JP3686111B2 - 圧力スイッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は圧力スイッチに係り、さらに詳細には、例えば家庭用井戸ポンプに実装され、特に圧力増減の速さが極めて緩慢な使用状態の場合にも確実に動作する圧力スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種技術は、「圧力開閉器」と題する例えば特公昭51−49310号公報に記載のように、円筒状の駆動磁石(永久磁石)を使用し、クイックアクションをするように構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、円筒状の上下に極を有する二個の駆動磁石を同心円状に配した従来例の場合、二個の駆動磁石の中心が一致するところでは、作用力(二個の駆動磁石の斥力)が半径方向のみとなるためデッドラインが発生する。また、一方の極間距離(円筒の全長)が他方の極間距離より大きいと、一層デッドラインが発生しやすくなる。そして、この欠点は、圧力増減の速さが極めて緩慢な使用状態の場合に発生し、現象が極端な場合は接点障害が発生する。
【0004】
本発明の目的は、圧力増減の速さが極めて緩慢な使用状態の場合でも確実に動作する圧力スイッチを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、圧力導入口からの圧力により変位するダイヤフラムと、可動接片に設けられた可動接点と固定接片に設けられた固定接点とからなる電気接点部と、前記電気接点部の開閉を行う速断機構と、前記ダイヤフラムの変位を前記速断機構に伝達するロッドとを有する圧力スイッチにおいて、
前記ロッドの直線移動を押しばねを介して回転変位に変換するレバー(A)と、
前記可動接片を介して前記可動接点と前記固定接点の開閉を行うレバー(B)と、
中央部に直線部を有し、その両側にねじりコイルばね部を有し、さらにその外側に直線部を有する対称形ねじりコイルばねとを備え、
前記対称形ねじりコイルばねの中央直線部をレバー(A)に支持させ、
対称形ねじりコイルばねの両外側直線部をレバー(B)に支持させ、
かつ、前記レバー(A)とレバー(B)とは、対称形ねじりコイルばねを支持する側と反対側でベース部材に回動自在に支持され、対称形ねじりコイルばねの垂直分力(復元力)により、常に互いに反対方向に回転付勢されるよう構成し、
圧力導入口からの圧力増加初期時には、前記ロッドの上方移動を押しばねの変位に変換し、さらに前記ロッドが上方に移動して、対称形ねじりコイルばねの垂直分力と押しばねの伸長力とが極めて近い状態となり、引き続き前記ロッドが上方に移動して、前記対称形ねじりコイルばねの垂直分力が前記押しばねの伸長力より小さくなった時点で、瞬間的に押しばねが伸長し、前記レバー(A)を急回動させて、前記可動接点を前記固定接点より離し、
前記とは逆に、圧力導入口からの圧力が減少してレバー(A)が回動すると、対称形ねじりコイルばねの垂直分力と前記可動接片の復元力とが極めて近い状態となり、さらに対称形ねじりコイルばねの垂直分力が前記可動接片の復元力より小さくなった時点で、瞬間的に前記可動接片が復元し、レバー(B)を急回動させて、前記レバー(A)をレバー(B)と反対方向に回動させ、前記可動接点を前記固定接点に押圧するよう構成したことを特徴とするものである。
【0008】
【作用】
本発明によれば、圧力増減の速さが極めて緩慢な使用状態の場合でも、圧力スイッチの速断機構に生ずる機械的デッドラインを物理的な力関係に置き換えることにより排除することができる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明を、図面の一実施例に基づいて説明する。
【0012】
図において、1は圧力導入口を底部に有するベース(A)である。
【0013】
ベース(A)1の底部裏側には、ポンプ本体より突出した圧力取出管との気密を保つためのゴムリング2を有する。
【0014】
3はダイヤフラムであり、ダイヤフラム3の外周部に位置するビード部をベース(A)1のフランジ部とベース(B)4の底部とで気密を保つように挾支する。ベース(A)1のフランジ部とベース(B)4の底部外周とは、超音波溶着等の手段で接合する。ダイヤフラム3の上面には、ロッド5およびメインばね6を配設する。ロッド5は、大径部5aの上部に中径部5b、その上部にねじ部5cを設け、さらにその上部に小径部5dを設ける。また、小径部5dの頂部には、偏心突起部5eを配する。メインばね6の長さを変化させ、ロッド5を介してダイヤフラム3を押圧する荷重を設定するため、ベース(B)4の底部より突出した中空雄ねじ部に調整ナット7を螺合する。そして、調整ナット7と前記中空雄ねじ部との螺合寸法が大きくなれば、ダイヤフラム3に印加される荷重は大きくなる。
【0015】
8はスリーブであり、一端につば8aを有する円筒形状となっている。スリーブ8の円筒内側には、ロッド5の中径部5bが貫通しており、円筒外側には、ロッド5の大径部5aと中径部5bとによって形成された段部に一端を接し、他端をつば部8aの下面に係止したリセットバネ9を配する。そして、圧力スイッチが組み立てられ、かつ無印加圧力状態では、スリーブつば部8aの反対側の端部とロッド大径部5a,中径部5bによって形成された段部との間に任意の隙間が設けられている。
【0016】
10は速断機構および電気開閉機構の装着部材となるベース(C)である。
【0017】
11はレバー(A)であり、一端に開口部11aを有し、この開口部11aとベース(C)10に設けられた軸10aとを回動自在に係合させる。レバー(A)11の他端には角穴11bを配し、角穴11bの両壁にL字溝11cを配する。
【0018】
12はレバー(B)であり、概ねC字状をしている。レバー(B)12の開口方向にはフック部12aを設け、このフック部12aとベース(C)10に設けられた軸10bとを回動自在に係合させる。レバー(B)12の両側面には、略コの字形をした溝12bを設けてある。溝12bの上面12cと、溝底面より突出したリブ12dの頂部との寸法は、先端に可動接点15を有する可動接片14の板厚の1.5倍以上とする。また、溝上面12cの反対側に小溝12eを設ける。
【0019】
13は中央部に中央直線部13aを有し、その両側にねじりコイルばね部13bを有し、さらにその外側に直線部13cを有する左右対称形のねじりコイルばねである。この部分の分解斜視図を図4に示す。ねじりコイルばね13の中央直線部13aは、レバー(A)11のL字溝11cの最深部に回動自在に支持され、直線部13cは、レバー(B)12の小溝12eに回動自在に支持されている。つまり、前記のごとく中央直線部13aと直線部13cとを支持された状態のねじりコイルばね13は、自由な状態から任意の角度変位された状態となる。そして、その復元力の水平分力は、レバー(A)11の開口部11aをベース(C)10の軸10aに押し付けるように働くと同時に、その反力は、レバー(B)12のフック部12aとベース(C)10の軸10bとの係合部に作用され、結果的にレバー(A)11とレバー(B)12とは、水平面内で互いに遠ざけられるような力を受けることになる。また、ねじりコイルばね13の垂直分力は、前記水平分力と同様に、両レバー(A)11と(B)12とを上下方向に遠ざけるような力を与えることになる。
【0020】
16は先端に固定接点17を有する固定接片である。可動接点15と固定接点17との離接により電気回路の開閉を行う。そして、前記各レバーと各接片、接点により電気開閉機構を構成し、本実施例では、一組のレバーと左右対称に配した二組の接片、接点によって電気開閉機構を構成している。可動接片14,固定接片16はいずれもL字状をしており、L字状の片方の直線部をベース(C)10に圧入固定してある。可動接片14の他の直線部の中ほどは、レバー(B)12と係合していて、レバー(B)12の回動により変位し、可動接片14の先端に設けられている可動接点15の移動を行う。
【0021】
18はロッド5のねじ部5cに螺合された調整ねじである。調整ねじ18を締め付けると、その底部18aは、レバー(A)11に設けた小突起11dの頂部に当接し、調整ねじ18を締付方向と反対方向に回転させると、その底部18aは、レバー(A)11の小突起11dから離れる方向に移動する。調整ねじ18の上部内側には、図5に示すような多角形の穴18bを設けてある。
【0022】
19はスライド釦であり、一方に開口部を有する長方形々状をしている。スライド釦19の底部からは、二枚の操作片19aが突出しており、その先端は二股に分岐していて、壁19bと壁19cとを形成している。圧力スイッチが組み立てられた状態において、前記両壁19b,19cは、ねじりコイルばね13のねじりコイルばね部13bの両側にそれぞれ位置するようになる。スライド釦19の操作片19aの中ほどには、角穴19dが設けてある。また、スライド釦19の長手方向内壁には、先端が丸い丸突起19eを配する。20はスライド釦19の戻ばねであり、一端をスライド釦19の内壁19fに接し、他端はケース24の壁24aに接している。24bはケース24に設けられた、戻りばね20の位置決め用壁である。
【0023】
ケース24は、一方に開口部を有する円柱形をしており、その底部には、周辺に立上り部を有する凹状の穴24gを設ける。凹状の穴24gの長手方向外側の立上り部には、三個の丸突起24c,24d,24eを配する。さらに凹状の穴24gの長手方向内側の立上り部には、スライド釦19の角穴19dと係合する係合突起24fを設ける。この分解斜視図を図6に示す。スライド釦19操作片19aをケース24の凹状の穴24gに差し込むと、角穴19dと係合突起24fとが弾着係合する。この時、前記したように、戻りばね20は、一端を内壁19fに接し、他端を壁24aに接した状態で圧縮されるので、その復元力で丸突起19eは丸突起24cの中心側壁に押圧される。戻りばね20の復元力に抗してスライド釦19を押すと、丸突起19eは丸突起24eに当接し、それ以上は操作片19aが凹状の穴24gの内壁に当接するので移動できない。スライド釦19に対する押力を取り除くと、このスライド釦19は、戻りばね20の復元力で前記と反対方向に移動し、丸突起19eは丸突起24cに当接押圧されて停止する。一方、スライド釦19に対し、前記と反対方向の押力を与えると、丸突起19eは丸突起24cを乗り越えて、丸突起24cと丸突起24dとの間に移動するが、それ以上は操作片19aが凹状の穴24gの内壁に当接するので移動できない。なお、丸突起19eが丸突起24cを乗り越える時は、スライド釦19の長手方向の壁を変位させないと乗り越えることはできない。つまり、丸突起19eが丸突起24cを乗り越えるまでは大きい押力を必要とするが、乗り越えた瞬間からは急激に押力が小さくなり、操作する者に節度感を与える。なお、この時、押力を取り除いても戻りばね20の復元力は既にないように自由長を設定することにより、スライド釦19が元の位置に移動することはなく、スライド釦19を元の位置に移動させるには、前記と反対方向の押力をスライド釦19に加え、丸突起19eが丸突起24cを乗り越える必要がある。
【0024】
21は複数本からなるリード線である。リード線21の一端は、既述した各接片の端部に電気的に結合され、他端は器外に出て他の部品と結合される。圧力スイッチを取リ扱う場合、リード線21には極力外力を与えないようにするが、外力に対しては一定の耐力を必要とする。また、井戸ポンプのように屋外に設置されることの多い機器は、昆虫やその他の小さい生物、さらには塵埃の入を防止する必要があるため、リード線21の回りに隙間があることは好ましくない。本実施例では、前記要因による不具合が生じないように線止め(A)22と線止め(B)23とを設けた。線止め(A)22には、複数本の半円形溝22aを設けてある。半円形溝22aの半径は、リード線21の半径に近く、その本数もリード線21と同数である。半円形溝22aの両側には、丸穴22bと平坦部22cとを設ける。また、線止め(A)22の中ほどには、くぼみ部22dを設ける。線止め(B)23には、複数本の半円形溝23aを設けてある。半円形溝23aの半径は、リード線21の半径に近く、その本数もリード線21と同数である。半円形溝23aの両側には、丸突起23bと平坦部23cとを設ける。また、線止め(B)23の中ほどには、リブ部23dを設ける。線止め(A)22と線止め(B)23とに曲面を設けたのは、圧力スイッチが円筒状をしているためである。この分解斜視図を図7に示す。
【0025】
図1において、25はねじであり、一本はベース(C)10をベース(B)4に固定するため、他の一本はケース24をベース(B)4に固定するために使用する。
【0026】
次に本実施例の動作を説明する。
【0027】
無印加圧力状態の圧力スイッチにポンプ等の機器から伝達された圧力は、ダイヤフラム3をメインばね6の伸長力に抗してベース(A)1とは反対方向に押し上げ、ロッド5も同方向に移動する。
【0028】
ロっド5の移動はリセットばね9を圧縮するが、この時点でレバー(A)11の回動は開始されない。これは以下の理由による。一つは、この時点における対称形ねじりコイルばね13の垂直分力が、リセットばね9の伸長力より大きいこと、もう一つは、ロッド5の大径部5aと中径部5bとで形成された段部にスリーブ8が接していないことによる。
【0029】
ダイヤフラム3の変位が進み、ロッド5の大径部5aと中径部5bとで形成された段部がスリーブ8に接すると、リセットばね9の圧縮は止まり、レバー(A)11の回動が開始される。その前後の状態図を図8と図9とに示す。また、図8に対応する図11、および図9に対応する図12には、それぞれレバー(A)11の回動状態が判りやすいように図示した。さらに、図8,図11に対応する図14、および図9,図12に対応する図15には、各部品を記号化して示した。なお、記号化した図面に付した部品番号と、他の図面に付した部品番号とが同一のものは同一部品を示す。
【0030】
図9の状態では、対称形ねじりコイルばね13の垂直分力とリセットばね9の伸長力とは極めて近い状態となっている。この状態から少しでもダイヤフラム3の変位が進むと、ねじりコイルばね13の垂直分力がリセットばね9の伸長力より小さくなるので、瞬間的にリセットばね9は伸長し、レバー(A)11を急回動させる。レバー(A)11の急回動中、対称形ねじりコイルばね13の中央直線部13aと直線部13cとの位置が入れ替わるので、ねじりコイルばね13の垂直分力はその方向を反転する。この垂直分力の方向反転により、レバー(B)12はレバー(A)11と反対方向に回動する。レバー(B)12の回動は、可動接片14がベース(C)10に当接するので停止する。また、レバー(A)11は、対称形ねじりコイルばね13の垂直分力により、小突起頂部11dが調整ねじ18の底部18aに当接して回動停止する。この時、可動接点15が固定接点17より離れて電気回路が開かれ、駆動源(モーター等)の停止をおこない、圧力の供給はなくなるのでレバー(A)11の更なる回動はない。その状態を図10に示す。また、図10に対応する図13には、レバー(A)11の回動状態が判りやすいように図示した。さらに、図10,図13に対応する図16には、各部品を記号化して示した。
【0031】
前記の速断機構の動きに対し、電気開閉機構の動きを以下に記す。
【0032】
図8の状態において、可動接片14は、レバー(B)12のリブ12dの頂部でその中ほどを押され、可動接片14の先端に位置する可動接点15を固定接点17に押し付けている。
【0033】
レバー(A)11が回動し、垂直分力が増加すると可動接点15と固定接点17との押圧力も増加する。
【0034】
しかし、レバー(A)11がさらに回動し、垂直分力が減少すると前記押圧力も減少し、遂にはレバー(A)11の急回動が始まり、レバー(B)12が回動し、可動接片14はレバー(B)12のリブ12dの頂部より離れ、その直後にレバー(B)12の上面12cから今までとは逆の押圧力を受けるので、可動接点15は固定接点17から離れることになる。
【0035】
前記した構成中、本実施例では、接点保護のために重要な二つの改善をおこなっている。
【0036】
一つは、レバー(A)11の急回動開始時における可動接点15と固定接点17との押圧力を大きく取ることである。
【0037】
前記押圧力は、対称形ねじりコイルばね13の垂直分力により決定付けられるので、レバー(A)11の急回動開始時にレバー(B)12との開口角度を大きくしておけば良い。つまり、その時点でのねじりコイルばね13の垂直分力よりリセットばね9の伸長力を大きくすれば、可動接点15と固定接点17との押圧力を大きく取れることになる。
【0038】
他の一つは、可動接片14からレバー(B)12のリブ12dの頂部が離れ、レバー(B)12の溝上面12cが可動接片14に当接するまでの間は、前記押圧力の最小値(具体的には0.98N程度)を確保するように、外部からの無加圧状態において、可動接片14に適度な変位を設けて組み立てておくことであり、これにより接点間の不安定接触はなくなる。
【0039】
また、レバー(B)12のリブ12dと溝上面12cとの間には、可動接片14の板厚の1.5倍以上の間隙を設けると前記した。これは、レバー(A)11の急回動開始の瞬間は、対称形ねじりコイルばね13の垂直分力も小さいので、レバー(B)12の回動力も小さく、不安定になりがちであり、このような状態で可動接片14を変位させることは、速断機構にトラブルを招来しやすい。これに対し、本実施例では、レバー(B)12の回動力が安定域に達した後に、負荷となる可動接片14をレバー(B)12の溝上面12cに当接させるために、レバー(B)12のリブ12dと溝上面12cとの間に予め所定の間隙を設けたものであって、実験によれば、この間隔は、可動接片14の板厚の1.5倍以上の場合に良好な結果が得られた。
【0040】
圧力減少があり、駆動源に電圧を印加する場合、各部品は前記と逆方向の回動または変位をする。
【0041】
以下その説明をする。
【0042】
図13,図16が圧力減少が始まる前、もしくは始まった直後の状態である。この時、レバー(A)11の小突起11dは、調整ねじ18の底部18aに接し、リセットばね9は伸びきっており、スリーブ8のつば8aは、レバー(A)11に当接していない(または伸長力が極めて小さい状態でスリーブ8のつば8aがレバー(A)11に当接している)。
【0043】
圧力導入口からの圧力が減少すると、レバー(A)11の小突起11dは、調整ねじ18の底部18aにより押し下げられ、レバー(A)11が前記とは逆方向に回動を開始する。
【0044】
ダイヤフラム3の変位が進み、さらにレバー(A)11が回動すると、対称形ねじりコイルばね13の垂直分力と可動接片14の復元力とは極めて近くなってくる。この状態から少しでもダイヤフラム3の変位が進むと、対称形ねじりコイルばね13の垂直分力が可動接片14の復元力より小さくなるので、瞬間的に可動接片14は復元し、レバー(B)12を急回動させる。レバー(B)12の急回動中、対称形ねじりコイルばね13の中央直線部13aと直線部13cとの位置が入れ替わるので、ねじりコイルばね13の垂直分力はその方向を反転する。この垂直分力の方向反転により、レバー(A)11はレバー(B)12と反対方向に回動する。前記したように、リセットばね9は伸びきっており、つば8aはレバー(A)11に当接していないので、レバー(A)11の回動がリセットばね9の伸長力により阻害されることはない。対称形ねじりコイルばね13の垂直分力はその方向を反転したため、小突起12dは再び可動接片14を押圧し、可動接点15が固定接点17に瞬時に押圧されて電気回路を閉路する。その状態を図1および図8に示す。
【0045】
圧力導入口からの圧力が増加してレバー(A)11が回動し、停止する位置は、調整ねじ18の底部18aの位置により決定される。なお、前記底部18aの位置はロッド5の螺合深さにより決める。
【0046】
本実施例では、印加される圧力が減少して再び電気回路を閉じる圧力の調整を、前記したように調整ねじ18の底部18aの位置を変化させ、これによりレバー(A)11の小突起11dとの当接する位置を調整することにより決定している。言い替えると、レバー(A)11とレバー(B)12との開口角度を変化させることにより、電気回路を閉じる圧力の調整をおこなっている。電気回路を閉じる時は、対称形ねじりコイルばね13の垂直分力が可動接片14の復元力より小さくなる必要があると前記した。開口角度が大きい時は、レバー(A)11の回動角度も大きくないと、前記垂直分力が小さくならない。これはダイヤフラム3の変位が大きくなければならないことを示している。また、開口角度が小さい時は、レバー(A)11の回動も小さくて、前記垂直分力は小さくなる。これはダイヤフラム3の変位が小さくても良いことを示している。つまり、調整ねじ18の底部18aの位置を変化させることにより、ダイヤフラム3の変位を制御できることになるので、電気回路を閉じるべき圧力を設定できることになる。
【0047】
レバー(A)11の小突起11dは調整ねじ18の底部18aを押圧する(または底部18aにより押圧される)と前記した。押圧は衝突気味に開始される。その衝突が回数多く繰り返えされると、調整ねじ18とロッド5との螺合にゆるみが生じ、電気回路を閉路する圧力に狂いを生じてくる。本実施例では前記した狂いを生じさせないため、調整ねじ18の内径上部に多角形穴18bを設けるとともに、ロッド5の小径部5dの上に偏心突起部5eを設けた。ロッド5の偏心突起部5eの頂部は、多角形穴18bの辺と辺とで形成される角部に係合している。この状態から調整ねじ18を回転すると、ロッド5の偏心突起部5eの頂部は、調整ねじ18の多角形穴18bの辺と辺とで形成される角部との係合を外され、多角形穴18bの辺に押し付けられるようになる。当然のことであるが、多角形穴18bの中心と、辺と辺とで形成される角部間の距離は、辺の中央部のそれよりは大きいため、ロッド5の小径部5dは、その差分だけ変位しないと調整ねじ18の回転ができないことになる。その組立状態を図5に示す
【0048】
ポンプを現地で据え付けるに際しては、可動接点15と固定接点17とを強制的に解離して電気回路を開いたり、可動接点15と固定接点17とを強制的に押圧して電気回路を閉じたりする必要がある。
【0049】
電気回路を強制的に開くのは、主に他の電気回路や部品の充電部の作業をする時の感電防止のためである。
【0050】
電気回路を強制的に閉じるのは、主にポンプの能力限界を知るためである。
【0051】
電気回路を強制的に開く場合は、作業の性質上長時間に渡ってその状態を保つ必要があり、閉じる場合は、モーターに過負荷を与えないためにも一定の時間内に元に戻す必要がある。
【0052】
本実施例では、対称形ねじりコイルばね13のねじりコイルばね部13bを側方から、スライド釦19に設けた壁19b、または壁19cのいずれかで押圧することと、スライド釦19に設けた丸突起19eとケース24に設けた各丸突起24c,24d,24eとの組合せにより、前記必要事項を満足させることができた。
【0053】
まず図15および図17を用いて電気回路を強制的に開く場合の動作を説明する。
【0054】
図15は可動接点14と固定接点17とが接触している状態である。
【0055】
図2でスライド釦19を「自動切」の方にスライドする。すると、図15に示したP矢方向からスライド釦19の壁19bが対称形ねじりコイルばね13のねじりコイルばね部13bを側方から押すことになる。この時レバー(A)11は、ベース(C)10か、またはロッド5によりダイヤフラム3側への移動は規制されているので、対称形ねじりコイルばね13は、中央直線部13aを回転中心にして回動する。このため、レバー(B)12は、レバー(A)11の方向に強制回動させられるため、可動接片14を押し下げ、可動接点15を固定接点17より解離する。しかし、レバー(A)11をレバー(B)12が越えられるまでは回動しないので、その状態は図17に示したようになり、その目的とするところは、電気回路を開いた時にはその状態を維持するところにある。そこでスライド釦19の丸突起19eが丸突起24cを乗り越えた時には、戻りばね20の伸長力を極小さくするか、ないようにして、丸突起19eが丸突起24cと丸突起24dとの間で静止するようにした。丸突起19eの位置保持は電気回路の開いた状態を持続することを意味する。
【0056】
前記とは反対に、図16のように電気回路が開いている状態から可動接点15と固定接点17とを強制的に接触させる場合は、図2でスライド釦19を「自動入」の方にスライドする。すると、図16に示した矢印R方向からスライド釦19の壁19cが対称形ねじりコイルばね13のねじりコイルばね部13bを前記とは逆側方から押すことになる。この時レバー(A)11はロッド5によりダイヤフラム3側への移動は規制されているので、対称形ねじりコイルばね13は、中央直線部13aを回転中心にして回動する。このため、レバー(B)12はレバー(A)11の方向に強制回動させられるため、可動接片14を押し上げ、可動接点15を固定接点17に押圧させる。しかし、レバー(A)11をレバー(B)12が越えられるまでは回動しないので、その状態は図18に示したようになり、スライド釦19から押圧を除けば、丸突起19eの移動を阻害するものはないので、戻りばね20の伸長力により、再び図16の状態に戻ることになる。
【0057】
本実施例では、隙間の発生しやすい外部引出線付近から昆虫や塵埃の浸入がないようにすることと、引出線に外力が加えられても内部に悪影響を及ぼさないような構成とした。
【0058】
以下その構成を説明する。
【0059】
線止め(A)22の半円形溝22aにリード線21を嵌めこむ。本実施例においては、4本のリード線21を4本の半円形溝22aに嵌めこむ。その後線止め(B)23の丸突起23bを線止め(A)22の丸穴22bに挿入するが、挿入の最後の部分で圧入気味にする。この時リード線21は、線止め(A)22の半円形溝22aと線止め(B)23の半円形溝23aとに包まれる格好となる。しかし線止め(B)23のリブ23dにより前記2部品の平坦部22cおよび23cが密着するにはいたらない。この状態から線止め(A)22を固定し、線止め(B)23に超音波を印加しつつ線止め(A)22に押圧する。これにより前記丸突起23bと丸穴22bとは互いに溶融しつつ、平坦部22cおよび23cが密着するまで挿入される。なおこれは一般的におこなわれる超音波溶着作業である。前記平坦部22cおよび23cが密着するまで押圧すると、リード線21は、線止め(B)23のリブ23dにより、最終的に線止め(A)22のくぼみ部22dに押し曲げられることになる。
【0060】
線止め(A)22と線止め(B)23とを組み立て、圧力スイッチ本体に取り付けた様子の縦断面図を図1に示す。
【0061】
線止め(A)22と線止め(B)23との圧力スイッチ本体への取付けは、ベース(A)1に設けた突起1aと線止め(A)22の裏面下方に設けた取付穴22eとを係合することによりおこなわれる。23eは線止め(B)23の背部に設けたケース止め用の突起であり、ケース24の下部に設けた穴24と係合することにより、ケース24の抜け止めとなる。なお、前記した線止め(A)22と線止め(B)23との固定力が不足の時は、線止め(A)22の平坦部22cおよび線止め(B)23の平坦部23cも超音波溶着することにより、固定力の増強を行うことができる。前記したように、線止め(A)22の半円形溝22aと線止め(B)23の半円形溝23aとの半径は、ほぼリード線21の半径と合わせてあるので、前記二個の半円形溝が向かいあった時は、リード線21の外周に隙間はないことになる。また、リード線21は、線止め(B)23のリブ23dにより押し曲げられているので、外部から張力や押し力を与えても内部までその外力の影響を与えるには至らない。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、圧力増減の速さが極めて緩慢な使用状態の場合でも、圧力スイッチの速断機構に生ずる機械的デッドラインを物理的な力関係に置き換えることにより排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 同じく図1の横断面図である。
【図4】 本発明の要部の斜視図である。
【図5】 図1に符号18で示す調整ねじの斜視図である。
【図6】 図1にそれぞれ符号19,20,24で示すスライド釦、戻りばね、ケースの斜視図である。
【図7】 図1にそれぞれ符号22,23で示す線止め(A)、線止め(b)の斜視図である。
【図8】 本発明の動作説明図である。
【図9】 同じく本発明の動作説明図である。
【図10】 同じく本発明の動作説明図である。
【図11】 図8の補足説明図である。
【図12】 図9の補足説明図である。
【図13】 図10の補足説明図である。
【図14】 図8に対応する部品を記号化した動作説明図である。
【図15】 図9に対応する部品を記号化した動作説明図である。
【図16】 図10に対応する部品を記号化した動作説明図である。
【図17】 図15の状態からの動作説明図である。
【図18】 図16の状態からの動作説明図である。

Claims (3)

  1. 圧力導入口からの圧力により変位するダイヤフラムと、可動接片に設けられた可動接点と固定接片に設けられた固定接点とからなる電気接点部と、前記電気接点部の開閉を行う速断機構と、前記ダイヤフラムの変位を前記速断機構に伝達するロッドとを有する圧力スイッチにおいて、
    前記ロッドの直線移動を押しばねを介して回転変位に変換するレバー(A)と、
    前記可動接片を介して前記可動接点と前記固定接点の開閉を行うレバー(B)と、
    中央部に直線部を有し、その両側にねじりコイルばね部を有し、さらにその外側に直線部を有する対称形ねじりコイルばねとを備え、
    前記対称形ねじりコイルばねの中央直線部をレバー(A)に支持させ、
    対称形ねじりコイルばねの両外側直線部をレバー(B)に支持させ、
    かつ、前記レバー(A)とレバー(B)とは、対称形ねじりコイルばねを支持する側と反対側でベース部材に回動自在に支持され、対称形ねじりコイルばねの垂直分力(復元力)により、常に互いに反対方向に回転付勢されるよう構成し、
    圧力導入口からの圧力増加初期時には、前記ロッドの上方移動を押しばねの変位に変換し、さらに前記ロッドが上方に移動して、対称形ねじりコイルばねの垂直分力と押しばねの伸長力とが極めて近い状態となり、引き続き前記ロッドが上方に移動して、前記対称形ねじりコイルばねの垂直分力が前記押しばねの伸長力より小さくなった時点で、瞬間的に押しばねが伸長し、前記レバー(A)を急回動させて、前記可動接点を前記固定接点より離し、
    前記とは逆に、圧力導入口からの圧力が減少してレバー(A)が回動すると、対称形ねじりコイルばねの垂直分力と前記可動接片の復元力とが極めて近い状態となり、さらに対称形ねじりコイルばねの垂直分力が前記可動接片の復元力より小さくなった時点で、瞬間的に前記可動接片が復元し、レバー(B)を急回動させて、前記レバー(A)をレバー(B)と反対方向に回動させ、前記可動接点を前記固定接点に押圧するよう構成したことを特徴とする圧力スイッチ。
  2. 請求項1において、圧力導入口からの圧力が増加してレバー(A)とレバー(B)とがその位置を反転した後、レバー(A)の回動を前記ロッド頂部に螺合した調整ねじで規制し、かつ調整ねじの螺合量を変えることによりレバー(A)の回動角度を設定する構成を特徴とする圧力スイッチ。
  3. 請求項において、前記調整ねじの螺合部と同芯上部に多角形の穴を設けるとともに、前記ロッド螺合部の上部に小径部を設け、さらにその頂部に偏心突起部を設けて、この偏心突起部と前記多角形の穴とを係合させたことを特徴とする圧力スイッチ。
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