JP3638963B2 - 電子写真用トナー - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等を用いたコピー機やプリンター等において、静電荷像または磁気潜像の現像に用いられる電子写真用トナーに関するものであり、さらに詳しくは定着性および非オフセット性に優れた電子写真用トナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に用いられるコピー機、プリンター、ファクシミリ等では、その印刷の高速化が進み、現像工程での帯電発生時にトナーとキャリアとが激しく撹拌混合され、定着工程では定着温度が低温化されてきている。これに伴い、使用されるトナーにおいても、低温での定着性能をはじめとして、加熱ローラーおよび他の紙等にトナーが移行しない非オフセット性、安定した画像を得るための帯電安定性、トナーの保存中に凝固を起こさない耐ブロッキング性等の性能が要求されてきている。
このような要求に対して、トナーの主成分であるバインダー樹脂の分子量や軟化温度等をコントロールすることによって、トナー特性を向上させる試みが盛んに行われてきている。
【0003】
このよなバインダー樹脂としては、THF不溶分を含む架橋系樹脂と、THF不溶分を含まない非架橋系樹脂とに大別される。
非架橋系樹脂は、分子量分布に特徴をもたせ、非オフセット性を良好とする高分子量重合体と、定着性を良好とする低分子量重合体の混在した形態となっている。しかしながら、低分子量成分が過粉砕され、帯電量の経時変化による画像特性の不良という問題が生じており、低分子量成分の分子量をコントロールする方法や、分子量の異なる第3成分を導入する方法などが取られているが、このような方法においても定着性を損なう等の問題点が新たに生じる。
【0004】
一方、架橋系樹脂では、非架橋系樹脂と比較して弾性効果が高いため、過粉砕されにくく画像特性が良好であるという特徴を有している。その反面、架橋構造を有するため、樹脂の溶融粘度が高く低温での定着性が損なわれるという問題点を有している。架橋系樹脂の定着性を改良する方法としては、低分子量重合体成分を導入する方法や、架橋構造をコントロールする方法等が試みされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、低分子量重合体成分を導入したバインダー樹脂では、バインダー樹脂の粉砕性が不良となり帯電安定性の問題を生じる。そこで、分子量の異なった別の重合体を混合することにより帯電性の問題を解決する試みが行われているが、異なった分子量の2つの重合体と架橋構造を有する重合体とを混合するため、バインダー樹脂の混合状態が不良となるとともに、定着性のコントロールが難しいものとなる。
一方、架橋構造をコントロールしたバインダー樹脂では、帯電性はコントロールしやすいものの、架橋度を低くした場合には、非オフセット性が不良となるとともに定着強度の問題も生じる。また、架橋度を高くした場合には、定着性が不良となるという問題点を有している。
【0006】
さらに、架橋構造を有するバインダー樹脂においては、トナー化工程での混練によって架橋構造が切断され、その架橋度、分子量分布、軟化温度等も変化する。このため、バインダー樹脂の設計によって、その架橋度、分子量分布、軟化温度等の諸特性を改良したとしても、それが直ちにトナー特性の向上につながるものではなかった。
本発明の目的は、定着性および非オフッセット性に優れた電子写真用トナーを提供するとともにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の電子写真用トナーは、スチレン系モノマー単位、(メタ)アクリル系モノマー単位および2官能以上のビニル系モノマー単位からなるスチレン−アクリル系共重合体をバインダー樹脂として含有し、ゲルパーミェーションクロマトグラフィーによる分子量分布において、分子量200,000以上の高分子量成分が15〜50重量%であり、分子量20,000以下の領域に少なくとも1つのピークを有し、バインダー樹脂の軟化温度(TR)とトナーの軟化温度(TT)との関係が以下の(1)式を満足し、トナーの軟化温度(TT)が150℃以下であることを特徴とするものである。
【0008】
【数2】
1.02≦TR/TT≦1.15 ・・・ (1)
本発明の電子写真用トナーに使用されるバインダー樹脂は、スチレン系モノマー、(メタ)アクリル系モノマーおよび2官能以上のビニル系モノマーからなる重合性モノマーを重合することによって得られるスチレン−アクリル系共重合体からなる。
【0009】
本発明で使用されるスチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tertブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、αーメチルスチレン等が挙げられ、これらを単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンが好ましく、特に好ましくはスチレンである。このようなスチレン系モノマーを用いることにより、トナーの耐湿性を良好にすることができるものである。
【0010】
また、(メタ)アクリル系モノマー(アクリル系モノマーあるいはメタクリル系モノマー)としては、アクリル酸、メタクリル酸;アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−ブドキシエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2ーブドキシエチル等のメタクリル酸エステル等が挙げられ、これらを単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチルが好ましい。
【0011】
これらスチレン系モノマーと(メタ)アクリル系モノマーとの使用量は、特に限定されるものではないが、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル系モノマーとの総量に対してスチレン系モノマーが55重量%以上となることが、トナーの耐湿性の観点から好ましい。また、得られるバインダー樹脂のガラス転移温度が55〜70℃程度となるような範囲で使用することが好ましい。これは、バインダー樹脂のガラス転移温度が55℃未満であるとトナーの耐ブロッキング性に劣る傾向にあり、70℃を超えるとトナーの定着性に劣る傾向にあるためであり、さらに好ましくは57〜68℃の範囲である。
【0012】
さらに、架橋モノマーである2官能以上のビニル系モノマー、すなわち一分子中に反応性二重結合を2個以上有する反応性ビニル系モノマーしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA誘導体系ジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらを単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、ジビニルベンゼン、1,3−ブチレングリコールジメタクリレートが好ましい。これら2官能以上のビニル系モノマーは、全モノマー成分に対して1〜3.8重量%の範囲で用いることが好ましく、さらに好ましくは2〜3.5重量%の範囲である。これは、1重量%未満では、バインダー樹脂の架橋構造が不足してトナーの非オフセット性が劣る傾向にあり、3.8重量%を超えるとバインダー樹脂の軟化温度が高くなり、トナーの定着性が損なわれる傾向にあるためである。
【0013】
これら重合性モノマーの重合は、懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法等の公知の重合方法によって行うことができるが、残存溶剤による臭気の問題がないとともに、発熱の制御の容易であり、分散剤の使用量も少なく耐湿性を損なうこともない等の点から懸濁重合法が好ましい。
【0014】
本発明において、懸濁重合に使用される重合開始剤としては、10時間半減期温度が60〜90℃の過酸化物系開始剤および10時間半減期温度が95〜110℃の過酸化物系開始剤を使用することが好ましい。10時間半減期温度が60〜90℃の過酸化物系開始剤としては、例えば、ラウリルパーオキサイド(62℃)、クメルパーオキシオクトエイト(68℃)、ベンゾイルパーオキサイド(74℃)、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエイト)(72.5℃)、m−トルオイルパーオキサイド(73℃)、t−ブチルパーオキシイソブチレイト(78℃)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(90℃)等が挙げられ、これらを単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。特に、10時間半減期温度が60〜80℃のものが好ましく、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドが特に好ましい。これら過酸化物系開始剤は、バインダー樹脂の溶剤可溶分の分子量を低くすることができるものであって、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル系モノマーの合計量に対して3〜9重量%の範囲で使用することが好ましく、さらに好ましくは3.5〜8.5重量%の範囲である。
【0015】
10時間半減期温度が95〜110℃の過酸化物系開始剤としては、例えば、t−ブチルパーオキシラウレイト(96℃)、シクロヘキサノンパーオキサイド(97℃)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネイト(98℃)、t−ブチルパーオキシアセテイト(102℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエイト(104℃)、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレイト(107℃)等が挙げられ、これらを単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。特に、10時間半減期温度が96〜107℃のものが好ましく、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネイト、t−ブチルパーオキシベンゾエイトが特に好ましい。これら過酸化物系開始剤は、バインダー樹脂の重合を完結させガラス転移温度を高くすることができるものであって、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル系モノマーの合計量に対して0.2〜2重量%の範囲で使用することが好ましく、さらに好ましくは0.2〜1.5重量%の範囲である。
【0016】
また、懸濁重合に使用される分散剤としては、通常の懸濁重合に使用されるものでよく、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエーテル系分散剤、エチレンオキサイド系分散剤等が挙げられる。さらに、分散助剤として硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、硫酸マンガン、過酸化水素水、ほう酸等を併用することもできる。
懸濁重合に使用する脱イオン水の使用量は、重合中の発熱を緩和して安定した反応とするために、重合性モノマー成分に対する重量比率で1.5〜2.5の範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは1.8〜2.3の範囲である。
【0017】
さらに、本発明においては、バインダー樹脂の懸濁重合は、100℃以上の反応温度で2〜4Kg/cm2 程度の加圧下で行うことが好ましい。これは、このような条件下で懸濁重合を行うことによって、バインダー樹脂の分子量を低下させることができトナーの定着性を向上させるとともに、重合開始剤が効率よく消費され生産性を向上させることができるものであり、さらに好ましくは110〜145℃の範囲である。また、室温から反応温度に到達するまでの昇温時間としては、20〜90分程度とすることが好ましい。これは、20分未満ではバインダー樹脂の架橋構造が得られ難くなる傾向にあり、90分を超えるとバインダー樹脂の分子量を低下させる効果が少なくなる傾向にあるためである。
【0018】
本発明においては、重合開始剤の分解副生物である安息香酸等を低減して、トナーの帯電安定性を向上させる目的で、懸濁重合を行った後に85℃以上の温度でアルカリ処理を施すことが好ましい。アルカリ処理温度が85℃未満では、安息香酸等の低減効果が十分でなく、好ましくは88℃以上である。使用されるアルカリとしては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム等のアルカリ金属の水酸化物等が挙げられ、中でも水酸化ナトリウムが好ましい。これらアルカリの使用量は、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル系モノマーの総量に対して0.1〜2重量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.5重量%の範囲である。
【0019】
さらに、本発明においては、懸濁重合を行った後、反応系内から脱イオン水および残存モノマーを流出させる蒸留を行うことによって、残存するモノマーを低減することができるものである。蒸留工程とアルカリ処理を併用する場合には、アルカリ処理の前あるいはアルカリ処理と同時に蒸留を行うことが好ましい。蒸留は、脱イオン水の沸点である100℃以上の温度で行うことが好ましく、懸濁重合に使用した脱イオン水量の5〜30重量%の量を流出させることが好ましく、さらに好ましくは10〜25重量%の範囲である。
【0020】
上記のようにして得られたバインダー樹脂は、染料、顔料、荷電制御剤、定着助剤、磁性粉等とともに、例えば、二軸押出機やミキサー等の混練機を用いて、バインダー樹脂の軟化温度よりも15〜30℃程度高い温度で混練した後、平均粒径が5〜20μm、好ましくは8〜15μm程度に微粉砕、分級を行いトナー化される。使用される染料、顔料、荷電制御剤、定着助剤、磁性粉は、通常使用されているものでよく、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、ランプ黒、スーダンブラックSM等の染料あるいは顔料、ニグロシン、アルキル基含有アジン系染料、塩基性染料、モノアゾ染料あるいはその金属錯体、サリチル酸あるいはその金属錯体、アルキルサルチル酸あるいはその金属錯体、ナフトエ酸あるいはその金属錯体等の荷電制御剤、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ポリプロピレン共重合体等の定着助剤、フェライト、マグネタイト等の磁性粉が挙げられる。
【0021】
このようにして得られた本発明の電子写真用トナーは、THF等の溶剤可溶分のゲルパーミェーショングロマトグラフィーによる分子量分布において、分子量200,000以上の高分子量成分の含有量が15〜50重量%であり、分子量20,000以下の領域に少なくとも1つのピークを有するものである。これは、分子量200,000以上の高分子量成分の含有量を15〜50重量%とすることによって、定着性と非オフセット性のバランスが良好なトナーが得られるものであり、高分子量成分の含有量が15重量%未満では非オフセット性が低下し、逆に50重量%を超えると定着性が損なわれるためであり、好ましくは20〜45重量%の範囲である。また、分子量20,000以下の領域に少なくとも1つのピークを有することによって、定着性に優れたトナーが得られるものであり、20,000を超える分子量領域にピークを有すると定着性に劣るものである。
【0022】
また、本発明の電子写真用トナーは、その軟化温度(TT)が、150℃以下であるとともに、バインダー樹脂の軟化温度(TR)との関係において、次の(1)式を満足するものである。
【0023】
【数3】
1.02≦TR/TT≦1.15 ・・・ (1)
これは、TR/TTが1.02未満であると、定着性に劣るとともに、架橋部分と非架橋部分との混合性が低下し非オフセット性にも劣るためであり、逆にTR/TTが1.15を超えるとトナーの粘度低下が大きくなり非オフセット性が低下するためである。すなわち、トナーの軟化温度(TT)とバンダー樹脂の軟化温度(TR)との関係(TR/TT)を(1)式の範囲内とすることによって、定着性と非オフセット性とのバランスのよいトナーが得られるものであり、好ましくはTR/TTが1.03〜1.13の範囲である。また、トナーの軟化温度(TT)を150℃以下とすることによって、定着性に優れたトナーが得られるものであり、好ましくは145℃以下の範囲である。
【0024】
なお、本発明においては、ガラス転移温度は、サンプルを100℃まで昇温しメルトクエンチした後、DSC法(昇温速度10℃/min)により求めた。軟化温度は、1mmφ×10mmのノズルを有するフローテスター(島津製作所社製CFT−500)を用い、荷重30Kgf、昇温速度3℃/minの条件下で、サンプル量の1/2が流出した時の温度で示した。
【0025】
分子量は、ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(東ソ社製HCL−8020)を用いポリスチレン換算により求めた。詳細には、分子量測定における測定方法に関して、数種類の単分散ポリエチレン標準試料により作成された検量線とカウントされた数値との関係から、分子量の算出及び分子量分布を得た。この時のポリエチレン標準試料としては、分子量が6×102 、2.1×103 、4×103 、1.75×104 、5.1×104 、1.1×105 、3.9×105 、8.6×105 、2×106、4.48×106 のものが挙げられ、10個以上選択して使用することが好ましい。また、カラムTSKgel、G1000H、G2000H、G2500H、G3000H、G4000H、G5000H、G6000H、G7000H、GMH等が挙げられ、これらを組み合わせて使用することが好ましい。
【0026】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
実施例において、定着性は、定着温度を自由に変えることの可能な複写機を使用して、定着速度を450mm/分として、ヒートローラーに紙が巻き付く状態から巻き付かない状態になった時の温度を最低定着温度とし、その最低定着温度によって以下の基準に従って評価した。
◎:145℃以下
○:145℃を超え160℃以下
△:160℃を超え175℃以下
×:175℃を超える。
【0027】
非オフセット性は、定着性と同様にして、紙への二重転写が発現し後続の紙まで汚すホットオフセット現象が生じた時の温度と最低定着温度との差を求め、以下の基準に従って評価した。
◎:50℃以上
○:30℃以上50℃未満
△:20℃以上30℃未満
×:20℃未満
なお、定着性および非オフセット性ともに、上記評価基準で△以上であれば実用レベルであるとした。
【0028】
実施例1〜5
脱イオン水220重量部、ポリビニルアルコール0.2重量部および過酸化水素水0.03重量部を混合し、蒸留塔、攪拌機が備え付けてある反応容器に投入した。次いで、表1に示した通りの重合性モノマーの各成分を、混合し反応容器に投入した。さらに、攪拌回転数を250rpmとして、過酸化ベンゾイル7重量部とt−ブチルパーオキシベンゾエイト0.5重量部を添加した後、反応容器を密閉系にした。次いで、反応系の昇温を開始し、昇温開始後約45分で反応系内の温度を130℃、圧力3.5Kg/cm2 として懸濁重合を開始した。懸濁重合を開始してから約150分後に、反応系内の温度を90℃まで降下させ、反応容器内を常圧にし、撹拌回転数を300rpmとした。その後、反応系内の温度を100℃まで昇温し蒸留工程に移った。反応系内から脱イオン水と残存したモノマーとの混合液を約2時間流出させ、流出量が44重量部となった時点で、反応系内の温度を約90℃に保持して、水酸化ナトリウムを0.5重量部投入しアルカリ処理を約30分間行った。その後、反応系内の温度を室温まで冷却し得られた樹脂を取り出し、脱イオン水で十分に洗浄を行った後、脱イオン水を十分に脱水して50℃の条件下で約24時間乾燥を行いバインダー樹脂を得た。得られたバインダー樹脂は、表1に示す通りの軟化温度(TR)であった。
【0029】
さらに、得られたバインダー樹脂91重量部、カーボンブラック(三菱化成社製#44)5重量部、荷電制御剤(オリエント化学社製S−34)1重量部および低分子量ポリプロピレンワックス(三洋化成社製660P)3重量部を混合し、インターナルミキサーを用いて、バインダー樹脂の軟化温度よりも20℃高くなるようにして、約30分間混練した。次いで、微粉砕、分級を行い平均粒径が10μmのトナーを得た。得られたトナーの軟化温度(TT)、TR/TT、分子量分布を表1に示した。また、得られたトナーーを用いて、定着性および非オフセット性の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0030】
実施例6
脱イオン水220重量部、ポリビニルアルコール0.2重量部および過酸化水素水0.03重量部を混合し、蒸留塔、攪拌機が備え付けてある反応容器に投入した。次いで、表1に示した通りの重合性モノマーの各成分を、混合し反応容器に投入した。さらに、攪拌回転数を250rpmとして、過酸化ベンゾイル4重量部とt−ブチルパーオキシベンゾエイト0.5重量部を添加した後、反応容器を密閉系にした。次いで、反応系の昇温を開始し、昇温開始後約45分で反応系内の温度を110℃として懸濁重合を開始した。懸濁重合を開始してから約150分後に、反応系内の温度を90℃まで降下させ、反応容器内を常圧にし、撹拌回転数を300rpmとした。その後、水酸化ナトリウムを0.5重量部投入しアルカリ処理を約30分間行った。その後、反応系内の温度を室温まで冷却し得られた樹脂を取り出し、脱イオン水で十分に洗浄を行った後、脱イオン水を十分に脱水して50℃の条件下で約24時間乾燥を行いバインダー樹脂を得た。得られたバインダー樹脂は、表1に示す通りの軟化温度(TR)であった。
さらに、得られたバインダー樹脂を用いて、実施例1と同一の方法でトナーを得た。得られたトナーの軟化温度(TT)、TR/TT、分子量分布を表1に示した。また、得られたトナーーを用いて、定着性および非オフセット性の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0031】
実施例7
脱イオン水220重量部、ポリビニルアルコール0.2重量部および過酸化水素水0.03重量部を混合し、蒸留塔、攪拌機が備え付けてある反応容器に投入した。次いで、表1に示した通りの重合性モノマーの各成分を、混合し反応容器に投入した。さらに、攪拌回転数を250rpmとして、過酸化ベンゾイル3重量部とt−ブチルパーオキシベンゾエイト0.5重量部を添加した後、反応容器を密閉系にした。次いで、反応系の昇温を開始し、昇温開始後約45分で反応系内の温度を145℃として懸濁重合を開始した。懸濁重合を開始してから約150分後に、反応系内の温度を90℃まで降下させ、反応容器内を常圧にし、撹拌回転数を300rpmとした。その後、水酸化ナトリウムを0.5重量部投入しアルカリ処理を約30分間行った。その後、反応系内の温度を室温まで冷却し得られた樹脂を取り出し、脱イオン水で十分に洗浄を行った後、脱イオン水を十分に脱水して50℃の条件下で約24時間乾燥を行いバインダー樹脂を得た。得られたバインダー樹脂は、表1に示す通りの軟化温度(TR)であった。
さらに、得られたバインダー樹脂を用いて、実施例1と同一の方法でトナーを得た。得られたトナーの軟化温度(TT)、TR/TT、分子量分布を表1に示した。また、得られたトナーーを用いて、定着性および非オフセット性の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0032】
比較例1
脱イオン水220重量部、ポリビニルアルコール0.2重量部および過酸化水素水0.03重量部を混合し、蒸留塔、攪拌機が備え付けてある反応容器に投入した。次いで、表1に示した通りの重合性モノマーの各成分を、混合し反応容器に投入した。さらに、攪拌回転数を250rpmとして、過酸化ベンゾイル7重量部とt−ブチルパーオキシベンゾエイト0.5重量部を添加した後、反応容器を密閉系にした。次いで、反応系の昇温を開始し、昇温開始後約45分で反応系内の温度を130℃、圧力3.5Kg/cm2 として懸濁重合を開始した。懸濁重合を開始してから約150分後に、反応系内の温度を90℃まで降下させ、反応容器内を常圧にし、撹拌回転数を300rpmとした。その後、反応系内の温度を100℃まで昇温し蒸留工程に移った。反応系内から脱イオン水と残存したモノマーとの混合液を約2時間流出させ、流出量が44重量部となった時点で、反応系内の温度を約90℃に保持して、水酸化ナトリウムを0.5重量部投入しアルカリ処理を約30分間行った。その後、反応系内の温度を室温まで冷却し得られた樹脂を取り出し、脱イオン水で十分に洗浄を行った後、脱イオン水を十分に脱水して50℃の条件下で約24時間乾燥を行いバインダー樹脂を得た。得られたバインダー樹脂は、表1に示す通りの軟化温度(TR)であった。
【0033】
さらに、得られたバインダー樹脂91重量部、カーボンブラック(三菱化成社製#44)5重量部、荷電制御剤(オリエント化学社製S−34)1重量部および低分子量ポリプロピレンワックス(三洋化成社製660P)3重量部を混合し、インターナルミキサーを用いて、バインダー樹脂の軟化温度よりも40℃高くなるようにして、約30分間混練した。次いで、微粉砕、分級を行い平均粒径が10μmのトナーを得た。得られたトナーの軟化温度(TT)、TR/TT、分子量分布を表1に示した。また、得られたトナーーを用いて、定着性および非オフセット性の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0034】
比較例2
脱イオン水220重量部、ポリビニルアルコール0.2重量部および過酸化水素水0.03重量部を混合し、蒸留塔、攪拌機が備え付けてある反応容器に投入した。次いで、表1に示した通りの重合性モノマーの各成分を、混合し反応容器に投入した。さらに、攪拌回転数を250rpmとして、過酸化ベンゾイル7重量部とt−ブチルパーオキシベンゾエイト0.5重量部を添加した後、反応容器を密閉系にした。次いで、反応系の昇温を開始し、昇温開始後約45分で反応系内の温度を130℃、圧力3.5Kg/cm2 として懸濁重合を開始した。懸濁重合を開始してから約150分後に、反応系内の温度を90℃まで降下させ、反応容器内を常圧にし、撹拌回転数を300rpmとした。その後、反応系内の温度を100℃まで昇温し蒸留工程に移った。反応系内から脱イオン水と残存したモノマーとの混合液を約2時間流出させ、流出量が44重量部となった時点で、反応系内の温度を約90℃に保持して、水酸化ナトリウムを0.5重量部投入しアルカリ処理を約30分間行った。その後、反応系内の温度を室温まで冷却し得られた樹脂を取り出し、脱イオン水で十分に洗浄を行った後、脱イオン水を十分に脱水して50℃の条件下で約24時間乾燥を行いバインダー樹脂を得た。得られたバインダー樹脂は、表1に示す通りの軟化温度(TR)であった。
【0035】
さらに、得られたバインダー樹脂91重量部、カーボンブラック(三菱化成社製#44)5重量部、荷電制御剤(オリエント化学社製S−34)1重量部および低分子量ポリプロピレンワックス(三洋化成社製660P)3重量部を混合し、インターナルミキサーを用いて、バインダー樹脂の軟化温度よりも10℃低くなるようにして、約30分間混練した。次いで、微粉砕、分級を行い平均粒径が10μmのトナーを得た。得られたトナーの軟化温度(TT)、TR/TT、分子量分布を表1に示した。また、得られたトナーーを用いて、定着性および非オフセット性の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0036】
比較例3
脱イオン水220重量部、ポリビニルアルコール0.2重量部および過酸化水素水0.03重量部を混合し、蒸留塔、攪拌機が備え付けてある反応容器に投入した。次いで、表1に示した通りの重合性モノマーの各成分を、混合し反応容器に投入した。さらに、攪拌回転数を250rpmとして、過酸化ベンゾイル3重量部とt−ブチルパーオキシベンゾエイト0.5重量部を添加した後、反応容器を密閉系にした。次いで、反応系の昇温を開始し、昇温開始後約45分で反応系内の温度を145℃として懸濁重合を開始した。懸濁重合を開始してから約150分後に、反応系内の温度を88℃まで降下させ、反応容器内を常圧にし、撹拌回転数を300rpmとした。その後、水酸化ナトリウムを0.5重量部投入しアルカリ処理を約30分間行った。その後、反応系内の温度を室温まで冷却し得られた樹脂を取り出し、脱イオン水で十分に洗浄を行った後、脱イオン水を十分に脱水して50℃の条件下で約24時間乾燥を行いバインダー樹脂を得た。得られたバインダー樹脂は、表1に示す通りの軟化温度(TR)であった。
さらに、得られたバインダー樹脂を用いて、実施例1と同一の方法でトナーを得た。得られたトナーの軟化温度(TT)、TR/TT、分子量分布を表1に示した。また、得られたトナーーを用いて、定着性および非オフセット性の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0037】
比較例4
脱イオン水220重量部、ポリビニルアルコール0.2重量部および過酸化水素水0.03重量部を混合し、蒸留塔、攪拌機が備え付けてある反応容器に投入した。次いで、表1に示した通りの重合性モノマーの各成分を、混合し反応容器に投入した。さらに、攪拌回転数を250rpmとして、過酸化ベンゾイル7重量部とt−ブチルパーオキシベンゾエイト0.5重量部を添加した後、反応容器を密閉系にした。次いで、反応系の昇温を開始し、昇温開始後約45分で反応系内の温度を145℃として懸濁重合を開始した。懸濁重合を開始してから約150分後に、反応系内の温度を88℃まで降下させ、反応容器内を常圧にし、撹拌回転数を300rpmとした。その後、水酸化ナトリウムを0.5重量部投入しアルカリ処理を約30分間行った。その後、反応系内の温度を室温まで冷却し得られた樹脂を取り出し、脱イオン水で十分に洗浄を行った後、脱イオン水を十分に脱水して50℃の条件下で約24時間乾燥を行いバインダー樹脂を得た。得られたバインダー樹脂は、表1に示す通りの軟化温度(TR)であった。
さらに、得られたバインダー樹脂を用いて、実施例1と同一の方法でトナーを得た。得られたトナーの軟化温度(TT)、TR/TT、分子量分布を表1に示した。また、得られたトナーーを用いて、定着性および非オフセット性の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
なお、表1に示したモノマーの記号は、それぞれ以下の化合物を示す。
St ;スチレン
nBA ;n−ブチルアクリレート
nBMA;n−ブチルメタクリレート
EDMA;エチレングリコールジメタクリレート
BDMA;1,3−ブチレングリコールジメタクリレート
【0040】
【発明の効果】
本発明の電子写真用トナーは、特定の分子量分布を有し、バインダー樹脂の軟化温度と特定の関係にある軟化温度を有することによって、定着性および非オフッセット性のバランス性が良好なものである。
Claims (1)
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33802493A JP3638963B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 電子写真用トナー |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33802493A JP3638963B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 電子写真用トナー |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07199529A JPH07199529A (ja) | 1995-08-04 |
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ID=18314222
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33802493A Expired - Lifetime JP3638963B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 電子写真用トナー |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3638963B2 (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5858810B2 (ja) | 2012-02-01 | 2016-02-10 | キヤノン株式会社 | 磁性トナー |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP33802493A patent/JP3638963B2/ja not_active Expired - Lifetime
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|---|---|
| JPH07199529A (ja) | 1995-08-04 |
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