JPH1010782A - トナー用バインダー樹脂およびトナー - Google Patents

トナー用バインダー樹脂およびトナー

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JPH1010782A
JPH1010782A JP16608396A JP16608396A JPH1010782A JP H1010782 A JPH1010782 A JP H1010782A JP 16608396 A JP16608396 A JP 16608396A JP 16608396 A JP16608396 A JP 16608396A JP H1010782 A JPH1010782 A JP H1010782A
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toner
polymer component
weight
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JP16608396A
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English (en)
Inventor
Koji Shimizu
浩二 清水
Motoji Inagaki
元司 稲垣
Yoko Harada
陽子 原田
Takayuki Tajiri
象運 田尻
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 臭気が少なく、帯電安定性に優れ、定着性お
よび非オフセット性のバランスのとれたトナ−を提供す
る。 【解決手段】 ゲルパーミェーショングロマトクラフィ
ーによる分子量分布において、高分子量重合体成分のピ
ークトップの分子量(MH )が1×105 〜3×105
の範囲にあり、低分子量重合体成分のピークトップの分
子量(ML )が2×103 〜3×104 の範囲にあり、
高分子量重合体成分と低分子量重合体成分のピークトッ
プの分子量の比(MH /ML )が10〜40、高分子量
重合体成分のピークトップの強度(PH )と低分子量重
合体成分のピークトップの強度(PL )の比(PH /P
L )が0.14〜1であり、揮発性成分の含有量が0.
5重量%以下、酸価が1mgKOH/g以下であるトナ
ー用バインダー樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法等において、静電荷像または磁気潜
像の現像に用いられるトナー用バインダー樹脂およびト
ナーに関するものであり、さらに詳しくは臭気が少な
く、帯電安定性に優れ、定着性と非オフセット性とのバ
ランスに優れたトナーおよび該トナーに用いられるバイ
ンダー樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法、静電印刷法による代表的な
画像形成工程は、光電導性絶縁層を一様に帯電させ、そ
の絶縁層を露光させた後、露光された部分上の電荷を消
散させることによって電気的な潜像を形成し、該潜像に
電荷を持った微粉末のトナーを付着させることにより可
視化させる現像工程、得られた可視像を転写紙等の転写
材に転写させる転写工程、加熱あるいは加圧により永久
定着させる定着工程からなる。
【0003】このような電子写真法あるいは静電印刷法
に使用されるトナーおよびトナー用バインダー樹脂とし
ては、上記各工程において様々な性能が要求される。例
えば、現像工程においては、電気的な潜像にトナーを付
着させるために、トナーおよびトナー用バインダー樹脂
は温度、湿度等の周囲の環境に影響されることなくコピ
ー機に適した帯電量を保持しなくてはならない。また、
熱ローラー定着方式による定着工程においては、熱ロー
ラーに付着しない非オフセット性、紙への定着性が良好
でなくてはならない。さらに、コピー機内での保存中に
トナーがブロッキングしない耐ブロッキング性も要求さ
れる。
【0004】また、電子写真法、静電記録法、静電印刷
法等に用いられるコピー機、プリンター、ファクシミリ
等では、通常、100〜230℃程度の温度に加熱され
た加熱ローラーを用いてトナーを紙等に定着している。
このような定着工程では、連続して多数枚の紙等に定着
されることが多く、加熱ローラー上に非オフセット性に
影響のない程度の微量のトナーが蓄積されていく。そし
て、連続回転と紙等の連続供給のために加熱ローラーの
温度が高くなり、加熱ローラー上に蓄積されたトナーが
加熱されることによって、トナー中に残存している残存
モノマーや残存溶剤が揮発し、臭気を発生する。このよ
うな臭気の問題は、トナー用バインダー樹脂に含まれる
残存モノマーや残存溶剤に起因し、バインダー樹脂の残
存モノマーおよび残存溶剤の低減が要求されてきてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、トナー用バイン
ダー樹脂としては、スチレン−アクリル系共重合体が多
用されており、線状タイプ(非架橋タイプ)の樹脂と架
橋タイプの樹脂が使用されている。架橋タイプのトナー
用バインダー樹脂では、樹脂を架橋することによって分
子量分布を広くして、トナーとしての定着性、非オフセ
ット性を改良することが試みられている。また、線状タ
イプのトナー用バインダー樹脂では、高分子量重合体成
分と低分子量重合体成分とを混合して、両成分のガラス
転移温度や分子量をコントロールしたり、樹脂全体の分
子量分布(Mw/Mn)をコントロールすることによっ
て、トナーの定着性や非オフセット性等を改良しようと
する試みが行われている。
【0006】しかしながら、架橋タイプのトナー用バイ
ンダー樹脂では、樹脂を単に架橋させただけでは、トナ
ーとしての定着性と非オフセット性とのバランスに劣
り、十分な定着特性を有するトナーを得ることは困難で
あった。また、顔料等の分散性が悪いために高い 断力
によって分散させる必要があり、その結果、架橋構造が
切断させて非オフセット性が低下するという問題点も有
していた。一方、線状タイプのトナー用バインダー樹脂
を用いたトナーは、顔料等の分散性は良好ではあるが、
例えば、定着性を改善すると、トナー用バインダー樹脂
の溶融粘度が低下しトナ−の非オフセット性が低下して
しまい、両者のバランスの良いトナ−を得ることは困難
であった。
【0007】また、バインダー樹脂の残存モノマーおよ
び残存溶剤の低減については、例えば、特開平1−70
765号公報に記載されているように、重合後に得られ
る樹脂のガラス転移温度以上の温度で加熱して、所定量
の水を溜去することによって残存モノマーを低減させる
方法等が提案されている。しかしながら、このような方
法で樹脂中の残存モノマーを減少させるためには、非常
に長時間の処理を行う必要があり、効率的な生産を行う
ことはできなかったり、処理中に樹脂粒子同士の凝集や
固化を起こしたりする等の問題点を有していた。このよ
うな樹脂粒子の凝集、固化を防止するために、分散剤を
追加して添加する方法等も提案されているが、添加した
分散剤が不純物として樹脂中に残り、トナー用バインダ
ー樹脂としての耐湿性、透明性等が低下するものであっ
た。また、使用される原料モノマー、重合開始剤、重合
温度によっては、残存モノマーの含有量を十分に低減す
ることができなかった。そこで、本発明の目的は、臭気
が少なく、トナ−としての帯電安定性に優れ、定着性お
よび非オフセット性のバランスに優れたトナ−用バイン
ダ−樹脂を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な状況に鑑み、トナー用バインダー樹脂について鋭意検
討した結果、バインダー樹脂中に含有される揮発性成分
を減少させることによて臭気の少ないトナーが得られ、
バインダー樹脂を構成する高分子量重合体成分の分子量
および分子量分布を制御することによって、トナ−とし
ての帯電安定性に優れるとともに、定着性と非オフセッ
ト性とのバランスに優れたトナ−用バインダ−樹脂を得
られることを見い出し、本発明に到達したものである。
【0009】すなわち、本発明のトナー用バインダー樹
脂は、高分子量重合体成分および低分子量重合体成分よ
りなる懸濁重合法によって重合されたスチレン−アクリ
ル系共重合体からなり、ゲルパーミェーションクロマト
グラフィーによる分子量分布において、高分子量重合体
成分のピークトップの分子量(MH )が1×105 〜3
×105 の範囲にあり、低分子量重合体成分のピークト
ップの分子量(ML )が2×103 〜3×104 の範囲
にあり、高分子量重合体成分と低分子量重合体成分のピ
ークトップの分子量の比(MH /ML )が10〜40、
高分子量重合体成分のピークトップの強度(PH )と低
分子量重合体成分のピークトップの強度(PL )の比
(PH /PL )が0.14〜1であり、200℃で2時
間の乾燥を行った後の揮発性成分の含有量が0.5重量
%以下、酸価が1mgKOH/g以下であることを特徴
とするものでる。また、本発明のトナーは、上記のよう
なバインダー樹脂を含有することを特徴とするものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のトナー用バインダー樹脂
は、高分子量重合体成分と低分子量重合体成分とからな
り、いずれの重合体もスチレン系単量体および他の共重
合可能なビニル系単量体からなるスチレン−アクリル系
共重合体からなる。本発明において、高分子量重合体成
分および低分子量重合体成分の重合のために使用される
スチレン系単量体としては、スチレン、o−メチルスチ
レン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−
メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチ
ルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−
ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−
オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−
デンシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−フ
ェニルスチレン、3,4−ジシクロシルスチレン等が挙
げられ、中でも、スチレンが好ましい。これらのスチレ
ン系単量体は、単独でまたは2種以上組み合わせて使用
することができる。
【0011】また、他の共重合可能なビニル系単量体と
しては、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プ
ロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ス
テアリル、メタアクリル酸、メタアクリル酸エチル、メ
タアクリル酸メチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタ
アクリル酸イソブチル、メタアクリル酸プロピル、メタ
アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ステア
リル等の不飽和モノカルボン酸エステル、マレイン酸ジ
メチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ブチル、フマ
ル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル等
の不飽和ジカルボン酸ジエステル等が挙げられる。さら
に、アクリル酸、メタクリル酸、ケイヒ酸等の不飽和モ
ノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の
不飽和ジカルボン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン
酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノメ
チル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル等の不
飽和モノカルボン酸モノエステル等のカルボン酸含基ビ
ニル単量体を併用することもできる。
【0012】これらの単量体の共重合比率は特に限定さ
れるものではないが、得られるトナー用バインダー樹脂
のガラス転移温度が40℃以上の範囲となるよう選定す
ることが好ましい。これは、トナー用バインダー樹脂の
ガラス転移温度が40℃未満であると、トナーのブロッ
キング発生温度が低下し、保存安定性が極端に低下する
場合があるためであり、好ましくは50〜80℃の範囲
である。トナー用バインダー樹脂のガラス転移温度が8
0℃を超えると軟化温度が高くなりトナーの定着性が低
下する傾向にあるためであり、さらに好ましくは55〜
70℃の範囲である。本発明のトナー用バインダー樹脂
は、高分子量重合体成分と低分子量重合体成分とから構
成され、高分子量重合体成分の含有割合が20〜70重
量%の範囲である。これは、高分子量重合体成分が20
重量%未満であると、トナーとしての非オフセット性が
劣るためであり、逆に70重量%を超えるとトナーとし
ての定着性が劣るためであり、好ましくは20〜60重
量%の範囲である。
【0013】本発明においては、トナー用バインダー樹
脂を構成する高分子量重合体成分と低分子量重合体成分
の分子量分布を制御することによって、定着性と非オフ
セット性とのバランスのとれたトナーを提供できるもの
である。すなわち、トナー用バインダー樹脂のゲルパー
ミェーションクロマトグラフィーによる分子量分布にお
いて、高分子量重合体成分のピークトップの分子量(M
H )が1×105 〜3×105 の領域にあり、低分子量
重合体成分のピークトップの分子量(ML )が2×10
3 〜3×104 の領域にあり、高分子量重合体成分と低
分子量重合体成分のピークトップの分子量の比(MH /
ML )が10〜40であり、高分子量重合体成分のピー
クトップの強度(PH )と低分子量重合体成分のピーク
トップの強度(PL )の比(PH /PL )が0.14〜
1であることが必要である。
【0014】これは、高分子量重合体成分のピークトッ
プの分子量(MH )が1×105 未満の領域であると、
トナーとしての非オフセット性が低下するためであり、
逆に3×105 を超える領域にあるとトナーとしての定
着性が低下するとともに、低分子量重合体成分との分散
性が損なわれるためであり、好ましくは1.3×105
〜2.5×105 の領域であり、さらに好ましくは1.
5×105 〜2×105 の領域である。また、低分子量
重合体成分のピークトップの分子量(MH )が2×10
3 未満の領域であると、バインダー樹脂の機械的強度が
低下し、帯電発生工程でトナーが過粉砕状態となり、画
像にカブリが発生しやすくなるためであり、逆に3×1
04 を超える領域にあるとトナーとしての定着性が低下
するためであり、好ましくは5×103 〜1.7×10
5 の領域であり、さらに好ましくは8×103 〜1.5
×104 の領域である。
【0015】さらに、高分子量重合体成分と低分子量重
合体成分のピークトップの分子量の比(MH /ML )が
10未満であると、トナーとしての定着性と非オフセッ
ト性のバランス性が損なわれ、逆に40を超えると高分
子量重合体成分と低分子量重合体成分とが均一に分散さ
れず、トナー粒子間での特性のバラツキが生じるためで
あり、好ましくは11〜30の範囲であり、より好まし
くは12〜25の範囲である。高分子量重合体成分のピ
ークトップの強度(PH )と低分子量重合体成分のピー
クトップの強度(PL )の比(PH /PL )が0.14
未満であると、トナーとしての非オフセット性が低下す
るためであり、逆に1を超えるとトナーとしての定着性
が低下するためであり、好ましくは0.17〜0.95
の範囲であり、より好ましくは0.2〜0.9の範囲で
ある。
【0016】本発明においては、トナーとしての臭気の
観点からバインダー樹脂の揮発性成分の含有量が0.5
重量%以下であることが必要である。この揮発性成分と
は、樹脂に含有する残存モノマーや残存溶剤であり、バ
インダー樹脂を200℃で2時間の乾燥を施した後に残
存する揮発性成分の含有量である。このような揮発性成
分が0.5重量%を超えて含有されるとトナーとしての
臭気の問題が発生するためであり、好ましくは0.4重
量%以下の範囲であり、さらに好ましくは0.3重量%
以下の範囲である。また、トナーの帯電安定性の観点か
らバインダー樹脂の酸価が1mgKOH/g以下である
ことが必要である。この酸価は、樹脂の重合時に使用さ
れる重合開始剤の分解副生物に由来するものであり、こ
のような分解副生物の存在がトナーの帯電安定性を損な
うものである。バインダー樹脂の酸価が1mgKOH/
gを超えるとトナーとしての帯電安定性が低下するため
であり、好ましくは0.7mgKOH/g以下の範囲で
あり、より好ましくは0.5mgKOH/g以下の範囲
である。
【0017】本発明のトナー用バインダー樹脂は、上記
の重合性モノマーの混合物を懸濁重合法によって重合す
ることによって製造することができる。懸濁重合法は、
残存溶剤による臭気の問題がないとともに、発熱の制御
の容易であり、分散剤の使用量も少なく耐湿性を損なう
こともない点で好ましい。特に、得られたトナー用バイ
ンダー樹脂が、均一に混合された高分子量重合体成分と
低分子量重合体成分とから構成されていることが好まし
く、高分子量重合体成分の懸濁重合を行い、次いで高分
子重合体成分の懸濁粒子の存在下で低分子量重合体成分
の懸濁重合する2段懸濁重合法等の重合方法によって重
合を行うことが好ましい。以下、2段懸濁重合法による
本発明のトナー用バインダー樹脂の製造方法ついて、具
体的に説明する。高分子量重合体成分の懸濁重合は、特
に限定されるものではなく、一般的な懸濁重合法に従っ
て行うことができ、上記のような単量体とともに、懸濁
重合において一般的に使用される分散剤、重合開始剤、
分子量調整剤等を使用することができ、温度95〜15
0℃、圧力0.5〜7kg/cm2の条件下で行うこと
が好ましい。
【0018】高分子量重合体成分の懸濁重合に使用され
る重合開始剤としては、1分子内に3個以上のt−ブチ
ルパ−オキサイド基を有する化合物あるいは10時間半
減期温度が90〜140℃の1分子中の官能基が1個で
あるラジカル重合開始剤等を使用することができる。例
えば、1分子内に3個以上のt−ブチルパ−オキサイド
基を有する化合物としては、2,2−ビス(4,4−ジ
−t−ブチルパ−オキシシクロヘキシル)プロパン等が
挙げられる。また、10時間半減期温度が90〜140
℃の1分子中の官能基が1個であるラジカル重合開始剤
としては、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチ
ルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、
シクロヘキサノンパーオキシド、t−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセ
テート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミル
パーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジイソ
プロピルベンゼンハイドロパーオキシド、ジ−t−ブチ
ルパーオキシド、p−メタンハイドロパーオキシド、2
−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2−
アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フ
ェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニ
トリル等の有機過酸化物あるいはアゾ化合物等が挙げら
れる。これら重合開始剤は、単独あるいは2種以上を組
み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量
としては、従来の懸濁重合での重合開始剤の使用量と比
較して非常に少量でよく、全単量体100重量部に対し
て0.001〜0.5重量部の範囲で使用することが好
ましく、さらに好ましくは0.002〜0.05重量部
の範囲である。
【0019】次いで、懸濁重合した高分子量重合体懸濁
粒子の存在下で、懸濁重合によって低分子量重合体成分
の重合を行う。懸濁重合は、特に限定されるものではな
く、一般的な懸濁重合法に従って行うことができ、例え
ば、高分子量重合体の重合反応率が10〜90%程度に
なった時点で、低分子量重合体用の重合開始剤を水また
は低分子量重合体用単量体に溶解して添加することによ
って重合を開始することが好ましい。
【0020】低分子量重合体成分を懸濁重合に使用され
る重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、
通常使用されるラジカル重合性を有する過酸化物やアゾ
系化合物等が使用でき、例えば、ジ−t−ブチルパーオ
キシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパー
オキシド、アセチルパーオキシド、イソブチリルパーオ
キシド、オクタノニルパーオキシド、デカノニルパーオ
キシド、ラウロイルパーオキシド、3,5,5−トリメ
チルヘキサノイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシ
ド、m−トルオイルパーオキシド、t−ブチルパーオキ
シアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、
t−ブチルパーオキシピパレート、t−ブチルパーオキ
シネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエー
ト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、
t−ブチルパーオキ3,5,5−トリメチルヘキサノエ
ート、t−ブチルパオキシライレート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカオーボネート、アゾビスイソブチルニトリル、2,
2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)等
が挙げられるが、中でも、単量体に対する重合活性の持
続性や比較的短時間で重合が完了する点から、オクタノ
ニルパーオキシド、デカノニルパーオキシド、ラウロイ
ルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、m−トリオ
イルパーオキシドが好ましい。これら重合開始剤は、単
独または2種以上を組み合わせて使用することができ、
単量体100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲
で使用することが好ましく、さらに好ましくは0.5〜
10重量部の範囲である。
【0021】懸濁重合は、単量体に対して好ましくは1
〜10倍、さらに好ましくは2〜4倍程度の水ととも
に、分散剤、重合開始剤、必要に応じて分散助剤あるい
は連鎖移動剤等を添加して、所定の重合温度まで昇温し
て、所定の重合率となるまで加温を続けることによって
行われる。懸濁重合で使用される分散剤としては、ポリ
ビニルアルコール、(メタ)アクリル酸の単独重合体あ
るいは共重合体のアルカリ金属塩、カルボキシチルセル
ロース、ゼラチン、デンプン、硫酸バリウム、硫酸カル
シウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カ
ルシウム等のが挙げられ、中でも、ポリビニルアルコー
ルが好ましく、特に好ましくは、酢酸基と水酸基がブロ
ック的に存在する部分鹸化ポリビニルアルコールであ
る。これら分散剤は、水100重量部に対して、0.0
1〜5重量部の範囲で使用することが好ましい。これ
は、分散剤の使用量が0.01重量部未満であると、懸
濁重合の安定性が低下して生成粒子の凝集によって重合
体が固化する傾向にあり、逆に5重量部を超えるとトナ
ーの環境依存性、特に耐湿性が低下する傾向にあるため
であり、さらに好ましくは0.05〜2重量部の範囲で
ある。また、必要に応じて、これら分散剤とともに、塩
化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カ
リウム等の分散助剤を併用することもできる。さらに、
分子量を調整するために、必要に応じて、n−オクチル
メルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシ
ルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘクシ
ル、α−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を使用
してもよい。
【0022】本発明においては、上記のようにして懸濁
重合が実質的に終了した後に、アルカリ化合物やアルカ
リ性の緩衝溶液を重合系に添加して、得られた重合体の
ガラス転移温度より高い温度でアルカリ処理を行うこと
によって、トナーとしての帯電安定性に優れた酸価1m
gKOH/g以下の低酸価のバインダー樹脂を得ること
ができる。アルカリ処理に使用されるアルカル化合物と
しては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム
等のアルカリ金属の水酸化物等が挙げられ、中でも水酸
化ナトリウムと水酸化カリウムが特に好ましい。これら
アルカリ化合物は、水100重量部に対して0.01〜
1重量部の範囲で使用することが好ましい。これは、ア
ルカリ化合物の使用量が0.01未満であるとアルカリ
処理を施す効果が十分ではなく、逆に1重量部を超える
と廃水処理に多量の中和剤を使用する必要があるためで
ある。
【0023】また、アルカリ性の緩衝溶液としては、一
般的に使用されている緩衝作用をもつ溶液であり、例え
ば、Clark−Lubsの緩衝液、Sфrensen
の緩衝液、Kolthoffの緩衝液、Michael
isの緩衝液、McIlvaineの緩衝液、Brit
ton−Robinsonの緩衝液、Carmodyの
緩衝液、Gomoriの緩衝液、Bates−Bowe
rのTris緩衝液、HEPES緩衝液、Goodの緩
衝液、Menzelの緩衝液、Waipoleの緩衝液
等が挙げられる。中でも、Clark−Lubsの緩衝
液の燐酸二水素カリウム/水酸化ナトリウム緩衝液が特
に好ましい。これら緩衝溶液は、緩衝溶液中に含まれる
アルカリ金属化合物が、低分子量重合体用単量体に対し
て0.1〜3重量部となる範囲で使用することが好まし
い。これは、緩衝溶液中のアルカリ金属化合物が0.1
重量部未満であると、アルカリ処理による十分な効果が
得られないためであり、3重量部を超えるとアルカリ金
属化合物が過剰となり、廃水処理に多量の中和剤を必要
とするとともに、樹脂が加水分解を起こしやすくなる傾
向にあるためである。燐酸二水素カリウム/水酸化ナト
リウム緩衝液を使用する場合には、低分子量重合体用単
量体に対して燐酸二水素カリウムが0.1〜10重量部
で水酸化ナトリウムが0.1〜3重量部であり、燐酸二
水素カリウムと水酸化ナトリウムとの重量比(燐酸二水
素カリウム/水酸化ナトリウム)が1〜5であることが
好ましい。
【0024】本発明において、アルカリ処理は、得られ
る重合体のガラス転移温度より高い温度で施されるが、
これはアルカリ処理温度がこれよりも低い温度では、ア
ルカリ処理に要する処理時間が長くなるためであり、特
に重合開始剤を多量に使用したような場合等では、アル
カリ化合物を多量に使用するとともに、長時間のアルカ
リ処理を施す必要があり、十分に樹脂の酸価を低下させ
ることができないためである。アルカリ処理温度が高す
ぎると、重合体の加水分解が顕著になり、トナーとして
の電気的性質や耐オフセット性が低下するため、重合体
のガラス転移温度より60〜100℃以上高い温度で行
うことが好ましい。
【0025】アルカリ処理を施した後、重合体を十分に
洗浄、脱水してアルカリ化合物を除去し、乾燥させる。
これらには公知の方法が使用できるが、例えば、洗浄、
脱水には、遠心脱水機、スーパーデカンター等が使用さ
れ、乾燥には箱型乾燥機、真空乾燥機等が使用される。
また、洗浄に際しては、アルカリ化合物を完全に除去す
るために酸処理を行ってもよい。このような製造方法に
よって得られた本発明のトナ−用バインダ−樹脂は、軟
化温度が110〜170℃の範囲であることが好ましい
る。これは、軟化温度が110℃未満であるとトナーと
しての非オフセット性が低下する傾向にあり、逆に17
0℃を超えるとトナーとしての定着性が低下する傾向に
あるためであり、さらに好ましくは120〜140℃の
範囲である。
【0026】本発明においては、上記のようなバインダ
ー樹脂をトナー中に88〜97重量%の範囲で含有され
ることが好ましく、さらに好ましくは90〜95重量%
の範囲である。これは、バインダー樹脂の含有量が88
重量%未満であると、トナーとしての非オフセット性が
低下する傾向にあり、逆に97重量%を超えるとトナー
の帯電安定性に劣る傾向にあるためである。本発明のト
ナーは、バインダー樹脂とともに着色剤、顔料、荷電制
御剤、オフセット防止剤、磁性粉等の添加剤を、例え
ば、二軸押出機やミキサー等の混練機を用いて、バイン
ダー樹脂の軟化温度よりも15〜30℃程度高い温度で
混練した後、微粉砕、分級を行いトナー化される。得ら
れたトナー粒子は、平均粒径が5〜20μm程度、好ま
しくは8〜15μm程度であり、粒径が5μm以下の微
粒子が3重量%未満であることが好ましい。
【0027】トナーに使用される着色剤、顔料、荷電制
御剤、オフセット防止剤、磁性粉は、通常使用されてい
るものでよく、例えば、カーボンブラック、ニグロシン
染料、ランプ黒、スーダンブラックSM、ネーブルイエ
ロー、ミネラルファーストイエロー、リソールレッド、
パーマネントオレンジ4R等の着色剤あるいは顔料、ニ
グロシン、アルキル基含有アジン系染料、塩基性染料、
モノアゾ染料あるいはその金属錯体、サリチル酸あるい
はその金属錯体、アルキルサルチル酸あるいはその金属
錯体、ナフトエ酸あるいはその金属錯体等の荷電制御
剤、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ポリプ
ロピレン共重合体等のオフセット防止剤、フェライト、
マグネタイト等の磁性粉が挙げられる。
【0028】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。実施例において、樹脂の物性、トナー特性は、以
下の方法で行った。ゲルパーミェーションクロマトグラフィーによる分子量
分布 :THFを溶剤とした0.04重量%の樹脂溶液を
PTFE膜(東ソー社製マイショリデイスクH−25−
5)で濾過し、3本のカラム(東ソー社製TSKgel
/GMHXLカラム)から構成されたゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(東ソー社製HCL−8020)
によって温度38℃で測定し、F2000/F700/
F288/F128/F80/F40/F20/F2/
A1000(東ソー社製ポリスチレン)およびスチレン
モノマーを用いた検量線にて、ポリスチレン換算により
求めた。なお、測定温度は38℃、検出器はRIにて行
った。
【0029】酸価:JIS K0070に準拠して滴定
法により測定した。揮発性成分量 :樹脂を50℃で24時間の予備乾燥を行
った後、200℃に加熱したオーブン中で2時間の乾燥
を行い、乾燥前後の重量の変化により求めた。また、オ
ーブンから取り出した際の樹脂の臭気を以下の基準で評
価した。 ○:臭気をほとんど感じない。 ×:臭気が感じられる。
【0030】定着温度領域:定着温度を自由に変えるこ
とのできる定着試験機を用いて、定着速度130mm/
秒、圧力20Kgでトナー像の定着を行い、定着された
トナー像にセロハンテープを貼り付け、初期濃度を0.
6として、セロハンテープを剥離した時の画像濃度の変
化率を測定し、剥離前後の画像濃度が80%となる定着
ローラの温度を定着下限温度とした。同様にしてトナー
像の定着を行い、定着ローラのトナーによる汚染状況を
目視で確認し、汚染開始最低温度を定着上限温度とし
た。
【0031】帯電安定性:コピー機を用いて連続して複
写を行い、複写枚数が2000枚、5000枚、100
00枚となった時点で、それぞれコピー機内のトナーを
取り出して帯電量を測定し、帯電量の安定性を以下の基
準で評価した。 ○:帯電量の変化がほとんどない。 ×:帯電量の変化が著しい。
【0032】実施例1 スチレン40重量部とアクリル酸n−ブチル10重量か
らなる単量体混合物に、重合開始剤として2,2−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)
プロパン(化薬アクゾ社製パーカドックス12)0.0
3重量部を溶解し、脱イオン水200重量部と部分鹸化
ポリビニルアルコ−ル(日本合成化学工業社製「ゴ−セ
ノ−ルGH−23」)0.2重量部との混合物中に添加
して撹拌する。次いで、130℃まで昇温して2時間、
高分子量重合体成分の懸濁重合を行った。この時の重合
反応率は約70%であった。その後、40℃まで冷却し
た高分子量重合体成分の分散液中に、スチレン40重量
部とアクリル酸n−ブチル10重量部からなる単量体混
合物と、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド3.
5重量部とt−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油
脂社製パーブチルZ)1重量部を添加し、130℃まで
昇温して3時間、低分子量重合体成分の懸濁重合を行っ
た。次いで、脱イオン水10重量部に水酸化ナトリウム
0.5重量部を溶解させたアルカリ水溶液を添加し30
分間のアルカリ処理を行った後、室温まで冷却し、十分
に洗浄、脱水して、乾燥を行い、高分子量重合体成分と
低分子量重合体成分とが均一に混合したスチレン−アク
リル系共重合体を得た。得られたスチレン−アクリル系
共重合体の分子量分布、酸価および揮発性成分量の測定
結果、臭気の評価結果を表1に示した。
【0033】得られたスチレン−アクリル系共重合体を
バインダー樹脂として93重量部に、カーボンブラック
(三菱化成社製#40)5重量部、荷電制御剤(オリエ
ント化学工業社製「ボントロンS−34」)1重量部お
よびポリプロピレンワックス(三洋化成社製660P)
1重量部を配合し、2軸押出機を用いて150℃で訳5
分間溶融混練した。次いで、ジェットミル粉砕機を用い
て粉砕し、分級して粒子径が5〜15μmのトナーを得
た。得られたトナーの定着温度領域、帯電安定性の評価
結果を表1に示した。
【0034】実施例2 スチレン40重量部とアクリル酸n−ブチル10重量か
らなる単量体混合物に、重合開始剤として2,2−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)
プロパン(化薬アクゾ社製パーカドックス12)0.0
3重量部を溶解し、脱イオン水200重量部と部分鹸化
ポリビニルアルコ−ル(日本合成化学工業社製「ゴ−セ
ノ−ルGH−23」)0.2重量部との混合物中に添加
して撹拌する。次いで、130℃まで昇温して2時間、
高分子量重合体成分の懸濁重合を行った。この時の重合
反応率は約70%であった。その後、40℃まで冷却し
た高分子量重合体成分の分散液中に、スチレン40重量
部とアクリル酸n−ブチル10重量部からなる単量体混
合物と、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド5重
量部とt−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂社
製パーブチルZ)1重量部を添加し、130℃まで昇温
して3時間、低分子量重合体成分の懸濁重合を行った。
次いで、脱イオン水10重量部に水酸化ナトリウム0.
5重量部を溶解させたアルカリ水溶液を添加し60分間
のアルカリ処理を行った後、室温まで冷却し、十分に洗
浄、脱水して、乾燥を行い、高分子量重合体成分と低分
子量重合体成分とが均一に混合したスチレン−アクリル
系共重合体を得た。得られたスチレン−アクリル系共重
合体の分子量分布、酸価および揮発性成分量の測定結
果、臭気の評価結果を表1に示した。
【0035】得られたスチレン−アクリル系共重合体を
バインダー樹脂として93重量部に、カーボンブラック
(三菱化成社製#40)5重量部、荷電制御剤(オリエ
ント化学工業社製「ボントロンS−34」)1重量部お
よびポリプロピレンワックス(三洋化成社製660P)
1重量部を配合し、2軸押出機を用いて150℃で訳5
分間溶融混練した。次いで、ジェットミル粉砕機を用い
て粉砕し、分級して粒子径が5〜15μmのトナーを得
た。得られたトナーの定着温度領域、帯電安定性の評価
結果を表1に示した。
【0036】実施例3 スチレン56重量部とアクリル酸n−ブチル14重量か
らなる単量体混合物に、重合開始剤として2,2−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)
プロパン(化薬アクゾ社製パーカドックス12)0.0
3重量部を溶解し、脱イオン水200重量部と部分鹸化
ポリビニルアルコ−ル(日本合成化学工業社製「ゴ−セ
ノ−ルGH−23」)0.2重量部との混合物中に添加
して撹拌する。次いで、130℃まで昇温して2時間、
高分子量重合体成分の懸濁重合を行った。この時の重合
反応率は約70%であった。その後、40℃まで冷却し
た高分子量重合体成分の分散液中に、スチレン24重量
部とアクリル酸n−ブチル6重量部からなる単量体混合
物と、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド5重量
部とt−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂社製
パーブチルZ)1重量部を添加し、130℃まで昇温し
て3時間、低分子量重合体成分の懸濁重合を行った。次
いで、脱イオン水10重量部に水酸化ナトリウム0.5
重量部を溶解させたアルカリ水溶液を添加し60分間の
アルカリ処理を行った後、室温まで冷却し、十分に洗
浄、脱水して、乾燥を行い、高分子量重合体成分と低分
子量重合体成分とが均一に混合したスチレン−アクリル
系共重合体を得た。得られたスチレン−アクリル系共重
合体の分子量分布、酸価および揮発性成分量の測定結
果、臭気の評価結果を表1に示した。
【0037】得られたスチレン−アクリル系共重合体を
バインダー樹脂として93重量部に、カーボンブラック
(三菱化成社製#40)5重量部、荷電制御剤(オリエ
ント化学工業社製「ボントロンS−34」)1重量部お
よびポリプロピレンワックス(三洋化成社製660P)
1重量部を配合し、2軸押出機を用いて150℃で訳5
分間溶融混練した。次いで、ジェットミル粉砕機を用い
て粉砕し、分級して粒子径が5〜15μmのトナーを得
た。得られたトナーの定着温度領域、帯電安定性の評価
結果を表1に示した。
【0038】実施例4 スチレン24重量部とアクリル酸n−ブチル6重量から
なる単量体混合物に、重合開始剤として2,2−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)
プロパン(化薬アクゾ社製パーカドックス12)0.0
3重量部を溶解し、脱イオン水200重量部と部分鹸化
ポリビニルアルコ−ル(日本合成化学工業社製「ゴ−セ
ノ−ルGH−23」)0.2重量部との混合物中に添加
して撹拌する。次いで、130℃まで昇温して2時間、
高分子量重合体成分の懸濁重合を行った。この時の重合
反応率は約70%であった。その後、40℃まで冷却し
た高分子量重合体成分の分散液中に、スチレン56重量
部とアクリル酸n−ブチル24重量部からなる単量体混
合物と、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド5重
量部とt−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂社
製パーブチルZ)1重量部を添加し、130℃まで昇温
して3時間、低分子量重合体成分の懸濁重合を行った。
次いで、脱イオン水10重量部に水酸化ナトリウム0.
5重量部を溶解させたアルカリ水溶液を添加し60分間
のアルカリ処理を行った後、室温まで冷却し、十分に洗
浄、脱水して、乾燥を行い、高分子量重合体成分と低分
子量重合体成分とが均一に混合したスチレン−アクリル
系共重合体を得た。得られたスチレン−アクリル系共重
合体の分子量分布、酸価および揮発性成分量の測定結
果、臭気の評価結果を表1に示した。
【0039】得られたスチレン−アクリル系共重合体を
バインダー樹脂として93重量部に、カーボンブラック
(三菱化成社製#40)5重量部、荷電制御剤(オリエ
ント化学工業社製「ボントロンS−34」)1重量部お
よびポリプロピレンワックス(三洋化成社製660P)
1重量部を配合し、2軸押出機を用いて150℃で訳5
分間溶融混練した。次いで、ジェットミル粉砕機を用い
て粉砕し、分級して粒子径が5〜15μmのトナーを得
た。得られたトナーの定着温度領域、帯電安定性の評価
結果を表1に示した。
【0040】比較例1 スチレン40重量部とアクリル酸n−ブチル10重量か
らなる単量体混合物に、重合開始剤として2,2−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)
プロパン(化薬アクゾ社製パーカドックス12)0.0
3重量部を溶解し、脱イオン水200重量部と部分鹸化
ポリビニルアルコ−ル(日本合成化学工業社製「ゴ−セ
ノ−ルGH−23」)0.2重量部との混合物中に添加
して撹拌する。次いで、130℃まで昇温して2時間、
高分子量重合体成分の懸濁重合を行った。この時の重合
反応率は約70%であった。その後、40℃まで冷却し
た高分子量重合体成分の分散液中に、スチレン40重量
部とアクリル酸n−ブチル10重量部からなる単量体混
合物と、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド5重
量部とt−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂社
製パーブチルZ)1重量部を添加し、130℃まで昇温
して3時間、低分子量重合体成分の懸濁重合を行った。
次いで、室温まで冷却し、十分に洗浄、脱水して、乾燥
を行い、高分子量重合体成分と低分子量重合体成分とが
均一に混合したスチレン−アクリル系共重合体を得た。
得られたスチレン−アクリル系共重合体の分子量分布、
酸価および揮発性成分量の測定結果、臭気の評価結果を
表1に示した。
【0041】得られたスチレン−アクリル系共重合体を
バインダー樹脂として93重量部に、カーボンブラック
(三菱化成社製#40)5重量部、荷電制御剤(オリエ
ント化学工業社製「ボントロンS−34」)1重量部お
よびポリプロピレンワックス(三洋化成社製660P)
1重量部を配合し、2軸押出機を用いて150℃で訳5
分間溶融混練した。次いで、ジェットミル粉砕機を用い
て粉砕し、分級して粒子径が5〜15μmのトナーを得
た。得られたトナーの定着温度領域、帯電安定性の評価
結果を表1に示した。
【0042】比較例2 スチレン40重量部とアクリル酸n−ブチル10重量か
らなる単量体混合物に、重合開始剤としてベンゾイルパ
ーオキシド0.5重量部を溶解し、脱イオン水200重
量部と部分鹸化ポリビニルアルコ−ル(日本合成化学工
業社製「ゴ−セノ−ルGH−23」)0.2重量部との
混合物中に添加して撹拌する。次いで、90℃まで昇温
して2時間、高分子量重合体成分の懸濁重合を行った。
この時の重合反応率は約70%であった。その後、40
℃まで冷却した高分子量重合体成分の分散液中に、スチ
レン40重量部とアクリル酸n−ブチル10重量部から
なる単量体混合物と、重合開始剤としてベンゾイルパー
オキシド3.5重量部とt−ブチルパーオキシベンゾエ
ート(日本油脂社製パーブチルZ)1重量部を添加し、
130℃まで昇温して3時間、低分子量重合体成分の懸
濁重合を行った。次いで、脱イオン水10重量部に水酸
化ナトリウム0.5重量部を溶解させたアルカリ水溶液
を添加し60分間のアルカリ処理を行った後、室温まで
冷却し、十分に洗浄、脱水して、乾燥を行い、高分子量
重合体成分と低分子量重合体成分とが均一に混合したス
チレン−アクリル系共重合体を得た。得られたスチレン
−アクリル系共重合体の分子量分布、酸価および揮発性
成分量の測定結果、臭気の評価結果を表1に示した。
【0043】得られたスチレン−アクリル系共重合体を
バインダー樹脂として93重量部に、カーボンブラック
(三菱化成社製#40)5重量部、荷電制御剤(オリエ
ント化学工業社製「ボントロンS−34」)1重量部お
よびポリプロピレンワックス(三洋化成社製660P)
1重量部を配合し、2軸押出機を用いて150℃で訳5
分間溶融混練した。次いで、ジェットミル粉砕機を用い
て粉砕し、分級して粒子径が5〜15μmのトナーを得
た。得られたトナーの定着温度領域、帯電安定性の評価
結果を表1に示した。
【0044】比較例3 スチレン72重量部とアクリル酸n−ブチル8重量から
なる単量体混合物に、重合開始剤として2,2−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)
プロパン(化薬アクゾ社製パーカドックス12)0.0
3重量部を溶解し、脱イオン水200重量部と部分鹸化
ポリビニルアルコ−ル(日本合成化学工業社製「ゴ−セ
ノ−ルGH−23」)0.2重量部との混合物中に添加
して撹拌する。次いで、130℃まで昇温して2時間、
高分子量重合体成分の懸濁重合を行った。この時の重合
反応率は約70%であった。その後、40℃まで冷却し
た高分子量重合体成分の分散液中に、スチレン16重量
部とアクリル酸n−ブチル4重量部からなる単量体混合
物と、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド3.5
重量部とt−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂
社製パーブチルZ)1重量部を添加し、130℃まで昇
温して3時間、低分子量重合体成分の懸濁重合を行っ
た。次いで、脱イオン水10重量部に水酸化ナトリウム
0.5重量部を溶解させたアルカリ水溶液を添加し60
分間のアルカリ処理を行った後、室温まで冷却し、十分
に洗浄、脱水して、乾燥を行い、高分子量重合体成分と
低分子量重合体成分とが均一に混合したスチレン−アク
リル系共重合体を得た。得られたスチレン−アクリル系
共重合体の分子量分布、酸価および揮発性成分量の測定
結果、臭気の評価結果を表1に示した。
【0045】得られたスチレン−アクリル系共重合体を
バインダー樹脂として93重量部に、カーボンブラック
(三菱化成社製#40)5重量部、荷電制御剤(オリエ
ント化学工業社製「ボントロンS−34」)1重量部お
よびポリプロピレンワックス(三洋化成社製660P)
1重量部を配合し、2軸押出機を用いて150℃で訳5
分間溶融混練した。次いで、ジェットミル粉砕機を用い
て粉砕し、分級して粒子径が5〜15μmのトナーを得
た。得られたトナーの定着温度領域、帯電安定性の評価
結果を表1に示した。
【0046】比較例4 スチレン40重量部とアクリル酸n−ブチル10重量か
らなる単量体混合物に、重合開始剤として2,2−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)
プロパン(化薬アクゾ社製パーカドックス12)0.0
3重量部を溶解し、脱イオン水200重量部と部分鹸化
ポリビニルアルコ−ル(日本合成化学工業社製「ゴ−セ
ノ−ルGH−23」)0.2重量部との混合物中に添加
して撹拌する。次いで、130℃まで昇温して2時間、
高分子量重合体成分の懸濁重合を行った。この時の重合
反応率は約70%であった。その後、40℃まで冷却し
た高分子量重合体成分の分散液中に、スチレン40重量
部とアクリル酸n−ブチル10重量部からなる単量体混
合物と、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド3.
5重量部を添加し、130℃まで昇温して3時間、低分
子量重合体成分の懸濁重合を行った。次いで、脱イオン
水10重量部に水酸化ナトリウム0.5重量部を溶解さ
せたアルカリ水溶液を添加し60分間のアルカリ処理を
行った後、室温まで冷却し、十分に洗浄、脱水して、乾
燥を行い、高分子量重合体成分と低分子量重合体成分と
が均一に混合したスチレン−アクリル系共重合体を得
た。得られたスチレン−アクリル系共重合体の分子量分
布、酸価および揮発性成分量の測定結果、臭気の評価結
果を表1に示した。
【0047】得られたスチレン−アクリル系共重合体を
バインダー樹脂として93重量部に、カーボンブラック
(三菱化成社製#40)5重量部、荷電制御剤(オリエ
ント化学工業社製「ボントロンS−34」)1重量部お
よびポリプロピレンワックス(三洋化成社製660P)
1重量部を配合し、2軸押出機を用いて150℃で訳5
分間溶融混練した。次いで、ジェットミル粉砕機を用い
て粉砕し、分級して粒子径が5〜15μmのトナーを得
た。得られたトナーの定着温度領域、帯電安定性の評価
結果を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明は、バインダー樹脂を構成する高
分子量重合体成分と低分子量重合体成分の分子量分布を
制御することによって、トナーの定着性と非オフセット
性とのバランスをとり、揮発性成分の含有量を特定量以
下とすることによってトナーの臭気を抑え、酸価を特定
値以下とすることによってトナーの帯電安定性を向上さ
せることができる優れたトナー用バインダー樹脂および
トナ−を提供できるものである。
フロントページの続き (72)発明者 田尻 象運 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子量重合体成分および低分子量重合
    体成分よりなる懸濁重合法によって重合されたスチレン
    −アクリル系共重合体からなり、ゲルパーミェーション
    クロマトグラフィーによる分子量分布において、高分子
    量重合体成分のピークトップの分子量(MH )が1×1
    05 〜3×105 の範囲にあり、低分子量重合体成分の
    ピークトップの分子量(ML )が2×103 〜3×10
    4 の範囲にあり、高分子量重合体成分と低分子量重合体
    成分のピークトップの分子量の比(MH /ML )が10
    〜40、高分子量重合体成分のピークトップの強度(P
    H )と低分子量重合体成分のピークトップの強度
    (PL )の比(PH /PL )が0.14〜1であり、2
    00℃で2時間の乾燥を行った後の揮発性成分の含有量
    が0.5重量%以下、酸価が1mgKOH/g以下であ
    ることを特徴とするトナー用バインダー樹脂。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のバインダー樹脂を含有す
    ることを特徴とするトナー。
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Cited By (3)

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