JP3550124B2 - デジタル放送受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、送信信号のデジタル情報を位相シフトキーイング変調したベースバンド信号として伝送するデジタル変調方式が採用されたデジタル放送送信信号を受信するデジタル放送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図20は、社団法人電波産業界(ARIB:Association of Radio Industries and Businesses)が定めた“CS(Communications Satellite)デジタル放送用受信装置標準規格(ARIB STD−B1 1.1版)”に合致するCSデジタル放送の送信装置の構成の一部を示すブロック図である。
【0003】
CSデジタル放送においては、送信信号の誤り訂正能力をより強力にするために、誤り訂正を二重に組み合わせた連接符号(concatenated code)が採用されている。連接符号のうち外符号(outer code)としてはリードソロモン符号が、内符号(inner code)としては畳込み符号が採用されている。そして、送信信号の変調方式としてQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)が採用されている。
【0004】
図20の送信装置は、外符号が付された後のバイトデータP0〜P7(それぞれは1ビットデータ)をシリアルデータEに変換するためのP/S(Parallel to Serial)変換器1、シリアルデータEを内符号化するための畳み込み符号器2、畳み込まれたデータX,Yのデータ量を間引くためのパンクチャー符号器3、および、間引きされたデータC1,C2をIn−Phase信号I(以降、Iデータと称する)およびQuadrature−Phase信号Q(以降、Qデータと称する)に変換してQPSK位相図中のシンボル点にマッピングするマッパ4を備えている。
【0005】
送信信号は、リードソロモン符号器(図示せず)により外符号が付された後、P/S変換器1、畳み込み符号器2、パンクチャー符号器3およびマッパ4を介して変調器(図示せず)に入力され、放送信号として送信される。
【0006】
また、図21はCSデジタル放送の受信装置の構成の一部を示すブロック図である。図21の受信装置は、デジタルデモジュレータ5、位相変換器6、内符号復号器7、TS(Transport Stream)ヘッダ検出器8、および外符号復号器9を備えている。なお、図22はQPSKの位相図である。
【0007】
図21の受信装置では、図20の送信装置で行われた信号処理とは逆の信号処理が順次、行われる。すなわち、デジタルデモジュレータ5は、QPSK変調された信号を受信し、キャリアやクロックなどを再生・復調して元のベースバンド信号(Iデータ、Qデータ)に変換し、伝送路歪み補正等を行う。そして、位相変換器6は、入力されたIデータ、Qデータの位相角がQPSK位相図において正しく位置していない場合にIデータ、Qデータの位相図における位相角を変更する。内符号復号器7は、畳込まれた信号を誤り訂正しつつビタビ復号する(以降、内符号復号器7をビタビデコーダと称する)。
【0008】
CSデジタル放送の伝送データ形式は、ISO/IEC13818−1で規定されており、188バイト単位のパケットに、誤り訂正用外符号データ(リードソロモン符号のパリティデータ)たる16バイトを加えた合計204バイト単位のトランスポートストリーム(TS)となっている。このTSの先頭には、1パケットを区別するための所定の同期信号たるTSヘッダ(TSの先頭を示す1バイトデータであり、01000111=47hexデータと上記規格で決められている)が位置する。
【0009】
TSヘッダ検出器8は、ビタビデコーダ7で復号されたデータに挿入されているTSヘッダを検出するために、204バイト周期でビタビデコーダ7の出力データを監視する。外符号復号器9は、リードソロモン符号により受信信号の誤りを検出し、訂正を行う(以降、外符号復号器9をリードソロモンデコーダと称する)。そして、誤り訂正後のデータがCRT等の表示部(図示せず)に送信される。
【0010】
なお、リードソロモンデコーダ9では、誤り訂正が正常にできたかどうかを示す二値の復号エラー信号RS_ERRが生成される。受信状況が良くない場合など、復号データに誤りが所定値以上存在するときはには復号エラー信号RS_ERRがアクティブ化されて、再受信等に利用される。
【0011】
さて、BSデジタル放送等の場合と異なり、CSデジタル放送の送信信号には、復調する時の絶対位相(QPSK位相図中の基準とすべき位相であり、例えば点(0,0)の位相)を決める基準信号が挿入されていない。よって、QPSK変調された送信信号をデジタルデモジュレータ5で復調する場合、受信した信号の絶対位相を決定する必要がある。
【0012】
送信装置では、例えば図22のQPSK位相図に示すように、データC1,C2がともに0であるときに、Iデータが数値I1、Qデータが数値Q1をとる座標Aを割り当てる。同様にして、データC1,C2がともに1であるときには、Iデータが数値−I1、Qデータが数値−Q1をとる座標Cを、データC1が1、C2が0であるときには、Iデータが数値−I1、Qデータが数値Q1をとる座標Bを、データC1が0、C2が1であるときには、Iデータが数値I1、Qデータが数値−Q1をとる座標Dを、それぞれ割り当てる。
【0013】
ところが、受信装置のデジタルデモジュレータ5においては、復調したデータの絶対位相0°が図22の位相図中の座標Aに位置するのか、それとも他の座標B,C,Dのいずれに位置するのか、を特定することができない。すなわち、デジタルデモジュレータ5では、IデータおよびQデータの復調は行えるものの、座標A〜Dのうちどの座標を0°として、0°、+90°、+180°、+270°の4種類のデータが復調されているのかが特定できない。
【0014】
例えば、送信装置において、バイトデータP0〜P7のうちビットデータP0,P1がそれぞれ、座標B(0,1)と座標A(0,0)とにマッピングされたとする。この場合、受信装置のデジタルデモジュレータ5が位相角+90°ずれで復調していたとすると、受信したIデータ、Qデータは、それぞれ座標C(1,1)と座標B(0,1)であると復調されてしまう。また、位相角+180°ずれで復調していた時には、座標A(0,0)は座標C(1,1)と、座標B(0,1)は座標D(1,0)となってしまう。これらの場合、もちろん正しい復号を行うことができない。正しい復号が行われるためには、送信側と受信側とで位相角のずれがなく、送信装置においてマッピングされたのと同様に、受信したIデータ、Qデータが座標B(0,1)と座標A(0,0)とに復調される必要がある。
【0015】
そこで、受信信号の絶対位相を決定するために、TSヘッダ検出器8および位相変換器6が協働する。
【0016】
まず、デジタルデモジュレータ5が受信したIデータ、Qデータを、位相変換器6は、それらの位相角に変更を加えずにビタビデコーダ7に送る。ビタビデコーダ7は、受信したIデータ、QデータからQPSK位相図に基づいて畳込まれたデータC2,C1を復元し、データC2,C1からビタビ復号を行う。
【0017】
さて、ビタビデコーダ7で復号されるデータにおいては、TSヘッダが204バイト単位で挿入されている。よって、送信信号と受信信号とで位相角にずれがない場合(位相角が0°のずれの場合)、TSヘッダ検出器8では、204バイト周期で47hexデータたるTSヘッダを検出できる。すなわち、TSヘッダ検出器8において、何回か47hexデータを検出できた時に、送信信号と受信信号とで位相角にずれがないと判断できる。
【0018】
一方、デジタルデモジュレータ5で復調された受信信号の位相角が+180°だけ送信信号の位相角からずれていたとすると、送信信号のデータと比較して受信したデータC2,C1は全て反転していることになる。その場合、ビタビデコーダ7からの復号データは全て反転されているはずであり、TSヘッダ検出器8では、47hexデータたるTSヘッダは、10111000=B8hexデータとして検出されることになる。
【0019】
すなわち、TSヘッダ検出器8が、TSヘッダの反転データたるB8hexデータを204バイト周期で検出したときには、デジタルデモジュレータ5が位相角+180°のずれで送信信号を受信していると判断できる。そこで、TSヘッダ検出器8は、この情報を位相変換信号PSとして位相変換器6にフィードバックする。すなわち、デジタルデモジュレータ5からのIデータ、Qデータの位相を180°遅らせることを位相変換信号PSとして位相変換器6に送信する。
【0020】
位相変換器6は、位相変換信号PSを受けてデジタルデモジュレータ5からのIデータ、Qデータを−180°変換する。すなわち、Ic=Iの反転データ(数値としては−I1)、Qc=Qの反転データ(数値としては−Q1)、にそれぞれ変換する。そして、新たにビタビデコーダ7の入力信号とする。
【0021】
このようにすることで、ビタビデコーダ7への入力信号は位相角のずれ0°に補正される。
【0022】
復調時の受信信号の位相角が+90°または+270°だけ送信信号の位相角からずれている時には、+180°ずれの場合のように単純な信号変化ではないので、ビタビデコーダ7は正常に復号できない(畳込みも行われているので、全く別の信号となっている)。よって、このときはTSヘッダ検出器8はTSヘッダ信号を検出できない。
【0023】
TSヘッダを検出できなかった場合には、TSヘッダ検出器8は現状が位相角+90°ずれまたは+270°ずれのいずれかの状態にあると判断して、現状の位相に変化をもたらすよう位相変換器6にフィードバックする。すなわち、まず、信号PSとしてデジタルデモジュレータ5からのIデータ、Qデータの位相を90°遅らせることを信号PSとして位相変換器6に送信する。
【0024】
位相変換器6は、信号PSを受けてデジタルデモジュレータ5からのIデータ、Qデータを−90°変換する。すなわち、Ic=Qの反転データ(数値としては−Q1)、Qc=Iデータ(数値としてはI1)、にそれぞれ変換する。そして、新たにビタビデコーダ7の入力信号とする。そして、再びTSヘッダ検出器8において変換後のデータでTSヘッダの検出を行う。
【0025】
仮に、位相角+270°のずれで復調されていた場合には、この1度目の−90°変換で、ビタビデコーダ7に入力されるデータは+180°ずれの場合のデータと同じになる。よって、TSヘッダ検出器8においては、TSヘッダの反転データたるB8hexデータが204バイト周期で検出されることとなる。
【0026】
よって、この後、TSヘッダ検出器8が位相変換器6に、Iデータ、Qデータの位相を180°遅らせるよう信号PSを送信し、位相変換器6が−180°変換を行うことで、ビタビデコーダ7への入力信号は位相角のずれ0°に補正される。
【0027】
同様に、位相角+90°のずれで復調されていた場合にも、位相変換器6で−90°変換が行われることで、ビタビデコーダ7への入力信号が位相角のずれ0°に補正される。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
従来のCSデジタル放送は、変調方式がQPSKのみであったので、位相変換器6で補正する角度は90°かその倍数だけで済み、全ての位相角に対応できた。
【0029】
これに対して、DVB(Digital Video Broadcasting)規格:EN301 201 v1.1.1のうちDigital Satellite News Gathering(以降、DSNGと称する)規格においては、変調方式がQPSK、8PSK(8 Phase Shift Keying)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Moduration)と3種類採用されている。
【0030】
さらに、このDSNG規格に採用されている各変調方式においては、符号化率にも様々なバリエーションが設定されている。その組み合わせ(以降、伝送モードと称する)は、QPSKでは符号化率1/2、2/3、3/4、5/6、7/8、8PSKでは符号化率2/3、5/6、8/9、16QAMでは3/4、7/8、となっている。
【0031】
なお、いずれの伝送モードの場合も、バイト数204のパケットが1単位として複数含まれ、各パケットは外符号としてリードソロモン符号が付されたトランスポートストリーム信号であることに変わりはない。そして、トランスポートストリーム信号中の各パケットには、47hexデータ=01000111たるTSヘッダが含まれている。
【0032】
ただし、各伝送モードでは、トランスポートストリーム信号のうち少なくとも一部のバイトが所定の周期で1つずつ畳込み符号化されるものの、畳込み符号化されるバイトの周期がそれぞれ異なっている。
【0033】
例えば8PSK変調方式で符号化率5/6の場合には、最初の1バイトは畳込まれるが、次の2バイト目から5バイト目までは畳込まれない。そして第6バイト目が畳込まれた後、次の7バイト目から10バイト目までは畳込まれない(以降、同様の繰り返し)。
【0034】
一方、8PSK変調方式で符号化率2/3の場合には、最初の1バイトは畳込まれるが、次の2バイト目および3バイト目は畳込まれない。そして第4バイト目が畳込まれた後、次の4バイト目および5バイト目は畳込まれない(以降、同様の繰り返し)。
【0035】
なお、図23は8PSK・符号化率2/3の位相図であり、図24は8PSK・符号化率5/6、8/9の位相図、図25は16QAM・符号化率3/4、7/8の位相図である。
【0036】
DSNG規格において多様な伝送モードが採用されているのは、受信状況に応じて送信信号の品質を変化させるためである。例えば、受信状況が良好な場合には、位相図中の1つのシンボルで多量の情報を送信することが可能な16QAMを変調方式に採用できるし、逆に受信状況が不良な場合には、ノイズに強いQPSKを変調方式に採用することができる。
【0037】
DSNG規格に合致するCSデジタル放送の送信装置の構成の一部を図26に示す。
【0038】
図26の送信装置は、図21の送信装置と同様、P/S変換器1、畳み込み符号器2、パンクチャー符号器3、およびマッパ4を備えている。これらに加えてさらに図26の送信装置は、P/P(Parallel to Parallel)変換器11およびシンボルシーケンサー12をも備えている。
【0039】
外符号が付された後のバイトデータP0〜P7は、バイトごとに、P/P変換器11において、畳込み符号化される畳込み用パラレルデータEp、または、畳込み符号化されない非畳込み用パラレルデータNEのいずれかに振り分けられる。
【0040】
畳込み用パラレルデータEpは、P/S変換器1によりシリアルデータEsに変換され、畳み込み符号器2により内符号化される。そして、畳み込まれたデータX,Yのデータ量がパンクチャー符号器3により間引かれ、間引きされたデータC1,C2はシンボルシーケンサー12に入力される。
【0041】
一方、非畳込み用パラレルデータNEは、そのままシンボルシーケンサー12に入力される。
【0042】
そして、シンボルシーケンサー12において適時に、畳込まれたデータC(すなわちデータC1,C2の一方または両方)および畳込まれていないデータU(すなわち非畳込み用パラレルデータNEの一部または全部)が、マッパ4に出力される。
【0043】
マッパ4では、データCおよびUをIデータおよびQデータに変換し、伝送モードに応じて図22〜図25のいずれかの位相図中のシンボル点にマッピングする。
【0044】
DSNG規格の有する多様な伝送モードは、上記のP/P変換器11の動作によって特徴づけらており、その内容は、図27の入力バイトデータと出力先との関係を表したP/P変換表に示すとおりである。すなわち、図27においては、「input P」欄に示されている各バイトデータ(図26中のバイトデータP0〜P7に相当、なお、各データの添え字はビット桁数を示し、時間順にA(最も古い)、B、D、F、G、H、Lとなっている)が、畳込み符号化されるデータEとなるのか、それとも、畳込み符号化されないデータNEとなるのかが示されている。
【0045】
例えば8PSK変調方式で符号化率5/6の場合には、P/P変換器11に入力される外符号後バイトデータは、最初の1バイト(A0〜A7)が畳込み用データE1に振り分けられ、次の4バイト(B0〜B7、D0〜D7、F0〜F7、G0〜G7)がそれぞれ非畳込み用データNE1、NE2、NE3、NE4に振り分けられる。
【0046】
さて、TSヘッダは前述のように204バイトごとに挿入されていることから、8PSK・符号化率5/6の場合には、1番目のバイトであるTSヘッダが畳込まれた後、次に到来するTSヘッダは畳込まれないことになる。204は5で割り切れず、次のTSヘッダが存在する205バイト目は非畳込み用データNE4に振り分けられるからである。
【0047】
このことから、最初にTSヘッダが畳込み用データE1で畳込まれると、次のTSヘッダが畳込まれるのは204×5+1=1021バイト目のTSヘッダとなり、それ以外の205バイト目のTSヘッダ、204×2+1=409バイト目のTSヘッダ、204×3+1=613バイト目のTSヘッダ、204×4+1バイト目=817バイト目のTSヘッダは、いずれも畳込まれないことになる(但し、全データのうち畳込まれるデータだけ(すなわち1/5のデータ量だけ)に注目して考えると、最初の畳込み用データE1のTSヘッダから次に畳込まれるTSヘッダまでは204バイトの間隔となっている)。
【0048】
よって、従来のCSデジタル放送では必ず204バイト周期でTSヘッダが畳込まれていたのに対し、DSNGにおいてはこのように多様な伝送モードが存在するので、畳込まれないTSヘッダも存在するようになっている。
【0049】
もちろん、畳込まれたデータと畳込まれていないデータとを比較した場合、畳込まれたデータは送信装置側で内符号化されている(すなわち、誤り訂正符号化されている)ので、畳込まれていないデータに比べて受信装置側で訂正・復号される能力が高い。このため、従来のCSデジタル放送では、位相検出のためのTSヘッダ検出は畳込まれたデータに対して行われていたのである。
【0050】
DSNG規格の場合、図21に示した従来のCSデジタル放送受信装置を、そのまま用いることはできない。TSヘッダ検出器8が単純に204バイトの固定周期でビタビデコーダ7の出力データを監視するだけでは、上記の8PSK・符号化率5/6のような場合に、畳込まれたTSヘッダと畳込まれないTSヘッダとを区別して検出できないからである。
【0051】
また、このDSNG規格では、8PSKの場合、考えられる位相角の送信側と受信側とでのずれは、0°、+45°、+90°、+135°、+180°、+225°、+270°、+315°の45°刻みとなり、QPSKおよび16QAMの場合には、位相角のずれは、0°、+90°、+180°、+270°の90°刻みとなる。
【0052】
このように、選択される伝送モードによって、TSヘッダ検出の周期だけでなく、位相角補正量も異なってくるので、やはり図21に示した従来のCSデジタル放送受信装置を、そのまま用いることはできない。位相変換器6が−180°変換あるいは−90°変換を行うだけでは、例えば8PSKの45°刻みに対応できないからである。
【0053】
そこで、この発明の課題は、DSNG規格に規定された様々な変調方式と符号化率とに対応して位相補正を正しく行えるデジタル放送受信装置を提供することにある。
【0054】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、送信信号のデジタル情報を位相シフトキーイング変調したベースバンド信号として伝送するデジタル変調方式のデジタル放送送信信号を受信するデジタル放送受信装置であって、前記デジタル放送送信信号には、変調方式および符号化率の少なくとも一方が異なる複数種のデジタル放送送信信号が含まれ、前記複数種のデジタル放送送信信号はいずれも、所定のバイト数のパケットを1単位として複数含み、各パケットは外符号が付されたトランスポートストリーム信号であり、前記トランスポートストリーム信号中の各パケットには、1パケットを区別するための所定の1バイトデータたる同期信号が含まれ、前記複数種のデジタル放送送信信号のいずれにおいても、前記トランスポートストリーム信号のうち少なくとも一部のバイトが所定の周期で1つずつ内符号化され、前記デジタル放送送信信号の複数種の間では、内符号化されるバイトの前記所定の周期がそれぞれ異なり、前記変調方式を認識しつつ前記複数種のデジタル放送送信信号を受信可能で、前記デジタル放送送信信号を前記ベースバンド信号に復調するデジタルデモジュレータと、復調された前記ベースバンド信号に基づいて、前記トランスポートストリーム信号のうち、内符号化された前記少なくとも一部のバイトを内符号化復号データとして復号し、内符号化されていないデータは非内符号化復号データとして出力する内符号復号器と、前記内符号化復号データおよび非内符号化復号データを、前記外符号に基づいて外符号化して復号し、復号データに誤りが所定値以上存在するときは復号エラー信号を出力する外符号復号器と、前記内符号復号器において復号された前記少なくとも一部のバイトから前記同期信号を検出し、検出の際には、前記デジタルデモジュレータの認識した前記変調方式に基づき、内符号化の前記所定の周期に対応させて前記同期信号の検出周期を変化させる第1の同期信号検出器と、前記デジタルデモジュレータで認識された前記変調方式、前記第1の同期信号検出器の検出結果、および、前記外符号復号器からの復号エラー信号に基づき、送信側における絶対位相からの前記ベースバンド信号の位相角のずれを検出する位相検出器と、前記位相検出器の検出結果に基づいて、前記複数種のデジタル放送送信信号ごとに異なる位相角で前記ベースバンド信号の位相を変換する位相変換器とを備えるデジタル放送受信装置である。
【0055】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のデジタル放送受信装置であって、前記同期信号は、特定のビット配列を有するデータであり、前記第1の同期信号検出器は、前記同期信号を検出するに際して前記特定のビット配列全てを検出できなかったとしても、その一部たる所定の配列が検出できた場合に前記同期信号を検出したとみなすデジタル放送受信装置である。
【0056】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のデジタル放送受信装置であって、前記位相変換器は、前記デジタルデモジュレータで復調された前記ベースバンド信号から、位相シフトキーイング変調前の前記送信信号を復元し、復元した前記送信信号のデジタル情報を変化させることで、前記ベースバンド信号の位相を変換するデジタル放送受信装置である。
【0057】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のデジタル放送受信装置であって、前記内符号復号器から出力される前記非内符号化復号データから前記同期信号を検出し、検出の際には、前記デジタルデモジュレータの認識した前記変調方式に基づき、内符号化の前記所定の周期に対応させて前記同期信号の検出周期を変化させる第2の同期信号検出器をさらに備え、前記位相検出器は、前記デジタルデモジュレータで認識された前記変調方式、前記第1の同期信号検出器の検出結果、および、前記外符号復号器からの復号エラー信号に代わって、前記デジタルデモジュレータで認識された前記変調方式、前記第1の同期信号検出器の検出結果、および、前記第2の同期信号検出器の検出結果に基づいて、前記絶対位相からの前記ベースバンド信号の位相角のずれを検出するデジタル放送受信装置である。
【0058】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のデジタル放送受信装置であって、前記非内符号化復号データから検出される前記同期信号は、前記ベースバンド信号に特定の位相角のずれが存在する場合に、前記複数種のデジタル放送送信信号のそれぞれに応じた所定の変換法則に基づいて、他の所定の1バイトデータに変形されて変形同期信号となり、前記第2の同期信号検出器は、前記同期信号の検出だけでなく、前記変形同期信号の検出も行い、前記位相検出器は、前記変形同期信号の検出結果にも基づいて、前記絶対位相からの前記ベースバンド信号の位相角のずれを検出するデジタル放送受信装置である。
【0059】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載のデジタル放送受信装置であって、前記デジタルデモジュレータは、受信したデジタル放送送信信号のC/Nを算出し、前記位相検出器は、前記デジタルデモジュレータで認識された前記変調方式、前記第1の同期信号検出器の検出結果、および、前記外符号復号器からの復号エラー信号の組み合わせ、あるいは、前記デジタルデモジュレータで認識された前記変調方式、前記第1の同期信号検出器の検出結果、および、前記第2の同期信号検出器の検出結果の組み合わせのいずれかに基づいて、前記絶対位相からの前記ベースバンド信号の位相角のずれを検出し、前記2つの組み合わせのいずれかを、前記C/Nの算出結果に応じて選択する第1のスイッチをさらに備えるデジタル放送受信装置である。
【0060】
請求項7に記載の発明は、請求項4に記載のデジタル放送受信装置であって、前記内符号復号器は、入力されたデータと、出力する前記内符号化復号データおよび非内符号化復号データとを比較して、両者の差異からビットエラーレイトを算出し、前記位相検出器は、前記デジタルデモジュレータで認識された前記変調方式、前記第1の同期信号検出器の検出結果、および、前記外符号復号器からの復号エラー信号の組み合わせ、あるいは、前記デジタルデモジュレータで認識された前記変調方式、前記第1の同期信号検出器の検出結果、および、前記第2の同期信号検出器の検出結果の組み合わせのいずれかに基づいて、前記絶対位相からの前記ベースバンド信号の位相角のずれを検出し、前記2つの組み合わせのいずれかを、前記ビットエラーレイトの算出結果に応じて選択する第2のスイッチをさらに備えるデジタル放送受信装置である。
【0061】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載のデジタル放送受信装置であって、前記複数種のデジタル放送送信信号には、バイトの内符号化の周期が複数種類存在する変調方式のデジタル放送送信信号が含まれており、前記内符号復号器において復号された前記少なくとも一部のバイトを、連続して順次、記憶するメモリと、前記メモリに記憶されたバイトのうち前記同期信号のバイトが現れる周期の情報と、前記複数種類の前記内符号化の周期の情報とに基づいて、前記複数種類の前記内符号化の周期のいずれといずれとの間に挟まれた同期信号を前記第1の同期信号検出器が検出すべきか選択する選択部とをさらに備えるデジタル放送受信装置である。
【0062】
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載のデジタル放送受信装置であって、前記複数種のデジタル放送送信信号には、バイトの内符号化の周期が複数種類存在する変調方式のデジタル放送送信信号が含まれており、前記内符号化が行われたバイトにはさらに、複数のパンクチャーパターンのいずれかを用いてパンクチャー符号化が行われ、前記パンクチャー符号化において前記複数のパンクチャーパターンのいずれが用いられるかは、前記内符号化の周期の種類に対応して予め決定されており、前記内符号復号器は、前記パンクチャー符号化されたバイトを前記複数のパンクチャーパターンのいずれかを用いてパンクチャー復号化した上で、内符号復号を行い、前記パンクチャー復号化において前記複数のパンクチャーパターンのいずれが各バイトに用いられたかを検出し、用いられたパンクチャーパターンの情報と、前記複数種類の前記内符号化の周期の情報とに基づいて、前記複数種類の前記内符号化の周期のいずれといずれとの間に挟まれた同期信号を前記第1の同期信号検出器が検出すべきか選択するパンクチャーパターン検出器をさらに備えるデジタル放送受信装置である。
【0063】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>
本実施の形態は、畳込み符号化の周期に対応させて同期信号たるTSヘッダの検出周期を変化させる可変周期TSヘッダ検出器と、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出する可変位相検出器と、様々な変調方式と符号化率とを有するデジタル放送送信信号ごとに異なる位相角で位相図中におけるベースバンド信号の位相を変換する可変位相変換器とを設けたデジタル放送受信装置である。これにより、DSNG規格のように、デジタル放送送信信号に複数種のデジタル放送送信信号(QPSKや8PSK、16QAMなど)が含まれている場合であっても、各変調方式および符号化率に対応して位相補正を正しく行えるデジタル放送受信装置を実現できる。
【0064】
図1は本実施の形態に係るデジタル放送受信装置のブロック図である。なお、図1において、図21に示した従来のデジタル放送受信装置の機能ブロックと同一符号のものは、同様の動作をする。
【0065】
なお、デジタル放送送信信号をベースバンド信号たるIデータおよびQデータに復調するデジタルデモジュレータ5は、伝送モードのうちQPSK、8PSK、16QAMの変調方式のいずれであるかを認識可能である(符号化率については認識できない)。
【0066】
この変調方式の認識は、例えば各変調方式ごとの受信機(図示せず)をデジタルデモジュレータ5内に設けておき、各受信機のいずれが送信信号を受信したかを検出する検出器(図示せず)を設けることで容易に構成できる。なお、各変調方式ごとの受信機の出力を選択するセレクタ(図示せず)と、セレクタの選択を制御する制御部(図示せず)とを設け、制御部が、検出器の検出結果に基づいてセレクタの選択を制御するようにすれば、IデータおよびQデータとして各受信機の受信信号が出力される。なお、検出器において認識された変調方式の情報は変調方式信号MRとして出力される。
【0067】
また、ビタビデコーダ7は、デジタルデモジュレータ5によって復調されたIデータおよびQデータに基づいて、受信したデジタル放送送信信号のうち、送信装置側で畳込まれたバイトを畳込み復号データとして復号し、畳込まれていないデータを非畳込み復号データとして出力する。
【0068】
また、リードソロモンデコーダ9は、畳込み復号データおよび非畳込み復号データを外符号化して復号し、復号データに誤りが所定値以上存在するときは復号エラー信号RS−ERRをアクティブ化して出力する。
【0069】
なお、符号19は時間調整用の遅延器、符号20は可変位相変換器、符号21は可変周期TSヘッダ検出器、符号22は可変位相検出器である。
【0070】
このうち、可変周期TSヘッダ検出器21は、図21に示した従来のデジタル放送受信装置のTSヘッダ検出器8に代わって設けられるTSヘッダの検出器であり、ビタビデコーダ7において復号された畳込み復号データからTSヘッダを検出する。可変周期TSヘッダ検出器21には変調方式信号MRが入力され、TSヘッダの検出の際には、デジタルデモジュレータ5の認識した変調方式に基づき、畳込みのバイト周期に対応させてTSヘッダの検出周期を変化させる。
【0071】
また、可変位相検出器22は、可変周期TSヘッダ検出器21の検出結果、デジタルデモジュレータ5からの変調方式信号MR、および、リードソロモンデコーダ9からの復号エラー信号RS−ERRに基づき、各伝送モードの位相図中の絶対位相(例えばQPSKにおける(C2,C1)=(0,0)の位置など)からのベースバンド信号の位相角のずれを検出する。
【0072】
また、可変位相変換器20は、図21に示した従来のデジタル放送受信装置の位相変換器6に代わって設けられる受信信号の位相を変換する手段であり、可変位相検出器22の検出結果に基づいて、伝送モードごとに異なる位相角で位相図中におけるベースバンド信号の位相を変換する。具体的には、可変位相変換器20は、デジタルデモジュレータ5からのIデータおよびQデータと可変位相検出器22の位相変換信号PSとを受けて、伝送モードごとに異なる位相角で位相変換したIcデータおよびQcデータを生成する。そして、生成したIcデータおよびQcデータをビタビデコーダ7に入力する。
【0073】
なお、遅延器19は、可変周期TSヘッダ検出器21および可変位相検出器22での信号処理時間を考慮して、ビタビデコーダ7から出力される非畳込み復号データを、可変位相検出器22から出力される畳込み復号データと同時にリードソロモンデコーダ9に入力するために設けられている。
【0074】
次に動作について説明する。例えば、図25の位相図で示される変調方式16QAM・符号化率3/4の伝送データは、図27のP/P変換表からわかる通り、その畳込まれるデータ(E1)の周期は68バイト(=204バイト×1/3(204バイトは最初にTSヘッダが畳込まれてから次のTSヘッダが畳込まれるまでの周期、1/3は、畳込まれるバイトおよび畳込まれないバイトの総和に対する畳込まれるバイト数の比))となっている。このことはすなわち、TSヘッダが必ず畳込まれることを意味する。204は3で割り切れ、204バイト周期で訪れるTSヘッダが、必ず(E1)に振り分けられるからである。
【0075】
この場合、可変周期TSヘッダ検出器21においては、TSヘッダ検出の周期として68バイト周期が設定されればよい。可変周期TSヘッダ検出器21には畳込み復号データが入力され、非畳込み復号データは入力されないので、畳込まれる68バイト分の受信データの監視をおこなえばよいからである。そうすれば、最も適切な周期でTSヘッダの検出が行える。
【0076】
同様に、図27のP/P変換表より、QPSK変調方式時のTSヘッダ検出周期は204バイト、8PSK変調方式で符号化率2/3の時にはTSヘッダ検出周期は102バイト(=204バイト×1/2(204バイトは最初にTSヘッダが畳込まれてから次のTSヘッダが畳込まれるまでの周期、1/2は、畳込まれるバイトおよび畳込まれないバイトの総和に対する畳込まれるバイト数の比))、8PSK変調方式で符号化率5/6の時にはTSヘッダ検出周期204バイト(=1020バイト×1/5(1020バイトは最初にTSヘッダが畳込まれてから、次のTSヘッダが畳込まれるまでの周期、1/5は、畳込まれるバイトおよび畳込まれないバイトの総和に対する畳込まれるバイト数の比))、8PSK変調方式で符号化率8/9の時にはTSヘッダ検出周期51バイト(=204バイト×1/4(204バイトは最初にTSヘッダが畳込まれてから、次のTSヘッダが畳込まれるまでの周期、1/4は、畳込まれるバイトおよび畳込まれないバイトの総和に対する畳込まれるバイト数の比))、16QAM変調方式で符号化率7/8の時には、TSヘッダ検出周期612バイト(=204×7バイト×3/7(204×7バイトは最初にTSヘッダが畳込まれてから次のTSヘッダが畳込まれるまでの周期(なお、図27におけるA、F、Hは区別される必要がある)、3/7は、畳込まれるバイトおよび畳込まれないバイトの総和に対する畳込まれるバイト数の比))、とそれぞれ設定されればよい。そうすれば、いずれの伝送モードの場合も、最も適切な周期でTSヘッダの検出が行える。
【0077】
このTSヘッダ検出の周期は、可変周期TSヘッダ検出器21が適宜、受信した信号の伝送モードに応じて変化させる。デジタルデモジュレータ5で変調方式は認識されるので、変調方式信号MRを可変周期TSヘッダ検出器21が得れば、可変周期TSヘッダ検出器21において予め変調方式が判明している。よって、可変周期TSヘッダ検出器21は、各変調方式ごとに設定された符号化率のバリエーションだけTSヘッダ検出の試行を行えばよい。例えば8PSKと判明している場合には、符号化率2/3、5/6および8/9が考えられるので、TSヘッダ検出周期を、51バイト、102バイトあるいは204バイトと設定して順次、TSヘッダ検出を行えばよい。
【0078】
さて、可変位相変換器20は、16QAM変調時およびQPSK変調時では、位相角90°単位の位相変換をベースバンド信号に対して行い、8PSK変調時では位相角45°単位の位相変換をベースバンド信号に対して行う。すなわち、伝送モードごとに異なる位相角でベースバンド信号の位相を変換する。
【0079】
例えば変調方式16QAM・符号化率3/4では、可変周期TSヘッダ検出器21において、TSヘッダ(=47hexデータ)が検出された時は絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれが0°であると判断できる。また、反転TSヘッダ(=B8hexデータ)が検出された時は+180°の位相角のずれであると、TSヘッダが検出されない時は位相角のずれが+90°または+270°であると判断できる。
【0080】
そこで、TSヘッダが検出されない時には、可変位相変換器20はベースバンド信号の位相角を−90°補正する。そして、その後に可変周期TSヘッダ検出器21がTSヘッダを検出すれば、ベースバンド信号の位相角のずれが+90°から0°に変化したと判断できる。よって、この時点で位相変換を終了すればよい。
【0081】
一方、−90°補正の後に、可変周期TSヘッダ検出器21において反転TSヘッダが検出された時には、ベースバンド信号の位相角のずれが270°から180°に変化したと判断できる。そこで、可変位相変換器20はベースバンド信号の位相角を再び−180°変換し、その後で可変周期TSヘッダ検出器21においてTSヘッダが検出される(すなわち、位相角のずれが0°になった)ことを確認して位相補正を終了すればよい。
【0082】
また、8PSK・符号化率2/3の場合は、可変周期TSヘッダ検出器21においてTSヘッダが検出された時は、位相角のずれが0°または+180°のいずれかであると判断できる。ただし、そのどちらであるかは特定できない。これは、図23を見るとわかるように、原点を対称点として180°向かい合うシンボル同士は、畳込み符号化されたパターン(C2,C1)が同じ値の組み合わせ(例えば0°および180°ではともに(0,0))となっているため、非畳込み復号データを用いずに畳込み復号データのみに基づいてTSヘッダ検出を行なう可変周期TSヘッダ検出器21では、現在のシンボルが、向かい合う2つのシンボルのどちらであるか特定できないからである。
【0083】
また、8PSK・符号化率2/3では(C2,C1)=(0,0)のデータに+90°の位相変換を行なうと、(C2,C1)=(1,1)となって畳込まれたデータは全て反転されることになり、位相検出器では反転TSヘッダを検出することになる。
【0084】
よって同様に、可変周期TSヘッダ検出器21において反転TSヘッダが検出された時は、位相角のずれが+90°または+270°のいずれかであると判断できるものの、そのどちらであるかは特定できない。また、TSヘッダが検出されない時は、位相角のずれが+45°、+135°または+225°のいずれかであると判断できる。
【0085】
一方、8PSK・符号化率5/6または8/9の場合では、TSヘッダ検出時は、位相角のずれが0°、+90°、+180°、+270°のいずれかであると判断できる。ただし、そのいずれであるかは特定できない。なお、上記4つの位相角のずれの値に絞られるのは、図24の位相図を見るとわかるように、90°間隔で並ぶ各シンボル同士が、畳込み符号化されたパターン(C1)が同じ値(0か1か)となっているためである。
【0086】
また、8PSK・符号化率5/6または8/9では、畳込まれているデータはC1の1ビットのみになっている。そして、45°位相がずれると畳込みデータであるC1の極性が反転して反転TSヘッダが検出される。
【0087】
よって、8PSK・符号化率5/6または8/9の場合で、反転TSヘッダを検出した時は、位相角のずれが+45°、+135°、+225°、+315°のいずれかであると判断できる。ただし、そのいずれであるかは特定できない。
【0088】
この8PSK変調方式のように位相角のずれの特定が出来ない場合、更なる条件を追加することで、位相角のずれの特定を行なう必要がある。そこで、さらに位相角のずれを判別するために、リードソロモンデコーダ9の復号エラー信号RS−ERRを用いる。
【0089】
例えば図24の8PSK・符号化率5/6の位相図より、畳込まれたデータが(C2,C1)=(0,0)となるのは0°か+180°のいずれかである。このとき、畳込まれていないデータU1は0°の時には0、+180°の時には1となっている。このことは、例えば位相角のずれが+180°である時には、畳込まれたデータ(C2,C1)は正常に復号されるものの、畳込まれていないデータ(U1)は正常に復号されないことを意味する。よって、畳込みの有無にかかわらず全てのデータについて誤り訂正するリードソロモンデコーダ9の誤り訂正は、位相角のずれ0°の時のみ正常に行なえ、位相角のずれ180°では正常に行なえないことになる。
【0090】
リードソロモンデコーダ9は、畳込み復号データと非畳込み復号データとに対して、図26の送信装置内のP/P変換器11の変換動作の逆の動作(逆変換)を行うことで、元のバイトデータ列を再現する。そして、再現したバイトデータに対して誤り訂正を行い、誤り訂正が正常にできたかどうかについて復号エラー信号RS−ERRを出力する。この復号エラー信号RS−ERRは可変位相検出器22に入力される。
【0091】
例えば8PSK・符号化率2/3では、TSヘッダ検出時には位相角のずれは0°と+180°のいずれであるか特定できなかったが、可変位相検出器22では、復号エラー信号RS−ERRを受けることで、エラーなく正常に誤り訂正ができている時には位相角のずれが0°である、できていない時には位相角のずれが+180°である、と位相角のずれをさらに特定できる。
【0092】
すなわち、可変位相検出器22は、デジタルデモジュレータ5からの変調方式信号MR、可変周期TSヘッダ検出器21の検出結果、および、リードソロモンデコーダ9からの復号エラー信号RS−ERRに基づき、送信側での絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出する。そして、可変位相変換器20は、可変位相検出器22の検出結果(位相変換信号PS)に基づいて、伝送モードごとに異なる位相角で、位相図中におけるベースバンド信号の位相を変換する。
【0093】
本実施の形態に係るデジタル放送受信装置によれば、可変周期TSヘッダ検出器21が畳込まれたTSヘッダの周期に対応させてTSヘッダの検出周期を変化させ、可変位相検出器22が絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出し、可変位相変換器20が伝送モードごとに異なる位相角で位相図中におけるベースバンド信号の位相を変換する。
【0094】
よって、DSNG規格のように、デジタル放送送信信号に複数種のデジタル放送送信信号(QPSKや8PSK、16QAMなど)が含まれている場合であっても、各変調方式および符号化率に対応して位相補正を正しく行えるデジタル放送受信装置を実現できる。
【0095】
なお、図2は、可変位相変換器20における位相変換の計算方法の一例を示す図であり、図3はその位相変換のうち−45°変換を行って、位相変換後Qcデータを求める−45°変換器の一例を示したものである。
【0096】
図2に示すように、例えば−45°変換を行って位相変換後Qcデータを得る場合には、可変位相変換器20の入力データたるQデータの値からIデータの値を差し引いて、その結果を√2倍し、2で除すればよい(図22〜図25の位相図を参照のこと)。
【0097】
また、−90°変換を行って位相変換後Qcデータを得る場合には、入力データたるIデータを反転させればよい(inv(A)はデジタル値Aを反転させることを意味する)。すなわち、Qcデータの数値は−Iとなる。また、−180°変換を行って位相変換後Qcデータを得る場合は入力データたるQデータを反転させればよく、−270°変換を行って位相変換後Qcデータを得る場合は入力データたるIデータをQcデータに採用すればよい。位相変換後Icデータを得る場合も図2に示す通りの計算を行えばよい。
【0098】
図3の−45°変換器CV1では、加算器AD1、乗算器MP1、数値2での除算器たる1ビットシフタSH1が設けられている。加算器AD1にはIデータおよびQデータが入力され、Iデータの数値がQデータの数値から差し引かれる。そして、加算器AD1の計算結果は乗算器MP1に送られ、そこで√2倍される。そして、乗算器MP1の計算結果は1ビットシフタSH1に送られ、ビットが一桁減じる方向にシフトされる。これにより数値2での除算が行える。よって、図3の−45°変換器CV1では図2の−45°変換方法が実現されており、位相変換後Qcデータが得られる。
【0099】
図4は可変位相変換器20を構成する変換器のうちQcデータを生成する変換器の一構成例を示す図である。このQcデータ生成可変位相変換器20aは、出力が次段の一入力端に接続される構成のスイッチSW1〜SW4と、それらスイッチの切り替えを行う制御手段CT1と、−45°、−90°、−180°、−270°の各位相角の変換器CV1〜CV4を備えている。
【0100】
このうち、−45°変換器CV1は例えば図3の変換器であり、また、−90°変換器CV2および−180°変換器CV3はいずれもインバータ(図示せず)である。またQcデータの場合、−270°変換ではIデータを出力すればよいので−270°変換器CV4を省略しても良いが、例えば時間調節用に信号を遅延させるバッファを−270°変換器CV4に用いても良い。
【0101】
なお、QデータはスイッチSW1の一入力端、−45°変換器CV1および−180°変換器CV3に入力される。また、Iデータは−45°変換器CV1、−90°変換器CV2および−270°変換器CV4に入力される。−45°変換器CV1の出力はスイッチSW1の他入力端に、−90°変換器CV2の出力はスイッチSW2の他入力端に、−180°変換器CV3の出力はスイッチSW3の他入力端に、−270°変換器CV4の出力はスイッチSW4の他入力端に、それぞれ入力される。そして、スイッチSW4の出力がQcデータとなる。なお、制御手段CT1には、検出された位相角のずれの情報(位相変換信号PS)が入力され、スイッチSW1〜SW4のそれぞれの切り替えを制御する。
【0102】
例えば位相角のずれの情報が0°である場合には、入力されたQデータをそのまま出力すればよいので、制御手段CT1は、各スイッチSW1〜SW4を図4のようにセットすればよい。一方、例えば位相角のずれの情報が+45°である場合には、スイッチSW1を図4の状態から切り替えて、−45°変換器CV1の出力がQcデータとして出力されるようにすればよい。他の位相角のずれの場合も同様である。
【0103】
なお、可変位相変換器20を構成する変換器のうちIcデータを生成する変換器も、図4のQcデータ生成可変位相変換器20aに変形を加えるだけで構成できる。すなわち、−45°変換器CV1としては、図3の変換器で加算器AD1においてIデータとQデータとを加えるようにしたものを採用し、−90°変換器CV2としては、Qデータを出力するバッファを、−180°変換器としてはIデータを反転して出力するインバータを、−270°変換器としてはQデータを反転して出力するインバータを、それぞれ採用すればよい。
【0104】
なお、上記のようなQcデータ生成可変位相変換器20aおよびIcデータ生成可変位相変換器の両者を用いなくても、例えば図5に示す可変位相変換器20bを可変位相変換器20に採用しても良い。
【0105】
図5の可変位相変換器20bは、角度変換リードオンリメモリRM1、加算器AD2および逆角度変換リードオンリメモリRM2を備えている。
【0106】
角度変換リードオンリメモリRM1には、IデータおよびQデータの各値に応じた位相の値を網羅した変換テーブルが記憶されており、IデータおよびQデータの入力に対して、その対応する位相の値が出力される。そして、出力された位相の値から、検出された位相角のずれの値(位相変換信号PS)が、加算器AD2において差し引かれる。加算器AD2の出力は、逆角度変換リードオンリメモリRM2に入力される。
【0107】
逆角度変換リードオンリメモリRM2には、加算器AD2で計算された位相の値に応じたQcデータおよびIcデータの値を網羅した変換テーブルが記憶されており、加算器AD2の位相計算結果に対して、その対応するQcデータおよびIcデータの値が出力される。
【0108】
また、可変位相検出器22は、セレクタやデコーダを用いることで容易に形成できる。デジタルデモジュレータ5からの変調方式信号MRの情報、可変周期TSヘッダ検出器21での検出結果、および復号エラー信号RS−ERRを入力とし、それら入力信号の組み合わせに応じて、可変位相検出器22が可変位相変換器20に対し、適切な位相変換量を指定する位相変換信号PSを送信するようにしておけばよい。
【0109】
<実施の形態2>
本実施の形態は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置の変形例であり、可変周期TSヘッダ検出器21に代わって、TSヘッダを検出するに際して47hexデータあるいはB8hexデータのビット配列全てを検出できなかったとしても、その一部のビット配列たる選択ビットが検出できた場合にTSヘッダを検出したとみなす選択ビット数一致可変周期TSヘッダ検出器18を採用するものである。このようにすれば、低C/N環境下のデジタル放送送信信号であっても、位相補正が行える。
【0110】
実施の形態1に係るデジタル放送受信装置では、可変周期TSヘッダ検出器21は、TSヘッダデータ(47hexデータ:01000111)または反転TSヘッダデータ(B8hexデータ:10111000)の全てが一致した時にTSヘッダ検出を判別していた。
【0111】
しかし、デジタル放送送信信号が低C/N環境下にある場合、ノイズによってTSヘッダが完全な8ビットデータとして受信できない場合がある。本実施の形態では、そのような場合にTSヘッダが完全に検出できなくても、一部のビット配列が検出できた場合に、すなわち、8ビット中指定された任意のビット数だけ一致した場合に、TSヘッダを検出したとみなして信号検出を行いやすくする。
【0112】
図6は本実施の形態に係るデジタル放送受信装置のブロック図である。図6では実施の形態1に係るデジタル放送受信装置と同様の機能を有する要素については同一符号を付している。このうち符号18は選択ビット数一致可変周期TSヘッダ位相検出器である。なお、その他の構成は実施の形態1に係るデジタル放送受信装置と同様のため、説明を省略する。
【0113】
次に動作について説明する。実施の形態1における可変周期TSヘッダ検出器21では、TSヘッダデータ(正転データ“01000111”:47hexまたは反転データ“10111000”:B8hex)を検出し、それが指定された周期で何回か繰り返し検出された時に、TSヘッダが検出できたと判別している。
【0114】
後段のリードソロモンデコーダ9は、可変周期TSヘッダ検出器21の判別結果を受けてようやく(TSヘッダの検出後にはじめて)、リードソロモンデコードを開始する。リードソロモンデコードを開始する時には、少なくともビタビデコーダ7で正常に誤り訂正しデータを復号していなければ、後段で再び誤り訂正をしても意味がないからである。
【0115】
すなわち、TSヘッダが検出できていない場合、ビタビデコーダ7が正常に復号できていないということなので、リードソロモンデコードを開始するためには、TSヘッダ検出ができていることが必須条件となる。
【0116】
実施の形態1においては、TSヘッダの検出には、TSヘッダデータの8ビット全てを検出できた時にTSヘッダを検出したとしていたが、受信状態が悪く伝送路のC/Nが悪い状態では受信データの信頼性が低くなる。よって、TSヘッダがビタビ復号され、誤り訂正されていてもデータを誤る可能性があり、可変周期TSヘッダ検出器21はTSヘッダの8ビット全てを検出できない可能性が高くなる。
【0117】
一方、TSヘッダデータの8ビット全ての検出を望まずに、指定された任意のビット数の検出でもよいように変更できるようにすると、誤る可能性はあるものの、受信データのC/Nが悪い時にもTSヘッダ検出は行える。
【0118】
例えばTSデータの8ビット中、その一部たる任意の6ビットだけの一致で検出判別ができるようにすると、TSヘッダの検出が容易になり、後段のリードソロモンデコーダ9が誤り訂正を開始し、可変位相検出器22による位相角のずれの検出が可能になる。
【0119】
以上のように、指定された任意のビット数だけ一致した時にTSヘッダ検出と判断する、すなわち、TSヘッダの一部たる所定の配列が検出できた場合にTSヘッダを検出したとみなすようにすることで、低C/N環境下の信頼性の低い受信データでも、位相角のずれを検出でき、位相補正ができるようになる。
【0120】
<実施の形態3>
本実施の形態は、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置の変形例であり、可変位相変換器20に代わって、デジタルデモジュレータ5で復調されたベースバンド信号から位相シフトキーイングのマッピング前の畳込み送信信号および非畳込み送信信号を復元し、復元した送信信号のデジタル情報を変化させることでベースバンド信号の位相を変換する第2の可変位相変換器を採用するものである。ベースバンド信号は一般的に多ビット(例えば8ビットなど)で構成されるので、ベースバンド信号の位相を変換する際には多ビットの数値を変換するための回路が必要となるが、マッピング前の送信信号のデジタル情報を変化させる場合には、二値変化させるためのインバータを採用すればよく、回路規模を小さくすることができる。
【0121】
実施の形態2に係るデジタル放送受信装置では、デジタルデモジュレータ5で復調されたベースバンド信号たるIデータ,Qデータの値を変更することで位相角のずれを補正していた。
【0122】
本実施の形態では、ベースバンド信号たるIデータ,Qデータの値を変更するのではなく、Iデータ,Qデータから復元される畳込みデータおよび非畳込みデータ(図26の送信装置におけるデータC,Uに相当)のデジタル情報を変化させることでベースバンド信号の位相補正を行う。
【0123】
図7は本実施の形態に係るデジタル放送受信装置のブロック図である。図7では実施の形態2に係るデジタル放送受信装置と同様の機能を有する要素については同一符号を付している。このうち符号23は第2の可変位相変換器である。なお、その他の構成は実施の形態2に係るデジタル放送受信装置と同様のため、説明を省略する。
【0124】
次に動作について説明する。例えば変調方式8PSK・符号化率2/3の伝送モードのときに、選択ビット数一致可変周期TSヘッダ検出器18がTSヘッダを検出したものの、復号エラー信号RS−ERRがアクティブ化されて誤り訂正が正常に行われていないと可変位相検出器22において判断されたとする。このとき、デジタルデモジュレータ5によって復調されたIデータ,Qデータは+180°位相が異なっていると判断できる。
【0125】
実施の形態2に係るデジタル放送受信装置では、可変位相変換器20によって、Qc=反転Q、Ic=反転I、と変換がなされ、QcデータおよびIcデータが後段のビタビデコーダ7に入力された。そして、ビタビデコーダ7において、図23の位相図から、畳込まれた送信信号の復元データである(C2,C1)と畳込まれなかった送信信号の復元データである(U1)とを求めた上で誤り訂正を行っていた。
【0126】
一方、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置においては、第2の可変位相変換器23が、デジタルデモジュレータ5からのIデータ,Qデータから、位相変換を行う前にまず図23の位相図によって畳込みデータ(C2,C1)と非畳込みデータ(U1)とを復元する。そして、復元したデータ(C2,C1)および(U1)の段階でそれらのデジタル情報を変化させることで、結果的にベースバンド信号の位相を変換する。
【0127】
すなわち、復元したデータ(C2,C1)および(U1)のビット内容を可変位相検出器22の検出結果によって変換する。例えば8PSK・符号化率2/3の場合で位相角のずれが+180°であると判断されたときは、畳込みデータ(C2,C1)が正しいことはわかっているので、図23の位相図から算出した(C2,C1)を第2の可変位相変換器23はそのまま出力する。一方、非畳込みデータ(U1)は反転していることになるので、位相図から算出したU1を反転して出力する。
【0128】
この反転は、1ビットのデータU1を反転させるだけであるので、インバータ等を第2の可変位相変換器23内に設けておくことで容易に行える。
【0129】
以上のように、本実施の形態においては、デジタルデモジュレータ5で復調されたベースバンド信号たるIデータ,Qデータから、マッピング前の送信信号たるデータC、Uを復元し、復元した畳込みデータと非畳込みデータの段階でそれらのデジタル情報を変化させて、ベースバンド信号の位相を変換する。よって、多ビットで構成されるベースバンド信号(Iデータ,Qデータ)の位相を変換する際には多ビットの数値を変換するための回路が必要となるが、マッピング前の送信信号たるデータC、Uのデジタル情報を変化させる場合には、二値変化させるためのインバータを採用すればよく、回路規模を小さくすることができる。
【0130】
なお、図8は第2の可変位相変換器23の構成例を示す図である。図8に示す通り、第2の可変位相変換器23は、QデータおよびIデータを受けて、マッピング前の送信信号たるデータC、Uをそれぞれ算出する畳込みデータデコーダDC1および非畳込みデータデコーダDC2を備えている。そしてさらに第2の可変位相変換器23は、畳込みデータデコーダDC1の出力、あるいは、その出力をインバータIV1を介して反転させた出力のいずれかを選択して畳込みデータとして出力するスイッチSW5と、非畳込みデータデコーダDC2の出力、あるいは、その出力をインバータIV2を介して反転させた出力のいずれかを選択して非畳込みデータとして出力するスイッチSW6と、検出された位相角のずれの値(位相変換信号PS)に基づいてスイッチSW5,SW6を制御する制御手段CT2とを備える。
【0131】
このように、第2の可変位相変換器23は乗算器やメモリを用いないので、図4や図5の位相変換回路に比べて、回路規模を小さくすることができる。
【0132】
<実施の形態4>
本実施の形態は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置の変形例であり、ビタビデコーダ7から出力される非畳込み復号データからもTSヘッダを検出する可変周期非畳込みTSヘッダ検出器を設け、リードソロモンデコーダ9からの復号エラー信号RS−ERRに代わって、可変周期非畳込みTSヘッダ検出器の検出結果を用いて、位相角のずれ量の特定を行うようにしたデジタル放送受信装置である。リードソロモンデコーダ9から復号エラー信号RS−ERRが出力されるにはある程度の時間を要するため、非畳込み復号データからTSヘッダを検出して、この検出結果に基づいて、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出する方が早い。よって、位相補正がすばやくできるようになる。
【0133】
図9は本実施の形態に係るデジタル放送受信装置のブロック図である。図9では実施の形態1に係るデジタル放送受信装置と同様の機能を有する要素については同一符号を付している。このうち符号24は可変周期非畳込みTSヘッダ検出器である。なお、その他の構成は実施の形態1に係るデジタル放送受信装置と同様のため、説明を省略する。
【0134】
本実施の形態では、可変位相検出器22においてリードソロモンデコーダ9の復号エラー信号RS−ERRを使うことによって位相角のずれを特定するのではなく、復号エラー信号RS−ERRの代わりに非畳込み復号データから検出されたTSヘッダを用いて位相角を特定できるようにする。
【0135】
可変周期非畳込みTSヘッダ検出器24は、可変周期TSヘッダ検出器21と同様、ビタビデコーダ7から出力される非畳込み復号データからTSヘッダを検出し、検出の際には、デジタルデモジュレータ5の出力する変調方式信号MRに基づいて、畳込みのバイト周期に対応させてTSヘッダの検出周期を変化させる。
【0136】
次に動作について説明する。例えば8PSK・符号化率5/6では、TSヘッダが畳込まれる場合と畳込まれない場合とがある。実施の形態1では、畳込まれたTSヘッダのみを検出し、その検出結果と復号エラー信号RS−ERRとによって位相角のずれの特定を行なっていた。
【0137】
ここで、リードソロモンデコーダ9が復号エラー信号RS−ERRを出力するためには、可変周期TSヘッダ検出器21が畳込みTSヘッダを検出した後に、リードソロモンデコーダ9が、入力されたデータを誤り訂正して、その結果、誤り訂正が正常に行なえたのか、行なえなかったのかを判別する必要がある。
【0138】
一般的に、リードソロモンデコーダ9による外符号の誤り訂正はメモリを使用するので、誤り訂正後データおよび復号エラー信号RS−ERRが出力されるまでに時間がかかってしまう。よって、復号エラー信号RS−ERRが出力されるまでの間は、可変位相検出器22はジョブを待機している状態となる。
【0139】
本実施の形態における可変周期非畳込みTSヘッダ検出器24は、可変周期TSヘッダ検出器21が畳込みTSヘッダを検出(TSヘッダ検出または反転TSヘッダ検出)した後に、非畳込み復号データ内にあるTSヘッダを検出する。そして、その検出結果は可変位相検出器22に伝えられる。可変位相検出器22は、デジタルデモジュレータ5で認識された変調方式、可変周期TSヘッダ検出器21の検出結果、および、可変周期非畳込みTSヘッダ検出器24の検出結果に基づいて、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出する。
【0140】
例えば8PSK・符号化率5/6では、可変周期TSヘッダ検出器21がTSヘッダを検出しても、該当する位相角のずれは0°、+90°、+180°、+270°の4通りがあり、そのいずれであるか特定できない。
【0141】
ここで、図24の位相図より、受信信号の位相角のずれが0°の時のデータ(U2,U1,C1)=(0,0,0)に注目すると、位相角のずれ+90°では(0,1,0)、位相角のずれ+180°では(1,0,0)、位相角のずれ+270°では(1,1,0)となるので、位相角のずれ0°以外に非畳込みデータであるU2,U1が位相角のずれ0°の場合と同じデータになることがない。
【0142】
このため、非畳込みデータのTSヘッダが可変周期非畳込みTSヘッダ検出器24において検出できた時には、その位相角のずれは0°であると可変位相検出器22は判断できる。よって、そのときは可変周期非畳込みTSヘッダ検出器24が可変位相検出器22に検出結果を伝えることで、直ちに位相補正を終了できる。
【0143】
一方、TSヘッダが検出できなかった時には位相角のずれが0°以外であると可変位相検出器22は判断できるので、位相変換信号PSにより1回目の位相補正として可変位相変換器20に−90°変換を行わせる。そして、再びTSヘッダを検出できるかどうか可変周期非畳込みTSヘッダ検出器24が検証する。
【0144】
この段階でもTSヘッダを検出できなかった場合には、同様にして可変位相変換器20はさらに−90°変換を行なって、可変周期非畳込みTSヘッダ検出器24がTSヘッダを検出できるまで位相を変換する(この場合には最大3回の位相変換となる)。
【0145】
以上のように、非畳込みデータのTSヘッダをも検出できるようにしたので、TSヘッダが畳込まれている場合と畳込まれていない場合の両方を持った変調方式と符号化率とを持つ伝送モードでは、復号エラー信号RS−ERRが出力される前に、非畳込みデータのTSヘッダの検出結果により位相角のずれを特定できるようになり、位相補正をすばやく行なえる。
【0146】
なお、非畳込みデータの場合、畳込みデータに比べて伝送経路中のノイズへの耐性が弱い。そのため、低C/N環境下でデジタル放送送信信号を受信する場合には、非畳込みデータのTSヘッダを正しく検出できる可能性は低くなる。その場合は、たとえ時間がかかるとしても、復号エラー信号RS−ERRを用いて位相角のずれの特定を確実に行なう方がよい。
【0147】
よって、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置は、比較的高いC/N環境下でデジタル放送送信信号を良好に受信できる場合に適しているといえる。
【0148】
<実施の形態5>
本実施の形態は、実施の形態4に係るデジタル放送受信装置の変形例であり、可変周期非畳込みTSヘッダ検出器24に代わって、第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器を設けたデジタル放送受信装置である。第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器においては、47hexデータだけでなく、伝送モードのそれぞれに応じた所定の変換法則に基づいて47hexデータが変形した他の所定の1バイトデータの信号をも検出し、その検出結果にも基づいて、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出する。これにより、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれをより早く特定できるようになり、位相補正がさらにすばやくできる。
【0149】
図10は本実施の形態に係るデジタル放送受信装置のブロック図である。図10では実施の形態4に係るデジタル放送受信装置と同様の機能を有する要素については同一符号を付している。このうち符号25は第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器である。なお、その他の構成は実施の形態4に係るデジタル放送受信装置と同様のため、説明を省略する。
【0150】
次に動作について説明する。実施の形態4においては、非畳込みデータのTSヘッダ検出は47hexデータたる“01000111”を検出したかどうかで判別していた。そのため、8PSK・符号化率5/6では、非畳込みデータでTSヘッダが検出されても最大3回分、位相補正をし直す必要があった。
【0151】
本実施の形態では、01000111の47hexデータだけでなく、そのデータが変形した既知パターンをも第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器25で検出する。そして、そのパターンが指定された周期で検出できた場合に、検出結果を可変位相検出器22における位相角のずれの特定に利用する。
【0152】
例えば8PSK・符号化率5/6の伝送モードのときに、可変周期TSヘッダ検出器21によってTSヘッダが検出された(TSヘッダ検出又は反転TSヘッダ検出)場合、0°、+90°、+180°、+270°の位相角のずれが考えられる。
【0153】
図11〜図13は、図24の位相図をそれぞれ+90°、+180°、+270°ずつずらした場合のデータ(U2、U1、C1)を示したものである。このうち図12の位相角のずれ+180°の場合に着目すると、非畳込みデータである(U2c、U1c)は、図24の(U2、U1)=(a,b)とした場合、(U2c、U1c)=(反転a、正転b)となっている。例えば図24の(U2、U1、C1)=(0,0,0)は、図12では(U2、U1、C1)=(1,0,0)となっている。
【0154】
一方、図11および図13を見れば分かるとおり、+90°または+270°の位相角のずれのときは、このような変換則がない。
【0155】
よって、8PSK・符号化率5/6の伝送モードの場合は、+180°位相角のずれが存在する場合に、この伝送モードに応じた(U2c、U1c)=(反転a、正転b)という変換法則に基づいて、TSヘッダが他の所定の1バイトデータに変形されて変形TSヘッダとなると考えられる。
【0156】
具体的には、+180°位相角のずれが存在する場合に、非畳込みデータのTSヘッダ(“01000111”)は、“11101101”または“00010010”のいずれかデータとして再生される。8PSK・符号化率5/6の伝送モードの場合は、(U2c、U1c)は、畳込まれない送信信号の隣り合うビットデータであるので、TSヘッダ(“01000111”)を2ビットずつに区分した場合の一方が反転した“11101101”または“00010010”となるからである。
【0157】
よって、この2パターンのどちらかが、指定された周期である回数連続して検出できれば、180°の位相角ずれであると判別でき、8PSK・符号化率5/6の場合には位相補正回数を最大2回にすることができる。180°の位相角のずれの時は一度で検出が可能であるし、90°または270°のずれの時は一度−90°変換を行なえば、180°か0°のいずれかの位相角ずれになるので、検出が可能となり、ここで2回目の補正を行なえば位相補正が終了するからである。
【0158】
本実施の形態に係るデジタル放送受信装置によれば、第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器25が、TSヘッダの検出だけでなく、ベースバンド信号に特定の位相角のずれが存在する場合に他の所定の1バイトデータに変形した変形TSヘッダの検出も行い、可変位相検出器22は、変形TSヘッダの検出結果にも基づいて、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出する。よって、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれをより早く特定できるようになり、位相補正がさらにすばやくできる。
【0159】
<実施の形態6>
本実施の形態は、実施の形態5に係るデジタル放送受信装置の変形例であり、可変位相検出器22が、変調方式信号MR、可変周期TSヘッダ検出器21の検出結果、および、復号エラー信号RS−ERRの組み合わせ、あるいは、変調方式信号MR、可変周期TSヘッダ検出器21の検出結果、および、第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器25の検出結果の組み合わせのいずれに基づいて、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出するかについて、デジタルデモジュレータ5におけるC/Nの算出結果に応じて選択するスイッチをさらに備えたデジタル放送受信装置である。
【0160】
これにより、受信したデジタル放送送信信号のC/Nに合った最適な方法で、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれの検出が行える。すなわち、低C/Nの場合は、スイッチがリードソロモンデコーダ9からの復号エラー信号RS−ERRを含む組み合わせを選択して、確実な位相補正を行えるようにし、一方、高C/Nの場合は、スイッチが第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器25の検出結果を含む組み合わせを選択して、すばやい位相補正を行えるようにすることができる。
【0161】
図14は本実施の形態に係るデジタル放送受信装置のブロック図である。図14では実施の形態5に係るデジタル放送受信装置と同様の機能を有する要素については同一符号を付している。このうち符号26は、第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器25の検出結果、または、リードソロモンデコーダ9からの復号エラー信号RS−ERRのいずれかを、受信状況のC/Nに応じて可変位相検出器22に伝達するスイッチである。
【0162】
また、本実施の形態においては、デジタルデモジュレータ5がデジタル放送送信信号のC/Nを算出し、C/N信号CNとして出力する。受信データのC/Nは一般的にはデジタルデモジュレータ5内部の復調過程で容易に算出することができ、公知の算出用回路を追加すればよい。なお、その他の構成は実施の形態5に係るデジタル放送受信装置と同様のため、説明を省略する。
【0163】
次に動作について説明する。非畳込み復号データは、畳込み復号データのように誤り訂正符号化されたデータではないので、ビタビデコーダ7からの非畳込み復号データ出力は受信C/N等の外的要因によってデータを誤る可能性が高い。よって、受信C/Nが悪い時には、第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器25はヘッダ検出できない可能性が高くなり、可変位相検出器22における位相角の判定には使用できない。
【0164】
これに対して、リードソロモンデコーダ9の復号エラー信号RS−ERRは、畳込み復号データと非畳込み復号データとの両方に対して誤り訂正をおこなった結果、正常に訂正できたかどうかを判別する信号であるので、受信C/Nが悪い時にでも、正しい内容を出力できる可能性が高い。
【0165】
よって、受信C/Nが良い状態で位相補正をできるだけすばやくおこないたい時には、C/N信号CNの値に応じてスイッチ26が可変周期非畳込みTSヘッダ検出器25の検出結果を可変位相検出器22に与え、可変位相検出器22が、変調方式信号MR、可変周期TSヘッダ検出器21の検出結果、および、第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器25の検出結果の組み合わせに基づいて、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出できるようにすればよい。
【0166】
一方、受信C/Nが悪い時には確実な位相補正が行なえるように、C/N信号CNの値に応じてスイッチ26が復号エラー信号RS−ERRを可変位相検出器22に与え、可変位相検出器22が、変調方式信号MR、可変周期TSヘッダ検出器21の検出結果、および、復号エラー信号RS−ERRの組み合わせに基づいて、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出できるようにすればよい。
【0167】
すなわち、スイッチ26は、可変位相検出器22が、変調方式信号MR、可変周期TSヘッダ検出器21の検出結果、および、復号エラー信号RS−ERRの組み合わせ、あるいは、変調方式信号MR、可変周期TSヘッダ検出器21の検出結果、および、第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器25の検出結果の組み合わせのいずれに基づいて、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出するかを、C/N信号CNの算出結果に応じて選択する機能を有している。
【0168】
以上のように、検出位相角を特定するのに、受信C/Nによって、非畳込み復号データのTSヘッダ検出結果を使用するか、復号エラー信号RS−ERRを使用するかを切り換えられるようにしたので、受信C/Nに合った最適な方法で検出位相角を特定できる。これにより、低C/Nから高C/Nまでの受信状況に応じて、すばやい位相補正または確実な位相補正ができるようになる。
【0169】
すなわち、低C/Nの場合は、スイッチ26が復号エラー信号RS−ERRを含む組み合わせを選択して、確実な位相補正を行えるようにし、一方、高C/Nの場合は、スイッチ26が第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器25の検出結果を含む組み合わせを選択して、すばやい位相補正を行えるようにしている。
【0170】
<実施の形態7>
本実施の形態は、実施の形態5に係るデジタル放送受信装置の変形例であり、可変位相検出器22が、変調方式信号MR、可変周期TSヘッダ検出器21の検出結果、および、復号エラー信号RS−ERRの組み合わせ、あるいは、変調方式信号MR、可変周期TSヘッダ検出器21の検出結果、および、第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器25の検出結果の組み合わせのいずれに基づいて、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出するかについて、ビタビデコーダ7におけるビットエラーレイトの算出結果に応じて選択する第2のスイッチをさらに備えたデジタル放送受信装置である。
【0171】
これにより、受信したデジタル放送送信信号のC/Nを反映したビットエラーレイトの値に合った最適な方法で、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれの検出が行える。すなわち、高ビットエラーレイトの場合は、第2のスイッチがリードソロモンデコーダ9からの復号エラー信号RS−ERRを含む組み合わせを選択して、確実な位相補正を行えるようにし、一方、低ビットエラーレイトの場合は、第2のスイッチが第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器25の検出結果を含む組み合わせを選択して、すばやい位相補正を行えるようにすることができる。
【0172】
実施の形態6では、受信データのC/Nに応じて、スイッチ26により、第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器25の検出結果、あるいは、復号エラー信号RS−ERRのいずれを検出位相角の特定に使用するか選択していた。
【0173】
本実施の形態においては、受信データのC/Nをデジタルデモジュレータ5内で算出するのではなく、ビタビデコーダ7においてビットエラーレイトを算出し、このビットエラーレイトに基づいて、第2のスイッチが、第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器25の検出結果、または、リードソロモンデコーダ9からの復号エラー信号RS−ERRのいずれを可変位相検出器22に伝達するか選択する。
【0174】
図15は本実施の形態に係るデジタル放送受信装置のブロック図である。図15では実施の形態5に係るデジタル放送受信装置と同様の機能を有する要素については同一符号を付している。このうち符号27は、第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器25の検出結果、または、リードソロモンデコーダ9からの復号エラー信号RS−ERRのいずれかを、ビタビデコーダ7において算出したビットエラーレイトに応じて可変位相検出器22に伝達するスイッチである。なお、その他の構成は実施の形態5に係るデジタル放送受信装置と同様のため、説明を省略する。
【0175】
次に動作について説明する。受信データのC/Nは一般的にはデジタルデモジュレータ5内部の復調過程で算出する事ができるが、算出するための追加回路が必要になる。受信データのC/Nが悪い時には、デジタルデモジュレータから入力される復調データ(I,Qデータ)のビットエラーレイトは大きくなり(最大0.5)、C/Nが良い時には、ビットエラーレイトも小さくなる(最小値は誤りなしの“0”となる)ので、この情報を受信C/Nの代用として使用する。
【0176】
ビタビデコーダ7では、誤り訂正後のデータ(非畳込みデータと畳込みデータの両方)とビタビデコーダ7に入力されたデータとを比較する事で、入力データのビットエラーレイトに相当する数値が算出できる。またこのビットエラーレイトの情報は、ビタビデコーダ7の復号動作を検証する時にも使用するので、通常はビタビデコーダ7の機能として備わっている。よって、このビットエラーレイトの情報を使用して、その値が所定値を超えるかどうかで第2のスイッチ27の動作を切換えるようにコントロールすると、受信C/Nを用いてスイッチ26をコントロールする場合と同じ動作が実現できる。
【0177】
すなわち、ビタビデコーダ7で算出されたビットエラーレイト情報BERを受けて、その算出結果に応じて第2のスイッチ27が、可変位相検出器22が、変調方式信号MR、可変周期TSヘッダ検出器21の検出結果、および、復号エラー信号RS−ERRの組み合わせ、あるいは、変調方式信号MR、可変周期TSヘッダ検出器21の検出結果、および、第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器25の検出結果の組み合わせのいずれに基づいて、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出するかを選択するのである。
【0178】
このように、検出位相角を特定するのに、ビタビデコーダ7で算出されたビットエラーレイト情報BERによって、非畳込み復号データのTSヘッダ検出結果を使用するか、復号エラー信号RS−ERRを使用するかを切り換えられるようにしたので、受信C/Nを反映したビットエラーレイトの値に合った最適な方法で検出位相角を特定できる。これにより、低C/Nから高C/Nまでの受信状況に応じて、すばやい位相補正または確実な位相補正ができるようになる。
【0179】
すなわち、高ビットエラーレイトの場合は、第2のスイッチ27が復号エラー信号RS−ERRを含む組み合わせを選択して、確実な位相補正を行えるようにし、一方、低ビットエラーレイトの場合は、第2のスイッチ27が第2の可変周期非畳込みTSヘッダ検出器25の検出結果を含む組み合わせを選択して、すばやい位相補正を行えるようにすることができる。また、ビタビデコーダ7はビットエラーレイトを算出するのが一般的であるため、実施の形態6の場合に比べ、デジタルデモジュレータ5内にC/Nを算出するための追加回路が不要であるという利点がある。
【0180】
<実施の形態8>
本実施の形態は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置の変形例であり、ビタビデコーダ7において復号された畳込み復号データを、連続して順次、記憶する連続TSヘッダメモリと、連続TSヘッダメモリに記憶されたバイトのうちTSヘッダのバイトが現れる周期の情報と複数種類の畳込み周期の情報とに基づいて、複数種類の畳込み周期のいずれといずれとの間に挟まれたTSヘッダを可変周期TSヘッダ検出器が検出すべきか選択するTSヘッダ選択部とをさらに備えるデジタル放送受信装置である。これにより、16QAM・符号化率7/8のように畳込みの周期が複数種類存在する(16QAM・符号化率7/8では畳込み周期が3バイト、2バイト、2バイトの間隔となっている)変調方式の場合であっても、ビタビデコーダによる復号データが正常なバイトデータとなる位相のTSヘッダを検出でき、正しい位相補正が行える。
【0181】
本実施の形態では、畳込みデータ内のTSヘッダの配置が何種類か考えられる場合でも、正確にTSヘッダ検出をおこない、その検出結果と復号エラー信号RS−ERRとから検出位相角を特定し、位相補正をおこなう。
【0182】
図16は本実施の形態に係るデジタル放送受信装置のブロック図である。図16では実施の形態1に係るデジタル放送受信装置と同様の機能を有する要素については同一符号を付している。このうち符号28は、ビタビデコーダ7において復号された畳込み復号データを、連続して順次、記憶する連続TSヘッダメモリであり、符号29は、連続TSヘッダメモリ28に記憶されたバイトのうちTSヘッダのバイトが現れる周期の情報と複数種類の畳込み周期の情報とに基づいて、バイトデータ中のどの配置のTSヘッダを可変周期TSヘッダ検出器21が検出すべきか選択するTSヘッダ選択部である。なお、その他の構成は実施の形態1に係るデジタル放送受信装置と同様のため、説明を省略する。
【0183】
次に動作について説明する。DSNGの伝送モードの中で16QAM・符号化率7/8を除く全ての伝送モードでは、畳込まれるTSヘッダは図27のP/P変換表により“A”のみに配置され、この“A”に配置されたTSヘッダを検出することで、逆P/P変換するための位相も決定できた。
【0184】
しかし、16QAM・符号化率7/8の場合は、図27のP/P変換表に示されている通り、TSヘッダが畳込まれるのは表中の“A”、“F”、“H”の3種類のパターンがある。このため、TSヘッダが検出できても、3種のうちどのパターンのTSヘッダなのかを判別しなければ、逆P/P変換するための位相を特定することができない。よって、元のバイトデータ列を再現できなくなる。すなわち実施の形態1では、1/3の確率でしか“A”パターンが検出できないので、1/3の確率でしか正常な誤り訂正ができない事になる。
【0185】
いま“A”に最初のTSヘッダが畳込まれたとすると、次の“F”に畳込まれるのは4TSパケットの先頭TSヘッダ、すなわち3×204バイト+1=613バイト目、また、“H”に畳込まれるのは6TSパケットの先頭TSヘッダ、すなわち5×204バイト+1=1021バイト目のTSヘッダとなる。
【0186】
畳込みデータだけに配置されるデータ数を考えると、“A”に畳込まれるTSヘッダを1バイト目とすれば、“F”に畳込まれるTSヘッダは263バイト目、“H”に畳込まれるTSヘッダは438バイト目となり、“A”に配置されるTSヘッダを基準に、それぞれのTSヘッダの間隔はF−A=262バイト、H−F=175バイト、次のA−H=175バイト、次のF−次のA=262、…となる。
【0187】
連続TSヘッダメモリ28は、畳込まれたTSへッダおよびその間のバイトデータをいくつか連続で記憶するためのものである。上記例では畳込みTSヘッダは“A”、“F”、“H”の周期(262+175+175=612バイト周期)を繰り返し、それぞれの間隔が異なるので、最低3TSヘッダ分(612バイト分)を繰り返しメモリする。
【0188】
そして、TSヘッダ選択部29は、連続TSヘッダメモリ28に繰り返し記憶されたバイトデータから、TSヘッダの間隔の違いを認識することで“A”を選択する。すなわち、TSヘッダ選択部29は、連続TSヘッダメモリ28から得られる、TSヘッダのバイトが現れる周期の情報(262バイト、175バイト、175バイトの周期でTSヘッダが現れること)と複数種類の畳込み周期の情報(16QAM・符号化率7/8では畳込み周期が3バイト、2バイト、2バイトの間隔となっていること)とに基づいて、複数種類の畳込み周期のいずれといずれとの間に挟まれたTSヘッダ(“A”、“F”、“H”のいずれのTSヘッダ)を可変周期TSヘッダ検出器21が検出すべきか選択する。
【0189】
選択されたTSヘッダは、周期612バイトで繰り返されるので、可変周期TSヘッダ検出器21は、この周期(612バイト)によって任意の回数、TSヘッダを検出した時に、検出結果を後段の可変位相検出器22に出力する。可変位相検出器22ではこれにより位相が特定され、可変位相変換器20によって位相が補正される。TSヘッダ選択部29によって選択されたTSヘッダのタイミングによって、リードソロモンデコーダ9では正常に逆P/P変換が行なわれ、再生されたバイトデータ列によって誤り訂正が行なわれる。
【0190】
以上のように、畳込まれたTSヘッダおよびその間のバイトデータを連続してメモリし、各TSヘッダの間隔の違いによりビタビデコーダ7による畳込み復号データが正常なバイトデータに再生できる位相のTSヘッダを選択して検出できるようにすることで、畳込みデータ内にいくつかのパターンのTSヘッダが存在していても、指定されたパターンのTSヘッダを確実に検出できる。よって、必ず正しい位相補正が行なえ、正常な誤り訂正が可能となる。
【0191】
<実施の形態9>
本実施の形態は、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置の変形例であり、実施の形態8と同様、16QAM・符号化率7/8のように畳込みの周期が複数種類存在する変調方式の場合であっても、ビタビデコーダによる復号データが正常なバイトデータとなる位相のTSヘッダを検出でき、正しい位相補正が行えるようにしたデジタル放送受信装置である。
【0192】
本実施の形態においては、パンクチャー復号化において複数のパンクチャーパターンのいずれが各バイトに用いられたかを検出し、用いられたパンクチャーパターンの情報と、複数種類の畳込み周期の情報とに基づいて、複数種類の畳込み周期のいずれといずれとの間に挟まれたTSヘッダを選択ビット数一致可変周期TSヘッダ検出器が検出すべきか選択するパンクチャーパターン検出器をさらに備える。その結果、TSヘッダのパンクチャーパターンが検出され、その値によって、検出されているTSヘッダが複数種類の畳込み周期のいずれといずれとの間に挟まれたTSヘッダであるかを判別できる。
【0193】
実施の形態8では、畳込みデータ内のTSヘッダの配置が何種類か考えられる場合に、畳込まれたTSヘッダを連続して記憶し、各TSヘッダの間隔の違いにより、ビタビデコーダによる復号データが正常なバイトデータに再生できる位相のTSヘッダを選択し検出できるようにしていた。
【0194】
本実施の形態においては、決められた周期で畳込まれたTSヘッダを検出した時、その検出したTSヘッダのパンクチャー周期も同時に検出し、そのパンクチャー周期から正規なTSヘッダ位置を検出する。
【0195】
図17は本実施の形態に係るデジタル放送受信装置のブロック図である。図17では実施の形態2に係るデジタル放送受信装置と同様の機能を有する要素については同一符号を付している。このうち符号30は、パンクチャー復号化において複数のパンクチャーパターンのいずれが各バイトデータに用いられたかを検出し、用いられたパンクチャーパターンの情報と、複数種類の畳込み周期の情報とに基づいて、複数種類の畳込み周期のいずれといずれとの間に挟まれたTSヘッダを選択ビット数一致可変周期TSヘッダ検出器18が検出すべきか選択するパンクチャーパターン検出器である。なお、その他の構成は実施の形態2に係るデジタル放送受信装置と同様のため、説明を省略する。
【0196】
次に動作について説明する。図26の送信装置では、パンクチャー符号器3によって畳込まれたデータをある周期によって間引いている。16QAM・符号化率7/8のパンクチャー符号化は、図18に示すような3/4符号化を採用しており、畳込み符号器2とパンクチャー符号器3とで入力3ビットに対して出力4ビットとなるようにデータをあるパターンに従って間引いている。
【0197】
例えば、“A7”データはパンクチャーパターンX、Y=(○、○)(以後パンクチャーパターン1と呼ぶ)によって両方(X、Y共に)出力し、“A6”データはパンクチャーパターンX、Y=(○、−)(以後パンクチャーパターン2と呼ぶ)によってYデータを間引いてXデータのみ出力し、“A5”データはパンクチャーパターンX、Y=(−、○)(以後パンクチャーパターン3と呼ぶ)によってXデータを間引いてYデータのみ出力するようにパンクチャー符号化される。
【0198】
図27のP/P変換表によって配置された16QAM・符号化率7/8の各バイトデータは、このパンクチャー符号器3とシンボルシーケンサー12とによって図19のようにビット分割され、マッパー4によってシンボルマッピングされてデジタル変調され、送信される。図19に示されているように、“A”では最上位ビットA7の部分はパンクチャーパターン1が用いられているが、“F”では最上位ビットF7の部分はパンクチャーパターン3が用いられている。表示していないが“H”では最上位ビットH7の部分はパンクチャーパターン2が用いられる。このように、パンクチャー符号化において複数のパンクチャーパターンのいずれが用いられるかは、データ“A”、“F”、“H”のそれぞれに応じて予め決定されており、畳込みの周期の種類に対応して異なっている。
【0199】
復調側では、デジタルデモジュレータ5によって復調されたIデータ,Qデータを用いて、ビタビデコーダ7内でIデータ,Qデータから位相図にマッピングして畳込みデータを得る。そして、ビタビデコーダ7は、得られた畳込みデータを、送信側でのパンクチャー符号化時のパンクチャーパターンと同じパターンを使って元の信号に戻してから誤り訂正をおこなう。
【0200】
この時、送信側でパンクチャー符号化された時のパターンは、パンクチャーパターン1(X,Y両方使用)、2(Xのみ使用)、3(Yのみ使用)の3種類あるので、復調側でパンクチャー復号化する時にも、同じように3パターンを使用して戻す。例えば、受信した畳込みデータが(Xa7、Ya7)の時には必ずパターン1を使用して(Xa7、Ya7)とし、受信した畳込みデータが(Xa6、Ya5)の時にはパターン2,3を使用して(Xa6、−)と(−、Ya5)とする。このようにパターンとデータの組み合わせを見つけ出す事によって送信側と同じデータに戻す事ができる。
【0201】
なお、送信側で間引かれたデータは元に戻す事ができない(“−”と表示しているデータ)が、ビタビデコーダ7の誤り訂正能力によって間引かれたデータがなくとも正常にデータを誤り訂正し復号することができる。
【0202】
パンクチャー符号化が行なわれた伝送モードの時には、受信側ではまずパンクチャー復号を行なうため、ビタビデコーダ7でパンクチャーパターンと受信データの関係を探し出す。パンクチャーパターンと受信データの関係が検出できると、ビタビデコーダ7では、誤り訂正した畳込みデータを再生し、選択ビット数一致可変周期TSヘッダ検出器18でTSヘッダ検出が可能になる。
【0203】
選択ビット数一致可変周期TSヘッダ検出器18は、周期612バイトでTSヘッダの検出をおこなう。
【0204】
ここで、16QAM・符号化率7/8では、P/P変換の“A”のA7はパンクチャーパターン1によってパンクチャー符号化され、“F”のF7はパンクチャーパターン3によって、“H”のH7はパンクチャーパターン2によって符号化されているので、パンクチャーパターンとバイトデータの組み合わせが確立されてTSヘッダが検出された時には、例えば検出されたTSヘッダが“A”ならば、その先頭のパンクチャーパターンは必ず1、“F”ならば同様にパンクチャーパターン3、“H”ならばパンクチャーパターン2となる。
【0205】
よって、パンクチャーパターン検出器30は、選択ビット数一致可変周期TSヘッダ検出器18で検出されたTSヘッダの先頭のパンクチャーパターンを検出する。パンクチャーパターン検出器30には、複数種類の畳込み周期の情報(“A”、“F”、“H”の情報)が与えられており、各パンクチャーパターンと“A”、“F”、“H”との対応関係が記憶されている。そして、検出されたパンクチャーパターンの情報を選択ビット数一致可変周期TSヘッダ検出器18にフィードバックし、“A”、“F”、“H”のいずれのTSヘッダを選択ビット数一致可変周期TSヘッダ検出器18が検出すべきか指示する。これにより、選択ビット数一致可変周期TSヘッダ検出器18は、“A”、“F”、“H”のいずれのTSヘッダを検出すべきか判断できる。
【0206】
例えば、検出されたパンクチャーパターンが2ならば、現在検出しているTSヘッダは“H”に畳込まれたものであることがわかる。そうすれば、選択ビット数一致可変周期TSヘッダ検出器18で検出されているTSヘッダの次にくる畳込まれたTSヘッダは“A”であると判明するので、選択ビット数一致可変周期TSヘッダ検出器18は次のTSヘッダを検出するようにその検出周期を設定すればよい。
【0207】
これにより、例えば“A”に畳込まれたTSヘッダを正確に検出することが可能となる。“A”に畳込まれたTSヘッダを検出する事で、リードソロモンデコーダ9は復号されたデータ(畳込みデータと非畳込みデータ)を逆P/P変換しバイトデータ列を再現して、誤り訂正をし、正常にデータを復号できる。
【0208】
以上のように、検出されたTSヘッダのパンクチャーパターンを検出し、その値によって検出されているTSヘッダがどのパターンを持った畳込まれたTSデータかを判別できるようにしたので、16QAM・符号化率7/8のように畳込みの周期が複数種類存在する変調方式の場合であっても、ビタビデコーダによる復号データが正常なバイトデータとなる位相のTSヘッダを検出でき、正しい位相補正が行える。
【0209】
また、実施の形態8のようにメモリ等の記憶素子を使用することがないので、少ない追加回路で正確に必要TSヘッダパターンが検出でき、正しい位相補正がすばやくできるという利点がある。
【0210】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、第1の同期信号検出器が内符号化の周期に対応させて同期信号の検出周期を変化させ、位相検出器が絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出し、位相変換器が複数種のデジタル放送送信信号ごとに異なる位相角でベースバンド信号の位相を変換する。よって、DSNG規格のように、デジタル放送送信信号に複数種のデジタル放送送信信号(QPSKや8PSK、16QAMなど)が含まれている場合であっても、各変調方式および符号化率に対応して位相補正を正しく行えるデジタル放送受信装置を実現できる。
【0211】
請求項2に記載の発明によれば、第1の同期信号検出器は、同期信号を検出するに際して特定のビット配列全てを検出できなかったとしても、その一部たる所定の配列が検出できた場合に同期信号を検出したとみなす。よって、低C/N環境下のデジタル放送送信信号であっても、位相補正が行える。
【0212】
請求項3に記載の発明によれば、位相変換器は、デジタルデモジュレータで復調されたベースバンド信号から、位相シフトキーイング変調前の送信信号を復元し、復元した送信信号のデジタル情報を変化させることで、ベースバンド信号の位相を変換する。ベースバンド信号は一般的に多ビット(例えば8ビットなど)で構成されるので、ベースバンド信号の位相を変換する際には多ビットの数値を変換するための回路が必要となるが、位相シフトキーイング変調前の送信信号のデジタル情報を変化させる場合には、二値変化させるためのインバータを採用すればよく、回路規模を小さくすることができる。
【0213】
請求項4に記載の発明によれば、位相検出器は、デジタルデモジュレータで認識された変調方式、第1の同期信号検出器の検出結果、および、外符号復号器からの復号エラー信号に代わって、デジタルデモジュレータで認識された変調方式、第1の同期信号検出器の検出結果、および、第2の同期信号検出器の検出結果に基づいて、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出する。外符号復号器から復号エラー信号が出力されるにはある程度の時間を要するため、非内符号化復号データから同期信号を検出して、この検出結果に基づいて、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出する方が早い。よって、デジタル放送送信信号に内符号化されるバイトと内符号化されないバイトとが混在する場合に、位相補正がすばやくできるようになる。
【0214】
請求項5に記載の発明によれば、第2の同期信号検出器は、同期信号の検出だけでなく、ベースバンド信号に特定の位相角のずれが存在する場合に他の所定の1バイトデータに変形した同期信号たる変形同期信号の検出も行い、位相検出器は、変形同期信号の検出結果にも基づいて、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出する。よって、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれをより早く特定できるようになり、位相補正がさらにすばやくできる。
【0215】
請求項6に記載の発明によれば、位相検出器が、デジタルデモジュレータで認識された変調方式、第1の同期信号検出器の検出結果、および、外符号復号器からの復号エラー信号の組み合わせ、あるいは、デジタルデモジュレータで認識された変調方式、第1の同期信号検出器の検出結果、および、第2の同期信号検出器の検出結果の組み合わせのいずれに基づいて、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出するかについて、デジタルデモジュレータにおけるC/Nの算出結果に応じて選択する第1のスイッチをさらに備える。よって、受信したデジタル放送送信信号のC/Nに合った最適な方法で、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれの検出が行える。すなわち、低C/Nの場合は、第1のスイッチが外符号復号器からの復号エラー信号を含む組み合わせを選択して、確実な位相補正を行えるようにし、一方、高C/Nの場合は、第1のスイッチが第2の同期信号検出器の検出結果を含む組み合わせを選択して、すばやい位相補正を行えるようにすることができる。
【0216】
請求項7に記載の発明によれば、位相検出器が、デジタルデモジュレータで認識された変調方式、第1の同期信号検出器の検出結果、および、外符号復号器からの復号エラー信号の組み合わせ、あるいは、デジタルデモジュレータで認識された変調方式、第1の同期信号検出器の検出結果、および、第2の同期信号検出器の検出結果の組み合わせのいずれに基づいて、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれを検出するかについて、内符号復号器におけるビットエラーレイトの算出結果に応じて選択する第2のスイッチをさらに備える。よって、受信したデジタル放送送信信号のC/Nを反映したビットエラーレイトの値に合った最適な方法で、絶対位相からのベースバンド信号の位相角のずれの検出が行える。すなわち、高ビットエラーレイトの場合は、第2のスイッチが外符号復号器からの復号エラー信号を含む組み合わせを選択して、確実な位相補正を行えるようにし、一方、低ビットエラーレイトの場合は、第2のスイッチが第2の同期信号検出器の検出結果を含む組み合わせを選択して、すばやい位相補正を行えるようにすることができる。また、内符号復号器はビットエラーレイトを算出するのが一般的であるため、請求項6の場合に比べ、デジタルデモジュレータ内にC/Nを算出するための追加回路が不要であるという利点がある。
【0217】
請求項8に記載の発明によれば、内符号復号器において復号された少なくとも一部のバイトを、連続して順次、記憶するメモリと、メモリに記憶されたバイトのうち同期信号のバイトが現れる周期の情報と、複数種類の内符号化の周期の情報とに基づいて、複数種類の内符号化の周期のいずれといずれとの間に挟まれた同期信号を第1の同期信号検出器が検出すべきか選択する選択部とをさらに備える。よって、内符号化の周期が複数種類存在する変調方式の場合であっても、内符号復号器による復号データが正常なバイトデータとなる位相の同期信号を検出でき、正しい位相補正が行える。
【0218】
請求項9に記載の発明によれば、パンクチャー復号化において複数のパンクチャーパターンのいずれが各バイトに用いられたかを検出し、用いられたパンクチャーパターンの情報と、複数種類の内符号化の周期の情報とに基づいて、複数種類の内符号化の周期のいずれといずれとの間に挟まれた同期信号を第1の同期信号検出器が検出すべきか選択するパンクチャーパターン検出器をさらに備える。その結果、同期信号のパンクチャーパターンが検出され、その値によって検出されている同期信号が複数種類の内符号化の周期のいずれといずれとの間に挟まれた同期信号であるかを判別できる。よって、内符号化の周期が複数種類存在する変調方式の場合であっても、内符号復号器による復号データが正常なバイトデータとなる位相の同期信号を検出でき、正しい位相補正が行える。なお、請求項8の場合に比べ、メモリを使用しないので少ない追加回路で正確に必要な同期信号が検出できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るデジタル放送受信装置を示す図である。
【図2】実施の形態1に係るデジタル放送受信装置の可変位相変換器20における位相変換の計算方法の一例を示す図である。
【図3】実施の形態1に係るデジタル放送受信装置の可変位相変換器20における位相変換後Qcデータを求める−45°変換器の一例を示す図である。
【図4】実施の形態1に係るデジタル放送受信装置のうち可変位相変換器20を構成するQcデータ生成可変位相変換器を示す図である。
【図5】実施の形態1に係るデジタル放送受信装置のうち可変位相変換器20の他の構成例を示す図である。
【図6】実施の形態2に係るデジタル放送受信装置を示す図である。
【図7】実施の形態3に係るデジタル放送受信装置を示す図である。
【図8】実施の形態3に係るデジタル放送受信装置のうち第2の可変位相変換器23の構成例を示す図である。
【図9】実施の形態4に係るデジタル放送受信装置を示す図である。
【図10】実施の形態5に係るデジタル放送受信装置を示す図である。
【図11】8PSK・符号化率5/6,8/9の位相図を位相角+90°だけずらした場合のデータ(U2,U1,C1)を示す図である。
【図12】8PSK・符号化率5/6,8/9の位相図を位相角+180°だけずらした場合のデータ(U2,U1,C1)を示す図である。
【図13】8PSK・符号化率5/6,8/9の位相図を位相角+270°だけずらした場合のデータ(U2,U1,C1)を示す図である。
【図14】実施の形態6に係るデジタル放送受信装置を示す図である。
【図15】実施の形態7に係るデジタル放送受信装置を示す図である。
【図16】実施の形態8に係るデジタル放送受信装置を示す図である。
【図17】実施の形態9に係るデジタル放送受信装置を示す図である。
【図18】16QAM・符号化率7/8のパンクチャー符号化を示す図である。
【図19】16QAM・符号化率7/8の各バイトデータの、パンクチャー符号化におけるビット分割を示す図である。
【図20】CSデジタル放送の送信装置の構成の一部を示すブロック図である。
【図21】従来のCSデジタル放送受信装置を示すブロック図である。
【図22】QPSKの位相図である。
【図23】8PSK(符号化率2/3)の位相図である。
【図24】8PSK(符号化率5/6、8/9)の位相図である。
【図25】16QAM(符号化率3/4、7/8)の位相図である。
【図26】DSNG規格の送信装置の構成の一部を示すブロック図である。
【図27】各変調方式の入力バイトデータと出力データとのP/P変換関係表を示す図である。
【符号の説明】
5 デジタルデモジュレータ、7 内符号復号器(ビタビデコーダ)、9 外符号復号器(リードソロモンデコーダ)、18 選択ビット数一致可変周期TSヘッダ検出器、19 遅延器、20,23 可変位相変換器、21 可変周期TSヘッダ検出器、22 可変位相検出器、24,25 可変周期非畳込みTSヘッダ検出器、26,27 スイッチ、28 連続TSヘッダメモリ、29 TSヘッダ選択部、30 パンクチャーパターン検出器。

Claims (9)

  1. 送信信号のデジタル情報を位相シフトキーイング変調したベースバンド信号として伝送するデジタル変調方式のデジタル放送送信信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
    前記デジタル放送送信信号には、変調方式および符号化率の少なくとも一方が異なる複数種のデジタル放送送信信号が含まれ、
    前記複数種のデジタル放送送信信号はいずれも、所定のバイト数のパケットを1単位として複数含み、
    各パケットは外符号が付されたトランスポートストリーム信号であり、
    前記トランスポートストリーム信号中の各パケットには、1パケットを区別するための所定の1バイトデータたる同期信号が含まれ、
    前記複数種のデジタル放送送信信号のいずれにおいても、前記トランスポートストリーム信号のうち少なくとも一部のバイトが所定の周期で1つずつ内符号化され、
    前記デジタル放送送信信号の複数種の間では、内符号化されるバイトの前記所定の周期がそれぞれ異なり、
    前記変調方式を認識しつつ前記複数種のデジタル放送送信信号を受信可能で、前記デジタル放送送信信号を前記ベースバンド信号に復調するデジタルデモジュレータと、
    復調された前記ベースバンド信号に基づいて、前記トランスポートストリーム信号のうち、内符号化された前記少なくとも一部のバイトを内符号化復号データとして復号し、内符号化されていないデータは非内符号化復号データとして出力する内符号復号器と、
    前記内符号化復号データおよび非内符号化復号データを、前記外符号に基づいて外符号化して復号し、復号データに誤りが所定値以上存在するときは復号エラー信号を出力する外符号復号器と、
    前記内符号復号器において復号された前記少なくとも一部のバイトから前記同期信号を検出し、検出の際には、前記デジタルデモジュレータの認識した前記変調方式に基づき、内符号化の前記所定の周期に対応させて前記同期信号の検出周期を変化させる第1の同期信号検出器と、
    前記デジタルデモジュレータで認識された前記変調方式、前記第1の同期信号検出器の検出結果、および、前記外符号復号器からの復号エラー信号に基づき、送信側における絶対位相からの前記ベースバンド信号の位相角のずれを検出する位相検出器と、
    前記位相検出器の検出結果に基づいて、前記複数種のデジタル放送送信信号ごとに異なる位相角で前記ベースバンド信号の位相を変換する位相変換器と
    を備えるデジタル放送受信装置。
  2. 請求項1に記載のデジタル放送受信装置であって、
    前記同期信号は、特定のビット配列を有するデータであり、
    前記第1の同期信号検出器は、前記同期信号を検出するに際して前記特定のビット配列全てを検出できなかったとしても、その一部たる所定の配列が検出できた場合に前記同期信号を検出したとみなす
    デジタル放送受信装置。
  3. 請求項1に記載のデジタル放送受信装置であって、
    前記位相変換器は、前記デジタルデモジュレータで復調された前記ベースバンド信号から、位相シフトキーイング変調前の前記送信信号を復元し、
    復元した前記送信信号のデジタル情報を変化させることで、前記ベースバンド信号の位相を変換する
    デジタル放送受信装置。
  4. 請求項1に記載のデジタル放送受信装置であって、
    前記内符号復号器から出力される前記非内符号化復号データから前記同期信号を検出し、検出の際には、前記デジタルデモジュレータの認識した前記変調方式に基づき、内符号化の前記所定の周期に対応させて前記同期信号の検出周期を変化させる第2の同期信号検出器
    をさらに備え、
    前記位相検出器は、前記デジタルデモジュレータで認識された前記変調方式、前記第1の同期信号検出器の検出結果、および、前記外符号復号器からの復号エラー信号に代わって、前記デジタルデモジュレータで認識された前記変調方式、前記第1の同期信号検出器の検出結果、および、前記第2の同期信号検出器の検出結果に基づいて、前記絶対位相からの前記ベースバンド信号の位相角のずれを検出する
    デジタル放送受信装置。
  5. 請求項4に記載のデジタル放送受信装置であって、
    前記非内符号化復号データから検出される前記同期信号は、前記ベースバンド信号に特定の位相角のずれが存在する場合に、前記複数種のデジタル放送送信信号のそれぞれに応じた所定の変換法則に基づいて、他の所定の1バイトデータに変形されて変形同期信号となり、
    前記第2の同期信号検出器は、前記同期信号の検出だけでなく、前記変形同期信号の検出も行い、
    前記位相検出器は、前記変形同期信号の検出結果にも基づいて、前記絶対位相からの前記ベースバンド信号の位相角のずれを検出する
    デジタル放送受信装置。
  6. 請求項4に記載のデジタル放送受信装置であって、
    前記デジタルデモジュレータは、受信したデジタル放送送信信号のC/Nを算出し、
    前記位相検出器は、前記デジタルデモジュレータで認識された前記変調方式、前記第1の同期信号検出器の検出結果、および、前記外符号復号器からの復号エラー信号の組み合わせ、あるいは、前記デジタルデモジュレータで認識された前記変調方式、前記第1の同期信号検出器の検出結果、および、前記第2の同期信号検出器の検出結果の組み合わせのいずれかに基づいて、前記絶対位相からの前記ベースバンド信号の位相角のずれを検出し、
    前記2つの組み合わせのいずれかを、前記C/Nの算出結果に応じて選択する第1のスイッチ
    をさらに備えるデジタル放送受信装置。
  7. 請求項4に記載のデジタル放送受信装置であって、
    前記内符号復号器は、入力されたデータと、出力する前記内符号化復号データおよび非内符号化復号データとを比較して、両者の差異からビットエラーレイトを算出し、
    前記位相検出器は、前記デジタルデモジュレータで認識された前記変調方式、前記第1の同期信号検出器の検出結果、および、前記外符号復号器からの復号エラー信号の組み合わせ、あるいは、前記デジタルデモジュレータで認識された前記変調方式、前記第1の同期信号検出器の検出結果、および、前記第2の同期信号検出器の検出結果の組み合わせのいずれかに基づいて、前記絶対位相からの前記ベースバンド信号の位相角のずれを検出し、
    前記2つの組み合わせのいずれかを、前記ビットエラーレイトの算出結果に応じて選択する第2のスイッチ
    をさらに備えるデジタル放送受信装置。
  8. 請求項1に記載のデジタル放送受信装置であって、
    前記複数種のデジタル放送送信信号には、バイトの内符号化の周期が複数種類存在する変調方式のデジタル放送送信信号が含まれており、
    前記内符号復号器において復号された前記少なくとも一部のバイトを、連続して順次、記憶するメモリと、
    前記メモリに記憶されたバイトのうち前記同期信号のバイトが現れる周期の情報と、前記複数種類の前記内符号化の周期の情報とに基づいて、前記複数種類の前記内符号化の周期のいずれといずれとの間に挟まれた同期信号を前記第1の同期信号検出器が検出すべきか選択する選択部と
    をさらに備えるデジタル放送受信装置。
  9. 請求項1に記載のデジタル放送受信装置であって、
    前記複数種のデジタル放送送信信号には、バイトの内符号化の周期が複数種類存在する変調方式のデジタル放送送信信号が含まれており、
    前記内符号化が行われたバイトにはさらに、複数のパンクチャーパターンのいずれかを用いてパンクチャー符号化が行われ、
    前記パンクチャー符号化において前記複数のパンクチャーパターンのいずれが用いられるかは、前記内符号化の周期の種類に対応して予め決定されており、
    前記内符号復号器は、前記パンクチャー符号化されたバイトを前記複数のパンクチャーパターンのいずれかを用いてパンクチャー復号化した上で、内符号復号を行い、
    前記パンクチャー復号化において前記複数のパンクチャーパターンのいずれが各バイトに用いられたかを検出し、用いられたパンクチャーパターンの情報と、前記複数種類の前記内符号化の周期の情報とに基づいて、前記複数種類の前記内符号化の周期のいずれといずれとの間に挟まれた同期信号を前記第1の同期信号検出器が検出すべきか選択するパンクチャーパターン検出器
    をさらに備えるデジタル放送受信装置。
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