JP3673626B2 - 透光性物質の不均一性検査方法及びその装置 - Google Patents

透光性物質の不均一性検査方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトマスク用透明基板であるガラスサブストレートなどの透光性物質の光学的な不均一性(欠陥)を検査する方法及びその装置に係り、特に、鏡面仕上げされた表面での全反射の性質を利用することによって、透光性物質の不均一性を高感度、高速度に検出できるようにした透光性物質の不均一性検査方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路、フォトマスクなどの製造工程において、微細パターンの形成には、フォトリソグラフィー法が用いられている。例えば、半導体集積回路を製造する際には、高精度に研磨され鏡面仕上げされた透明基板上に遮光性膜(例えばクロム膜)によりパターンが形成されたフォトマスクを用いてパターンを転写している。このパターンの原盤とも言えるフォトマスクについての検査方法は、特開昭58―162038号公報に記載の面状態検査装置にみられるように、パターン面の微小な領域に光を集め、パターン面からの反射出力、透過出力を比較する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年においてはパターンの高密度化に伴い、上記方法のようにパターン面の検査のみならず、高精度に研磨され鏡面仕上げされた透明基板そのものの微小な欠陥も欠陥検出の対象となっている。また、上述した方法では、パターン面の微小な領域に光を集めることから検査領域が広い範囲にわたっている場合には何らかの手段を用いて光を走査する必要があり、検査領域の面積に比例して検査時間がかかることと、欠陥の有無によってパターン自体及び透明基板に対する反射光・透過光の光量の差異ないし変化があまり大きくなく、透明基板の微細な欠陥検出への適用は困難であった。
【0004】
このような問題点を解決するために、本発明者は、透光性物質の光学的な不均一性を高感度、高速度に検出できる透光性物質の不均一性検査方法及びその装置を先に提案した(特願平9―192763)。
【0005】
この発明は、鏡面仕上げされた表面を有する透光性物質の不均一部分の有無を検査するものであって、前記透光性物質の光路が光学的に均一の場合には前記表面で全反射が起こるように透光性物質内に光を導入し、透光性物質内に導入され伝播する光の光路中に不均一部分が存在するときに、前記表面から光が漏出することから透光性物質の不均一性を検出することを特徴とするものである。
【0006】
しかし、一般にフォトマスク用透明基板であるガラスサブストレートは石英基板を用いるが、上記の検査方法及び検査装置を用いて、石英基板の不均一性を検査する場合、石英材料固有の微視的な密度のゆらぎに起因して散乱(レーリー散乱)が起こり、石英基板全体がぼんやりと光ってしまうことが確認された。微小な欠陥を検査するためには導入する光の波長を短くするのがよいが、レーリー散乱の強度は波長の4乗に反比例するため、波長を短くするにつれて、欠陥から漏出する光の強度とレーリー散乱による光の強度とのコントラストが低下してしまい、微細な欠陥の検出が困難となるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点を解決すべく、透光性物質に存在する微細な欠陥をもダイナミックに検出できる方法及びその装置、即ち、透光性物質の光学的な不均一性を高感度・高速度に検出できる実用性の高い透光性物質の不均一性検査方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る透光性基板の不均一性検査方法は、鏡面仕上げされた少なくとも一対の主表面及び少なくとも一対の端面を有する透光性基板の不均一性を検査する透光性基板の不均一性検査方法であって
前記透光性基板は、この透光性基板にレーザー光を導入したときにその光路が光学的に均一の場合に、そのレーザー光を前記主表面及び端面の間で全反射を繰り返してほぼ透光性基板内に閉じ込められたような状態にできるものであり、
前記透光性基板に、この透光性基板の光路が光学的に均一の場合に、前記主表面及び端面の間で全反射を繰り返して透光性基板内にほぼ閉じ込められたような状態になるように少なくとも2つの異なる波長のレーザー光を導入し、
前記透光性基板に導入され伝播するレーザー光の光路中に不均一部分が存在するときに、前記導入したレーザー光の一部が前記透光性基板の主表面又は端面で全反射することなく、レーザー光に対応した波長の漏出光として外部に漏出することを利用し、前記漏出光を外部に配置した光検出手段でそれぞれ検出することによって前記透光性基板の不均一性を検査することを特徴とする。
【0009】
透光性物質に表面の傷等の不均一部分がなければ、透光性物質内に導入した光は表面で全反射して外部へは漏出しないが、不均一部分があると全反射条件が満足されず、透光性物質表面から光が漏れ出す。このように、物理的な臨界現象である幾何光学的な全反射を利用しているため、被検査物である透光性物質の不均一部分と均一部分における検査光に対する応答も臨界的であり、不均一性が劇的なコントラストで現れる。また、透光性物質表面の不均一性のみならず、内部の異物,不純物等による欠陥、あるいはガラスの脈理等に特徴的な、透過率は同じで屈折率だけが違う欠陥の検出に関しても、異物等のあるところや屈折率の違うところでは本来均一ならば通る光路(経路)を外れ、透光性物質外部へ漏れ出すことになるため検出可能になる。
【0010】
上記の原理に基づいて透光性物質の不均一性を検査するのであるが、透光性物質内に波長の異なる少なくとも2つの光を導入しているので、不均一性の検出がより容易となる。即ち、透光性物質内に導入された光は、透光性物質の微視的な密度のゆらぎに起因するレーリー散乱を受けるが、このレーリー散乱では、各波長の光が透光性物質内部の照射領域全体からそれぞれ一様に散乱されて外部に出てくるため、レーリー散乱光は、異なる波長の光が混合した色の光となる。これに対し、透光性物質の傷等の不均一による漏出光は、各波長の色の光が不均一部分よりそれぞれ漏出(異なる出射方向あるいは出射位置から漏出)する。このため、光の色(波長)の違いによって、レーリー散乱光と透光性物質の傷等の不均一による漏出光との区別が明確となり、傷等の不均一部分の検出が容易となる。例えば、導入する光として、波長543nmのグリーンレーザー光(緑)と、波長633nmのHe‐Neレーザー光(赤)とを用いた場合、レーリー散乱光は前記2つの光が混合した黄色となるが、不均一部分からの漏出光は、それぞれ導入したレーザー光である緑色や赤色の光となるので、検出し易くなる。
【0011】
上記不均一性検査方法において、透光性物質の不均一性を、透光性物質内に導入した光のうち何れか1つの波長の光が漏出することによって検出するようにすると、レーリー散乱光によるコントラストの低下を、光の色の違いによって簡易に防止できる。
【0012】
また、透光性物質の不均一性を、透光性物質内に導入した波長の異なる光が混合された光を除外して検出することによって、レーリー散乱光の影響を排除でき、不均一部分からの検出光がコントラスト良く現れるので、高性能・高精度の検査が実現できる。混合された光を除外するには、例えば、混合された光の波長域を吸収あるいは反射する(色)フィルターを利用して、混合された光をカットすればよい。
【0013】
更に、透光性物質内に導入する光のうち、ある一つの波長の光は透光性物質内全域に光が満たされる条件(例えば、ガラスサブストレートの場合、コーナーの面取り部からの光の導入)で導入し、別の波長の光は透光性物質の一表面から該表面内で光の入射位置を移動させて導入することにより、一つの波長の光のみ移動するだけで、透光性物質全域の不均一性を簡単且つ迅速に検出することが可能となるので好ましい。
【0014】
また、本発明にかかる透光性基板の不均一性検査装置は、鏡面仕上げされた少なくとも一対の主表面及び少なくとも一対の端面を有する透光性基板の不均一性を検査する透光性基板の不均一性検査装置であって
前記透光性基板は、この透光性基板にレーザー光を導入したときにその光路が光学的に均一の場合に、そのレーザー光を前記主表面及び端面の間で全反射を繰り返してほぼ透光性基板内に閉じ込められたような状態にできるものであり、
前記透光性基板に、この透光性基板の光路が光学的に均一の場合に、前記主表面及び端面の間で全反射を繰り返して透光性基板内にほぼ閉じ込められたような状態になるように少なくとも2つの異なる波長のレーザー光を導入する照明手段と、
前記透光性基板に導入され伝播するレーザー光の光路中に不均一部分が存在するときに、前記導入したレーザー光の一部が前記透光性基板の主表面又は端面で全反射することなく、レーザー光に対応した波長の漏出光として外部に漏出することを利用し、前記漏出光を検出する光検出手段とを有することを特徴とする。
【0015】
上記不均一性検査装置において、照明手段のうち少なくとも1つの波長の光の入射位置を移動させる移動手段を設けると、透光性物質の全域を迅速に検査可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は本発明の透光性物質の不均一性検査装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【0017】
図1において、1は被検査対象である光学ガラス等のガラスからなる透明基板である。透明基板1は、図2に示すように、主表面(表面及び裏面)Hと端面(T面及び面取り部のC面からなる)とで区画され、いずれの面も鏡面研磨した後、洗浄処理されている。透明基板1は、その表面での全反射が阻害されず且つ漏出光の検査を容易とするために、フォルダーによってできるだけ接触部分を少なくして水平に保持される。図4は、透明基板1のフォルダーの一例を示すもので、フォルダー10は透明基板1を保持する矩形の枠体形状をなし、フォルダー10の底部内周側の四隅には、透明基板1の底面隅部を支持するための受け部11が形成されており、各受け部11には透明基板1と点状に接触して支持する球体12が設けられている。
【0018】
この透明基板1に対して、不均一性を検査するための光を透明基板1の側面側から導入するための照明手段が設けられている。照明手段は、異なる2つの波長λ1、λ2のレーザー光L1、L2をそれぞれ透明基板1内に導入するために、光源として2つのレーザー21、22を用いている。一方のレーザー21には、波長λ1のレーザー光L1を透明基板1の辺aのC面に所定の入射角度で入射させるためのミラー31、41が設けられている。ミラー31、41は透明基板1に対する入射角度を変動制御するための入射角度調整手段5を備えており、透明基板1内に導入されたレーザー光L1が全反射を起こす範囲内で入射角度を変動させて入射させることができるようになっている。
【0019】
また、もう一方のレーザー22に対しても同一構成のミラー32、42と入射角度調整手段5が設けられており、透明基板1の辺aと平行な辺cのC面に所定の入射角度で入射できるようになっている。レーザー21側の照明手段とレーザー22側の照明手段とは、透明基板1に対しそれぞれ異なる入射方向及び/又は入射位置から同一領域に光を導入するように、即ち、レーザー光L1、L2が、一辺b(ないしd)方向に基板1を切断したときの一平面状(薄板状)の同一領域に照射されるように、基板1に対して対称的に配置されている。また、レーザー光L1、L2を透明基板1全域に照射できるように、透明基板1はフォルダーとともに辺a(ないしc)の方向に、図示省略の移動手段によって移動できるようになっている。
【0020】
また、透明基板1の上方には、透明基板1から漏出するレーザー光を検出するための検出手段が設けられている。検出手段は、波長λ1と波長λ2の光が加法混色された波長の光を遮断するフィルター6と、CCDカメラ8と、フィルター6を透過した光をCCDカメラ8のCCD面上に結像する結像光学系7とを有する。結像光学系7には、フィルター6を透過した異なる波長λ1、λ2の光がCCDカメラ8のCCD面の違う位置に焦点を結ばせるように、色収差の強い単レンズ等を用いる。CCDカメラ8には、検出した画像を処理するためのコンピューター等からなる画像処理装置9が接続されている。
【0021】
次に、図1の検査装置を用いて行った具体的な検査方法を述べる。透明基板1として、152.4×152.4×6.35mmの大きさで、C面の幅が0.4mmのフォトマスク用ガラス基板(ガラスサブストレート)を検査した。このガラス基板のC面から導入したレーザー光が、図2に示すように、ガラス基板内で最初に当たる主表面Hへの入射角θi が臨界角θc よりも大きくなるようにレーザー光を入射した。ガラス基板の屈折率は1.47で、臨界角θc が約42.9°なので、入射角θiを45.0°とした。レーザー21として波長543.5nm(緑)のグリーンレーザー(パワー(出力)0.5mW、ビーム径0.7mm、ビームの広がり角1mrad)を使用し、レーザー22として波長632.8nm(赤)のHe‐Neレーザー(パワー(出力)5.0mW、ビーム径0.8mm、ビームの広がり角1mrad)を使用した。
【0022】
透明基板(ガラス基板)1内に入射したレーザー光L1、L2は、図2に示すように、基板1の主表面及び端面で全反射を繰り返し、基板1内にほぼ閉じ込められたような状態となり、基板1をその一辺b方向に切断したときの一断面状の同一領域に照射される。この際、入射角度調整手段5により、レーザー光の入射角θiを全反射を満足する45.0°〜44.0°の範囲で連続的に変化させているので、入射角度の変化に応じて基板1内を伝播する光線軌跡も少しずつずれることになり、基板1内の一断面状の全領域を覆いつくすように伝播する。研磨時の異物混入等によって基板1表面に傷等があると、その傷の部分から光が漏れ出る。この漏れ出た光が検出手段によって検出される。こうして、図3(a)に示すように基板1を上方からみて、1ライン状の照射領域Fの検査ができ、この工程をフォルダーとともに基板1をその一辺aに沿って移動させて行うことにより、基板1全域の不均一性の検査が行える。
【0023】
全反射による伝播を考えてみると、基板内の光は均一部分での極めてわずかな吸収を除けば、通過している間に、全く光が弱まる要素がなく、基板中を伝播し続ける。そのため、照射した光のほとんど全てが結果的に不均一部分へ集中することとなり、非常にはっきりしたコントラストで不均一部分が鋭敏に現れる。従って、微小な傷等を高感度で検出できる。
【0024】
基板1内に導入されたレーザー光L1(緑色)、L2(赤色)は、基板1を構成するガラスの微視的な密度のゆらぎに起因するレーリー散乱を受けるが、レーリー散乱光は、レーザー光L1、L2に対して基板1内の照射領域F全体からそれぞれ一様に発生する。このため、レーリー散乱による漏出光は、緑色の光と赤色の光とが混合した黄色の光となり、1ライン状の照射領域F全体がぼんやりと黄色に光る。一方、基板1の傷等の不均一による漏出光は、緑色と赤色の光が不均一部分Pよりそれぞれ漏出する。
【0025】
したがって、基板1の主表面を観察すると、図3(a)のA部を拡大した同図(b)に示すように、黄色くぼんやりと光った照射領域F内に、不均一部分Pがある場合、不均一部分及びその周辺が緑色や赤色の点状などに輝いてみえる。緑や赤に輝点状に輝く不均一部分Pの背景に黄色のレーリー散乱光があるため、コントラストは低下するが、漏出される光の色(波長)が違うので、レーリー散乱光を含む漏出光でも、単色(単一波長)の検査光を基板内に導入した場合に比べて、傷等の不均一部分の検出が容易となる。
【0026】
本実施形態では、基板1からの漏出光をそのまま観測するのではなく、黄色のレーリー散乱光を排除して、コントラストを高めている。即ち、基板1からの漏出光のうち、黄色のレーリー散乱光はフィルター6で遮断し、緑色と赤色の不均一性の検出光だけがフィルター6を透過するようにしている。このため、図3(c)に拡大して示すように、照射領域F全体から一様に散乱されていたレーリー散乱光がなくなり、不均一部分Pからの検出光だけが観測される。
【0027】
フィルター6を透過した緑色と赤色の検出光は、色収差の強いレンズ等を用いた結像光学系7により、CCDカメラ8のCCD面の異なる位置に結像される。CCDカメラ8に取り込まれた画像信号は、画像処理装置9に入力されデジタル変換された後、メモリに格納され、CPUで画像解析がなされる。一方、基板1の移動量(位置情報)がレーザー干渉計(図示せず)などから画像処理装置9に入力されており、CCDカメラ8の画像情報と基板1の位置情報とから、基板1に存在する傷等の不均一部分の位置、大きさ、種類等が求められる。
【0028】
上述の方法、装置によってガラス基板の不均一性を検査したところ、ガラス基板表面で傷と思われる箇所から光が漏出している(線状、点状などに輝いてみえる)ことを観察した。この輝いていた箇所を原子間力顕微鏡(AFM)で観察したところ、最小のもので幅0.04μm、深さ0.02μmの傷であることが確認された。このように、今までの光の反射出力、透過出力を比較することによって検査する散乱方式の検査方法、検査装置では、幅0.3μm程度の傷しか検出することができなかったが、本発明の検査方法、検査装置によって、幅0.05μm程度以下の傷までも検出することが可能となった。
【0029】
なお、上記の実施形態では、辺a、cから2つの波長の光をそれぞれ導入して辺b方向に光を照射したが、更に、例えば、基板1を90度回転して、辺b、dから2つの波長の光をそれぞれ導入して辺a方向に光を照射するするようにしてもよい。このようすると、直交する2方向(a方向とb方向)に光を照射して検査したことになるので、ガラスの傷等に特徴的な、特定の照射方向では強く光るため検出し易いが、照射方向によっては光の強度が弱いため検出し難いというような、光に対して方向性を有する欠陥の検出がより確実となる。
【0030】
また、ガラスの脈理等に特徴的な、透過率は同じで屈折率だけが違う欠陥の検出に関しても、屈折率の違うところで本来の軌道を外れ被検査物外部へ漏れ出すことになるため検出可能になる。しかし、集光した光の反射出力、透過出力という光量を検出する従来方法では、原理的にも捉えることは不可能である。
【0031】
上述した実施形態の検査方法を用いることによって、欠陥を持ったガラス基板を迅速・適切に排除することができ、ガラス基板の生産性を向上することができた。なお、表面上の傷などの欠陥を持ったガラス基板を再度精密に鏡面研磨、洗浄処理を行うことによって、仕様の範囲に入るフォトマスク用ガラス基板とすることができる。
【0032】
尚、上記実施形態では、波長の異なる2つのレーザー光L1、L2が、基板1をその一辺の方向に切断したときの断面状の同一領域内に照射されるようにしたが、図5に示すように、透明基板1内に導入する光のうち、ある一つの波長の光L1は、基板1全域に光が満たされるように、基板1の面取りされたコーナー部20から導入し、別の波長の光L2は基板1の一辺から光の入射位置を移動させて導入するようにしてもよい。こうすると、一つの波長の光L2のみ移動するだけで、基板1全域の不均一性を簡単且つ迅速に検出することが可能となるので好ましい。尚、この場合、コーナー部20から導入した光L1は基板全域に伝播するので、基板1の一辺から導入させた光L2に比べて、基板1内の照射強度が小さくなってしまうので、コーナー部20からの導入光L1の光量を、基板1の一辺から導入する光L2の光量より大きくしておくのがよい。
【0033】
また、波長の異なる2つのレーザー光がそれぞれ基板全域に満たされるように、2つの波長のレーザー光を基板のコーナー部からそれぞれ導入するようにしてもよい。更に、図6に示すように、波長の異なる2つの光L1、L2を、基板1の一端面側の面取りされた上下のC面からそれぞれ導入し、基板1の同一照射領域に2つの波長の光が照射されるようにしてもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、基板1からの漏出光のうち、黄色のレーリー散乱光をフィルター6で遮断し、緑色と赤色の不均一性の検出光を観測しているが、例えば緑色の光だけを透過させるフィルターを用いて、緑色の検出光のみ観測するようにしてもよい。また、フィルター6を用いずに、CCDカメラ8で基板1からの光をカラー画像で検出し、画像処理装置9で黄色のレーリー散乱光を画像処理で取り除くようにしてもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、波長の異なる2つのレーザー光を導入する例を挙げたが、例えば、0.1μm幅程度の傷を検査する必要がない場合は、波長633nm(赤)のHe‐Neレーザーをガラス基板に導入することによってレーリー散乱がほとんど発生しなくなるので、あえて波長の異なる2つの光を導入しなくてもよい。このように、検査で要求される仕様に応じて、適宜、レーザー光の波長や、レーザー光を導入する数、位置等を変えることによって効率の良い検査が可能である。
【0036】
また上記実施形態では、鏡面仕上げされた表面を有する透光性物質として、ガラス製の透明基板を挙げたが、ガラスに限らず、アクリル樹脂等の光学プラスチック、水晶等の光学結晶など、検査光が透過できる材質ならばどのようなものでもよい。
【0037】
また、透光性物質の形状は、矩形や円形等の基板に限らず、ブロック形状や曲面を有するものでもよい。更に、基板としては、フォトマスク(位相シフトマスク)用基板、液晶用ガラス基板、情報記録用ガラス基板(磁気ディスク、光ディスク等)など各種基板の検査に適用可能である。情報記録用ガラス基板は円盤状なので、実際に検査を行う場合には、研磨された外周あるいは内周端面(例えば面取り部)からレーザー光を入射させて行う。なお、基板両面の検査が必要な場合には、基板の上方及び下方にそれぞれ検出手段を設け、基板両面の検査を一度に行うようにしてもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、レーザーとして、気体レーザー(He‐Neレーザー)を用いたが、これに限らず半導体レーザー等の可視域のレーザー、あるいは、透光性物質に対して吸収が少ないものであれば、紫外域のエキシマレーザーや、赤外域のNd‐YAGレーザー、CO2 レーザー等を検査用光源として使用することができる。特に、紫外域のレーザー(例えばエキシマレーザーやYAGレーザーの高調波等)を用いた場合、基板表面に付着している異物等を蒸発,蒸散等の作用により取り除くことが期待できるので好ましい。また、光閉じ込めのような多重反射ではなく、少数回の全反射でよい場合には、レーザー光でなく通常の光で検査することも可能である。
【0039】
また、上記実施形態では、波長の異なる2つのレーザー光を異なる位置、方向から導入する例を挙げたが、例えば、同時に複数の波長が得られるArレーザーのマルチラインを使えば、より装置の簡素化が図れる。
【0040】
また、上記実施形態では、基板に対する入射角度を変化させる角度調整手段をレーザーと基板との間にあるミラーに取り付けた例を挙げたが、基板に対するレーザー光の入射角度を変化させることができれば、どのようなような構成でもよく、レーザー自体に角度調整手段を設けたり、基板を支持するフォルダーに角度調整手段を設けてもよい。また、レーザー光の導光を、上記実施形態のようにミラーではなく、光ファイバーを用いて導光してもよい。この場合、光ファイバーからの出射光を平行光にするために、光ファイバー出射端部と基板との間にコリメートレンズを使用するのがよい。また、光ファイバーの出射端部をガイド等を用いて基板の各辺に沿って移動させたり、あるいは、光ファイバーの出射端部側に振動等を与えて入射角度を変動させたりしてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では示さなかったが、実際に複数枚の透光性物質(ガラス基板等)を検査する場合には、透光性物質の表面状態を観察し、例えば鏡面仕上げされていない被検査物を取り除くためのTVカメラ、CCD撮像素子イメージセンサ等の装置を設けてもよい。
【0042】
更に、上記実施形態では、透明基板の面取り部の形状として、C面の幅が0.4mmのものを使用したが、基板内でより多く全反射を繰り返すことによって、基板全域にわたって不均一性を検査できるようにするためには、C面の幅は小さい程好ましく、0.4mm以下、より好ましくは0.2mm以下とするのがよい。しかし、極端に小さく(0.1mm未満に)すると、鏡面研磨時に基板端部に欠けが生じるので、好ましくない。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、透光性物質内に波長の異なる少なくとも2つの光を導入しているので、レーリー散乱光は導入した異なる波長の光が混合した色の光となり、一方、透光性物質の傷等の不均一による漏出光は、導入した各波長の色の光となる。このため、光の色(波長)の違いによって、レーリー散乱光と透光性物質の傷等の不均一による漏出光との区別が明確となり、傷等の不均一部分の検出が容易となる。
【0044】
特に、透光性物質の不均一性を、透光性物質内に導入した波長の異なる光が混合された光を除外して検出することによって、レーリー散乱光の影響を排除でき、不均一部分からの検出光がコントラスト良く現れるので、高性能・高精度の検査が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る透光性物質の不均一性検査装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の透明基板内における光の伝播の様子を拡大して示す側面図である。
【図3】図1の透明基板から出てくる光を観測したときの平面図である。
【図4】図1の透明基板を保持するフォルダーの一例を示す斜視図である。
【図5】透明基板に2つの異なる波長の光を導入する導入方法を示す斜視図である。
【図6】透明基板に2つの異なる波長の光を導入する導入方法を示す側面図である。
【符号の説明】
1 透明基板
1、22 レーザー
1、32、41、42 ミラー
5 入射角度調整手段
6 フィルター
7 結像光学系
8 CCDカメラ
9 画像処理装置
1、L2 レーザー光

Claims (6)

  1. 鏡面仕上げされた少なくとも一対の主表面及び少なくとも一対の端面を有する透光性基板の不均一性を検査する透光性基板の不均一性検査方法であって
    前記透光性基板は、この透光性基板にレーザー光を導入したときにその光路が光学的に均一の場合に、そのレーザー光を前記主表面及び端面の間で全反射を繰り返してほぼ透光性基板内に閉じ込められたような状態にできるものであり、
    前記透光性基板に、この透光性基板の光路が光学的に均一の場合に、前記主表面及び端面の間で全反射を繰り返して透光性基板内にほぼ閉じ込められたような状態になるように少なくとも2つの異なる波長のレーザー光を導入し、
    前記透光性基板に導入され伝播するレーザー光の光路中に不均一部分が存在するときに、前記導入したレーザー光の一部が前記透光性基板の主表面又は端面で全反射することなく、レーザー光に対応した波長の漏出光として外部に漏出することを利用し、前記漏出光を外部に配置した光検出手段で検出することによって前記透光性基板の不均一性を検査することを特徴とする透光性基板の不均一性検査方法。
  2. 前記透光性基板に導入され伝播するレーザー光によって生ずるレーリー散乱光が、前記少なくとも2つの異なる波長の光が混合されることにより、前記不均一部分に起因する漏出光の色と異なる色の光として外部に漏出することを利用し、前記透光性基板から前記光検出手段に向かう光のうち前記レーリー散乱光を除去して前記不均一部分に起因して漏出するレーザー光の色の漏出光を検出するようにしたことを特徴とする請求項1記載の透光性基板の不均一性検査方法。
  3. 前記レーザー光のうち少なくとも1つの波長の光の入射位置を移動させながら前記漏出光を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の透光性基板の不均一性検査方法。
  4. 鏡面仕上げされた少なくとも一対の主表面及び少なくとも一対の端面を有する透光性基板の不均一性を検査する透光性基板の不均一性検査装置であって
    前記透光性基板は、この透光性基板にレーザー光を導入したときにその光路が光学的に均一の場合に、そのレーザー光を前記主表面及び端面の間で全反射を繰り返してほぼ透光性基板内に閉じ込められたような状態にできるものであり、
    前記透光性基板に、この透光性基板の光路が光学的に均一の場合に、前記主表面及び端面の間で全反射を繰り返して透光性基板内にほぼ閉じ込められたような状態になるように少なくとも2つの異なる波長のレーザー光を導入する照明手段と、
    前記透光性基板に導入され伝播するレーザー光の光路中に不均一部分が存在するときに、前記導入したレーザー光の一部が前記透光性基板の主表面又は端面で全反射することなく、レーザー光に対応した波長の漏出光として外部に漏出することを利用し、前記漏出光を検出する光検出手段とを有することを特徴とする透光性基板の不均一性検査装置。
  5. 前記透光性基板に導入され伝播するそれぞれのレーザー光によって生ずるレーリー散乱光が、前記少なくとも2つの異なる波長の光が混合されて前記不均一部分による漏出光の色と異なる色の光として外部に漏出することを利用し、前記透光性基板から前記光検出手段に向かう光のうち前記レーリー散乱光を除去するフィルターを有することを特徴とする請求項4記載の透光性基板の不均一性検査装置。
  6. 前記照明手段のうち少なくとも1つの波長の光の入射位置を移動させる移動手段を備えたことを特徴とする請求項4又は5記載の透光性基板の不均一性検査装置。
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