JP3662875B2 - アクリル樹脂粒子 - Google Patents

アクリル樹脂粒子 Download PDF

Info

Publication number
JP3662875B2
JP3662875B2 JP2001329747A JP2001329747A JP3662875B2 JP 3662875 B2 JP3662875 B2 JP 3662875B2 JP 2001329747 A JP2001329747 A JP 2001329747A JP 2001329747 A JP2001329747 A JP 2001329747A JP 3662875 B2 JP3662875 B2 JP 3662875B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outer layer
copolymer
inner layer
hydrophilic monomer
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001329747A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003128736A (ja
Inventor
光弘 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Negami Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Negami Chemical Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Negami Chemical Industrial Co Ltd filed Critical Negami Chemical Industrial Co Ltd
Priority to JP2001329747A priority Critical patent/JP3662875B2/ja
Publication of JP2003128736A publication Critical patent/JP2003128736A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3662875B2 publication Critical patent/JP3662875B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層構造のアクリル樹脂粒子に関し、更に詳しくは柔軟性に加え、常温における優れた取り扱い性も有し、他の樹脂にブレンドする耐衝撃性改質剤の他、軟質材用途、ホットメルト接着剤、積層用樹脂、感圧性接着剤などに利用しうるアクリル樹脂粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性アクリル系樹脂、例えばメタクリル酸エステル系樹脂は、その耐候性や透明性において特に優れているが、柔軟性が十分でないために耐衝撃性に劣るという欠点がある。このようなメタクリル酸エステル系樹脂に限らず硬質な樹脂の耐衝撃性を改善するには、ガラス転移点の低い樹脂からなる改質剤を、これに混練りし成形する方法が知られている。
しかしながら、ガラス転移点が0℃以下の樹脂からなる改質剤においては、耐衝撃性の改善に有効であるものの、常温では改質剤粒子がシート状にブロッキング(凝集)してしまい、そのままでは、射出成型機や押出機などの成型機にホッパーを経由し投入して使用することが出来ないという欠点がある。
【0003】
また、ある種のアクリル酸エステル系樹脂は、接着剤の用途に使用されているが、その低いガラス転移温度のため、樹脂に粘着性があり、樹脂単体での取扱性が悪いという欠点がある。
【0004】
これらの問題を解決するために、従来から種々の方法が提案されている。たとえば、特開平3−15648号公報に記載されているように、乳化重合により多層構造粒子を重合し、その粒子の内層はアクリル酸エステル系樹脂を主体とした架橋弾性体とし、外層を硬質のメタクリル酸エステル系樹脂として、取扱性を良くしたものが提案されている。
しかし、この多層構造粒子では、その内部が架橋構造であるために、加熱溶融時に流動性に劣るという欠点があり、乳化重合において残存する乳化剤により接着剤及び成型品の品位に悪影響を及ぼす欠点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の問題点を解決するものであり、柔軟性に加え、常温における優れた取扱性も有するため、他の樹脂にブレンドする耐衝撃性改質剤の他、軟質材用途、ホットメルト接着剤、積層用樹脂、感圧性接着剤などに好ましく利用することが出来るアクリル樹脂粒子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、ガラス転移温度が0℃以下のアクリル酸エステル共重合物を主体とする内層と、ガラス転移温度が60℃以上のメタクリル酸エステル共重合物を主体とする外層からなる多層構造を有し、外層のメタクリル酸エステル共重合物が、親水性単量体を0.5重量%以上共重合しており、かつ内層のアクリル酸エステル共重合物が、親水性単量体を外層におけるそれの共重合率未満共重合しており、粒径が10〜1000μmであるアクリル樹脂粒子である。
【0007】
請求項2にかかる発明は、内層と外層との比率が重量比で50/50〜95/5である請求項1に記載のアクリル樹脂粒子である。
【0008】
請求項3にかかる発明は、メタクリル酸エステルと親水性単量体を0.5重量%以上含む単量体を重合して外層となるべき樹脂を得た後、この樹脂を、内層となるべきアクリル酸エステルと上記外層となるべき樹脂に含まれる親水性単量体よりも少量の親水性単量体を含む単量体に溶解して溶液とし、この溶液を懸濁重合して、ガラス転移温度が0℃以下のアクリル酸エステル共重合物を主体とする内層と、ガラス転移温度が60℃以上のメタクリル酸エステル共重合物を主体とする外層からなる多層構造を有し、外層のメタクリル酸エステル共重合物は、親水性単量体を0.5重量%以上共重合しており、かつ内層のアクリル酸エステル共重合物は、親水性単量体を外層におけるそれの共重合率未満で共重合しており、粒径が10〜1000μmであるアクリル樹脂粒子を製造する方法である。
請求項4にかかる発明は、請求項1または2に記載のアクリル樹脂粒子を配合した樹脂組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に基づいて詳しく説明する。
本発明のアクリル樹脂粒子とは、内外層構造の多層粒子であり、この内層はアクリル酸エステル共重合物を含有するガラス転移温度が0℃以下である樹脂からなり、また外層はメタクリル酸エステル共重合物を含有するガラス転移温度が60℃以上である樹脂からなる多層構造の粒子である。
【0010】
本発明において、内層を構成するアクリル酸エステル共重合物のガラス転移温度は0℃以下が好ましく、より好ましくは−10℃以下である。ガラス転移温度が0℃以上ではその柔軟性、耐衝撃性などの効果が十分でない。
【0011】
また、外層を構成するメタクリル酸エステル共重合物としては、ガラス転移温度が60℃以上、好ましくは70℃以上の物を使用する。ガラス転移温度が60℃以下ではその常温での取扱性が低下する。
【0012】
本発明における内層、外層をなすアクリル酸エステル共重合物とメタクリル酸エステル共重合物に使用されるアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの単量体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸及びその誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸及びその誘導体等が挙げられる。
【0013】
本発明における内層、外層をなすアクリル酸エステル共重合物とメタクリル酸エステル共重合物に共重合される親水性単量体(以下、親水性を有する単量体と言うこともある。)には、水溶性の単量体が使用できる。
水溶性の単量体としては、少なくとも1個の酸基及び/若しくはその塩形成基[カルボン酸(塩)基、スルホン酸(塩)基、硫酸(塩)基、燐酸(塩)基等]、水酸基、アミド基、アミノ基、4級アンモニウム塩基等の親水性基を有する単量体が挙げられ、アニオン性、非イオン性、カチオン性単量体に分類できる。
【0014】
アニオン性もしくはアニオン性になる単量体で、カルボン酸基を有する単量体としては、不飽和モノカルボン酸、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸等;不飽和ジカルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等;不飽和ジカルボン酸(上記)のモノアルキル(炭素数1〜8)エステル、例えばマレイン酸モノブチルエステル、フマル酸モノブチルエステル、マレイン酸のエチルカルビトールモノエステル、フマル酸のエチルカルビトールモノエステル、シトラコン酸モノブチルエステル、イタコン酸グリコールモノエステル等のカルボキシル基含有ビニル系単量体等が挙げられる。
【0015】
スルホン酸基を有する単量体としては、炭素数2〜30の脂肪族または芳香族ビニルスルホン酸類、例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸;スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸;(メタ)アクリルアルキルスルホン酸類[(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロキシエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸];アルキル(炭素数3〜18)(メタ)アリルスルホコハク酸エステル等が挙げられる。
【0016】
硫酸エステルを有する単量体としては、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレートの硫酸エステル化物[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの硫酸エステル化物等];ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(炭素数2〜4:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル化物[ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル化物等]等が挙げられる。
【0017】
燐酸基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)の燐酸モノエステル[例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルのモノホスフェート等]、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)の燐酸ジエステル[例えばフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等]、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数2〜6)ホスホン酸類[例えば、2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸等]等が挙げられる。
【0018】
非イオン性の単量体で水酸基を有する単量体としては、例えば、モノエチレン性不飽和アルコール[例えば、(メタ)アリルアルコール等];2価〜6価又はそれ以上のポリオール(例えば、炭素数2〜20のアルキレングリコール、グリセリン、ポリアルキレン(炭素数2〜4)グリコール(分子量106〜2000)等)のモノエチレン性不飽和エステルまたはエーテル[例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ−オキシエチレン−オキシプロピレン(ランダムまたはブロック)グリコールモノ(メタ)アリルエーテル(末端の水酸基はエーテル化またはエステル化されていてもよい)等]などが挙げられる。
【0019】
アミド基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリルアミド[例えば、N−メチルアクリルアミドなど]、N,N−ジアルキル(炭素数1〜8)アクリルアミド[例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジ−n−またはi−プロピルアクリルアミドなど]、N−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリルアミド[例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなど];N,N−ジヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリルアミド[例えば、N,N−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなど]、ビニルラクタム類[例えば、N−ビニルピロリドン等]などが挙げられる。
【0020】
カチオン性またはカチオン性になる単量体でアミノ基を有する単量体としては、モノエチレン性不飽和モノ−またはジ−カルボン酸のアミノ基含有エステル、例えばジアルキル(炭素数1〜8)アミノアルキル(炭素数2〜10)(メタ)アクリレート、ジヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)アミノアルキル(炭素数2〜10)エステル、モルホリノアルキル(炭素数1〜8)エステル等[例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、 ジメチルアミノエチルフマレートなど];モノエチレン性不飽和モノ−またはジ−カルボン酸のアミノ基含有アミド、例えばモノアルキル(炭素数2〜10)(メタ)アクリルアミド等[例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等];複素環式ビニル化合物[例えば、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピリジン等のビニルピリジン類、N−ビニルイミダゾール等];ジアリルアミン等が挙げられる。
【0021】
第4級アンモニウム基を有する単量体としては、3級アミノ基含有ビニル系単量体の4級化物(前記3級アミノ基含有ビニル系単量体を炭素数1〜8のアルキル化剤例えばメチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)、例えば、トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレート・クロライド、メチルジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート・メトサルフェート、トリメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド・クロライド、ジエチルベンジルアミノエチル(メタ)アクリルアミド・クロライド等が挙げられる。
【0022】
これらのうち好ましいものは、カルボン酸(塩)基、スルホン酸(塩)基、アミド基を有する単量体であり、特に好ましくは(メタ)アクリル酸(塩)、(メタ)アクリルアミドである。これら単量体は単独で使用してもよく、また、必要により2種以上を併用してもよい。
【0023】
これらの他に、本発明の内層となるべきアクリル酸エステル共重合物と、外層となるべきメタクリル酸エステル共重合物とには、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシスチレン等のスチレン類、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリロニトリルなどの単量体を共重合することができる。
【0024】
外層における親水性を有する単量体の含有量(共重合率)が0.5重量%未満では、メタクリル酸エステル共重合物を外層に形成することが困難となる。また、この含有量(共重合率)が0.5重量%以上であっても、内層における親水性を有する単量体の含有量(共重合率)が外層における親水性を有する単量体の含有量を上回ると、メタクリル酸エステル共重合物を外層に形成することが困難になる。
【0025】
本発明のアクリル樹脂粒子の内層と外層の割合、すなわち内層/外層が重量比で50/50〜95/5、好ましくは60/40〜90/10である。内層の比率が少なすぎると柔軟性の効果が小さくなり、また、大きすぎると取扱性が悪くなる。
【0026】
また、本発明では、アクリル樹脂粒子の本質的な性質を変えない範囲内で、内層、外層をなす各共重合物に、紫外線吸収剤、安定剤および着色剤などの添加剤を加えることができる。
【0027】
つぎに、本発明のアクリル樹脂粒子の製造方法を説明する。
まず、外層となるべきメタクリル酸エステルと親水性単量体を含む単量体を重合する。この時、親水性単量体の含有量は、全量の0.5重量%以上とされる。これにより、ガラス転移温度が60℃以上であるポリマーを製造する。この重合は、乳化重合、懸濁重合、溶液重合などの重合方法を採用することができる。
【0028】
次ぎに、内層となるべきアクリル酸エステルと親水性単量体を含む単量体に上記外層となるべきポリマーを溶解する。この時の親水性単量体の含有量は、上記外層となるべき単量体に含有される親水性単量体の含有量よりも少なくされる。その後、外層となるべきポリマーを溶解した溶液に、重合開始剤を投入する。つづいて、この溶液を懸濁重合する。
【0029】
これにより、ガラス転移温度が0℃以下のアクリル酸エステル共重合物を主体とする内層と、ガラス転移温度が60℃以上のメタクリル酸エステル共重合物を主体とする外層からなる多層構造を有し、外層のメタクリル酸エステル共重合物が、親水性単量体を0.5重量%以上共重合しており、かつ内層のアクリル酸エステル共重合物が、親水性単量体を外層におけるそれの共重合率未満共重合しており、粒径が10〜1000μmの熱可塑性のアクリル樹脂粒子が得られる。
【0030】
この樹脂粒子は、分散液中に存在しているので順次洗浄し、脱水し、そして乾燥することにより固体として取扱性に優れたアクリル樹脂粒子を製造することができる。この製造方法では、懸濁重合により樹脂粒子を製造することで、乳化剤を含まず、乳化重合に比べて粒径が数μm〜1000μmと大きな粒子を得ることが出来るため、その後の取り扱いが容易であるなどの利点がある
【0031】
本発明の製造方法にて使用される重合開始剤としては、単量体組成物に可溶であることが好ましく、このような重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、その他のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボネート、その他の過酸化物系重合開始剤等が挙げられる。
【0032】
分散相には分散安定剤を添加することが好ましく、分散安定剤としては、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールのような有機化合物、硫酸カルシウム、燐酸三カルシウムのような水難溶性無機微粒子が使用可能である。このような分散安定剤の添加量は、分散相に対して0.2〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5重量%である。分散安定剤の添加量が0.2重量%より少ないと分散相の充分な分散安定性が得られにくく、20重量%より多いと重合反応から得られた懸濁重合粒子から分散安定剤を除去しにくくなる。
【0033】
さらに、分散安定剤の助剤として界面活性剤、例えばドデシルスルフォン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムなどを加えることも可能である。そのほか分散相に塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム等の中性塩を乳化防止の目的で加えてもよいまた重合反応して得られた懸濁重合粒子の合一を防ぐ目的で、グリセリン、エチレングリコール等の増粘剤を加えてもよい。
なお、本発明の製造方法において、重合温度、重合時間などを始めとする他の重合条件は適宜設定することができる。
【0034】
このようにして得られる本発明のアクリル樹脂粒子は、熱可塑性で、粒径10〜1000μmの球状粒子であり、高い耐衝撃性に加え、固体としての取扱性、優れた柔軟性も有するため、他の樹脂にブレンドする耐衝撃性改質剤の他、軟質材用途、ホットメルト接着剤、積層用樹脂、感圧性接着剤としても好ましく利用することもできる。
また、本発明の樹脂組成物は、このようなアクリル樹脂粒子を、硬質の樹脂、例えばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂などに1〜30wt%ブレンドし、その耐衝撃性を改善したものである。
【0035】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。なお、実施例中、単に部と表記したものは重量部を示す。
【0036】
実施例1
撹拌機を備えたガラス製の四口丸底フラスコに水1300部を入れ、分散安定剤としてポリビニルアルコール3部を溶解し、撹拌翼により300rpmで撹拌しつつ、外層となる、メタクリル酸メチル330部、メタクリル酸40部、アクリル酸ブチル30部、アクリロニトリル30部からなる単量体混合物と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4部を一括投入し、懸濁液を作成した。それを、撹拌継続下に反応系内を68℃まで昇温させ、4時間一定に保って反応させた。その後、室温(約25℃)まで冷却した。次いで、反応物を固液分離し、水で充分に洗浄した後、乾燥機を用いて70℃で12時間乾燥し、外層となるべきメタクリル酸エステル共重合物を得た。
【0037】
次に、上記共重合物40部を内層となるべきアクリル酸ブチル275部、アクリル酸エチル82部、アクリロニトリル43部からなる単量体混合液に混合し室温で12時間撹拌することにより溶解し、外層となるべき共重合物を溶解した内層となるべき単量体の溶液を得た。
【0038】
さらに、撹拌機を備えたガラス製の四口丸底フラスコに水1300部を入れ、分散安定剤としてポリビニルアルコール3部を溶解し、撹拌翼により300rpmで撹拌しつつ、上記溶液440部からなる単量体溶液と重合開始剤としてN,N’−アゾビスイソブチロニトリル4部を一括投入し、懸濁液を作成した。
【0039】
これを、撹拌継続下に反応系内を68℃まで昇温させ、4時間一定に保って反応させた。その後、室温(約25℃)まで冷却した。次いで、反応物を固液分離し、水で充分に洗浄した後、乾燥機を用いて70℃で12時間乾燥し、多層構造のアクリル樹脂粒子を作成した。この粒子は常温で粘着性を示さず、取扱性の良好な粒子状であった。
【0040】
この多層構造粒子10部と分子量Mw=10万よりなるポリメチルメタクリレート樹脂90部とをベント付き2軸押出機(池貝製PCM30型)を用いて240℃でペレット化した。得られたペレットを射出成型機(東芝機械製IS−100EN型)を用いて成形温度250℃、金型温度80℃で射出成形し、所定の試料片を作成し評価を行った。
【0041】
得られた試料片は、取扱性、柔軟性、耐衝撃性が良好であった。結果を表1に示す。
【0042】
実施例2
実施例1のメタクリル酸をスチレンスルホン酸ソーダ40部に変更した以外は実施例1と同様にしてアクリル樹脂粒子を得た。評価結果を表1に示す。
実施例3
実施例1のメタクリル酸メチルをメタクリル酸i−ブチル40部に変更した以外は実施例1と同様にしてアクリル樹脂粒子を得た。評価結果を表1に示す。
【0043】
比較例1
撹拌機を備えたガラス製の四口丸底フラスコに水1300部を入れ、分散安定剤としてポリビニルアルコール3部を溶解し、撹拌翼により300rpmで撹拌しつつ、メタクリル酸メチル30部、メタクリル酸4部、アクリル酸ブチル275部、アクリロニトリル46部、アクリル酸エチル82部からなる単量体混合物と重合開始剤としてN,N’−アゾビスイソブチロニトリル4部を一括投入し、懸濁液を作成した。
【0044】
これを、撹拌継続下に反応系内を68℃まで昇温させ、4時間一定に保って反応させた。その後、室温(約25℃)まで冷却した。次いで、反応物を固液分離し、水で充分に洗浄した後、乾燥機を用いて70℃で12時間乾燥し、多層構造を有しないアクリル樹脂粒子を得た。
この比較例1の樹脂粒子に使用した単量体の部数は実施例1の樹脂粒子の内層と外層に使用した部数と同一である。
【0045】
このアクリル樹脂粒子は、常温で粘着性を示し、取扱性の困難な状態であった。実施例1と同様に試料片を作成し評価をした。結果を表1に示す。
【0046】
比較例2
撹拌機を備えたガラス製の四口丸底フラスコに水1300部を入れ、分散安定剤としてポリビニルアルコール3部を溶解し、撹拌翼により300rpmで撹拌しつつ、外層となる、メタクリル酸メチル330部、メタクリル酸40部、アクリル酸ブチル30部、アクリロニトリル30部からなる単量体混合物と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4部を一括投入し、懸濁液を作成した。それを、撹拌継続下に反応系内を68℃まで昇温させ、4時間一定に保って反応させた。その後、室温(約25℃)まで冷却した。次いで、反応物を固液分離し、水で充分に洗浄した後、乾燥機を用いて70℃で12時間乾燥し、外層となるべきメタクリル酸エステル共重合物を得た。
【0047】
次に、上記共重合物40部を内層となるべきメタクリル酸メチル120部、アクリル酸エチル232部、アクリロニトリル42部からなる単量体混合液に混合し室温で12時間撹拌することにより溶解することにより、外層となるべき樹脂を溶解した内層となるべき単量体溶液を得た。
【0048】
さらに、撹拌機を備えたガラス製の四口丸底フラスコに水1300部を入れ、分散安定剤としてポリビニルアルコール3部を溶解した、撹拌翼により300rpmで撹拌しつつ、上記溶液440部からなる単量体溶液と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4部を一括投入し、懸濁液を作成した。
【0049】
これを、撹拌継続下に反応系内を68℃まで昇温させ、4時間一定に保って反応させた。その後、室温(約25℃)まで冷却した。次いで、反応物を固液分離し、水で充分に洗浄した後、乾燥機を用いて70℃で12時間乾燥し、多層構造のアクリル樹脂粒子を作成した。
【0050】
この樹脂粒子は、常温で粘着性を示さず、取扱性の良い粒子状であった。実施例1と同様に試料片を作成し評価をした。結果を表1に示す。
【0051】
評価方法
(1)取扱性は、目視で樹脂粒子の状態を確認して粒子が常温でブロッキングしている状態を×、ブロッキングしていない状態を○とした。
(2)柔軟性は、曲げ弾性率を ASTM D−790に準じて測定して、評価した。
(3)耐衝撃性は、作成したシート状の試料片に対して、デュポン式落錘衝撃試験を用いて、100gの重りを高さ500cmから落錘させたときの試料個数15個に対する対する、割れた個数にて測定した。
(4)ガラス転移温度は、JIS K7121に準じて測定した。評価に使用する試料片は、外層については使用する外層の共重合物をそのまま使用し、内層については多層構造の樹脂粒子の外層部分を削り取り、内層のみとした後、測定した。
【0052】
【表1】
Figure 0003662875
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、常温において優れた取扱性と柔軟性を有し、他の樹脂にブレンドする耐衝撃性改質剤の他、軟質材用途、ホットメルト接着剤、積層用樹脂、感圧性接着剤などに利用することができるアクリル樹脂粒子が得られる。

Claims (4)

  1. ガラス転移温度が0℃以下のアクリル酸エステル共重合物を主体とする内層と、ガラス転移温度が60℃以上のメタクリル酸エステル共重合物を主体とする外層からなる多層構造を有し、
    外層のメタクリル酸エステル共重合物は、親水性単量体を0.5重量%以上共重合しており、かつ内層のアクリル酸エステル共重合物は、親水性単量体を外層におけるそれの共重合率未満で共重合しており、
    粒径が10〜1000μmであるアクリル樹脂粒子。
  2. 内層と外層との比率が重量比で50/50〜95/5である請求項1に記載のアクリル樹脂粒子。
  3. メタクリル酸エステルと親水性単量体を0.5重量%以上含む単量体を重合して外層となるべき樹脂を得た後、
    この樹脂を、内層となるべきアクリル酸エステルと上記外層となるべき樹脂に含まれる親水性単量体よりも少量の親水性単量体を含む単量体に溶解して溶液とし、
    この溶液を懸濁重合して、
    ガラス転移温度が0℃以下のアクリル酸エステル共重合物を主体とする内層と、ガラス転移温度が60℃以上のメタクリル酸エステル共重合物を主体とする外層からなる多層構造を有し、
    外層のメタクリル酸エステル共重合物は、親水性単量体を0.5重量%以上共重合しており、かつ内層のアクリル酸エステル共重合物は、親水性単量体を外層におけるそれの共重合率未満で共重合しており、
    粒径が10〜1000μmであるアクリル樹脂粒子を製造する方法。
  4. 請求項1または2に記載のアクリル樹脂粒子を配合した樹脂組成物。
JP2001329747A 2001-10-26 2001-10-26 アクリル樹脂粒子 Expired - Fee Related JP3662875B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001329747A JP3662875B2 (ja) 2001-10-26 2001-10-26 アクリル樹脂粒子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001329747A JP3662875B2 (ja) 2001-10-26 2001-10-26 アクリル樹脂粒子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003128736A JP2003128736A (ja) 2003-05-08
JP3662875B2 true JP3662875B2 (ja) 2005-06-22

Family

ID=19145594

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001329747A Expired - Fee Related JP3662875B2 (ja) 2001-10-26 2001-10-26 アクリル樹脂粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3662875B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4891568B2 (ja) * 2005-05-26 2012-03-07 日本ペイント株式会社 塗料組成物
KR101379051B1 (ko) 2006-02-23 2014-03-28 미츠비시 레이온 가부시키가이샤 (메트)아크릴계 중합체 입자, 그 제조 방법, 플라스티졸 및물품
JP2008063475A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Nippon Zeon Co Ltd 重合体ラテックス、水性インク用樹脂及び水性インク用樹脂組成物
JP2010235834A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Kaneka Corp 熱可塑性エラストマー組成物
WO2016104201A1 (ja) * 2014-12-26 2016-06-30 ウィンテックポリマー株式会社 ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物
JP2016216060A (ja) * 2015-05-15 2016-12-22 旭化成株式会社 プレススルーパック包装体用蓋材及びプレススルーパック包装体、並びにそれらの製造方法
EP3778719A4 (en) * 2018-03-26 2021-05-19 Mitsubishi Chemical Corporation ACRYLIC RESIN POWDER, RESIN COMPOSITION, THERMAL MELT ADHESIVE COMPOSITION CONTAINING ACRYLIC RESIN POWDER AND PROCESS FOR PRODUCING THEM

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003128736A (ja) 2003-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1438253A (zh) 高固含量丙烯酸酯微乳液及其制备方法和应用
JP3662875B2 (ja) アクリル樹脂粒子
JP7302685B2 (ja) 共重合体、樹脂組成物、成形体、フィルム状成形体、及び共重合体の製造方法
JP2001220196A (ja) 分散剤組成物
JP2022083432A5 (ja)
JP5099286B2 (ja) 楕円球状有機ポリマー粒子およびその製造方法
CN102304206B (zh) 制备水性介质中pH不敏感的无表面活性剂的聚合物颗粒分散体的方法
JPH10182987A (ja) 摺動性樹脂組成物
CN101538347B (zh) 马来酰亚胺共聚物及其合成方法
JP6001263B2 (ja) アクリル系微粒子およびこれを含む拡散フィルム
JP4039263B2 (ja) トナー用結着樹脂の製造方法
JP2003041135A (ja) 水溶性高分子分散液及びその製造方法
EP0584376A1 (en) Spherical particle as dental plate material, production thereof, and dental plate resin composition
JPH0753730A (ja) 再分散性アクリル系エマルジョン粉末
JP7803190B2 (ja) 共重合体、樹脂組成物及び樹脂成形体
JP6877685B2 (ja) 複合凝集樹脂粒子群、並びに該粒子群の製造方法および該粒子群を含有する組成物
JP2003096113A (ja) 無機粒子含有水溶性重合体分散液、その製造方法及びその使用方法
JPS62141038A (ja) 制電性フイルムの製造方法
JPH07119079A (ja) 紙含浸用組成物及び含浸紙
CN115701438A (zh) 水性压克力树脂及其制造方法
JPH07165826A (ja) つや消しされた透明熱可塑性樹脂
KR20190076002A (ko) 중합체 에멀젼의 제조
JP5484999B2 (ja) 塗料用組成物
JP3216274B2 (ja) 新規な水性樹脂の製造方法
JPH0768315B2 (ja) ビニルシランと2塩基酸ジアリルエステルを含有する水性共重合体エマルジョン及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040730

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050324

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090401

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100401

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110401

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130401

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130401

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140401

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees