JP3675663B2 - 時計用ボビン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、時計用ムーブメントに内蔵される時計用ボビンに関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、時計用ムーブメントでは、製造コストを低減する等のため、時計の仕様が異なっても、時計用ムーブメントの構成部品である歯車、受板、モータ等をできるだけ共通に使用したいという要請がある。
一方、時計用ムーブメントでは、時計の仕様が異なると、内蔵される構成部品が当然異なる。
たとえば、目覚し時計や振子付き時計用のムーブメントでは、歯車やモータ等の部品に加えて発音体や振子用コイルが組み込まれる。また、報時時計では、歯車やモータ等の部品に加えて毎正時にそれぞれの時刻に対応したコード信号を出力するための接点スイッチおよびこの接点スイッチを駆動する12時間で一回転する時打車からなる接点機構が組み込まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記ムーブメントでは、ムーブメントに内蔵される発音体や振子用コイル、あるいは接点機構に応じて、モータを駆動する回路基板の取り付けられる高さ位置がムーブメントの筐体内でそれぞれ異なる。
一方、上記の回路基板にはモータのステータユニットを構成するコイルが巻回されるボビンが直接固定されるため、モータのロータカナに対する相対位置を一定に保つには、回路基板の位置に応じてボビンの取り付け位置を変更する必要があった。
このため、従来においては、目覚し時計や振子付き時計用のムーブメントと報時時計用のムーブメントとにおいて、車類やモータ等の部品を共通化するために、回路基板の位置に応じて取り付け位置の異なるボビンをそれぞれ別々に設計、製造していた。
【0004】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、基板の設置位置が変わっても、共通使用できる時計用ボビンを提供することを目的とする。
【0005】
【問題を解決するための手段】
本発明は、ステータを保持する保持孔と、コイルが巻回されるコイル巻回部とを備え、筐体内に設けられる基板に取り付けられる時計用ボビンにおいて、前記基板の筐体内での設置位置に応じて異なる高さ位置に形成され、前記基板の基板面に当接可能な複数の当接面を有し、前記基板の基板面と前記時計用ボビンとの相対的な高さ位置を選択的に規定する高さ位置規定手段と、前記基板との相対的な高さ位置に応じて前記基板の裏面側と係合する複数の係合面を有し、前記基板に対する相対位置を拘束する係合手段と、前記基板との相対的な設置位置に応じて前記基板の基板面と前記時計用ボビンとの相対的な水平方向位置を決定する位置決め用係合手段とを有する。
【0008】
本発明では、高さ位置規定手段によって基板の設置位置に応じて時計用ボビンの位置が規定され、時計用ボビンは係合手段によって当該位置に拘束される。
これによって、基板の筐体内での設置位置が変わっても、時計用ボビンを筐体内で一定の高さ位置に設けることができ、異なる仕様のムーブメントでモータを共通に使用できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る時計用ムーブメントの部品の組み立て構造を示す断面図であり、図2は図1のボビンを矢印A方向から見た図であり、図3は図1のボビンを矢印B方向から見た図であり、図4は図1のボビンを矢印C方向から見た図であり、図5は図1のボビンを矢印D方向から見た図である。
【0010】
図1において、ムーブメントの筐体51上には、筐体51の内面51aから高さHA の位置に支持される実線で表された基板71と、内面51aから高さHB の位置に支持される2点鎖線で表された基板61と、基板71および基板61のいずれか一方に固定されるステータユニット11とを示している。
なお、基板71または基板61は、一方が筐体51上に択一的に取り付けられる。
【0011】
ムーブメントの筐体51は、支持部52を有しており、支持部52には段部52aが形成されている。
支持部52の段部52aの内面51aからの高さは、支持する基板71または基板61の高さ位置に応じて高さHA または高さHB に設定されている。
また、支持部52は、図示しないが、一箇所ではなく複数箇所に設けられている。
【0012】
基板71は、ムーブメントの筐体51の内面51aに近い側に支持される、たとえば、目覚し時計や振子付き時計用のムーブメントに用いられる回路基板である。
基板61は、たとえば、報時時計用のムーブメントに用いられる回路基板であり、筐体51の内面51aと基板61との間には、たとえば、毎正時にそれぞれの時刻に対応したコード信号を出力するための接点スイッチおよびこの接点スイッチを駆動する12時間で一回転する時打車からなる接点機構が組み込まれる。
このため、基板61は、ムーブメントの筐体51の内面51aから基板71よりも高い位置に支持される。
【0013】
ステータユニット11は、ボビン12と、ステータ41と、コイル31とを有する。
ステータユニット11は、ステッピングモータの一部を構成しており、図示しないロータを回転させる。また、図5に示すように、ステータユニット11は、ムーブメントの筐体に対して所定の位置に配設される歯車81に対して所定の位置に設けられる。
ステータ41は、軟磁性材料から形成された板状部材からなり、ボビン12に形成された保持孔17に挿入保持されている。
コイル31は、ボビン12のコイル巻回部13に巻回されており、コイル31の巻始めと巻終りは、基板71または基板61に接続される。
【0014】
ボビン12は、たとえば、プラスチック等の樹脂から形成されており、コイル31が巻回されるコイル巻回部13の中心部にステータ41を保持するための保持孔17が貫通している。
保持孔17の一側部には、ステータ41の一端部を係止する爪状に形成された係止部14を有する。
ボビン12の一端側の下面には、筐体51の内面51aに対して垂直な方向に延びる融着用ボス部16が形成されている。
【0015】
ボビン12の筐体51の内面51aに対向する下面は、基板61の基板面61aと当接可能な当接面20となっている。
この当接面20上には、ボビン12の融着用ボス部16の形成側の反対側には、筐体51の内面51aに対して垂直な方向に形成された係合部15が形成されている。
係合部15は、図1に示すように、先端に傾斜面15cを有する爪部15dが形成されているとともに、高さ方向の異なる2か所に段差部が形成され、これらの段差部によって基板61および基板71にそれぞれ係合可能な係合面15b、15aが構成されている。
また、係合部15の爪部15dの幅は、図4に示すように、爪部15dより上方の係合面15bの幅よりも狭くなっている。
【0016】
また、図3〜図5に示すように、ボビン12の当接面20上のボビン12の両端側の4か所には、筐体51の内面51aに向けて突出する突出部21、22、23、24が形成されている。
ボビン12の長手方向の両側に形成された突出部21と突出部23とは同一形状を有しており、突出部21と突出部23の一側面側には、W字状に形成された位置決め用係合部21b、21cと23b、23cとがそれぞれ形成されている。
突出部22はボビン12の鍔部に形成され、また、突出部24は融着用ボス部16の基端部に形成されている。
これら突出部21、22、23、24の上面は、同一の高さとなっており、基板71の基板面71aに当接可能な当接面21a、22a、23a、24aを構成している。突出部21、22、23、24の当接面21a、22a、23a、24aの高さは、基板71が筐体51に支持された状態で筐体51の内面51aから基板71までの高さHA と、基板61が筐体51に支持された状態で基板61までの高さHB との差に等しくなっている。
【0017】
図6は、上記の基板61の一例を示す図であって、基板61の裏面側から見た図である。
基板61には、ボビン12の突出部21、22、23、24がそれぞれ挿入可能な形状に形成された逃げ孔63、64、65、66と、筐体51の支持部52が嵌合挿入される挿入孔67と、ボビン12の係合部15が挿入される挿入孔62とが形成されている。
ボビン12の係合部15が挿入される挿入孔62は、係合部15の先端に形成された爪部15dの幅に合致した幅に形成された切欠部62aを有する。
また、挿入孔62の幅は、係合面15bの幅に合致した幅に形成されている。
さらに、切欠部62aの両側は、係合面15bとそれぞれ係合する係合面61bとなっている。
【0018】
逃げ孔63および65内には、突起状の係合部63a、65aがそれぞれ形成されており、ボビン12に形成された突出部21と突出部23の位置決め用係合部21b、21cと23b、23cとの一方に係合可能となっている。
位置決め用係合部21b、21cおよび23b、23cと、係合部63a、65aとは、ボビン12の基板上での位置が、たとえば、ステップ運針と連続運針の場合では異なるため、各仕様に合わせてボビン12を基板に対する位置決めを行うために設けられており、ステップ運針の場合には位置決め用係合部21b、23bが係合部63a、65aに係合し、連続運針の場合には位置決め用係合部21c、23cが係合部63a、65aに係合する。
【0019】
図7は、上記の基板71の一例を示す図であって、基板71の裏面側から見た図である。
基板71には、ボビン12の係合部15が挿入される挿入孔72と、ボビン12の融着用ボス部16が嵌合挿入される挿入孔73と、筐体51の支持部52が嵌合挿入される挿入孔74とが形成されている。
【0020】
次に、基板71および基板61へのステータユニット11(ボビン12)の組み付け方法について説明する。
まず、基板61へステータユニット11のボビン12を装着する。ボビン12の融着用ボス部16は、基板61の逃げ孔66に挿入され、融着用ボス部16の基端部に形成された突出部24が逃げ孔66に嵌まる。同様に、ボビン12の各突出部21、22および23は、基板61の逃げ孔63、64および65にそれぞれ嵌まる。
【0021】
一方、ボビン12の係合部15の爪部15dは、基板61の挿入孔62に挿入され、ボビン12を基板61に押圧すると、挿入孔62の切欠部62aの端面に係合部15の爪部15dの傾斜面15cが接触し、係合部15がたわむ。
係合部15の爪部15dが基板61の挿入孔62を通過して、係合部15の係合面15bが基板61の下面から突出すると、係合部15は元の状態に復元する。
【0022】
この状態で、ボビン12の下面である当接面20は、基板61の基板面61aに当接した状態となる。
また、係合部15の係合面15bは、基板61の基板面61aの裏面に対向した状態となり、係合部61b、61bと係合面15bとが係合することにより、ボビン12の係合部15は基板61から抜けなくなり、ステータユニット11(ボビン12)は基板61に対して拘束される。
【0023】
融着用ボス部16は、先端部が基板61の裏面から突出した状態にあり、この先端部を熱融解させて融着用ボス部16を基板61に融着する。
これによって、ボビン12の基板61への組み付けが完了する。
この状態から、筐体51の支持部52に基板61を装着すると、ステータユニット11(ボビン12)は、図5に示した歯車81に対して所定の位置に位置することになる。
【0024】
基板71へステータ11のボビン12を装着する場合には、ボビン12の融着用ボス部16は基板71の挿入孔73に挿入されるとともに、基板71の基板面71aにボビン12の各突出部21、22、23、24の当接面21a、22a、23a、24aが当接する。
ボビン12の係合部15は、基板71の挿入孔72に挿入され、ボビン12を基板71に対して押圧すると、基板71の挿入孔72の端面に係合部15の爪部15dの傾斜面15cが接触し、係合部15がたわむ。
係合部15の爪部15dが基板71の挿入孔72を通過して、係合部15の係合面15aが基板71の下面から突出すると、係合部15は元の状態に復元する。
【0025】
この状態で、ボビン12の係合部15の係合面15aは、基板71の基板面71aの裏面に対向した状態となり、ボビン12の係合部15は、基板71から抜けなくなり、ボビン12は基板71に対して拘束される。
この状態では、上述したと同様に、融着用ボス部16は先端部が基板71の裏面から突出しており、融着用ボス部16の先端部を基板71の裏面に融着すると、基板71へのボビン12の組み付けが完了する。
【0026】
この状態から、筐体51の支持部52に基板71を装着すると、ステータユニット11(ボビン12)は筐体51の内面51aに対して基板61に組み付けたときと同じ高さに位置し、図5に示した歯車81に対して所定の位置に位置する。
【0027】
以上のように、本実施形態によれば、基板61、71が筐体51に対して異なる高さ位置に支持されていても、ボビン12を共通に使用することができ、ステータユニットも共通化できる。
このため、時計用ムーブメントの仕様が異なっても共通仕様できる部品が増加し、時計用ムーブメントのコストを低減することができる。
また、本実施形態では、基板61の挿入孔62に切欠部62aを形成しているため、ボビン12の係合部15のたわみ量を大きくすることなく、係合部15の爪部15cを挿入孔62に挿入することができる。
なお、本実施形態では、ボビン12に係合部15および融着用ボス部16を設けて基板61または71と融着することによって相対位置を固定する構成としたが、融着用ボス部16を設ける代わりに係合部15をもう一つ設け、基板61、71側に対応する挿入孔を形成することで、融着作業を行わなくてもボビン12の位置を基板61、71に対して拘束することができる。
また、係合部15を設ける代わりに融着用ボス部16を設けることで、ボビン12と基板61または71との相対位置を固定する構成とすることも可能である。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、基板の筐体内での設置位置が変わっても、時計用ボビンを筐体内で一定の高さ位置に設けることができ、異なる仕様のムーブメントでモータを共通に使用でき、製品のコストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る時計用ムーブメントの部品の組み立て構造を示す断面図である。
【図2】図1のボビンを矢印A方向から見た図である。
【図3】図1のボビンを矢印B方向から見た図である。
【図4】図1のボビンを矢印C方向から見た図である。
【図5】図1のボビンを矢印D方向から見た図である。
【図6】基板61の構成例を示す図であって、基板61を裏面側から見た図である。
【図7】基板71の構成例を示す図であって、基板71を裏面側から見た図である。
【符号の説明】
11…ステータユニット
12…ボビン
15…係合部
15a、15b…係合面
20…当接面
21、22、23、24…突出部
21a、22a、23a、24a…当接面
31…コイル
41…ステータ
61、62…基板
81…歯車
Claims (1)
- ステータを保持する保持孔と、コイルが巻回されるコイル巻回部とを備え、筐体内に設けられる基板に取り付けられる時計用ボビンにおいて、
前記基板の筐体内での設置位置に応じて異なる高さ位置に形成され、前記基板の基板面に当接可能な複数の当接面を有し、前記基板の基板面と前記時計用ボビンとの相対的な高さ位置を選択的に規定する高さ位置規定手段と、
前記基板との相対的な高さ位置に応じて前記基板の裏面側と係合する複数の係合面を有し、前記基板に対する相対位置を拘束する係合手段と、
前記基板との相対的な設置位置に応じて前記基板の基板面と前記時計用ボビンとの相対的な水平方向位置を決定する位置決め用係合手段と
を有する時計用ボビン。
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