JP3676835B2 - 個別のシリンダ燃料噴射のための制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、内燃機関における個別のシリンダ燃料噴射のための制御装置、又はより正確に述べれば、内燃機関が設置されている自動車の車輪に作用するトルクを減少するために複数のシリンダのうちの少なくとも一つにおいて燃料噴射を一時的に中断するようなその種の制御装置に関係している。
【0002】
【従来の技術】
従来の制御装置の一例は、「燃料噴射の抑制を用いた牽引力制御(ASR)−エンジン・トルク制御の費用効率の良い方法」(“Traction Control (ASR) Using Fuel−Injection Suppression−A Cost Effective Method of Engine−Torque Control”)という表題で1992年からSAE技術論文集の920641(SAE Technical Paper Series 920641)に掲載されている、ベーニング(Boning)外の論文から知られている。この制御装置は、点火時期の変更によって、且つ一つのシリンダに対する少なくとも一つの噴射装置が燃料噴射のための信号を一時的に拒まれてその結果関連のシリンダにおいて燃焼が行われなくなるということによって、駆動トルク制御を行っている。引用した論文は特に、それぞれの時点で異なったシリンダの燃料供給を遮断するための特別の方法を扱っている。
【0003】
指摘しておくべきことであるが、この発明に関連して、ただ一つのシリンダが一時的に可燃性混合物を拒まれるのか又はこのことが同時に複数のシリンダに適用されるのかは重要ではない。又、ただ一つの個別のシリンダ若しくは幾つかの所定のシリンダがそのような手段によって影響されるのか、又は機関のすべてのシリンダがある反復的順序でそのような介入を経験するのかは重要ではない。
【0004】
既知の制御装置の動作は、濃厚な混合気(物)、すなわち、すべての成分の完全な燃焼のために必要な化学量論的組成物に対応するよりも多くの燃料を含有している混合気、で動作させられているときには問題を生じるようになる。濃厚な混合気での動作は、例えば、全負荷のときに、又は点火時期がノッキングに抵抗するために若しくは駆動トルクを減少するために遅らせられているときに存在する。点火が遅らせられたならば、混合気はシリンダの外側でなお燃焼しており、このために、混合気が冷却目的のために濃厚にされていたのでなければ、排気系統の温度が許容できないほど上昇することになるであろう。
【0005】
一つのシリンダがもはや燃料を供給されず且つ他のものが濃厚な混合気を受けるならば、排気系統は、燃料を受けていないシリンダからの燃焼過程のために利用可能な過剰空気及び濃厚混合気で動作させられるシリンダからの過剰燃料を有している。これは排気系統の、特に触媒の過熱の危険性を導入する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、内燃機関が濃厚な混合気で動作させられ且つ一つのシリンダへの燃料の供給が車輪に及ぼされる駆動トルクの制御のために中断されてその後再開される場合でさえも、内燃機関の触媒での後燃焼が防止されるように構成されている、内燃機関における個別のシリンダの燃料噴射のための制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明による制御装置は、濃厚な燃料混合気での動作条件において、シリンダへの燃料の供給の停止が駆動トルク制御システムにより要求されたときに、この供給を直ちには中断しないように構成された供給制御システムによって特徴づけられている。その代わりに、それは最初機関に化学量論的な又は希薄な混合気を待ち期間の間供給する。一つのシリンダへの燃料供給が遮断されるのは専らこの待ち期間が経過した後においてである。この待ち期間は、排気混合物が本質上閉じたコラムのような排気系統を通じて移動されるのでかなり短くてよい。すなわち、過剰燃料を伴った排気ガスがかなり長い期間にわたって、例えば触媒が存在することになって、過剰空気を伴った排気ガスと混合してその結果燃焼過程が触媒において開始されるようになる、ということを恐れる理由はない。古い濃厚な排気ガス部分と新しい希薄な排気ガス部分とのそのような混合は約10マイクロ秒の期間内で懸念され得るにすぎない。待ち時間の長さはそれに応じて決定される。ここで注意しておくべきことであるが、その長さは、駆動滑り制御システムにより出力されるトルク減少のための諸条件ができるだけ迅速に実現され得るようなものでなければならない。それは内燃機関の指定の動作パラメータの現在値の関数として設定されることが望ましい。
【0008】
一つのシリンダへの燃料供給の中断が終了させられなければならないときには、これは対応する待ち時間を伴って逆方向に行われる。すなわち、少なくとも一つのシリンダが切られて全体に非常に弱い動作の後、この動作は直ちには濃厚な混合気に切り替えられないが、機関は待ち時間の間すべてのシリンダが化学量論的又は希薄な混合気を用いて動作させられる。言及した場合における希薄な混合気は前の又はその後の濃厚な混合気について生じる実質的割合の酸素と燃料との混合を防止するために非常にわずかに希薄であるにすぎない。そのような混合をより一層用心するために、濃厚から希薄への又はその逆の急な移行を行わないで傾斜形の移行を行うことが有利である。しかしながら、急な移行も又、この目的のために待ち時間が傾斜形移行の場合におけるよりも幾分長くなるように選択されたならば、行われることができる。
【0009】
【実施例】
図1は駆動力を後輪RHR及びRHLに伝達する内燃機関10の制御装置11を示している。制御装置11には中断指定装置12、送出し制御システム13及び混合気制御システム14がある。中断指定装置12は、前述の後輪のそれぞれに一つずつ取り付けられている車輪回転速度センサから信号SHR及びSHLを受ける。加えて中断指定装置12は、自動車の前輪のそれぞれに一つずつ割り当てられている二つの車輪回転速度センサから対応する信号SVR及びSVLを得る。これらの車輪回転速度信号に基づいて、中断指定装置は駆動後輪の過剰の滑りが存在するかどうかを決定する。それがこの存在を決定するとすぐに、それは少なくとも一つのシリンダへの燃料供給が遮断されなければならないことを示す信号を放出する。しかしながら、この信号は、エンジントルク制御システムによって駆動トルク制御を実施している通常の制御装置の場合におけるように、直接には混合気制御システム14に行かず、送出し制御システム13に行き、このシステム13は、以下に更に説明される方法で、機関が現在濃厚に動作させられているときには、それが少なくとも一つのシリンダの切られる前にまず化学量論的動作に切り換えられることを保証する。混合気制御システム14は、それ自体知られた方法で、噴射装置15.1ないし15.4に噴射信号を放出する。
【0010】
この実施例においては、送出し制御システム13は、図2に関して記述された機能を行うことができるように構成されている。
【0011】
制御装置11の始動後、中断指定装置12は段階(ステップ)S1において、少なくとも一つのシリンダへの燃料供給が中断されなければならないかどうかを通常の方法で決定する。これが否定(n)であるならば、燃料供給が再開されなければならないかどうかを検査する段階S6へ飛越しが行われる。しかしながら、中断が必要ならば、段階S2は(段階S1の後で)機関が現在濃厚に動作させられているかどうかを質問する。これが否定であるならば、段階S5への直接の移行が行われて、この段階において少なくとも一つのシリンダへの燃料供給が中断される。しかしながら、濃厚動作が存在しているならば、段階S3はすべてのシリンダに対する化学量論的動作に切り換わり、時間測定が待ち時間tの進行に対して開始される。待ち時間が経過したかどうかを見るために次に検査が行われる(S4)。これが肯定であるとすぐ、既述の段階S5に達して、少なくとも一つのシリンダへの燃料供給が遮断される。既述の段階S6は次に燃料供給が再開されなければならないかどうかを検査する。これが否定であり且つ中断も又変更される必要がない場合には、段階S1及びS6は反復される。燃料供給が再開されなければならないことが最終的に判明したときには、(段階S6の後)段階S7に達して、この段階は、濃厚動作が必要とされるか又は機関11に対する動作条件がその間に変更されて濃厚動作がもはや必要でなくなったかを質問する。後者が事実であるならば、段階S10に達して、この段階においてすべてのシリンダは再び、要求された混合気、この場合には化学量論的な又は希薄な混合気で動作させられる。他方、濃厚動作が要求されるならば、遮断されている少なくとも一つのシリンダが化学量論的動作に復帰させられ、そして待ち時間t の進行の測定が新たに開始される。段階9において決定されるこの待ち時間が経過するとすぐ、既述の段階S10に達して、この段階においてすべてのシリンダは要求された混合気で動作させられる。既述の手順はその後段階S1から繰り返される。
【0012】
この実施例においては、システムは濃厚な混合気から化学量論的な混合気に及びその逆に急に切り換わった。しかしながら、各場合において、漸次移行も又、例えば20ないし40ミリ秒の期間内に行われ得る。待ち時間は典型的にはほぼ2ないし3倍長いが、引用された時間は機関の動作条件に、すなわち、特にそれの回転速度及び負荷に、且つ又排気系統の全体的構造に大いに依存する。古い排気ガスと新しい排気ガスとの間の混合が非常に起こりそうもないように排気系統が構成されているならば、引用された時間は非常に短くなるように選択されることができる。他方、不利な動作条件下でそのような混合が数百ミリ秒の後でさえも起こり得る排気系統を備えた内燃機関について制御装置が使用されるならば、これらの不利な動作条件に対する待ち時間はそれに対応して長くなるように選択されなければならない。
【0013】
実施例においては、噴射中断への移行のための及び濃厚動作への移行のためのそれぞれの待ち時間は同じである。しかしながら、一方では古い濃厚な混合気と新しい希薄な混合気との且つ他方では古い希薄な混合気と新しい濃厚な混合気との混合に関して異なった時間作用がある排気系統を備えた機関について制御装置が動作させられるならば、それに対応して異なった待ち時間が有利である。
【0014】
【発明の効果】
濃厚混合気と希薄混合気とが排気系統で互いに混合されると、このような混合は燃焼に至り、従って排気系統、特に触媒における望ましくない温度上昇をもたらす。この発明によれば、このような混合が防止される。
【0015】
この発明によれば、内燃機関が濃厚な混合気で動作させられ且つ一つのシリンダへの燃料供給が車輪に及ぼされる駆動トルクの制御のために中断されてその後再開される場合であっても、内燃機関の触媒での後燃焼が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による、内燃機関における個別のシリンダ燃料噴射のための制御装置の原理的表現図。
【図2】図1における制御装置の機能を説明するための流れ図。
【符号の説明】
10 内燃機関
11 制御装置
12 中断指定装置
13 送出し制御システム
14 混合気制御システム

Claims (3)

  1. 内燃機関(10)における個別のシリンダ燃料噴射のための制御装置(11)であって、
    少なくとも一つのシリンダに対する燃料噴射が中断され且つ又再開されなければならない時を、前記内燃機関が動作させられている自動車の動作パラメータの関数として決定するように構成されている中断指定装置(12)
    各シリンダに一つずつ割り当てられている噴射装置(15.1〜15.4)のすべてに噴射信号を供給して、指定の空気/燃料比が各シリンダについて達成されるような量で前記噴射装置(15.1〜15.4)に燃料を噴射させるように構成されている混合気制御システム(14)
    シリンダ中断のないときに濃厚な混合気が設定されなければならない場合に次のとおり機能するように構成されている送出し制御システム(13)、すなわち
    (a)燃料噴射が一つのシリンダ対して中断されなければならないことを示す信号を前記中断指定装置が前記送出し制御システムに供給したならば、このシステムが最初に前記噴射装置に指定の待ち期間の間前記噴射信号を供給してすべてのシリンダが化学量論的な又は希薄な混合気で動作させられるようにし、そして前記待ち期間が経過したときには、このシステムが一つのシリンダに対して前記噴射信号を中断し且つその他の噴射装置に化学量論的な又は希薄な混合気を設定するための噴射信号を供給し続け、
    (b)燃料噴射が一つのシリンダに対して再開されなければならないことを示す信号を前記中断指定装置が前記送出し制御システムに供給したならば、このシステムがやはり最初に、噴射の中断されていたシリンダに対する前記噴射装置及びその他の噴射装置に、指定の待ち期間の間化学量論的又は希薄な混合気を設定するための噴射信号を供給し、そして前記待ち期間が経過したときに、そのシステムが再びすべての噴射装置に濃厚な混合気を設定するための噴射信号を供給する、
    ように構成されている前記送出し制御システム(13)
    を備えている個別のシリンダ燃料噴射のための制御装置。
  2. 前記送出し制御システム(13)が前記内燃機関の指定の動作パラメータの現在値の関数として前記待ち時間(TW)を設定するように構成されていることによって特徴づけられている、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記送出し制御システム(13)が濃厚混合気から化学量論的/希薄混合気への及びこの逆の傾斜形移行を行うように構成されていることによって特徴づけられている、請求項1又は2に記載の制御装置。
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