JP3557046B2 - ステータ鉄心用部材およびそれを用いたステータ鉄心の製造方法、ステータ鉄心用部材およびそれを用いたステータ鉄心 - Google Patents

ステータ鉄心用部材およびそれを用いたステータ鉄心の製造方法、ステータ鉄心用部材およびそれを用いたステータ鉄心 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はステータ鉄心用部材およびそれを用いたステータ鉄心の製造方法、ステータ鉄心用部材およびそれを用いたステータ鉄心に関するものであり、さらに詳しくは鋼帯から連続的に効率よく打ち抜いてステータ鉄心用部材を製造し、そのステータ鉄心用部材を必要な枚数積層してステータ鉄心を製造するステータ鉄心の製造方法、およびこの方法で製造されたステータ鉄心用部材およびステータ鉄心に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の密閉型圧縮機の断面を図8に示した。
50は底部にオイルの貯溜されたオイル溜51を有する密閉容器で、この容器内には上側に電動要素52が、下側に回転圧縮要素53が夫々収納されている。電動要素52は回転軸54に装着されたロータ鉄心55と、外周にオイル戻し孔56を形成したステータ鉄心57などで構成されている。58はロータ鉄心55の外周とステータ鉄心57の内周とで形成されたエアギャップである。59はステータ鉄心57に内蔵された巻線のコイルエンドである。回転圧縮要素53はシリンダ60と、回転軸54の偏心部61によりシリンダ60内を回転するローラ62と、このローラに接してシリンダ60内を分けるベーン63と、シリンダの開口を封じる上軸受部64と下軸受部65と、この上軸受部に取付けられた吐出弁66と、この吐出弁を覆うカップマフラー67とで構成されている。68はカップマフラー67に設けられた吐出孔である。69はエンドキャップ70を接合して上部を密閉した密閉容器50の上部中央に貫通して設けられた冷媒吐出管である。71はアキュムレータである。矢印は冷媒の流れを示す。
【0003】
この構造の密閉型圧縮機では回転圧縮要素53で圧縮された冷媒が電動要素52のエアギャップ58を通りこの電動要素の上部に送り出される。そして、電動要素52の上部に送り出された冷媒はロータ鉄心55の回転による遠心力で、内部に含まれているオイルが分離される。この分離されたオイルはステータ鉄心57側に振り飛ばされる。そして、この冷媒ガスは冷媒吐出管69から密閉容器50外に吐出される。分離されたオイルはステータ鉄心57の外周に形成されたオイル戻し孔56から密閉容器50のオイル溜51に戻される。
【0004】
図9は、従来のロータ鉄心およびステータ鉄心を製造するための打ち抜き機を説明する説明図である。
図9において、79はロータ鉄心およびステータ鉄心を製造するための打ち抜き機を示し、この打ち抜き機79は、上部にロータ鉄心用部材を作るための複数の打ち抜き用雄型[第1列の80(1)〜84(1)および第2列の80(2)〜84(2)]およびステータ鉄心用部材を作るための複数の打ち抜き用雄型[第1列の86(1)〜88(1)および第2列の86(2)〜88(2)]を備えており、下部に上記雄型のそれぞれ対応する複数の打ち抜き用雌型を備えている。前記雄型と前記雌型の間に連続的に鋼帯Sを供給して、前記雄型を上下動させてこの鋼帯Sの巾方向に2列に千鳥状に、かつ長手方向に順次必要箇所を打ち抜いて複数の加締部を有するロータ鉄心用部材を製造する。85(1)および85(2)はこのロータ鉄心用部材を必要な枚数加圧・積層してロータ鉄心を作るための雌型、89(1)および89(2)はロータ鉄心の取り出し口を示す。
次いでロータ鉄心用部材を打ち抜いた上記鋼帯Sの外周部をさらに順次必要箇所打ち抜いて複数の加締部を有するステータ鉄心用部材を作り、このステータ鉄心用部材を必要な枚数積層してステータ鉄心を作る。91(1)および91(2)はこのステータ鉄心用部材を必要な枚数加圧・積層してステータ鉄心を作るための雌型、90(1)および90(2)はステータ鉄心の取り出し口、アは打ち抜きを行わない遊び箇所を示す。
【0005】
図10は、打ち抜き機79を用いて鋼帯Sを打ち抜いた状態を示す平面図である。図中の符号80(1)〜84(1)および80(2)〜84(2)は対応する前記雄型で必要な箇所を打ち抜かれたロータ鉄心用部材を示し、86(1)〜88(1)および86(2)〜88(2)は対応する前記雄型で必要な箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材を示す。図中図9と同じ符号は同じものを示す。K1、K2はロータ鉄心用部材に設けた加締部を示し、K3、K4はステータ鉄心用部材に設けた加締部を示す。図中で対応する符号のない箇所は打ち抜き跡を示す。92、92、93、93は鋼帯Sを所定間隔で供給するためのガイド孔である。
【0006】
図11の(a)〜(d)は、打ち抜き機79の雄型80(1)〜83(1)および80(2)〜83(2)で必要な箇所を打ち抜かれたロータ鉄心用部材の詳細を説明する説明図である。図11の(a)の92、92は鋼帯Sを所定間隔で供給するためのガイド孔である。図11の(c)のK1、K2はロータ鉄心用部材に設けた加締部を示す。
【0007】
図12の(a)は、第2列は打ち抜きを行わない遊び箇所、第1列は雄型84(1)で外周を打ち抜かれたロータ鉄心用部材、そのロータ鉄心用部材を加圧・積層する雌型85(1)およびロータ鉄心の取り出し口89(1)を示す説明図である。(b)は、第1列はロータ鉄心用部材を打ち抜いた跡、第2列は雄型84(2)で外周を打ち抜かれたロータ鉄心用部材、そのロータ鉄心用部材を必要な枚数加圧・積層する雌型85(2)およびロータ鉄心の取り出し口89(2)を示す説明図であり、(c)は打ち抜き跡を示す説明図であり、(d)は、第1列および第2列の雄型86(1)と86(2)でそれぞれ4個の加締部K3、K4を包含する必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材の詳細を示す説明図である。(c)の93、93は鋼帯Sを所定間隔で供給するために再度打ち抜かれたガイド孔である。
【0008】
図13の(a)は第1列および第2列の雄型87(1)および87(2)でそれぞれ必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材の詳細を示す説明図である。
(b)は、第2列は打ち抜きを行わない遊び箇所、第1列は雄型88(1)で外周を打ち抜かれたステータ鉄心用部材、そのステータ鉄心用部材を加圧・積層する雌型91(1)およびステータ鉄心の取り出し口90(1)を示す説明図である。
(c)は、第1列は打ち抜き跡、第2列は雄型88(2)で外周を打ち抜かれたステータ鉄心用部材、そのステータ鉄心用部材を必要な枚数加圧・積層する雌型91(2)およびステータ鉄心の取り出し口90(2)を示す説明図である。
【0009】
図14は、第1列の雄型87(1)および88(1)でそれぞれ必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材と、第2列の雄型86(2)および87(2)でそれぞれ必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材との関係を示す説明図である。
【0010】図15の(a)は加締部の1例を示す説明図であり、(b)は加締部の他の例を示す説明図である。
【0011】図16の(a)は上記の方法で製造されたロータ鉄心用部材の1例を示す説明図であり、(b)はこのロータ鉄心用部材を必要な枚数加圧・積層したロータ鉄心を示す説明図である。
【0012】
図17の(a)は上記の方法で製造されたステータ鉄心用部材の1例を示す説明図であり、(b)はこのステータ鉄心用部材を必要な枚数加圧・積層したステータ鉄心を示す説明図である。図中のKは加締部を示す。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図14に示したように、第1列および第2列の各ステータ鉄心用部材(半径r)86(2)と87(1)の外周同志、87(2)と87(1)の外周同志、87(2)と88(1)の外周同志は半径rの円弧が切り代を残して互いに接しているので、これらを製造するには巾の広い鋼帯を使用する必要があり、そのため鋼帯のロスが大きくなる問題があった。
また、図14に示したように、4個の加締部(例えばステータ鉄心用部材87(1)の4個の加締部K3)が設けられている箇所に対応するステータ鉄心用部材の外周は、半径rの円弧の状態に打ち抜かれているため、このステータ鉄心用部材を必要な枚数加圧・積層して製造したステータ鉄心を電動要素として実際に使用すると、加締部の打ち抜きに起因する内部応力や歪みのために、加締部が設けられた箇所に対応するステータ鉄心用部材の外周がふくらんだり、それにともなってステータ鉄心自体が変形する問題があった。
【0014】
図18の(a)〜(c)は、加締部が設けられた箇所に対応するステータ鉄心用部材の外周のふくらみを説明する説明図である。(a)は、ステータ鉄心用部材の外周の一部を示す説明図であり、(b)は、このステータ鉄心用部材の外周の近傍の所定の箇所に設けられた加締部を示す説明図であり、(c)は、このステータ鉄心用部材を用いて製造されたステータ鉄心を電動要素として実際に使用すると、加締部の打ち抜きに起因する内部応力や歪みのために、加締部が設けられた箇所に対応するステータ鉄心用部材の外周に変形部が生じることを示す説明図である。
【0015】
本発明の目的は、巾の狭い鋼帯を使用でき、そのため鋼帯のロスを小さくできるとともに、加締部の打ち抜きに起因する内部応力や歪みのために、加締部が設けられた箇所に対応するステータ鉄心用部材の外周がふくらんだり、それにともなってステータ鉄心自体が変形するなどの問題のないステータ鉄心用部材およびそれを用いたステータ鉄心の製造方法を提供することであり、また、このようにして製造されたステータ鉄心用部材およびそれを用いたステータ鉄心を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者等はかかる問題について鋭意研究した結果、加締部をステータ鉄心用部材の特定の位置に配置し、そして予めこの加締部を打ち抜いた後に外周を打ち抜くとともに、加締部を設けた箇所に対応するステータ鉄心用部材の外周にカット部を設けることにより前記問題を解決できることを見いだし本発明を成すに到った。
【0017】
本発明の請求項1の発明は、上部に複数の打ち抜き用雄型を下部に複数の打ち抜き用雌型を備え、前記雄型を上下動させてロータ鉄心およびステータ鉄心を製造する打ち抜き機の前記雄型と前記雌型の間に連続的に鋼帯を供給して、この鋼帯の巾方向に2列に千鳥状に、かつ長手方向に順次必要箇所を打ち抜いて作った複数の加締部を有するロータ鉄心用部材を必要な枚数積層してロータ鉄心を作り、次いでロータ鉄心用部材を打ち抜いた外周部をさらに順次必要箇所打ち抜いて複数の加締部を有するステータ鉄心用部材を作る際に、先ず複数の加締部を包含する必要箇所を打ち抜いた後に外周を打ち抜いてステータ鉄心用部材を作り、このステータ鉄心用部材を必要な枚数積層してステータ鉄心を作るようにした前記加締部に対応する外周に実質的障害になるような変形がないステータ鉄心用部材およびそれを用いた前記加締部に対応する外周に実質的障害になるような変形がないステータ鉄心の製造方法であって、前記2列の内の第1列の必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材の中心同志を結ぶ線および前記2列の内の第2列の必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材の中心同志を結ぶ線は前記鋼帯の長手方向に対して平行にし、第1列および第2列の前記ステータ鉄心用部材の外周は互いに切り代を残して接するとともにその外周が前記鋼帯の巾方向の端部に切り代を残して接し、かつ、第1列の前記ステータ鉄心用部材の中心と、このステータ鉄心用部材に切り代を残して接する第2列の前記ステータ鉄心用部材の中心を結ぶ中心線がこれらのステータ鉄心用部材の外周に交わる箇所に前記中心線に対して直角にカット部を設け、このカット部に対応する前記ステータ鉄心用部材の外縁に前記中心線に対して直角に前記加締部を設けたことを特徴とするステータ鉄心用部材およびそれを用いたステータ鉄心の製造方法である。
【0018】
本発明の請求項2の発明は、請求項1記載の製造方法において、前記加締部が4個であり、そして4個の加締部を設けたステータ鉄心用部材を作る際に、4個の内の少なくとも1個の加締部は次の工程あるいはさらに後の工程で打ち抜くことを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項3の発明は、請求項1あるいは請求項2記載の製造方法において、必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材の中心から前記鋼帯の長手方向に直角に引いた線がこのステータ鉄心用部材の外周に交わる箇所およびこのステータ鉄心用部材の中心から前記鋼帯の長手方向に平行に引いた線がこのステータ鉄心用部材の外周に交わる箇所に前記線に対して直角に4個のオイル戻し用カット部を設けたことを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3記載の製造方法により製造され、前記中心線がステータ鉄心用部材の外周に交わる箇所に前記中心線に対して直角に設けられた2個以上のカット部と、このカット部に対応する前記ステータ鉄心用部材の外縁に前記カット部に平行に設けられた2個以上の直線状の加締部を備えたことを特徴とする前記加締部に対応する外周に実質的障害になるような変形がないステータ鉄心用部材である。
【0021】
本発明の請求項5の発明は、請求項4記載のステータ鉄心用部材を必要な枚数積層して作られたステータ鉄心であって、前記2個以上のカット部に平行に設けられた2個以上の直線状の加締部に対応する外周に実質的障害になるような変形がないことを特徴とするステータ鉄心である。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のロータ鉄心およびステータ鉄心を製造するための打ち抜き機を説明する説明図である。
図1において、1はロータ鉄心およびステータ鉄心を製造するための打ち抜き機を示し、この打ち抜き機1は、上部にロータ鉄心用部材を作るための複数の打ち抜き用雄型[第1列の1(1)〜4(1)および第2列の1(2)〜4(2)]およびステータ鉄心用部材を作るための複数の打ち抜き用雄型[第1列の7(1)〜9(1)および第2列の7(2)〜9(2)]を備えており、下部に上記雄型のそれぞれ対応する複数の打ち抜き用雌型を備えている。前記雄型と前記雌型の間に連続的に鋼帯Saを供給して、前記雄型を上下動させてこの鋼帯Saの巾方向に2列に千鳥状に、かつ長手方向に順次必要箇所を打ち抜いて複数の加締部を有するロータ鉄心用部材を製造する。5(1)および5(2)はこのロータ鉄心用部材を必要な枚数加圧・積層してロータ鉄心を作るための雌型、6(1)および6(2)はロータ鉄心の取り出し口を示す。次いでロータ鉄心用部材を打ち抜いた外周部をさらに順次必要箇所打ち抜いて複数の加締部を有するステータ鉄心用部材を作り、このステータ鉄心用部材を必要な枚数積層してステータ鉄心を作る。10(1)および10(2)は上記ステータ鉄心用部材を必要な枚数加圧・積層してステータ鉄心を作るための雌型、11(1)および11(2)はステータ鉄心の取り出し口、アは遊び箇所を示す。
【0023】
図2は、打ち抜き機1を用いて鋼帯Saを順次打ち抜いた状態を示す平面図である。図中の符号1(1)〜4(1)および1(2)〜4(2)は対応する前記雄型で必要な箇所を打ち抜かれたロータ鉄心用部材を示し、7(1)〜9(1)および7(2)〜9(2)は対応する前記雄型で必要な箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材を示す。kは加締部を示し、図中図1と同じ符号は同じものを示す。図中、符号のない箇所は打ち抜き跡を示す。12、12、13、13は鋼帯Saを所定間隔で供給するためのガイド孔である。
【0024】
図3の(a)〜(c)は、打ち抜き機1の雄型1(1)〜3(1)および1(2)〜3(2)で必要な箇所を打ち抜かれたロータ鉄心用部材の詳細を説明する説明図である。(a)の12、12は鋼帯Saを所定間隔で供給するためのガイド孔である。(c)工程において加締部kがそれぞれ5個設けられる。(d)は、第2列は打ち抜きをしない遊び箇所、第1列は打ち抜き機1の雄型4(1)で外周を打ち抜かれたロータ鉄心用部材、そのロータ鉄心用部材を加圧・積層する雌型5(1)およびロータ鉄心の取り出し口6(1)を示す説明図である。
【0025】
図4の(a)は、第1列は打ち抜かれた跡を示し(打ち抜きを行わない遊び箇所)、第2列は打ち抜き機1の雄型4(2)で外周を打ち抜かれたロータ鉄心用部材、そのロータ鉄心用部材を加圧・積層する雌型5(2)およびロータ鉄心の取り出し口6(2)を示す説明図である。(b)は、打ち抜かれた跡を示し(打ち抜きを行わない遊び箇所)、(c)は、第1列は雄型7(1)で、第2列は雄型7(2)で必要な箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材の詳細を説明する説明図である。第1列のステータ鉄心用部材7(1)には4箇所に加締部kを設けたが、加締部を打ち抜くための雄型を取り付ける余裕がないため第2列のステータ鉄心用部材7(2)には3箇所だけ加締部kを設けた。(d)は、第1列は雄型8(1)で、第2列は雄型8(2)で必要な箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材の詳細を説明する説明図である。第2列では残り1箇所の加締部kが設けられた。(b)の13、13は鋼帯Saを所定間隔で供給するために再度打ち抜かれたガイド孔である。
【0026】
図5の(a)は、第2列は打ち抜きを行わない遊び箇所、第1列は雄型9(1)で外周を打ち抜かれたステータ鉄心用部材、そのステータ鉄心用部材を加圧・積層する雌型10(1)およびステータ鉄心の取り出し口11(1)を示す説明図である。
(b)は、第2列は雄型9(2)で外周を打ち抜かれたステータ鉄心用部材、そのステータ鉄心用部材を必要な枚数加圧・積層する雌型10(2)およびステータ鉄心の取り出し口11(2)を示す説明図である。第1列は、打ち抜き跡を示す。
【0027】
図6は、第1列の雄型8(1)および9(1)でそれぞれ必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材と、第2列の雄型7(2)および8(2)でそれぞれ必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材の関係を示す説明図である。
図6において、第1列のステータ鉄心用部材8(1)および9(1)の中心同志を結ぶ線aおよび第2列の必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材7(2)および8(2)の中心同志を結ぶ線bは鋼帯Sa(巾約226.0mm)の長手方向に対して平行にしてある。
また、第1列および第2列の前記ステータ鉄心用部材8(1)、9(1)、7(2)および8(2)の外周は互いに切り代(約0.95mm〜1.0mm)を残して互いに接するとともにその外周が鋼帯Saの巾方向の端部に切り代(約0.95mm〜1.0mm)を残して接している。
【0028】
そして、例えば第1列の前記ステータ鉄心用部材8(1)の中心と、このステータ鉄心用部材に切り代を残して接する第2列の前記ステータ鉄心用部材7(2)および8(2)の中心を結ぶ中心線cおよびdがステータ鉄心用部材8(1)の外周に交わる箇所に前記中心線cに対して直角にカット部e、gを設け、前記中心線dに対して直角にカット部f、hを設け、このカット部e、f、g、hに対応するステータ鉄心用部材8(1)の外縁に前記中心線cおよびdに対して直角に加締部Ke、Kf、Kg、Khを設けてある。他のステータ鉄心用部材9(1)、7(2)および8(2)についてもステータ鉄心用部材8(1)と同様にして4個のカット部および4個の加締部Kを設けてある。e、f、gおよびhなどのカット部はステータ鉄心の外周にオイル戻し孔を形成する。
【0029】
また、例えばステータ鉄心用部材8(1)の中心から鋼帯Saの長手方向に直角に引いた線iがこのステータ鉄心用部材8(1)の外周に交わる箇所に線iに対して直角にオイル戻し用カット部KiおよびKjを設けてあり、このステータ鉄心用部材8(1)の中心から鋼帯Saの長手方向に平行に引いた線aがこのステータ鉄心用部材8(1)の外周に交わる箇所に線aに対して直角にオイル戻し用カット部KkおよびKlを設けてある。なおこの例では、中心線dと線iのなす角度Θは約290 18’であった。他のステータ鉄心用部材9(1)、7(2)および8(2)についてもステータ鉄心用部材8(1)と同様にして4個のオイル戻し用カット部を設けてある。Ki、Kj、KkおよびKlなどのカット部はステータ鉄心の外周にオイル戻し孔を形成する。
【0030】
図7の(a)は本発明のステータ鉄心用部材の1例を示す説明図であり、(b)は本発明のステータ鉄心用部材を必要な枚数加圧・積層した本発明のステータ鉄心の例を示す説明図である。
【0031】
本発明において、Ke、Kf、Kg、Khなどの加締部の数、寸法、形状などは特に限定されない。図15に示した従来の加締部を用いることもできる。数は2個以上であるが、あまり多いと打ち抜きに手間がかかり、ロスも大きくなり、ステータ鉄心の電磁特性に悪影響がでるので4個が好ましい。
本発明において、カット部e、f、g、hやオイル戻し用カット部Ki、Kj、Kk、Klなどの寸法、形状などは特に限定されない。カット面積が大きいとオイル戻しはよくなるが、ステータ鉄心の電磁特性に悪影響がでるので、これらを考慮して決めることが好ましい。
【0032】
上記のように特定の位置に配置したKe、Kf、Kg、Khなどの加締部を打ち抜いた後にカット部e、f、g、hを含む全外周を打ち抜くことにより巾の狭い鋼帯を使用できるようになり、そのため鋼帯のロスを小さくできる。例えば、従来、図7の(a)に示した外径121.7mmのステータ鉄心用部材を製造するためには巾227.5mmの鋼帯を使用しなければならず、この際の鋼帯のロス率は約40〜50%であったが、本発明によれば同外径のステータ鉄心用部材を製造するためには巾約226〜約224mmの鋼帯でよく、そして鋼帯のロス率を従来より約40%ダウンすることができた。
また、本発明のステータ鉄心用部材およびそれを用いたステータ鉄心は、実際に使用した際、Ke、Kf、Kg、Khなどの加締部がある箇所に対応するカット部e、f、g、hが例え多少変形することがあっても図18に示したような実質的障害になるようなステータ鉄心用部材の外周の変形はなく、またステータ鉄心自体も実質的障害になるような変形がなかった。
【0033】
【発明の効果】
巾の狭い鋼帯を使用でき、そのため鋼帯のロスを小さくできるとともに、加締部の打ち抜きに起因する内部応力や歪みのために、加締部がある箇所に対応するステータ鉄心用部材の外周がふくらんだり、それにともなってステータ鉄心自体が変形するなどの問題のないステータ鉄心用部材およびそれを用いたステータ鉄心を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロータ鉄心およびステータ鉄心を製造するための打ち抜き機を説明する説明図である。
【図2】図1の打ち抜き機を用いて鋼帯を順次打ち抜いた状態を示す平面図である。
【図3】(a)〜(c)は、必要な箇所を打ち抜かれたロータ鉄心用部材を示し、(d)は、第2列は打ち抜きをしない遊び箇所、第1列は雄型4(1)で外周を打ち抜かれたロータ鉄心用部材、そのロータ鉄心用部材を加圧・積層する雌型5(1)およびロータ鉄心の取り出し口6(1)を示す説明図である。
【図4】(a)は、第1列は打ち抜かれた跡を示し、第2列は雄型4(2)で外周を打ち抜かれたロータ鉄心用部材、そのロータ鉄心用部材を加圧・積層する雌型5(2)およびロータ鉄心の取り出し口6(2)を示す説明図であり、(b)は、打ち抜かれた跡、(c)〜(d)は、必要な箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材の詳細を説明する説明図である。
【図5】(a)は、第2列は打ち抜きを行わない遊び箇所、第1列は雄型9(1)で外周を打ち抜かれたステータ鉄心用部材、そのステータ鉄心用部材を加圧・積層する雌型10(1)およびステータ鉄心の取り出し口11(1)を示す説明図であり、(b)は、第2列は雄型9(2)で外周を打ち抜かれたステータ鉄心用部材、そのステータ鉄心用部材を必要な枚数加圧・積層する雌型10(2)およびステータ鉄心の取り出し口11(2)を示す説明図であり、第1列は打ち抜き跡を示す。
【図6】第1列の必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材8(1)および9(1)と、第2列の必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材7(2)および8(2)の関係を示す説明図である。
【図7】(a)は本発明のステータ鉄心用部材の1例を示す説明図であり、(b)は本発明のステータ鉄心用部材を必要な枚数加圧・積層した本発明のステータ鉄心の例を示す説明図である。
【図8】従来の密閉型圧縮機の断面図である。
【図9】従来のロータ鉄心およびステータ鉄心を製造するための打ち抜き機を説明する説明図である。
【図10】従来の打ち抜き機を用いて鋼帯を打ち抜いた状態を示す平面図である。
【図11】(a)〜(d)は、従来の打ち抜き機で必要な箇所を打ち抜かれたロータ鉄心用部材の詳細を説明する説明図である。
【図12】(a)は、第2列は打ち抜きを行わない遊び箇所、第1列は雄型84(1)で外周を打ち抜かれたロータ鉄心用部材、そのロータ鉄心用部材を加圧・積層する雌型85(1)およびロータ鉄心の取り出し口89(1)を示す説明図であり、(b)は、第2列は雄型84(2)で外周を打ち抜かれたロータ鉄心用部材、そのロータ鉄心用部材を必要な枚数加圧・積層する雌型85(2)およびロータ鉄心の取り出し口89(2)を示す説明図であり、(c)は打ち抜き跡を示し、(d)は、4個の加締部K3、K4を包含する必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材の詳細を示す説明図である。
【図13】(a)は必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材の詳細を示す説明図であり、(b)は、第2列は打ち抜きを行わない遊び箇所、第1列は雄型88(1)で外周を打ち抜かれたステータ鉄心用部材、そのステータ鉄心用部材を加圧・積層する雌型91(1)およびステータ鉄心の取り出し口90(1)を示す説明図であり、(c)は、第1列は打ち抜き跡を示し、第2列は雄型88(2)で外周を打ち抜かれたステータ鉄心用部材、そのステータ鉄心用部材を必要な枚数加圧・積層する雌型91(2)およびステータ鉄心の取り出し口90(2)を示す説明図である。
【図14】第1列の必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材87(1)および88(1)と、第2列の必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材86(2)および87(2)との関係を示す説明図である。
【図15】(a)は加締部の1例を示す説明図であり、(b)は加締部の他の例を示す説明図である。
【図16】(a)は従来のロータ鉄心用部材の1例を示す説明図であり、(b)は従来のロータ鉄心用部材を必要な枚数加圧・積層したロータ鉄心を示す説明図である。
【図17】(a)は従来のステータ鉄心用部材の1例を示す説明図であり、(b)は従来のステータ鉄心用部材を必要な枚数加圧・積層した従来のステータ鉄心を示す説明図である。
【図18】(a)〜(c)は、加締部が設けられた箇所に対応するステータ鉄心用部材の外周のふくらみを説明する説明図である。
【符号の説明】
1 打ち抜き機
1(1)〜4(1)、1(2)〜4(2)、7(1)〜9(1)、7(2)〜9(2) 雄型
5(1)、5(2)、10(1)、10(2) 雌型
6(1)、6(2)、11(1)、11(2) 取り出し口
e、f、g、h カット部
Ki、Kj、Kk、Kl オイル戻し用カット部
Ke、Kf、Kg、Kh 加締部
S、Sa 鋼帯

Claims (5)

  1. 上部に複数の打ち抜き用雄型を下部に複数の打ち抜き用雌型を備え、前記雄型を上下動させてロータ鉄心およびステータ鉄心を製造する打ち抜き機の前記雄型と前記雌型の間に連続的に鋼帯を供給して、この鋼帯の巾方向に2列に千鳥状に、かつ長手方向に順次必要箇所を打ち抜いて作った複数の加締部を有するロータ鉄心用部材を必要な枚数積層してロータ鉄心を作り、次いでロータ鉄心用部材を打ち抜いた外周部をさらに順次必要箇所打ち抜いて複数の加締部を有するステータ鉄心用部材を作る際に、先ず複数の加締部を包含する必要箇所を打ち抜いた後に外周を打ち抜いてステータ鉄心用部材を作り、このステータ鉄心用部材を必要な枚数積層してステータ鉄心を作るようにした前記加締部に対応する外周に実質的障害になるような変形がないステータ鉄心用部材およびそれを用いた前記加締部に対応する外周に実質的障害になるような変形がないステータ鉄心の製造方法であって、前記2列の内の第1列の必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材の中心同志を結ぶ線および前記2列の内の第2列の必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材の中心同志を結ぶ線は前記鋼帯の長手方向に対して平行にし、第1列および第2列の前記ステータ鉄心用部材の外周は互いに切り代を残して接するとともにその外周が前記鋼帯の巾方向の端部に切り代を残して接し、かつ、第1列の前記ステータ鉄心用部材の中心と、このステータ鉄心用部材に切り代を残して接する第2列の前記ステータ鉄心用部材の中心を結ぶ中心線がこれらのステータ鉄心用部材の外周に交わる箇所に前記中心線に対して直角にカット部を設け、このカット部に対応する前記ステータ鉄心用部材の外縁に前記中心線に対して直角に前記加締部を設けたことを特徴とするステータ鉄心用部材およびそれを用いたステータ鉄心の製造方法。
  2. 前記加締部が4個であり、そして4個の加締部を設けたステータ鉄心用部材を作る際に、4個の内の少なくとも1個の加締部は次の工程あるいはさらに後の工程で打ち抜くことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 必要箇所を打ち抜かれたステータ鉄心用部材の中心から前記鋼帯の長手方向に直角に引いた線がこのステータ鉄心用部材の外周に交わる箇所およびこのステータ鉄心用部材の中心から前記鋼帯の長手方向に平行に引いた線がこのステータ鉄心用部材の外周に交わる箇所に前記線に対して直角に4個のオイル戻し用カット部を設けたことを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の製造方法。
  4. 請求項1ないし請求項3記載の製造方法により製造され、前記中心線がステータ鉄心用部材の外周に交わる箇所に前記中心線に対して直角に設けられた2個以上のカット部と、このカット部に対応する前記ステータ鉄心用部材の外縁に前記カット部に平行に設けられた2個以上の直線状の加締部を備えたことを特徴とする前記加締部に対応する外周に実質的障害になるような変形がないステータ鉄心用部材。
  5. 請求項4記載のステータ鉄心用部材を必要な枚数積層して作られたステータ鉄心であって、前記2個以上のカット部に平行に設けられた2個以上の直線状の加締部に対応する外周に実質的障害になるような変形がないことを特徴とするステータ鉄心。
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