JP3623355B2 - 印字材料の除去装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印字材料を被記録材から除去する印字材料の除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ペーパリサイクルの観点より、電子写真方式によって記録された記録媒体上の印字材料を除去するために、熱溶融性剥離部材を被記録材に接触させて加熱し、冷やしてから剥離部材を分離することにより、被記録体上の印字材料を剥離して剥離部材上に転写する装置が提案されている。
【0003】
例えば、特開平1−297294号公報には、図4に示すように、ベルト状の剥離部材201の平面部分を被記録材202に圧接し、該被記録材202をローラ203の回りに彎曲させて分離することにより、被記録材202上の印字材料を剥離して剥離部材201上に転写する装置が開示されている。
【0004】
このものでは、分離時に剥離部材201に対して被記録材202を湾曲させるため、被記録材202の両面に画像が形成されている場合には、該被記録材202の両面を同時に処理することができない。そこで、このような両面画像の被記録材202を処理するには片面づつ処理することになる。
ところが、一方の面の処理時に、被記録材202の前加熱工程や剥離部材201への圧接工程における加熱処理によって、未処理の他方の面の画像がローラ203や図示しない搬送ベルト等に付着し、次に処理される被記録材の面を汚す結果、脱墨不良を引き起こす可能性が高くなるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされたもので、印字材料がローラ等に付着せず、また付着したとしてもそれを容易に清掃することができる印字材料の除去装置を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、
印字材料により画像が記録された被記録材を剥離部材に圧接して、被記録材上の印字材料を剥離部材に接着させ、被記録材を剥離部材から分離することにより印字材料を被記録材から剥離する印字材料の除去装置において、
前記被記録材を前記剥離部材に圧接する前に加熱する前加熱ローラに前記被記録材を介して圧接対向し、かつ、前記被記録材の印字材料の除去処理が行われる面とは反対側の背面に対向するバックアップローラからなる背面対向部材を設け、該背面対向部材の表面を水に対する接触角が90度以上となる材料で形成したものである。
【0007】
前記剥離部材を加熱する加熱ローラに前記剥離部材及び被記録材を介して圧接対向し、かつ、前記被記録材の印字材料の除去処理が行われる面とは反対側の背面に対向するバックアップローラからなる背面対向部材をさらに設け、該背面対向部材の表面を水に対する接触角が90度以上となる材料で形成してもよい。また、前記水に対する接触角が90度以上となる材料は、シリコン樹脂又はフッ素樹脂であることが好ましい。
【0008】
前記背面対向部材の表面は、水に対する接触角が90度以上となる材料で形成されているので、水に対する親和性が小さいことにより、被記録材の印字材料の背面対向部材への付着がより効果的に防止される。
【0009】
また、前記本発明の印字材料の除去装置は、背面対向部材に付着した付着物を除去する装置を備えることで、たとえ印字材料が付着したとしてもそれを容易に除去できるので、背面対向部材を繰り返し使用できる。この場合、除去した付着物を回収する装置を備えてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
【0011】
図1は本発明の印字材料除去装置の実施の形態を示す。この装置は、給紙ローラ1と、剥離ベルト2と、分離ローラ3と、分離爪4とを備えている。
【0012】
給紙ローラ1は、矢印a方向に回転駆動する駆動ローラ5と、該駆動ローラ5と圧接対向する従動ローラ兼前加熱ローラ(以下、単に前加熱ローラという。)6とを有する。この給紙ローラ1は、画像が記録された被記録材8を画像面が後述する剥離ベルト2に対向するように矢印b方向に水平に供給するものである。図1には、印字材料7,7aによって画像が両面に記録された被記録材8を処理面例えば印字材料7が形成された面を上にした状態で剥離ベルト2に供給する例を示してある。
【0013】
駆動ローラ5は、前加熱ローラ6に対するバックアップローラでもある。このバックアップローラとしての駆動ローラ5の表面は、水に対する接触角が90度以上である親水性の小さい材料、具体的にはシリコン樹脂やテフロン等のフッ素樹脂等で形成されている。
【0014】
前加熱ローラ6は、供給される被記録材8の印字材料7を前加熱するようになっている。その加熱温度は、80℃以上200℃以下に設定されている。80℃未満であれば印字材料7が軟化しないし、200℃を越えると被記録材8の耐熱性がなくなるからである。なお、前加熱ローラ6を従動ローラと兼用する代わりに、給紙ローラ1の下流側に、該給紙ローラ1で供給される被記録材8上の印字材料7を非接触で加熱する遠赤外ヒータやシリコンラバーヒータ等を設けた構成としてもよい。
【0015】
剥離ベルト2は、3角形に配置された駆動ローラ9、従動ローラ10及び加熱ローラ11に掛け渡され、駆動ローラ9が矢印c方向に回転することによって矢印d方向に移動可能になっている。加熱ローラ11に対向する位置には、剥離ベルト2に圧接するようにバックアップローラ12が配置されている。また、駆動ローラ9と加熱ローラ11との間のベルト部に近接してガイド板13が配置されている。このガイド板13の被記録材対向面も離型性にしておけば、次回に処理される被記録材の表面が汚れるのをより効果的に防止できる。加熱ローラ11は、剥離ベルト2の後述する剥離部材表層23を加熱するとともに、供給される被記録材8の印字材料7をも加熱するようになっている(以下、この加熱ローラ11とバックアップローラ12との対向部分を圧接部という。)。この加熱ローラ11による加熱温度は、前加熱ローラ6と同様に、80℃以上200℃以下に設定されている。
【0016】
バックアップローラ12の表面は、前記給紙ローラ1の駆動ローラ5と同様、水に対する接触角が90度以上である親水性の小さい材料、具体的にはシリコン樹脂やテフロン等のフッ素樹脂等で形成されている。
【0017】
従動ローラ10に対向する値には、剥離ベルト2に圧接するように加熱ローラ14が配置されている。この加熱ローラ14は、被記録材8から剥離された剥離ベルト2上の印字材料7を加熱して溶融させるようになっている。なお、この加熱ローラ14に代えて、剥離ベルト2上の印字材料7を非接触で加熱する遠赤外ヒータやシリコンラバーヒータ等を設けてもよい。前記加熱ローラ14による加熱温度は、前加熱ローラ6と同様、80℃以上200℃以下に設定されている。加熱ローラ14の表面は離型性としてもよい。
【0018】
分離ローラ3は、前記剥離ベルト2の駆動ローラ9に対向する位置に、剥離ベルト2に圧接するように配置されている。
【0019】
分離爪4は、分離ローラ3と剥離ベルト2の駆動ローラ9との間の空間である被記録材8の出口側(以下、この部分を分離部という。)に配置されている。この分離爪4は、剥離ベルト2に付着した被記録材8を剥離ベルト2から分離して、分離ローラ3の回りに沿って排出するためのものである。
【0020】
前記給紙ローラ1の駆動ローラ5には、該駆動ローラ5の表面に圧接して付着物を擦り取るブレード15と、該ブレード15で掻き取られた付着物(印字材料7a)を回収する容器16とが設けられている。ブレード15の代りに、駆動ローラ5の表面の付着物を吸引する吸引器や、駆動ローラ5の表面の付着物を掻き取るブラシ(例えば、ファーブラシやナイロンブラシ)等の他の清掃手段を使用してもよい。同様に、剥離ベルト2のバックアップローラ12には、該バックアップローラ12の表面に圧接して付着物を掻き取る回転ブラシ17と、該回転ブラシ17で掻き取られた付着物を回収する容器16とが設けられている。回転ブラシ17の代りに、前述した吸引器やブレード等の他の清掃手段を使用してもよい。
【0021】
前記構成からなる印字材料除去装置に使用される被記録材8は、透明なプラスチックフィルム(OHPシート等)又は無機微粒子が添加されて不透明化したフィルム(合成紙)からなり、その表面に電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置によって画像が形成されたものである。図2(B)には、両面に印字材料7,7aが形成された被記録材8が示されている。プラスチックフィルムや、合成紙を構成するフィルムの材質は、熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、耐熱性を考慮すると、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート等があげられる。このうち、汎用性、価格、耐熱性、耐久性等の点で、ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0022】
前記被記録材8に画像として記録される印字材料は、いわゆるトナーであり(以下、印字材料をトナーという。)、通常はアクリル(メタクリル)重合体や、アクリル(メタクリル)−スチレン共重合体、ポリエステル重合体を主成分とし、これに色材、離型剤、帯電制御剤を添加したものが一般的である。
【0023】
前記剥離ベルト2は、図2(A)に示すように、基層21の上に接着層22を介して剥離部材表層23を設けたものである。
【0024】
剥離部材表層23は、被記録材8上のトナーを剥離するために設けられる。すなわち、被記録材8上のトナーに熱を加えてトナーを軟化させるとともに、剥離部材表層23にも熱を加えて軟化させておき、剥離部材表層23に被記録材8上のトナーを接着させる。トナーに加える温度の下限は、トナーが軟化する温度で決定され、上限は被記録材8の耐熱性から決定される。具体的には、トナーに加える温度は、80℃以上、200℃以下である。このようにトナーを軟化させるとともに、剥離部材表層23も軟化状態にすることにより、トナーを剥離部材表層23に接着しやすくなる。このため、剥離部材表層23は、熱可塑性樹脂で、軟化点が80〜200℃であることが好ましい。特に、剥離部材表層23の軟化点はトナーの軟化点の±20℃の範囲にあることが好ましい。なお、ここでの軟化点はフローテスターでの流出開始温度のことである。
【0025】
剥離部材表層23は、トナーとの接着性がよいことが必須条件となる。すなわち、剥離部材表層23を構成する材料は、トナーと相溶性が高いことが望まれる。一般に、異なった材料間の相溶性は表面エネルギーの差やSP値(溶解度パラメータ)が目安となり、特にSP値が接近している材料は相溶性がよい。トナーのSP値はその主成分である樹脂の種類によって異なるが、9〜11程度である。本発明らはこのSP値に着目し、鋭意研究を行なった結果、剥離部材表層23の樹脂のSP値が8以上、12以下であると、被記録材8上のトナーが剥離部材表層23にうまく転写することが分かった。
【0026】
このような軟化点80〜200℃、SP値8〜12の樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル(メタクリル)共重合体、ポリビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール、ポリエステル等があげられる。これらのうち、トナーとの接着性等から、スチレン−アクリル(メタクリル)共重合体、ポリビニルアセタール、ポリエステル樹脂等が好ましい。
【0027】
一方、接着層22は、剥離部材表層23を基層21に接着させるとともに、剥離部材表層23の被記録剤8への転写を防ぐために設けられる。接着層22を構成する材料としては、一般に市販されている接着剤があげられる。接着剤の種類は、特に限定されないが、少なくともある程度の耐熱性を有するものが必要である。例えば、ビニル・メチルエーテル、無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール・酢酸ビニル共重合体、ビニルアセタール、アクリル酸エチル、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ゴム、ブタジエン、アクリロニトリルゴム、ブチルゴム、ネオプレンゴム、チオコール等があげられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
前記接着剤を基層21に塗布する方法としては、化学反応法、熱溶融法、溶剤揮発法等があげられるが、接着剤の種類により適当な方法をとるのが好ましい。なお、剥離部材表層23は前記のように必ずしも樹脂である必要はない。加熱した印字材料を接着できるものであれば、樹脂に限らずAl,Niなどの金属類、ゴム類などでもよい。これは、剥離ベルト2が単層構成である場合も同様である。
【0029】
次に、前記構成からなる印字材料除去装置の動作について説明する。
【0030】
トナー7,7aによって両面に画像が形成された被記録材8は、最初に処理するトナー7の面を上にした状態で給紙ローラ1に供給され、前加熱ローラ6によってトナー7が前加熱され溶融される。これにより、被記録材8上のトナー7同士の凝集力が増加する。このようにトナー7が加熱された被記録材8は、剥離ベルト2に向って矢印b方向に搬送される。被記録材8が加熱ローラ11とバックアップローラ12の間の圧接部を通過すると、被記録材8は加熱ローラ11によって加熱された剥離部材表層23に圧接する。この結果、被記録材8上のトナー7は溶融して剥離部材表層23と融着する。このようにトナー7が剥離部材表層23と融着した状態で被記録材8は矢印b方向にさらに搬送され、圧接部から遠ざかるにつれて冷却され固化しながら分離部に向かう。
【0031】
被記録材8は、前加熱ローラ6と加熱ローラ11を通過すると、処理面の印字材料7だけでなく未処理面の印字材料7aも加熱されることとなる。しかし、前加熱ローラ6と加熱ローラ11にそれぞれ対向しかつ被記録材8に圧接する駆動ローラ5とバックアップローラ12は、いずれも水に対する接触角が90度以上である親水性の小さい材料で形成されているので、印字材料7aが溶融したとしてもこれが駆動ローラ5やバックアップローラ12に付着することが殆どなくなり、未処理の面の画像が欠けたり、乱れることがない。また、続いて処理される被記録材8のきれいな面を汚すこともない。さらに、駆動ローラ5やバックアップローラ12に印字材料7aが付着したとしても、その印字材料7aはブレード15で擦り取られ、また回転ブラシ17で掻き取られ、容器16に回収される。
【0032】
被記録材8の先端が剥離ベルト2と分離ローラ3を通過して分離爪4に到達すると、被記録材8は分離爪4によって剥離ベルト2から分離される。そして、被記録材8は、分離ローラ3によって剥離ベルト2の剥離部材表層23とは反対方向に曲げられ、分離ローラ3の回りに沿って矢印e方向に排出される。
【0033】
ここで、剥離部材表層23と被記録材8はともに80℃以下の温度で分離されることが要求される。なぜなら、80℃以上で被記録材8からトナー7を剥離させようとすると、剥離の際に強い力がかかり、剥離が困難になったり、たとえ剥離部材表層23と基層21との間に接着層22を設けたとしても、剥離に要する力が強く、剥離部材表層23が接着層22との界面で剥がれ、被記録材8の方に転写することがあるからである。このため、分離部の周囲に、剥離ベルト2の駆動ローラ9、分離ローラ3及び分離爪4を囲むように断熱壁を設けて、分離部を80℃以下に維持するようにしてもよい。
【0034】
被記録材8上のトナー7は剥離部材表層23と融着固化したまま剥離部材表層23に残り、被記録材8から剥離されて剥離部材表層23に転写される。ここで、トナー7は、前述したように予め加熱ローラ6によって加熱されて凝集力が増加させられているので、被記録材8から剥離され剥離部材表層23に転写される際に、途切れることがなく、確実に剥離される。このように剥離部材表層23に転写されたトナー7は剥離ベルト2とともに矢印d方向に移動する。この剥離部材表層23上のトナー7が加熱ローラ14との対向部に到達すると、当該トナー7は加熱ローラ14によって加熱される。この結果、トナー7同士の凝集力が強くなるとともに、トナー7と剥離部材表層23の接着力が増加するので、次に供給される被記録材8への再転写が防止される。
【0035】
図3は本発明の印字材料除去装置の他の実施の形態を示す。
【0036】
この実施形態では、矢印f方向に図示しない駆動装置によって回転する円形の剥離ドラム102が使用されている。この剥離ドラム102は、前記第1実施形態と同様に、好ましくは金属製の基層21の外表面に接着層22を介して剥離部材表層23を形成したものである。剥離ドラム102の近傍には、給紙ローラ101が配置されている。この給紙ローラ101は、矢印g方向に回転駆動する駆動ローラ105と、該駆動ローラ105に圧接対向する前加熱ローラ106とからなり、これらの間に印字材料7,7aによって両面に画像が形成された被記録材8が最初に処理する印字材料7の面を加熱ローラ106側に向けて矢印h方向に挿入され、下方の剥離ドラム102に向かって供給するようになっている。前加熱ローラ106は、前記図1に示す実施形態の前加熱ローラ6に相当し、被記録材8のトナー7を予め前加熱しておくものである。
【0037】
駆動ローラ105は、前加熱ローラ106に対するバックアップローラであり、その表面は、図1に示す実施形態の駆動ローラ5と同様に、水に対する接触角が90度以上である親水性の小さい材料、具体的にはシリコン樹脂やテフロン等のフッ素樹脂等で形成されている。また、駆動ローラ105には、該駆動ローラ105に圧接して付着物を掻き取る回転ブラシ115と、該回転ブラシ115で掻き取られた付着物を回収する容器116とが設けられている。回転ブラシ115の代りに、吸引器やブレード等の他の清掃手段を使用してもよい。
【0038】
剥離ドラム102の外面には、該剥離ドラム102上を搬送される被記録材8を加熱する加熱ローラ111が圧接配置されている(以下、この部分を圧接部という。)。また、この加熱ローラ111に剥離ドラム102及び被記録材8を介して対向するように、バックアップローラ112が配置されている。加熱ローラ111は、前記図1に示す実施形態の加熱ローラ11に相当し、剥離ドラム102の剥離部材表層23と被記録材8のトナー7を圧接し加熱するものである。
【0039】
図1に示す実施形態とは異なり、被記録材8の未処理面のトナー7aはバックアップローラ112ではなく加熱ローラ111に接触する。そこで、この加熱ローラ111の表面は、水に対する接触角が90度以上である親水性の小さい材料、具体的にはシリコン樹脂やテフロン等のフッ素樹脂等で形成されている。また、この加熱ローラ111には、該加熱ローラ111に圧接して付着物を掻き取る回転ブラシ115と、該回転ブラシ115で掻き取られた付着物を回収する容器116とが設けられている。回転ブラシ115の代りに、吸引器やブレード等の他の清掃手段を使用してもよい。
【0040】
前記圧接部から被記録材8の搬送方向下流側に所定距離離れた位置に、分離ローラ103と分離爪104が配置されている(以下、この部分を分離部という。)。これらの分離ローラ103と分離爪104は、前記図1の実施形態の分離ローラ3と分離爪4に相当し、剥離部材表層23と被記録材8を分離するためのものである。分離ローラ103の下方には、該分離ローラ103に圧接対向して矢印i方向に駆動する排紙ローラ115が配置されている。なお、前記第1実施形態においても説明した通り、この分離部を断熱壁で囲み、80℃以下に維持するようにしてもよい。
【0041】
前記分離部からさらに被記録材8の搬送方向下流側には、加熱ローラ114が分離ベルト102の外面に圧接して配置されている。この加熱ローラ114は、前記図1の実施形態の加熱ローラ14に相当し、剥離部材表層23に転写されたトナー7を加熱するものである。
【0042】
以上の構成からなる印字材料除去装置は、前記図1の実施形態の印字材料除去装置と実質的に同一の作用を奏するので説明を省略する。
【0043】
以上説明した実施の形態において、剥離ベルト2,剥離ドラム102には、剥離部材表層23に融着したトナー7をクリーニングする手段を設けてもよい。クリーニング手段としては、トナー7をブレードで物理的に掻き取るものや、他の部材に熱転写するものが使用できる。このようなクリーニング手段を設けることにより、剥離部材表層23によるトナーの除去能力を長期間維持することができる。
【0044】
【実施例】
【0045】
(第1実施例)
剥離ドラム102として、厚さ1mmのPETフィルム製ドラムの表面に市販の電子写真方式レーザービームプリンタ(ミノルタ社製ファインライター401を用いてトナーと同成分の樹脂を2μmの厚さで塗布した後、この表層を平滑化するためにこのドラムを150℃の高温槽に1時間保管したものを用いた。
【0046】
被記録材8としては、PET中に酸化チタン微粒子を分散させた白色PETフィルムの両面にミノルタ社製ファインライター401でトナー7,7aの画像を形成した。トナー7,7aは軟化点120℃のものを用いた。この画像をAdobe System(アドビシステムズ)社製「Adobephotoshop(登録商標)」を用いてB/W比を測定したところ、両面とも5%であった。
【0047】
前記剥離ドラム102を図3の装置に装着し、該剥離ドラム102を15mm/秒の速度で回転させる一方、前記被記録材8を給紙ローラ101により15mm/秒の速度で供給した。圧接部の加熱ローラ111は、150℃の温度に保持した。また、加熱ローラ111の表面は、水に対する接触角が約110度であるテフロンでコートした。被記録材8は分離部で約60℃に冷却するようにした。なお、ブラシ115は取り外しておいた。
【0048】
この結果、被記録材8はトナー7がきれいに除去され、再使用可能なものになっていた。このとき、加熱ローラ111の表面にトナーが付着しているか否かを確認するために、該ローラ表面の5cm四角にブックテープ(3M社製スコッチテープNo845)を貼り付けて剥がし、そのテープ粘着面のB/W比を「Adobephotoshop(登録商標)」で測定したところ、0.01%であり、トナーが全く付着していないと考えてよい良好なものであった。また、被記録材8の未処理面の画像のB/W比を求めたところ、5%であり、本装置に通す前の状態と全く同じであり、画像の乱れも認められなかった。
【0049】
(比較例)
加熱ローラ111の表面を水に対する接触角が67度であるポリエチレンテレフタレートとした以外は、第1実施例と同様の装置を用いて同様に動作させた。加熱ローラ111の表面のB/W比は、0.3%であり、目視でもトナーが付着しているのが分かる程度であった。また、被記録材8の未処理面の画像のB/W比は、4.7%とやや低下し、画像が所々欠けていたり、本装置に通す前には見られなかったトナー粒子が付着していることが目視でも確認された。
【0050】
(第2実施例)
前述の第1実施例と同様の実験を1,000回繰り返したところ、未処理面の画像の欠落や乱れはなく、加熱ローラ110のB/W比は0.1%であった。さらにナイロン製の回転ブラシ115(外径16mm)を取り付け、30mm/秒で回転させながら加熱ローラ111に接触させ、さらに10,000回実験を繰り返したところ、未処理面の画像の乱れや欠落は見られず、加熱ローラ111表面のB/Wも0.01%と良好であった。
【0051】
(比較例)
加熱ローラ111の表面を水に対する接触角が67度であるポリエチレンテレフタレートとし、初めから回転ブラシ115を作動させた以外は、第2実施例と同様の装置を用いて同様に動作させた。1,000回の処理を行なったときの加熱ローラ111の表面のB/W比は、清掃手段があるにもかかわらず、3.5%であり、目視でもトナーが付着しているのが明らかに分かる程度であった。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、被記録材の印字材料の除去処理が行われる面とは反対側の背面に対向する背面対向部材の表面を離型性材料で形成したので、被記録材の一方の面の印字材料を除去する際に、他方の面の印字材料が背面対向部材に付着することがなく、次に処理される被記録材の面を汚さないですむ結果、脱墨不良を引き起こすおそれが無くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印字材料除去装置の実施形態を示す図。
【図2】被記録材と剥離部材の構成を示す概略断面図。
【図3】本発明の印字材料除去装置の他の実施形態を示す図。
【図4】従来の印字材料除去装置の一例を示す図。
【符号の説明】
2…剥離ベルト(剥離部材)、201…剥離ドラム(剥離部材)、
5,105…駆動ローラ、7,7a…印字材料、8…被記録材、12…バックアップローラ、15…ブレード(付着物除去装置)、16,116…容器(付着物回収装置)、17…回転ブラシ(付着物除去装置)、111…加熱ローラ。

Claims (5)

  1. 印字材料により画像が記録された被記録材を剥離部材に圧接して、被記録材上の印字材料を剥離部材に接着させ、被記録材を剥離部材から分離することにより印字材料を被記録材から剥離する印字材料の除去装置において、
    前記被記録材を前記剥離部材に圧接する前に加熱する前加熱ローラに前記被記録材を介して圧接対向し、かつ、前記被記録材の印字材料の除去処理が行われる面とは反対側の背面に対向するバックアップローラからなる背面対向部材を設け、該背面対向部材の表面を水に対する接触角が90度以上となる材料で形成したことを特徴とする印字材料の除去装置。
  2. 前記剥離部材を加熱する加熱ローラに前記剥離部材及び被記録材を介して圧接対向し、かつ、前記被記録材の印字材料の除去処理が行われる面とは反対側の背面に対向するバックアップローラからなる背面対向部材をさらに設け、該背面対向部材の表面を水に対する接触角が90度以上となる材料で形成したことを特徴とする請求項1に記載の印字材料の除去装置。
  3. 前記水に対する接触角が90度以上となる材料は、シリコン樹脂又はフッ素樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の印字材料の除去装置。
  4. 前記背面対向部材に付着した付着物を除去する装置を備えたことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の印字材料の除去装置。
  5. 前記除去した付着物を回収する装置を備えたことを特徴とする請求項4に記載の印字材料の除去装置。
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