JP3379304B2 - プラントの異常監視方法及び異常監視装置 - Google Patents

プラントの異常監視方法及び異常監視装置

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JP3379304B2
JP3379304B2 JP27527295A JP27527295A JP3379304B2 JP 3379304 B2 JP3379304 B2 JP 3379304B2 JP 27527295 A JP27527295 A JP 27527295A JP 27527295 A JP27527295 A JP 27527295A JP 3379304 B2 JP3379304 B2 JP 3379304B2
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  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、運転中のプラント
からプラント運転パラメータを測定し、それを用いてプ
ラントの運転状態やプラントを構成する機器の状態を判
定するプラントの異常監視方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】発電プラント,化学プラント等の各種プ
ラントでは、例えば、プラント中のポンプの流量,回転
数,振動等のプラント運転パラメータを測定し、これを
用いてプラントの運転状態をチェックする、というよう
なプラントの異常監視が行われており、その監視精度及
び信頼性の向上が望まれている。
【0003】一般に、プラントの異常監視では、測定し
たプラント運転パラメータが予め設定した許容範囲内に
あるか否かを演算し、許容範囲外の場合はプラント異常
と判定する方法が採られる。この場合、膨大な数の機器
から構成される大規模プラントでは、機器あるいは部位
毎にどのような基準で監視を行うかが信頼性向上の上で
重要となる。特に、運転経験が長いプラントでは、機器
に損傷が発見されたり、損傷箇所に補修を施す等、運転
初期の状態とは異なった機器が存在する場合がある。従
って、このような損傷部(損傷が発見された箇所)や補
修部(補修が施された箇所)のその後の状態変化を精度
良く監視する技術が必要となる。
【0004】プラントの補修箇所を考慮した従来の異常
監視方法としては、例えば、特開平5−342490 号公報
に、点検時に不具合が発見され補修を実施した機器の異
常検知処理の周期を他の機器より短くして、異常検知処
理の優先度を上げる方法が記載されている。
【0005】また、その他の従来技術としては、特開平
2−157997 号公報に、補修情報入力手段から補修情報が
入力されると、その機器について基準効率記憶手段の記
憶内容を、実績効率記憶手段の記憶内容で更新する方法
が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、運転
経験が長いプラントでは、定期検査時等に機器に損傷が
発見され補修を実施する場合や、発見した損傷が軽微で
あるため補修せずに運転を再開する場合がある。損傷の
程度と運転可否の判断基準は、プラントの種類毎に定め
られている。例えば、原子力発電プラントでは、日本国
内のプラントは損傷が存在する状態での運転は一切認め
られていないが、米国では、損傷の進展解析を行った上
で一定期間は安全と判定された損傷については、補修せ
ずに運転の継続を認める基準が設けられている。
【0007】このように、損傷を残したまま運転を継続
する場合は、万一損傷が予測以上に進展した場合でもプ
ラントの安全を保証するため、損傷部の異常兆候を損傷
のない通常部より早い段階で検知する必要がある。ま
た、補修部についても、初期トラブルの発生し易い補修
施工直後の状態監視や、補修部の健全性確認のため、通
常部よりも異常兆候を早い段階で検知することが望まし
い。
【0008】前述した従来の方法は、このような損傷部
や補修部に対する異常監視の要求を満たしていなかっ
た。例えば、特開平5−342490 号公報に記載のプラント
構成機器の保守・診断装置では、機器の異常を判定する
しきい値は予め設定された値のままで、補修部と通常部
のしきい値に区別は無い。また、特開平2−157997 号公
報に記載の発電プラントの性能診断装置では、機器の性
能低下の判断基準となる基準偏差は予め設定されている
定数値である。
【0009】即ち、これらの従来例では、異常診断基準
となる各測定データの許容範囲が補修部,通常部とも同
じ基準で設定されているため、補修部の測定データも通
常部の測定データと同程度の異常兆候を示すまで異常と
は判定されず、補修部の異常兆候を早い段階で検知する
ことは困難であった。
【0010】本発明の目的は、損傷部や補修部等を有し
重点監視を必要とする機器の異常兆候を、早い段階で信
頼性を損なうことなく検知することが可能なプラントの
異常監視方法及び異常監視装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第1の発明は、プラント運転パラメータとその許容範
囲を規定するしきい値との比較結果に基づいて、プラン
トの異常を判定するプラントの異常監視方法において、
プラントを構成する機器の状態を表す機器状態情報に基
づいて、プラント運転パラメータの許容変動幅を変える
ことにより、該許容変動幅と基準パラメータ値とで決ま
る前記しきい値を変更する。
【0012】上記目的を達成するための第2の発明は、
複数のプラント運転パラメータと、その許容範囲を規定
するしきい値との比較結果に基づき、プラントの異常を
判定するプラントの異常監視方法において、各プラント
運転パラメータの許容変動幅を予め設定し、該許容変動
幅と基準パラメータ値とで決まる前記しきい値と測定し
たプラント運転パラメータを比較し、該測定したプラン
ト運転パラメータが前記しきい値で規定される許容範囲
に無い場合、前記測定したプラント運転パラメータと互
いに関連のある他のプラント運転パラメータの許容変動
幅を変えることにより、該他のプラント運転パラメータ
の前記しきい値を変更する。
【0013】上記目的を達成するための第3の発明は、
プラント運転パラメータを測定する測定手段と、プラン
トを構成する機器の補修情報及び損傷情報を含む機器状
態情報の入力手段と、前記機器とプラント運転パラメー
タの相関関係を記憶する第1の記憶手段と、機器状態と
プラント運転パラメータの許容変動幅との相関関係を記
憶する第2の記憶手段と、前記入力手段から入力した機
器状態情報に対応したプラント運転パラメータの許容変
動幅を前記第2の記憶手段から抽出することにより該許
容変動幅と基準パラメータ値とで決まるしきい値を設定
するしきい値設定手段と、該設定されたしきい値と前記
測定手段で測定したプラント運転パラメータを比較して
プラントの異常を判定する判定手段と、該判定手段によ
る判定結果を表示する表示手段と、を備える。
【0014】ここで、プラント運転パラメータとは、前
述した流量,回転数,振動や、圧力,温度,プラント出
力等、プラントの運転中にオンラインで測定されるパラ
メータを指す。プラント運転パラメータは、測定値その
ものはもちろん、測定値を所定時間毎に平均した値や、
複数の測定値の相関係数等も含む。
【0015】また、機器の補修情報とは、補修を受けた
機器の名称や補修を受けた位置等の情報を指し、機器の
損傷情報とは、損傷が発見された機器の名称や損傷の位
置等の情報を指す。更に、これらの情報は、損傷が発見
された機器について、発見された損傷はそのままで運転
を継続するのか、あるいは補修を実施したのか、といっ
た現在の状態に関する情報も含む。
【0016】第1の発明によれば、機器状態情報に基づ
いて、補修された機器(以下、補修機器と呼ぶ)及び損
傷が発見された機器(以下、損傷機器と呼ぶ)に関する
プラント運転パラメータの許容範囲が、損傷がなく補修
されてもいない機器(以下、通常機器と呼ぶ)に関する
プラント運転パラメータの許容範囲よりも狭くなるよう
に、プラント運転パラメータのしきい値を変更できるの
で、補修機器又は損傷機器に関するプラント運転パラメ
ータの時間的な変動は、通常機器に関するプラント運転
パラメータの時間的な変動に比べて低いレベルで異常と
判定できる。従って、補修機器及び損傷機器の異常兆候
を早期に安全側で検出することが可能となる。これによ
り、補修機器又は損傷機器の異常検出の信頼性を確保す
ることができる。
【0017】第2の発明によれば、測定したプラント運
転パラメータが許容範囲に無い場合、測定したプラント
運転パラメータと互いに関連のある他のプラント運転パ
ラメータのしきい値を変更することにより、許容範囲を
逸脱したプラント運転パラメータの時間的な変動を該プ
ラント運転パラメータに関連する機器の異常兆候とみな
し、この機器に関連する他のプラント運転パラメータの
許容範囲をより狭くすることができるので、プラントの
運転中に異常が発生した機器の異常兆候をより早期に安
全側で検出することが可能となる。この場合、異常が発
生した機器の異常を、この機器に関連する複数のプラン
ト運転パラメータで監視できるので、異常検出の信頼性
を確保することができる。
【0018】第3の発明によれば、しきい値設定手段は
入力手段から入力した機器状態情報に基づいて、補修機
器及び損傷機器に関するプラント運転パラメータの許容
範囲が、通常機器に関するプラント運転パラメータの許
容範囲よりも狭くなるように、プラント運転パラメータ
しきい値を設定できるので、補修機器及び損傷機器の
異常兆候を早期に安全側で検出し、異常検出の信頼性を
確保することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて説明する。
【0020】図1は本発明によるプラントの異常監視方
法の第1の実施例を、図2は沸騰水型原子力プラントに
本発明を適用した異常監視装置の第1の実施例を、それ
ぞれ示す。本実施例は、損傷が発見されたプラントの継
続運転を認める米国式の運転基準の下での実施例であ
り、機器に発生する損傷としては、疲労や応力腐食割れ
によるき裂損傷を想定している。
【0021】まず、図1を用いて本実施例の異常監視方
法を説明する。
【0022】始めに、定期検査等の機器の検査,補修作
業の終了後に、当該検査時に発見された損傷及び実施し
た補修作業に関するデータ(機器状態情報)を入力する
(ステップ1)。機器状態情報としては、図3に示すよ
うに、損傷が発見された機器名あるいは補修を受けた機
器名(図3の場合は再循環配管)、及びその機器が補修
を受けた状態か、あるいは安全上問題ないと判断された
微小き裂であったため、補修しないままの状態か、とい
った項目を入力する。図3の例ではこの2項目のみを示
しているが、更に損傷部あるいは補修部の具体的位置,
補修工法の種類等を入力しても良い。
【0023】次にステップ2で、入力した機器状態情報
を用いて重点監視パラメータ及び許容パラメータ値を設
定する。このステップの動作の詳細は図4に示す通りで
ある。まず、ステップ1で入力された機器状態情報を、
損傷部あるいは補修部の機器名に関する情報と、補修の
実施,損傷の残存等の機器の状態に関する情報に分離す
る。次にステップ2aで、分離した機器名に関する情報
と、機器・プラント運転パラメータ相関データベースを
比較して、重点監視パラメータを設定する。
【0024】機器・プラント運転パラメータ相関データ
ベースの一例を図5に示す。機器・プラント運転パラメ
ータ相関データベースは、き裂損傷が生じた機器と、そ
の損傷により変化するプラント運転パラメータの相関関
係をデータベース化したものである。図5では圧力バウ
ンダリ、炉内機器と部位毎に機器がまとめられ、各機器
にき裂損傷が生じた場合、測定しているプラント運転パ
ラメータが増加するか、低下するか、あるいは変化しな
いかが記述されている。
【0025】図3で例示した再循環配管を対象とする場
合、万一補修部が劣化し、き裂損傷が拡大すると、配管
から冷却水が漏洩し、ドレンサンプタンクの水位や蒸気
漏洩センサで検出される蒸気漏洩量が増加するが、再循
環流量等のその他のパラメータは、き裂損傷が小さなう
ちは変化しないことが判る。従って、再循環配管という
補修機器情報に対しては、この機器の損傷に伴い変化が
予想されるドレンサンプタンクレベルと蒸気漏洩量を重
点監視パラメータとして設定する。
【0026】次にステップ2bで、分離した機器の状態
に関する情報と、機器状態・許容変動幅相関データベー
スを比較して、重点監視パラメータの許容変動幅を設定
する。機器状態・許容変動幅相関データベースの一例を
図6に示す。許容変動幅とは、各プラント運転パラメー
タの許容範囲を規定するものであり、定常運転時のパラ
メータの値に対して許容変動幅以上の変動が測定された
場合は、異常と判定するしきい値となるものである。
【0027】図6では機器の状態(通常状態,補修を受
けた状態,損傷が残存した状態)とそれに対応する許容
変動幅がデータベース化されており、通常部,補修部,
損傷部の順で許容変動幅は小さくなるように設定されて
いる。また、それぞれの許容変動幅の設定は以下のよう
に行う。定期検査終了後の試運転時に、各プラント運転
パラメータの時間変化を測定し、その際のパラメータ値
のばらつきを表す標準偏差を定常運転時の変動範囲と
し、これに適当な係数をかけて各状態での許容変動幅を
求める。係数値は、例えば通常部,補修部,損傷部に対
して、それぞれ通常運転時の標準偏差の3倍,2倍,
1.5 倍とする。
【0028】以上のようなデータベースを用いることに
より、図3に例示する再循環配管の補修という条件の場
合、ステップ2aで重点監視パラメータと設定されたド
レンサンプタンクレベル及び蒸気漏洩量に対する許容変
動幅はδ2 と設定され、それ以外のプラント運転パラメ
ータに対する許容変動幅はδ1 と設定される。ステップ
2a及び2bで設定された各プラント運転パラメータと
許容変動幅の関係を図7に示す。
【0029】次に、図7のように設定された各プラント
運転パラメータと許容変動幅のデータはステップ2cに
送られ、基準パラメータ値データベースを用いて各プラ
ント運転パラメータの許容パラメータ値が算出される。
基準パラメータ値データベースは、試運転中に測定した
各プラント運転パラメータの平均値を基準パラメータ値
として記憶している。この基準パラメータ値と許容変動
幅の値の和がプラント運転パラメータの正常範囲のしき
い値である許容パラメータ値となる。
【0030】許容変動幅,基準パラメータ値、及び許容
パラメータ値の関係をドレンサンプタンクレベル(水
位)の経時変化を例に採り図8に示す。図8の横軸は時
間、縦軸はサンプタンク水位である。配管等からの漏水
が無い定常時のサンプタンク水位はほぼ0であるため、
基準パラメータ値もほぼ0である。そして、この基準パ
ラメータ値に通常状態の許容変動幅δ1 を加えた値が通
常許容パラメータ値となる。また、基準パラメータ値に
補修部及び損傷部の許容変動幅δ2 及びδ3 を加えた値
が重点許容パラメータ値となる。
【0031】このような許容パラメータ値の設定に対し
て、配管のき裂が進展し、図中に示すようにサンプタン
ク水位が変化した場合、通常許容パラメータ値よりも重
点許容パラメータ値の方が低く設定されているため、こ
の値に達するまでの時間、即ち異常検知するまでの時間
も通常時のt1 から補修時,損傷残存時のt2,t3へと
短縮することが可能となる。
【0032】以上のように、ステップ2で重点監視パラ
メータ及び許容パラメータ値を設定した後、ステップ3
で測定したプラント運転パラメータの一つを取り込む。
次に、取り込んだプラント運転パラメータについて、ス
テップ4で重点監視パラメータか否かを判定し、重点監
視パラメータである場合はステップ5でプラント運転パ
ラメータを重点許容パラメータ値と比較し、重点監視パ
ラメータではない場合はステップ6で通常許容パラメー
タ値と比較する。
【0033】次に、ステップ7でプラント運転パラメー
タが許容範囲内であるか否か(本実施例の場合はプラン
ト運転パラメータが許容パラメータ値以下であるか否
か)を判定し、許容範囲内である場合はステップ8へ進
む。また、許容範囲外である場合はステップ9へ進み、
警報を表示する。警報の表示内容は、異常を示したプラ
ント運転パラメータの種類とパラメータ値を含む。更
に、異常が重点監視パラメータについて検出された場合
は、機器状態情報の内容等も表示する。ステップ8で
は、次の定期検査の開始等により、異常監視を終了する
か否かを判断し、監視を終了しない場合はステップ3に
戻って次のプラント運転パラメータを取り込んで同様な
処理を繰り返す。
【0034】尚、本実施例では、定期検査時に機器の補
修を行い、その機器に関連するプラント運転パラメータ
の許容範囲を狭くする例について説明したが、許容範囲
の変更にはこの他に2通りの場合がある。
【0035】第1の場合は、軽微な損傷のため損傷を放
置して運転していた機器に、定期検査時に補修を施した
場合である。この場合、補修した機器に関連するプラン
ト運転パラメータは、次の運転時も重点監視パラメータ
であることに変わりないが、その許容変動幅は損傷部に
対応するδ3 から補修部に対応するδ2 に広げられる。
第2の場合は、損傷を放置して運転していた機器、又は
応急的な補修を施して運転していた機器を新品に取り替
える場合、或いはより完全な補修を行う場合である。こ
の場合、この機器に関連するプラント運転パラメータ
は、次の運転時は重点監視パラメータではなくなり、そ
の許容変動幅は通常部に対応するδ1 となる。
【0036】以上のように、機器の状態に応じて許容変
動幅は広げられる場合があり、これによって誤診断が発
生する確率は低下し、プラント全体の信頼性は向上す
る。
【0037】次に、図2を用いて沸騰水型原子力プラン
トに本発明を適用した異常監視装置の第1の実施例を説
明する。本装置では機器状態情報入力手段120で図3
に示すような機器状態情報が入力される。入力された情
報は機器状態情報記憶手段130に送られ、プラントの
補修履歴などが記憶される。機器状態情報記憶手段13
0に記憶されている情報のうち、補修機器名及び損傷機
器名に関する情報は、重点監視パラメータ設定手段15
0に送られる。重点監視パラメータ設定手段150に
は、この他に機器・プラント運転パラメータ相関データ
ベース140(機器とプラント運転パラメータとの相関
を記憶するデータベース)から、図5に示すような機器
の損傷とプラント運転パラメータ変化の関係を示すデー
タが送られ、重点監視パラメータが設定される。設定さ
れた重点監視パラメータのデータは、許容パラメータ値
設定手段180に送られる。
【0038】許容パラメータ値設定手段180には、重
点監視パラメータ設定手段150からの重点監視パラメ
ータのデータの他に、機器状態情報記憶手段130から
補修機器及び損傷機器の状態に関する情報が、機器状態
・許容変動幅相関データベース160から図6に示すよ
うな機器状態と許容変動幅の関係を示すデータが、基準
パラメータ値データベース170から各プラント運転パ
ラメータの基準パラメータ値のデータが、それぞれ送ら
れ、プラント運転パラメータ毎の許容パラメータ値が設
定される。設定された許容パラメータ値のデータは、異
常判定手段190に送られる。異常判定手段190では、
許容パラメータ値設定手段180から送られた各プラン
ト運転パラメータ毎の許容パラメータ値と、原子炉21
0に設置されたプラント運転パラメータ測定手段110
で測定したプラント運転パラメータ値を比較し、比較の
結果異常と判定された場合は、表示手段200に警報が
表示される。
【0039】以上のような、本実施例の異常監視装置中
の各手段の処理は、マイクロコンピュータで実行するよ
うに構成しても良い。また、本実施例では機器の損傷と
それに伴うプラント運転パラメータ変化の関係をデータ
ベース化した構成を説明したが、その他にプラント運転
パラメータの変化を適当な物理モデルを用いた数値シミ
ュレーションにより、入力された機器状態情報に基づ
き、重点監視パラメータを計算により求めても良い。
【0040】次に本発明の第2の実施例について説明す
る。図9は本発明によるプラントの異常監視方法の第2
の実施例を、図10は沸騰水型原子力プラントに本発明
を適用した異常監視装置の第2の実施例を、それぞれ示
す。
【0041】まず、図9により本実施例の異常監視方法
を説明する。始めに第1の実施例と同様に、ステップ1
で定期検査終了時の機器の状態情報を入力する。次に、
ステップ20で、入力した機器状態情報を用いて重点監
視パラメータ及び許容パラメータ値を設定する。このス
テップの動作の詳細は第1の実施例のステップ2とほぼ
同様であるが、相違点は図11に示すように、ある機器
の状態に対して2種類の許容変動幅が設定されることで
ある。
【0042】図11に示す2種類の許容変動幅のうち、
警報レベルとは図6の許容変動幅と同様の基準で決めら
れる値であり、通常部,補修部,損傷部の順で小さくな
るように設定されている。警報レベルは、あるプラント
運転パラメータが単独でこのレベルを超えると異常と診
断されるレベルを規定している。一方、要注意レベル
は、警報レベルと同様に、通常部,補修部,損傷部の順
で小さくなり、かつ、各状態での警報レベルよりも小さ
くなるように設定されている。要注意レベルは、あるプ
ラント運転パラメータが単独でこのレベルを超えても異
常とは診断されないが、定常運転時よりはパラメータの
変動が大きくなっており、異常の兆候と見なされるレベ
ルを規定する。以上のような基準で設定された2種類の
許容変動幅に対して、図4のステップ2cと同様に、基
準パラメータ値を加えることにより各許容変動幅に対応
した許容パラメータ値を設定する。
【0043】図12には、警報レベル及び要注意レベル
の許容パラメータ値の関係をドレンサンプタンクレベル
の経時変化を例に採り示す。通常許容パラメータ値,重
点許容パラメータ値の何れにおいても、警報レベルより
要注意レベルが小さな値に設定されているため、配管の
き裂損傷によりサンプタンクレベルが上昇した場合、ま
ず始めに要注意レベルに達し、警報レベルよりも一段と
早い段階で配管の状態が正常では無くなりつつあること
を検知できる。
【0044】以上のように、ステップ20で重点監視パ
ラメータ及び2種類の許容パラメータ値を設定した後、
ステップ3で測定したプラント運転パラメータを取り込
む。取り込んだパラメータ値は、第1の実施例と同様
に、ステップ4で重点監視パラメータか否かを判定し、
ステップ5または6で重点許容パラメータ値または通常
許容パラメータ値と比較する。
【0045】次に、ステップ70でプラント運転パラメ
ータが警報レベル以下であるか否かを判定する。警報レ
ベルを超えている場合は、異常と見なしステップ9で警
報を表示する。警報レベル以下である場合は、ステップ
75に進む。ステップ75では、プラント運転パラメー
タが要注意レベル以下か否かを判定し、要注意レベル以
下である場合はステップ8に進む。要注意レベルを超え
ている場合は、ステップ90で要注意レベルを超えたこ
とを表示する。この表示内容は、ステップ9の警報表示
と同様に、要注意レベルを超えたプラント運転パラメー
タの種類,パラメータ値、及び機器状態情報等を含む。
【0046】次に、ステップ92で機器・プラント運転
パラメータ相関データベースを参照し、要注意レベルを
超えたプラント運転パラメータと、ある機器を通して相
関を持つ別のプラント運転パラメータとを抽出する。例
えば、ドレンサンプタンクレベルが要注意レベルを超え
た場合、図5に示すように再循環配管,給水配管に異常
の可能性が考えられる。実際にこれらの機器に異常があ
った場合、サンプタンクレベルと同時に変動が予想され
るプラント運転パラメータは蒸気漏洩量となる。即ち、
サンプタンクレベルと相関を持つプラント運転パラメー
タとして、蒸気漏洩量を抽出する。
【0047】次に、ステップ93で抽出されたプラント
運転パラメータ(複数の場合もある)をその許容パラメー
タ値と比較し、要注意レベルを超えているか否かを判定
する。少なくとも1つのプラント運転パラメータが要注
意レベル以内である場合はステップ8に進み、全てのプ
ラント運転パラメータが要注意レベルを超えている場合
はステップ9aで警報を表示する。本実施例では、互い
に相関を持つ全てのプラント運転パラメータが要注意レ
ベルを超えた場合に警報を表示するが、一部のプラント
運転パラメータが要注意レベルを超えたときに警報を表
示するようにしても良い。ステップ8では、次の定期検
査の開始などにより、異常監視を終了するか否かを判断
し、監視を終了しない場合はステップ3に戻って同様な
処理を繰り返す。
【0048】図13は本実施例による異常判定の表示例
を示す。本表示例は、第1の実施例と同様に、再循環配
管を補修しドレンサンプタンクレベル及び蒸気漏洩量が
重点監視パラメータとなっている場合を想定している。
重点監視パラメータであるドレンサンプタンクレベル及
び蒸気漏洩量が共にδ2Wの範囲外である場合は、再循環
配管補修部の異常と判定する。また、重点監視パラメー
タではないジェットポンプ流量,下部プレナム温度,炉
心出力、及び支持板差圧の全てがδ1Wの範囲外である場
合、図5に示す相関よりシュラウド中間胴異常と判定す
る。
【0049】図10は第2の実施例による沸騰水型原子
力プラントの異常監視装置である。図2に示した第1の
実施例との相違点は次の点である。まず、機器・プラン
ト運転パラメータ相関データベース140からのデータ
が異常判定手段190へ送られ、あるプラント運転パラ
メータが要注意レベルを超えた場合に、相関を持つ他の
プラント運転パラメータを抽出する点である。次に、プ
ラント運転パラメータ測定手段110からのプラント運
転パラメータ値をプラント運転パラメータ記憶手段22
0に記憶し、ここからあるプラント運転パラメータと相
関を持つ複数のプラント運転パラメータ値を異常判定手
段190に送る点である。
【0050】以上のように、本実施例では、警報レベル
より一段と許容範囲の狭い要注意レベルを設定すること
により、より早期の異常判定を可能とする。更に、互い
に相関を持つ複数のプラント運転パラメータが要注意レ
ベルを超えた場合に警報を表示することにより、誤診断
を回避し信頼性の高い異常診断が可能となる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、補修機器及び損傷機器
に関するプラント運転パラメータの許容範囲が、通常機
器に関するプラント運転パラメータの許容範囲よりも狭
くなるように、プラント運転パラメータのしきい値を設
定できるので、補修機器及び損傷機器の異常兆候を早期
に安全側で検出し、異常検出の信頼性を確保することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による異常監視方法の第1の実施例を示
す図。
【図2】本発明による異常監視装置の第1の実施例を示
す図。
【図3】機器状態情報の入力例を示す図。
【図4】重点監視パラメータ及び許容パラメータ値の設
定法の詳細図。
【図5】機器・プラント運転パラメータ相関データベー
スの一例を示す図。
【図6】機器状態・許容変動幅相関データベースの第1
の例を示す図。
【図7】プラント運転パラメータの許容変動幅の設定例
を示す図。
【図8】ドレンサンプタンクレベルと許容パラメータ値
の関係図。
【図9】本発明による異常監視方法の第2の実施例を示
す図。
【図10】本発明による異常監視装置の第2の実施例を
示す図。
【図11】機器状態・許容変動幅相関データベースの第
2の例を示す図。
【図12】警報レベルと要注意レベルの関係図。
【図13】プラント運転パラメータ値と異常判定結果の
表示例を示す図。
【符号の説明】
1…機器状態情報入力ステップ、2…重点監視パラメー
タ及び許容パラメータ値設定ステップ、3…プラント運
転パラメータ取り込みステップ、4…重点監視パラメー
タ判定ステップ、5…重点許容パラメータ値との比較ス
テップ、6…通常許容パラメータ値との比較ステップ、
7…異常判定ステップ、8…監視終了判定ステップ、9
…警報表示ステップ、110…プラント運転パラメータ
測定手段、120…機器状態情報入力手段、140…機
器・プラント運転パラメータ相関データベース、150
…重点監視パラメータ設定手段、160…機器状態・許
容変動幅相関データベース、180…許容パラメータ値
設定手段、190…異常判定手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−157997(JP,A) 特開 平7−286892(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 17/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラント運転パラメータとその許容範囲を
    規定するしきい値との比較結果に基づいて、プラントの
    異常を判定するプラントの異常監視方法において、 プラントを構成する機器の状態を表す機器状態情報に基
    づいて、プラント運転パラメータの許容変動幅を変える
    ことにより、該許容変動幅と試運転中に測定された運転
    パラメータの平均値である基準パラメータ値とで決まる
    前記しきい値を変更することを特徴とするプラントの異
    常監視方法。
  2. 【請求項2】プラント運転パラメータとその許容範囲を
    規定するしきい値との比較結果に基づいて、プラントの
    異常を判定するプラントの異常監視方法において、 プラントを構成する機器のうち、補修が施された機器及
    び損傷が発見された機器に関連するプラント運転パラメ
    ータの許容変動幅を変えることにより、該許容変動幅と
    試運転中に測定された運転パラメータの平均値である
    準パラメータ値とで決まる前記しきい値を変更すること
    を特徴とするプラントの異常監視方法。
  3. 【請求項3】プラント運転パラメータとその許容範囲を
    規定するしきい値との比較結果に基づいて、プラントの
    異常を判定するプラントの異常監視方法において、 プラントを構成する機器のうち、補修が施された機器及
    び損傷が発見された機器に関連するプラント運転パラメ
    ータの許容範囲が、前記補修が施された機器又は損傷が
    発見された機器以外の通常機器に関連するプラント運転
    パラメータの許容範囲よりも狭くなるように、許容変動
    幅を変えて該許容変動幅と試運転中に測定された運転パ
    ラメータの平均値である基準パラメータ値とで決まる前
    記しきい値を変更することを特徴とするプラントの異常
    監視方法。
  4. 【請求項4】プラント運転パラメータとその許容範囲を
    規定するしきい値との比較結果に基づいて、プラントの
    異常を判定するプラントの異常監視方法において、 プラントを構成する機器の状態を表す機器状態情報に基
    づいて、プラント運転パラメータの許容変動幅として、
    複数の候補値の中から前記機器の状態に対応するものを
    選定することにより、該許容変動幅と試運転中に測定さ
    れた運転パラメータの平均値である基準パラメータ値と
    で決まる前記しきい値を変更することを特徴とするプラ
    ントの異常監視方法。
  5. 【請求項5】複数のプラント運転パラメータとその許容
    範囲を規定するしきい値との比較結果に基づいて、プラ
    ントの異常を判定するプラントの異常監視方法におい
    て、 プラントを構成する機器の補修情報及び損傷情報を含む
    機器状態情報を入力し、該機器状態情報に基づいてプラ
    ント運転パラメータ毎に許容変動幅を設定することによ
    り、該許容変動幅と試運転中に測定された運転パラメー
    タの平均値である基準パラメータ値とで決まる前記しき
    い値を変更し、該しきい値と測定したプラント運転パラ
    メータとを比較し、該測定したプラント運転パラメータ
    が前記しきい値で規定される許容範囲に無い場合、前記
    測定したプラント運転パラメータが許容範囲に無いこと
    を示す信号を出力することを特徴とするプラントの異常
    監視方法。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記複数のプラント運
    転パラメータのうち少なくとも1つが前記しきい値を越
    えた場合、プラントが正常でないことを示す信号を出力
    することを特徴とするプラントの異常監視方法。
  7. 【請求項7】請求項5において、互いに関連のある複数
    のプラント運転パラメータが、各々のプラント運転パラ
    メータの前記しきい値を越えた場合、プラントが正常で
    ないことを示す信号を出力することを特徴とするプラン
    トの異常監視方法。
  8. 【請求項8】複数のプラント運転パラメータとその許容
    範囲を規定するしきい値との比較結果に基づいて、プラ
    ントの異常を判定するプラントの異常監視方法におい
    て、 プラントを構成する機器の補修情報及び損傷情報を含む
    機器状態情報を入力し、該機器状態情報に基づいてプラ
    ント運転パラメータ毎に異なる許容範囲を規定する複数
    の許容変動幅を設定することにより、該複数の許容変動
    幅と試運転中に測定された運転パラメータの平均値であ
    基準パラメータ値とで決まる複数の前記しきい値を設
    定し、該複数のしきい値と測定したプラント運転パラメ
    ータを比較し、該測定したプラント運転パラメータが前
    記複数のしきい値の何れかを越えた場合、前記測定した
    プラント運転パラメータが許容範囲に無いことを示す信
    号を出力することを特徴とするプラントの異常監視方
    法。
  9. 【請求項9】請求項8において、各プラント運転パラメ
    ータに第1のしきい値及び第2のしきい値を設定し、互
    いに関連のある複数のプラント運転パラメータが各々の
    第1のしきい値で規定される第1の許容範囲を越えた場
    合、又は少なくとも1つのプラント運転パラメータがそ
    の第2のしきい値で規定される第2の許容範囲を越えた
    場合に、プラントが正常でないことを示す信号を出力す
    ることを特徴とするプラントの異常監視方法。
  10. 【請求項10】複数のプラント運転パラメータと、その
    許容範囲を規定するしきい値との比較結果に基づき、プ
    ラントの異常を判定するプラントの異常監視方法におい
    て、 各プラント運転パラメータの許容変動幅を予め設定し、
    該許容変動幅と試運転中に測定された運転パラメータの
    平均値である基準パラメータ値とで決まる前記しきい値
    と測定したプラント運転パラメータを比較し、該測定し
    たプラント運転パラメータが前記しきい値で規定される
    許容範囲に無い場合、前記測定したプラント運転パラメ
    ータと互いに関連のある他のプラント運転パラメータの
    許容変動幅を変えることにより、該他のプラント運転パ
    ラメータの前記しきい値を変更することを特徴とするプ
    ラントの異常監視方法。
  11. 【請求項11】複数のプラント運転パラメータと、その
    許容範囲を規定するしきい値との比較結果に基づき、プ
    ラントの異常を判定するプラントの異常監視方法におい
    て、 プラントを構成する機器の補修情報及び損傷情報を含む
    機器状態情報を入力し、該機器状態情報に基づいてプラ
    ント運転パラメータ毎に許容変動幅を予め設定し、該許
    容変動幅と試運転中に測定された運転パラメータの平均
    値である基準パラメータ値とで決まる前記しきい値と測
    定したプラント運転パラメータを比較し、該測定したプ
    ラント運転パラメータが前記しきい値で規定される許容
    範囲に無い場合、前記測定したプラント運転パラメータ
    と互いに関連のある他のプラント運転パラメータの許容
    変動幅を変えることにより、該他のプラント運転パラメ
    ータの前記しきい値を変更することを特徴とするプラン
    トの異常監視方法。
  12. 【請求項12】プラント運転パラメータを測定する測定
    手段と、プラントを構成する機器の補修情報及び損傷情
    報を含む機器状態情報の入力手段と、前記機器とプラン
    ト運転パラメータの相関関係を記憶する第1の記憶手段
    と、機器状態とプラント運転パラメータの許容変動幅と
    の相関関係を記憶する第2の記憶手段と、前記入力手段
    から入力した機器状態情報に対応したプラント運転パラ
    メータの許容変動幅を前記第2の記憶手段から抽出する
    ことにより該許容変動幅と試運転中に測定された運転パ
    ラメータの平均値である基準パラメータ値とで決まるし
    きい値を設定するしきい値設定手段と、該設定されたし
    きい値と前記測定手段で測定したプラント運転パラメー
    タを比較してプラントの異常を判定する判定手段と、該
    判定手段による判定結果を表示する表示手段と、を備え
    たことを特徴とするプラントの異常監視装置。
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