9Rにサイドス
リップが極力生じないためには、前輪5L,5Rとクロ
ーラベルト9L,9Rが共通の1点を中心に旋回する必
要がある。このため、中間線Pと、右の前輪5Rの舵角
垂線R1(右のキングピン34Rと交点O1と結ぶ線)
と、左の前輪5Lの舵角垂線L1(左のキングピン34
Lと交点O1と結ぶ線)とは、一致する。 【0019】ところで、中間線Pの位置は、車軸中心線
Mと車軸中心線Nとの略中間を通るものであり、車軸中
心線Mから中間線Pまでの距離Xと、車軸中心線Nから
中間線Pまでの距離Yとの配分は、前輪5、後輪6及び
中間輪7の動的重量配分(走行中における重量配分)等
により決定することになる。例えば、後輪6と中間輪7
の動的重量配分が6:4の場合には、概ねX:Y=6:
4の関係である。また、後輪6と中間輪7の動的重量配
分が7:3の場合には、概ねX:Y=7:3の関係であ
る。 【0020】次に、上記構成のクローラベルト式車両1
の作用を図6及び図7に基づき説明する。図6は本発明
に係るクローラベルト式車両の作用図、図7は比較例の
クローラベルト式車両の作用図である。なお、先に図7
に示す比較例を説明し、次に図6に示す上記実施の形態
について説明する。 【0021】図7に示す比較例のクローラベルト式車両
は、後輪6L,6Rの車軸中心線Nと、右の前輪5Rの
旋回中心と、左の前輪5Lの旋回中心と、を一致させた
構成であり、その一致した点は交点O2である。そし
て、右の前輪5Rの舵角垂線R2と、左の前輪5Lの舵
角垂線L2とは、一致する。クローラベルト9L,9R
の仮想旋回中心Q(前輪、中間輪、及び後輪の動的重量
配分により決定されるクローラベルトの旋回中心)は、
交点O2を中心とした旋回軌跡SL2,SR2で旋回し、
このため、クローラベルト9L,9Rは、旋回軌跡SL
2,SR2に沿って傾きながら旋回する。 【0022】一方、図6に示す上記実施の形態のクロー
ラベルト式車両において、クローラベルト9L,9Rの
仮想旋回中心Qは、交点O1を中心とした旋回軌跡S
L1,SR1で旋回し、このため、クローラベルト9L,
9Rは、旋回軌跡SL1,SR1に沿って傾きながら旋回
する。例えば、旋回軌跡SL1は交点O1を中心した旋回
半径r1の軌跡であり、旋回軌跡SL2は交点O2を中心
した旋回半径r2の軌跡である。そして、交点O1が交点
O2よりも前方にあるので、旋回軌跡SL1は比較例の旋
回軌跡SL2に比べて、任意の点における車幅方向への
ずれ量がSlだけ少ない。また、旋回軌跡SR1も同様
に、比較例の旋回軌跡SR2に比べて車幅方向へのずれ
量がSrだけ少ない。この結果、クローラが旋回する際
に、クローラベルト9L,9Rにおいて、後輪6L,6
Rの直下及び中間輪7L,7Rの直下に発生するサイド
スリップ(車幅方向へのスリップ)量は、比較例よりも
少なくてすむ。 【0023】従って、クローラベルト9L,9Rはサイ
ドスリップ量が少ないので、脱輪の恐れががなく、走行
抵抗の大きい路面での円滑な旋回性を確保できる。更
に、クローラベルト9L,9Rは、後輪6L,6Rの直
下でのサイドスリップ量と、中間輪7L,7Rの直下で
のサイドスリップ量との差が少ないので、サイドスリッ
プ量の差に伴うサイドスリップ力が小さくなり、このた
め、図1に示すサイドガイド部9a…を、後輪6や中間
輪7のタイヤのショルダ部に過大なサイドスリップ力で
押し付けることもない。従って、クローラベルト9L,
9Rは、脱輪し難く、また、走行抵抗が小さい。 【0024】なお、上記実施の形態において、クローラ
ベルト式車両1は、前輪5、後輪6、中間輪7のいずれ
かが差動装置を介して駆動する駆動輪であればよく、例
えば、後輪6のみ駆動、中間輪7のみ駆動、又は後輪6
と中間輪7とが駆動する構成でもよい。また、後輪6及
び中間輪7は、タイヤ付き車輪に限定するものではな
い。更に、クローラベルト式車両1は、転輪8を備えた
構成に限定されず、転輪8を備えた場合でも、数量は1
つでも複数でもよい。 【0025】 【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1記載の発明は、中間輪の車軸中心線と後
輪の車軸中心線との間に平行で且つそれらの略中間を通
る中間線と、右の前輪の旋回中心と、左の前輪の旋回中
心と、を一致させたことにより、クローラベルトのサイ
ドスリップ量が少ないので、脱輪の恐れががなく走行抵
抗の大きい路面での円滑な旋回性を確保できる。また、
中間輪の直下や後輪の直下において、クローラベルトの
サイドスリップ力が小さいので、脱輪し難い。
ングジオメトリの模式図 【図6】本発明に係るクローラベルト式車両の作用図 【図7】比較例のクローラベルト式車両の作用図 【符号の説明】 1…クローラベルト式車両、4…車体(車体フレー
ム)、5…前輪、6…後輪、7…中間輪、8…転輪、9
…クローラベルト、9a…サイドガイド部、11…エン
ジン、16…ステアリングハンドル、30…操舵装置、
31…タイロッド、32…タイロッドエンド、33…ナ
ックルアーム、34…キングピン、40…前輪用駆動装
置、42…差動装置、60…後輪用駆動装置、63…差
動装置、M…中間輪の車軸中心線、N…後輪の車軸中心
線、O1…交点(旋回中心)、P…中間線。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 車体(4)前部の左右にタイヤ付き前輪
(5L,5R)を取付け、車体(4)後部の左右に中間
輪(7L,7R)及び後輪(6L,6R)を取付け、こ
れら中間輪(7L,7R)及び後輪(6L,6R)にク
ローラベルト(9L,9R)を掛け渡し、上記中間輪
(7L,7R)と後輪(6L,6R)の少なくとも一方
を差動装置(63)を介して駆動し、前輪(5L,5
R)を操舵する形式のクローラベルト式車両において、
上記中間輪(7L,7R)を乗員用シート(15)の下
方に配設し、上記中間輪(7L,7R)の車軸中心線
(M)と後輪(6L,6R)の車軸中心線(N)との間
に平行で且つそれらの略中間を通る中間線(P)と、右
の前輪(5R)の旋回中心(O 1 )と、左の前輪(5
L)の旋回中心(O 1 )と、を一致させたことを特徴と
するクローラベルト式車両。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34382695A JP3365897B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | クローラベルト式車両 |
| US08/761,927 US5950748A (en) | 1995-12-26 | 1996-12-09 | Crawler-belt vehicle |
| CA002192398A CA2192398C (en) | 1995-12-26 | 1996-12-09 | Crawler-belt vehicle |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34382695A JP3365897B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | クローラベルト式車両 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09175448A JPH09175448A (ja) | 1997-07-08 |
| JP3365897B2 true JP3365897B2 (ja) | 2003-01-14 |
Family
ID=18364545
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34382695A Expired - Fee Related JP3365897B2 (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-28 | クローラベルト式車両 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3365897B2 (ja) |
-
1995
- 1995-12-28 JP JP34382695A patent/JP3365897B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09175448A (ja) | 1997-07-08 |
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